JP3623665B2 - 内歯付きドラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の多板クラッチのクラッチドラム等として適用される内歯付きドラムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
まず、フローフォーミング成形について説明すると、フローフォーミングとは、金型に素材を設定し、金型と共に素材を回転させ、成形部に対しフォーミングローラの押圧を保ったまま金型に沿ってフォーミングローラを相対移動させ、ローラによるしごきで押し出された材料を金型に流し込みながら成形する冷間の回転塑性加工をいう。
【0003】
よって、このフローフォーミングを自動変速機のクラッチドラム等の製造に採用すると、プレス成形のような弾性変形領域でのスプリングバックがなくてスプライン内歯を機械加工精度並みの高精度で成形できるし、また、冷間の塑性加工のために加工硬化が大きく、さらに、金属組織の結晶が地滑りや微細化する等のファイバーフロー現象が生かされるので機械的性質(引張強さ・靭性・疲労強度)が素材強度より高まるというメリットがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ドラム内面にスプライン内歯のみを有する内歯付きドラムの場合には、上記のように高いスプライン内歯精度を得ることができるものの、スプライン内歯と円筒部(例えば、シェルとの嵌合のためのカムカットが形成される部分)を有する内歯付きドラムの場合には、下記に述べるような問題がある。
【0005】
例えば、図6に示すように、フローフォーミング金型として、内歯型を有する第1金型とシェル嵌合部となる円筒面を有する第2金型を用い、プリフォーム素材をフォーミングローラによるしごきで両金型に流し込むように塑性変形させるフローフォーミング成形により製造すると、スプライン内歯の円筒部側の歯端形状が台形断面による垂直ストレート面形状に設定されるため、フローフォーミング加工中、材料の流れが悪くなり、内歯精度不良が発生してしまう。すなわち、フォーミングローラによるしごきを内歯型に沿って行なうと、素材の流動線が、図6の点線矢印に示すように、第2金型の垂直面に当たって一部が逆流する流動不良現象が生じ、その結果、逆流力によりスプライン内歯の中央部を外側に持ち上げ、離型させたスプライン内歯は中央部の内径が両端部より若干大きな弓形状となる。
【0006】
また、特開平6−23461号公報に記載されているように、フローフォーミング金型を1部品金型とし、スプライン内歯の円筒部側の歯端形状を高さが変化する台形断面による傾斜ストレート面形状に設定すると、上記垂直ストレート面形状の場合に比べ、フォーミングローラによるしごきを内歯型に沿って行なった時の素材の逆流程度が少し低下するものの、傾斜ストレート面による歯端部の断面積変化は依然として急激であるため、素材の逆流や滞留を回避するまでに至らない。この結果、プリフォーム板厚が厚く、しごき量が多い時には内歯精度不良が発生してしまう。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、スプライン内歯と円筒部を有する内歯付きドラムにおいて、ローラによるしごき量が多くても良好な内歯精度の確保を達成することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(解決手段1)
上記課題の解決手段1(請求項1)は、成形機に設定されるフローフォーミング金型の外周に内歯型を形成し、プリフォーム素材をフォーミングローラによるしごきでフローフォーミング金型に流し込むように塑性変形させるフローフォーミング成形により製造され、ドラム内面には、ドラム開口端面の途中位置まで形成されたスプライン内歯と、内歯の歯底の径を内径としてドラム開口端面位置まで形成された円筒部を有する内歯付きドラムにおいて、
前記スプライン内歯の円筒部側の歯端形状を、歯高がドラム開口端面に向かって円弧形状に低くなってゆくと共に、歯底幅がドラム開口端面に向かって円弧形状に狭くなってゆく形状としたことを特徴とする。
(解決手段2)上記課題の解決手段2(請求項2)は、請求項1記載の内歯付きドラムにおいて、フローフォーミング金型を、外周の断面形状が台形である回転円盤砥石により内歯型が加工された1部品金型とし、スプライン内歯の円筒部側の歯形状を、回転円盤砥石の外径円弧形状に合致する円弧形状としたことを特徴とする。
(解決手段3)上記課題の解決手段3(請求項3)は、請求項1または請求項2記載の内歯付きドラムにおいて、前記フローフォーミング成形機を、ボス部プレス型とフローフォーミング金型とが同軸上に対向配置された成形機とし、センタ穴を有する円板状のプリフォーム素材を予め用意し、プリフォーム素材のセンタ穴とボス部プレス型の先端部を符合させて成形機にプリフォーム素材を設定したまま、ボス部プレス型を用いてボス部を成形すると共にフォーミングローラによりドラム部を成形する前記プリフォーム素材のセンタ穴とボス部プレス型の先端部を符合させたワンチャッキング方式により製造されることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は請求項1,2,3に記載の発明に対応する。
[内歯付きドラムの構成について]
図1(イ) は実施の形態1の歯付きドラムを示す断面図、図1(ロ) は実施の形態1の歯付きドラムのスプライン内歯のシェル嵌合部側の歯端形状を示す図1(イ)内歯付きドラムDは、図1(イ) に示すように、外面にピストン摺動面1aを有するボス部1と、内面にピストン摺動面2aとスプライン内歯2bとシェル嵌合部2c(円筒部)を有するドラム部2による構成であり、後述するフローフォーミング成形により製造される。前記スプライン内歯2bは、ドラム開口端面の途中位置まで形成され、前記シェル嵌合部2cはスプライン内歯2bの歯底の径を内径としてドラム開口端面位置まで形成されている。
【0010】
前記スプライン内歯2bのシェル嵌合部2c側の歯端形状は、図1(イ) 及び図1(ロ) に示すように、歯高Hがドラム開口端面に向かって円弧形状に沿って徐々に低くなってゆくと共に、歯底幅Wがドラム開口端面に向かってW1からW2へと徐々に狭くなってゆく形状とされている。
【0011】
尚、内歯付きドラムDは、後加工により油穴3やリング溝4,5やカムカット部6が形成される。
[フローフォーミング金型について]
図2は実施の形態1の歯付きドラムの製造に使用されるフローフォーミング金型を示す断面図、図3はフローフォーミング金型の内歯型を加工する回転円盤砥石を示す半断面図である。
【0012】
実施の形態1の歯付きドラムDの製造に使用されるフローフォーミング金型7は、図2に示すように、回転円盤砥石8によりにより加工された内歯型7aが加工された1部品金型とされる。
【0013】
前記回転円盤砥石8は、図3に示すように、外周の断面形状が台形であり、これによって加工された内歯型7aに素材を流し込むことにより形成されるスプライン内歯2bのシェル嵌合部2c側の歯形状は、回転円盤砥石8の外径円弧形状(半径R)に合致する半径Rを持つ円弧形状となる。
[内歯付きドラムの製造方法について]
図4は実施の形態1の内歯付きドラムの製造方法を示す工程説明図である。
【0014】
実施の形態1の内歯付きドラムDの製造に使用されるフローフォーミング成形機は、回転とストロークが可能なボス部プレス型9とフローフォーミング金型7とが同軸上に対向配置され、他に外側フォーミングローラ10と内側フォーミングローラ11を備えている。この成形機により、素材設定工程とボス部プレス工程とドラム部フローフォーミング工程とボス部フローフォーミング工程を経過して実施の形態1の内歯付きドラムDが製造される。以下、各工程について説明する。
【0015】
前記素材設定工程は、センタ穴12aを有する円板状のプリフォーム素材12を予め用意し、図4(イ) に示すように、図外のホールダにより保持されているプリフォーム素材12のセンタ穴12aとボス部プレス型9の先端部9aとを符合させてフローフォーミング成形機に設定する工程である。
【0016】
前記ボス部プレス工程は、図4(ロ) に示すように、設定されたプリフォーム素材12を相対的にボス部プレス型9を用いて軸方向に加圧することで、センタ穴12aをボス穴として軸方向に突出するボス部1を成形する工程である。
【0017】
前記ドラム部フローフォーミング工程は、図4(ハ) に示すように、プレス成形されたボス部1を有する素材12を成形機に設定したまま、軸方向の位置が固定である外側フォーミングローラ10に対しフローフォーミング金型7を軸方向に移動させながら外側フォーミングローラ10によるしごきで金型に流し込む塑性変形を素材12に生じさせ、内面にピストン摺動面2aとスプライン内歯2bとシェル嵌合部2cを有するドラム部2を成形する工程である。
【0018】
前記ボス部フローフォーミング工程は、図4(ニ) に示すように、ボス部プレス型9のみをボス部1から抜き、代わりに内側フォーミングローラ11を挿入し、フローフォーミング金型7を内側フォーミングローラ11に向かって軸方向に移動させることで、内側フォーミングローラ11によりボス部1の外面にピストン摺動面1aを成形する工程である。
【0019】
尚、ボス部フローフォーミング工程を終了すると、内側フォーミングローラ11を元の位置に戻し、製品離型具を用いてフローフォーミング金型7から成形製品が離型される。
[内歯付きドラムが適用される自動変速機について]
図5は実施の形態1の製造方法により製造された内歯付きドラムDが適用された自動変速機の動力伝達機構の一部を示す断面図である。
【0020】
図5において、30はインプットシャフト、31は第2シャフト、32は第1多板クラッチ、Dは内歯付きドラム、33は第1クラッチピストン、34は第1クラッチプレート、35は第2多板クラッチ、36は第2クラッチドラム、37は第2クラッチピストン、38は第2クラッチプレート、39はブレーキバンド、40はシェル、41はサンギヤ、42はピニオン、43はリングギヤ、44はピニオンキャリアである。
【0021】
実施の形態1の内歯付きドラムDは、自動変速機内に設けられた第1多板クラッチ32のクラッチドラムとして適用されていて、ドラム部2のスプライン内歯2bに、第1クラッチプレート34が軸方向へ摺動可能にスプライン嵌合され、ボス部1とドラム部2の両ピストン摺動面1a,2aに、クラッチ締結力を付与する環状の第1クラッチピストン33が摺動可能に設けられている。また、ドラム部2のシェル嵌合部2cに形成されたカムカット部6には、第2多板クラッチ35及びプラネタリギヤを覆うシェル40が爪嵌合により結合され、第1多板クラッチ32の締結時、インプットシャフト30の回転が、第2クラッチドラム36→第1クラッチプレート34→内歯付きドラムD→シェル40を介してサンギヤ41に伝達される。
【0022】
次に、作用効果を説明する。
[スプライン内歯精度について]
例えば、実施の形態1のようなスプライン内歯2bとシェル嵌合部2cを有する内歯付きドラムDの場合、フローフォーミング金型として、内歯型を有する第1金型とシェル嵌合部となる円筒面を有する第2金型を用い、フローフォーミング成形により製造すると、スプライン内歯の円筒部側の歯端形状が台形断面による垂直ストレート面形状に設定されるため、フローフォーミング加工中、材料の一部が逆流してしまうというように材料の流れが悪くなり、内歯精度不良が発生してしまう。そこで、特開平6−23461号公報に記載されているように、フローフォーミング金型を1部品金型とし、スプライン内歯の円筒部側の歯端形状を高さが変化する台形断面による傾斜ストレート面形状に設定すると、垂直ストレート面形状の場合に比べ、素材の流れが多少改善されるものの、傾斜ストレート面による歯端部の断面積変化は依然として急激であるため、プリフォーム板厚が厚くしごき量が多い時には内歯精度不良が発生してしまう。
【0023】
これに対し、実施の形態1のように、スプライン内歯2bのシェル嵌合部2c側の歯端形状を、図1(イ) 及び図1(ロ) に示すように、歯高Hがドラム開口端面に向かって円弧形状に沿って徐々に低くなってゆくと共に、歯底幅Wがドラム開口端面に向かってW1からW2へと徐々に狭くなってゆく形状とすると、スプライン内歯2bの歯端領域での断面積変化は、シェル嵌合部2cの方向に向かってゆっくりと少しづつ断面積が小さくなり、スプライン内歯2bからシェル嵌合部2cに移行することになり、外側フォーミングローラ10によるしごきで金型に流し込む時にしごき量が多くても素材の逆流が生じるのが抑えられる。
【0024】
よって、スプライン内歯と円筒部に相当するシェル嵌合部2cを有する内歯付きドラムDにおいて、外側フォーミングローラ10によるしごき量が多くても良好な内歯精度の確保を達成することができる。
[内歯型の加工容易性について]
実施の形態1の内歯付きドラムDをフローフォーミングにより成形するにあたっては、上記のスプライン内歯2bを成形できる内歯型7aを有するフローフォーミング金型7を用意しなければならない。
【0025】
これに対し、実施の形態1では、フローフォーミング金型7の内歯型7aを、図2に示すように、外周の断面形状が台形である回転円盤砥石8によりにより加工するようにしているため、例えば、内歯型を多大な工数と手間を要する複雑な作業により加工する場合に比べ、フローフォーミング金型7に対し精度の高い内歯型7aを短時間で手間を要さず容易に加工することができる。
[内歯付きドラムの製造メリットについて]
実施の形態1の内歯付きドラムDを製造するにあたっては、センタ穴12aを有する円板状のプリフォーム素材12を予め用意し、プリフォーム素材12のセンタ穴12aとボス部プレス型9の先端部9aを符合させて成形機にプリフォーム素材12を設定したまま、ボス部プレス型9を用いてボス部1を成形すると共に外側フォーミングローラ10によりドラム部2を成形するワンチャッキング方式により製造されるため、低廉な製造コストと、高い製品品質の確保と、高い製品精度の確保を達成する内歯付きドラムDを提供することができる。
【0026】
すなわち、予め熱間鍛造によるボス部が成形されているボス付きプリフォーム素材を用意し、ドラム部のみをフローフォーミング成形する従来方法による内歯付きドラムと比較すると、センタ穴12aを有する円板状のプリフォーム素材12を予め用意するだけで、プリフォーム素材の製造に多大な工数を要することがないし、また、ワンチャッキング方式により、ボス部1のプレス成形もフローフォーミング成形工程に組み込んだ一連の工程としているため、低廉な製造コストとすることができる。また、内歯付きドラムDは溶接レスの一体品であるため、電子ビーム溶接のようなブローホールやピンホール等が皆無となるし、また、溶接品質を確認する必要もなく、品質が絶対的に保証され、バラツキのない安定した高い製品品質が確保される。さらに、内歯付きドラムDはボス部1とドラム部2が一体であるし、ボス部1とドラム部2はワンチャッキング方式により軸心一致を保ったまま成形されるため、溶接に伴う歪みや軸心ズレがなく、歯の傾きが防止されるし、ボス部1とドラム部2の軸心一致が確保されるし、さらに、ドラム部2の内歯22aの加工精度はフローフォーミングにより機械加工並みに高い精度が保証される。
よって、自動変速機への適用時、第1クラッチプレート34のスムーズな軸方向移動が確保され、第1クラッチプレート34が片当たりによる偏摩耗等を生じることがない。
【0027】
加えて、ドラム部フローフォーミング工程に引き続き、ボス部1の内面に沿って内側フォーミングローラ11をフローフォーミング金型7に対し軸方向に相対移動させ、外面にピストン摺動面1aを有するボス部1を成形するボス部フローフォーミング工程を追加したため、後加工を要さず環状ピストンのスムーズな摺動が確保される高い面精度によるピストン摺動面1a,2aを形成することができる。
よって、ボス部1とドラム部2の両ピストン摺動面1a,2aは、2つの面の軸心が一致していると共に、フローフォーミングにより高い面精度が得られることで、クラッチ締結力を付与する環状の第1クラッチピストン33のスムーズな摺動が確保され、供給されるクラッチ油圧に応じた所望の締結力立ち上がり特性を得ることができる。
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、自動変速機のクラッチドラムへの適用例を示したが、ボス部とドラム部が一体に設けられるような部品であれば自動変速機のクラッチドラム以外にも本発明の製造方法を適用することができる。
【0028】
実施の形態1では、プレス成形によるボス部をさらにフローフォーミング成形する例を示したが、例えば、ボス部を軸部材に固定するだけというように、ボス部に高い面精度を要求されない内歯付きドラムであれば、ボス部をプレス成形したままで製品として用いることができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、成形機に設定されるフローフォーミング金型の外周に内歯型を形成し、プリフォーム素材をフォーミングローラによるしごきでフローフォーミング金型に流し込むように塑性変形させるフローフォーミング成形により製造され、ドラム内面には、ドラム開口端面の途中位置まで形成されたスプライン内歯と、内歯の歯底の径を内径としてドラム開口端面位置まで形成された円筒部を有する内歯付きドラムにおいて、スプライン内歯の円筒部側の歯端形状を、歯高がドラム開口端面に向かって円弧形状に低くなってゆくと共に、歯底幅がドラム開口端面に向かって円弧形状に狭くなってゆく形状としたため、スプライン内歯と円筒部を有する内歯付きドラムにおいて、ローラによるしごき量が多くても良好な内歯精度の確保を達成することができるという効果が得られる。
【0030】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の内歯付きドラムにおいて、フローフォーミング金型を、外周の断面形状が台形である回転円盤砥石により内歯型が加工された1部品金型とし、スプライン内歯の円筒部側の歯形状を、回転円盤砥石の外径円弧形状に合致する円弧形状としたため、請求項1記載の発明の効果に加え、フローフォーミング金型に対し精度の高い内歯型を短時間で手間を要さず容易に加工することができる。
【0031】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1または請求項2記載の内歯付きドラムにおいて、フローフォーミング成形機を、ボス部プレス型とフローフォーミング金型とが同軸上に対向配置された成形機とし、センタ穴を有する円板状のプリフォーム素材を予め用意し、プリフォーム素材のセンタ穴とボス部プレス型の先端部を符合させて成形機にプリフォーム素材を設定したまま、ボス部プレス型を用いてボス部を成形すると共にフォーミングローラによりドラム部を成形するワンチャッキング方式(プリフォーム素材のセンタ穴とボス部プレス型の先端部を符合させた方式)により製造されるため、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加え、低廉な製造コストと、高い製品品質の確保と、高い製品精度の確保を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(イ) は実施の形態1の歯付きドラムを示す断面図、図1(ロ) は実施の形態1の歯付きドラムのスプライン内歯のシェル嵌合部側の歯端形状を示す図1(イ)
【図2】実施の形態1の歯付きドラムの製造に使用されるフローフォーミング金型を示す断面図である。
【図3】実施の形態1の歯付きドラムの製造に使用されるフローフォーミング金型の内歯型を加工する回転円盤砥石を示す半断面図である。
【図4】実施の形態1の内歯付きドラムの製造方法を示す工程説明図である。
【図5】実施の形態1の製造方法により製造された内歯付きドラムが適用された自動変速機の動力伝達機構の一部を示す断面図である。
【図6】2部品金型によるフローフォーミング金型を用いた内歯付きドラムのフローフォーミング成形を示す図である。
【符号の説明】
D 内歯付きドラム
1 ボス部
1a ピストン摺動面
2 ドラム部
2a ピストン摺動面
2b スプライン内歯
2c シェル嵌合部(円筒部)
7 フローフォーミング金型
7a 内歯型
8 回転円盤砥石
9 ボス部プレス型
9a 先端部
10 外側フォーミングローラ
11 内側フォーミングローラ
12 プリフォーム素材
12a センタ穴
Claims (3)
- 成形機に設定されるフローフォーミング金型の外周に内歯型を形成し、プリフォーム素材をフォーミングローラによるしごきでフローフォーミング金型に流し込むように塑性変形させるフローフォーミング成形により製造され、ドラム内面には、ドラム開口端面の途中位置まで形成されたスプライン内歯と、内歯の歯底の径を内径としてドラム開口端面位置まで形成された円筒部を有する内歯付きドラムにおいて、
前記スプライン内歯の円筒部側の歯端形状を、歯高がドラム開口端面に向かって円弧形状に低くなってゆくと共に、歯底幅がドラム開口端面に向かって円弧形状に狭くなってゆく形状としたことを特徴とする内歯付きドラム。 - 請求項1記載の内歯付きドラムにおいて、
フローフォーミング金型を、外周の断面形状が台形である回転円盤砥石により内歯型が加工された1部品金型とし、
スプライン内歯の円筒部側の歯形状を、回転円盤砥石の外径円弧形状に合致する円弧形状としたことを特徴とする内歯付きドラム。 - 請求項1または請求項2記載の内歯付きドラムにおいて、
前記フローフォーミング成形機を、ボス部プレス型とフローフォーミング金型とが同軸上に対向配置された成形機とし、
センタ穴を有する円板状のプリフォーム素材を予め用意し、プリフォーム素材のセンタ穴とボス部プレス型の先端部を符合させて成形機にプリフォーム素材を設定したまま、ボス部プレス型を用いてボス部を成形すると共にフォーミングローラによりドラム部を成形する前記プリフォーム素材のセンタ穴とボス部プレス型の先端部を符合させたワンチャッキング方式により製造されることを特徴とする内歯付きドラム。
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