JP3624558B2 - 薄膜形成装置、薄膜形成方法、及びアクティブマトリクス基板の製造方法 - Google Patents

薄膜形成装置、薄膜形成方法、及びアクティブマトリクス基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイなどに用いる大面積基板の表面にシリコン膜などといった薄膜を形成するための薄膜形成装置、薄膜形成方法、およびアクティブマトリクス基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置その他の装置を製造する際には、基板上に薄膜を形成することが多々ある。たとえば液晶ディスプレイのアクティブマトリクス基板の製造工程では、基板上に薄膜トランジスタを製造するためにシリコン膜やシリコン酸化膜を基板上に形成する。このような薄膜の形成にはCVD法(Chemical Vapor Deposition)やスパッタ法などが用いられる。また、CVD法のうち、基板上に多結晶のシリコン膜や非結晶のアモルファスシリコン膜を形成する場合には、膜厚の均一性や膜質が良好であるとして減圧CVD法が用いられることが多い。そのための減圧CVD装置は、従来、図13に示すように、基板20Fに薄膜を形成するための反応室11Fと、この反応室11Fの内部に設置された基板20Fを加熱するためのヒータ12Fと、反応室11Fの内部を減圧するための真空排気装置13Fと、反応室11Fの内部にガスボンベ14Fから原料ガスを供給するためのガス供給経路15Fとから大略構成されている。
【0003】
このような減圧CVD装置において、反応室11F内における圧力を低く設定した方が基板20F上に形成した薄膜の膜厚の均一性や膜質をより向上する傾向があるので、従来は、反応室11F内の原料ガス濃度を低く抑えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、減圧CVD法において、反応室11F内における圧力を低く設定するのに反応室11F内の原料ガス濃度が低く設定すると、その分だけ、成膜速度が低くなる。このように、従来から検討されている成膜パラメータの範囲内で、ある特定の特性を高めような成膜条件を設定すると、他の特性が犠牲になるという問題点がある。このような問題点は減圧CVD法に限らず、プラズマCVD法、スパッタ法、その他の成膜方法でも同様である。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、薄膜を形成するにあたって、成膜速度を低下させることなく膜厚の均一性や膜質を向上することができるなどといった新たなパラメータを設定可能な薄膜形成装置、薄膜形成方法、およびアクティブマトリクス基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜形成装置は、少なくとも、基板に薄膜を形成するための反応室と、該反応室内を真空引きするための真空排気手段と、前記反応室内に複数のスパッタガスを供給するためのガス供給手段と、該ガス供給手段から供給された複数のスパッタガスを用いて前記反応室内にプラズマを形成することによってターゲットからスパッタ蒸発させた原子または分子により前記反応室内の基板に対して薄膜を形成するためのプラズマ発生手段とを有する薄膜形成装置において、前記ガス供給手段は、前記複数のガスに対応して複数のガス供給経路を備えるとともに、前記複数のガスが前記反応室内に供給される前に、前記複数のガスの種類毎に、該ガスをそれぞれ適正な温度に冷却するための冷却手段を、前記複数のガス供給経路の外側に沿って備えることを特徴とする。
また、本発明の薄膜形成方法は、反応室内で、基板に薄膜を形成する工程と、前記反応室内を真空引きした後、該反応室に複数のガス供給経路が設けられ、それぞれの該ガス供給経路の外側に沿って冷却手段を備えるガス供給手段により、前記反応室内に複数のスパッタガスを供給する工程と、前記複数のスパッタガスを用いて前記反応室内にプラズマを形成することによってターゲットからスパッタ蒸発させた原子または分子により前記反応室内の基板に対して薄膜を形成する工程を有する薄膜形成方法において、前記複数のスパッタガスを、それぞれの前記ガス供給経路の外側に沿って設けられた冷却手段により、前記複数のスパッタガスの種類毎に、該原スパッタガスをそれぞれ適正な温度に冷却して前記反応室内に供給することを特徴とする。
また、本発明のアクティブマトリクス基板の製造方法は、前記薄膜形成方法を利用して前記基板上に形成された前記薄膜を用いてアクティブマトリクス基板を製造することを特徴とする。
【0007】
本発明では、これまで成膜条件のパラメータとして注目されていなかったガスの供給温度に着目した発明である。すなわち、本発明では、ガスを冷却してから反応室に供給するため、気体分子の平均自由行程が短い条件で薄膜を形成するという新たなパラメータを設定できる。また、同じ圧力であっても反応室内におけるガス濃度を高めに設定した条件で薄膜を形成できる。
【0013】
本発明では、スパッタガスを冷却して供給するため、このスパッタガスの気体分子の平均自由行程が短いので、形成した薄膜はスパッタガスの含有量が少ない。従って、密度が高く、かつ内部ストレスが小さい薄膜を形成できる。また、薄膜のシート抵抗が低い。
【0014】
本発明において、前記ガス供給手段は、前記反応室内に供給する複数種類のガスに対応して複数の前記ガス供給経路を備えるとともに、各ガス供給経路のそれぞれに対して前記冷却手段を有することが好ましい。このように構成すると、反応室内に供給する複数種類のガスをその種類毎に適正な温度にまで冷却してから反応室内に供給することができる。
【0020】
本発明において、前記反応室内に供給される複数のガスをそれぞれ冷却して前記反応室内に供給することが好ましい。
【0021】
本発明に係る薄膜形成方法は、それを利用して前記基板上に薄膜を形成し、該薄膜を用いてアクティブマトリクス基板上に薄膜トランジスタを製造するのに適用できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
上記課題を解決するために、本発明では、少なくとも、反応室内にガスを供給しながら基板に薄膜を形成する薄膜形成装置および薄膜形成方法において、反応室内に冷却したガスを供給することを特徴とする。たとえば、図1に示す減圧CVD装置10Aを例に説明すると、この減圧CVD装置10Aには、まず、基板20Aに薄膜を形成するための反応室11Aと、この反応室11A内を真空引きするための真空排気手段13Aと、反応室11A内に原料ガスを供給するためのガス供給手段18Aと、反応室11A内の基板20Aを加熱しながらガス供給手段18Aから供給された原料ガスを分解させることによって反応室11A内の基板20Aに対して薄膜を形成するための加熱手段12Aとを設ける。さらに、本発明では、ガス供給手段18Aには、反応室11A内に供給されるガスを冷却するための冷却手段16Aを設けたことに特徴を有する。
【0023】
ガス供給手段18Aは、たとえば、モノシランやジシランなどといった原料ガスを充填したガスボンベ14Aと、このガスボンベ14から原料ガスを反応室に供給するためのガス供給経路15Aと、このガス供給経路15Aに介挿されたマスフローコントローラ17Aとから構成することができ、このように構成すると、ガスボンベ14Aから供給される原料ガスを所定の流量に制御しながら反応室11Aの内部に供給できる。このガス供給手段18Aにおいて、冷却手段16Aは、ガス供給経路15Aの途中位置に配置した冷却器などから構成できる。なお、反応室11Aへの基板20Aの設置にあたっては、複数枚の基板20Aを一定の間隔をもって並べた状態で保持しておくための基板支持用のボートなどを利用する。また、真空排気手段13Aとしては、ブースターポンプやドライポンプなどを用いることができる。
【0024】
このような減圧CVD装置10Aにおいて、基板20Aの表面に薄膜を形成するときには、基板20Aを設置した反応室11A内を減圧するとともにこの反応室11A内の基板20Aを加熱して反応室11A内に供給した原料ガスを分解させ、その分解生成物によって反応室11A内の基板20Aに薄膜を形成する。この際に、原料ガスを冷却して反応室11A内に供給する。但し、反応室11Aの内部において基板20Aは加熱手段12で加熱されているといっても、反応室11A内は減圧状態にあるため、反応室11Aに供給された原料ガスの温度は急速には上昇しない。
【0025】
このように構成した減圧CVD装置10Aにおいて、反応室11Aの内部に供給される原料ガスの濃度は高めに設定されているが、その代わりに、原料ガスは冷却された状態で反応室11Aの内部に供給される。このため、下式からわかるように、原料ガスの濃度Cが高いといっても、ガス温度Tg が低い分だけ、原料ガスを構成する気体分子の平均自由行路が短い。従って、反応室11Aの内部における原料ガスの圧力Pが低い。すなわち、反応室11Aの内部における原料ガスの圧力Pを低くしたままで原料ガスの濃度Cを高くすることができる。
【0026】
【数1】
Figure 0003624558
【0027】
従って、原料ガスの圧力Pが低い分、薄膜の厚さの均一性がよいとともに、膜質が良好である。また、同じ圧力でも原料ガスの濃度Cが高い分、成膜速度が高いとともに、混入した不純物の影響を受けにくい。
【0028】
さらに、気体分子の平均自由行程、および気体分子の平均速度は、以下の式で表されるとおりである。
【0029】
【数2】
Figure 0003624558
【0030】
【数3】
Figure 0003624558
【0031】
従って、従来のように原料ガスを冷却することなく反応室内に供給したときの気体分子の運動の様子を図2(A)に模式的に示し、本発明のように原料ガスを冷却して反応室内に供給したときの気体分子の運動の様子を図2(B)に模式的に示すと、本発明では、原料ガスを冷却してから反応室内に供給するため、気体分子の平均自由行程が短い。従って、従来のように原料ガスを冷却することなく反応室内に供給したときには、凹部に対して形成される薄膜は、図3(A)に模式的に示すように、凹部の縁部分や底部の隅部分で薄くなってしまうのに対して、本発明のように原料ガスを冷却して反応室内に供給すると、図3(B)に模式的に示すように、凹部の縁部分や底部の隅部分にも均一な厚さの薄膜を形成することができる。すなわち、本発明を適用して薄膜を形成すれば、薄膜の段差被覆性が良好であるといえる。
【0032】
また、基板を隙間を開けて重ねた状態で薄膜を形成する際に、従来のように原料ガスを冷却することなく反応室内に供給する場合には、図4(A)に模式的に示すように、基板間の間隔を広く確保する必要があったが、本発明では、原料ガスを冷却して反応室内に供給するため、気体分子の平均自由行程が短い分、狭い隙間内でも均一な薄膜を形成できるので、図4(B)に模式的に示すように、基板間の間隔を狭く設定して薄膜の形成を行うことができる。それ故、同じ枚数の基板を処理するのであれば反応室を小型でき、同じ大きさの反応室であれば基板の処理能力が向上する。
【0033】
このように、本発明によれば、これまで成膜条件のパラメータとして注目されていなかったガスの供給温度を最適化できる。すなわち、本発明では、ガスを冷却してから反応室11内に供給するため、気体分子の平均自由行程が短い条件で薄膜を形成するという新たなパラメータを設定できる。
【0034】
同様なことは、常圧CVD装置やプラズマCVD装置でも同様なことがいえる。
【0035】
すなわち、常圧CVD装置では、反応室11A内を減圧せずに薄膜を形成するが、この装置でも、減圧CVD装置10Aと同様に、ガス供給手段18Aがガスを冷却して反応室11A内に供給すると、冷却した分だけ同じ圧力でありながら反応室11A内に導入されるガス濃度を高めに設定できる。
【0036】
また、プラズマCVD装置では、ガス供給手段18Aから供給されたガスを用いて反応室11A内にプラズマを形成することによって反応室11A内の基板20Aに対して薄膜を形成するためのプラズマ発生手段を有するが、この装置でも、減圧CVD装置10Aと同様に、ガス供給手段18Aがガスを冷却して反応室11A内に供給すると、冷却した分だけ同じ圧力でありながら反応室11A内に導入されるガス濃度を高めに設定できる。従って、ガスの圧力が低い分、薄膜の厚さの均一性がよいとともに、膜質が良好である。また、同じ圧力でもガスの濃度が高い分、成膜速度が高いとともに、混入した不純物の影響を受けにくい。さらに、ガスを冷却して供給するため、気体分子の平均自由行程が短いので、薄膜の段差被覆性が良好であるとともに、多数の基板20Aを狭い間隔で並べて薄膜を形成しても基板20A内における膜の均一性が良い。
【0037】
[実施の形態2]
図5に示すように、本発明において、ガス供給手段18Aは、反応室11A内に供給する複数種類のガス(たとえば、ジシランと水素ガス)に対応して複数のガス供給経路151A、152A・・・を備えるとともに、各ガス供給経路151A、152A・・・のそれぞれに対して冷却手段161A、162A・・・を有することが好ましい。このように構成すると、反応室11A内に供給する複数種類の原料ガスをその種類毎に適正な温度にまで冷却してから反応室11A内に供給することができる。
【0038】
[実施の形態3]
また、本発明をスパッタ装置に適用する場合には以下のように構成する。すなわち、図6に示すように、スパッタ装置10Cでは、基板20Cに薄膜を形成するための反応室11Cと、この反応室11C内を真空引きするための真空排気手段13Cと、反応室11C内にガスを供給するためのガス供給手段18Cと、このガス供給手段18Cから供給されたスパッタガスを用いて反応室11C内にプラズマを形成することによってターゲット19Cからスパッタ蒸発させた原子または分子により反応室11C内の基板20Cに対して薄膜を形成するためのプラズマ発生手段30Cを有する。ここで、基板20Cに対しては、それを加熱するための加熱手段12Cを設けておく。さらに、本発明では、ガス供給手段18Cには、反応室11C内に供給されるガスを冷却するための冷却手段16Cを設けたことに特徴を有する。
【0039】
このように構成したスパッタ装置10Cにおいて、基板20Cに薄膜を形成するときには、基板20Cを設置した反応室11C内を減圧するとともにこの反応室11C内に供給したスパッタガスを用いて反応室11C内にプラズマを形成することによってターゲット19Cからスパッタ蒸発させた原子または分子により反応室11C内の基板20Cに対して薄膜を形成する。この際に、スパッタガスを冷却して反応室11C内に供給することを特徴とする。
【0040】
本発明では、スパッタガスを冷却してから反応室11C内に供給するため、このスパッタガスは、気体分子の平均自由行程が短いので、形成した薄膜ではスパッタガスの含有量が少ない。従って、密度が高く、かつ内部ストレスが小さい薄膜を形成できる。また、このように形成した薄膜はシート抵抗が低い。
【0041】
本発明でも、ガス供給手段18Cは、反応室11C内に複数種類のガスを供給する場合がある。この場合には、各種ガスに対応して複数のガス供給経路を設けるとともに、ガス供給経路のそれぞれに対して冷却手段16Cを設けることが好ましい。このように構成すると、反応室11C内に供給する複数種類のガスをその種類毎に適正な温度にまで冷却してから反応室11C内に供給することができる。
【0042】
[薄膜トランジスタの製造方法]
本発明を適用した薄膜形成装置および薄膜形成方法は、各種の薄膜を形成するのに適用できる。たとえば、アクティブマトリクス基板上に薄膜トランジスタを製造する際には、アモルファスシリコン膜などといった半導体膜の形成工程、シリコン酸化膜などといった絶縁膜の形成工程、ゲート電極などといった金属膜の形成工程などに適用できる。そこで、各実施例を説明する前に薄膜トランジスタの製造方法を説明しておく。
【0043】
本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法では、図7(A)に示すように、基板20として汎用の無アリカリガラスを用いる。まず、基板20を清浄化し後、図7(B)に示すように、基板20の上にCVD法やPVD法(Physical Vapor Deposition)により絶縁性を有する下地保護膜11を形成する。CVD法としては、たとえば減圧CVD法(LPCVD法)やプラズマCVD法(PECVD法)などがある。CVD法としては、たとえばスパッタ法)などがある。
【0044】
次に、薄膜トランジスタの能動層となるべき真性のシリコン膜などの半導体膜12を形成する。この半導体膜12もCVD法やPVD法により形成できる。このようにして得られる半導体膜12は、そのままas−deposited膜として薄膜トランジスタのチャネル領域などの半導体層として用いることができる。また、半導体膜12は、図7(C)に示すように、レーザ光などの光学エネルギーまたは電磁エネルギーを短時間照射して結晶化を進めてもよい。最初に形成した半導体膜12が非晶質、または非晶質と微結晶とが混在する混晶質であれば、この工程は結晶化工程と称せられる。これに対して、最初に形成した半導体膜12が多結晶質であれば、この工程は再結晶化工程と称せられる。この工程においてレーザ光などのエネルギー強度が高ければ、結晶化の際に半導体膜12は一度溶融し冷却固化過程を経て結晶化(溶融結晶化)する。これに対して半導体膜12の結晶化を溶融せずに固相にて進める方法を固相成長法(SPC法)と称する。固相成長法は、550℃程度から650℃程度の温度で数時間から数十時間をかけて結晶化をすすめる熱処理法(Furnance−SPC法)と、一秒未満から一分程度の短時間で700℃から1000℃の温度で結晶化をすすめる急速熱処理法(RTA法)、およびレーザ光等のエネルギー強度が低いときに生じる極短時間固相成長法(VST−SPC法)の三者に主として分類される。いずれの方法も適用可能であるが、溶融結晶化、RTA法、VST−SPC法では、照射時間が非常に短時間であり、かつ、照射領域が基板20全体からみると局所的であるため、半導体膜12の結晶化に際して基板20全体が高温に熱せられることがない。それ故、基板20には熱による変形や割れなどが生じないので、大型の基板20を高い生産性をもって製造するのに適している。
【0045】
次に、図8(A)に示すように、所定のパターンをもつレジストマスク22を形成した後、このレジストマスク22を用いて、図8(B)に示すように、半導体膜12をパターニングし、島状の半導体膜12とする。半導体膜12をパターニングした後は、PVD法やCVD法などでゲート絶縁膜13を形成する。ゲート絶縁膜13の形成にあたっても様々な方法が考えられるが、ゲート絶縁膜13の形成温度は350℃以下であることが好ましい。これは、MOS界面やゲート絶縁膜13が熱劣化するのを防ぐためである。同じことは以下の全ての工程に対してもいえる。ゲート絶縁膜13形成後の全ての工程温度は350℃以下に抑えなければならない。このように条件設定することにより、高性能の薄膜トランジスタを容易に、かつ安定的に製造できる。
【0046】
次に、図8(C)に示すように、ゲート電極となる薄膜21をCVD法やPVD法などで堆積する。通常はゲート電極とゲート配線とは、同一の材料で同一の工程により形成される。このため、電気抵抗が低く、かつ、350℃程度の熱処理工程に対して安定であることが求められる。ゲート電極となる薄膜21を堆積した後、図8(D)に示すように、パターニングを行い、ゲート電極15を形成する。次に、半導体膜12に対して不純物イオンを導入し、ソース・ドレイン領域16およびチャネル領域17を形成する。
【0047】
このとき、ゲート電極15がイオン注入のマスクとなるため、チャネル領域17は、ゲート電極15下のみに形成される自己整合構造となる。不純物イオンの導入は、質量非分離型イオン注入装置を用いて注入不純物元素の水素化合物と水素とを注入するイオン・ドーピング法と、質量分離型イオン注入装置を用いて所望の不純物イオンのみを注入するイオン打ち込み法との二種類が適用され得る。イオン・ドーピング法の原料ガスとしては、水素中に希釈された濃度が0.1%程度のホスフィン(PH3 )やジボラン(B2 H6 )などの注入不純物の水素化物を用いる。イオン打ち込み法では、所望の不純物元素のみを注入した後に引き続いて水素イオン(プロトンや水素分子イオン)を注入する。前述のとおり、MOS界面やゲート絶縁膜13を安定に保つにはイオン・ドーピング法あるいはイオン打ち込み法のいずれの方法であってもイオン注入時の基板温度は350℃以下でなければならない。一方、注入不純物の活性化を350℃以下の低温で常に安定的に行うには、イオン注入時の基板20の温度は200℃以上であることが好ましい。トランジスタのしきい値電圧を調整するためにチャネルドープを行う場合、あるいはLDD構造を作成するといったように低濃度に注入された不純物イオンを低温で確実に活性化するには、イオン注入時の基板20の温度は250℃以上であることが必要となる。このように、基板20の温度が高い状態でイオン注入を行うと、半導体膜12のイオン注入に伴う結晶破壊の際に再結晶化も同時に生じるので、結果的にはイオン注入部の非晶質化を防ぐことができる。すなわち、イオン注入された領域は、注入後も依然として結晶質として残り、その後の活性化温度が350℃程度以下と低温であっても注入イオンの活性化が可能になる。CMOS構造となるように薄膜トランジスタを製造するときには、ポリイミド樹脂などの適当なマスク材を用いてNMOSまたはPMOSの一方を交互にマスクで覆い、上述の方法にてそれぞれのイオン注入を行う。
【0048】
次に、図8(E)に示すように、層間絶縁膜18をCVD法あるいはPVD法で形成する。イオン注入と層間絶縁膜18の形成後、350℃程度以下の適当な熱環境下にて数十分から数時間の熱処理を施して注入イオンの活性化及び層間絶縁膜18の焼き締めを行う。この熱処理温度は注入イオンを確実に活性化する為にも250℃程度以上が好ましい。ゲート絶縁膜13と層間絶縁膜18とではその膜品質が異なっている。このため、層間絶縁膜18を形成した後、二つの絶縁膜にコンタクトホール19を開ける際、絶縁膜のエッチング速度が違っているのが普通である。このような条件下ではコンタクトホール19の形状が下方程広い逆テーパー状になったり或いは庇が発生してしまい、その後にソース・ドレイン電極26を形成した時に電気的な導通がうまく取れない原因(接続不良の原因)となる。このような接続不良は、層間絶縁膜18を焼き締めることによって効果的に防止できる。
【0049】
なお、層間絶縁膜18を形成した後に、ソース・ドレイン領域16上にコンタクトホール19を開孔し、しかる後にソース・ドレイン電極26を形成する際にもPVD法やCVD法などを用いる。このようにして薄膜トランジスタ30が形成される。
【0050】
このような薄膜トランジスタの製造工程において、半導体膜を減圧CVD法やプラズマCVD法で形成する場合、形成される半導体膜の構成元素を含有する化学物質を原料気体として半導体膜を形成する。例えば半導体膜がシリコン(Si)である場合、原料気体としてはモノシラン(SiH4 )、ジシラン(Si2 H6 )、トリシラン(Si3 H8 )、ジクロールシラン(SiH2 Cl2 )等のシランを用いる。ゲルマニウム(Ge)が半導体膜である場合はゲルマン(GeH4 )等を用いる。リン(P)やボロン(B)を半導体膜に添加するときにはフォスフィン(PH3 )やジボラン(B2 H6 )などを併用する。原料気体としては前述の各種半導体膜を構成する元素を含有する化学物質が用いられるが、必ず原料気体の一部が半導体膜中に残留するが故に、構成元素の水素化物がより好ましい。例えばジクロールシランから形成されるシリコン膜には量の大小はともかく必ず塩素(Cl)が残留し、このシリコン膜を薄膜トランジスタの能動層に用いた場合、残留塩素がトランジスタ特性の劣化原因となる。従って、ジクロールシランよりは構成元素の水素化物であるモノシランの方が好ましい。原料気体および必要に応じて添加される追加気体の純度は、高ければ高い程好ましいが、高純度気体を得る技術的な困難さの増大と、価格上昇を考慮すると、純度は99.9999%以上が好ましい。通常、半導体膜形成装置は、背景真空度が10−5torr程度であり、成膜圧力が0.1torrから数torrである。それ故、背景真空から成膜過程への不純物混入の割合は、10−5から10−6程度となる。成膜に用いる原料気体や追加気体の純度はそれらの気体を利用する成膜装置の背景真空度に対する成膜圧力の比と同等であれば十分である。従って、本発明にて成膜装置に流す気体の純度は99.999%以上(不純物の割合が1×10−5以下)が好ましく、99.9999%(不純物の割合が1×10−6以下)であれば原料としての使用に全く支障がなく、背景真空度と成膜圧力との比の十倍の純度(この例では純度が99.99999%で、不純物の割合が1×10−7以下)となれば気体からの不純物混入は全く考慮する必要がなく理想的である。
【0051】
[実施例1]
本発明を適用した薄膜形成装置として、本例の減圧化学気相堆積装置(LPCVD装置)を、図9を参照して説明する。なお、本例の減圧化学気相堆積装置は、図1に概略構成を示した薄膜形成装置に対応する。
【0052】
図9は、本例のLPCVD装置の概略構成図である。
【0053】
LPCVD装置100は、縦型炉であり、石英製の反応室101(反応室)の中央部付近に300mm角のガラス製の基板102を所定の間隔をあけて水平に多段に設置し、モノシラン、ジシラン、あるいはゲルマン等の原料ガスの熱分解を利用してシリコン膜などの半導体膜を堆積する。反応室101の口径は、直径600mmである。
【0054】
真空排気装置106は、ターボ分子ポンプ1061とロータリポンプ1062より構成されている。真空排気装置106は、この他にもメカニカル・ブースター・ポンプやドライポンプなどを組み合わせてもよい。原料ガスおよびヘリウム・窒素・アルゴン・水素などの希釈ガスは、必要に応じてガス導入管1103を通じて反応室101に導入され、マニホールド104にゲート・バルブおよびコンダクタンス・バルブ105を介して直接取り付けられたターボ分子ポンプ1061およびロータリ・ポンプ1062からなる真空排気装置106によって排気される。マニホールド104と反応炉101とは特別な区切りがなく、両者は一体化してその区別はない。反応室101の外側には3ゾーンに分かれたヒータ108(加熱手段)が設置されており、それらを独立に制御することによって反応室101中央部付近に所望の温度の均熱帯を形成する。この均熱帯は、約350mmの高さで広がり、その範囲内での温度ずれは、たとえば600℃に設定したときで0.2℃である。従って、挿入した基板102の間隔を10mmとすれば、1バッチで35枚の基板102の処理が可能である。本例では、20mm間隔で17枚の基板102をターン・テーブル109上に広がる均熱帯内に設置する。
【0055】
真空排気装置106では、ターボ分子ポンプ1061とロータリー・ポンプ1062を直結して排気を行うようになっている。ターボ分子ポンプ1061は、化学対応タイプであり、シリコン膜などの半導体膜堆積中も運転可能である。このターボ分子ポンプ1061は、窒素に対して2200l/sec.の排気速度を有している。反応室101での実効排気速度を最大限とするために、ターボ分子ポンプ1061とゲート・バルブおよびコンダクタンスバルブ105は、マニホールド104に直付けされている。この結果、炉内温度600℃において両ポンプを運転した状態で窒素を100SCCMの流量で導入管103より流したとき、反応室101内の平衡圧力は1.2×10−3Torrとなり、実効排気速度は83.3SCCM/mTorrとなった。また、同じ条件下で窒素を3.97SCCM、15.83SCCM、39.68SCCM、300SCCM流したとき、反応室101内の平衡圧力は、それぞれ9.5×10−5Torr、2.5×10−4Torr、5.5×10−4Torr、3.0×10−3Torrであり、対応する実効排気速度は、それぞれ41.8SCCM/mTorr、63.3SCCM/mTorr、72.1SCCM/mTorr、100SCCM/mTorrとなった。
【0056】
このように構成したLPCVD装置100において、ガス導入管1103から反応室101内に原料ガスを供給するためのガス供給部103(ガス供給手段)は、モノシランやジシランなどといった原料ガスを充填したガスボンベ1031と、このガスボンベ1031から原料ガスを反応室101に供給するためのガス供給経路1034と、このガス供給経路1034に介挿されたマスフローコントローラ1035とから構成されている。
【0057】
ガス供給部103では、ガス供給経路1034の途中位置に冷却器1030(冷却手段)が構成され、この冷却器1030によって冷却したガスを反応室101内に供給することが可能である。
【0058】
なお、ガス供給部103には、図示を省略するが、原料ガスとは別に窒素ガスもガス導入管1103から反応室101内に供給するためのガスボンべやマスフローコントローラが構成されている。
【0059】
このように構成したLPCVD装置100において、図7および図8を参照して説明した薄膜トランジスタの製造工程のうち、図7(B)に示すように、基板102表面にアモルファスシリコン膜を形成する例を以下に説明する。
【0060】
まず、反応室101内において、基板102を所定の間隔をあけて多段積み状態でターン・テーブル109上に設置する。
【0061】
次に、反応室101内を真空排気装置106によって減圧するとともに、反応室101内に窒素ガスを導入し反応室101内から空気をパージする。また、ヒータ108によって反応室101内を加熱し、ターン・テーブル109上に温度が約425℃の均熱帯を形成する。この間に、反応室101内は真空排気装置106によって10−7Torrにまで真空引きされる。
【0062】
しかる後に、ガス供給部103においてガスボンベ1031からマスフローコントローラ1035、ガス供給経路1034、およびガス導入管1103を介して反応室101内にジシランガス(原料ガス)を供給する。このとき、ジシランガスについては、冷却器1030によって冷却してから反応室101内に供給する。また、ジシランガスに対する希釈ガスも冷却してから反応室101内に供給する。
【0063】
その結果、原料ガスは高温環境下で化学反応を生じ、基板102の表面には厚さが約600オングストロームのアモルファスシリコン膜が形成される。
【0064】
この間、反応室101内に供給されるジシランガスの流量は、通常の減圧CVD法における成膜条件からみれば高めに設定されている。但し、反応室101内はヒータ108によって加熱されているといっても、反応室101内は減圧状態にあるので、ジシランガスは冷却された状態で反応室101内に供給されてからすぐには気体分子の温度が上昇しない。このため、反応室101内において、ジシランガスは濃度が高いものの、冷却された状態で反応室101内に供給される分、気体分子の平均自由行路が短いので、反応室101の内部におけるジシランガスの圧力が低い。すなわち、反応室101内のジシランガスの圧力を低くしたままでジシランガスの濃度を高くすることができる。従って、ジシランガスの圧力が低い分、アモルファスシリコン膜の厚さの均一性がよいとともに、膜質が良好である。また、同じ圧力でもジシランガスの濃度が高い分、成膜速度が高いとともに、混入した不純物の影響を受けにくい。
【0065】
また、ジシランガスは、冷却された状態で反応室101の内部に供給される分、気体分子の平均自由行路が短いので、多数の基板102を狭い間隔で並べても、基板102内におけるアモルファスシリコン膜の均一性が良い。なお、本例では、表面状態が平坦な基板102に対して薄膜を形成したが、凹凸を有する基板102上に薄膜を形成する際にジシランガスを冷却した状態で反応室101内に供給すると、気体分子の平均自由行路が短い分、段差被覆性が良好である。
【0066】
このように、本例では、原料ガスを反応室101に冷却した状態で供給するための冷却器1030を設けたので、これまで成膜条件のパラメータとして注目されていなかったガスの供給温度を最適化することによって理想的な成膜を行うことができる。
【0067】
[実施例1の変形例]
本発明を適用した薄膜形成装置として、実施例1の変形例に係る減圧化学気相堆積装置(LPCVD装置)を、図5を参照して説明する。
【0068】
図5に示すように、本例では、ガス供給手段18Aは、反応室11A内に供給する複数種類のガス(たとえば、ジシランと水素ガス)に対応して複数の前記ガス供給経路151A、152A・・・を備えるとともに、各ガス供給経路151A、152A・・・のそれぞれに対して冷却手段161A、162A・・・を有する。その他の構成は、図1や図9に示したLPCVD装置と基本的な構成が概ね同じである。
【0069】
このように構成すると、反応室11A内に供給する複数種類の原料ガスをその種類毎に適正な温度にまで冷却してから反応室11A内に供給することができる。すなわち、2種類の原料ガスを用いて減圧CVD法で薄膜を形成する際に、原料ガスを冷却した状態で反応室11A内に供給するとすれば、各原料ガスを予め混合器内で混合した後に冷却し、しかる後に、この冷却した混合ガス(原料ガス)を反応室内に供給する方法が考えられる。但し、このような方法では、2種類の原料ガスのうち、沸点が高い方の原料ガスの沸点によって混合ガスの冷却温度が制限されてしまう。
【0070】
これに対して、本例のように各原料ガスに対応するガス供給経路15A、15Bのそれぞれに冷却器16A、16Bを設けた場合には、原料ガスの種類毎に適正な温度にまで原料ガスをそれぞれ冷却し、しかる後に反応室11A内に供給することができる。すなわち、モノシラン、ジシラン、窒素、水素の沸点は、それぞれ−111.8℃、−14.5℃、−195.8℃、−252.78℃であり、各沸点の間には大きな差があるが、各ガスに対応するガス供給経路15A、15Bのそれぞれに冷却器16A、16Bを設けた場合には、たとえば、ジシランと水素ガスとを原料ガスとして反応室11の内部に供給するとき、ジシランについては、冷却器16Aによって−10℃の温度にまで冷却する一方、水素ガスについては、冷却器16Bによって−190℃にまで冷却するなど、各原料ガスの温度を下限値、すなわち、凝集する温度近くにまで冷却することができる。それ故、原料ガスを冷却して反応室に供給すれば理想的な成膜を行うことができるという利点を最大限発揮させることができる。
【0071】
[実施例3]
本発明を適用した薄膜形成装置として、プラズマ化学気相堆積装置(PECVD装置)を、図10および図11を参照して説明する。図10は、プラズマCVD装置の反応室付近の概略平面図、図12は、そのA−A′線における断面図である。
【0072】
これらの図において、本例のプラズマCVD装置200は容量結合型であり、プラズマは、高周波電源を用いて平行平板電極間に発生させるようになっている。
【0073】
プラズマCVD装置200において、反応室201は反応容器202によって外気から隔絶され、成膜中には約5mtorrから約5torrまでの減圧状態とされる。反応容器202の内部には下部平板電極203と上部平板電極204が互いに平行に配置されており、これらの2枚の電極が平行平板電極を構成している。下部平板電極203と上部平板電極204とからなる平行平板電極の間が反応室201である。本例では、410mm×510mmの平行平板電極を用い、電極間距離は可変である。反応室201の容積も電極間距離の変更にともなって2091cm3 から10455cm3 までの範囲で可変である。電極間距離の変更は下部平板電極203の位置を上下させることにより行うことができ、任意の距離に設定できる。電極間距離をある値に設定したときの平行平板電極の面内における電極間距離の偏差はわずか0.1mmである。従って、電極間に生じる電界強度の偏差は平行平板電極の面内において1.0%以下であり、プラズマは反応室201において均質に発生する。
【0074】
下部平板電極203の上には、薄膜を堆積すべきガラス製の大型の基板205が置かれ、基板205の縁辺部2mmがシャドーフレーム206により押さえつけられる。なお、図10では、装置の構成をわかりやすいようにシャドーフレーム206を省略してある。
【0075】
下部平板電極203の内部には、基板205を加熱するためのヒータ207(加熱手段)が設けられており、下部平板電極203の温度は25℃から400℃までの間で任意に設定できる。電極の温度をある値に設定したとき、周辺5mmを除く下部平板電極203の面内における温度分布は設定温度に対して±1.0℃以内であり、基板205の大きさを400mm×500mmに設定しても、基板205の面内における温度偏差を2.0℃以下に保つことができる。
【0076】
シャドーフレーム206は、例えば基板205として汎用のガラス基板(例えば、コーニングジャパン株式会社製♯7059、日本電気硝子株式会社製OA−2、またはNHテクノグラス株式会社製NA35等)を用いたとき、基板205がヒータ207からの熱によって凹形に変形するのを防ぐとともに、基板のエッジ部、裏面に不要な薄膜が形成されないように基板205を押さえている。
【0077】
原料となる気体と、必要に応じて追加の気体とからなる原料ガスは、配管208を通して上部平板電極204の内部に導入され、さらに上部平板電極204の内部に設けられたガス拡散板209の間をすり抜けて上部平板電極204の全面から略均一な圧力で反応室201の流れ出る。成膜中であれば、原料ガスの一部は上部平板電極204から出たところで電離し、平行平板電極間にプラズマを発生させる。原料ガスの一部ないし全部は成膜に関与する。これに対し、成膜に関与しなかった残留原料ガス、および成膜の化学反応の結果として生じた生成ガスは、排気ガスとして反応容器202の周辺上部に設けられた排気穴210から排出される。
【0078】
排気穴210のコンダクタンスは平行平板電極間のコンダクタンスの100倍以上であることが好ましい。さらに、平行平板電極間のコンダクタンスはガス拡散板209のコンダクタンスよりも十分に大きく、やはり、その値はガス拡散板209のコンダクタンスの100倍以上であることが好ましい。このように構成することにより、410mm×510mmの大型の上部平板電極204の全面より略均一な圧力で原料ガスが反応室201に導入され、同時に排気ガスが反応室201から全ての方向に均等な流量で排出される。
【0079】
各種の原料ガスの流量は、配管208に導入される前に後述するマスフローコントローラーにより所定の値に調整される。また、反応室201の内部の圧力は、排気穴の出口に設けられたコンダクタンス・バルブ211により所定の値に調整される。コンダクタンス・バルブ211の排気側にはターボ分子ポンプ等の真空排気装置(図示せず。)が設けられている。本例では、オイル・フリーの磁気浮上型ターボ分子ポンプが真空排気装置(真空排気手段)の一部として用いられ、反応室内の背景真空度を10−7torr台としている。
【0080】
このように構成したPECVD装置200において、図11に示すように、配管208から反応室201内に原料ガスを供給するためのガス供給部250(ガス供給手段)には、モノシランなどといった原料ガスを充填したガスボンベ2501と、このガスボンベ2501から原料ガスを反応室201に供給するためのガス供給経路2504と、このガス供給経路2504に介挿されたマスフローコントローラ2505とが構成されている。また、ガス供給部250では、ガス供給経路2504の途中位置に冷却器2530(冷却手段)が構成され、この冷却器2530によって、冷却した原料ガスを反応室201内に供給することが可能である。
【0081】
さらに、ガス供給部250には、アルゴンガスなどを充填したガスボンベ2601と、このガスボンベ2601からガスを反応室201に供給するためのガス供給経路2604と、このガス供給経路2604に介挿されたマスフローコントローラ2605とが構成されている。ガス供給経路2604の途中位置には冷却器2630(冷却手段)が構成され、この冷却器2630によって、冷却したアルゴンガスなどを反応室201内に供給することが可能である。
【0082】
なお、図10および図11には、ガスの流れを矢印で示してある。反応容器202および下部平板電極203は、接地電位にあり、これらと上部平板電極204とは、絶縁リング212により電気的な絶縁状態が保たれる。プラズマ発生時には、発振源213(電源)から出力されたRF波が増幅器214にて増幅された後、マッチング回路215を介して上部平板電極204に印加される。
【0083】
本例で用いたプラズマCVD装置200は、上述のとおり、電極間距離およびガス流に極めて精巧な制御を実現したことにより、400mm×500mmの大型の基板にも対応できる薄膜形成装置として構成されている。これらの基本的な設計思想され踏襲すれば、さらに大型の基板にも容易に対応でき、550mm×650mmほどの大型の基板にも十分に対応し得る装置を構成できる。
【0084】
本例では、RF電源を用いているが、マイクロ波やVHF波を発する電源を用いてもよい。また、RF電源では、工業用RF周波数(13.56MHz)の整数倍である27.12MHz、40.6MHz、54.24MHz、67.8MHz等、いずれの周波数に設定してもよい。かかる周波数の変更は、発振源213、増幅器214、およびマッチング回路215を交換することにより容易に行うことができる。 なお、電磁波プラズマでは、周波数を上げると、プラズマ中の電子温度が上がり、ラジカルの発生が容易になる。
【0085】
このように構成したPECVD装置200は、図7および図8を参照して説明した薄膜トランジスタの製造工程のうち、図7(B)に示すように、基板の表面にアモルファスシリコン膜を形成する工程などに用いられる。すなわち、基板表面の少なくとも一部にシリコン酸化膜などの絶縁性物質である下地保護膜を形成した後に、この下地保護膜上に半導体膜を形成し、最終的にはこの半導体膜を薄膜トランジスタの能動層としている薄膜トランジスタを製造する。
【0086】
このような成膜方法の一例を以下に説明する。
【0087】
まず、基板205は、下部電極203の温度が380℃に保たれているPECVD装置200内に設置される。
【0088】
ガス供給部250からはガス供給経路2504を介して反応室201内にモノシランガスを50SCCMの流量で供給する。このとき、モノシランガスを冷却器2530によって−103℃に冷却した状態で反応室201内に供給する。
【0089】
また、ガス供給部250からはガス供給経路2604を介して反応室201内にアルゴンガスを7000SCCMの流量で供給する。このとき、アルゴンガスを冷却器2630によって−173℃に冷却した状態で反応室201内に供給する。
【0090】
このときの反応室201内の圧力は1.5Torrである。平行平板電極間距は、24.4mmである。設置した基板201がこうした系と平衡状態となった後の基板表面温度は349℃である。PECVD装置200内に基板205を設置してから平衡状態に達するまでの時間を平衡時間とすると、室温に保たれている基板205の場合には、平衡時間は5分〜6分が最低必要である。この平衡時間は、基板205の厚み、熱容量、熱伝導差、設置前の基板205の温度および反応室201に導入されている気体種やその流量、圧力等により無論異なる。基板205の厚みが本例で用いた1.1mmからたとえば0.7mmと薄くなれば平衡時間も厚みに略比例して3分〜4分と短縮される。基板205を反応室201内に設置する前に予備加熱しておけば、やはり平衡時間を短縮できる。特に、平衡状態における基板表面温度より10℃程度高い温度に予備加熱しておけば、平衡時間を1分程度にすることも可能である。平衡時間の短縮は、いうまでもなく、スループットの向上と製品価格の低下を意味する。また、反応室201の圧力が低ければ、平衡状態での基板表面温度は低下するのが一般的である。従って、基板205を設置後、最初に数十秒から数分間、成膜時に反応室201に導入する気体よりも熱伝導度の高い気体(水素やヘリウムなど)を反応室201に導入したり、あるいは反応室201を成膜時よりも高い圧力に保ったり、またはこれら両者を組み合わせて成膜時に反応室201に導入する気体よりも熱伝導度の高い気体を成膜時よりも高い圧力にて反応室に導入することにより、基板205の第1の予備加熱を行った後、さらにその後、数十秒から数分間にわたり第2の予備加熱を行ってから成膜を試みてもよい。このようにすることで平衡時間を一層短縮することができる。
【0091】
こうして平衡状態に達した後、上部平行電極204に高周波を印加してプラズマを発生させ、半導体膜の成膜を行う。高周波出力は、たとえば600Wである。すなわち、シリコン膜の堆積条件の一例は、
モノシランガス温度:SiH4 =−103℃
アルゴンガス温度:Ar=−173℃
モノシランガス流量:SiH4 =50SCCM
アルゴンガス流量:Ar=7000SCCM(原料濃度1.64%)
高周波出力:RF=600W(0.228W/cm2 )
圧力:P=1.5Torr
電極間距離:S=24.4mm
下部平板電極温度:Tsus=380℃
基板表面温度:Tsub=349℃
である。
【0092】
このように、反応室201内に供給されるモノシランガスの流量は、通常のプラズマCVD法における成膜条件からみれば高めに設定されている。また、反応室201内はヒータ108によって加熱されているといっても、反応室201内は減圧状態にあるので、モノシランガスは、冷却された状態で反応室201内に供給されてからすぐには気体分子の温度が上昇しない。従って、反応室201内において、モノシランガスは濃度が高いものの、冷却された状態で反応室201内に供給される分、気体分子の平均自由行路が短いので、反応室201の内部におけるモノシランガスの圧力が低い。すなわち、反応室201内のモノシランガスの圧力を低くしたままでモノシランガスの濃度を高くすることができる。従って、モノシランガスの圧力が低い分、アモルファスシリコン膜の厚さの均一性がよいとともに、膜質が良好である。また、同じ圧力でもモノシランガスの濃度が高い分、成膜速度が0.8nm/sec.と通常の条件からすれば約2.5倍の成膜速度である。しかも、同じ圧力でもモノシランガスの濃度が高い分、混入した不純物の影響を受けにくい。
【0093】
また、モノシランガスは、冷却された状態で反応室201の内部に供給される分、気体分子の平均自由行路が短いので、多数の基板205を狭い間隔で並べても、基板205内におけるアモルファスシリコン膜の均一性が良い。なお、本例では、表面状態が平坦な基板205に対して成膜を行ったが、凹凸を有する基板上に成膜する際にジシランガスを冷却した状態で反応室201内に供給すると、気体分子の平均自由行路が短い分、段差被覆性がよい。
【0094】
このように、本例では、原料ガスなどを反応室201に冷却した状態で供給するための冷却器2530、2630を設けたので、これまで成膜条件のパラメータとして注目されていなかったガスの供給温度を最適化することによって理想的な成膜を行うことができる。
【0095】
しかも、モノシランガスについては−103℃の温度にまで冷却する一方、アルゴンガスについては−173℃にまで冷却するなど、各原料ガスの温度を下限値、すなわち、凝集する温度近くにまで冷却することができる。それ故、原料ガスを冷却して反応室に供給すれば理想的な成膜を行うことができるという利点を最大限発揮させることができる。
【0096】
[実施例4]
本発明を適用した薄膜形成装置として、スパッタ装置を、図12を参照して説明する。なお、本例のスパッタ蒸着装置は、図6に概略構成を示した薄膜形成装置に対応する。
【0097】
図12において、本例のスパッタ装置300では、基板320にタンタル薄膜などを形成するための反応室301と、基板320を加熱するためのヒータ312(加熱手段)と、反応室301内を真空引きするための真空排気装置313と、反応室301内にガスを供給するためのガス供給部350とが構成されている。真空排気装置313としてはクライオポンプなどを使用する。
【0098】
また、スパッタ装置300には、ガス供給部350から供給されたスパッタガスを用いて反応室301内にプラズマを形成することによってターゲット319から原子または分子をスパッタ蒸発させ、これらの原子または分子により反応室301内の基板320に対して薄膜を形成するためのプラズマ発生装置330が構成されている。
【0099】
プラズマ発生装置330では、基板320を保持する基板ホルダ314を陽極とし、ターゲット319を陰極とする平行平板電極が構成された状態にあり、これらの電極に対しては直流電源315が構成されている。なお、直流電源315に代えて高周波電源を用いることもある。このようなプラズマ発生装置330では、平行平板電極に直流電界または高周波電界を形成するとともに、ガス供給部350から反応室301内にスパッタガスを供給すると、ガス内にグロー放電が発生し、アルゴンイオンが生じる。アルゴンイオンは、陰極のターゲット319に引かれて加速され、ターゲット319を衝撃しこれをスパッタ蒸発させる。その結果、スパッタ蒸発した原子や分子が基板320上に薄膜を形成する。
【0100】
このようなスパッタ蒸着を行うにあたって、スパッタガスを供給するガス供給部350には、アルゴンガスなどといったスパッタガスを充填したガスボンベ3501と、このガスボンベ3501からスパッタガスを反応室301に供給するためのガス供給経路3504と、このガス供給経路3504に介挿されたマスフローコントローラ3505とが構成されている。また、ガス供給部350では、ガス供給経路3504の途中位置に冷却器3530(冷却手段)が構成され、この冷却器3530によって、冷却したスパッタガスを反応室301内に供給することが可能である。
【0101】
さらに、ガス供給部350には、窒素ガスなどを充填したガスボンベ3601と、このガスボンベ3601からガスを反応室301に供給するためのガス供給経路3604と、このガス供給経路3604に介挿されたマスフローコントローラ3605とが構成されている。このため、スパッタ蒸着中に反応室301内には窒素ガスなどを供給することができる。従って、ターゲット319として用いたタンタルから基板320上にタンタル膜を形成すると、タンタル膜には窒素も含有されることになる。このように窒素を含有させたタンタル膜はα構造となっているため、電気伝導度が高い。また、本例では、ガス供給経路2604の途中位置にも冷却器2630(冷却手段)が構成され、この冷却器2630によって、窒素ガスも冷却した状態で反応室201内に供給することが可能である。
【0102】
このように構成したスパッタ装置300において、基板320にタンタル膜を形成するときには、ターゲット319としては純度が99.95%のタンタルを用いる。まず、基板320を設置した反応室301内を減圧するとともに、ヒータ312によって基板320を加熱し、基板温度が180℃とする。この状態で、ターゲット319と基板ホルダー314との間に直流電界または高周波電界を形成するとともに、ガス供給部350から反応室301内にアルゴンガスを80SCCMの流量で供給し、反応室301内にプラズマを形成する。併せて、ガス供給部350から反応室301内へは窒素ガスを4SCCMの流量で供給する。その結果、ターゲット319からスパッタ蒸発した原子または分子により反応室301内の基板320にはタンタル膜が形成され、このタンタル膜には窒素も含まれている。
【0103】
このようにスパッタ法にてタンタル膜を形成する際に、本例では、アルゴンガスを冷却器3530によって−183℃〜−73℃に冷却した状態で反応室301内に供給する。また、窒素ガスを冷却器3630によって−178℃に冷却した状態で反応室301内に供給する。
【0104】
このため、アルゴンの気体分子の平均自由行程は短いので、形成したタンタル膜にはアルゴンの含有量が少ない。従って、密度が高く、かつ内部ストレスが小さいタンタル膜を形成でき、しかもタンタル膜のシート抵抗が低い。
【0105】
[その他の実施例]
なお、上記の実施例のうち、シリコン膜を形成する場合には真性のシリコン膜に限らず、リンドープなどのシリコン膜を形成することもできる。この場合には、モノシランやジシランとともにホスフィンなどを反応室の内部に供給すればよい。また、シリコン酸化膜を形成する場合には、モノシランと酸素とを原料ガスとして供給し、シリコン窒化膜を形成する場合には、ジクロルシランとアンモニアとを原料ガスとして供給すればよい。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、基板を設置した反応室内を減圧するとともにこの反応室内にガスを供給しながら基板上に薄膜を形成する際にガスを冷却して反応室内に供給することを特徴とする。従って、本発明によれば、ガスを冷却してから反応室に供給し、ガス分子の平均自由行程が短い条件で薄膜を形成できる。
【0107】
それ故、本発明を減圧CVD法やプラズマCVD法に適用すれば、冷却した状態で原料ガスを反応室内に供給する分だけ同じ圧力でありながら反応室内に導入される原料ガスの濃度を高めに設定できる。従って、原料ガスの圧力が低い分、薄膜の厚さの均一性がよいとともに、膜質が良好である。また、同じ圧力でも原料ガスの濃度が高い分、成膜速度が高いとともに、混入した不純物の影響を受けにくい。さらに、原料ガスを冷却して供給するため、気体分子の平均自由行程が短いので、段差被覆性が良好であるとともに、多数の基板を狭い間隔で並べて薄膜を形成しても基板内における膜の均一性が良い。
【0108】
また、本発明をスパッタ法に適用すれば、スパッタガスを冷却して供給するため、スパッタガスの気体分子の平均自由行程が短いので、形成した薄膜ではスパッタガスの含有量が少ない。従って、密度が高く、かつ内部ストレスが小さい薄膜を形成でき、しかもシート抵抗が低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した減圧CVD装置の概略構成図である。
【図2】(A)は、従来の薄膜形成方法におけるガスの運動を模式的に示す説明図、(B)は、本発明の薄膜形成方法におけるガスの運動を模式的に示す説明図である。
【図3】(A)は、従来の薄膜形成方法によって凹部に薄膜を形成したときの状態を示す説明図、(B)は、本発明の薄膜形成方法によって凹部に薄膜を形成したときの状態を示す説明図である。
【図4】(A)は、従来の薄膜形成方法によって薄膜を形成するときの基板の配置を示す説明図、(B)は、本発明の薄膜形成方法によって薄膜を形成するときの基板の配置を示す説明図である。
【図5】図1に係る減圧CVD装置の変形例に係る減圧CVD装置の概略構成図である。
【図6】本発明を適用したスパッタ装置の概略構成図である。
【図7】薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図8】図7に示した工程に続いて行う薄膜トランジスタの製造工程を示す工程断面図である。
【図9】本発明の実施例1に係る薄膜形成装置としての減圧CVD装置の概略構成図である。
【図10】本発明の実施例2に係る薄膜形成装置としてのプラズマCVD装置の反応室付近の概略平面図である。
【図11】図10のA−A′線における断面図である。
【図12】本発明の実施例4に係る薄膜形成装置としてのスパッタ蒸着装置の概略構成図である。
【図13】従来の減圧CVD装置の概略構成図である。
【符号の説明】
20A・・・基板
11A、11C、101、201、301・・・反応室
12A・・・加熱手段
13A、13C・・・真空排気手段
18A、18C・・・ガス供給手段
16A、161A、162A・・・冷却手段
19C、319・・・ターゲット
30・・・プラズマ発生手段
106、250、350・・・ガス供給部
108、207、312・・・ヒータ
330・・・プラズマ発生装置
1030、2530、2630、3530、3630・・・冷却器

Claims (3)

  1. 少なくとも、基板に薄膜を形成するための反応室と、該反応室内を真空引きするための真空排気手段と、前記反応室内に複数のスパッタガスを供給するためのガス供給手段と、該ガス供給手段から供給された複数のスパッタガスを用いて前記反応室内にプラズマを形成することによってターゲットからスパッタ蒸発させた原子または分子により前記反応室内の基板に対して薄膜を形成するためのプラズマ発生手段とを有する薄膜形成装置において、
    前記ガス供給手段は、前記複数のガスに対応して複数のガス供給経路を備えるとともに、
    前記複数のガスが前記反応室内に供給される前に、前記複数のガスの種類毎に、該ガスをそれぞれ適正な温度に冷却するための冷却手段を、前記複数のガス供給経路の外側に沿って備えることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 反応室内で、基板に薄膜を形成する工程と、前記反応室内を真空引きした後、該反応室に複数のガス供給経路が設けられ、それぞれの該ガス供給経路の外側に沿って冷却手段を備えるガス供給手段により、前記反応室内に複数のスパッタガスを供給する工程と、前記複数のスパッタガスを用いて前記反応室内にプラズマを形成することによってターゲットからスパッタ蒸発させた原子または分子により前記反応室内の基板に対して薄膜を形成する工程を有する薄膜形成方法において、
    前記複数のスパッタガスを、それぞれの前記ガス供給経路の外側に沿って設けられた冷却手段により、前記複数のスパッタガスの種類毎に、該原スパッタガスをそれぞれ適正な温度に冷却して前記反応室内に供給することを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 請求項2に規定する薄膜形成方法を利用して前記基板上に形成された前記薄膜を用いてアクティブマトリクス基板を製造することを特徴とするアクティブマトリクス基板の製造方法。
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