JP3623343B2 - 非常用転倒シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、バス等の乗り物における非常口の近傍に設置され、非常口の開放時に倒されて有効開口面積を確保するようにした非常用転倒シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的なバスの車体には、道路運送車両の保安基準に従い、非常時脱出用の非常口が開口されている。また、同車体には、非常口を開放及び閉鎖するための非常扉が設けられている。一方、車内には多数のシートがバスの進行方向に沿って所定間隔毎に設置されている。これらのシートのうちの1つは非常口の近傍に設置されている。このシートには、平常時には他のシートと同様に乗客が腰掛けることができ、非常事態発生時には非常口からの脱出動作の邪魔にならないことが要求される。このような要求を満たすシートとして、非常事態発生時に前方へ倒して非常口の有効開口面積を確保することのできる非常用転倒シートが知られている。
【0003】
非常用転倒シートは、シート本体と、その下部に固定された脚部と、バスの床に固定された脚台とを備えている。脚部は軸により脚台に連結されており、シート本体を使用状態に支持する使用位置と、同シート本体を前記使用位置よりも前方へ傾けた状態に支持する転倒位置との間で傾動する。さらに、脚部と非常扉との間には係止機構が設けられている。係止機構は、非常扉による非常口の閉鎖時には脚部を使用位置に係止し、非常口の開放にともないその係止状態を解除する。従って、異常が発生して非常扉が開放されれば、その開放動作に連動して係止機構による係止状態が解除される。この解除により、脚部を使用位置から転倒位置へ傾動させることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の非常用転倒シートでは、係止機構が非常扉と連動する構成なので、非常扉が開放されると係止機構による脚部の係止状態が自動的に解除される。つまり、非常扉が閉鎖されている限り脚部が使用位置に保持され続け、この期間に脚部を使用位置から転倒位置に切替えることができないものである。
【0005】
本発明は前述した事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、非常扉の開閉状態にかかわりなく、いつでも係止機構による脚部の係止状態を簡単な操作で解除でき、しかも使用時には脚部を使用位置に確実に係止することのできる非常用転倒シートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、
「乗り物における非常用シートであって、
シート本体と、
前記乗り物の床に固定される脚台と、
前記シート本体の下部に固定されるとともに軸により前記脚台に連結され、シート本体を使用状態に支持する使用位置と、同シート本体を前記使用位置よりも前方へ傾けた状態に支持する転倒位置との間で傾動する脚部と、
前記脚部の後端部分に設けられ、該脚部を使用位置に係止する係止機構と、
前記係止機構による脚部の係止状態を解除すべく操作可能に設けられた操作部と、
前記脚部を転倒位置に付勢するねじりコイルばねと、
前記係止機構の前方に設けられ、前記ねじりコイルバネの付勢力に抗して前記脚部を使用位置に保持する第1保持機構と
を備え、
前記操作部は、前記脚部から離間した箇所に固定されたペダル台と、軸により前記ペダル台に傾動可能に支持された操作ペダルとを備えるものである
ことを特徴とする非常用転倒シート」
である。
請求項2の発明は、
「乗り物における非常用シートであって、
シート本体と、
前記乗り物の床に固定される脚台と、
前記シート本体の下部に固定されるとともに軸により前記脚台に連結され、シート本体を使用状態に支持する使用位置と、同シート本体を前記使用位置よりも前方へ傾けた状態に支持する転倒位置との間で傾動する脚部と、
前記脚部の後端部分に設けられ、該脚部を使用位置に係止する係止機構と、
前記係止機構による脚部の係止状態を解除すべく操作可能に設けられた操作部と、
前記脚部を転倒位置に付勢するねじりコイルばねと、
前記係止機構の前方に設けられ、前記ねじりコイルバネの付勢力に抗して前記脚部を使用位置に保持する第1保持機構と
を備え、
前記操作部は、軸により傾動可能に支持された操作レバーと、前記操作レバーの傾動範囲を画定する一対の画定部材と、前記操作レバーを、一方の画定部材に当接させる方向へ常に付勢する弾性部材とを備えるものであり、
前記操作レバーは、前記シート本体を構成するシートフレームに取り付けられたものである
ことを特徴とする非常用転倒シート」
である。
【0007】
上記各発明によると、操作部の非操作時には、脚部が係止機構によって使用位置に係止され、シート本体が脚台に対し脚部を介して使用状態に支持される。この状態では、シート本体は、非常用転倒シート以外のシートと同様に、乗客の重量を受け止める。このように、脚部は操作部が操作されない限り使用位置に保持され続ける。
【0008】
操作部が操作されると、係止機構による脚部の係止状態が解除され、その脚部の傾動が可能となる。使用位置にある脚部が前方へ傾けられると、同脚部は使用位置から転倒位置へ切替えられる。すると、非常扉近傍の空間において、非常用転倒シートの占める割合が少なくなる。このように、脚部の使用位置から転倒位置への切替えは、操作部が操作されることによって初めて可能となる。この切替えは、非常扉の開閉状態とは無関係に行われる。
【0012】
請求項2の発明では、前記操作部は、軸により傾動可能に支持された操作レバーと、前記操作レバーの傾動範囲を画定する一対の画定部材と、前記操作レバーを、一方の画定部材に当接させる方向へ常に付勢する弾性部材とを備えている。
【0013】
この発明によると、操作部の非操作時には、操作レバーが弾性部材によって付勢されて一方の画定部材に当接する。脚部は係止機構によって使用位置に係止され、シート本体が脚台に対し脚部を介して使用状態に支持される。手等によって、弾性部材の付勢力に打ち勝つ大きさの力が操作レバーに加えられると、その操作レバーは他方の画定部材に向けて傾動させられる。この傾動は、操作レバーが他方の画定部材に当接したところで規制される。傾動にともない、係止機構による脚部の係止状態が解除され、脚部の傾動が可能となる。操作レバーから手が離される等して力が加えられなくなると、同操作レバーは弾性部材によって元の状態に復帰させられる。すなわち、操作レバーは一方の画定部材に接近する方向へ傾動するが、その傾動は同画定部材に当接したところで止まる。操作レバーに再び力が加えられない限り、同操作レバーは一方の画定部材に当接した状態を維持する。
【0014】
請求項1の発明では、前記操作部は、前記脚部から離間した箇所に固定されたペダル台と、軸により前記ペダル台に傾動可能に支持された操作ペダルとを備えている。
【0015】
この発明によると、操作ペダルの非操作時には、脚部は係止機構によって使用位置に係止され、シート本体が脚台に対し脚部を介して使用状態に支持される。足等によって操作ペダルが踏込まれて傾動させられると、係止機構による脚部の係止状態が解除され、同脚部の傾動が可能となる。この状態で、例えばシート本体が前方へ押されて脚部が前方へ傾けられると、脚部は使用位置から転倒位置へ切替えられる。この際、操作ペダルは、脚部の傾動とは関係なく、同脚部から離間した箇所に位置し続ける。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、第1乃至第3の発明をバスの非常用転倒シートに具体化した第1実施形態を、図1乃至図9に従って説明する。なお、以後の説明においては、バスの進行方向を「前方」とし、反進行方向を「後方」とする。
【0017】
図1に示すように、乗り物としてのバスには、前後方向(図1の左右方向)に沿って側壁2が設けられており、その一部に非常口3が開口されている。側壁2には、非常口3を開放及び閉鎖するための非常扉4が取付けられている。側壁2と通路との間には、多数の2人掛け用シート5が所定間隔毎に設置されている。これらのシート5のうちの1つは、非常口3の前方近傍に位置している。このシートが本実施形態の非常用転倒シート(以下、単に「転倒シート」という)6であり、他のシート5とは異なる構造を有している。
【0018】
転倒シート6の一部は、図3に示すシートフレーム8によって構成されている。シートフレーム8の前部(図3の左側部)及び後部は、それぞれバスの幅方向(紙面と直交する方向)へ延びる一対の横架部材9,11によって構成されている。シートフレーム8には、図1及び図2に示す座部12が載置されるとともに、背もたれ部14が角度調整可能に連結されている。座部12及び背もたれ部14の側方には肘掛け13が設けられている。さらに、シートフレーム8にはシートベルト(図示略)が装着されている。これらのシートフレーム8、座部12、背もたれ部14、肘掛け13等によってシート本体7が構成されている。
【0019】
図2、図3及び図8に示すように、シート本体7は、非常扉4及び通路16間において、バスの幅方向(図2の左右方向)に互いに離間した箇所に設けられた2つの脚体17,18によって床19に支持されている。通路16側の脚体17は、脚台21a、脚部22a、第1保持機構23a、第2保持機構24及び係止機構25aを備えている。また、非常扉4側の脚体18は、脚台21b、脚部22b、第1保持機構23b及び係止機構25bを備えている。まず、前者の脚体17の各部について説明する。
【0020】
図3及び図6に示すように、脚台21aは、前後方向(図6の略左右方向)に沿って延びる止め板26aと、その両側に固定された一対の側板27a,28aとを備えている。脚部22aは、前脚29a、後脚31a、中間連結脚32a、下部連結脚33a、前部パイプ取付部34及び後部パイプ取付部35aを備えている。前脚29aの上端部は前部横架部材9に固定され、後脚31aの上端部は後部横架部材11に固定されている。中間連結脚32aの端部は前脚29a及び後脚31aにそれぞれ固定されている。
【0021】
図3及び図4に示すように、下部連結脚33aは、前後方向に細長い脚板36aと、その両側に固定された一対の側板37a,38aとを備えている。下部連結脚33aの前端部は、軸39aによって脚台21aの前端部に連結されている。下部連結脚33aは、軸39aを支点として、シート本体7を使用状態に支持する使用位置(図3参照)と、同シート本体7を前記使用位置よりも前方へ傾けた状態に支持する転倒位置(図9参照)との間で傾動する。軸39aの外周にはねじりコイルばね41aが装着されており、その一端が止め板26aに当接し、他端が脚板36aに当接している。ねじりコイルばね41aは、下部連結脚33a、ひいては脚部22a全体を常に転倒位置側へ付勢している。
【0022】
前部パイプ取付部34の端部は、中間連結脚32a及び下部連結脚33aにそれぞれ固定されている。後部パイプ取付部35aは、後脚31aの下端部及び下部連結脚33aの後端部に固定されている。前後両パイプ取付部34,35aには、それぞれ通路16側へ延びるパイプ42,43が固定されている。これらのパイプ42,43は、転倒シート6に補助席(図示略)を取付ける際に用いられるものである。
【0023】
第1保持機構23aは、ねじりコイルばね41aの付勢力に抗して脚部22aを使用位置に保持するための機構である。詳しくは、下部連結脚33aの後端部には、ゴム等の弾性材からなる当接部材44aを介して固定金具45aが取付けられている。図6に示すように、止め板26aの後部には、固定金具45aの通過を許容する透孔47aがあけられている。透孔47aの直下には、一対の弾性片49aを有するばね部材48aが取付けられている。両弾性片49aは、ねじりコイルばね41aの付勢力に抗して固定金具45aを挟み込んだ状態に係止するためのものである。
【0024】
なお、上述した当接部材44aは、脚部22aが転倒位置から使用位置に切替えられるときや、脚部22aが使用位置に保持されているときに、脚台21aに弾性的に当接するものである。この当接により当接部材44aは、下部連結脚33a及び脚台21aといった剛体同士の接触を阻止して異音の発生を抑制する。
【0025】
図3及び図9に示すように、第2保持機構24は脚部22aが転倒位置に傾動させられたときに、その脚部22aが不用意に使用位置に戻るのを阻止するための機構である。詳しくは、脚台21aの側板28aには摺接板51が固定されている(図6参照)。下部連結脚33aの中央部分には軸52が挿通されており、その上に戻り止めストッパ53が回動可能に支持されている。戻り止めストッパ53は短辺部54及び長辺部55を備え、側方(通路16側)から見た形状が「へ」の字状をなしている。短辺部54の先端は通路16側へ略直角に折曲げられている。長辺部55は、脚部22aが傾動させられる際に摺接板51上を摺動し得る長さを有している。短辺部54の先端部分と軸39aとには、戻り止めストッパ53を図3の反時計回り方向へ常に付勢する引張りコイルばね56が掛け止められている。
【0026】
係止機構25aは脚部22aを使用位置に係止するためのものであり、係止ピン57a、軸58a及び係止体59aを備える。係止ピン57aは、両側板27a,28aの後部に挿通されている。係止体59aは、図6に示すように、一対のロックプレート61a,62aと、これらを繋ぐ連結部材63とによって構成されている。ロックプレート61a,62aの先端部には、前記係止ピン57aに係合し得る切欠き64aが形成されている。各ロックプレート61a,62aにおいて、切欠き64aを挟んで互いに対向する箇所には一対のスペーサ65aが固定されており、さらに両スペーサ65aに補強部材66aが固定されている。補強部材66aは、切欠き64aの周辺部分の強度を上げて、その部分が変形するのを防止している。図4に示すように、軸58aの外周にはねじりコイルばね67aが装着されており、その一端が側板37aに係止され、他端がロックプレート61aに係止されている。ねじりコイルばね67aは、切欠き64aを係止ピン57aに係合させる方向(図の時計回り方向)へ、係止体59aを常に付勢している。
【0027】
ところで、図7及び図8には、非常扉4側の脚体18における脚台21b、脚部22b、第1保持機構23b及び係止機構25bを示す。これらの図からもわかるように、各部材及び各機構は前述した通路16側のものとほぼ同様の構成を採っている。相違点は、前部パイプ取付部34及びパイプ42,43が設けられていない点と、係止体59bが一方のロックプレート61bのみによって構成されている点である。そのため、通路16側の脚台21a、脚部22a及び係止機構25aと同様の部材には同一の数字を付すとともに、その数字の後に続くアルファベットの「a」を「b」に変更して、説明を省略する。
【0028】
図3、図5及び図8に示すように、転倒シート6は、係止機構25a,25bによる脚部22a,22bの係止状態を解除するための共通の操作部68を備えている。操作部68の一部は、シートフレーム8に固定された上部支持金具69によって構成されている。上部支持金具69は前板部71と、その両側に位置する一対の側板部72とからなる。両側板部72には軸としてのピン73が挿通されており、その外周に円筒部材74が回動可能に嵌められている。円筒部材74には、傾動板75と、長尺状の操作レバー76とがそれぞれ固定されている。従って、操作レバー76は、円筒部材74を介してピン73に傾動可能に支持されていることになる。操作レバー76は斜め後ろ下方へ向けて延びており、その先端部分には、ゴム、合成樹脂等からなるグリップ77が嵌められている。
【0029】
シートフレーム8には、操作レバー76の傾動範囲を画定するための上部ストッパ78及び下部ストッパ79がそれぞれ取付けられている。上部ストッパ78は、操作レバー76に当接して、同操作レバー76の上方への傾動を規制する。下部ストッパ79は長尺状をなし、斜め前下方へ延びている。下部ストッパ79の下端部は通路16側へ折曲げられており、この折曲部分が操作レバー76に当接して、同操作レバー76の下方への傾動を規制する。
【0030】
前板部71の下端及び傾動板75の下端には、弾性部材としての引張りコイルばね81が掛け止められている。同ばね81は、傾動板75を常に前方へ付勢している。この方向は、操作レバー76を下部ストッパ79の折曲部分に当接させる方向(図3の時計回り方向)である。
【0031】
転倒シート6は、操作レバー76の動きを係止機構25a,25bに伝達するための一対の伝達機構82a,82bを備えている。各伝達機構82a,82bの構成は互いに同一である。そのため、ここでは通路16側の伝達機構82aのみについて説明し、非常扉4側の伝達機構82bに関しては同一の数字を付すとともに、その数字の後に続くアルファベットの「a」を「b」に変更して、説明を省略する。
【0032】
伝達機構82aはワイヤ86a付きガイドチューブ83a、下部支持金具84a及び接続部材85aを備えている。ガイドチューブ83aの上端部は、上部支持金具69の前板部71下端に締結されている。ガイドチューブ83aは上部支持金具69を基点として前方へ延び、前部横架部材9及び前脚29aに沿って配線され、通路16側の側板27aに取付けられたグロメット91aに挿通されている。ガイドチューブ83aの下端部は、下部連結脚33aの側板37aに固定された下部支持金具84aに締結されている。接続部材85aは、ロックプレート61aの上端部にピン93aにより連結されている。ワイヤ86aは、ガイドチューブ83a内に移動可能に挿通されており、その上端部が傾動板75に止着され、下端部が接続部材85aに止着されている。
【0033】
次に、前記のように構成された本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0034】
図3及び図8の実線は、脚部22a,22bが使用位置に保持され、かつ操作レバー76が操作されていない状態を示している。この状態では、固定金具45a,45bが一対の弾性片49aによって挟み込まれている。操作レバー76が引張りコイルばね81によって時計回り方向へ付勢され、下部ストッパ79の下端部に当接している。ワイヤ86a,86b、接続部材85a,85b及び係止体59a,59bには、操作レバー76による引張り力が加わっていない。係止体59a,59bがねじりコイルばね67a,67bによって時計回り方向へ付勢され、切欠き64a,64bが係止ピン57a,57bに係合している。脚部22a,22bが係止体59a,59bによって脚台21a,21bに傾動不能に係止されている。
【0035】
従って、仮に背もたれ部14が乗客等によって前方へ押されたとしても、脚部22a,22bは使用位置に保持され続け、転倒シート6が転倒することはない。乗客は他のシート5と同様にシート本体7の座部12に腰掛け、背もたれ部14にもたれ掛かることができる。また、乗客がシートベルトを装着した状態で、急ブレーキ等によって転倒シート6に大きな荷重が加わっても、脚部22a,22bが傾くことはない。なお、この状態では、戻り止めストッパ53の長辺部55が傾斜し、摺接板51の前端に当接している。
【0036】
転倒シート6を転倒させる必要が生じた場合、例えば、非常口3の有効開口面積を確保したい場合、掃除をしたい場合、転倒シート6の下部を点検・修理したい場合等には、グリップ77を握って引き上げる。すると、操作レバー76、円筒部材74及び傾動板75が、引張りコイルばね81及びねじりコイルばね67a,67bに抗して反時計回り方向へ傾動させられる。この傾動がワイヤ86a,86bを通じて係止機構25a,25bに伝達される。詳しくは、傾動板75の傾動によりワイヤ86a,86bが引張られ、接続部材85a,85b及びロックプレート61a,61bの上端が前方へ引張られ、係止体59a,59bが反時計回り方向へ回動させられる。係止体59a,59bが所定角度以上回動させられると、係止ピン57a,57bから切欠き64a,64bが外れ、係止機構25a,25bによる係止状態が解除される。
【0037】
この際には、固定金具45a,45bが一対の弾性片49aによって挟持されているため、依然として脚部22a,22bは使用位置に保持される。そこで、グリップ77を引き上げたままで(係止ピン57a,57bから切欠き64a,64bを外したままで)、同グリップ77をさらに引き上げ、背もたれ部14上部に対し前方への押圧力を加える。弾性片49aの付勢力に打ち勝つ大きさの押圧力を背もたれ部14に加えると、弾性片49a間から固定金具45a,45bが抜き出され、ばね部材48aによる拘束力がなくなる。このため、引き続きシート本体7に前方への押圧力を加えれば、脚部22a,22bが上方へ傾動させられ、同脚部22a,22bが使用位置から転倒位置へ切替えられる。このとき、下部連結脚33a,33bには、これを上方へ傾動させようとするねじりコイルばね41a,41bの付勢力が加わっている。このため、乗客等は少ない力を加えるだけで脚部22a,22bを転倒位置に切替えることができる。
【0038】
脚部22a,22bが上方へ傾動させられると、係止体59a,59bが係止ピン57a,57bから上方へ離間するので、グリップ77から手を放しても問題ない。この場合には、引張りコイルばね81による付勢力が加わっている操作レバー76は下方へ傾動させられる。この傾動は、操作レバー76が下部ストッパ79の下端部に当たったところで止められる。
【0039】
脚部22a,22bの傾動にともない、戻り止めストッパ53が反時計回り方向へ回動させられる。この回動時には、長辺部55が摺接板51上を後方へ向けて摺動する。そして、図9に示すように、脚部22a(22b)が転倒位置まで傾動させられると、長辺部55の先端が摺接板51に接触し、同長辺部55がちょうど起立した状態となる。また、短辺部54の折曲部分が脚板36aに当接し、戻り止めストッパ53のそれ以上の回動が阻止される。その結果、一旦倒させられた転倒シート6が不用意に元の状態に戻ることがない。
【0040】
脚部22a,22bを使用位置に復帰させるには、次の操作を行う。足等によって、引張りコイルばね56に抗して戻り止めストッパ53を時計回り方向へ回動させながら、ねじりコイルばね41a,41bに抗して背もたれ部14を下方へ押圧する。すると、脚体17,18が下方へ傾動させられ、固定金具45a,45b及び係止体59a,59bがともに脚台21a,21bに接近する。また、グリップ77を握って引き上げ、操作レバー76、円筒部材74及び傾動板75を反時計回り方向へ傾動させ、ワイヤ86a,86bによって、係止体59a,59bを反時計回り方向へ回動させる。
【0041】
グリップ77を引き上げながら背もたれ部14を押し下げ続けると、固定金具45a,45bが透孔47aを通って脚台21a,21b内に入り込む。このときには、ロックプレート61a,61bが係止ピン57a,57bに接触することがなく、固定金具45a,45bの透孔47a通過の邪魔になることはない。その後、固定金具45a,45bが一対の弾性片49aを撓ませながらそれらの間に入り込んだらグリップ77から手を放す。すると、引張りコイルばね81によって付勢されている操作レバー76は、下部ストッパ79に当接するまで下方へ傾動させられる。操作レバー76による引張り力が加わらなくなった係止体59a,59bは、ねじりコイルばね67a,67bによって時計回り方向へ回動させられる。この回動により、切欠き64a,64bが係止ピン57a,57bに係合し、図3及び図8の実線で示す状態となる。
【0042】
このように本実施形態によると、従来の転倒シートとは異なり、非常扉4の開閉状態にかかわりなく、いつでも係止機構25a,25bによる係止状態を解除することができる。この解除状態で背もたれ部14を前方へ押せば、脚部22a,22bを使用位置から転倒位置に切替えることができる。しかも、このときに必要な操作は、グリップ77を握って引き上げるという非常に簡単なものであり、複雑な操作は必要としない。また、操作レバー76を元の位置に戻すには、グリップ77から手を放すだけでよい。こうすれば、操作レバー76は引張りコイルばね81によって下方へ傾動させられ、元の位置に自動的に復帰する。復帰のための特別な操作は必要がなく、使い勝手に優れる。さらに、1つの操作レバー76を操作するだけで、2つの係止体59a,59bを一斉に傾動させて、係止ピン57a,57bから外すことができる。操作部68の少ない操作回数で効率よく、係止機構25a,25bによる係止状態を解除できる。加えて、転倒シート6の下部は全て機械的に構成されているので、信頼性が高く、事故等の異常発生時であっても、同転倒シート6を確実に前方へ倒すことができる。
【0043】
脚部22a,22bが転倒位置から使用位置に戻されると、切欠き64a,64bが係止ピン57a,57bに確実に係合し、同脚部22a,22bが係止体59a,59bによって脚台21a,21bに傾動不能に係止される。切欠き64a,64bは、操作レバー76が操作されない限り係止ピン57a,57bから外れない。このため、使用時には脚部22a,22bを使用位置に確実に係止し、転倒シート6を他のシート5と同様に使用することができる。
【0044】
(第2実施形態)
次に、第1、第2及び第4の発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態との相違点を中心に説明する。主な相違点は、図10及び図11に示すように、操作部68が通路16側の脚台21aに設けられている点と、操作部68として、操作レバー76に代えて操作ペダル99が用いられている点と、一方の伝達機構82aとしてリンク機構が用いられている点と、他方の伝達機構82bにおけるワイヤ86bが操作ペダル99に接続されている点である。なお、第1実施形態と同様の部材には同一の番号及び符号を付して説明を省略する。
【0045】
まず、操作部68の機構について説明すると、脚台21aの側板28aにはペダル台94が設けられている。ペダル台94は、側板28aに固定された水平板95と、その上にそれぞれ固定された支持金具96及び取付金具97とからなる。支持金具96には軸98が挿通されており、ここに操作ペダル99が取付けられている。操作ペダル99は、軸98の上に傾動可能に支持された基部101と、その基部101に固定されて、後方(図10の右方、図11の左方)へ延びるアーム部材102と、そのアーム部材102の後端に固定されたペダルプレート103とを備えている。さらに、軸98の外周にはねじりコイルばね104が装着されており、そのばね104の一端が支持金具96に当接させられ、他端が折曲げられて基部101の下端に掛け止められている。ねじりコイルばね104は、操作ペダル99を常に上方(図10の反時計回り方向、図11の時計回り方向)へ付勢している。
【0046】
次に、図7、図10及び図11を用い、操作ペダル99の動きを係止機構25a,25bに伝達する伝達機構82a,82bについて説明する。基部101の上部には、L型ピン105が回動可能に挿通及び支持されている。ロックプレート62aにおいて軸58aの挿通箇所から若干下方へ離間した位置には、前方へ向けて突出する支持突部106が形成されている。そして、L型ピン105の後端部がピン107により支持突部106に連結されている。これらのL型ピン105、支持突部106及びピン107により、伝達機構82aとしてのリンク機構が構成されているが、同機構82aには前述したワイヤ86aは用いられていない。一方、取付金具97の上端には、ワイヤ86b付ガイドチューブ83bの端部が締結されている。基部101の上端には、複数の舌片108が互いに離間した状態で曲げ形成されており、隣り合う舌片108間にワイヤ86bが止着されている。ガイドチューブ83bの反対側の端部は、図7のロックプレート61bに接続されている。
【0047】
本実施形態でのそのほかの相違点としては、係止体59aにおける連結部材63の形状及び位置が変更されている点と、摺接板51及び戻り止めストッパ53が、脚台21aの側板27aに設けられている点とが挙げられる。
【0048】
第1実施形態との構成上の相違点は上述した通りであるが、次に、この構成に基づく作用及び効果について説明する。図7、図10及び図11は、脚部22a,22bが使用位置に保持され、かつ操作ペダル99が踏込まれていない状態を示している。この状態では、操作ペダル99がねじりコイルばね104によって図10の反時計回り方向(図11の時計回り方向)へ付勢されている。支持突部106にはL型ピン105による前方からの力が加わらず、また、ワイヤ86bにはロックプレート61bを前方へ引張ろうとする力が加わっていない。ねじりコイルばね67a,67bによって付勢されている係止体59a,59bの切欠き64a,64bが係止ピン57a,57bに係合している。脚部22a,22bが係止体59a,59bによって脚台21a,21bに傾動不能に係止されている。
【0049】
転倒シート6を転倒させる場合には、ペダルプレート103の上に足を載せて踏込む。すると、図11において矢印Yで示すように、アーム部材102がねじりコイルばね104に抗し下方へ傾動させられる。この傾動はリンク機構及びワイヤ86bを通じて係止機構25a,25bに伝達される。詳しくは、アーム部材102の傾動にともない、図11において矢印Zで示すようにL型ピン105が後方へ移動し、その動きが支持突部106を経てロックプレート62aに伝達される。一方、アーム部材102の傾動にともなう基部101の回動によりワイヤ86bが引張られ、ロックプレート61bの上端が前方へ引張られる。そして、係止体59a,59bが所定角度以上回動させられると、係止ピン57a,57bから切欠き64a,64bが外れ、係止機構25a,25bによる係止状態が解除される。
【0050】
この際には、第1実施形態と同様に、固定金具45a,45bが弾性片49aによって挟持されているため、依然として脚部22a,22bは使用位置に保持される。そこで、操作ペダル99を踏込んだままで、背もたれ部14の上部に対し前方への押圧力を加える。すると、一対の弾性片49a間から固定金具45a,45bが抜き出され、ばね部材48aによる拘束力がなくなる。このため、引き続き背もたれ部14に前方への押圧力を加えれば、脚部22a,22bが上方へ傾動させられ、同脚部22a,22bが使用位置から転倒位置へ切替えられる。このとき、L型ピン105は図10の反時計回り方向(図11の時計回り方向)へ回動し、脚部22aの上方への傾動を許容する。
【0051】
脚部22a,22bを使用位置に復帰させるには、背もたれ部14を押し下げ、ペダルプレート103を踏込む。すると、固定金具45a,45b及び係止体59a,59bが脚台21a,21bに接近し、基部101が図11の反時計回り方向へ回動する。これにともないL型ピン105が後方へ移動し、ロックプレート62aが同図11の時計回り方向へ回動する。また、基部101の回動によりワイヤ86bが引張られ、ロックプレート61bが図7の反時計回り方向へ回動する。ペダルプレート103を踏込みながら背もたれ部14を押し下げ続けると、固定金具45a,45bが透孔47aを通って脚台21a,21b内に入り込む。その後、固定金具45a,45bが一対の弾性片49aを撓ませながらそれらの間に入り込んだらペダルプレート103から足を外す。すると、ペダルプレート103はねじりコイルばね104によって上方へ傾動させられ、元の状態に戻る。基部101が図11の時計回り方向へ回動し、L型ピン105が前方へ移動する。ロックプレート62aが同図11の反時計回り方向へ回動し、切欠き64a,64bが係止ピン57a,57bに係合する。
【0052】
このように本実施形態によると、操作部68の位置、構成等が異なるものの、第1実施形態と同様の作用及び効果を奏する。この作用及び効果の中には、「転倒シート6の使用時に脚部22a,22bを使用位置に確実に係止し、同転倒シート6を他のシート5と同様に使用できる。」ことも含まれる。そのほかにも、本実施形態では、操作ペダル99を踏込むという簡単な操作で、係止機構25a,25bによる脚部22a,22bの係止状態を解除することができる。しかも、操作ペダル99が常にペダル台94を介して脚台21aに取付けられているので、脚部22a,22bが使用位置及び転倒位置間で傾動させられる際に、操作ペダル99が床19から浮き上がることがない。そのため、操作ペダル99を踏込んだ状態の足を、脚部22aの傾動に合わせて上げたり下げたりしなくてすみ、操作性に優れる。
【0053】
(第3実施形態)
次に、第1、第2及び第4の発明を具体化した第3実施形態を図12に従って説明する。本実施形態は、伝達機構82aとして、リンク機構に代えてワイヤ86a付きガイドチューブ83aを用いている点が第2実施形態と異なる。詳しくは、ガイドチューブ83aの一端は取付金具97の上端に締結され、他端(図示略)は脚部22aの転倒に支障のない箇所、例えば脚台21aの前端部に締結されている。ワイヤ86aの一端は基部101の隣り合う舌片108間に止着され、他端は、連結部材63上に取付けられた接続部材85aに止着されている。なお、第2実施形態と同様の部材には同一の番号及び符号を付して説明を省略する。
【0054】
上記構成によると、操作ペダル99が踏込まれるとワイヤ86aが引張られ、係止体59aが図12の反時計回り方向へ回動させられる。この回動により係止ピン57aから切欠き64aが外れると、係止機構25aによる係止状態が解除される。ペダルプレート103から足を外すと、ねじりコイルばね104によって付勢されている操作ペダル99は元の状態に自動的に戻る。非常扉4側の脚部22bの動作については第2実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。このように本実施形態は、伝達機構82aの構成が異なるものの、第2実施形態と同様の作用及び効果を奏する。この作用及び効果の中には、「使用時に脚部22a,22bを使用位置に確実に係止し、転倒シート6を他のシート5と同様に使用できる。」ことも含まれる。
【0055】
(第4実施形態)
次に、第1、第2及び第4の発明を具体化した第4実施形態を図13に従って説明する。本実施形態は、伝達機構82aとして、リンク機構に代えてカム機構を用いている点が第2実施形態と異なる。詳しくは、ロックプレート61a,62aの前部には、斜面111,112を有する山形状のカム部109が形成されている。基部101に挿通されたL型ピン105の前部は溶接等の手段によって固着されており、両者101,105が一体となっている。L型ピン105の後端部は操作ペダル99側へ曲げ形成され、その上には前記斜面111,112上を転動するローラ113が取付けられている。
【0056】
上記構成によると、操作ペダル99が踏込まれていない状態では、ローラ113がカム部109の斜面111またはそれよりも上側の箇所に当接する。操作ペダル99が踏込まれるとローラ113が下がり、ロックプレート62aが後方へ押され、係止体59aが図13の反時計回り方向へ回動させられる。この回動により係止ピン57aから切欠き64aが外れると、係止機構25aによる係止状態が解除される。操作ペダル99を踏込んだままで背もたれ部14の上部を前方へ押すと、脚部22aが上方へ傾動させられ、同脚部22aが使用位置から転倒位置へ切替えられる。このとき、係止体59aはローラ113から上方へ離間し、ねじりコイルばね67aによって時計回り方向へ回動させられてもとの状態に戻る。ペダルプレート103から足を外すと、ねじりコイルばね104によって付勢されている操作ペダル99と、L型ピン105を介して同操作ペダル99と一体になっているローラ113とが、元の状態に自動的に戻る。
【0057】
脚部22aを使用位置に復帰させるには、背もたれ部14を押し下げて脚体17を下方へ傾動させる。カム部109の斜面112がローラ113に当接した状態で脚体17が下方へ傾動させられると、ローラ113によってロックプレート62aが後方へ押され、係止体59aが反時計回り方向へ回動させられる。カム部109のローラ113との当接箇所が斜面112から斜面111に変わると、係止体59aの回動方向が時計回り方向に切替わる。その後、切欠き64aが係止ピン57aに係合し、脚部22aが係止体59aによって脚台21aに傾動不能に係止される。なお、非常扉4側の脚部22bの動作については第2実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0058】
従って、本実施形態は第2実施形態と同様の効果を奏するほか、脚部22aを転倒位置から使用位置に切替えるのに、背もたれ部14を押し下げるという非常に簡単な操作を行うだけでよい。使用位置への切替え操作を行う毎に操作ペダル99を踏込まなくてもよい。また、脚部22aの転倒位置から使用位置への切替えや、その逆の切替えに際してはローラ113がカム部109上を転動する。このときローラ113とカム部109との間で生ずる摩擦は小さいので、カム機構を用いたことによる、切替え操作に要する荷重の増大を極力少なくできる。
【0059】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
【0060】
(1)第1実施形態での操作部68を、シート本体7に代えて、脚部22a,22b、側壁2、非常扉4、床19等に設けてもよい。また、第2乃至第4実施形態での操作部68を、通路16側の脚台21aに代えて、非常扉4側の脚台21b、側壁2、非常扉4、床19等に設けてもよい。
【0061】
(2)第1実施形態での操作レバー76の傾動方向を変更してもよい。例えば、操作レバー76をシートフレーム8に対し、水平方向への傾動可能に支持してもよい。
【0062】
(3)操作部68の数は1つに限らず、複数であってもよい。例えば、脚体17,18毎に、操作部68が設けられてもよい。
【0063】
(4)本発明は、非常口が設けられ、かつその非常口の近傍にシートが設置されているタイプの乗り物であれば、バスに限らず広く適用できる。また、本発明は、ホール等において非常口近くに設置されるシートにも適用可能であり、さらに車両の床面に設けられた点検口の近くに設置されるシートにも適用できる。
【0064】
(5)第1乃至第3実施形態において、ロックプレート61a,61b,62aの切欠き64a,64b近傍の形状を工夫する。すなわち、背もたれ部14を押し下げる過程で、係止体59a,59bが係止ピン57a,57bに接触しながら回動させられるような形状にする。このようにすると、脚部22a,22bを転倒位置から使用位置に切替える際の操作レバー76や操作ペダル99の操作が、第4実施形態と同様に不要となる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本各発明によれば、非常扉の開閉状態にかかわりなく、いつでも係止機構による脚部の係止状態を解除することができる。また、使用時には脚部を使用位置に確実に係止しておき、その係止状態が不用意に解除されるのを防止することができる。
【0067】
請求項2の発明によれば、上述の本各発明の効果に加えて、操作レバーに力を加えて傾動させるという簡単な操作で、係止機構による脚部の係止状態を解除することができる。また、操作レバーから力を抜くことによって、同操作レバーを元の位置に自動的に復帰させることができる。
【0068】
請求項1の発明によれば、上述の本各発明の効果に加えて、操作ペダルを踏込んで傾動させるという簡単な操作で、係止機構による脚部の係止状態を解除できる。しかも、その操作ペダルを踏込んだ足等を、脚部の傾動に合わせて上げたり下げたりしなくてすみ、操作性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における転倒シート及びその周辺部分を示す側面図である。
【図2】図1の転倒シートを後方から見た斜視図である。
【図3】図1の転倒シートの下部構造を示す側面図である。
【図4】通路側の係止機構及びその周辺部分を示す斜視図である。
【図5】操作部の一部切欠き斜視図である。
【図6】通路側の脚台等の斜視図である。
【図7】非常口側の係止機構及びその周辺部分を示す斜視図である。
【図8】図2のVIII−VIII線断面図である。
【図9】脚部が転倒位置まで傾けられたときの転倒シートの下部構造を示す側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態における操作部及びその周辺部分を示す斜視図である。
【図11】通路側の脚体及び操作部を図10のX方向から見た部分側面図である。
【図12】本発明の第3実施形態における操作部及びその周辺部分を示す斜視図である。
【図13】本発明の第4実施形態における操作部及びその周辺部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 側壁
3 非常口
4 非常扉
6 転倒シート
7 シート本体
16 通路
19 床
21a,21b 脚台
22a,22b 脚部
25a,25b 係止機構
39a,39b,98 軸
68 操作部
73 軸としてのピン
76 操作レバー
78 一方の画定部材を構成する上部ストッパ
79 他方の画定部材を構成する下部ストッパ
81 弾性部材としての引張りコイルばね
82a,82b 伝達機構
94 ペダル台
99 操作ペダル
Claims (2)
- 乗り物における非常用シートであって、
シート本体と、
前記乗り物の床に固定される脚台と、
前記シート本体の下部に固定されるとともに軸により前記脚台に連結され、シート本体を使用状態に支持する使用位置と、同シート本体を前記使用位置よりも前方へ傾けた状態に支持する転倒位置との間で傾動する脚部と、
前記脚部の後端部分に設けられ、該脚部を使用位置に係止する係止機構と、
前記係止機構による脚部の係止状態を解除すべく操作可能に設けられた操作部と、
前記脚部を転倒位置に付勢するねじりコイルばねと、
前記係止機構の前方に設けられ、前記ねじりコイルバネの付勢力に抗して前記脚部を使用位置に保持する第1保持機構と
を備え、
前記操作部は、前記脚部から離間した箇所に固定されたペダル台と、軸により前記ペダル台に傾動可能に支持された操作ペダルとを備えるものである
ことを特徴とする非常用転倒シート。 - 乗り物における非常用シートであって、
シート本体と、
前記乗り物の床に固定される脚台と、
前記シート本体の下部に固定されるとともに軸により前記脚台に連結され、シート本体を使用状態に支持する使用位置と、同シート本体を前記使用位置よりも前方へ傾けた状態に支持する転倒位置との間で傾動する脚部と、
前記脚部の後端部分に設けられ、該脚部を使用位置に係止する係止機構と、
前記係止機構による脚部の係止状態を解除すべく操作可能に設けられた操作部と、
前記脚部を転倒位置に付勢するねじりコイルばねと、
前記係止機構の前方に設けられ、前記ねじりコイルバネの付勢力に抗して前記脚部を使用位置に保持する第1保持機構と
を備え、
前記操作部は、軸により傾動可能に支持された操作レバーと、前記操作レバーの傾動範囲を画定する一対の画定部材と、前記操作レバーを、一方の画定部材に当接させる方向へ常に付勢する弾性部材とを備えるものであり、
前記操作レバーは、前記シート本体を構成するシートフレームに取り付けられたものである
ことを特徴とする非常用転倒シート。
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