JP2000272108A - 記録方法及び装置 - Google Patents

記録方法及び装置

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JP2000272108A
JP2000272108A JP11078301A JP7830199A JP2000272108A JP 2000272108 A JP2000272108 A JP 2000272108A JP 11078301 A JP11078301 A JP 11078301A JP 7830199 A JP7830199 A JP 7830199A JP 2000272108 A JP2000272108 A JP 2000272108A
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JP11078301A
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English (en)
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Tomoko Takahashi
朋子 高橋
Mitsuo Hasebe
光雄 長谷部
Toshio Kawakubo
俊夫 川久保
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性に優れ、かつ、印字後の記録体の保存
性にも優れるとともに、様々な種類の画像に対しても、
簡易な手段で良好な画像が得られる、記録方法および装
置を提供することに加え、2層以上の材料を安定的に塗
布することにより、多種類の画像に対しても、簡易な手
段で良好な画像が得られる記録方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】 中間転写体21上に予め液体により溶解
または膨潤可能でかつ該液体の粘度を上昇させることが
できる材料11を塗布し、爾後液体を該材料に接触させ
中間転写体21上に画像を形成し、ついで前記画像を記
録紙42上に転写する記録方法において、中間転写体上
に形成された材料11に対し、摺擦力を作用させないよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットへ
ッド記録のごとき、特に色材を含有した液滴を画像信号
に応じて噴射し、画像を形成するのに適した記録方法お
よび装置であって、詳しくは上質紙のごとき普通紙に画
像を形成するための記録方法と装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェッ卜記録方法のごとく、色剤
を含有した液体を液滴として画像信号に応じて記録を行
う記録方法においては、上質紙のごとき普通紙に滲みの
少ない記録を行うことが重要な技術課題である。このた
め従来から様々な発明が提案されている。これらの従来
技術としては、次の3つが代表例として挙げられる。
1.インクを記録紙に滴下すると同時、または、その前
後に、インク硬化剤を同じ場所に滴下する方法:例え
ば、特開平6−92009号公報,特開平6−9201
0号公報に記載の発明は、普通紙で、インク液滴が滴下
する領域のみに、インクを記録紙に滴下すると同時に、
または、その前後で、インク硬化剤を記録紙上の同じ場
所に滴下することで、記録紙上での滲みを防ぐものであ
る。しかし、この発明においては、インク硬化液専用の
滴下手段が必要であり、また、硬化時間がかかるため
に、記録時間が通常よリも長くなる欠点がある。2.子
め記録紙にインク滲みを低減する材料を塗布し、記録
後、その材料を記録紙上で定着する方法:例えば、特開
平5−96720号公報に記載の発明は、普通紙に予め
インク滲みを低減する粒子を塗布し、インク定着後、当
該粒子を紙上で定着させるものである。しかし、この発
明において用いられている前記粒子材料は、インクに対
して溶解等の反応を示す材料であるため、当該粒子定着
後、紙上でインク溶媒である水や油と溶解等の反応を示
す恐れがあり、記録後の保存安定性に難がある。3.中
間転写体を用い、インク粘度を高めてから記録紙に転写
する方法:例えば、特開平7−89067号公報に記載
の発明は、中間転写体型インクジェットと呼ばれる記録
装置で、一旦、インク画像を中間転写体上に形成し、程
よい粘度となったところで記録紙に転写することで、普
通紙上でのインク滲み等を解決するようにしている。し
かし、上記特開平7−89067号公報に記載された発
明は、中間転写体に予め界面活性剤を塗布してぬれ性を
上げるようにしたものであり、そのため、程よい粘度と
なるまでかなりの時間を要し、そのため、中間転写体ひ
いては記録紙上に滲みが生じ、高速記録には不向であ
り、特に、ベタ画像の場合に滲みが大きく、例えば、ラ
インプリンタ等により構成して高速化しようとしても、
この滲みの点で高速化に限界があった。
【0003】従来技術に共通する問題を解決する記録方
法及び装置を出願人は既に提案している(特願平9−3
59308号)。当該発明は、記録体上に、予め液滴に
より溶解または膨潤可能でかつ、前記液滴の粘度を上昇
させることができ、インクに対して溶解等の反応を示す
ことがない材料を前記記録体に塗布し、爾後液滴を信号
に応じて噴射して記録体上に可視画像を形成するもので
あるところから、普通紙等を用いた画像記録において、
高速でかつ滲みのない良好な画像が得られることになっ
た。しかしながら、出力される画像の種類は1種類に限
られるものでなく多様であり、得られる転写性、画質
は、画像の種類により違いがあるため、上記材料を単層
塗布するのみで満足できる画像を得る事は極めて困難で
あるという不具合を生じていた。この不具合を解決する
ため、2層以上の塗布が望まれるが、2層以上を安定的
に塗布することは極めて困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の記録方
法およびその方法を使用した装置にあっては、材料を単
層塗布しただけの記録体で複数種類の画像に対応するこ
とになるため、画像密度の大小差に起因した記録画像の
滲みや剥がれが生ずるという致命的な問題が生じてい
た。そこで本発明の課題は、このような問題点を解決す
るものである。即ち、本発明は、耐水性に優れ、かつ、
印字後の記録体の保存性にも優れるとともに、様々な種
類の画像に対しても、簡易な手段で良好な画像が得られ
る記録方法および装置を提供することに加え、2層以上
の材料を安定的に塗布する方法及び装置を提供すること
により、多種類の画像に対しても、簡易な手段で良好な
画像が得られる記録方法及び装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる記録方法
は、中間転写体上に予め液滴により溶解または膨潤可能
でかつ該液滴の粘度を上昇させることができる材料を塗
布し、爾後液滴を該材料に接触させ中間転写体上に画像
を形成し、ついで前記可視を記録紙上に転写する記録方
法において、中間転写体上に形成された材料に対し、摺
擦力を作用させないことを最も主要な特徴とする。本発
明に係わる記録方法は、液体により溶解または膨潤可能
でかつ該液体の粘度を上昇させることができる材料を、
中間転写体上に予め塗布し、その後液体を該材料に接触
させることにより中間転写体上に画像を形成し、次いで
前記画像を記録紙上に転写する記録方法において、複数
の材料粒子を、まとまって移動可能な程度に凝集させ、
材料塗布手段から中間転写体上に付着させることを主要
な特徴とする。本発明に係わる記録装置は、中間転写体
上に、予め液体により溶解または膨潤可能でかつ、該液
体の粘度を上昇させることができる材料を塗布する材料
塗布手段と、爾後液体を該材料に接触させ中間転写体上
に画像を形成する画像形成手段と、前記画像を記録紙上
に転写する転写手段とよりなる記録装置において、中間
転写体上に形成された材料に対して、液体が上記材料に
接触する以前に、上記材料と接触する部材を排除したこ
とを最も主要な特徴とする。本発明に係わる記録装置
は、請求項4に記載した通り、請求項3記載の記録装置
において、材料塗布手段の材料を担持する表面には凹凸
が形成されていることを主要な特徴とする。本発明に係
わる記録装置は、請求項5に記載した通り、請求項4記
載の記録装置において、上記凹凸のピッチは、材料の粒
径の2倍より大であることを主要な特徴とする。本発明
に係わる記録装置は、請求項6に記載した通り、請求項
3記載の記録装置において、材料塗布手段の材料を担持
する表面は、表面を粗したものであることを主要な特徴
とする。本発明に係わる記録装置は、請求項7に記載し
た通り、請求項3記載の記録装置において、材料塗布手
段の材料を担持する表面は、発泡体で形成したことを主
要な特徴とする。
【0006】
【作用】本発明に係わる記録方法は、請求項1に記載の
通り、中間転写体上に予め液体により溶解または膨潤可
能でかつ該液体の粘度を上昇させることができる材料を
塗布し、爾後液体を該材料に接触させ中間転写体上に画
像を形成し、ついで前記画像を記録紙上に転写する記録
方法において、中間転写体上に形成された材料に対し、
摺擦力を作用させないこととするので、2層以上の材料
を安定的に保持出来、良好な画像が得られる記録方法を
提供することができる。請求項2に記載の通り、液体に
より溶解または膨潤可能でかつ該液体の粘度を上昇させ
ることができる材料を、中間転写体上に予め塗布し、そ
の後液体を該材料に接触させることにより中間転写体上
に画像を形成し、次いで前記画像を記録紙上に転写する
記録方法において、複数の材料粒子を、まとまって移動
可能な程度に凝集させ、材料塗布手段から中間転写体上
に付着させることにするので、多層に形成された材料を
より安定的に保持することができる記録方法を提供する
ことができる。請求項3に記載した通り、中間転写体上
に、予め液体により溶解または膨潤可能でかつ、該液体
の粘度を上昇させることができる材料を塗布する材料塗
布手段と、爾後液体を該材料に接触させ中間転写体上に
画像を形成する画像形成手段と、前記画像を記録紙上に
転写する転写手段とよりなる記録装置において、中間転
写体上に形成された材料に対して、液体が上記材料に接
触する以前に、上記材料と接触する部材を排除すること
とするので、多層の安定した材料層を形成できる記録装
置を提供することができる。請求項4に記載した通り、
請求項3記載の記録装置において、材料塗布手段の材料
を担持する表面には凹凸が形成されているようにするの
で、簡易な方法で材料を中間転写体上に形成できる記録
装置を提供することができる。請求項5に記載した通
り、請求項4記載の記録装置において、上記凹凸のピッ
チは、材料の粒径の2倍より大であることにするので、
簡易な方法で材料を中間転写体上に形成できる記録装置
を提供することができる。請求項6に記載した通り、請
求項3記載の記録装置において、材料塗布手段の材料を
担持する表面は、表面を粗したものであるので、構成が
単純でかつ安価な方法で材料の塗布が可能な記録装置を
提供することができる。請求項7に記載した通り、請求
項3記載の記録装置において、材料塗布手段の材料を担
持する表面は、発泡体で形成したこととするので、ノイ
ズに強く簡易な方法で良好な接触が得られる記録装置を
提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明が適応され
る従来の記録方法及び記録装置を説明するもので、材料
(以下セット剤と称する)塗布手段10、中間転写体手
段20、印字手段30、給紙手段40、転写手段50、
排紙手段60、及びセット剤除去手段70で構成されて
いる。斯かる構成よりなる記録装置の動作は、まず、図
示しない制御部からの印字開始信号を受けるとセット剤
塗布手段10が、中間転写体手段20の中間転写べルト
21にセット剤11を塗布する。ここでセット剤11と
は、アクリル酸樹脂、アクリル酸/メタクリル酸共重合
樹脂、メタクリル酸樹脂、澱粉等吸水性を示す0.1〜
30μm程度の粒径の粉体である。セット剤塗布手段1
0の動作と共に、中間転写体手段20も動作し、セット
剤塗布手段10と中間転写体手段20の接触で中間転写
ベルト21上にセット剤11が塗布される。この詳細に
ついては更に後述するものとする。中間転写ベルト21
の少なくともセット剤11を塗布される表面はシリコー
ンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム等の弾性
体であるが、弾性体をPET(ポリエチレン・テレフタ
レート)、ポリミイド等の樹脂ベルト上に設けた構造や
金属のドラム上に上記弾性体を設けた構造も可能であ
る。中間転写手段20は、3本のローラ22,23,2
4と上記中間転写べルト21、さらに図示しない駆動モ
ータ、位置制御エンコーダ、筐体などから構成されてお
り、駆動モータの回転力がローラ22,23,24に伝
達されることにより、中間転写べルト21が回転される
ように構成されている。中間転写べルト21にセット剤
11が塗布され、印字手段30の位置に塗布部分が移動
すると、印字動作が始まり、印字手段30により中間転
写べルト21上のセット剤11上に画像情報が印字され
る。本実施例では、印字手段30のインクジェットへッ
ド31が棒状部材32に沿って紙面と直交する方向へス
ライドするシャトル走査方式で示されているが、ライン
へッド等で構成しても良い。ラインへッドで印字機構を
構成した場合には、高速でしかも連続的に印字及び転写
が行われるという特徴がでる。次に、給紙手段40の給
紙カセット41から紙42が送り出されレジストローラ
43まで送られる。中間転写べルト21上に印字された
画像情報にタイミングを合せて、レジストローラ43か
ら記録紙42が送り出され、転写手段50の転写ローラ
51が記録紙42を裏面から押し上げることにより中間
転写べルト21上の画像情報が記録紙42に転写され
る。しかる後、排紙手段60により排紙・ストックされ
る。転写手段50を通過した中間転写べルト21上に
は、印字に関与していないセット剤11が残存している
が、通常は除去されることなく、次の印字のために、セ
ット剤塗布手段10により消費した部分のみを補給する
プロセスになっている。しかし、本装置が長期間使用さ
れないような場合には、未使用セット剤は吸湿している
恐れがあるのでセット剤除去手段70により掻き落とす
ほうが好ましい。
【0008】次に本発明のセット剤塗布手段10につい
て更に詳述する。セット剤塗布手段10は、概略、補給
ブラシ12と塗布ローラ13、ドクター14からなって
いる。塗布ローラ13上のセット剤の量は、補給ブラシ
12から塗布ローラ13へのセット剤の補給量、ドクタ
ー14の塗布ローラ13への接触圧により規制され、必
要量に応じた量のセット剤11が塗布ローラ13上に保
持され、中間転写ベルト21上に供給される。塗布ロー
ラ13が中間転写ベルト21と接する部分の、中間転写
ベルト21の塗布ローラ13と反対の部分には、対向部
材15が設けられており、図1ではステンレス製のロー
ラを用いているが、塗布ローラ13との間に圧力がかか
り、塗布ローラ13と中間転写ベルト21との間で良好
な接触が得られるようであれば、板など他の形状でもよ
い。次に、塗布ローラ13から、中間転写ベルト21へ
のセット剤11の塗布の様子を図2に示し説明する。塗
布ローラ13の表面16は凹凸を有し、補給ブラシ12
からのセット剤の補給とドクター14の接触により、凹
部にセット剤が入り込んでいる。凹部に入り込んだセッ
ト剤11は、セット剤の最も外側にある部分が中間転写
ベルト21に接触すると、まとまって中間転写ベルト2
1に移動する。凹部に入ったセット剤11は互いに接触
することにより、弱い力で付着し、ひとかたまりとな
り、中間転写ベルト21の表面の粘着力により中間転写
ベルト上に移動するものと考えられる。このように、凝
集したセット剤を中間転写ベルトに付着させることで、
容易に、中間転写体上に二層以上のセット剤を付着させ
ることができる。
【0009】ここで、図3に示すように、塗布ローラ1
3の凹部内から中間転写ベルト21上に付着したセット
剤11に対し、ブレード17を接触させ矢印方向に移動
させるような場合を考えてみる。ブレード17が接触
し、ひとかたまりになっているセット剤11に対し擦る
ような力が作用すると、セット剤11は中間転写ベルト
21表面に一層のみ残した状態でバラバラになってしま
う。これは、セット剤11間に作用している力が弱く、
中間転写ベルトとセット剤11間の付着力が強いことを
示している。従って、中間転写ベルト上のセット剤を、
塗布ローラ13から塗布された状態のまま2層以上安定
して保持するためには、少なくともセット剤11に対し
摺擦力を作用させない事が肝要であり、中間転写ベルト
21上にセット剤が塗布された以降は、接触する部材を
全く持たない事が望まれる。塗布ローラ13表面の凹凸
は、規則的であっても、不規則であってもよく、シリコ
ンゴム、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)、ウレ
タン等の弾性体やアルミニウム、SUS等の金属やポリ
カーボネート等の樹脂の剛体の表面をサンドブラスト加
工等にて粗したもの、発泡ゴム、ウレタンなどの発泡に
よる凹凸でもよい。ここまでの記載では、塗布手段10
を塗布ローラとして説明したが、構成はローラに限定さ
れるものではなく、ベルト等でも良い。塗布ローラ13
を剛体で構成した場合にはローラの構成が容易で安価で
あるという利点があり、弾性体で構成した場合には中間
転写体と接触したときの接触幅が広くなるのに加え、圧
力が均一化されやすくノイズに強い等の利点がある。上
記した滲みの発生や画像剥がれの欠点を解消することを
企図してセット剤の2層以上の塗布を確保するため、本
出願人は以上に述べた装置を使用し、セット剤塗布条件
の把握を行った。液滴による記録装置としては水性イン
クジェットプリンタを用い、記録紙としてはリコー社製
TYPE6200を使用した。セット剤としては、平均
粒径0.5μmのポリアクリル酸樹脂を使用した。補給
ブラシとしてはアクリルブラシを用い、塗布ローラとし
ては発泡径が約100μmのシリコーンスポンジでゴム
厚みが3mm、ゴムの硬度がJIS―A40度のものを
使用した。又、中間転写ベルトとしては、シリコーンベ
ルトを使用した。
【0010】斯かる条件のもと、塗布ローラ13を中間
転写ベルト21に接触させ回転させることで、塗布ロー
ラ上のセット剤は中間転写ベルトに移動した。中間転写
ベルト上に付着したセット剤の重量を測定したところ、
約100μg/cm2 であり、多層のセット剤が付着し
ていることが明らかになった。この状態で、液滴による
記録、記録紙への転写を行ったところ、良好な画像が得
られ、転写残りも少なかった。特に、1次色、2次色、
3次色の転写においても滲みは発生しなかった。試し
に、上記記録装置のセット剤塗布手段10と印字手段3
0との間に、中間転写ベルト21表面に接するようにウ
レタンブレードを設け、セット剤11に接触させたとこ
ろ、セット剤はウレタンブレードの中間転写ベルト移動
方向上流側に溜り、剥がれ落ちた。この現象は図3で示
したものと同一であった。その後、液滴による記録装置
で印字し、記録紙に転写を行ったところ、1次色では滲
みのない良好な画像が得られたが、2次色、3次色で滲
みが発生してしまった。次に、液滴による記録装置とし
ては水性インクジェットプリンタを用い、記録紙として
はリコー社製TYPE6200を使用し、セット剤とし
ては、平均粒径2〜3μmのポリアクリル酸樹脂を使用
して実験を行った。補給ブラシとしてはアクリルブラシ
を用い、塗布ローラとしては表面をサンドブラスト加工
し、表面粗さをRz60μm及び100μmにした2種
類のアルミローラを用いた。この結果、表面粗さがRz
60μmの塗布ローラでは、中間転写ベルト上のセット
剤付着量は90μg/cm2 、表面粗さがRz100μ
mの塗布ローラでは、中間転写ベルト上のセット剤付着
量は150μg/cm2 であった。いずれの塗布ローラ
においてもセット剤が多層に付着しており、液滴による
印字が行われるまで、中間転写ベルトからセット剤が分
離することなく、良好な画像が得られた。塗布ローラの
表面を粗すことの他のメリットは、構成が単純でかつ安
価な方法で得られる塗布ローラを提供することにある。
【0011】更に、上記セット剤塗布手段10とは異な
る塗布手段を用いて実験を行った。図4にその異なる塗
布手段80を説明する。図4における塗布手段80は、
既述の塗布ローラとは異なり塗布ベルト81で構成され
ている。該ベルトは3本の支持ローラ82、83、84
により保持され、その内のローラ82が塗布ベルト81
を中間転写ベルト21に押し当てる作用をしている。塗
布ベルト81は50μmのPET(ポリエチレン・テレ
フタレート)ベース上に1mmの厚さで、発泡EPDM
(エチレン・プロピレンゴム)を形成したものであり、
発泡EPDM(エチレン・プロピレンゴム)は単泡、連
泡の混合で直径は約100〜200μmである。塗布手
段80内の補給ローラ85は塗布ベルト81に接触ある
いは間隙をもって位置するように設けられており、塗布
ベルトに補給するセット剤の量を規制している。斯かる
装置を用い、液滴による記録装置としては水性インクジ
ェットプリンタを用い、記録紙としてはリコー社製TY
PE6200を使用し、セット剤としては、平均粒径
0.5μmのポリアクリル酸樹脂を使用して実験を行っ
た。ここにおいて、補給ローラ85と塗布ベルト81と
の位置関係を変えて実験を行った。補給ローラ85と塗
布ベルト81とを接触させた場合、中間転写ベルト上の
塗布量は、約90μg/cm2であった。補給ローラ8
5と塗布ベルト81との間に約300μm程度の間隙を
持たせたところ、約140μg/cm2 であり、両者と
も塗布されるセット剤は2層以上の安定した付着状態が
得られた。
【0012】
【発明の効果】以上の説明により本件発明における効果
が以下の通り明らかになった。即ち、請求項1に記載の
通り、中間転写体上に予め液体により溶解または膨潤可
能でかつ該液体の粘度を上昇させることができる材料
(セット剤)を塗布し、爾後液体を該材料に接触させ中
間転写体上に画像を形成し、ついで前記画像を記録紙上
に転写する記録方法において、中間転写体上に形成され
た材料に対し、摺擦力を作用させないこととしたので、
2層以上の材料を安定的に保持出来、良好な画像が得ら
れる記録方法を提供することができた。つまり、非単層
状態で中間転写体上に塗布された材料を摺擦することに
より単層状態にすると、2層以上の材料を保持すること
ができないが、このように摺擦を加えないで複数層状態
にすることにより、良好な画像を得ることが可能となっ
た。請求項2に記載の通り、液体により溶解または膨潤
可能でかつ該液体の粘度を上昇させることができる材料
を、中間転写体上に予め塗布し、その後液体を該材料に
接触させることにより中間転写体上に画像を形成し、次
いで前記画像を記録紙上に転写する記録方法において、
複数の材料粒子を、まとまって移動可能な程度に凝集さ
せ、材料塗布手段から中間転写体上に付着させるように
したので、材料をより安定的に保持することができる記
録方法を提供することができた。例えば、塗布ローラ周
面に凹凸を設け、この凹部内にまとまって溜った材料を
中間転写体上に塗布することにより非単層状の塗布を実
現できることとなる。請求項3に記載した通り、中間転
写体上に、予め液体により溶解または膨潤可能でかつ、
該液体の粘度を上昇させることができる材料を塗布する
材料塗布手段と、爾後液体を該材料に接触させ中間転写
体上に画像を形成する画像形成手段と、前記画像を記録
紙上に転写する転写手段とよりなる記録装置において、
中間転写体上に形成された材料に対して、液体が上記材
料に接触する以前に、上記材料と接触する部材を排除し
たこととしたので、安定した材料層を形成できる記録装
置を提供することができた。請求項4に記載した通り、
請求項3記載の記録装置において、材料塗布手段の材料
を担持する表面には凹凸が形成されていることとしたの
で、簡易な方法で材料を中間転写体上に形成できる記録
装置を提供することができた。請求項5に記載した通
り、請求項4記載の記録装置において、上記凹凸のピッ
チは、材料の粒径の2倍より大であることにしたので、
簡易な方法で材料を中間転写体上に形成できる記録装置
を提供することができた。請求項6に記載した通り、請
求項3記載の記録装置において、材料塗布手段の材料を
担持する表面は、表面を粗したものであることとしたの
で、構成が単純でかつ安価な方法で材料の塗布が可能な
記録装置を提供することができた。請求項7に記載した
通り、請求項3記載の記録装置において、材料塗布手段
の材料を担持する表面は、発泡体で形成したので、ノイ
ズに強く簡易な方法で良好な接触が得られる記録装置を
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される記録方法および記録装置を
説明する説明図である。
【図2】本発明による記録方法及び装置のセット剤塗布
手段の説明図である。
【図3】本発明による記録方法及び装置の中間転写ベル
トに、材料を摺擦する部材を当接させた状態を説明する
ための説明図である。
【図4】本発明による記録方法及び装置のセット剤塗布
手段の他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
10 材料(セット剤)塗布手段、11 セット剤、
12 補給ブラシ、13塗布ローラ、14 ドクター、
15 対向部材、16 塗布ローラ表面、17ブレー
ド、20 中間転写体手段、21 中間転写ベルト、2
2 ローラ、23 ローラ、24 ローラ、30 印字
手段、31 インクジェットヘッド、32 棒状部材、
40 給紙手段、41 給紙カセット、42 記録紙、
43 レジストローラ、50 転写手段、51 転写ロ
ーラ、60 排紙手段、70 材料(セット剤)除去手
段、80 ベルト塗布手段、81 塗布ベルト、82
ローラ、83 ローラ、84 ローラ、85 補給ロー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体により溶解または膨潤可能でかつ該
    液体の粘度を上昇させることができる材料を、中間転写
    体上に予め塗布し、爾後液体を該材料に接触させること
    により中間転写体上に画像を形成し、ついで前記画像を
    記録紙上に転写する記録方法において、中間転写体上に
    塗布された材料に対し、摺擦力を作用させないことを特
    徴とする記録方法。
  2. 【請求項2】 液体により溶解または膨潤可能でかつ該
    液体の粘度を上昇させることができる材料を、中間転写
    体上に予め塗布し、その後液体を該材料に接触させるこ
    とにより中間転写体上に画像を形成し、次いで前記画像
    を記録紙上に転写する記録方法において、複数の材料粒
    子を、まとまって移動可能な程度に凝集させ、材料塗布
    手段から中間転写体上に付着させることを特徴とする記
    録方法。
  3. 【請求項3】 中間転写体上に、予め液体により溶解ま
    たは膨潤可能でかつ、該液体の粘度を上昇させることが
    できる材料を塗布する材料塗布手段と、爾後液体を該材
    料に接触させることにより中間転写体上に画像を形成す
    る画像形成手段と、前記画像を記録紙上に転写する転写
    手段と、よりなる記録装置において、中間転写体上に塗
    布された材料に対して、液体が上記材料に接触する以前
    に、上記材料と接触する部材を排除したことを特徴とす
    る記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の記録装置において、材料
    塗布手段の材料を担持する表面には凹凸が形成されてい
    ることを特徴とする記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の記録装置において、上記
    凹凸のピッチは、材料の粒径の2倍より大であることを
    特徴とする記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の記録装置において、上記
    材料塗布手段の材料を担持する表面は、表面を粗したも
    のであることを特徴とする記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の記録装置において、材料
    塗布手段の材料を担持する表面を、発泡体で形成したこ
    とを特徴とする記録装置。
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JP2009078391A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Fujifilm Corp 画像形成装置及び画像形成方法

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