JP3623913B2 - ガス専焼ガスタービン発電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、常用と非常用とに兼用できるガス専焼ガスタービン発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市ガスを燃料とするガスタービンは、発電機からの電力もしくは商用電源によって駆動されるガス圧縮機で都市ガスを昇圧して用いているが、ガス圧縮機は、停電時には始動できない。そのため、都市ガスのみを燃料とするガス専焼ガスタービンを用いた常用発電装置は、そのままでは非常用に兼用できないので、同一建築物内などに常用と非常用との2種の発電装置を設置する必要があった。これに対し、従来では、都市ガスを燃料とするレシプロのガス機関を用いた常用の発電装置に、高圧液化ガスボンベを接続して、停電時にこのガスボンベからガス燃料を供給してガス機関を作動させることにより、常用・非常用に兼用可能とした発電装置が提案されている。(特公平8−26818号公報参照) 。
【0003】
ところが、上記発電装置は、非常時に1時間以上の定格運転が要求されているので、前記ガスボンベの容量が相当大きくなる。したがって、この方式をガスタービンに使用すると、多量の燃料を必要とすることから、ガスボンベの容量が極めて大きくなり、実用化は困難となる。
【0004】
他方、近年、都市ガスの導管は、震災時でも都市ガスの供給が確保できるようになってきている。これに着目して、本件出願人は、停電を伴う非常時に、貯蔵した圧縮ガスをガスタービンに供給して発電し、この電力でガス圧縮機を駆動して都市ガスを昇圧し、この昇圧した都市ガスでガスタービンを駆動するように構成し、非常時にも使用可能な状態にある都市ガスを使用して、保有するガスボンベの個数を少なくした簡略なガス専焼ガスタービン発電装置を先に提案している(特許第2940823号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案したガス専焼ガスタービン発電装置は、非常時に電源がなくても、ガス貯蔵器のガスボンベからの非常用ガス燃料によってガスタービンを起動し、起動後にはガスタービンで駆動した発電機からの電力によりガス圧縮機を駆動できるので、常用のガス燃料(都市ガス)でガスタービンの運転を継続できる。したがって、震災時にも生き残る都市ガス単独供給系統として評価を受けたガス供給管と組み合わせることにより、常用・非常用兼用のガス専焼設備を構築できるとともに、ガスの貯蔵量は、始動時から自家発電電力によるガス圧縮機の稼働までに必要な少量で済むという利点がある。
【0006】
ところが、上記ガス専焼ガスタービン発電装置は、その実用化に際して、なお解決しなければならない問題が残存している。すなわち、非常時にガスボンベの圧縮ガスが使用された場合には、これを新しいものに交換する必要がある。そのため、使用されたガスボンベは、ガス貯蔵器から取り出してガス充填場所まで移送し、ガス充填後に再びガス貯蔵器まで移送して設置しなければならない。しかも、ガスボンベは、一般に、地震時にも転倒しないように架台に交換可能な状態に固定されているとともに、メンテナンス弁を介してガスタービンへのガス供給通路に接続されているので、ガスボンベの取り付けおよび取り外しには、面倒な作業を伴う。
【0007】
そこで、本発明は、非常時に使用したガス貯蔵器に、これのガスボンベの取り外しや移送を行うことなしに支障なくガスを充填することのできるガス専焼ガスタービン発電装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のガス専焼ガスタービン発電装置は、ガス燃料を使用するガスタービンと、このガスタービンで駆動される発電機と、外部電源又は前記発電機から電力を受けて、常用ガス源からのガス燃料を昇圧する電動式の第1のガス圧縮機と、ガス燃料を貯蔵するガス貯蔵器と、常時に、第1のガス圧縮機からのガス燃料を前記ガスタービンに供給する主供給通路と、非常時に、ガス貯蔵器からのガス燃料を前記ガスタービンに供給する副供給通路と、前記第1のガス圧縮機及びガス貯蔵器から前記ガスタービンへのガス燃料の前記両供給通路を開閉する開閉装置と、前記外部電源の停電を伴う非常時に、前記開閉装置を制御して前記主供給通路を遮断し、前記副供給通路を開放して前記ガス貯蔵器からのガス燃料を前記ガスタービンに供給させる第1モード設定手段と、前記第1のガス圧縮機の運転を監視して前記開閉装置を制御し、前記副供給通路を遮断して前記ガス貯蔵器から前記ガスタービンへのガス燃料の供給を停止し、前記主供給通路を開放して前記第1のガス圧縮機からのガス燃料を前記ガスタービンに供給させる第2モード設定手段と、前記常用ガス源からのガス燃料を前記ガス貯蔵器に導入するガス充填通路と、前記ガス充填通路に設けられて前記ガス燃料を昇圧し前記ガス貯蔵器に貯蔵させる第2のガス圧縮機とを備え、前記常用ガス源からのガス燃料を前記第1のガス圧縮機に導入するガス導入通路に、そのガス燃料を第1のガス圧縮機に供給するときに開かれる遮断弁と、その上流側に位置する第1の導入用開閉弁とが設けられ、前記ガス充填通路は、前記第1の導入用開閉弁の上流側で前記ガス導入通路に接続され、前記第2のガス圧縮機とガス貯蔵器との間に第2の導入用開閉弁を有している。前記常用ガス源としては、例えば、産業用の都市ガス管を使用できる。
【0009】
この構成によれば、非常時に電源がなくても、ガス貯蔵器からのガス燃料によってガスタービンを起動し、起動後は、ガスタービンで駆動した発電機からの電力によりガス圧縮機を駆動できるので、常用のガス燃料でガスタービンの運転を継続できる。そして、非常時にガス貯蔵器のガス燃料を使用した場合には、常用ガス源からのガス燃料を第2のガス圧縮機で昇圧させたガス燃料をガス貯蔵器の例えばガスボンベに充填できる。したがって、ガスボンベには、ガス貯蔵器内に設置された状態のままで使用分のガスを充填できるとともに、一般にガス圧力の低い都市ガスなどを第2のガス圧縮機によって昇圧してガスボンベに充填するので、ガスボンベを所定の圧力になるよう充填できる。第2のガス圧縮機は、例えば前記外部電源または発電機により駆動される。
【0010】
さらに、上記構成によれば、前記常用ガス源のガス燃料をガス貯蔵器内に充填するから、前記常用ガス源からのガス燃料を前記第1のガス圧縮機に導入するガス導入通路に、そのガス燃料を第1のガス圧縮機2に供給するときに開かれる遮断弁41と、その上流側に位置する第1の導入用開閉弁47とが設けられ、前記ガス充填通路48は、前記第1の導入用開閉弁の上流側で、前記ガス導入通路に接続されている。これにより、ガス燃料は、常用ガス源からガス充填通路に導かれて、このガス充填通路に設けられた第2のガス圧縮機で昇圧されたのちにガス貯蔵器のガスボンベに充填される。ここで、第1および第2の導入用開閉弁は、電気事業法の適用を受ける箇所とガス事業法の適用を受ける箇所とを区分する、いわゆる区分弁となる。第1および第2の導入用開閉弁の下流側の箇所は、電気工作物であるから、一般に防爆仕様が必要となるが、上流側の箇所はガス工作物であるから、ある一定の条件さえ満たせば、防爆仕様が不要である。したがって、ガス充填通路および第2のガス圧縮機は、防爆仕様とする必要がないことから、汎用品で比較的安価に構成できる利点がある。
【0011】
また、上記発明のガス専焼ガスタービン発電装置において、前記第2のガス圧縮機は、前記外部電源からの電力により駆動されることが好ましい。これにより、ガス貯蔵器へのガス燃料の充填は、ガスタービンの運転中、運転休止中にかかわらず、随時行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るガス専焼ガスタービン発電装置を示す系統図であり、本発明の発電装置は、ガスのみを燃料とするガスタービン1を備えており、常用時には、第1のガス圧縮機2を駆動して、常用ガス源である都市ガス管3からの都市ガス(ガス燃料)を昇圧し、この昇圧された都市ガスを中途に開閉装置4が介装された主供給通路5を経てガスタービン1に供給して、ガスタービン1を駆動し、このガスタービン1により発電機6を駆動して発電し、この電力を工場等の各種電力負荷に供給するように構成されている。
【0013】
他方、非常用としてガス貯蔵器7が設けられており、これに貯蔵されたガス燃料が、副供給通路8を経てガスタービン1に供給されるようになっている。副供給通路8には、上流側から遮断弁9、減圧弁10、加温器11、逆止弁12が介装されている。副供給通路8の下流側は、主供給通路5と共通になっている。
【0014】
開閉装置4は、主供給通路5における第1のガス圧縮機2の下流側に介装された遮断弁13と、遮断弁13に対し下流側に配置されて副供給通路8からのガス燃料が主供給通路5の第1のガス圧縮機2側に流れるのを防止する逆止弁14と、副供給通路8における加温器11の下流側に介装された遮断弁15と、コントローラ16とを備えている。開閉装置4のコントローラ16は、制御装置40により制御されて、前記遮断弁13、15を選択的に開閉するものである。前記遮断弁9、減圧弁10、遮断弁13、遮断弁15は、エア駆動されるもので、エア源17から高圧エアが供給されている。
【0015】
ガスタービン1は、圧縮機18で空気を圧縮して燃焼器19に導くと共に、主供給通路5又は副供給通路8を通って供給されるガス燃料を、燃焼器19内に噴射して燃焼させ、その高温高圧の燃焼ガスのエネルギによりタービン20を駆動させる。タービン20は、圧縮機18を駆動すると共に、減速機21及びカップリング22を介して発電機6を駆動する。
【0016】
第1のガス圧縮機2は、電動機23によりコンプレッサ24を駆動して都市ガス管3からの都市ガスを昇圧するものであり、電動機23は、ガスタービン1で駆動される発電機6からの電力により駆動される。但し、電動機23は、始動時には、商用交流電源のような外部電源25により駆動される。都市ガス管3からの都市ガスは、遮断弁41が開かれることにより、ガス導入通路46を介して第1のガス圧縮機2に導入される。
【0017】
ガス貯蔵器7は、ガス燃料として、天然ガスを圧縮して貯蔵した複数のガスボンベ26を、地震時にも転倒しないように、架台(図示せず)に交換可能な状態で固定されたものである。各ガスボンベ26はメンテナンス用弁27を介して共通の管路28に連結され、この管路28の出口は供給元弁29を介して副供給通路8に連結されている。前記管路28には圧力計元弁30を介して圧力計31が配設されている。
【0018】
前記副供給通路8に設けた遮断弁9には、高圧エアにより作動する調整弁32が接続されている。遮断弁9は、調整弁32を介して高圧エアが供給されることにより開閉して、副供給通路8を遮断する。
【0019】
減圧弁10には、コントローラ33が接続されており、このコントローラ33が、加温器11の下流側の副供給通路8の圧力を検知する圧力センサ34からの圧力検知信号により制御されて、副供給通路8の圧力が一定になるように調整される。
【0020】
加温器11は、大気との間で熱交換させる多数のフィン(図示せず)を有しており、この加温器11の上方には温水を噴射する噴射ノズル35が配設されている。この加温器11は、ガス燃料が減圧されて膨張すると大気温度よりも低温になるので、加温器11よりも下流側のガス燃料系の機器の許容下限温度を考慮し、汎用機器が使用できるように、冷えたガス燃料を暖めるためのものである。前記フィンを有する配管中を低温のガスが通過すると、大気により当該ガスが暖められる。ガス貯蔵器7からのガス燃料による運転時間は、通常2〜3分程度であるから、加温器11に霜がつくおそれはないが、長時間使用すると大気中の水分が霜となって前記フィンに付着して熱交換能力が低下するので、この場合には、当該配管の上方に設けた噴射ノズル35から温水を噴射し、霜を溶かして除去する。
【0021】
制御装置40は、調整弁32、遮断弁13,15,41を制御する弁制御手段36と、第1モード設定手段37と、第2モード設定手段38と、警報装置39を有している。また、この制御装置40は、前記圧力計31を監視し、前記ガス貯蔵器7が非常時に直ちにガス燃料を供給できる状態を維持する。前記制御装置40による監視は、圧力計元弁30に取り付けた圧力計31からの圧力信号を取り込み、予め設定されたデータと比較して、非常時に必要となるガス圧力以下に低下していると判別した場合に、予め定めたプログラムに従って警報装置39から、例えば、音もしくは光、又はその両方よりなる警報を発して、ガス貯蔵器7の点検を作業員などに対し促すものである。
【0022】
都市ガス管3からの都市ガスを第1のガス圧縮機2に導くガス導入通路46における、遮断弁41の上流側に、第1の導入用開閉弁47が配設されており、ガス導入通路46における第1の導入用開閉弁47の上流側とガス貯蔵器7における各ガスボンベ26に共通の管路28との間が、都市ガスを貯蔵器7に導入するためのガス充填通路48により接続されている。このガス充填通路48には、上流側から第2のガス圧縮機49、逆止弁54および第2の導入用開閉弁51が順次配設されている。
【0023】
第2のガス圧縮機49は、電動機52によりコンプレッサ53を駆動して、ガス充填通路48に導入された都市ガス管3からの都市ガスをガスボンベ26に貯蔵可能な高い圧力、例えば最大200kgf/m2 の圧力まで昇圧するものであり、電動機52は、商用交流電源のような外部電源25により駆動される。なお、第1のガス圧縮機2では、都市ガス管3からの都市ガスが、ガスタービン1に供給するのに適した圧力、例えば14 kgf/m2 程度に昇圧される。第1の導入用開閉弁47は、常用時に都市ガスを遮断弁41を介し第1のガス圧縮機2に供給できるように常時開弁されている。第2の導入用開閉弁51は、充填要求に応じて開弁されて、第2のガス圧縮機49で圧力を高められた都市ガス管3からの都市ガスをガス貯蔵器7のガスボンベ26に供給する。逆止弁54は、第2の導入用開閉弁51が開弁されたときに、ガス貯蔵器7に残存する圧縮ガスが第2のガス圧縮機49に流入するのを防止する。
【0024】
つぎに、上記ガス専焼ガスタービン発電装置の動作について説明する。常用時には、始動の際、遮断弁41を開いて第1のガス圧縮機2に都市ガス管3からの都市ガスを供給し、外部電源25からの電力によって第1のガス圧縮機2を駆動して都市ガス管3からの都市ガスを昇圧し、昇圧した都市ガス管3からの都市ガスを、開閉装置4の遮断弁13を開弁状態にして、主供給通路5を介しガスタービン1に供給して駆動し、このガスタービン1により発電機6を駆動して発電し、工場等の電力負荷部及び第1のガス圧縮機2に供給する。
【0025】
外部電源25の停電を伴う非常時に、火災や発煙等が検知されると、消化ポンプなどの防災設備43に電力を供給するためにガスタービン1を始動する。その際、第1モード設定手段37と第2モード設定手段38により、ガス燃料をガスタービン1に供給する。
【0026】
すなわち、第1モード設定手段37は、制御装置40に停電信号と防災信号の両方が入力されることにより、制御装置40は、エアーモータのような始動装置50を駆動して、ガスタービン1を始動させ、つづいて、開閉装置4のコントローラ16と副供給通路8の遮断弁9の調整弁32に制御信号を出力して、遮断弁9を開弁し、遮断弁13を閉弁し、遮断弁15を開弁する。これにより、前記第1のガス圧縮機2からガスタービン1へのガス燃料の主供給通路5を遮断し、前記ガス貯蔵器7からのガス燃料を、副供給通路8を経てガスタービン1に供給させ、ガスタービン1の起動を完了させる。
【0027】
次に、ガスタービン1の駆動により発電機6で発電された電力は、制御装置40からの信号で遮断器45が投入されることにより、第1のガス圧縮機2の電動機23に供給されて、これを駆動する。このとき、制御装置40は、遮断弁41を連動して開弁し、第1のガス圧縮機2に都市ガスを供給して昇圧させる。
【0028】
第2モード設定手段38は、第1のガス圧縮機2の出口圧力を検知する圧力センサ42からの圧力検知信号を受けて第1のガス圧縮機2の運転状態を監視し、第1のガス圧縮機2が定常運転となって出口圧力が所定値に達したと判別したときに、開閉装置4のコントローラ16を制御して、遮断弁13を開弁し、遮断弁15を閉弁して、第1のガス圧縮機2からの昇圧された都市ガスをガスタービン1に供給する。これにより、ガスタービン1に供給するガス燃料を、貯蔵された圧縮ガスから都市ガスに切り替えることができ、その後は、ガス圧縮機2からの都市ガスによってガスタービン1の運転が継続される。
【0029】
こうして、都市ガスを燃料として駆動されるガスタービン1によって発電機6を駆動して発電し、この電力を継続的に防災設備43や電力負荷部に供給する。したがって、非常時にも、始動時の短時間、例えば2〜3分間だけ貯蔵ガス燃料でガスタービン1を駆動するので、ガス貯蔵器7に貯蔵するガス燃料は少なくて済む。
【0030】
非常時にガス貯蔵器7の貯蔵ガスを使用した場合、使用される時間が上述のように2〜3分間程度であることから、使用ガス量は僅かであるが、ガスボンベ26の圧力が下がる。そこで、第2の導入用開閉弁51および各メンテナンス用弁27をそれぞれ開弁する。これにより、都市ガス管3からの都市ガスは、ガス導入通路46からガス充填通路48に取り出されて第2のガス圧縮機52に導入され、この第2のガス圧縮機49で所定の圧力まで昇圧されたのちに、ガス充填通路48および管路28を通って各ガスボンベ26に、これが所定の圧力になるまで充填される。したがって、各ガスボンベ26には、ガス貯蔵器7内に設置された状態のままで非常時に使用分の都市ガスを充填できる。また、一般にガス圧力の低い都市ガス管3からの都市ガスは、第2のガス圧縮機49によって昇圧されたのちにガスボンベ26に充填されるので、ガスボンベ26内を所定の圧力に維持できる。
【0031】
ところで、ガス充填通路48は、ガス導入通路46に設けた第1の導入用開閉弁47の上流側でガス導入通路46に接続されており、第2の導入用開閉弁51は、ガス充填通路48におけるガス貯蔵器7の上流側に設けられている。これら第1および第2の導入用開閉弁47,51は、電気事業法の適用を受ける箇所とガス事業法の適用を受ける箇所とを区分する、いわゆる区分弁となっている。すなわち、各導入用開閉弁47,51の下流側の箇所は、電気工作物であるから、一般に、防爆仕様が必要となる。これに対し各導入用開閉弁47,51の上流側の箇所、つまりガス充填通路48におけるガス導入通路46との接続点から第2の導入用開閉弁51に至る箇所60は、ガス工作物であるから、通風の良い場所への設定等の条件を満たせば、防爆仕様が不要である。したがって、ガス充填通路48および第2のガス圧縮機49は、汎用品で構成できる利点がある。
【0032】
また、上記のガスボンベ26に対するガス充填は、ガス貯蔵器7の運用外時に第2の導入用開閉弁51を開弁し、外部電源25から電動機52に電力供給して第2のガス圧縮機49を駆動して行われる。なお、第2のガス圧縮機49は、ガスタービン1の運転休止中に外部電源25からの電力によって駆動してもよいし、ガスタービン1の運転中に、発電機6または外部電源25からの電力によって駆動してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明のガス専焼ガスタービン発電装置によれば、非常時に電源がなくても、ガス貯蔵器からのガス燃料によってガスタービンを起動し、起動後は、ガスタービンで駆動した発電機からの電力によりガス圧縮機を駆動できるので、常用ガス源からのガス燃料でガスタービンの運転を継続できる。そして、非常時にガス貯蔵器のガスを使用した場合、常用ガス源からのガス燃料を第2のガス圧縮機で昇圧させたガス燃料を、ガス貯蔵器のガスボンベに充填する。したがって、ガスボンベには、ガス貯蔵器内に設置された状態のままで非常時に使用分のガスを充填できるとともに、一般にガス圧力の低い都市ガスなどを第2のガス圧縮機によって昇圧して充填できる。さらに、ガス充填通路が、ガス導入通路に設けた第1の導入用開閉弁の上流側で、前記ガス導入通路に接続され、第1および第2の導入用開閉弁が、電気事業法の適用を受ける箇所とガス事業法の適用を受ける箇所とを区分する区分弁となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガス専焼ガスタービン発電装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1…ガスタービン、2…第1のガス圧縮機、3…常用ガス源、4…開閉装置、6…発電機、7…ガス貯蔵器、25…外部電源、37…第1モード設定手段、38…第2モード設定手段、40…制御装置、46…ガス導入通路、47…第1の導入用開閉弁、48…ガス充填通路、49…第2のガス圧縮機、51…第2の導入用開閉弁
Claims (2)
- ガス燃料を使用するガスタービン1と、
このガスタービン1で駆動される発電機6と、
外部電源25又は前記発電機6から電力を受けて、常用ガス源3からのガス燃料を昇圧する電動式の第1のガス圧縮機2と、
ガス燃料を貯蔵するガス貯蔵器7と、
常時に、第1のガス圧縮機2からのガス燃料を前記ガスタービン1に供給する主供給通路5と、
非常時に、ガス貯蔵器7からのガス燃料を前記ガスタービン1に供給する副供給通路8と、
前記第1のガス圧縮機2及びガス貯蔵器7から前記ガスタービン1へのガス燃料の前記両供給通路5,8を開閉する開閉装置4と、
前記外部電源25の停電を伴う非常時に、前記開閉装置4を制御して前記主供給通路5を遮断し、前記副供給通路8を開放して前記ガス貯蔵器7からのガス燃料を前記ガスタービン1に供給させる第1モード設定手段37と、
前記第1のガス圧縮機2の運転を監視して前記開閉装置4を制御し、前記副供給通路8を遮断して前記ガス貯蔵器7から前記ガスタービン1へのガス燃料の供給を停止し、前記主供給通路5を開放して前記第1のガス圧縮機2からのガス燃料を前記ガスタービン1に供給させる第2モード設定手段38と、
前記常用ガス源3からのガス燃料を前記ガス貯蔵器7に導入するガス充填通路48と、
前記ガス充填通路48に設けられて前記ガス燃料を昇圧し前記ガス貯蔵器7に貯蔵させる第2のガス圧縮機49とを備え、
前記常用ガス源3からのガス燃料を前記第1のガス圧縮機2に導入するガス導入通路46に、そのガス燃料を第1のガス圧縮機2に供給するときに開かれる遮断弁41と、その上流側に位置する第1の導入用開閉弁47とが設けられ、
前記ガス充填通路48は、前記第1の導入用開閉弁47の上流側で前記ガス導入通路46に接続され、前記第2のガス圧縮機49とガス貯蔵器7との間に第2の導入用開閉弁51を有している、
ガス専焼ガスタービン発電装置。 - 請求項1において、前記第2のガス圧縮機49は、前記外部電源25からの電力により駆動されるガス専焼ガスタービン発電装置。
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