JP3623640B2 - トルクコンバータのステータ翼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータにおいてインペラとインペラに対向するタービンとの間に配置されるステータのステータ翼に関する。
【0002】
【従来の技術】
トルクコンバータは、インペラ、タービン及びステータを内部に有し、充填される作動油により動力を伝達する装置である。作動油は、トルクコンバータの外周部でインペラからタービンへと流れ、トルクコンバータの内周部でステータを介してタービンからインペラへと流れる。
【0003】
ステータは、インペラとタービンとの間に配置される部材で、ワンウェイクラッチを介してステータシャフトに固定されている。ステータシャフトはトランスミッションハウジングに固定されている。このステータは、樹脂やアルミ合金等で鋳造により製作され、主に、環状のシェルと、環状のコアと、シェルとコアとの間に形成されるステータ翼とから構成される。ステータ翼は、円周方向に複数設けられるもので、内周側のシェルから外周側のコアへと延びており、タービンからインペラへと戻される作動油の方向の調整等の役割を担っている。
【0004】
このトルクコンバータを備えた車両のアイドリング時の挙動を考えると、タービンの回転が規制された状態でエンジン側のクランク軸に連結されているインペラが回り続ける。したがって、アイドリング時にもエンジンには負荷がかかっており、燃料が消費されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
燃費を向上させるためには、アイドリング時、すなわちインペラの回転数(Ni)に対するタービンの回転数(No)の比(以下、速度比(e)という。)が0の時における容量係数(Cf)を低下させればよい。容量係数(Cf)は、インペラのトルク(Ti)をインペラの回転数(Ni)の2乗値で除したものである。この容量係数(Cf)が低ければ、アイドリング時において、小さなエネルギーによってインペラを回転させることができるため、車両のアイドリング時の燃費が向上する。
【0006】
本発明の課題は、速度比(e)が0の時の容量係数(Cf)が低下するような形状のステータ翼を提供し、アイドリング時の燃費を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のステータ翼は、トルクコンバータのステータのステータ翼であって、翼頭端と、翼尾端と、背面と、腹面とを備えている。ステータは、トルクコンバータにおいて、インペラとインペラに対向するタービンとの間に配置されるものである。翼頭端は、ステータ翼の周面のうちのタービン側の端部である。翼尾端は、ステータ翼の周面のうちのインペラ側の端部である。背面は、翼頭端と翼尾端とを結ぶステータ翼の周面のうちのインペラ側に向いている面であり、流線形状である。腹面は、翼頭端と翼尾端とを結ぶステータ翼の周面のうちのタービン側に向いている面であり、流線形状部と翼頭端側において正圧側にのみ形成される平面部とから構成される。
【0008】
速度比(e)が0のときには、トルクコンバータの作動油の流れの方向は翼頭端と翼尾端とを結ぶ平面に対して大きな角度を持っており、タービン側からインペラ側へと流れるときにステータ翼に衝突する。従来のように翼頭端側がタービン側に膨らんでいる流線形状の腹面を有するステータ翼であれば、ステータ翼に衝突した後の作動油は腹面の流線形状に沿ってインペラ側へと流れていく。これに対し、本請求項に記載のステータ翼の腹面には翼頭端側において正圧側にのみ平面部が形成されているため、従来に較べて腹面に衝突したときの作動油の衝突損失が大きくなる。このため、作動油の循環流速が低下して流量が減り、速度比(e)が0のときにおける容量係数(Cf)が小さくなる。これにより、本請求項に記載のステータ翼を有するトルクコンバータを備えた車両のアイドリング時の燃費が向上する。
【0009】
また、トルクコンバータの効率を向上させるため、従来のステータ翼は、中高速度比域における作動油の流れに対する損失が少なくなるよう、一般に流線形をしている。しかし、低速度比域での容量係数(Cf)を低下させ得る形状が高速度比域での流れを乱すようなことになると、損失が大きくなりトルクコンバータの効率は低下する。本請求項に記載のステータ翼の場合、タービン側の腹面の正圧側にのみ平面部を形成しているため、中高速度比域における作動油の流れの乱れを最小限に抑えることができ、容量係数(Cf)は従来と同等あるいはそれ以上となり、効率を維持することができる。
【0010】
請求項2に記載のステータ翼は、トルクコンバータのステータのステータ翼であって、翼頭端と、翼尾端と、背面と、腹面とを備えている。ステータは、トルクコンバータにおいて、インペラとインペラに対向するタービンとの間に配置されるものである。翼頭端は、ステータ翼の周面のうちのタービン側の端部である。翼尾端は、ステータ翼の周面のうちのインペラ側の端部である。背面は、翼頭端と翼尾端とを結ぶステータ翼の周面のうちの負圧側に向いている面であり、流線形状である。腹面は、翼頭端と翼尾端とを結ぶステータ翼の周面のうちの正圧側に向いている面であり、流線形状部と翼頭端側に形成される平面部とから構成される。
【0011】
速度比(e)が0のときには、トルクコンバータの作動油の流れの方向は翼頭端と翼尾端とを結ぶ平面に対して大きな角度を持っており、タービン側からインペラ側へと流れるときにステータ翼に衝突する。従来のように翼頭端側が正圧側に膨らんでいる流線形状の腹面を有するステータ翼であれば、ステータ翼に衝突した後の作動油は腹面の流線形状に沿って負圧側へと流れていく。これに対し、本請求項に記載のステータ翼の腹面には翼頭端側に平面部が形成されているため、従来に較べて腹面に衝突したときの作動油の衝突損失が大きくなる。このため、作動油の循環流速が低下して流量が減り、速度比(e)が0のときにおける容量係数(Cf)が小さくなる。これにより、本請求項に記載のステータ翼を有するトルクコンバータを備えた車両のアイドリング時の燃費が向上する。
【0012】
また、トルクコンバータの効率を向上させるため、従来のステータ翼は、中高速度比域における作動油の流れに対する損失が少なくなるよう、一般に流線形をしている。しかし、低速度比域での容量係数(Cf)を低下させ得る形状が高速度比域での流れを乱すようなことになると、損失が大きくなりトルクコンバータの効率は低下する。
【0013】
例えば、翼頭端を挟んで正圧側及び負圧側の両側にまたがるような平面部を設けた場合、中高速度比域における作動油の流れの方向と翼頭の平面部とが大きな角度をなすこととなり、中高速度比域における作動油の乱れが大きくなってトルクコンバータの効率が落ちる。
これに対し、本請求項に記載のステータ翼の場合、正圧側の腹面にのみ平面部を形成しているため、中高速度比域における作動油の流れの乱れを最小限に抑えることができ、容量係数(Cf)は従来と同等あるいはそれ以上となり、効率を維持することができる。
【0014】
請求項3に記載のステータ翼は、請求項1又は2に記載のステータ翼において、トルクコンバータの回転軸とステータ翼の腹面の平面部とがなす角度が25°以上70°以下である。
トルクコンバータの回転軸とステータ翼の腹面の平面部とがなす角度が25°以上70°以下であれば、従来に較べて速度比(e)が0のときにおける容量係数(Cf)を低下させることができ、かつ中高速度比域における作動油の流れの乱れを小さく抑えることができる。よりトルクコンバータの性能を向上させるためには、トルクコンバータの回転軸とステータ翼の腹面の平面部とがなす角度を32°以上61°以下に設定することが望ましい。
【0015】
請求項4に記載のステータ翼は、請求項1から3のいずれかに記載のステータ翼において、翼弦長(L)と平面部の幅(W)とが、
0.04≦(W/L)≦0.4
の関係にある。
翼弦長(L)は、翼頭端と翼尾端との距離であり、平面部の幅(W)は、トルクコンバータの回転軸からの放射方向に直交する方向に沿った平面部の幅である。
【0016】
平面部の幅(W)が小さすぎれば、速度比(e)が0のときにおける容量係数(Cf)があまり低下しない。また、平面部の幅(W)が大きすぎれば、作動油の流れの乱れが中速度比域までの及び中速度比域の容量係数(Cf)が低下し、エンジン回転数が高くなるなどの不具合につながる。これらのことを考慮して、ここでは平面部の幅(W)を上記の所定範囲に限定している。これにより、速度比(e)が0のときにおける容量係数(Cf)の低下と中速度比域における容量係数(Cf)の確保とが両立する。
【0017】
請求項5に記載のトルクコンバータは、フロントカバーと、インペラと、タービンと、ステータとを備えている。フロントカバーはエンジン側の部材に連結される。インペラは、フロントカバーに固定され、フロントカバーとともに作動油室を形成する。タービンは、作動油室内でインペラに対向して配置され、トランスミッション側の部材に連結される。ステータは、請求項1から4のいずれかに記載のステータ翼を有しており、インペラの内周部とタービンの内周部との間に配置される。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の一実施形態であるステータ6を備えたトルクコンバータ1を示す。ここでは、軸O−Oがトルクコンバータ1の回転軸線であり、図の左側にエンジン(図示せず)が配置され、図の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。
【0019】
このトルクコンバータ1は、主として、エンジン側のクランクシャフトからトランスミッションのメインドライブシャフトにトルクを伝達するための装置であり、外周部がクランクシャフトに連結されるフロントカバー3と、3種の羽根車(インペラ4,タービン5,ステータ6)からなるトルクコンバータ本体とから構成されている。フロントカバー3とインペラ4とは外周部で溶接され、両者で作動油室を形成している。
【0020】
クランクシャフトからフロントカバー3に入力されたトルクは、インペラ4からタービン5に流れる作動油によって、タービン5に連結されるメインドライブシャフトに出力される。エンジン始動時、インペラ4によって循環させられた作動油はタービン5に跳ね返されインペラ4を押し戻す方向に流れる。これを抑えるためにステータ6が設けられている。このステータ6は、タービン5により跳ね返された作動油の流れをインペラ4と同じ回転方向に変換して、トルクコンバータ1のトルク伝達の効率を向上させている。
【0021】
ステータ6は、図1及び図2に示すように、環状のシェル11と、環状のコア12と、複数のステータ翼13とを備えており、一般にアルミ合金や樹脂を原料として鋳造によって一体的に製作される。
シェル11は、ステータ支持構造を介して、トランスミッションのハウジングに固定されたステータシャフト(図示せず)に固定されている。シェル11の内周部にはスラスト受け部11aが形成されている。ステータ支持構造に関しては後述する。
【0022】
コア12は、シェル11の外周側に配置されている。
ステータ翼13は、シェル11とコア12との間に形成されるもので、円周方向に複数枚設けられている。このステータ翼13は、シェル11の外周面とコア12の内周面とを連結するもので、その周面が翼頭端14、翼尾端15、背面16、及び腹面17とから構成されている(図3参照)。なお、図3において点線で示された形状は、従来のステータ翼の形状を表している。
【0023】
翼頭端14はステータ翼13の周面のうちタービン5側(図3の左側)の端部であり、翼尾端15はステータ翼13の周面のうちインペラ4側(図3の右側)の端部である。
背面16は、翼頭端14と翼尾端15とを結ぶステータ翼13の周面のうちインペラ4側に向いている面であり、流線形状である。なお、トルクコンバータが正回転したときには、ステータ翼13の回転方向上流側の空間の圧力が高くステータ翼13の回転方向下流側の空間の圧力が低い状態となる。このため、一般に、ステータ翼13から見て回転方向上流側を正圧側と呼び、ステータ翼13から見て回転方向下流側を負圧側と呼ぶ。すなわち、このトルクコンバータ1では、ステータ翼13のインペラ4側がステータ翼13の負圧側であり、ステータ翼13のタービン5側がステータ翼13の正圧側である。
【0024】
腹面17は、翼頭端14と翼尾端15とを結ぶステータ翼13の周面のうちタービン5側に向いている面であり、流線形状部17aと翼頭端14側に形成される平面部17bとから構成される。
図4に示すように、各横断面における翼頭端14と翼尾端15との距離が翼弦長(L)であり、軸O−Oからの放射線に対して直交する方向に沿った平面部17bの幅が幅(W)である。これらの間には、
0.062≦(W/L)≦0.324
という関係が成立している。
【0025】
また、図4に示すように、平面部17bに平行な面と軸O−Oとがなす角度が角度(α)であり、角度(α)は、
32°≦(α)≦61°
の範囲に設定される。
次に、上記のようなステータ翼13を備えたトルクコンバータ1の性能曲線図を説明する。
【0026】
トルクコンバータ1の性能曲線を図6において実線で示す。なお、図6において点線で示される性能曲線は、従来のステータ翼(図3において点線で示すもの)を備えたトルクコンバータの性能曲線である。横軸は速度比(e)である。縦軸は、それぞれ、容量係数(Cf)、トルク比(t)、効率(η)である。なお、速度比(e)は(タービン5の回転数/インペラ4の回転数)、容量係数(Cf)は(インペラ4のトルク/インペラ4の回転数の2乗)、トルク比(t)は(タービン5のトルク/インペラ4のトルク)、効率(η)は(トルク比(t)×速度比(e)×100)で定義される。
【0027】
まず、速度比(e)が0のときには、従来の容量係数(Cf2)に較べてトルクコンバータ1の容量係数(Cf1)が小さくなる。これは、主として、速度比(e)が0のときには、トルクコンバータ1の作動油の流れの方向が図3に示す矢印Aの向きであることに起因する。この矢印Aの方向が翼頭端14と翼尾端15とを結ぶ平面に対して大きな角度を持っているため、作動油はタービン5側からインペラ4側へと流れるときにステータ翼13に衝突する。従来であれば、翼頭端14側がタービン5側に膨らんでいる図3の点線で示す流線形状の腹面に衝突した後の作動油は、腹面の流線形状に沿ってインペラ4側へと流れる(図3の矢印A1,A2参照)。これに対し、トルクコンバータ1では、ステータ翼13の腹面17には翼頭端14側に平面部17bが形成されているため、作動油がステータ翼13に衝突したときの作動油の衝突損失が大きくなる。また、トルクコンバータ1では、従来に較べて、矢印A2の方向、すなわちタービン5側に流れる流量が増加する。これらのため、作動油の循環流速が従来に較べて低下して流量が減り、速度比(e)が0のときにおける容量係数(Cf1)が小さくなっている。
【0028】
このように、トルクコンバータ1の容量係数(Cf1)が小さくなるため、トルクコンバータ1を備える車両のアイドリング時の燃費が向上する。
一方、トルクコンバータ1では、速度比(e)が小さいときには従来よりも容量係数(Cf1)が小さくなっているにも係わらず、中高速度比域での容量係数(Cf1)は大きくなっている(図6の(e≧0.4)の範囲を参照)。このように中高速度比域での容量係数(Cf1)が大きくなった要因の1つとして、中高速度比域では、トルクコンバータ1の作動油の流れの方向が図3に示す矢印Bの向きであることが挙げられる。中高速度比域では矢印Bの方向が平面部17bに対して平行に近くなることから、従来に較べて作動油がタービン5側(図3の左側)からインペラ4側(図3の右側)へと流れ易くなる。
【0029】
このような中高速度比域での容量係数(Cf1)の増加は、中高速度比域で車両が走行しているときのエンジン回転数が低くなることを意味し、燃費の向上及び車両の静粛性の向上につながる。
なお、図6に示すように、トルクコンバータ1では、最高効率についても従来のものと同等以上の効率を確保している。
【0030】
次に、参考として、図5において2点鎖線で示すような形状のステータ翼81を備えたトルクコンバータの性能曲線図を説明する。
ステータ翼81を備えたトルクコンバータの性能曲線を図7の実線に示す。なお、図7において点線で示される性能曲線は、従来のステータ翼80(図5において点線で示すもの)を備えたトルクコンバータの性能曲線である。ステータ翼81の形状は、従来のステータ翼80の翼頭部分をカットして平面部81aとした形状である。
【0031】
まず、速度比(e)が0のときには、従来の容量係数(Cf2)に較べてステータ翼81を備えたトルクコンバータの容量係数(Cf3)は小さくなる。これは、主として、速度比(e)が0のときには、作動油の流れの方向が図5に示す矢印Aの向きであり、矢印Aの方向と平面部81aとがある程度の大きさの角度をなしていることに起因する。すなわち、平面部81aの存在により、作動油の流れが乱れて容量係数(Cf3)が低下する。
【0032】
一方、中高速度比域におけるステータ翼81を備えたトルクコンバータの容量係数(Cf3)も小さくなっている(図7参照)。このように中高速度比域での容量係数(Cf3)が小さくなった要因の1つとして、中高速度比域では、作動油の流れの方向が図5に示す矢印Bの向きであることが挙げられる。矢印Bの方向と平面部81aとがある程度の大きさの角度をなしていることにより、作動油の流れに乱れが生じ容量係数(Cf3)が低下すると考えられる。このような中高速度比域での容量係数(Cf3)の低下は、中高速度比域で車両が走行しているときのエンジン回転数が高くなることを意味し、燃費の悪化及び車両の静粛性の悪化につながる。
【0033】
なお、図7に示すように、ステータ翼81を有するトルクコンバータでは、トルク比(t3)が従来よりも全体的に低下しており、最高効率も従来のものよりも小さくなっている。
最後に、トルクコンバータ1のステータ支持構造について説明する。
ステータ支持構造は、ワンウェイクラッチ機構21と、環状のリティーナ22とから構成されている。ワンウェイクラッチ機構21は、ステータ6を一方向にのみ回転させるための機構であり、アウターレース23と、インナーレース25と、両レース間に配置されたクラッチ部材24とから構成されている。アウターレース23は、シェル11の内周部に固定されている。また、アウターレース23及びインナーレース25のエンジン側の側部は、リティーナ22に当接し、リティーナ22はスラストころ軸受26を介してタービンハブ8に支持されている。タービンハブ8はタービン5の内周部に固定されている部材である。一方、アウターレース23及びインナーレース25のトランスミッション側の側部は、シェル11のスラスト受け部11aに当接し、スラスト受け部11aはスラストころ軸受27を介してインペラハブ4aに支持されている。インペラハブ4aは、インペラ4の内周部に固定されている部材である。このように、ステータ6のシェル11及びステータ支持構造は、インペラハブ4aとタービンハブ8との間でスラストころ軸受26,27によって軸O−O方向の移動が規制される。インナーレース25の内周部には、ステータシャフト(図示せず)に係合するスプライン孔25aが形成されている。
【0034】
【発明の効果】
本発明では、ステータ翼の腹面の翼頭端側に平面部が形成されているため、アイドリング時における作動油の衝突損失が大きくなり、作動油の循環流速が低下して流量が減って、速度比(e)が0のときにおける容量係数(Cf)が小さくなる。これにより、車両のアイドリング時の燃費が向上する。一方、タービン側の腹面に平面部を形成することにより中高速度比域における作動油の流れの乱れを抑える構造としているため、トルクコンバータの効率が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるステータ翼が採用されたトルクコンバータの概略断面図。
【図2】ステータ翼の平面図。
【図3】ステータ翼に対する作動油のベクトル図。
【図4】ステータ翼断面の寸法図。
【図5】比較参考形状のステータ翼に対する作動油のベクトル図。
【図6】本発明のステータ翼を採用したトルクコンバータの性能曲線図。
【図7】比較参考形状のステータ翼を採用したトルクコンバータの性能曲線図。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ
3 フロントカバー
4 インペラ
5 タービン
6 ステータ
11 シェル
12 コア
13 ステータ翼
14 翼頭端
15 翼尾端
16 背面
17 腹面
17a 流線形状部
17b 平面部
L 翼弦長
W 平面部の幅
Claims (5)
- トルクコンバータにおいてインペラと前記インペラに対向するタービンとの間に配置されるステータのステータ翼であって、
前記タービン側の翼頭端と、
前記インペラ側の翼尾端と、
前記翼頭端と前記翼尾端とを結び、前記インペラ側に向いている、流線形状の背面と、
前記翼頭端と前記翼尾端とを結び、前記タービン側に向いており、流線形状部及び前記翼頭端側において正圧側にのみ形成される平面部を有する腹面と、
を備えたステータ翼。 - トルクコンバータにおいてインペラと前記インペラに対向するタービンとの間に配置されるステータのステータ翼であって、
前記タービン側の翼頭端と、
前記インペラ側の翼尾端と、
前記翼頭端と前記翼尾端とを結ぶ面のうち負圧側にある、流線形状の背面と、
前記翼頭端と前記翼尾端とを結ぶ面のうち正圧側にあり、流線形状部及び前記翼頭端側において正圧側にのみ形成される平面部を有する腹面と、
を備えたステータ翼。 - 前記トルクコンバータの回転軸と前記腹面の平面部とがなす角度が25°以上70°以下である、請求項1又は2に記載のステータ翼。
- 前記翼頭端と前記翼尾端との距離である翼弦長(L)と前記トルクコンバータの回転軸からの放射方向に直交する方向に沿った前記平面部の幅(W)との関係が、
0.04≦(W/L)≦0.4
である、
請求項1から3のいずれかに記載のステータ翼。 - エンジン側の部材に連結されるフロントカバーと、
前記フロントカバーに固定され、前記フロントカバーとともに作動油室を形成するインペラと、
前記作動油室内で前記インペラに対向して配置され、トランスミッション側の部材に連結されるタービンと、
請求項1から4のいずれかに記載のステータ翼を有しており、前記インペラの内周部と前記タービンの内周部との間に配置されるステータと、
を備えたトルクコンバータ。
Priority Applications (4)
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