JP2004107939A - 管中固化処理工法における練混管 - Google Patents
管中固化処理工法における練混管 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004107939A JP2004107939A JP2002269847A JP2002269847A JP2004107939A JP 2004107939 A JP2004107939 A JP 2004107939A JP 2002269847 A JP2002269847 A JP 2002269847A JP 2002269847 A JP2002269847 A JP 2002269847A JP 2004107939 A JP2004107939 A JP 2004107939A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pipe
- dredged soil
- kneading
- mixing
- dredged
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Treatment Of Sludge (AREA)
Abstract
【課題】注入した固化材が偏ることなく浚渫土全体に均一に添加されて均質な改良土として排出することにより、軟弱な浚渫土の有効利用をはかることができる管中固化処理工法における練混管を提供することを目的とする。
【解決手段】圧縮空気の注入により圧送管4内を流通する浚渫土Sに固化材を添加して混練・排出する管中固化処理工法において、圧送管4の中途部任意の位置に、浚渫土Sの左右方向への強制的な分岐作用と、中心方向への収束変化による相互衝突作用を繰り返して行う第1の整流板12と第2の整流板13が配設された練混管11を接続した管中固化処理工法における練混管を提供する。第1及び第2の整流板は所定のピッチを保って交互に配設されている。練混管11は断面が四角形に構成された角管でなり、圧送管4よりも浚渫土Sの流通面積が広くなるように拡大して形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】圧縮空気の注入により圧送管4内を流通する浚渫土Sに固化材を添加して混練・排出する管中固化処理工法において、圧送管4の中途部任意の位置に、浚渫土Sの左右方向への強制的な分岐作用と、中心方向への収束変化による相互衝突作用を繰り返して行う第1の整流板12と第2の整流板13が配設された練混管11を接続した管中固化処理工法における練混管を提供する。第1及び第2の整流板は所定のピッチを保って交互に配設されている。練混管11は断面が四角形に構成された角管でなり、圧送管4よりも浚渫土Sの流通面積が広くなるように拡大して形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は浚渫土を空気圧送中の圧送管内に固化材を添加して、浚渫土と固化材とを混練してから排出する管中固化処理工法において、浚渫土全体に均一に固化材を添加して練り混ぜ効果を促進するようにした新規な練混管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から建設分野の港湾埋立工事等において生じる軟弱な浚渫土は含水比が高く、埋立地等で利用する場合には地盤改良に多くの時間と費用がかかるので、沖捨てという形で廃棄する手段が採られている。しかし環境問題及びリサイクルに対する関心が高まる中で軟弱な浚渫土を有効利用する手段が求められており、沖捨てはごく限られた地域でしか行うことができない。
【0003】
そこで浚渫土を固化処理して埋立材として再利用する工法として、事前混合処理工法とともに、圧送管を利用して浚渫土を空気圧送しながらこの圧送管内に固化材を添加して充分に練混し、埋立地に排出する管中固化処理工法が近時採用されている。図5は従来の事前混合処理工法の一例を示しており、先ず浚渫土が入ったスクリューミキサー1に固化材供給装置2からセメントミルク等の固化材を添加して浚渫土と固化材とを充分に混練する。この混合土砂をモータMで駆動されるサンドポンプ3を用いて圧送管4内を圧送する途中で、該圧送管4内に圧縮空気供給口5から圧縮空気を注入する。この圧縮空気を注入した混合土砂を空気圧送状態,所謂プラグ流の乱流状態で圧送管4内を流通させて、放出口4aから埋立地6に改良土として排出する。
【0004】
図6は管中固化処理工法の例を示しており、浚渫土をサンドポンプ3を用いて圧送管4内を圧送する途中で圧縮空気供給口5から圧縮空気を注入し、プラグ流の乱流状態で圧送管4内を流れる浚渫土に固化材供給装置2から固化材を添加し、空気圧送状態を保ちながら放出口4aから埋立地6に改良土として排出する。図6に示す管中固化処理工法は主として国際空港等の埋立工事に採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
浚渫土に固化材を添加して改良土とする管中固化処理工法は、従来から固化処理プラントを装備した専用船で行われており、そのため浚渫土と固化材の練混装置の容量に限界が生じて施工能力が制限されるので、大量急速施工を想定した埋立工事には対応できないという課題がある。
【0006】
前記図5に示したように、浚渫土に固化材を添加して事前に混合撹拌してから圧送管4内に圧縮空気を供給して圧送管4内を流通させる事前混合処理工法は練混装置の能力が施工量の制約になるという欠点がある。一方図6に示したように浚渫土を圧送管4内を圧送する途中で圧縮空気を注入し、圧送管4内を流れる浚渫土に固化材を添加して流通させる管中固化処理工法は、練混装置の能力が施工量の制約になるという欠点がないため、浚渫土固化処理埋立工事において大型空気圧送船の能力をフル活用した大量急速施工が可能となる利点がある。しかしながら、図6に示したように圧送管4内を流れる浚渫土に直接固化材を添加しようとすると、圧送管4内では液相部と気相部に分かれた乱流状態のプラグ流が発生し、圧力の低い気相部に固化材が偏って浚渫土全体に均一に添加することができないという難点があり、更にプラグ流の乱流状態を利用して固化材を混練しているので、スクリューミキサー1を利用した図5の事前混合処理工法と比較して品質面でばらつきが生じやすいという問題がある。更に固化材添加後の圧送距離が短い場合には、十分に混練される前に埋立地6に排出されてしまうという問題点がある。
【0007】
そこで本発明は上記の問題点を解決して、管中固化処理工法において注入した固化材を偏ることなく浚渫土全体に均一に添加することができて、均質な改良土として埋立地等に排出することにより、軟弱な浚渫土の有効利用をはかることができる管中固化処理工法における練混管を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、圧縮空気の注入により圧送管内を流通する浚渫土に固化材を添加して混練・排出する管中固化処理工法において、圧送管の中途部任意の位置に、浚渫土の左右方向への強制的な分岐作用と、中心方向への収束変化による相互衝突作用を繰り返して行う複数段の整流板が配設された練混管を接続した管中固化処理工法における練混管を提供する。
【0009】
前記複数段の整流板を、所定のピッチを保って交互に配設してある。この練混管は断面が四角形に構成された角管でなり、円管でなる圧送管よりも浚渫土の流通面積が広くなるように拡大して形成されている。
【0010】
具体的な構成として、練混管の内方に幅員方向の中心部にあって浚渫土の流通方向に対向して突出する先鋭部と左右方向に拡開するテーパ面を両側に備えて浚渫土を左右方向に分岐する第1の整流板と、幅員方向の左右両側壁部に分割形成されて浚渫土を幅員方向の中心方向に収束するテーパ面を各々備え、浚渫土の流れを中心方向に収束変化させて衝突による衝撃を与える第2の整流板を所定のピッチを保って交互に配設してある。
【0011】
かかる管中固化処理工法における練混管によれば、港湾埋立工事等において生じる浚渫土を空気圧送する圧送管の中途部任意の位置に本発明にかかる練混管を接続することにより、該練混管は圧送管よりも浚渫土の流通面積が拡大形成されているので、圧縮空気と浚渫土が交互に流れるプラグ流が崩壊し、浚渫土が連続的に流れる層状流に変化する。この層状流への変化に伴って固化材を浚渫土全体に均一に添加することができる。
【0012】
そして固化材が添加された浚渫土は、練混管の内部で幅員方向の中心部に配設された第1の整流板によって強制的に左右方向に分岐され、次に幅員方向の左右両側壁部に分割して形成された第2の整流板により浚渫土の流れ方向が中心方向に収束変化し、浚渫土が中心部分で強制的に相互に衝突して衝撃が与えられ、練り混ぜ効果が促進される。練混管の内部には第1の整流板と第2の整流板とが所定のピッチを保って交互に複数段配設されているため、浚渫土の左右方向への強制的な分岐作用と中心方向への収束変化による相互衝突作用が繰り返して行われて練り混ぜ効果が高くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明にかかる管中固化処理工法における練混管の具体的な実施形態を説明する。図1は本発明を適用した練混管11の構成を示す側断面図、図2は同平断面図であり、この練混管11は前記図5,図6の従来例で説明したように、管中固化処理工法で圧縮空気の注入によって浚渫土が乱流状態で流通する圧送管4の中途部任意の位置に接続して使用する。
【0014】
練混管11は断面が四角形に構成された角管でなり、円管でなる圧送管4よりも浚渫土の流通面積が広くなるように拡大して形成されている。具体的には圧送管4の径長がφ560mmであるのに対して、練混管11は幅員W=1120mm,縦長さh=800mm,全長L=10.0mの拡大管が用いられる。
【0015】
練混管11の内部には、複数段の整流板,即ち第1の整流板12と第2の整流板13とが所定のピッチを保って交互に配設されている。14は練混管11の導入口近傍部位に設けた固化材の注入口である。第1の整流板12と第2の整流板13間のピッチは1メートル程度が適当である。矢印Cは圧送管4内での浚渫土の流通方向を示している。
【0016】
図2の平断面図と同図のA−A線に沿う断面図である図3に示したように、第1の整流板12は幅員方向の中心部にあって、浚渫土の流通方向Cに対向して突出する先鋭部12aと、やや後傾しながら左右方向に拡開するテーパ面12bを両側に備え、圧縮空気の注入によって乱流状態のプラグ流として流入する浚渫土を先鋭部12aによって左右方向に分岐する機能を有している。
【0017】
更に図2及び同図のB−B線に沿う断面図である図4に示したように、第2の整流板13は幅員方向の左右両側壁部に分割形成されていて、やや後傾しながら中心方向に収束するテーパ面13bを各々備えている。この第2の整流板13は流通する浚渫土の流れ方向をテーパ面13bによって中心方向に収束変化させて、相互の衝突により衝撃を与える機能を有している。
【0018】
かかる練混管11の作用を以下に説明する。前記したように港湾埋立工事等において生じる浚渫土を、圧縮空気を用いて乱流状態で流通させる圧送管4の中途部任意の位置に本発明にかかる練混管11を接続する。角管でなる練混管11は円管でなる圧送管4よりも浚渫土の流通面積が拡大して形成されているので、圧縮空気と浚渫土Sが交互に流れるプラグ流が崩壊し、浚渫土Sが連続的に流れる層状流に変化する。この層状流への変化により注入口14から注入されたセメントミルク等の固化材を浚渫土S全体に均一に添加することができる。
【0019】
次に固化材が添加された浚渫土Sは、練混管11の内部で幅員方向の中心部に配設された第1の整流板12に達して、浚渫土Sの流通方向Cに対向して突出する先鋭部12aとやや後傾しながら左右方向に拡開するテーパ面12bによって該浚渫土Sが強制的に左右方向に分岐される。
【0020】
第1の整流板12により左右方向に分岐された浚渫土Sは、次に幅員方向の左右両側壁部に分割して形成された第2の整流板13に達して、やや後傾しながら中心方向に収束するテーパ面13bにより浚渫土Sの流れ方向が中心方向に収束変化し、浚渫土Sが中心部分で強制的に相互に衝突して衝撃が与えられる。
【0021】
練混管11の内部には、第1の整流板12と第2の整流板13とが所定のピッチを保って交互に複数段配設されているため、上記した浚渫土Sの左右方向への強制的な分岐作用と中心方向への収束変化による相互衝突作用が繰り返して行われ、練り混ぜ効果が促進される。
【0022】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる練混管を浚渫土を空気圧送する圧送管の中途部任意の位置に接続することにより、圧縮空気と浚渫土が交互に流れるプラグ流が崩壊し、浚渫土が連続的に流れる層状流に変化して、プラグ流の圧力の低い気相部に固化材が偏ることなく、浚渫土全体に均一に固化材を添加することができる。更に固化材が添加された浚渫土は、練混管の内部で第1の整流板によって強制的に左右方向に分岐され、更に第2の整流板により浚渫土の流れ方向が中心方向に収束変化して中心部分で強制的に相互に衝突して衝撃が与えられ、練り混ぜ効果を促進して均質な固化処理土を得ることができる。
【0023】
固化処理土の品質面でのばらつきが生じることがなく、固化材添加後の圧送距離が短い場合でも浚渫土を十分に混練してから埋立地等に排出することができるので、軟弱な浚渫土の有効利用をはかることができる。更に埋立後の地盤改良が不要となって用地の早期利用が可能となる。また、浚渫土と固化材の練混装置の容量には格別の限界が生じないため、施工能力が制限されることがなく、大量急速施工を想定した埋立工事にも対応可能である。
【0024】
従って本発明によれば、管中固化処理工法において注入した固化材を浚渫土全体に均一に添加することができて、均質な改良土として埋立地等に排出することにより、浚渫・固化処理・搬送・埋立まで一貫した管路搬送施工を可能として軟弱な浚渫土の有効利用をはかることができる管中固化処理工法における練混管を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した練混管の構成を示す側断面図。
【図2】本発明を適用した練混管の構成を示す平断面図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】図2のB−B線に沿う断面図。
【図5】従来の事前混合処理工法の一例を示す概要図。
【図6】従来の管中固化処理工法の例を示す概要図。
【符号の説明】
11…練混管
12…第1の整流板
12a…先鋭部
12b,13b…テーパ面
13…第2の整流板
14…(固化材の)注入口
整理番号 P3479
【発明の属する技術分野】
本発明は浚渫土を空気圧送中の圧送管内に固化材を添加して、浚渫土と固化材とを混練してから排出する管中固化処理工法において、浚渫土全体に均一に固化材を添加して練り混ぜ効果を促進するようにした新規な練混管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から建設分野の港湾埋立工事等において生じる軟弱な浚渫土は含水比が高く、埋立地等で利用する場合には地盤改良に多くの時間と費用がかかるので、沖捨てという形で廃棄する手段が採られている。しかし環境問題及びリサイクルに対する関心が高まる中で軟弱な浚渫土を有効利用する手段が求められており、沖捨てはごく限られた地域でしか行うことができない。
【0003】
そこで浚渫土を固化処理して埋立材として再利用する工法として、事前混合処理工法とともに、圧送管を利用して浚渫土を空気圧送しながらこの圧送管内に固化材を添加して充分に練混し、埋立地に排出する管中固化処理工法が近時採用されている。図5は従来の事前混合処理工法の一例を示しており、先ず浚渫土が入ったスクリューミキサー1に固化材供給装置2からセメントミルク等の固化材を添加して浚渫土と固化材とを充分に混練する。この混合土砂をモータMで駆動されるサンドポンプ3を用いて圧送管4内を圧送する途中で、該圧送管4内に圧縮空気供給口5から圧縮空気を注入する。この圧縮空気を注入した混合土砂を空気圧送状態,所謂プラグ流の乱流状態で圧送管4内を流通させて、放出口4aから埋立地6に改良土として排出する。
【0004】
図6は管中固化処理工法の例を示しており、浚渫土をサンドポンプ3を用いて圧送管4内を圧送する途中で圧縮空気供給口5から圧縮空気を注入し、プラグ流の乱流状態で圧送管4内を流れる浚渫土に固化材供給装置2から固化材を添加し、空気圧送状態を保ちながら放出口4aから埋立地6に改良土として排出する。図6に示す管中固化処理工法は主として国際空港等の埋立工事に採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
浚渫土に固化材を添加して改良土とする管中固化処理工法は、従来から固化処理プラントを装備した専用船で行われており、そのため浚渫土と固化材の練混装置の容量に限界が生じて施工能力が制限されるので、大量急速施工を想定した埋立工事には対応できないという課題がある。
【0006】
前記図5に示したように、浚渫土に固化材を添加して事前に混合撹拌してから圧送管4内に圧縮空気を供給して圧送管4内を流通させる事前混合処理工法は練混装置の能力が施工量の制約になるという欠点がある。一方図6に示したように浚渫土を圧送管4内を圧送する途中で圧縮空気を注入し、圧送管4内を流れる浚渫土に固化材を添加して流通させる管中固化処理工法は、練混装置の能力が施工量の制約になるという欠点がないため、浚渫土固化処理埋立工事において大型空気圧送船の能力をフル活用した大量急速施工が可能となる利点がある。しかしながら、図6に示したように圧送管4内を流れる浚渫土に直接固化材を添加しようとすると、圧送管4内では液相部と気相部に分かれた乱流状態のプラグ流が発生し、圧力の低い気相部に固化材が偏って浚渫土全体に均一に添加することができないという難点があり、更にプラグ流の乱流状態を利用して固化材を混練しているので、スクリューミキサー1を利用した図5の事前混合処理工法と比較して品質面でばらつきが生じやすいという問題がある。更に固化材添加後の圧送距離が短い場合には、十分に混練される前に埋立地6に排出されてしまうという問題点がある。
【0007】
そこで本発明は上記の問題点を解決して、管中固化処理工法において注入した固化材を偏ることなく浚渫土全体に均一に添加することができて、均質な改良土として埋立地等に排出することにより、軟弱な浚渫土の有効利用をはかることができる管中固化処理工法における練混管を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、圧縮空気の注入により圧送管内を流通する浚渫土に固化材を添加して混練・排出する管中固化処理工法において、圧送管の中途部任意の位置に、浚渫土の左右方向への強制的な分岐作用と、中心方向への収束変化による相互衝突作用を繰り返して行う複数段の整流板が配設された練混管を接続した管中固化処理工法における練混管を提供する。
【0009】
前記複数段の整流板を、所定のピッチを保って交互に配設してある。この練混管は断面が四角形に構成された角管でなり、円管でなる圧送管よりも浚渫土の流通面積が広くなるように拡大して形成されている。
【0010】
具体的な構成として、練混管の内方に幅員方向の中心部にあって浚渫土の流通方向に対向して突出する先鋭部と左右方向に拡開するテーパ面を両側に備えて浚渫土を左右方向に分岐する第1の整流板と、幅員方向の左右両側壁部に分割形成されて浚渫土を幅員方向の中心方向に収束するテーパ面を各々備え、浚渫土の流れを中心方向に収束変化させて衝突による衝撃を与える第2の整流板を所定のピッチを保って交互に配設してある。
【0011】
かかる管中固化処理工法における練混管によれば、港湾埋立工事等において生じる浚渫土を空気圧送する圧送管の中途部任意の位置に本発明にかかる練混管を接続することにより、該練混管は圧送管よりも浚渫土の流通面積が拡大形成されているので、圧縮空気と浚渫土が交互に流れるプラグ流が崩壊し、浚渫土が連続的に流れる層状流に変化する。この層状流への変化に伴って固化材を浚渫土全体に均一に添加することができる。
【0012】
そして固化材が添加された浚渫土は、練混管の内部で幅員方向の中心部に配設された第1の整流板によって強制的に左右方向に分岐され、次に幅員方向の左右両側壁部に分割して形成された第2の整流板により浚渫土の流れ方向が中心方向に収束変化し、浚渫土が中心部分で強制的に相互に衝突して衝撃が与えられ、練り混ぜ効果が促進される。練混管の内部には第1の整流板と第2の整流板とが所定のピッチを保って交互に複数段配設されているため、浚渫土の左右方向への強制的な分岐作用と中心方向への収束変化による相互衝突作用が繰り返して行われて練り混ぜ効果が高くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明にかかる管中固化処理工法における練混管の具体的な実施形態を説明する。図1は本発明を適用した練混管11の構成を示す側断面図、図2は同平断面図であり、この練混管11は前記図5,図6の従来例で説明したように、管中固化処理工法で圧縮空気の注入によって浚渫土が乱流状態で流通する圧送管4の中途部任意の位置に接続して使用する。
【0014】
練混管11は断面が四角形に構成された角管でなり、円管でなる圧送管4よりも浚渫土の流通面積が広くなるように拡大して形成されている。具体的には圧送管4の径長がφ560mmであるのに対して、練混管11は幅員W=1120mm,縦長さh=800mm,全長L=10.0mの拡大管が用いられる。
【0015】
練混管11の内部には、複数段の整流板,即ち第1の整流板12と第2の整流板13とが所定のピッチを保って交互に配設されている。14は練混管11の導入口近傍部位に設けた固化材の注入口である。第1の整流板12と第2の整流板13間のピッチは1メートル程度が適当である。矢印Cは圧送管4内での浚渫土の流通方向を示している。
【0016】
図2の平断面図と同図のA−A線に沿う断面図である図3に示したように、第1の整流板12は幅員方向の中心部にあって、浚渫土の流通方向Cに対向して突出する先鋭部12aと、やや後傾しながら左右方向に拡開するテーパ面12bを両側に備え、圧縮空気の注入によって乱流状態のプラグ流として流入する浚渫土を先鋭部12aによって左右方向に分岐する機能を有している。
【0017】
更に図2及び同図のB−B線に沿う断面図である図4に示したように、第2の整流板13は幅員方向の左右両側壁部に分割形成されていて、やや後傾しながら中心方向に収束するテーパ面13bを各々備えている。この第2の整流板13は流通する浚渫土の流れ方向をテーパ面13bによって中心方向に収束変化させて、相互の衝突により衝撃を与える機能を有している。
【0018】
かかる練混管11の作用を以下に説明する。前記したように港湾埋立工事等において生じる浚渫土を、圧縮空気を用いて乱流状態で流通させる圧送管4の中途部任意の位置に本発明にかかる練混管11を接続する。角管でなる練混管11は円管でなる圧送管4よりも浚渫土の流通面積が拡大して形成されているので、圧縮空気と浚渫土Sが交互に流れるプラグ流が崩壊し、浚渫土Sが連続的に流れる層状流に変化する。この層状流への変化により注入口14から注入されたセメントミルク等の固化材を浚渫土S全体に均一に添加することができる。
【0019】
次に固化材が添加された浚渫土Sは、練混管11の内部で幅員方向の中心部に配設された第1の整流板12に達して、浚渫土Sの流通方向Cに対向して突出する先鋭部12aとやや後傾しながら左右方向に拡開するテーパ面12bによって該浚渫土Sが強制的に左右方向に分岐される。
【0020】
第1の整流板12により左右方向に分岐された浚渫土Sは、次に幅員方向の左右両側壁部に分割して形成された第2の整流板13に達して、やや後傾しながら中心方向に収束するテーパ面13bにより浚渫土Sの流れ方向が中心方向に収束変化し、浚渫土Sが中心部分で強制的に相互に衝突して衝撃が与えられる。
【0021】
練混管11の内部には、第1の整流板12と第2の整流板13とが所定のピッチを保って交互に複数段配設されているため、上記した浚渫土Sの左右方向への強制的な分岐作用と中心方向への収束変化による相互衝突作用が繰り返して行われ、練り混ぜ効果が促進される。
【0022】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる練混管を浚渫土を空気圧送する圧送管の中途部任意の位置に接続することにより、圧縮空気と浚渫土が交互に流れるプラグ流が崩壊し、浚渫土が連続的に流れる層状流に変化して、プラグ流の圧力の低い気相部に固化材が偏ることなく、浚渫土全体に均一に固化材を添加することができる。更に固化材が添加された浚渫土は、練混管の内部で第1の整流板によって強制的に左右方向に分岐され、更に第2の整流板により浚渫土の流れ方向が中心方向に収束変化して中心部分で強制的に相互に衝突して衝撃が与えられ、練り混ぜ効果を促進して均質な固化処理土を得ることができる。
【0023】
固化処理土の品質面でのばらつきが生じることがなく、固化材添加後の圧送距離が短い場合でも浚渫土を十分に混練してから埋立地等に排出することができるので、軟弱な浚渫土の有効利用をはかることができる。更に埋立後の地盤改良が不要となって用地の早期利用が可能となる。また、浚渫土と固化材の練混装置の容量には格別の限界が生じないため、施工能力が制限されることがなく、大量急速施工を想定した埋立工事にも対応可能である。
【0024】
従って本発明によれば、管中固化処理工法において注入した固化材を浚渫土全体に均一に添加することができて、均質な改良土として埋立地等に排出することにより、浚渫・固化処理・搬送・埋立まで一貫した管路搬送施工を可能として軟弱な浚渫土の有効利用をはかることができる管中固化処理工法における練混管を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した練混管の構成を示す側断面図。
【図2】本発明を適用した練混管の構成を示す平断面図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】図2のB−B線に沿う断面図。
【図5】従来の事前混合処理工法の一例を示す概要図。
【図6】従来の管中固化処理工法の例を示す概要図。
【符号の説明】
11…練混管
12…第1の整流板
12a…先鋭部
12b,13b…テーパ面
13…第2の整流板
14…(固化材の)注入口
整理番号 P3479
Claims (4)
- 圧縮空気の注入により圧送管内を流通する浚渫土に固化材を添加して混練・排出する管中固化処理工法において、
圧送管の中途部任意の位置に、浚渫土の左右方向への強制的な分岐作用と、中心方向への収束変化による相互衝突作用を繰り返して行う複数段の整流板が配設された練混管を接続したことを特徴とする管中固化処理工法における練混管。 - 前記複数段の整流板を、所定のピッチを保って交互に配設した請求項1に記載の管中固化処理工法における練混管。
- 前記練混管は断面が四角形に構成された角管でなり、円管でなる圧送管よりも浚渫土の流通面積が広くなるように拡大して形成した請求項1又は2に記載の管中固化処理工法における練混管。
- 練混管の内方に、幅員方向の中心部にあって浚渫土の流通方向に対向して突出する先鋭部と左右方向に拡開するテーパ面を両側に備えて浚渫土を左右方向に分岐する第1の整流板と、幅員方向の左右両側壁部に分割形成されて浚渫土を幅員方向の中心方向に収束するテーパ面を各々備え、浚渫土の流れを中心方向に収束変化させて衝突による衝撃を与える第2の整流板を所定のピッチを保って交互に配設した請求項1,2又は3に記載の管中固化処理工法における練混管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002269847A JP2004107939A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 管中固化処理工法における練混管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002269847A JP2004107939A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 管中固化処理工法における練混管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004107939A true JP2004107939A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32267654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002269847A Pending JP2004107939A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 管中固化処理工法における練混管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004107939A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101576629B1 (ko) * | 2015-03-11 | 2015-12-14 | 한국농어촌공사 | 개질처리를 이용한 관중혼합 지반조성 장치 및 공법 |
EP3486199A1 (de) * | 2017-11-16 | 2019-05-22 | Claudius Peters Projects GmbH | Fördervorrichtung für schüttgut mit integriertem mischer |
JP2019196596A (ja) * | 2018-05-08 | 2019-11-14 | 東亜建設工業株式会社 | 管中混合固化処理土の減勢装置およびこれを用いた打設方法 |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002269847A patent/JP2004107939A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101576629B1 (ko) * | 2015-03-11 | 2015-12-14 | 한국농어촌공사 | 개질처리를 이용한 관중혼합 지반조성 장치 및 공법 |
EP3486199A1 (de) * | 2017-11-16 | 2019-05-22 | Claudius Peters Projects GmbH | Fördervorrichtung für schüttgut mit integriertem mischer |
JP2019196596A (ja) * | 2018-05-08 | 2019-11-14 | 東亜建設工業株式会社 | 管中混合固化処理土の減勢装置およびこれを用いた打設方法 |
JP7044626B2 (ja) | 2018-05-08 | 2022-03-30 | 東亜建設工業株式会社 | 管中混合固化処理土の減勢装置およびこれを用いた打設方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN100535257C (zh) | 喷射搅拌施工方法及喷射搅拌装置 | |
JP6933917B2 (ja) | コンクリートミキサ及びこれが用いられる生コンクリート製造装置 | |
CN111364770A (zh) | 一种基于绿色建筑施工可多次重复利用的注浆设备 | |
JP2004107939A (ja) | 管中固化処理工法における練混管 | |
JP2001248164A (ja) | 混合物の吹き付け工法とその装置 | |
KR200405698Y1 (ko) | 콘크리트 혼합 배출 분사기 | |
CN107618108A (zh) | 三轴异向水泥浆液pva纤维分散装置及操作方法 | |
JP4637047B2 (ja) | 気泡混合土工法および気泡混合土処理装置 | |
JP2000008367A (ja) | 粘性土の流動化処理方法 | |
JP2004156275A (ja) | 軽量土処理方法及びその装置 | |
JP2005213732A (ja) | モルタル又はコンクリート用吹付け装置 | |
KR100980080B1 (ko) | 파분쇄된 순환골재 중성화가 가능한 이중 스크린망 트롬멜 | |
JP6395746B2 (ja) | 生コン製造用プラントを用いた流動化処理土の製造方法及びその装置 | |
JP6868434B2 (ja) | ニ軸強制ミキサーを用いるベントナイト混合土の混練方法、及びニ軸強制ミキサーに用いる加水機構 | |
CN212666390U (zh) | 一种混凝土加工设备 | |
JPH11300187A (ja) | ペースト製造方法及びその装置 | |
JP3188646B2 (ja) | 骨材、固化材及び液体の混合方法及び混合装置 | |
KR100498842B1 (ko) | 발포기를 구비한 기포 콘크리트 슬러리 제조장치 | |
JP4110497B2 (ja) | 軟泥土の管中混合固化処理法と装置 | |
JP2003154247A (ja) | 掘削土混合装置 | |
JP2001071321A (ja) | コンクリート連続製造方法 | |
JP3295621B2 (ja) | 混気圧送中の土砂への添加材供給混練方法および装置 | |
TWI415998B (zh) | 噴射攪拌工法及噴射攪拌裝置 | |
JP4548757B2 (ja) | 法面被覆用混合物の吹付け工法とその装置 | |
JP2004160414A (ja) | 骨材用材料の洗浄処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041005 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050222 |