JP3625730B2 - スピーカ内蔵のテレビ台 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、主として大型テレビジョンを載せるテレビ台に関し、スピーカを内蔵し且つその内蔵位置に特徴のあるテレビ台に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
大型テレビジョンは大画面の迫力で視聴者に迫るが、重低音の面で大画面に追従していない。
迫力のある重低音を出す大口径の高性能スピーカは種々のものが商品化されているが、これをテレビジョンに組み込むことは、大型テレビが更に大型化することになり、設置スペースや搬送面で問題があり、実現しない。
仮に大型テレビジョンに重低音用スピーカを組み込んでも、大型テレビは、床面から離れて設置されるため、視聴者が耳で聴くより体で感じる様な効果は小さい。
【0003】
本発明は、大型テレビジョンは専用の台に載せて使用されることが多いことに着目し、該台にスピーカを組み込み、然も組み込み位置に工夫を施すことにり、視聴者が体で振動を感じる様な迫力ある音を楽しむことができるテレビ台を明らかにするものである。
【0004】
【課題を解決する手段】
本発明のテレビ台は、テレビジョン ( 1 ) を載置するテレビ台の後部が、夫々左右両側から後方へ略円弧状に湾曲して形成されたテレビ台において、前記後部に中空体を形成すると共に、該中空体内にスピーカ ( 7 ) を内蔵し、スピーカ ( 7 ) は、テレビ台の左右の中心線Lに対して左右何れかに傾けて後方に向いており、支持壁 ( 5 ) にはスピーカ ( 5 ) の向きに対応して開口 (50) が設けられている。
【0005】
【作用及び効果】
テレビ台(3)にテレビジョン(1)を載せて、スピーカ(7)をテレビジョン(1)に接続する。
テレビ台(3)のベース板(31)及びスピーカ(7)を内蔵した後部支持壁(5)は、外膨らみに丸く湾曲しているため、部屋の壁面或いは隅部にテレビ台(3)を置いても、支持壁(5)と部屋の壁面とが面当たりとなる様に密接することはなく、スペースが確保される。然も、支持壁(5)内のスピーカ(7)は、テレビ台(3)の左右中心に対して傾いて後方に向いて設置されているため、スピーカ(7)から出た音は、部屋の壁面に垂直に当たらず音の背圧が和らぐ。
【0006】
又、スピーカ(7)をテレビ台(3)に設けることにより、スピーカ(7)の位置が部屋の床面に近づくため、重低音を耳で聴くより体で振動を感じる効果が増大し、迫力ある音を楽しむことができる。又、スピーカ(7)はテレビジョン(1)から離れているため、ブラウン管のマグネットの影響を受けることはなく、非防磁型のものでよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、テレビ台(3)に、重量70kg程度の大型テレビジョン(1)を載せた状態を示している。
テレビジョン(1)のキャビネットは、フラット型ブラウン管(10)を包囲した前キャビネット(11)と後キャビネット(12)によって構成される。
【0008】
後キャビネット(12)の側面(13)は、略半円状に膨らんでおり、上方から見たテレビジョン(1)の輪郭は左右対称である。
前キャビネット(11)の前面(14)両側に、スピーカ(図示せず)が配備されている。
図3に示す如く、テレビジョン(1)の底面には外周部を残して突出高さの短い脚部(斜線で示す部分)が形成されている。
図7に示す如く、後キャビネット(12)の背面略中央部は、凹部(15)が形成され、該凹部(15)に端子板(16)が設けられている。
【0009】
図4、図5に示す如く、テレビ台(3)は、ベース板(31)の前部両側及び後部に支持壁(4)(4)(5)を突設して形成されている。
左右の支持壁(4)(4)間は大きく開口し、前部の支持壁(4)(4)と支持壁(5)との間には夫々人の手を差し込むのに十分余裕のある開口(30)(30)が存在する。
ベース板(31)の上から見た輪郭は、直線状或いは緩やかに中央部が膨らんだ略円弧状前縁(31a)の両端から後方に略直角に曲がった前部側縁(31b)(31b)が続き、両前部側縁(31b)(31b)が、前記テレビジョン(1)の後キャビネット(12)の湾曲に一致する略半円状の後縁(31c)で繋がっており左右対称である。
ベース板(31)は複数の車輪(32)を具えている。
【0010】
前部の両支持壁(4)(4)は、ベース板(31)の前端から少し後方へ下がった位置からベース板(31)の側縁(31b)に沿って該側縁(31b)の終端間まで延びている。
後部の支持壁(5)は、ベース板(31)の左右の中心線Lからベース板(31)の円弧状後縁に沿って左右対称に延びている。
【0011】
3つの支持壁(4)(4)(5)に跨って補強板(6)がネジ止め固定される。
実施例の補強板(6)は、厚み3〜8mmのアルミニューム板を型切りしたものであって、後部は支持壁(5)のガイド壁(51)の湾曲に沿う円弧状に形成されている。
【0012】
補強板(6)の前部は両端を残して切欠部(60)が設けられ、補強板(6)の前記支持壁(4)(5)間の開口(30)との対応部分にも切欠部(62)(62)が設けられている。
上記切欠(60)(62)(62)はテレビジョン(1)の底部の前部、及び両側に手指を掛けてテレビジョン(1)をテレビ台(3)に載せるときに、指詰めを防止するための役割を成す。
【0013】
図1に示す如く、補強板(6)の下方に、支持壁(4)(4)(5)に跨って厚硝子板の棚板(61)がベース板(31)と平行に設けられている。
【0014】
図5に示す如く、前記後部の支持壁(5)は中空体であり、重低音域専用スピーカ(7)を内蔵したスピーカボックス(71)が収容されている。
スピーカ(7)は、支持壁(5)の左右の中心線Lに対して何れか一方に傾けて後方を向いている。支持壁(5)の外側面(53)のスピーカ(7)との対向部分は、開口部(50)となり、該開口部(50)に保護部材(57)が装着されている。
【0015】
支持壁(5)の両端面の内、スピーカ(7)に近い方の端面(54)及び該端面に近い側のスピーカボックス(71)の端面(72)に夫々開口部(55)(73)が設けられている。
支持壁(5)の開口部(55)はスピーカボックス(71)の開口部(73)よりも大きく、両開口部(55)(55)間に外拡がりのダクト(56)が設けられ、支持壁(5)の開口部(55)に固定される。
ダクト(56)の拡大側開口は、前方の近い方の支持壁(4)の方に向いている。
【0016】
スピーカボックス(71)は、特定の周波数で共振が起こって端面の開口部(73)から音が放射されスピーカ(7)の全面から出る音との相互作用により音の放射効率が上がり、低音域が大きく鳴る様に設計されている。
【0017】
図6、図7に示す如く、後部の支持壁(5)の外側面(53)には、前記テレビジョン(1)の背面の凹部(15)に連通する凹部(58)が設けられ、該凹部(58)の壁面にコード引出し孔(59)が開設されている。
【0018】
然して、テレビジョン(1)の脚部(2)をテレビ台(3)の3つの支持壁(4)(4)(5)のガイド壁(41)(41)(51)の内側に嵌めて、該台(3)にテレビジョン(1)を載せ、テレビ台(3)のコード引出し孔(59)から引き出したコード(70)をテレビジョン(1)の端子板(19)に接続する。
コード引出し孔(59)及び端子板(16)は、テレビ台(3)の外側面(53)及びテレビジョン(1)の後部側面(13)より凹み互いに連通する凹部(58)(15)に設けられており、コード(70)がテレビ台(3)及びテレビジョン(1)の側面からはみ出て邪魔になることはない。
【0019】
テレビ台(3)及びテレビジョン(1)は後部が半円状に湾曲しているため、図5に示す如く、部屋の壁面(8)に接近させ或いは部屋の隅部に接近させても、スピーカ(7)を内蔵したテレビ台(3)の後部支持壁(5)と部屋の壁面とが面当たりとなる様に密接することはなく、スペースが確保される。
【0020】
支持壁(5)内のスピーカ(7)は、テレビ台(3)の左右中心に対して傾いて後方に向いて設置されているため、スピーカ(7)の前面から出た音は、部屋の壁面(8)に垂直に当たらず、このため背圧が和らげられ、図5に矢印A、Bに示す如く、部屋の壁面(8)と支持壁(5)の外側面(53)との間から前方へ放射される。
又、スピーカ(7)の背面から出た音は、矢印Cで示す如く、スピーカボックス(71)の端部の開口部(73)からダクト(56)に案内されて支持壁(5)の端面(54)の開口部(55)からテレビ台(3)の前方へ放射される。
開口部(55)の前方は前後の支持壁(4)(5)との間の開口(30)であり、又、テレビ台(3)の前面は大きく開口しているため、テレビ台(3)内に音が籠もることはない。
スピーカ(7)の全面から出る音と、開口部(55)から出る音の相互作用により放射効率が上がり、低音域が大きく鳴る。
【0021】
又、スピーカ(7)の位置が部屋の床面に近い位置にあるため、重低音を耳で聴くより体で振動を感じる効果が増大し、一層迫力ある音を楽しむことができる。
【0022】
テレビ台(3)のベース板(31)や棚板(61)の掃除、或いはベース板(31)や棚板(61)に載せたビデオテープレコーダ等の機器の掃除は、前部の支持壁(4)(4)間の開口のみならず、前後の支持壁(4)(5)間の開口(30)(30)からも行うことができ、テレビ台(3)の奥行きが大きくなっても問題はない。
【0023】
実施例では、テレビジョン(1)の脚部(2)は、テレビ台(3)の左右及び後部の支持壁(4)(4)(4)のガイド壁(41)(41)(51)に包囲されているため、テレビ台(3)とテレビジョン(1)の水平方向の位置ずれは生じない。
【0024】
テレビジョン(1)の底部の前側両端及び後部は、テレビ台(3)のガイド壁(41)(41)(51)によって隠れ、又、テレビ台(3)の支持壁(4)(4)(5)とテレビジョン(1)の前面及び側面は面が揃うため、テレビジョン(1)とテレビ台(3)が恰も一体化した如く調和がとれ、美観を向上できる。
【0025】
本発明は上記実施例の構成に限定されることはなく特許請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレビジョンを載せたテレビ台の斜面図である。
【図2】テレビジョンを載せたテレビ台の正面図である。
【図3】テレビを分離したテレビ台の正面図である。
【図4】テレビ台の斜面図である。
【図5】テレビ台の水平方向の断面図である。
【図6】テレビ台の背面図である。
【図7】テレビジョンとテレビ台のコードの接続状態の斜面図である。
【符号の説明】
(1) テレビジョン
(3) テレビ台
(4) 支持壁
(5) 支持壁
(6) 補強板
(7) スピーカ
(71) スピーカボックス
Claims (5)
- テレビジョン ( 1 ) を載置するテレビ台の後部が、夫々左右両側から後方へ略円弧状に湾曲して形成されたテレビ台において、前記後部に中空体を形成すると共に、該中空体内にスピーカ ( 7 ) を内蔵し、スピーカ ( 7 ) は、テレビ台の左右の中心線Lに対して左右何れかに傾けて後方に向いており、支持壁 ( 5 ) にはスピーカ ( 5 ) の向きに対応して開口 (50) が設けられているテレビ台。
- スピーカ(7)は、スピーカボックス(71)に収容して支持壁(5)内に配備されており、支持壁 ( 5 ) の開口 (50) は保護部材 (57) が装着されている請求項1に記載のテレビ台。
- 支持壁(5)の左右の端面の内、スピーカ(7)に近い側の端面(54)及びスピーカボックス(71)の該端面(54)側の端面(72)に開口部(55)(73)が設けられている請求項2に記載のテレビ台。
- スピーカボックス(71)の開口部(73)よりも支持壁(5)の開口部(55)の方が大きく、両開口部(55)(73)の間に外拡がりのダクト(56)が設けられている請求項3に記載のテレビ台。
- 支持壁(4)(4)(5)の上端に跨って補強板(6)が固定されている請求項1乃至4の何れかに記載のテレビ台。
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