JP3625046B2 - 半導体製造・検査装置用セラミックヒータ - Google Patents

半導体製造・検査装置用セラミックヒータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に半導体産業において使用される半導体製造・検査装置用セラミックヒータ(以下、セラミックヒータという)に関し、特には、抵抗発熱体の回路間の絶縁性に優れるセラミックヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製品は、種々の産業において必要とされる極めて重要な製品であり、その代表的製品である半導体チップは、例えば、シリコン単結晶を所定の厚さにスライスしてシリコンウエハを作製した後、このシリコンウエハ上に種々の集積回路等を形成することにより製造される。
【0003】
この種の集積回路等を形成するには、シリコンウエハ上に、感光性樹脂を塗布し、これを露光、現像処理した後、ポストキュアさせたり、スパッタリングにより導体層を形成する工程が必要である。このためには、シリコンウエハを加熱する必要がある。
【0004】
このシリコンウエハ等を加熱するためのヒータとして、セラミックヒータが用いられており、特開平11−40330号公報などには、炭化物セラミックや窒化物セラミックを使用したヒータが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常、炭化物セラミックには不純物や焼結助剤等が含まれており、これらに起因して炭化物セラミックは導電性を有している場合が多い。このため、このような導電性の炭化物セラミックの表面に抵抗発熱体を設けても、回路間が短絡してしまい温度制御をすることができない。
【0006】
それゆえ、導電性を有さない炭化物セラミックを製造しようとすると、高価な高純度炭化物セラミックを使用し、また、焼結助剤を選ばなければならない。また、導電性セラミックは、同時に高い熱伝導率を備えていることが多いが、このようなセラミックに回路を形成しても短絡してしまうため、そのままセラミック基板に使用することはできない。
【0007】
さらに、常温では絶縁性の窒化物等からなるセラミックも、固溶酸素等の欠陥を有しており、このため、高温での体積抵抗率が低下し、やはり回路間が短絡して温度制御ができないという問題があり、なお、改良の余地があった。
【0008】
一方、特にセラミック基板と半導体ウエハとを離間させて加熱する場合に、セラミック基板表面の温度を均一にしても、半導体ウエハの温度が不均一になるという現象がみられ、上述した問題とともに改良が期待されていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した問題を解決するために鋭意研究した結果、セラミック基板の一面に該セラミック基板よりも高い体積抵抗率の絶縁層を設け、その上に抵抗発熱体を形成することにより、抵抗発熱体の短絡を防止することができ、また、この絶縁層の存在により半導体ウエハの温度の不均一も解消されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、第一の本発明の本発明のセラミックヒータは、セラミック基板の表面の少なくとも一部に、上記セラミック基板よりも高い体積抵抗率を有する絶縁層が形成され、上記絶縁層上に抵抗発熱体が形成されてなることを特徴とするものである。
【0011】
第一の本発明の本発明のセラミックヒータでは、上記絶縁層の上に抵抗発熱体が形成されているため、セラミック基板自体が導電性であったとしても、抵抗発熱体は短絡せず、ヒータとして良好に機能する。
【0012】
また、上記セラミック基板が、高温において体積抵抗率が低下するような場合も、使用温度領域で上記絶縁層の体積抵抗率がセラミック基板よりも高いため、抵抗発熱体の回路の短絡を防止することができる。
【0013】
また、本発明では、特に高価なセラミックを使用しなくてもよく、また、熱伝導率の高い導電性セラミックであっても、ヒータとして使用することができる。
【0014】
上記第一の本発明のセラミックヒータにおいて、上記セラミック基板は、炭化物セラミックまたは窒化物セラミックからなり、上記絶縁層は、酸化物セラミックからなることが望ましい。
【0015】
窒化物セラミックは、酸素固溶等により、高温で体積抵抗値が低下しやすく、また、炭化物セラミックは、特に高純度化しない限り導電性を有しており、そのままでは基板表面や内部に抵抗発熱体を形成することはできない。そこで、本発明では、このような材料からなるセラミック基板の表面に酸化物セラミックからなる絶縁層を形成することにより、回路間の短絡を防止し、ヒータとして機能させることができるのである。
【0016】
上記セラミック基板の抵抗発熱体が形成された面の反対側は、加熱面であることが望ましい。
本発明では、抵抗発熱体が形成された面の反対側を加熱面とすることができるため、抵抗発熱体が形成された面から加熱面へ熱が拡散しながら伝搬し、加熱面に抵抗発熱体のパターンに近似した温度分布が発生しにくい。
【0017】
上記絶縁層の厚さは、0.1〜1000μmであることが望ましい。
上記絶縁層の厚さが0.1μm未満であると、絶縁性を確保することができず、一方、上記絶縁層の厚さが1000μmを超えると、抵抗発熱体からセラミック基板への熱伝達を阻害してしまうからである。
【0018】
上記絶縁層の体積抵抗率は、上記セラミック基板の体積抵抗率の10倍以上(ただし、同じ測定温度)であることが望ましい。
10倍未満であると、抵抗発熱体の回路の短絡を防止することができないからである。絶縁層の体積抵抗率は、25℃で10 〜1018Ω・cmであることが望ましい。25℃で10 Ω・cm未満では、温度が上昇した場合に、絶縁層として機能せず、1018Ω・cmを超える体積抵抗率を持ったセラミック層は、熱伝導率が悪いからである。
例えば、400℃で窒化アルミニウムの体積抵抗率は、10 Ω・cmであり、同じ温度で、アルミナの体積抵抗率は、1010Ω・cmである。また、25℃で、炭化珪素の体積抵抗率は、10 Ω・cmであり、同じ温度でシリカの体積抵抗率は、1014Ω・cmである。
【0019】
第二の本発明のセラミックヒータは、円板状のセラミック基板の表面に抵抗発熱体が形成されてなるセラミックヒータであって、上記セラミック基板の抵抗発熱体が形成された側の反対側が加熱面となっており、該加熱面には、支持ピンがセラミック基板より突出した状態で固定されるとともに、上記セラミック基板は、加熱時に、半導体ウエハの外周部にいくほど半導体ウエハとセラミック基板との距離が大きくなるように、一方向に反っていることを特徴とするものである。
【0020】
ここで、一方向に反っているというのは、うねりがなく一方向に反って曲面が形成されている場合のみならず、本発明の効果を損なわない範囲でうねりながら一方向に反ったものも含まれる。うねり量は、反り量の50%以内になることが望ましい。反りやうねりの測定は、形状測定器(例えば、京セラ製 ナノウェイ)による。
【0021】
図7は、このようなうねりながら一方向に反ったセラミック基板の表面について、水平方向の位置と垂直方向の位置との関係を模式的に示したグラフであり、X軸が水平方向の位置を、Y軸が垂直方向の位置を表す。図7に示したように、測定データの曲線から仮想平面を演算し、この仮想平面に対する最大値Y と最小値Y との差(Y +Y )が反り量となる。また、測定データから、反り成分を差し引いたデータの極大点YW と極小値YW とがうねりである(図8参照)。測定範囲は、セラミック基板の外周端長さ(円板では直径)−10mmである。この範囲で、本発明では、10〜100μmの反り量が好ましい。
【0022】
第二の本発明の本発明のセラミックヒータでは、一面に絶縁層を形成すること等により、セラミック基板を一方向に反らせることができ、これにより、半導体ウエハをセラミック基板から一定距離離間させて加熱する場合に、半導体ウエハとセラミック基板との距離を掌握しやすくなり、それに合わせて温度制御を行うことにより、半導体ウエハの表面温度を均一化することができる。
【0023】
セラミック基板には、うねりがあり、半導体ウエハをセラミック基板から一定距離離間させて加熱する場合には、このうねりにより、半導体ウエハとセラミック基板との距離が場所によって変わり、半導体ウエハの温度が不均一になってしまう。
しかしながら、本発明では、セラミック基板を一方向に反らせることにより、不規則なうねりを無くすことができるため、温度制御が容易になり、半導体ウエハの表面温度を均一化することができるのである。
【0024】
上記第二の本発明のセラミックヒータにおいて、上記セラミック基板の反り量は、10〜100μmであることが望ましい。
【0025】
反り量が10μm未満では、うねりを解消することができず、一方、反り量が100μmを超えると、半導体ウエハの温度を均一化することが困難となるからである。この反りは、加熱面(抵抗発熱体が形成されていない面)側に凸であることが望ましい。この場合、半導体ウエハの外周部にいくほど、半導体ウエハとセラミック基板との距離が大きくなるが、もともと外周部は温度が低下しやすく、抵抗発熱体の発熱量を大きくするように設定されているため、既存の制御アルゴリズムをそのまま適用することができるからである。
【0026】
【発明の実施の形態】
第一の本発明のセラミックヒータは、セラミック基板の表面の少なくとも一部に、上記セラミック基板よりも高い体積抵抗率を有する絶縁層が形成され、上記絶縁層上に抵抗発熱体が形成されてなることを特徴とするセラミックヒータである。
【0027】
図1は、第一の本発明のセラミックヒータの一実施形態を模式的に示す底面図であり、図2は、図1に示したセラミックヒータの部分拡大断面図である。
【0028】
図1、2に示すように、セラミック基板11は、円板形状に形成されており、このセラミック基板11の底面11bには、絶縁層18が形成され、この絶縁層18の表面に複数の回路からなる抵抗発熱体12が同心円形状のパターンに形成されている。また、これら抵抗発熱体12は、互いに近い二重の同心円同士が1組の回路として、1本の線になるように接続されている。
【0029】
この抵抗発熱体12の表面には、抵抗発熱体12の酸化等を防止するために被覆層120が設けられており、この被覆層120が形成された抵抗発熱体12は、半田層17を介して外部端子13に接続されている。
【0030】
また、絶縁層18を有するセラミック基板11の底面11bには有底孔14が設けられおり、この有底孔14には熱電対等からなる測温素子(図示せず)が挿入され、耐熱性の接着材で封止されるようになっている。
【0031】
また、セラミック基板11には貫通孔15が設けられているが、この貫通孔15には、図2に示すように、リフターピン16を挿通することにより、シリコンウエハ19を保持することができるようになっており、このリフターピン16を上下することにより、搬送機からシリコンウエハ19を受け取ったり、シリコンウエハ19をセラミック基板11の加熱面11a上に載置して加熱したり、シリコンウエハ19を加熱面11aから50〜2000μm程度離間させた状態で支持し、加熱したりすることができる。
【0032】
また、セラミック基板に貫通孔または凹部を設け、この貫通孔または凹部に先端が尖塔状または半球状の支持ピンを挿入した後、支持ピンをセラミック基板よりわずかに突出させた状態で固定し、この支持ピンでシリコンウエハを支持することにより、加熱面から50〜2000μm程度離間させた状態でシリコンウエハを支持し、加熱することもできる(図5参照)。
【0033】
第一の本発明のセラミックヒータでは、図1に示したように、抵抗発熱体12は、少なくとも2以上の回路に分割されていることが望ましい。回路を分割することにより、各回路に投入する電力を変化させることができ、加熱面11aの温度を調節することができるからである。
【0034】
第一の本発明では、このようにセラミック基板の底面に絶縁層を形成し、この絶縁層の上に抵抗発熱体を設けることにより、セラミック基板自体が室温で導電性が大きいか、または、高温領域において抵抗が低下するものであっても、ヒータとして機能させることができる。
【0035】
図3は、第一の本発明のセラミックヒータの別の実施形態を模式的に示す底面図であり、図4は、図3に示したセラミックヒータの部分拡大断面図である。
このセラミックヒータ20では、セラミック基板21の底面21bに円環形状の絶縁層28a〜28cと、円形状の絶縁層28dが設けられており、この絶縁層28a〜28dの上に、被覆層220を有する抵抗発熱体22a〜22fが形成されており、その端部に外部端子23が接続されている。
このように絶縁層28a〜28dがセラミック基板21の底面21bの一部に設けられているほかは、図1、2に示したセラミックヒータと同様に構成されている。
【0036】
図3、4に示したセラミックヒータにおいても、抵抗発熱体の回路同士の短絡を防止することができ、セラミックヒータとして良好に機能させることができる。
【0037】
次に、第一の本発明のセラミックヒータを構成するセラミック基板について、さらに詳しく説明する。
上記セラミック基板を構成する窒化物セラミックとしては、金属窒化物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等が挙げられる。
また、上記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。
【0038】
本発明においては、セラミック基板中に焼結助剤を含有していることか望ましい。例えば、窒化アルミニウムの焼結助剤としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物等を使用することができる。
【0039】
これらの焼結助剤のなかでは、例えば、CaO、Y 、Na O、Li O、Rb O等が好ましい。これら焼結助剤の含有量は、0.1〜20重量%が好ましい。
また、セラミック基板が炭化珪素からなる場合、焼結助剤としては、例えば、B、C、AlN等が挙げられる。
【0040】
本発明において絶縁層として使用される酸化物セラミックとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ムライト、コージェライト、ベリリア等が挙げられる。
これらのセラミックは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化物セラミックを使用した場合、抵抗発熱体を固着させやすいため、有利である。
【0041】
これらの材料からなる絶縁層を形成する方法としては、例えば、アルコキシドを加水分解させたゾル溶液を用い、スピンコート等によりセラミック基板表面に被覆層を形成した後、乾燥、焼成する方法、スパッタリング法、CVD法等が挙げられる。また、セラミック基板の表面の一部に絶縁層を形成する方法としては、スクリーン印刷等が挙げられる。また、ガラス粉ペーストを塗布して500〜1000℃で焼成してもよい。
【0042】
本発明では、セラミック基板中に5〜5000ppmのカーボンを含有していることが望ましい。
カーボンを含有させることにより、セラミック基板を黒色化することができ、ヒータとして使用する際に輻射熱を充分に利用することができるからである。
カーボンは、非晶質のものであっても、結晶質のものであってもよい。非晶質のカーボンを使用した場合には、高温における体積抵抗率の低下を防止することができ、結晶質のものを使用した場合には、高温における熱伝導率の低下を防止することができるからである。従って、用途によっては、結晶質のカーボンと非晶質のカーボンの両方を併用してもよい。また、カーボンの含有量は、50〜2000ppmがより好ましい。
【0043】
セラミック基板にカーボンを含有させる場合には、その明度がJIS Z 8721の規定に基づく値でN4以下となるようにカーボンを含有させることが望ましい。この程度の明度を有するものが輻射熱量、隠蔽性に優れるからである。
【0044】
ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で表示したものである。
実際の明度の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
【0045】
本発明のセラミック基板の厚さは、10mm以下が望ましく、5mm以下がより望ましい。
セラミック基板の厚さが10mmを超えると、セラミック基板の熱容量が大きくなり、該セラミック基板の温度追従性が低下してしまうからである。なお、セラミック基板の厚さは、1.5mmを超える値であることが望ましい。
【0046】
上記セラミック基板の直径は200mm以上が望ましく、12インチ(300mm)以上であることがより望ましい。直径が大きく、例えば、12インチ以上のシリコンウエハが次世代の半導体ウエハの主流となるからである。
【0047】
本発明のセラミックヒータは、100℃以上で使用されることが望ましく、200℃以上で使用されるのが最も好ましい。
【0048】
抵抗発熱体は、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケル等の金属、または、タングステン、モリブデンの炭化物等の導電性セラミックからなるものであることが望ましい。抵抗値を高くすることが可能となり、断線等を防止する目的で厚み自体を厚くすることができるとともに、酸化しにくく、熱伝導率が低下しにくいからである。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
また、抵抗発熱体は、セラミック基板全体の温度を均一にする必要があることから、図1に示すような同心円形状のパターンや同心円形状のパターンと屈曲線形状のパターンとを組み合わせたものが好ましい。また、抵抗発熱体の厚さは、1〜50μmが望ましく、その幅は、5〜20mmが好ましい。
【0050】
抵抗発熱体の厚さや幅を変化させることにより、その抵抗値を変化させることができるが、上記範囲が最も実用的だからである。抵抗発熱体の抵抗値は、薄く、また、細くなるほど大きくなる。
【0051】
抵抗発熱体は、断面が方形、楕円形、紡錘形、蒲鉾形状のいずれでもよいが、偏平なものであることが望ましい。偏平の方が加熱面に向かって放熱しやすいため、加熱面への熱伝搬量を多くすることができ、加熱面の温度分布ができにくいからである。なお、抵抗発熱体は螺旋形状でもよい。
【0052】
上記絶縁層上に抵抗発熱体を形成するためには、金属や導電性セラミックを含む導体ペーストを用いることが好ましい。
即ち、セラミック基板に形成した絶縁層上に抵抗発熱体を形成する場合には、通常、焼成を行って、セラミック基板を製造し、続いて底面に絶縁層を形成した後、その表面に上記導体ペースト層を形成し、焼成することより、抵抗発熱体を形成する。
【0053】
上記導体ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保するため金属粒子または導電性セラミック粒子が含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好ましい。
【0054】
上記金属粒子や導電性セラミック粒子の材料としては、上述したものが挙げられる。これら金属粒子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなるからである。
【0055】
上記金属粒子の形状は、球状であっても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよい。
上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しやすくなり、抵抗発熱体と絶縁層との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるため有利である。
【0056】
上記導体ペーストに使用される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール等が挙げられる。増粘剤としては、セルロース等が挙げられる。
【0057】
抵抗発熱体用の導体ペーストを上記絶縁層上に形成する際には、上記導体ペースト中に上記金属粒子のほかに金属酸化物を添加し、上記金属粒子および上記金属酸化物を焼結させたものとすることが好ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、絶縁層と金属粒子とをより密着させることができる。
【0058】
上記金属酸化物を混合することにより、絶縁層との密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面は、わずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜が金属酸化物を介して絶縁層の酸化物と一体化し、金属粒子とセラミックとが密着するのではないかと考えられる。
【0059】
上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B )、アルミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの酸化物は、抵抗発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子とセラミック基板との密着性を改善することができるからである。
【0060】
上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B )、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整されていることが好ましい。
これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整することにより、特にセラミック基板との密着性を改善することができる。
【0061】
上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。また、このような構成の導体ペーストを使用して抵抗発熱体を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好ましい。
【0062】
面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、表面に抵抗発熱体を設けた半導体装置用セラミック基板では、その発熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
【0063】
抵抗発熱体が上記絶縁層の表面に形成される場合には、抵抗発熱体の表面部分に、金属被覆層が形成されていることが好ましい。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。形成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。
【0064】
上記金属被覆層を形成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。
なお、抵抗発熱体をセラミック基板の内部に形成する場合には、抵抗発熱体表面が酸化されることがないため、被覆は不要である。
【0065】
本発明では、図1に示したように、セラミック基板の底面に有底孔14を設け、有底孔14に測温素子を挿入、固定し、セラミック基板の温度を測定し、この温度に基づいてセラミック基板の温度を制御することが望ましい。
【0066】
用いる測温素子としては特に限定はされず、例えば、熱電対を挙げることができる。この熱電対と配線との接合部位の大きさは、各配線の素線径と同一か、もしくは、それよりも大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正確に、また、迅速に電流値に変換されるのである。このため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布が小さくなるのである。
上記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1980)に挙げられるように、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電対を挙げることができる。
【0067】
上記測温素子は、金ろう、銀ろう等を使用して、有底孔14の底に接着してもよく、この有底孔14に測温素子を挿入した後、耐熱性樹脂等で封止してもよく、上記二つの方法を併用してもよい。
【0068】
上記耐熱性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂が挙げられ、熱硬化性樹脂のなかでは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等が好ましい。これらの耐熱性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0069】
上記金ろうとしては、例えば、37〜80.5重量%のAuと63〜19.5重量%のCuとからなる合金、81.5〜82.5重量%のAuと18.5〜17.5重量%のNiとからなる合金等が挙げられる。これらは、溶融温度が900℃以上であり、高温領域でも溶融しにくいためである。
銀ろうとしては、例えば、Ag−Cu系のものが挙げられる。
【0070】
以上、第一のセラミックヒータについて説明したが、セラミック基板自体が比較的体積抵抗率が大きく、内部に設けた電極等の短絡が発生しにくい場合には、セラミック基板の表面に抵抗発熱体を設けるとともに、セラミック基板の内部に静電電極を設けることにより、静電チャックとしてもよい。
【0071】
また、セラミック基板の表面に抵抗発熱体を設けるとともに、セラミック基板の表面にチャックトップ導体層を設け、一方、セラミック基板の内部にガード電極やグランド電極を設けることにより、ウエハプローバとしてもよい。
【0072】
次に、本発明のセラミックヒータの製造方法の一例を図6に基づき説明する。
図6(a)〜(d)は、セラミック基板の底面に形成された絶縁層上に抵抗発熱体を有するセラミックヒータの製造方法を模式的に示した断面図である。
【0073】
(1)セラミック基板の作製工程
窒化アルミニウム、炭化珪素等のセラミック粉末に必要に応じてイットリア、ボロン等の焼結助剤やバインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。スラリー調製時に、非晶質や結晶質のカーボンを添加してもよい。
【0074】
次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結させ、セラミック製の板状体を製造し、その後、所定の形状に加工することにより、セラミック基板11を作製するが、焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔のないセラミック基板11を製造することが可能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、窒化物セラミック、炭化物セラミックでは、1000〜2500℃である。
【0075】
次に、例えば、アルコキシドを加水分解させて調製したアルミナゾル、シリカゾル等の溶液を、セラミック基板11の底面11bにスピンコート法により塗布し、乾燥、焼成を行うことにより絶縁層18を形成する。スパッタリング法やCVD法を用いて絶縁層18を形成してもよく、セラミック基板を酸化性の雰囲気で加熱することにより、表面を酸化させ、絶縁層18としてもよい(図6(a))。
【0076】
次に、セラミック基板に、必要に応じて、シリコンウエハを支持するためのリフターピンを挿入する貫通孔15や、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔14を形成する。
【0077】
(2)セラミック基板に形成された絶縁層上に導体ペーストを印刷する工程
導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からなる粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリーン印刷などを用い、抵抗発熱体を設けようとする部分に印刷を行うことにより、導体ペースト層を形成する。また、抵抗発熱体は、セラミック基板全体を均一な温度にする必要があることから、例えば、同心円形状とするか、または、同心円形状と屈曲線形状とを組合わせたパターンに印刷することが好ましい。
導体ペースト層は、焼成後の抵抗発熱体12の断面が、方形で、偏平な形状となるように形成することが好ましい。
【0078】
(3)導体ペーストの焼成
セラミック基板11底面の絶縁層上に印刷した導体ペースト層を加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒子を焼結させ、セラミック基板11の底面に焼き付け、抵抗発熱体12を形成する(図6(b))。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好ましい。
【0079】
導体ペースト中に上述した金属酸化物を添加しておくと、金属粒子、セラミック基板および金属酸化物が焼結して一体化するため、抵抗発熱体と絶縁層との密着性が向上する。
【0080】
(4)被覆層の形成
抵抗発熱体12の表面には、被覆層120を設けることが望ましい。
被覆層120は、電解メッキ、無電解メッキ、スパッタリング等により形成することができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である(図6(c))。
【0081】
(5)端子等の取り付け
抵抗発熱体12の回路の端部に、電源との接続のための外部端子13をスズ−鉛半田からなる半田層17を介して接続する(図6(d))。金ろうまたは銀ろうを用いて接続してもよい。また、有底孔14に熱電対(図示せず)を挿入し、ポリイミド等の耐熱樹脂、セラミックで封止し、セラミックヒータ10の製造を完了する。
【0082】
上記セラミックヒータを構成するセラミック基板の体積抵抗率が比較的大きく、電極等の短絡が発生しにくい場合には、上記セラミックヒータを製造する際に、セラミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電チャックを製造することができ、また、加熱面にチャックトップ導体層を設け、セラミック基板の内部にガード電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバを製造することができる。
【0083】
上記セラミック基板の製造方法では、セラミック粉末を含む顆粒を用いてセラミック基板を製造したが、セラミック粉末とバインダと溶剤等を用いてグリーンシートを作製し、このグリーンシートを積層することにより、セラミック基板を製造してもよい。内部に電極等を設ける場合には、この方法で比較的容易に電極等を形成することができる。
【0084】
次に、第二の本発明に係るセラミックヒータについて説明する。
第二の本発明のセラミックヒータは、セラミック基板の表面に抵抗発熱体が形成されてなるセラミックヒータであって、上記セラミック基板は、一方向に反っていることを特徴とするものである。
【0085】
このように、セラミック基板が一方向に反ることにより、半導体ウエハをセラミック基板から一定距離離間させて加熱する場合に、半導体ウエハとセラミック基板との距離を掌握しやすくなり、半導体ウエハの表面温度を均一化することができる。
【0086】
セラミック基板を一方向に反らせる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、セラミック基板の内部の加熱面から一定の深さの部分に、熱膨張率がセラミック基板と異なる層(金属層、セラミック層等)を設ける方法、上述した第一の本発明のセラミックヒータのように、底面に絶縁層を設ける方法等が挙げられる。
【0087】
第二の本発明のセラミックヒータにおいては、例えば、第一の本発明と同様に、セラミック基板の底面に絶縁層が設けられ、該絶縁層の上に抵抗発熱体が設けられているか、または、セラミック基板の内部に該セラミック基板と異なる材質の層が設けられている。セラミック基板の内部に該セラミック基板と異なる材質の層が設けられている場合には、その他の部分は、第一の本発明のセラミックヒータの場合と同様に構成されている。
【0088】
底面に絶縁層を設ける方法については、第一の本発明において説明したので省略することにする。また、セラミック基板の内部に別の材質の層を形成する場合には、顆粒を成形型に投入する際に、金属箔等を入れればよく、グリーンシートを積層して成形体を作製する場合には、グリーンシート上にそのような材質の粉末を含むペースト層を形成すればよい。
上記セラミック基板の他の部分の構成については、第一の本発明の場合と同様であるので、ここでは、これらについての説明を省略することにする。
【0089】
第二の本発明においても、セラミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電チャックとすることができ、また、加熱面にチャックトップ導体層を設け、セラミック基板の内部にガード電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバとすることができる。
【0090】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)炭化珪素製のセラミックヒータの製造
(1)炭化珪素粉末(平均粒径:0.3μm)100重量部、焼結助剤として、B C(平均粒径:0.5μm)4重量部、C(三菱化学社製 三菱ダイヤブラック)0.5重量部、アクリルバインダ12重量部、分散剤0.5重量部およびアルコールを混合した後、スプレードライ法を用いて、顆粒状の粉末を作製した。
【0091】
(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
(3)加工処理の終わった生成形体を2100℃、圧力:17.6(180kg/cm )MPaでホットプレスし、厚さが3mmの炭化珪素製セラミック基板を得た。
次に、この板状体の表面から直径210mmの円板状体を切り出し、セラミック基板11とした。
【0092】
(4)次に、このセラミック基板11に、テトラエチルシリケート25重量部、エタノール37.6重量部、塩酸0.3重量部、水23.5重量部からなる混合液を24時間、攪拌しながら加水分解させ、重合させたゾル溶液をスピンコート法により塗布し、ついで80℃で5時間乾燥させ、1000℃で1時間焼成することにより、炭化珪素からなるセラミック基板11の底面に厚さが2μmのSiO 膜からなる絶縁層18を形成した(図6(a))。
【0093】
(5)絶縁層18を形成したセラミック基板11に、ドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピンを挿入する貫通孔15、熱電対を埋め込むための有底孔14を作製した。
【0094】
(6)上記(5)の作業が終了した後、絶縁層18を有するセラミック基板11の底面に、スクリーン印刷により導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、図1に示したような同心円形状のパターンとした。
導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
【0095】
(7)次に、導体ペーストを印刷したセラミック基板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、抵抗発熱体12を形成した(図6(b))。銀−鉛の抵抗発熱体12は、厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
(8)次に、硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(7)で作製したセラミック基板11を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体の表面に厚さ1μmの被覆層120(ニッケル層)を析出させた(図6(c))。
【0096】
(9)電源との接続を確保するために、抵抗発熱体12(回路)の端部に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田ペースト層を形成した。
ついで、半田ペースト層の上にコバール製の外部端子13を載置して、420℃で加熱リフローし、半田層17を介して、抵抗発熱体12の端部と外部端子13とを接続した(図6(d))。
【0097】
(8)続いて、温度制御のための熱電対を有底孔14に挿入し、セラミック接着剤(東亜合成製 アロンセラミック)を埋め込んで固定し、セラミックヒータ10を得た。
【0098】
(実施例2)炭化珪素製のセラミックヒータの製造
平均粒径が1.0μmの炭化珪素粉末を使用し、焼結温度を1900℃とし、さらに、得られたセラミック基板の表面を1500℃で2時間焼成して表面に厚さが1μmのSiO からなる絶縁層を形成したほかは、実施例1と同様にして、炭化珪素製のセラミックヒータを製造した。
【0099】
(実施例3)窒化アルミニウム製のセラミックヒータの製造
(1)窒化アルミニウム粉末(平均粒径0.6μm)100重量部、イットリヤ(Y 、平均粒径0.4μm)4重量部、アクリル系樹脂バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
(3)加工処理の終わった生成形体を温度:1800℃、圧力:200kg/cm でホットプレスし、厚さが3mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。
次に、この板状体から直径210mmの円板体を切り出し、セラミック基板11とした。このセラミック基板の底面に、実施例1で用いたゾル溶液を実施例1と同様の方法で塗布し、乾燥、焼成することにより、厚さが2μmのSiO 膜からなる絶縁層を形成した。
【0100】
次に、この絶縁層を有するセラミック基板11にドリル加工を施し、リフターピンを挿入する貫通孔、熱電対を埋め込むための有底孔(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
【0101】
(4)上記(3)で得たセラミック基板11の底面に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、図1に示したような同心円形状とした。導体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。
【0102】
この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
【0103】
(5)次に、導体ペーストを印刷したセラミック基板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、抵抗発熱体12を形成した。銀−鉛の抵抗発熱体12は、厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
(6)次に、硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5)で作製した焼結体を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体の表面に厚さ1μmの被覆層120(ニッケル層)を析出させた。
【0104】
(7)電源との接続を確保するために、抵抗発熱体12(回路)の端部に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田ペースト層を形成した。
ついで、半田ペースト層の上にコバール製の外部端子13を載置して、420℃で加熱リフローし、半田層17を介して、抵抗発熱体12の端部と外部端子13とを接続した。
【0105】
(8)温度制御のための熱電対を有底孔14に挿入し、セラミック接着剤(東亜合成社製 アロンセラミック)を埋め込んで固定し、セラミックヒータを得た。
【0106】
(比較例1)
SiO からなる絶縁層をセラミック基板の底面に設けなかったほかは、実施例1と同様にしてセラミックヒータを製造した。
【0107】
以上のようにして製造した実施例1〜3および比較例1に係るセラミックヒータについて、セラミック基板の中心と外周との距離(表面平坦度)を測定した。平坦度の測定は、形状測定器(京セラ社製 ナノウェイ)を使用した。
【0108】
また、実施例1、2に係るセラミックヒータについては、150℃に昇温し、実施例3に係るセラミックヒータについては、400℃まで昇温して、独立した回路の抵抗値を測定することで回路の短絡の有無を判定した。
【0109】
さらに、実施例1〜3および比較例1に係るセラミックヒータについて、400℃まで昇温し、シリコンウエハの最高温度と最低温度との差をサーモビュア(日本データム社製 IR−16−2012−0012)で測定した。
また、400℃まで昇温した後、冷却し、テープを発熱体に張りつけて剥がすテープテストを実施した。その結果を同じく表1に示す。
【0110】
【表1】
Figure 0003625046
【0111】
表1に示した結果より明らかなように、セラミック基板の最高温度は、外周部に存在している。セラミック基板とシリコンウエハとの関係は、図5に示したような関係になっており、外周部にいくほどシリコンウエハとセラミック基板との距離が大きくなる。このため、外周部分のセラミック基板の温度を上昇させれば、シリコンウエハ全体の温度を均一化することができる。
【0112】
【発明の効果】
以上、説明したように、第一の本発明のセラミックヒータは、セラミック基板の表面に絶縁層が形成され、上記絶縁層の上に抵抗発熱体が形成されているので、抵抗発熱体の短絡を防止することができ、セラミックヒータとして良好に機能させることができる。
【0113】
また、第二の本発明のセラミックヒータでは、セラミック基板が一方向に反っているので、半導体ウエハをセラミック基板から一定距離離間させて加熱する場合に、半導体ウエハとセラミック基板との距離を掌握しやすくなり、これに基づいて温度制御を行うことにより、半導体ウエハの表面温度を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータの一例を模式的に示す底面図である。
【図2】図1に示したセラミックヒータの部分拡大断面図である。
【図3】本発明のセラミックヒータの別の一例を模式的に示す底面図である。
【図4】図3に示したセラミックヒータの部分拡大断面図である。
【図5】本発明のセラミックヒータのさらに別の一例を模式的に示す底面図である。
【図6】(a)〜(d)は、セラミックヒータの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図7】うねりと反りとを有するセラミック基板の表面の水平方向と垂直方向との位置関係を示したグラフである。
【図8】図7に示したグラフにおいて、測定データから反り成分を差し引いたグラフである。
【符号の説明】
10、20、30 セラミックヒータ
11、21、31 セラミック基板
11a、21a、31a 加熱面
11b、21b、31b 底面
12 抵抗発熱体
120、220 被覆層
13 外部端子
14 有底孔
15 貫通孔
16 リフターピン
17 半田層
18、28、38 絶縁層
19 シリコンウエハ
32 支持ピン

Claims (7)

  1. 円板状のセラミック基板の表面に抵抗発熱体が形成されてなる半導体製造・検査装置用セラミックヒータであって、
    前記セラミック基板の抵抗発熱体が形成された側の反対側が加熱面となっており、該加熱面には、支持ピンがセラミック基板より突出した状態で固定されるとともに、前記セラミック基板は、加熱時に、半導体ウエハの外周部にいくほど半導体ウエハとセラミック基板との距離が大きくなるように、一方向に反っていることを特徴とする半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
  2. 前記セラミック基板の反り量は、10〜100μmである請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
  3. 前記セラミック基板の表面にセラミック基板よりも高い体積抵抗率を有する絶縁層が形成され、前記絶縁層上には抵抗発熱体が形成されている請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
  4. 前記セラミック基板は、炭化物セラミックまたは窒化物セラミックからなり、前記絶縁層は酸化物セラミックからなる請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
  5. 前記絶縁層の厚さは、0.1〜1000μmである請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
  6. 前記反りは、加熱面側に凸である請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
  7. 前記セラミック基板は、直径200mm以上である請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
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