JP3625594B2 - 理美容用梳き鋏 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪の一部を梳くために使用される理美容用の梳き鋏に関し、特に、特殊な髪形にも対応できるように、梳かれる毛髪量が少なく、しかも、毛髪を傷めるおそれのない理美容用梳き鋏に関する。
【0002】
【従来の技術】
理美容用の梳き鋏は、通常、長板状の梳き刃体および切断刃体を有している。梳き刃体および切断刃体は、それぞれの中央部同士が相互に重ねられた状態で、相互に回動し得るように、ピン等によって軸支されている。切断刃体には、一方の先端部から中央部近傍にかけて、一方の側縁部に沿って刃先が連続的に設けられている。また、梳き刃体には、切断刃体の刃先に順次重なり合うように、切断刃体側に突出する櫛刃状の梳き刃が、適当な間隔をあけて、一方の先端部から中央部近傍にかけて設けられている。
【0003】
毛髪を梳く場合には、梳き刃体の各梳き刃と切断刃体の刃先との間に毛髪を配置して、各梳き刃と切断刃先とが相互に重ねられる。このとき、各梳き刃の先端部と切断刃先との間に位置する毛髪は切断されるものの、各梳き刃間に位置する毛髪は切断されず、従って、梳き刃体と切断刃体との間に配置された毛髪は、一部が梳かれることになる。
【0004】
梳き刃体における各梳き刃の先端部の刃先は、例えば、実開平6−48575号公報に開示されているように、U字状あるいはV字状に窪ませたり、実開平6−81463号公報に開示されているように、円弧状に窪ませる構成とされる。また、実開平3−49763号公報に開示されているように、各梳き刃の刃先を直線状に形成して、先端部の遠方側部分の一部をそれぞれ傾斜状態にカットすることも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
梳き刃体に設けられた各梳き刃の先端部の刃先を、U字状、V字状、あるいは円弧状に窪ませた形状にすると、毛髪は、窪んだ部分に入り込んだ状態で拘束されるために、その窪んだ部分に入り込んだ毛髪は確実に切断される。従って、梳かれる毛髪量は、梳き刃体と切断刃体との間に配置された毛髪量の8%程度になる。最近では髪形も多様化しており、局所的にわずかな毛髪を梳くことも行われている。このような場合には、各梳き刃の先端部をU字状等に窪ませる構成では、梳かれる毛髪量が多く、所望の髪形にすることができないおそれがある。
【0006】
また、梳き刃体に設けられた各梳き刃の刃先をそれぞれ傾斜状態にカットしておくと、各梳き刃における傾斜した部分と切断刃先との間の毛髪は、傾斜部分に沿ってスライドするために、切断されないおそれがある。しかしながら、各梳き刃の傾斜部分に沿ってスライドした毛髪は、傷ついているために、ブラッシングした際に切断されるおそれがある。従って所望の髪形にカットすることは容易ではない。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的は、梳かれる毛髪量が少なく、しかも、毛髪を傷つけるおそれがないために、所望の髪形にも容易にカットすることができる理美容用梳き鋏を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の理美容用梳き鋏は、それぞれの中央部同士が、相互に重ねられて回動し得るように軸支された梳き刃体および切断刃体を有しており、その切断刃体には、先端部から中央部近傍にかけて、梳き刃体が重なり合う側縁に沿って切断刃先が連続的に形成されるとともに、前記梳き刃体には、切断刃先に全体にわたって重なるように、それぞれが切断刃体側に突出した複数の櫛歯状の梳き刃が、相互に適当な間隔をあけて設けられた理美容用梳き鋏であって、各梳き刃の先端部に設けられた刃先が、それぞれ全周にわたって円弧状に突出していることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の理美容用すき鋏の実施の形態の一例を示す平面図、図2は、その要部の拡大図である。この理美容用すき鋏は、長板状になった梳き刃体10と、同じく長板状になった切断刃体20とを有している。
【0011】
梳き刃体10および切断刃体20は、それぞれの中央部同士が、相互に重ねられた状態で、ピン30によって、回動可能に軸支されている。梳き刃体10および切断刃体20のそれぞれの基端部には、親指および薬指がそれぞれ挿入されるリング状の把持部11および21がそれぞれ設けられている。各把持部11および21同士は相互に接離するように操作され、各把持部11および21同士が当接した状態で、梳き刃体10および切断刃体20の先端部から軸支された中央部近傍にかけて、それぞれの側部同士が相互に重なり合った状態になる。
【0012】
切断刃体20には、先端部からピン30の近傍にかけて、把持部11および21が相互に当接された際に梳き刃体10に重なり合う側部における側縁部に沿って、切断刃先23が連続的に設けられている。
【0013】
また、梳き刃体20には、切断刃先23に重なり合うように、切断刃先23側に向かって櫛歯状に突出する複数の梳き刃13が、梳き刃体10の先端部からピン30の近傍にかけて、等しい間隔をあけて設けられている。各梳き刃13は、ピン30を中心とした同心円に沿って湾曲した状態になっており、30本程度が設けられている。各梳き刃13の切断刃体20側へのそれぞれの突出量は、梳き刃体10の先端部側が小さく、ピン30の近傍になるにつれて、順次、大きくなっている。各梳き刃13の先端部に設けられた刃先は、円弧状に突出した状態になっている。
【0014】
切断刃先23が設けられた切断刃体20の側部と各梳き刃13は、相互に重なり合う対向面が、それぞれ平坦に構成されており、各梳き刃13と切断刃先23とは相互に摺接するようになっている。
【0015】
このような構成の梳き鋏は、毛髪の一部を梳く場合には、梳き刃体10および切断刃体20における各把持部11および21をそれぞれ相互に離隔させて、梳き刃体10の各梳き刃13と、切断刃体20の切断刃先23とを、相互に離隔させた状態とする。そして、両者の間に、梳くべき毛髪を配置して、各把持部11および21同士を相互に接近させ、梳き刃体10の各梳き刃13と切断刃体20の切断刃先23とを相互に重ね合わせる。これにより、梳き刃体10の各梳き刃13が、ピン30に近接側から順番に、切断刃体20の切断刃先23に重なり合う。そして、各梳き刃13の刃先が、切断刃先23に重なり合う際に、両者の間に位置する毛髪が切断され、隣接する梳き刃13の間に位置する毛髪は切断されず、適当な量の毛髪が梳かれる。
【0016】
このとき、各梳き刃13の先端部が、それぞれ円弧状に突出した状態になっているために、各梳き刃13の刃先と切断刃体20の切断刃先23との間に位置する毛髪の一部は、切断されることなく、隣接する梳き刃13間にスライドする。これにより、各梳き刃13と切断刃先23とが相互に重なることにより切断される毛髪量が少なくなる。
【0017】
本発明の梳き鋏では、梳き刃体10と切断刃体20との間に配置された毛髪は、3%程度が切断されて梳かれるようになっている。これに対して、各梳き刃の先端がU字状に窪んだ従来の梳き鋏では、梳き刃体と切断刃体との間の毛髪は、8%程度にわたって梳かれるようになっている。従って、長く伸びた毛髪の一部のみを梳くような特殊な髪形であっても、容易に対応することができる。
【0018】
また、梳き刃体10における各梳き刃13の刃先が円弧状に突出した状態になっているために、各梳き刃13と切断刃体20の切断刃先23とによって切断される毛髪が傷つくおそれがなく、従って、ブラッシングした際に毛髪が切断されて髪形が変化するおそれがない。
【0019】
【発明の効果】
本発明の理美容用梳き鋏は、このように、櫛歯状になった各梳き刃の刃先が円弧状に突出した状態になっているために、梳かれる毛髪量を少なくすることができ、特殊な髪形であっても、容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理美容梳き鋏の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】その理美容梳き鋏の要部の拡大図である。
【符号の説明】
10 梳き刃体
11 把持部
13 梳き刃
20 切断刃体
21 把持部
23 切断刃先

Claims (1)

  1. それぞれの中央部同士が、相互に重ねられて回動し得るように軸支された梳き刃体および切断刃体を有しており、その切断刃体には、先端部から中央部近傍にかけて、梳き刃体が重なり合う側縁に沿って切断刃先が連続的に形成されるとともに、前記梳き刃体には、切断刃先に全体にわたって重なるように、それぞれが切断刃体側に突出した複数の櫛歯状の梳き刃が、相互に適当な間隔をあけて設けられた理美容用梳き鋏であって、各梳き刃の先端部に設けられた刃先が、それぞれ全周にわたって円弧状に突出していることを特徴とする理美容用梳き鋏。
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