JP3623594B2 - 超軟弱土用ベルトコンベヤ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超軟弱土用ベルトコンベヤに関し、より詳しくは、搬送中のへ泥等の超軟弱土に固化剤を混入すると共に、混入した固化剤と超軟弱土とを均一に混合し、搬送中に超軟弱土の土質の改善を行うことを可能ならしめるようにした超軟弱土用ベルトコンベヤの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、軟弱土は、一般に固化剤と混合されて土質が改良された後に埋立用として活用されている。軟弱土の土質の改良工法としては、例えば事前混合処理工法(従来例1)やプレミックス工法(従来例2)等が知られているので、以下これらの工法の概要を説明すると、先ず従来例1に係る事前混合処理工法は、ホッパーからフィーダベルトコンベヤ上に軟弱土を切り出し、このフィーダベルトコンベヤの搬送方向の中間位置に固化剤であるセメントを供給し、このフィーダベルトコンベヤから丸鋼が配列されてなるシュートを備えてなるトリッパベルトコンベヤへの移送点、およびトリッパベルトコンベヤのシュートを通過させることにより軟弱土とセメントとを均一に混合して土質を改良し、土質が改良された土質改良土を埋立土として提供する工法である。なお、この事前混合処理工法により土質を改良し得る軟弱土は砂、土砂、粘土等である。
【0003】
次に、従来例2に係るプレミックス工法は、ホッパーに超軟弱土を受入れ、混練機に供給する直前に受け入れた超軟弱土に固化剤であるセメントミルクを注入して混練機で攪拌混合し、得られた超軟弱土とセメントミルクとの混合物を配管を介して圧送ポンプにより埋立地に圧送する工法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例1または2に係る工法はそれなりに有用であるが、それぞれ下記に説明するような解決すべき課題がある。
【0005】
先ず、従来例1に係る事前混合処理工法は、上記のとおり、砂、土砂、粘土等の軟弱土の土質の改良に適用することができる。しかしながら、へ泥等の浚渫された超軟弱土に対して適用できない。この事前混合処理工法を、超軟弱土に対して適用することができないのは、フィーダベルトコンベヤからトリッパベルトコンベヤへの移送点、およびトリッパベルトコンベヤのシュートにおいて超軟弱土が目詰まりするだけでなく、超軟弱土とセメントとを均一に混合することが困難であるからである。
【0006】
次に、従来例2に係るプレミックス工法は、圧送ポンプで圧送する工法であるため超軟弱土の土質の改良に適している。しかしながら、混練機が高価であるだけでなく、圧送配管に混合物の一部が付着して次第に成長し、圧送動力の増大や圧送困難を来すこと、あるいは圧送配管内で浚渫土中に含まれている異物(石、鋼材等)が詰まり、圧送できなくなる場合があるので、異物の事前除去作業が必要である。つまり、イニシャルコストや事前処理コストが嵩むのに加えて、圧送配管の内部清掃のために設備の稼働を停止しなければならないので土質改良能率の向上が困難であるという解決すべき課題がある。
【0007】
従って、本発明は、へ泥等の超軟弱土と固化剤とをより均一に混合することができ、低コストで超軟弱土の土質の改良ができ、しかも土質改良能率の優れた軟弱土用ベルトコンベヤの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、水平な中央キャリヤローラと、この中央キャリヤローラの両側のそれぞれに配設され、この中央キャリヤローラ側よりも相反する側が高位置にある端部キャリヤローラとからなる複数のキャリヤローラが所定の間隔で配設され、これらキャリヤローラにより溝型に変形されて移送される搬送ベルトを備えてなる超軟弱土用ベルトコンベヤであって、前記超軟弱土用ベルトコンベヤに飛沫物の飛散を遮断する飛沫遮断カバーを設け、この飛沫遮断カバーの上部であってかつ長手方向に、前記搬送ベルトにより搬送されている超軟弱土の幅全体にわたって固化剤を噴射する複数のノズルを配設すると共に、搬送ベルト上の超軟弱土を強制的に流動させて、超軟弱土と前記固化剤とを混合する軟弱土・固化剤混合機構を設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、請求項1に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤにおいて、前記ノズルを、超軟弱土の搬送方向と直交する方向に揺動自在に支持したことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項3に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、請求項1または2に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤにおいて、前記軟弱土・固化剤混合機構が、前記搬送ベルトの幅方向の端部側が波打つように、相反する側が超軟弱土の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように構成した端部キャリヤローラを備えたキャリヤローラからなることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項4に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、請求項1または2に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤにおいて、前記軟弱土・固化剤混合機構が、超軟弱土の搬送方向に交互に設けられ、搬送中の超軟弱土の幅方向に複数の溝を付ける溝付け機構と、この溝付け機構で付けられた溝を埋める溝埋戻し機構とからなることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項5に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、請求項1または2に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤにおいて、前記軟弱土・固化剤混合機構が、前記搬送ベルトの幅方向の端部側が波打つように、相反する側が超軟弱土の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように構成した端部キャリヤローラを備えたキャリヤローラと、超軟弱土の搬送方向に交互に設けられ、搬送中の超軟弱土の幅方向に複数の溝を付ける溝付け機構およびこの溝付け機構により超軟弱土に付けられた溝を埋戻す溝埋戻し機構とからなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係る超軟弱土用ベルトコンベヤ(以下、ベルトコンベヤという。)を、その入口部分を示す模式的横断断面図の図1(a)と、図1(a)のA−A線断面図の図1(b)と、ノズルのノズル揺動作動機構の構成説明図の図1(c)と、その中間部分を示す模式的横断断面図の図2(a)と、端部キャリヤローラの構成説明図の図2(b)と、その出口部分を示す模式的横断断面図の図3(a)と、図3(a)のB−B線断面図の図3(b)と、図3(a)のC−C線断面図の図3(c)とを順次参照しながら説明する。
【0014】
先ず、図1(a),(b),(c)を参照しながら、ベルトコンベヤの入口部分の構成を説明すると、図に示す符号1はベルトコンベヤであって、このベルトコンベヤ1は、長手方向に所定の間隔で配列され、後述する構成になる複数のキャリヤローラ2と、これらキャリヤローラ2によって案内される搬送ベルト4とからなっている。そして、このベルトコンベヤ1の上側は、断面形状が蒲鉾の外周状に形成されてなる飛沫物の飛散を遮断する後述する飛沫遮断カバー5によって覆われている。
【0015】
前記キャリヤローラ2のそれぞれは、図1(b)に示すように、水平な中央キャリヤローラ2aと、この中央キャリヤローラ2aの両側のそれぞれに配設され、この中央キャリヤローラ2a側よりも相反する側が高位置にある端部キャリヤローラ2b,2b′とからなっており、前記搬送ベルト4はこれらキャリヤローラ2により溝型に変形されて、つまり幅方向の両側に所定のトラフ角度を持たせ搬送ベルト4を移送させるように構成されている。
【0016】
また、前記飛沫遮断カバー5には、搬送ベルト4の幅方向に所定の間隔を隔てた三つずつの固化剤を噴射するノズル6が前記飛沫遮断カバー5の長手方向に所定の間隔で配設されている。これらノズル6は、搬送ベルト4により搬送されている超軟弱土の幅全体にわたってセメントミルクあるいはセメント等の固化剤Sを噴射するもので、後述するノズル揺動作動機構7により超軟弱土の搬送方向と直交する方向に揺動作動されるように構成されている。
【0017】
前記ノズル揺動作動機構7は、図1(c)に示すように、三つのノズル6は飛沫防止カバー5に設けられたこの飛沫防止カバー5の長手方向と平行な揺動支持軸により揺動可能に支持されている。そして、これらノズル6の飛沫防止カバー5からの突出端が連結リンク7bにより互いに連結されると共に、同図におけるこの連結リンク7bの右側の突出端に、飛沫防止カバー5側にブラケットを介してボトム側が枢着されたノズル作動シリンダ7aのロッドの先端が枢着されてなる構成になっている。なお、これらノズル6のそれぞれに固化剤Sを供給する図示しない固化剤供給口は、前記揺動支持軸と連結リンク7bの連結部との間に設けられている。
【0018】
次に、軟弱土・固化剤混合機構の一部を構成するベルトコンベヤ1の中間部分の構成を、図2(a),(b)を参照しながら説明すると、このベルトコンベヤ1の中間部分には、その入口部分と同様に、搬送ベルト4の幅方向に所定の間隔を隔てた三つずつの揺動作動するノズル6が、この飛沫遮断カバー5の長手方向に所定の間隔で配設されると共に、複数の後述する構成になるキャリヤローラ2が配設されている。これらキャリヤローラ2のそれぞれは、水平な中央キャリヤローラ2aと、この中央キャリヤローラ2aの両側のそれぞれに配設され、この中央キャリヤローラ2a側よりも相反する側が、超軟弱土の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように、取付角度差を持たせて配設されてなる端部キャリヤローラ2b,2b′とからなっている。つまり、これら端部キャリヤローラ2b,2b′の取付角度差により搬送ベルト4が波打ちながら移動するように構成されている。従って、搬送ベルト4の波打ち運動による超軟弱土の流動によって超軟弱土と固化剤Sとが混合されることになる。
【0019】
なお、前記キャリヤローラ2のそれぞれを中央キャリヤローラ2aと、ローラ揺動機構により中央キャリヤローラ2a側を支点として相反する端部側が上下動する構成、つまり中央キャリヤローラ2a側を支点として揺動作動する端部キャリヤローラ2b,2b′とからなる構成にすることもできる。この場合には、例えば端部キャリヤローラ2b,2b′を支持する軸の相反する側をカム機構により昇降する昇降ロッドにより交互に昇降させる構成にすれば良い。
【0020】
さらに、ベルトコンベヤ1の出口部分の構成を、図3(a),(b),(c)を参照しながら説明すると、このベルトコンベヤ1の出口部分は、長手方向に所定の間隔で配列され、後述する構成になる複数のキャリヤローラ2と、これらキャリヤローラ2によって案内される搬送ベルト4とからなっている。そして、このベルトコンベヤ1の上側は、断面形状が蒲鉾の外周状に形成されてなる飛沫物の飛散を遮断する後述する飛沫遮断カバー5によって覆われている。
【0021】
前記キャリヤローラ2のそれぞれは、水平な中央キャリヤローラ2aと、この中央キャリヤローラ2aの両側のそれぞれに配設され、この中央キャリヤローラ2a側よりも相反する側が高位置にある端部キャリヤローラ2b,2b′とからなっており、搬送ベルト4はこれらキャリヤローラ2により溝型に変形されて移送されるようになっている。また、前記飛沫遮断カバー5には、搬送ベルト4の幅方向に所定の間隔を隔てた三つずつのノズル6が前記飛沫遮断カバー5の長手方向に所定の間隔で配設されている。このノズル6は、前記ノズル揺動作動機構7により揺動されて、搬送ベルト4により搬送されている超軟弱土の幅全体にわたって固化剤Sを噴射するように構成されている。
【0022】
そして、飛沫遮断カバー5に設けられているノズル6とノズル6との間には、図3(a)に示すように、超軟弱土をさらに混合するための軟弱土・固化剤混合機構の残りの一部が配設されている。この軟弱土・固化剤混合機構の残りの一部は、ノズル6とノズル6との間に交互に配設され、搬送中の超軟弱土の表面に複数状の溝を付ける後述する構成になる溝付け機構8と、この溝付け機構8により超軟弱土に付けられた溝を埋戻す後述する構成になる溝埋戻し機構9とから構成されている。
【0023】
前記溝付け機構8は、図3(a),(b),(c)に示すように、水平配設され、飛沫遮断カバー5の外部に設けた駆動モータ8c,8c′によって回転されるクランク軸8aと、このクランク軸8aの長手方向に所定の間隔で外嵌されてなる複数の溝付け用円盤8bとから構成され、また前記溝埋戻し機構9は水平配設され、飛沫遮断カバー5の外部に設けた駆動モータ9c,9c′によって回転されるクランク軸9aと、このクランク軸9aの長手方向に所定の間隔で外嵌されてなる複数の溝埋戻し用円盤9bとから構成されている。なお、溝付け用円盤8bと溝埋戻し用円盤9bとは、必ずしも円盤状である必要がなく、例えば楕円状、ロッド状であっても良い。
【0024】
以上の説明から良く理解されるように、これら溝付け機構8と、溝埋戻し機構9とはほぼ同構成であって、円盤の配設数と配設位置とが相違するだけである。
より詳しくは、溝埋戻し機構9の溝埋戻し用円盤9bは溝付け機構8の溝付け用円盤8bの中央に対応する位置に外嵌されており、溝付け機構8の溝付け用円盤8bで付けられた溝と溝との間に溝を付けることによって溝付け機構8の溝付け用円盤8bで付けられた溝を埋戻すものである。
【0025】
従って、このベルトコンベヤ1の出口部分において、搬送ベルト4の波打ち運動により固化剤Sが混合された超軟弱土にさらに固化剤Sが噴射されるので、超軟弱土はより多くの固化剤Sと混合され、超軟弱土の土質がさらに改良される。
勿論、溝埋戻し機構9によりヘ泥10に付けられた溝は、溝付け機構8により埋戻される。ところで、この場合には、駆動モータはクランク軸の両側に設けられているが、何れか一方に設けられていれば良いものである。なお、このベルトコンベヤ1の出口部分に、搬送ベルト4の裏面に飛散付着している超軟弱土と固化剤Sとの混合物を除去するクリーナを設ける一方、飛沫遮断カバー5の内壁に飛散付着している超軟弱土と固化剤Sとの混合物を除去する水ジェット装置を設けることが好ましい。
【0026】
以下、上記ベルトコンベヤ1の作用態様を、超軟弱土が浚渫船で浚渫されたへ泥である場合を例として説明すると、浚渫船で浚渫されたへ泥が図示しないホッパに投入され、投入されたこのへ泥はホッパからベルトコンベヤ1の入口部分に定量ずつ供給される。へ泥10はベルトコンベヤ1の搬送ベルト4により搬送されるが、搬送中のへ泥の表面には、ノズル6からセメントミルクあるいはセメント等の固化剤Sが噴射され続ける。表面の全体に固化剤が噴射されたへ泥10がベルトコンベヤ1の中間部分に搬送されてくると、端部側がへ泥10の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように配設されている各キャリヤローラ2の端部キャリヤローラ2b,2b′により搬送ベルト4が波打ちながら移動するので、ベルトコンベヤ1の中間部分における搬送中を通じてへ泥10が強制的に流動され、へ泥10に固化剤Sが混合されてへ泥10の土質の改良が図られる。
【0027】
そして、ベルトコンベヤ1の中間部分から固化剤Sが混合されたへ泥10が出口部分に搬送されてくると、今度はこの中間部分において、溝付け機構8の溝付け用円盤8bによる溝と、溝埋戻し機構9の溝埋戻し用円盤9bによる溝の埋戻し、溝埋戻し機構9の溝埋戻し用円盤9bによる溝の埋戻しにより生じる溝の溝付け機構8の溝付け用円盤8bによる埋戻しと新たな溝付けとの繰返しによって、へ泥10にさらに多くの固化剤Sが混合され、へ泥10の土質がより一層改良される。なお、ノズル6からの固化剤Sの噴射量はテスト結果によって決定されるものであって、例えば浚渫されたへ泥10の軟弱程度や改良土質の要求強度によって変更されるべきものである。
【0028】
このように、本発明の実施の形態に係るベルトコンベヤ1によれば、従来例1に係る事前混合処理工法のように、超軟弱土と固化剤との混合にトリッパベルトコンベヤを用いる構成ではない。従って、フィーダベルトコンベヤからトリッパベルトコンベヤへの移送点、およびトリッパベルトコンベヤのシュートにおいて超軟弱土であるへ泥10が目詰まりするようなことがなく、しかも搬送ベルト4の波打運動、溝付け機構8の溝付けおよび溝埋戻し機構9の溝埋戻しによってへ泥10と固化剤Sとが確実に混合されてへ泥10の土質が改良される。
【0029】
また、従来例2に係るプレミックス工法のように、へ泥10と固化剤Sとを混練機で混合するのではなく、また混練機で混合されたへ泥10と固化剤Sとの混合物を圧送ポンプで圧送する工法ではなく、ベルトコンベヤ1による搬送中のへ泥10に固化剤Sを混入すると共に混合するので、高価な混練機が不要であると共に、へ泥10中からの事前の石、鋼材等の異物除去処理も不要であるため、設備費のコスト低減とへ泥処理コストの低減に寄与することができ、また圧送配管の内部清掃も不要なので土質改良能率も向上し、埋め立て工事が安定的に行えるだけでなく、へ泥と固化剤との混合性能が優れているので、埋立後の地盤改良工事も不要になるという極めて優れた効果がある。
【0030】
なお、以上では、ベルトコンベヤ1の軟弱土・固化剤混合機構が、交互に取付角度差を持たせて配設されてなる端部キャリヤローラ2b,2b′と溝付け機構8および溝埋戻し機構9とから構成されている場合を例として説明したが、この軟弱土・固化剤混合機構が、例えば交互に取付角度差を持たせて配設されてなる端部キャリヤローラ2b,2b′だけで構成され、また溝付け機構8および溝埋戻し機構9とからだけで構成されていたとしても、へ泥10と固化剤Sとを混合し、それなりにへ泥10の土質を改良することができる。例えば、改良土質の要求強度が1kgf/cm2 程度であれば、十分にその要求強度を満足することができることを確認した。また、ノズル揺動作動機構7によりノズル6を揺動させる例を説明したが、ノズル6の配設数を多くしたり固化剤Sの噴射角度の大きなノズルを用いたりする場合には固定構成にしても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1乃至5に係るベルトコンベヤによれば、従来例1に係る事前混合処理工法のようにトリッパベルトコンベヤを用いるまでもなくへ泥と固化剤とを混合することができるので、フィーダコンベヤからトリッパベルトコンベヤへの移送点、およびトリッパベルトコンベヤのシュートにおいて超軟弱土が目詰まりするようなことがなく、安定的に稼働させることが可能になる。また、従来例2に係るプレミックス工法のように、混合機を用いるまでもなく超軟弱土と固化剤とを混合し、しかも異物の事前除去処理を要する圧送ポンプを用いる必要がないので、設備費のコスト低減とへ泥処理コストの低減に対して大いに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、図1(a)はベルトコンベヤの入口部分を示す模式的横断断面図で、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図で、図1(c)はノズルのノズル揺動作動機構の構成説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係り、図2(a)はベルトコンベヤの中間部分を示す模式的横断断面図で、図2(b)は端部キャリヤローラの構成説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係り、図3(a)はベルトコンベヤの出口部分を示す模式的横断断面図で、図3(b)は図3(a)のB−B線断面図で、図3(c)は図3(a)のC−C線断面図である。
【符号の説明】
1…ベルトコンベヤ,2…キャリヤローラ,2a…中央キャリヤローラ,2b,2b′…端部キャリヤローラ,4…搬送ベルト,5…飛沫遮断カバー,6…ノズル,7…ノズル揺動作動機構,7a…ノズル作動シリンダ,7b…連結リンク,8…溝付け機構,8a…クランク軸,8b…溝付け用円盤,8c,8c′…駆動モータ,9…溝埋戻し機構,9a…クランク軸,9b…溝埋戻し用円盤,9c,9c′…駆動モータ,10…へ泥,S…固化剤。
【発明の属する技術分野】
本発明は、超軟弱土用ベルトコンベヤに関し、より詳しくは、搬送中のへ泥等の超軟弱土に固化剤を混入すると共に、混入した固化剤と超軟弱土とを均一に混合し、搬送中に超軟弱土の土質の改善を行うことを可能ならしめるようにした超軟弱土用ベルトコンベヤの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、軟弱土は、一般に固化剤と混合されて土質が改良された後に埋立用として活用されている。軟弱土の土質の改良工法としては、例えば事前混合処理工法(従来例1)やプレミックス工法(従来例2)等が知られているので、以下これらの工法の概要を説明すると、先ず従来例1に係る事前混合処理工法は、ホッパーからフィーダベルトコンベヤ上に軟弱土を切り出し、このフィーダベルトコンベヤの搬送方向の中間位置に固化剤であるセメントを供給し、このフィーダベルトコンベヤから丸鋼が配列されてなるシュートを備えてなるトリッパベルトコンベヤへの移送点、およびトリッパベルトコンベヤのシュートを通過させることにより軟弱土とセメントとを均一に混合して土質を改良し、土質が改良された土質改良土を埋立土として提供する工法である。なお、この事前混合処理工法により土質を改良し得る軟弱土は砂、土砂、粘土等である。
【0003】
次に、従来例2に係るプレミックス工法は、ホッパーに超軟弱土を受入れ、混練機に供給する直前に受け入れた超軟弱土に固化剤であるセメントミルクを注入して混練機で攪拌混合し、得られた超軟弱土とセメントミルクとの混合物を配管を介して圧送ポンプにより埋立地に圧送する工法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例1または2に係る工法はそれなりに有用であるが、それぞれ下記に説明するような解決すべき課題がある。
【0005】
先ず、従来例1に係る事前混合処理工法は、上記のとおり、砂、土砂、粘土等の軟弱土の土質の改良に適用することができる。しかしながら、へ泥等の浚渫された超軟弱土に対して適用できない。この事前混合処理工法を、超軟弱土に対して適用することができないのは、フィーダベルトコンベヤからトリッパベルトコンベヤへの移送点、およびトリッパベルトコンベヤのシュートにおいて超軟弱土が目詰まりするだけでなく、超軟弱土とセメントとを均一に混合することが困難であるからである。
【0006】
次に、従来例2に係るプレミックス工法は、圧送ポンプで圧送する工法であるため超軟弱土の土質の改良に適している。しかしながら、混練機が高価であるだけでなく、圧送配管に混合物の一部が付着して次第に成長し、圧送動力の増大や圧送困難を来すこと、あるいは圧送配管内で浚渫土中に含まれている異物(石、鋼材等)が詰まり、圧送できなくなる場合があるので、異物の事前除去作業が必要である。つまり、イニシャルコストや事前処理コストが嵩むのに加えて、圧送配管の内部清掃のために設備の稼働を停止しなければならないので土質改良能率の向上が困難であるという解決すべき課題がある。
【0007】
従って、本発明は、へ泥等の超軟弱土と固化剤とをより均一に混合することができ、低コストで超軟弱土の土質の改良ができ、しかも土質改良能率の優れた軟弱土用ベルトコンベヤの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、水平な中央キャリヤローラと、この中央キャリヤローラの両側のそれぞれに配設され、この中央キャリヤローラ側よりも相反する側が高位置にある端部キャリヤローラとからなる複数のキャリヤローラが所定の間隔で配設され、これらキャリヤローラにより溝型に変形されて移送される搬送ベルトを備えてなる超軟弱土用ベルトコンベヤであって、前記超軟弱土用ベルトコンベヤに飛沫物の飛散を遮断する飛沫遮断カバーを設け、この飛沫遮断カバーの上部であってかつ長手方向に、前記搬送ベルトにより搬送されている超軟弱土の幅全体にわたって固化剤を噴射する複数のノズルを配設すると共に、搬送ベルト上の超軟弱土を強制的に流動させて、超軟弱土と前記固化剤とを混合する軟弱土・固化剤混合機構を設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、請求項1に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤにおいて、前記ノズルを、超軟弱土の搬送方向と直交する方向に揺動自在に支持したことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項3に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、請求項1または2に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤにおいて、前記軟弱土・固化剤混合機構が、前記搬送ベルトの幅方向の端部側が波打つように、相反する側が超軟弱土の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように構成した端部キャリヤローラを備えたキャリヤローラからなることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項4に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、請求項1または2に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤにおいて、前記軟弱土・固化剤混合機構が、超軟弱土の搬送方向に交互に設けられ、搬送中の超軟弱土の幅方向に複数の溝を付ける溝付け機構と、この溝付け機構で付けられた溝を埋める溝埋戻し機構とからなることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項5に係る超軟弱土用ベルトコンベヤが採用した手段は、請求項1または2に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤにおいて、前記軟弱土・固化剤混合機構が、前記搬送ベルトの幅方向の端部側が波打つように、相反する側が超軟弱土の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように構成した端部キャリヤローラを備えたキャリヤローラと、超軟弱土の搬送方向に交互に設けられ、搬送中の超軟弱土の幅方向に複数の溝を付ける溝付け機構およびこの溝付け機構により超軟弱土に付けられた溝を埋戻す溝埋戻し機構とからなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係る超軟弱土用ベルトコンベヤ(以下、ベルトコンベヤという。)を、その入口部分を示す模式的横断断面図の図1(a)と、図1(a)のA−A線断面図の図1(b)と、ノズルのノズル揺動作動機構の構成説明図の図1(c)と、その中間部分を示す模式的横断断面図の図2(a)と、端部キャリヤローラの構成説明図の図2(b)と、その出口部分を示す模式的横断断面図の図3(a)と、図3(a)のB−B線断面図の図3(b)と、図3(a)のC−C線断面図の図3(c)とを順次参照しながら説明する。
【0014】
先ず、図1(a),(b),(c)を参照しながら、ベルトコンベヤの入口部分の構成を説明すると、図に示す符号1はベルトコンベヤであって、このベルトコンベヤ1は、長手方向に所定の間隔で配列され、後述する構成になる複数のキャリヤローラ2と、これらキャリヤローラ2によって案内される搬送ベルト4とからなっている。そして、このベルトコンベヤ1の上側は、断面形状が蒲鉾の外周状に形成されてなる飛沫物の飛散を遮断する後述する飛沫遮断カバー5によって覆われている。
【0015】
前記キャリヤローラ2のそれぞれは、図1(b)に示すように、水平な中央キャリヤローラ2aと、この中央キャリヤローラ2aの両側のそれぞれに配設され、この中央キャリヤローラ2a側よりも相反する側が高位置にある端部キャリヤローラ2b,2b′とからなっており、前記搬送ベルト4はこれらキャリヤローラ2により溝型に変形されて、つまり幅方向の両側に所定のトラフ角度を持たせ搬送ベルト4を移送させるように構成されている。
【0016】
また、前記飛沫遮断カバー5には、搬送ベルト4の幅方向に所定の間隔を隔てた三つずつの固化剤を噴射するノズル6が前記飛沫遮断カバー5の長手方向に所定の間隔で配設されている。これらノズル6は、搬送ベルト4により搬送されている超軟弱土の幅全体にわたってセメントミルクあるいはセメント等の固化剤Sを噴射するもので、後述するノズル揺動作動機構7により超軟弱土の搬送方向と直交する方向に揺動作動されるように構成されている。
【0017】
前記ノズル揺動作動機構7は、図1(c)に示すように、三つのノズル6は飛沫防止カバー5に設けられたこの飛沫防止カバー5の長手方向と平行な揺動支持軸により揺動可能に支持されている。そして、これらノズル6の飛沫防止カバー5からの突出端が連結リンク7bにより互いに連結されると共に、同図におけるこの連結リンク7bの右側の突出端に、飛沫防止カバー5側にブラケットを介してボトム側が枢着されたノズル作動シリンダ7aのロッドの先端が枢着されてなる構成になっている。なお、これらノズル6のそれぞれに固化剤Sを供給する図示しない固化剤供給口は、前記揺動支持軸と連結リンク7bの連結部との間に設けられている。
【0018】
次に、軟弱土・固化剤混合機構の一部を構成するベルトコンベヤ1の中間部分の構成を、図2(a),(b)を参照しながら説明すると、このベルトコンベヤ1の中間部分には、その入口部分と同様に、搬送ベルト4の幅方向に所定の間隔を隔てた三つずつの揺動作動するノズル6が、この飛沫遮断カバー5の長手方向に所定の間隔で配設されると共に、複数の後述する構成になるキャリヤローラ2が配設されている。これらキャリヤローラ2のそれぞれは、水平な中央キャリヤローラ2aと、この中央キャリヤローラ2aの両側のそれぞれに配設され、この中央キャリヤローラ2a側よりも相反する側が、超軟弱土の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように、取付角度差を持たせて配設されてなる端部キャリヤローラ2b,2b′とからなっている。つまり、これら端部キャリヤローラ2b,2b′の取付角度差により搬送ベルト4が波打ちながら移動するように構成されている。従って、搬送ベルト4の波打ち運動による超軟弱土の流動によって超軟弱土と固化剤Sとが混合されることになる。
【0019】
なお、前記キャリヤローラ2のそれぞれを中央キャリヤローラ2aと、ローラ揺動機構により中央キャリヤローラ2a側を支点として相反する端部側が上下動する構成、つまり中央キャリヤローラ2a側を支点として揺動作動する端部キャリヤローラ2b,2b′とからなる構成にすることもできる。この場合には、例えば端部キャリヤローラ2b,2b′を支持する軸の相反する側をカム機構により昇降する昇降ロッドにより交互に昇降させる構成にすれば良い。
【0020】
さらに、ベルトコンベヤ1の出口部分の構成を、図3(a),(b),(c)を参照しながら説明すると、このベルトコンベヤ1の出口部分は、長手方向に所定の間隔で配列され、後述する構成になる複数のキャリヤローラ2と、これらキャリヤローラ2によって案内される搬送ベルト4とからなっている。そして、このベルトコンベヤ1の上側は、断面形状が蒲鉾の外周状に形成されてなる飛沫物の飛散を遮断する後述する飛沫遮断カバー5によって覆われている。
【0021】
前記キャリヤローラ2のそれぞれは、水平な中央キャリヤローラ2aと、この中央キャリヤローラ2aの両側のそれぞれに配設され、この中央キャリヤローラ2a側よりも相反する側が高位置にある端部キャリヤローラ2b,2b′とからなっており、搬送ベルト4はこれらキャリヤローラ2により溝型に変形されて移送されるようになっている。また、前記飛沫遮断カバー5には、搬送ベルト4の幅方向に所定の間隔を隔てた三つずつのノズル6が前記飛沫遮断カバー5の長手方向に所定の間隔で配設されている。このノズル6は、前記ノズル揺動作動機構7により揺動されて、搬送ベルト4により搬送されている超軟弱土の幅全体にわたって固化剤Sを噴射するように構成されている。
【0022】
そして、飛沫遮断カバー5に設けられているノズル6とノズル6との間には、図3(a)に示すように、超軟弱土をさらに混合するための軟弱土・固化剤混合機構の残りの一部が配設されている。この軟弱土・固化剤混合機構の残りの一部は、ノズル6とノズル6との間に交互に配設され、搬送中の超軟弱土の表面に複数状の溝を付ける後述する構成になる溝付け機構8と、この溝付け機構8により超軟弱土に付けられた溝を埋戻す後述する構成になる溝埋戻し機構9とから構成されている。
【0023】
前記溝付け機構8は、図3(a),(b),(c)に示すように、水平配設され、飛沫遮断カバー5の外部に設けた駆動モータ8c,8c′によって回転されるクランク軸8aと、このクランク軸8aの長手方向に所定の間隔で外嵌されてなる複数の溝付け用円盤8bとから構成され、また前記溝埋戻し機構9は水平配設され、飛沫遮断カバー5の外部に設けた駆動モータ9c,9c′によって回転されるクランク軸9aと、このクランク軸9aの長手方向に所定の間隔で外嵌されてなる複数の溝埋戻し用円盤9bとから構成されている。なお、溝付け用円盤8bと溝埋戻し用円盤9bとは、必ずしも円盤状である必要がなく、例えば楕円状、ロッド状であっても良い。
【0024】
以上の説明から良く理解されるように、これら溝付け機構8と、溝埋戻し機構9とはほぼ同構成であって、円盤の配設数と配設位置とが相違するだけである。
より詳しくは、溝埋戻し機構9の溝埋戻し用円盤9bは溝付け機構8の溝付け用円盤8bの中央に対応する位置に外嵌されており、溝付け機構8の溝付け用円盤8bで付けられた溝と溝との間に溝を付けることによって溝付け機構8の溝付け用円盤8bで付けられた溝を埋戻すものである。
【0025】
従って、このベルトコンベヤ1の出口部分において、搬送ベルト4の波打ち運動により固化剤Sが混合された超軟弱土にさらに固化剤Sが噴射されるので、超軟弱土はより多くの固化剤Sと混合され、超軟弱土の土質がさらに改良される。
勿論、溝埋戻し機構9によりヘ泥10に付けられた溝は、溝付け機構8により埋戻される。ところで、この場合には、駆動モータはクランク軸の両側に設けられているが、何れか一方に設けられていれば良いものである。なお、このベルトコンベヤ1の出口部分に、搬送ベルト4の裏面に飛散付着している超軟弱土と固化剤Sとの混合物を除去するクリーナを設ける一方、飛沫遮断カバー5の内壁に飛散付着している超軟弱土と固化剤Sとの混合物を除去する水ジェット装置を設けることが好ましい。
【0026】
以下、上記ベルトコンベヤ1の作用態様を、超軟弱土が浚渫船で浚渫されたへ泥である場合を例として説明すると、浚渫船で浚渫されたへ泥が図示しないホッパに投入され、投入されたこのへ泥はホッパからベルトコンベヤ1の入口部分に定量ずつ供給される。へ泥10はベルトコンベヤ1の搬送ベルト4により搬送されるが、搬送中のへ泥の表面には、ノズル6からセメントミルクあるいはセメント等の固化剤Sが噴射され続ける。表面の全体に固化剤が噴射されたへ泥10がベルトコンベヤ1の中間部分に搬送されてくると、端部側がへ泥10の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように配設されている各キャリヤローラ2の端部キャリヤローラ2b,2b′により搬送ベルト4が波打ちながら移動するので、ベルトコンベヤ1の中間部分における搬送中を通じてへ泥10が強制的に流動され、へ泥10に固化剤Sが混合されてへ泥10の土質の改良が図られる。
【0027】
そして、ベルトコンベヤ1の中間部分から固化剤Sが混合されたへ泥10が出口部分に搬送されてくると、今度はこの中間部分において、溝付け機構8の溝付け用円盤8bによる溝と、溝埋戻し機構9の溝埋戻し用円盤9bによる溝の埋戻し、溝埋戻し機構9の溝埋戻し用円盤9bによる溝の埋戻しにより生じる溝の溝付け機構8の溝付け用円盤8bによる埋戻しと新たな溝付けとの繰返しによって、へ泥10にさらに多くの固化剤Sが混合され、へ泥10の土質がより一層改良される。なお、ノズル6からの固化剤Sの噴射量はテスト結果によって決定されるものであって、例えば浚渫されたへ泥10の軟弱程度や改良土質の要求強度によって変更されるべきものである。
【0028】
このように、本発明の実施の形態に係るベルトコンベヤ1によれば、従来例1に係る事前混合処理工法のように、超軟弱土と固化剤との混合にトリッパベルトコンベヤを用いる構成ではない。従って、フィーダベルトコンベヤからトリッパベルトコンベヤへの移送点、およびトリッパベルトコンベヤのシュートにおいて超軟弱土であるへ泥10が目詰まりするようなことがなく、しかも搬送ベルト4の波打運動、溝付け機構8の溝付けおよび溝埋戻し機構9の溝埋戻しによってへ泥10と固化剤Sとが確実に混合されてへ泥10の土質が改良される。
【0029】
また、従来例2に係るプレミックス工法のように、へ泥10と固化剤Sとを混練機で混合するのではなく、また混練機で混合されたへ泥10と固化剤Sとの混合物を圧送ポンプで圧送する工法ではなく、ベルトコンベヤ1による搬送中のへ泥10に固化剤Sを混入すると共に混合するので、高価な混練機が不要であると共に、へ泥10中からの事前の石、鋼材等の異物除去処理も不要であるため、設備費のコスト低減とへ泥処理コストの低減に寄与することができ、また圧送配管の内部清掃も不要なので土質改良能率も向上し、埋め立て工事が安定的に行えるだけでなく、へ泥と固化剤との混合性能が優れているので、埋立後の地盤改良工事も不要になるという極めて優れた効果がある。
【0030】
なお、以上では、ベルトコンベヤ1の軟弱土・固化剤混合機構が、交互に取付角度差を持たせて配設されてなる端部キャリヤローラ2b,2b′と溝付け機構8および溝埋戻し機構9とから構成されている場合を例として説明したが、この軟弱土・固化剤混合機構が、例えば交互に取付角度差を持たせて配設されてなる端部キャリヤローラ2b,2b′だけで構成され、また溝付け機構8および溝埋戻し機構9とからだけで構成されていたとしても、へ泥10と固化剤Sとを混合し、それなりにへ泥10の土質を改良することができる。例えば、改良土質の要求強度が1kgf/cm2 程度であれば、十分にその要求強度を満足することができることを確認した。また、ノズル揺動作動機構7によりノズル6を揺動させる例を説明したが、ノズル6の配設数を多くしたり固化剤Sの噴射角度の大きなノズルを用いたりする場合には固定構成にしても良い。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1乃至5に係るベルトコンベヤによれば、従来例1に係る事前混合処理工法のようにトリッパベルトコンベヤを用いるまでもなくへ泥と固化剤とを混合することができるので、フィーダコンベヤからトリッパベルトコンベヤへの移送点、およびトリッパベルトコンベヤのシュートにおいて超軟弱土が目詰まりするようなことがなく、安定的に稼働させることが可能になる。また、従来例2に係るプレミックス工法のように、混合機を用いるまでもなく超軟弱土と固化剤とを混合し、しかも異物の事前除去処理を要する圧送ポンプを用いる必要がないので、設備費のコスト低減とへ泥処理コストの低減に対して大いに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、図1(a)はベルトコンベヤの入口部分を示す模式的横断断面図で、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図で、図1(c)はノズルのノズル揺動作動機構の構成説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係り、図2(a)はベルトコンベヤの中間部分を示す模式的横断断面図で、図2(b)は端部キャリヤローラの構成説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係り、図3(a)はベルトコンベヤの出口部分を示す模式的横断断面図で、図3(b)は図3(a)のB−B線断面図で、図3(c)は図3(a)のC−C線断面図である。
【符号の説明】
1…ベルトコンベヤ,2…キャリヤローラ,2a…中央キャリヤローラ,2b,2b′…端部キャリヤローラ,4…搬送ベルト,5…飛沫遮断カバー,6…ノズル,7…ノズル揺動作動機構,7a…ノズル作動シリンダ,7b…連結リンク,8…溝付け機構,8a…クランク軸,8b…溝付け用円盤,8c,8c′…駆動モータ,9…溝埋戻し機構,9a…クランク軸,9b…溝埋戻し用円盤,9c,9c′…駆動モータ,10…へ泥,S…固化剤。
Claims (5)
- 水平な中央キャリヤローラと、この中央キャリヤローラの両側のそれぞれに配設され、この中央キャリヤローラ側よりも相反する側が高位置にある端部キャリヤローラとからなる複数のキャリヤローラが所定の間隔で配設され、これらキャリヤローラにより溝型に変形されて移送される搬送ベルトを備えてなる超軟弱土用ベルトコンベヤであって、前記超軟弱土用ベルトコンベヤに飛沫物の飛散を遮断する飛沫遮断カバーを設け、この飛沫遮断カバーの上部であってかつ長手方向に、前記搬送ベルトにより搬送されている超軟弱土の幅全体にわたって固化剤を噴射する複数のノズルを配設すると共に、搬送ベルト上の超軟弱土を強制的に流動させて、超軟弱土と前記固化剤とを混合する軟弱土・固化剤混合機構を設けたことを特徴とする超軟弱土用ベルトコンベヤ。
- 前記ノズルを、超軟弱土の搬送方向と直交する方向に揺動自在に支持したことを特徴とする請求項1に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤ。
- 前記軟弱土・固化剤混合機構が、前記搬送ベルトの幅方向の端部側が波打つように、相反する側が超軟弱土の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように構成した端部キャリヤローラを備えたキャリヤローラからなることを特徴とする請求項1または2に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤ。
- 前記軟弱土・固化剤混合機構が、超軟弱土の搬送方向に交互に設けられ、搬送中の超軟弱土の幅方向に複数の溝を付ける溝付け機構と、この溝付け機構で付けられた溝を埋める溝埋戻し機構とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤ。
- 前記軟弱土・固化剤混合機構が、前記搬送ベルトの幅方向の端部側が波打つように、相反する側が超軟弱土の搬送方向に沿って交互に高く、かつ低くなるように構成した端部キャリヤローラを備えたキャリヤローラと、超軟弱土の搬送方向に交互に設けられ、搬送中の超軟弱土の幅方向に複数の溝を付ける溝付け機構およびこの溝付け機構により超軟弱土に付けられた溝を埋戻す溝埋戻し機構とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の超軟弱土用ベルトコンベヤ。
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