JP3625016B2 - インクジェット記録用インク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録方法およびインクジェット記録用インクに関し、特に浸透性のよいインクジェツト記録用インクに対してインク吐出口を有するノズル面の撥インク性を確保し、またノズルの腐食を防止することにより、吐出安定性に優れ、高いドット位置精度が得られ、高印字品質の印字画像を形成することができるインクジェット記録方法およびインクジェット記録用インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコストといった利点から急速に普及してきている。インクジェット記録において、長期にわたって良好な印字記録を行うために要求される特性としては、インクジェツト記録用インクが長期保存安定性および吐出安定性に優れていること、画像にじみのない鮮明な画像や文字のかすれのない画像など高品位な画像がえられること、且つその画像が耐水性、耐光性等の保存性に優れることなどが挙げられる。
特に、インクジェット記録ヘッドからのインクの吐出において飛翔方向曲がりがないこと、またインクが記録ヘッド等において目詰まりしないことなど、吐出安定性を長期にわたって確保することは非常に重要な課題である。
【0003】
インク飛翔方向曲がりが起こる原因の一つとしては、インクジェット記録ヘッドにおいて、インク吐出口を有するノズル面のインクに対する濡れ性が不均一であることが挙げられる。ノズル面を形成する材料としては、プラスチック、ガラス、金属などが挙げられるが、ノズルプレートを濡らさないこと(撥インク性を有すること)を前提としたインクジェット記録方法の場合に重要なことは、インク吐出口を有するノズル面が均一な撥インク性を保持していることである。
ノズル面に対する撥インク性が不均一であるとノズル面の周辺の一部分にインクが溜り、その他の部分にはインクが存在しない状態となり、そのままの状態でノズルからインクを吐出させた場合、インクの飛翔方向がインク溜りの側に引っ張られ、正規の方向から外れる現象が起きる。これは、例えばベタ印字部分が埋まらない等の画像異常を引き起こす要因となる。特に浸透性のよいインクジェツト記録用インクを用いる場合、撥インク性の確保は重要である。
【0004】
このようなインク飛翔方向曲がりなどの現象を防ぐ手段として、特開平4−357043号公報には撥水効果のある液体をノズル面に接触させる方法が開示されているが接触態様によっては均一な撥インク性が得られない場合がある。
一方、ノズルの目詰まりが発生する原因としては、ノズル先端での水分蒸発によるインクの増粘、染料の析出、不溶性無機塩の生成、またはインクが空気に接触することで空気中の炭酸ガスの影響によりインクのpHが低下し染料の溶解安定性が低下すること、或いはインクがノズル部分の金属部材に接することによって金属が腐食することなどが考えられる。ノズルの目詰まりが発生することによって、飛翔するインク液滴の量や吐出する方向がばらつくため、印字品質が著しく低下するようになる。
【0005】
水分蒸発によるインクジェツト記録用インクの増粘及び染料析出に関しては、保水性が高く、且つ低粘度で染料溶解性の高い湿潤剤を用いることにより、またインクのpH低下を防止する方法としては、pH緩衝剤を添加したり、染料自体にある程度の緩衝性を持たせることで解決してきているが、金属腐食に関しては、これまでのところ幾つかの提案がなされているが、未だ十分な解決方法には至っていない。
例えば、特開昭58−197059号公報によれば、ノズルプレート材の金属よりも高導伝率の材料からなる被覆層をオリフィス面に設け、そこからアースを取り電界腐食を防止する方法が開示されているが、この方法では完全に電界腐食を抑えることは出来ない。またオリフィス面に付着した余剰のインク液を除去するために行うワイピング等で被覆層が剥がれることも多く耐久性に問題が残る。
【0006】
また、特開昭61−261057号公報ではニッケルからなるオリフィス形成部品の表面に不導態層を形成することにより、また特開昭63−81050号公報では炭化水素化合物または弗化水素化合物を原料としたコーティング層を形成することにより、それぞれインクに対する撥インク性を確保し、ニッケルなどオリフィス形成部品を腐食され難くしているが、これらの方法では上記のような層の被覆率が低い場合には、インクに対する濡れを十分に抑制することができないため、腐食を防止する効果が弱くなり、また被覆率を高くするとオリフィスの成形精度が悪くなるなどの問題が生じる。
また、特開平5−287225号公報によれば、オリフイスを形成する材料にニッケルおよび/またはニッケルを含む合金を使用し、インクジェツト記録インク中にニッケルイオンを含有させることにより、電界腐食を抑制するようにしているが、この方法では、過剰のニッケルイオンにより沈殿が生じ易くなったり、また染料によってはニッケルイオンとキレートを生成し、色調が変化するなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題はこのような問題点を解決し、インクジェット記録用インク、特に浸透性のよいインクジェツト記録用インクに対してもインク吐出口を有するノズル面の撥インク性を確保し、またノズルの腐食を防止することにより、インクジェット記録用インクの吐出安定性に優れ、高いドット位置精度が得られ高印字品質の印字画像を形成することができるインクジェット記録方法を提供することにある。
また、本発明の課題は、吐出安定性に優れ、高いドット位置精度が得られ高印字品質の印字画像を形成することができるインクジェット記録用インクを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、インクジェット記録用インクをインク吐出口を有するノズルからインクを吐出させて記録紙に付着させることにより画像を形成するインクジェット記録方法において、インク吐出口を有するノズル面に、2θ=18゜±0.2゜、2θ=44゜±0.2゜及び2θ=51゜±0.2゜にX線回折ピークを有するNi−PTFE共析メッキ層が形成されていることを特徴とするインクジェット記録方法によって達成される。
また、本発明の課題は、着色剤、界面活性剤、湿潤剤および金属腐食抑制剤を含有し、且つ静的表面張力が40mN/m以下の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録用インクによって達成される。
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録方法によれば、インクジェット記録ヘッドにおけるインク吐出口を有するノズル面に、2θ=18゜±0.2゜、2θ=44゜±0.2゜及び2θ=51゜±0.2゜にX線回折ピークを有するNi−PTFE共析メッキ層が形成されていることによって、インク吐出口を有するノズル面のインクジェット記録用インクに対する撥インク性が確保され、またNi−PTFE共析メッキ層のNi腐食やインクが接する金属部材などの腐食が抑制されることにより、インクジェット記録用インクの飛翔曲がりや目詰まりがなく長期にわたり安定した吐出が確保され、高いドット位置精度が得られ、高印字品質の印字画像を形成することができる。このような金属腐食が抑制される効果としては、ノズルの目詰まりのみでなく、腐食により均一な撥インク性が得られなくなることを防止する効果もある。
【0010】
インク吐出口を有するノズル面に形成されたNi−PTFE共析メッキ層が、2θ=18゜±0.2゜、2θ=44゜±0.2゜及び2θ=51゜±0.2゜にX線回折ピークを有し、2θ=44゜±0.2゜に観測されるピーク強度(I1)と2θ=51゜±0.2゜に観測されるピーク強度(I2)の関係が(I1/I2)>1であるX線回折ピークを有していることが、特に好ましく、これによりインクジェット記録用インクに対する撥インク性をより向上させることができ、また金属腐食を更に良く抑制することができる。
なお、インク吐出口を有するノズル面に形成されたNi−PTFE共析メッキ層は、上記のX線回折ピークの他に、43゜、76゜、92゜、98゜にX線回折ピークを有していてもよい。
【0011】
本発明のインクジェット記録方法においては、インクジェット記録用インクとして、着色剤、界面活性剤および湿潤剤を含有する水性インクを用いることができるが、特に、画像の速乾燥性において有利である静的表面張力が40mN/m以下の浸透性インクジェット記録用インク、すなわち着色剤、界面活性剤および湿潤剤を含有し、且つ静的表面張力が40mN/m以下の水性インクを用いて画像を形成する場合において、インクジェット記録用インクの吐出安定性に優れ、高いドット位置精度が得られ高印字品質の印字画像を形成することができる。
【0012】
また、インクジェット記録用インクとして、着色剤、界面活性剤、湿潤剤および金属腐食抑制剤を含有し、且つ静的表面張力が40mN/m以下の水性インクを用いることにより、金属腐食を更に良く抑制することができ、特にインクジェット記録用インクの吐出安定性に優れ、高いドット位置精度が得られ、高印字品質の印字画像を形成することができる。
【0013】
インクジェット記録用インクに用いる界面活性剤としては、下記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩または下記一般式(2)で表されるジアルキルスルホ琥珀酸塩、或いはノニオン系界面活性剤が好ましい。
これらの界面活性剤を用いることにより、ノズル面の撥インク性を妨げることなく、記録紙に対するインクの浸透性を高め、特に記録紙面上での縦方向への浸透性を高めることが可能となり、速乾燥性でにじみの少ない鮮明性に優れた高画質の画像を形成することができる。
【化5】
(式中、Rは炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基を表し、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表す。mは3〜12の整数を表す。)
【化6】
(式中、Rは炭素数5〜7の分岐してもよいアルキル基を表し、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表す。)
【0014】
一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩または一般式(2)で表されるジアルキルスルホ琥珀酸塩の具体例を遊離酸型で下記表1に示すが、これらに限定されるものではない。
【0015】
【表1】
【0016】
界面活性剤の含有量としては、0.05重量%〜10重量%が適当であり、0.1重量%〜5重量%が好ましく、特に0.1重量%〜3重量%が好ましい。
インク中の界面活性剤の含有量が、0.05重量%より少ない場合には、記録紙への浸透性を十分に高めることが出来ない。また、インクジェット記録装置内のインク流路部材に対する濡れ性も不十分となり流路内に入り込んだ気泡が排出されにくくなリ、インクの吐出不良を引き起こす不具合が生じるようになる。
一方、インク中に含有される界面活性剤の含有量が10重量%を超える場合には、本発明におけるNi−PTFE共析メッキ層を有するノズル面であっても、濡れが大きくなり撥インク性を確保することが困難になる。
【0017】
また、本発明において、インクジェット記録用インク中に含有される湿潤剤として多価アルコールアルキルエーテル水溶性有機溶媒及び/または多価アルコールアルールエーテル水溶性有機溶媒を用いることが好ましい。これにより、Ni−PTFE共析メッキ層を有するノズル面の撥インク性をさらに向上させることができる。また、これら湿潤剤によりインクの水分蒸発を防止しインク吐出口での粘度上昇による吐出不良などを更によく抑制することができる。
【0018】
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ−ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられ、多価アルコールアリールエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
【0019】
これら水溶性有機溶媒のインク中の含有量としては、5重量%〜30重量%が好ましく、特に10重量%〜30重量%が好ましい。30重量%を越えるとインクジェット記録用インクの粘度が高くなってしまい、吐出安定性に影響を与えるようになる場合がある。
【0020】
また、インクの水分蒸発を防止する目的で上記水溶性有機溶媒と組み合わせて、例えば、下記に示す水溶性有機溶媒を用いることができる。
すなわち、このような水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセロール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0021】
また、インクジェット記録用インクのpHは9以上11以下であることが好ましい。pHを9以上にすることによりインクの長期保存安定性を向上させ、またノズル面の金属腐食をさらに良く防止することができる。pHの値が11を超えると、インクが接する部分にあるプラスチック等の高分子部材の接液性に問題が生じるようになる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを所定の値に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができ、その具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
【0022】
さらに、インクジェット記録用インクには、金属腐食抑制剤を含有させることが好ましく、特にイソチアゾリン系防腐防かび剤を含有させることが好ましい。金属腐食抑制剤を添加することにより、金属腐食を更に良く防止しインクの長期吐出安定性を確保することができる。
インク中に添加される金属腐食抑制剤の含有量としては、0.1重量%〜1.0重量%が好ましく、特に0.2重量%〜0.5重量%が好ましい。含有量が少ない場合は金属腐食抑制剤の効果が得られず、1.0重量%を超えた場合はノズルの目詰まりが生じる等の悪影響がみられるようになる。
【0023】
インクジェット記録用インクにおける着色剤としては、水溶性染料として、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性に優れたものが用いられる。
これら染料を具体的に挙げれば、酸性染料及び食用染料としてC.I.アシッド.イエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッド.レッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289、C.I.アシッド.ブルー9,29,45,92,249、C.I.アシッド.ブラック1,2,7,24,26,94、C.I.フード.イエロー3,4、C.I.フード.レッド7,9,14、C.I.フード.ブラック1,2、直接性染料としてC.I.ダイレクト.イエロー1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144、C.I.ダイレクト.レッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227、C.I.ダイレクト.オレンジ26,29,62,102、C.I.ダイレクト.ブルー1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202、C.I.ダイレクト.ブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171、塩基性染料としてC.I.ベーシック.イエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91、C.I.ベーシック.レッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112、C.I.ベーシック.ブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155、C.I.ベーシック.ブラック2,8、反応性染料としてC.I.リアクティブ.ブラック3,4,7,11,12,17、C.I.リアクティブ.イエロー1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67、C.I.リアクティブ.レッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97、C.I.リアクティブ.ブルー1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95等が使用できる。
【0024】
特に酸性染料及び直接性染料が好ましく用いることができる。またインクジェット用に開発された染料を用いることも好ましく、そのような染料としては、例えばゼネカ社製のProjet Fast Black2、Projet Fast Cyan2、Projet Fast Magenta2、Projet Fast Yellow2(登録商標名)などが挙げられる。
【0025】
また着色剤として顔料を用いることもでき、有機顔料としてはアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ベリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラツク、アゾメチン系、ロ−ダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料としては酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロ−、金属粉が挙げられる。
【0026】
また、顔料分散剤を用いることもでき、親水性高分子として,天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロビレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ボリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラツク等の天然高分子化合物などが挙げられる。
本発明におけるインクジェット記録用インクには、さらに従来より知られている添加剤を加えることができる。その他目的に応じて、水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤を添加することもできる。
【0027】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。
【0028】
実施例1
下記処方のインク組成物を室温にて十分に攪拌溶解し、さらに水酸化リチウムにてインクのpHを10.5に調整したのち、0.22μmのテフロンフィルターで濾過し、さらに30分程度の脱気を行ってインクジェット記録用インク1を調製した。
Fast Cyan 2(ZENECA社製) 3重量%
ジエチレングリコール 8重量%
グリセリン 2重量%
界面活性剤(前記表1の1−4の化合物) 1重量%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.5重量%
イオン交換水 残量
【0029】
つぎに、インク吐出口を有するノズル面に、2θ=18゜±0.2゜、2θ=44゜±0.2゜及び2θ=51゜±0.2゜にX線回折ピークを有し且つ2θ=44゜±0.2゜に観測されるピーク強度が2θ=51゜±0.2゜に観測されるピーク強度よりも大きいNi−PTFE共析メッキ層が形成されているインクジェット記録用ヘッドを用いて、以下のようにして接触角の測定、金属腐食性評価および画像評価を行った。その結果を表2に示す。
【0030】
1)接触角の測定
接触角計(CA−X型、KYOWA社製)を用い、常温の条件下において、インクジェット記録用ヘッドのNi−PTFE共析メッキ層を有するノズル面に、インクジェット記録用インク1をマイクロシリンジにて一定量滴下し、滴下30秒後におけるインク1の上記メッキ層を有するノズル面に対する静的接触角を測定した。この測定を5回繰り返し行いその平均値を接触角とした。
【0031】
2)金属腐食性評価
インクジェット記録用インク1の20ml中に、上記Ni−PTFE共析メッキ層を有するノズル板(大きさ:2cm×lcm)を浸漬した状態で、60℃で14日間放置し、放置前後のインク中のNi量を定量した。Ni量の定量は、ICP(Inductively coupled plasma)発光分光分析装置(ICPS−1000IV、Shimadzu社製)を使用し、内標準物質としてイットリウムを用いて内標準定量方法により行った。
放置後におけるインク中のNi増加量が、lppm未満を◎、lppm以上2ppm未満を○、2ppm以上を×として、表2に示した。
【0032】
3)画像評価
上記インクジェツト記録ヘッドを使用し、積層PZTを液室流路の加圧に使用したインクジェツトプリンターによりインクジェツト記録用インク1で印字を行い、画質、文字品位(文字かすれ、ベタの埋まり具合等)、にじみについて総合的に判断し、サテライト、文字のかすれなく文字品位が高く、文字にじみが非常に少ないを◎、若干の文字のかすれ等認められるが、目視では問題無いレベルを○、サテライト、文字のかすれがみられ、またべタの埋まり具合が不十分であるを×として、表2に示した。
【0033】
実施例2
下記処方のインク組成物を室温にて十分に攪拌溶解し、さらに水酸化リチウムにてインクのpHを10.5に調整したのち、0.22μmのテフロンフィルターで濾過し、さらに30分程度の脱気を行ってインクジェット記録用インク2を調製した。
C.I.ダイレクトレッド227(ダイワ化成社製) 2重量%
ジエチレングリコール 15重量%
グリセリン 5重量%
界面活性剤(前記表1の1−4の化合物) 1重量%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.5重量%
イオン交換水 残量
【0034】
実施例3
下記処方のインク組成物を室温にて十分に攪拌溶解し、さらに水酸化リチウムにてインクのpHを10.5に調整したのち、0.22μmのテフロンフィルターで濾過し、さらに30分程度の脱気を行ってインクジェット記録用インク3を調製した。
Fast Cyan 2(ZENECA社製) 3重量%
ジエチレングリコール 15重量%
グリセリン 5重量%
界面活性剤(ノニポール400、三洋化成社製) 0.5重量%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.5重量%
イオン交換水 残量
【0035】
実施例4
下記処方のインク組成物を室温にて十分に攪拌溶解し、さらに水酸化リチウムにてインクのpHを10.5に調整したのち、0.22μmのテフロンフィルターで濾過し、さらに30分程度の脱気を行ってインクジェット記録用インク4を調製した。
C.I.ダイレクトレッド227(ダイワ化成社製) 2重量%
ジエチレングリコール 15重量%
グリセリン 5重量%
界面活性剤(前記表1の1−4の化合物) 0.2重量%
界面活性剤(ノニポール400、三洋化成社製) 1重量%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.5重量%
イオン交換水 残量
【0036】
実施例5
下記処方のインク組成物を室温にて十分に攪拌溶解し、さらに水酸化リチウムにてインクのpHを10.5に調整したのち、0.22μmのテフロンフィルターで濾過し、さらに30分程度の脱気を行ってインクジェット記録用インク5を調製した。
C.I.ダイレクトブラック168 4重量%
ジエチレングリコール 10重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
界面活性剤(前記表1の1−4の化合物) 1重量%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.5重量%
イオン交換水 残量
【0037】
上記のようにして得られたインクジェット記録用インク2〜5について、実施例1におけると同様にして、接触角の測定、金属腐食性評価および画像評価を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
比較例1
実施例1におけるインクジェット記録用ヘッドに代えて、インク吐出口を有するノズル面に、2θ=44゜±0.2゜及び2θ=51゜±0.2゜にX線回折ピークを有するNi−PTFE共析メッキ層が形成されているインクジェット記録用ヘッドを用いた以外は、実施例1と同様にして接触角の測定、金属腐食性評価および画像評価を行った。その結果を表2に示す。
【0040】
比較例3
下記処方のインク組成物を室温にて十分に攪拌溶解し、さらに水酸化リチウムにてインクのpHを10.5に調整したのち、0.22μmのテフロンフィルターで濾過し、さらに30分程度の脱気を行ってインクジェット記録用インク6を調製した。
Fast Cyan 2 3重量%
ジエチレングリコール 15重量%
グリセリン 5重量%
界面活性剤(BT7、日光ケミカルズ社製) 1重量%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.5重量%
イオン交換水 残量
【0041】
比較例4
下記処方のインク組成物を室温にて十分に攪拌溶解し、さらに水酸化リチウムにてインクのpHを10.5に調整したのち、0.22μmのテフロンフィルターで濾過し、さらに30分程度の脱気を行ってインクジェット記録用インク7を調製した。
C.I.ダイレクトブラック168 4重量%
ジエチレングリコール 10重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
シリコン系界面活性剤(SH3771、東レダウコーニング社製)2重量%
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.5重量%
イオン交換水 残量
【0042】
比較例5
下記処方のインク組成物を室温にて十分に攪拌溶解し、さらに水酸化リチウムにてインクのpHを10.5に調整したのち、0.22μmのテフロンフィルターで濾過し、さらに30分程度の脱気を行ってインクジェット記録用インク9を調製した。
【0043】
つぎに、インクジェット記録用インク6〜9について、実施例1におけると同様にして、接触角の測定、金属腐食性評価および画像評価を行った。その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表2から明らかなように、実施例においては、ノズル面の撥インク性が確保され、またノズル面の金属腐食が防止されており、飛翔曲がりや目詰まりのない優れた吐出安定性により高いドット位置精度が得られ、文字かすれがなく、またベタの埋まりが十分な高印字品質の印字画像を形成することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェット記録用インク、特に浸透性のよいインクジェツト記録用インクに対してもインク吐出口を有するノズル面の撥インク性が確保され、またノズルの腐食が防止されることにより、飛翔曲がりがなく且つ目詰まりのない優れた吐出安定性を得ることができる。
その結果、インクジェット記録用インクの飛翔による高いドット位置精度が得られ、文字かすれ文字滲みが少なく、またベタの埋まりが十分な高印字品質の印字画像を形成することができる。特に浸透性のよいインクジェツト記録用インクを用いることにより、高印字品質で速乾燥性の印字画像を形成することができる。

Claims (7)

  1. 着色剤と、湿潤剤と、下記一般式(1)で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩及び下記一般式(2)で示されるジアルキルスルホ琥珀酸塩から選択される界面活性剤と、金属腐食抑制剤としてのイソチアゾリン系防腐防かび剤とを含有してなり、
    2θ=18゜±0.2゜、2θ=44゜±0.2゜及び2θ=51゜±0.2゜にX線回折ピークを有するNi−PTFE共析メッキ層が形成されたノズル面を有するインク吐出口に使用されることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    (式中、R 1 は炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基を表し、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表す。mは3〜12の整数を表す。)
    (式中、R 2 は炭素数5〜7の分岐してもよいアルキル基を表し、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表す。)
  2. 静的表面張力が40mN/m以下の水性インクである請求項 1 に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 界面活性剤の含有量が0.05重量%〜10重量%である請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  4. 湿潤剤が、多価アルコールアルキルエーテル水溶性有機溶媒及び多価アルコールアリールエーテル水溶性有機溶媒から選択される請求項1から3のいずれかに記載インクジェット記録用インク。
  5. 湿潤剤の含有量が5重量%〜30重量%である請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  6. pHが9〜11である請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  7. 金属腐食抑制剤の含有量が0.1〜1.0重量%である請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
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