JP3625033B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録のごとく、色材を含有した液滴を画像信号に応じて噴射し、画像を形成する記録装置であって、特に、前記液滴を中間転写体上に噴射して画像を形成し、該画像を記録紙に転写する記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置のごとく、色材を含有した液体を画像信号に応じて液滴として噴射して記録を行う記録装置においては、上質紙のごとき普通紙ににじみの少ない記録を行うことは重要な技術課題である。このため、従来、様々な発明が提案されている。これら普通紙対応の従来技術は、大きく分けて次の3つの方法に分けられる。
【0003】
(1)インクを記録紙に滴下すると同時、または、その前後でインク硬化剤を同じ場所に滴下する方法。例えば、特開平6−92009号公報,特開平6−92010号公報に記載の発明は、普通紙でインク液滴が滴下する領域のみに、インクを記録紙に滴下すると同時、または、その前後でインク硬化剤を記録紙の同じ場所に滴下することで、記録紙上のにじみを防ぐものである。しかし、この発明においては、インク硬化液専用の手段が必要であり、また、硬化に時間がかかるため、記録時間が通常より長くなる欠点がある。
【0004】
(2)予め記録紙にインクにじみを低減する部剤を塗布し、記録後その部剤を記録紙上で定着する方法。例えば、特開平5−96720号公報に記載の発明は、普通紙に予めインクにじみを低減する粒子を塗布し、インク定着後、該粒子を紙上で定着させるものである。しかし、この発明においては、前記粒子部剤は、インクに対して溶解等の反応を示すものであるため、粒子定着後、記録紙上でインク溶媒である水や油と溶解等の反応を示す恐れがあり、記録後の保存安定性に難がある。
【0005】
(3)中間転写体を用い、インク粘度を高めてから記録紙に転写する方法。例えば、特開平7−89067号公報に記載の発明は、中間転写体型インクジェットヘッドと呼ばれる記録装置で、一旦、インク画像を中間転写体上に形成し、程よい粘度になったところで記録紙に転写することで、普通紙上でのインクにじみ等を解決するようにしている。
【0006】
しかし、上記特開平7−89067号公報に記載の発明は、中間転写体に予め界面活性剤を塗布してぬれ性を上げるようにしたものであり、そのため、程よい粘度になるまでかなりの時間を要し、そのため、中間転写体ひいては記録紙上ににじみが生じ、高速記録には不向きであり、特に、ベタ画像の場合ににじみが大きく、例えば、ラインプリンタ等により校正して高速化しようとしても、このにじみの点で高速化に限界があった。
【0007】
また、本出願人はこれらの方法における問題点を解決する発明を既に提案している(特願平9−359208号)。この発明によれば、普通紙を用い、高速にかつ良好な画像が得られるが、出力される画像の種類は様々であり、転写性・画質は画像の種類等により違いがあり、一つの条件で満足できる画像を得ることは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、中間転写体全面に、予めセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写する記録装置において、記録紙として普通紙を用いても、インクによるにじみが極力少なく、耐水性に優れ、かつ、印字後の紙保存性に優れた記録装置を提供すること、さらには、いろいろな画像種類に対しても、簡易な手段で良好な画像が得られるようにすることを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項の発明は、外部入力装置からの画像情報を処理して印字データを形成し、該印字データに基づいて中間転写体上に可視画像化し、該可視画像を記録紙上に転写する記録装置であって、前記中間転写体の面上に、予め液滴により溶解または膨潤可能でかつ該液滴の粘度を上昇させることができる粉体のセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して前記中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写する記録装置において、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、前記画像情報により変化させ、前記中間転写体上の可視画像は、予めセット剤が形成された前記中間転写体の面上に前記液滴が到達し、前記セット剤を溶解または膨潤させることによって形成され、前記画像情報がテキストデータであるかイメージデータであるかによって、イメージデータの場合の付着量を、テキストデータの場合の付着量より多くなるように、前記中間転写体上に形成するセット剤の付着量を、変化させるようにしたものである。
【0011】
請求項の発明は、外部入力装置からの画像情報を処理して印字データを形成し、該印字データに基づいて中間転写体上に可視画像化し、該可視画像を記録紙上に転写する記録装置であって、前記中間転写体の面上に、予め液滴により溶解または膨潤可能でかつ該液滴の粘度を上昇させることができる粉体のセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して前記中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写する記録装置において、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、前記画像情報により変化させ、前記中間転写体上の可視画像は、予めセット剤が形成された前記中間転写体の面上に前記液滴が到達し、前記セット剤を溶解または膨潤させることによって形成され、前記画像情報がモノクロであるかカラーであるかによって、カラーの場合の付着量をモノクロの場合の付着量より多くなるように、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、変化させるようにしたものである。
【0012】
請求項の発明は、外部入力装置からの画像情報を処理して印字データを形成し、該印字データに基づいて中間転写体上に可視画像化し、該可視画像を記録紙上に転写する記録装置であって、前記中間転写体の面上に、予め液滴により溶解または膨潤可能でかつ該液滴の粘度を上昇させることができる粉体のセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して前記中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写する記録装置において、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、前記画像情報により変化させ、前記中間転写体上の可視画像は、予めセット剤が形成された前記中間転写体の面上に前記液滴が到達し、前記セット剤を溶解または膨潤させることによって形成され、前記可視画像の着色面積により、着色面積が大きい値の場合の付着量を、着色面積が少ない値の場合の付着量より多くなるように、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、変化させるようにしたものである。
【0013】
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか1項の発明において、画像情報の種類を判断する装置を設けたものである。
【0014】
請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか1項の発明において、画像情報の種類をユーザが入力することができる装置を設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による記録装置の一実施例の基本構成を示す図で、図示のように、セット剤塗布装置10,中間転写体装置20,印字装置30,給紙装置40,転写装置50及び排紙装置60で構成されている。但し、必要に応じ転写体上の残留セット剤のクリーニング装置70も配置する(本実施例には、クリーニング装置70を配置してある)。
【0016】
まず、印字開始信号を受けると、セット剤塗布装置10で中間転写体装置20の中間転写ベルト21にセット剤を塗布する。セット剤はアクリル酸樹脂,アクリル酸/メタクリル酸共重合樹脂,メタクリル酸樹脂,澱粉等吸水性を示す粉体で、0.1〜30μm程度の粒径である。
【0017】
セット剤塗布装置10が動作すると共に中間転写体装置20も動作し、セット剤塗布装置10と中間転写体装置20の接触でセット剤が中間転写体21上に塗布される。中間転写体は少なくともセット剤を塗布する表面がシリコーンゴム,フッ素ゴム,エピクロルヒドリンゴム等の弾性体であり、該弾性体をPET,ポリイミド等の樹脂ベルト表面に設けた構造、あるいは、金属のドラム上に前記の弾性体を設けた構造も可能である。中間転写体装置20は3本のローラ22,23,24,中間転写体21,駆動モータ(図示せず)や位置制御エンコーダやその筺体(図示せず)などから構成されており、セット剤塗布装置10と共に動作する。
【0018】
中間転写体21にセット剤が塗布され、印字装置30の位置に塗布された部分が移動すると、印字動作が始まり、印字装置30により中間転写体21上のセット剤の上に画像やテキストなどが印字される。本実施例では、印字装置がシャトル方式で描かれているが、1つ又は3つ以上のラインヘッド等で構成しても良い。ラインヘッドで印字機構を構成した時は、連続的に印字及び転写することができる。
【0019】
中間転写体21上の印字された部分が、中間転写体21の移動に伴って転写装置50に到達するのと同期して、給紙装置40から転写紙41が送り出され、レジストユニットのレジストローラ42まで送られる。
【0020】
中間転写体21に印字された画像又はテキストにタイミングを合せレジストローラ42から転写紙41が送り出され、転写装置50の転写ローラ51などにより中間転写体21上の画像又はテキスト等が転写紙41に転写され、排紙装置60により排紙,ストックされる。
【0021】
通常、中間転写体21上で印字に関与しなかったセット剤は除去されることはなく、次の印字のためにセット剤塗布装置10を通り、消費した部分のセット剤のみを補給されるプロセスになっている。しかし、本実施例のように、クリーニング装置70を備え、中間転写体21上の未使用のセット剤を取り除いてもよい。記録装置が使われない状態が長時間になるような場合は、未使用のセット剤はクリーニング装置70でクリーニングした方が良い。
【0022】
セット剤は粉体形状をしていると、粉体は表面積が広いため、液滴との接触性が良く、このため、最も早く該液滴を溶解又は膨潤することができる。さらに、粉体は記録紙のパルプと絡みやすいため、記録紙に成形後の紙上での安定性に優れ、かつ、容易に紙から除去可能である。
【0023】
セット剤塗布装置10は、セット剤補給ローラ11とブレード12からなっている。セット剤は、印字しようとする画像の情報量等により、必要量が決まり、必要に応じた量が補給ローラ11から中間転写体21上に補給ローラ11を回転することで供給される。中間転写体21上に供給されたセット剤は、中間転写体21の移動に伴って移動し、ブレード12と転写体21の間を通過することで均一化される。ブレード12は、ウレタン,シリコーンゴム等弾性体であればよい。ローラ11は発泡シリコーンゴム,発泡ポリウレタン,発泡EPDMなどの弾性体であればよい。図1に示した構成例では、補給ローラ11とブレード12を用いているが、補給にブラシを用いた方法,ブレードの代わりにブラシを用いた方法等も可能である。転写体上のセット剤の塗布量は、補給ローラ11の回転数,ブレード12と転写体21とのギャップ幅,ブレード12と転写体21との当接圧力を変化させることで調整できる。
【0024】
図2は、本発明による記録装置を制御する制御系のブロック図で、パソコンや他の入力装置1により本装置に画像・テキストデータが送られるとシーケンス制御部2により、その動作が管理され、データ処理部3ではデータ受信・送信・印字データ生成が行われ、プリント部4ではセット剤の塗布・印字・給紙・転写・排紙・クリーニング等の動作が行われる。このとき、データ処理部3では、画像情報を判別し、それに応じたガンマ補正,色調整,フィルタリング等が行われ、印字データを生成する。この印字データに従って、印字装置よりインキが噴射される。
【0025】
図3は、本発明により記録が行われる原理を説明するための図で、図示するごとく、画像情報に応じて、色材を含有した液滴6が基体(中間転写体)5上に到達する前に、予め基体5上には該液滴6に対して溶解性又は膨潤性を示し、前記液滴6の粘度を上昇させる粉体のセット剤7が塗布されている(図3(A))。
【0026】
画像信号に応じて噴射した液滴6は、基体5に到達し直ちに前記セット剤7が液滴6により溶解又は膨潤(6′)する。液滴6の粘度は、水と反応したセット剤の分子の絡み合いや、表面からの水分の蒸発によって上昇する(図3(B))。
【0027】
このとき、図示するように、液滴6は基体5表面を広がるが、この広がりは液滴6と粉体7との親和性,液滴6と基体5との親和性によって左右される。粘度上昇と共に広がりは止まる(図3(C))。
粘度が高くなった液滴(6″)は、転写材8を圧接し応力を加えることで流動化し、転写材8に転写される(図3(D))。
【0028】
このとき、液滴6の量に対して予め塗布されているセット剤7の量が少ないと、転写時に液が分離し、結果的に液滴6の一部が転写残り(6a)として基体5上に残ってしまう(図3(E−1))。これは、液滴6内のセット剤7の密度が小さく分子の絡み合い等による液滴6の凝集力が不十分であり、液滴6が分離してしまうためだと考えられる。一方、液滴6の量に対して予め塗布されているセット剤7の量が多すぎると、部分的に全く転写しない(6b)という、転写むらが発生し、結果的にぼそつきが発生してしまう(図3(E−2))。これは、転写材8と液滴6との接触性が悪くなり、両者間の付着力が充分に働かなくなるためであると考えられる。
【0029】
そこで以下のような条件の下で、中間転写体上に形成するセット剤の付着量を変えて、画像の種類(テキスト、イメージ等)によるにじみ、転写性、画質の変化をみてみた。
液滴による記録装置:水性インクジェットプリンタ
中間転写体 :シリコーンベルト
記録紙 :リコーTYPE6200
セット剤 :ポリアクリル酸樹脂(平均粒径0.5μm)
中間転写体上のセット剤の付着量を変えて、具体例として文字と写真を出力し、にじみと転写性を評価した。
【0030】
結果は、文字画像に対してはポリアクリル酸樹脂の付着量が20〜50μg/cm程度で、良好な転写が可能でにじみのない画像が得られた。写真画像に対しては約50〜150μg/cm程度でにじみがなく良好な転写が可能であった。文字画像の場合、ポリアクリル酸樹脂60μg/cmでは、部分的に転写不良が生じ、文字が切れ切れになった。写真画像は、ポリアクリル酸樹脂20μg/cmでは、にじみが発生した。
【0031】
また、転写前の転写体上のインクの粘度を測定したところ、100〜1000P程度で良好な転写が得られており、画像にじみもなかった。転写体上で、固まらず転写が充分にできない時の粘度を測定したところ、10P以下であった。また、5000P以上の時には、転写画像は、ぼそぼそで、部分的な転写残が中間転写体上に発生した。
【0032】
次に、セット剤の付着量を変えて、画像のモノクロ、カラーの違いによる転写性、画質の変化を、以下の条件で同様にみてみた。
液滴による記録装置:水性インクジェットプリンタ
中間転写体 :シリコーンベルト
記録紙 :リコーTYPE6200
セット剤 :メタクリル酸樹脂(平均粒径10μm)
モノクロの画像とカラーの画像について、セット剤の付着量を変化させ、良好な画像が得られる範囲を調べた。モノクロ画像に対して良好な画像が得られた時のセット剤の付着量は、約0.6〜0.9mg/cmであり、0.7mg/cm程度が最も安定していた。カラー画像に対しては、約1〜3mg/cmの付着量の時が良好であり、2mg/cm程度が最も安定している。
【0033】
上記条件の下では、モノクロ画像とカラー画像とを出力する際、中間転写体上のセット剤の付着量を前記の安定な付着量に設定したところ、良好な画像が安定的に得られた。また、モノクロ画像とカラー画像の区別は、パソコンからの入力データのヘッダ部より判断し制御した。
【0034】
図4は、データから画像を判断し、中間転写体上のセット剤の付着量のレベルを決定する手順の例を示すフローチャートで、パソコン等の入力装置により入力されたデータ信号はデータ処理部に入力され、まず、画像の種類がイメージデータであるか否かが判断される(S1)。イメージデータでないと判断されたものは、レベル1に設定される(S2)。画像の種類はデータのヘッダによって判断するが、ヘッダにイメージデータであるか否かの情報が付与されていない場合、データはスルーする。次に、カラー画像であるか否かをヘッダから判断する(S3)。ここで、カラー画像でないと判断されたものは、レベル2と設定する(S4)。画像処理を施された後、印字データは画像バッファに一時的に蓄えられるが、その際のバッファの入り口で着色画素数Dを計数する(S5)。この計数値Dを予め設定しておいた閾値Thrと比較し、レベルを判断する(S6)。閾値Thrより少ない場合レベル3(S7)、閾値Thr以上の場合レベル4(S8)と設定する。
【0035】
ここで、セット剤として、ポリアクリル酸樹脂(平均粒径約0.5μm)を使用し、中間転写体の付着量のレベルを、レベル1が約20μg/cm、レベル2が40μg/cm、レベル3が70μg/cm、レベル4が100μg/cmとなるように、塗布機を設定し実験を行ったところ、各種の画像に対して、にじみが発生することもなく良好な画像が得られた。
【0036】
上記したデータのヘッダから画像を判断するものの代わりに、外部から入力できるボタンを設置し、該ボタンによって、テキスト/イメージ,モノクロ/カラーの選択を行い、中間転写体上のセット剤の付着量を上記のように設定した場合も、当然良好な画像が得られた。
【0038】
【発明の効果】
請求項の発明は、中間転写体全面に、予め液滴により溶解又は膨潤可能で、かつ、該液滴の粘度を上昇させることができる粉体のセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写するようにしたことによって、高速でかつにじみのない良好な画像を得ることができ、さらには、中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、画像情報により変化させ、前記中間転写体上の可視画像は、予めセット剤が形成された前記中間転写体の面上に前記液滴が到達し、前記セット剤を溶解または膨潤させることによって形成されることで、種類の違った画像についても、より確実に良好な画像が得られる。また、画像情報がテキストデータであるかイメージデータであるかによって、イメージデータの場合の付着量を、テキストデータの場合の付着量より多くなるように、中間転写体上に形成するセット剤の付着量を、変化させるようにすることで、テキストデータとイメージデータの両方において、にじみのない良好な画像を得ることができる。
【0039】
請求項の発明は、中間転写体全面に、予め液滴により溶解又は膨潤可能で、かつ、該液滴の粘度を上昇させることができる粉体のセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写するようにしたことによって、高速でかつにじみのない良好な画像を得ることができ、さらには、中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、画像情報により変化させ、前記中間転写体上の可視画像は、予めセット剤が形成された前記中間転写体の面上に前記液滴が到達し、前記セット剤を溶解または膨潤させることによって形成されることで、種類の違った画像についても、より確実に良好な画像が得られる。また、画像情報がモノクロであるかカラーであるかによって、カラーの場合の付着量をモノクロの場合の付着量より多くなるように、中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、変化させるようにしたことにより、モノクロ画像とカラー画像の両方について、にじみのない画像を得ることができる。
【0040】
請求項の発明は、中間転写体全面に、予め液滴により溶解又は膨潤可能で、かつ、該液滴の粘度を上昇させることができる粉体のセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写するようにしたことによって、高速でかつにじみのない良好な画像を得ることができ、さらには、中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、画像情報により変化させ、前記中間転写体上の可視画像は、予めセット剤が形成された前記中間転写体の面上に前記液滴が到達し、前記セット剤を溶解または膨潤させることによって形成されることで、種類の違った画像についても、より確実に良好な画像が得られる。また、可視画像の着色面積により、着色面積が大きい値の場合の付着量を、着色面積が少ない値の場合の付着量より多くなるように、中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、変化するようにしたことで、より画像の特徴にあった制御が可能であり、より確実に良好な画像が得られる。
【0041】
請求項の発明は、画像の種類を判断する装置を設けたことにより、画像によってセット剤の付着量を変化させる際、ユーザの判断を要さず、適正な付着量を決定できる。
【0042】
請求項の発明は、画像種類をユーザが入力することができる装置を設けたことにより、画像によってセット剤の付着量を変化させる際、ユーザの判断を反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録装置の一実施例を説明するための要部概略構成図である。
【図2】本発明による記録装置の制御系の一実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明により記録が行われる原理を説明するための図である。
【図4】本発明のセット剤付着量を設定する手順の実施例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…入力装置、2…シーケンス制御部、3…データ処理部、4…プリント部、5…基体(中間転写体)、6…液滴、7…セット剤、8…転写材(記録紙)、10…セット剤塗布装置、11…セット剤補給ローラ、12…ブレード、20…中間転写体装置、21…中間転写体、22,23,24…ローラ、30…印字装置、40…給紙装置、41…転写紙、42…レジストローラ、50…転写装置、51…転写ローラ、60…排紙装置、70…クリーニング装置。

Claims (5)

  1. 外部入力装置からの画像情報を処理して印字データを形成し、該印字データに基づいて中間転写体上に可視画像化し、該可視画像を記録紙上に転写する記録装置であって、前記中間転写体の面上に、予め液滴により溶解または膨潤可能でかつ該液滴の粘度を上昇させることができる粉体のセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して前記中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写する記録装置において、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、前記画像情報により変化させ、前記中間転写体上の可視画像は、予めセット剤が形成された前記中間転写体の面上に前記液滴が到達し、前記セット剤を溶解または膨潤させることによって形成され、前記画像情報がテキストデータであるかイメージデータであるかによって、イメージデータの場合の付着量を、テキストデータの場合の付着量より多くなるように、前記中間転写体上に形成するセット剤の付着量を、変化させることを特徴とする記録装置。
  2. 外部入力装置からの画像情報を処理して印字データを形成し、該印字データに基づいて中間転写体上に可視画像化し、該可視画像を記録紙上に転写する記録装置であって、前記中間転写体の面上に、予め液滴により溶解または膨潤可能でかつ該液滴の粘度を上昇させることができる粉体のセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して前記中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写する記録装置において、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、前記画像情報により変化させ、前記中間転写体上の可視画像は、予めセット剤が形成された前記中間転写体の面上に前記液滴が到達し、前記セット剤を溶解または膨潤させることによって形成され、前記画像情報がモノクロであるかカラーであるかによって、カラーの場合の付着量をモノクロの場合の付着量より多くなるように、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、変化させることを特徴とする記録装置。
  3. 外部入力装置からの画像情報を処理して印字データを形成し、該印字データに基づいて中間転写体上に可視画像化し、該可視画像を記録紙上に転写する記録装置であって、前記中間転写体の面上に、予め液滴により溶解または膨潤可能でかつ該液滴の粘度を上昇させることができる粉体のセット剤を形成し、液滴を信号に応じて噴射して前記中間転写体上に可視画像を形成し、次いで、前記可視画像を記録紙上に転写する記録装置において、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、前記画像情報により変化させ、前記中間転写体上の可視画像は、予めセット剤が形成された前記中間転写体の面上に前記液滴が到達し、前記セット剤を溶解または膨潤させることによって形成され、前記可視画像の着色面積により、着色面積が大きい値の場合の付着量を、着色面積が少ない値の場合の付着量より多くなるように、前記中間転写体上に予め形成するセット剤の付着量を、変化させることを特徴とする記録装置。
  4. 前記画像情報の種類を判断する装置を具備することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記画像情報の種類をユーザが入力することができる装置を具備することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の記録装置。
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