JP3623330B2 - 2サイクルエンジンのシリンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、可搬式作業機等に用いられる比較的小型の2サイクルガソリンエンジンに好適なシリンダに係り、特に、排ガス中の有害成分を低減させるべく、ループ掃気式をとる左右一対の掃気通路の特定部位の形状を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、大気汚染の元凶とされる排ガスは、工場で使用されるボイラーや自動車に搭載されたエンジンから排出されるものが大部分を占めており、それらの排ガス中に含まれる有害成分、すなわち、NOx(燃料の燃焼成分),CO(燃料の不完全燃焼成分),HC(燃料の未燃成分)等を低減させる方策が現在種々試みられている。
【0003】
それに対し、可搬式作業機等に用いられる比較的小型(総排気量が225cc程度以下)の汎用2サイクルガソリンエンジンでは、その排気量が小さいことから以前はさほど問題とされていなかったが、最近においては、環境問題の高まりから、かかる小型汎用2サイクルガソリンエンジンについても、それから排出される排ガス中の有害成分の低減化が強く要請されてきており、例えば、アメリカ合衆国のカリフォルニア州における排ガス規制法案、所謂カーブ(CARB)1999では、西暦1999年からは、COを130g/bhp−h 以下、トータルHC(THC)を50g/bhp−h 以下、NOxを4g/bhp−h 以下に低減することが求められている。
【0004】
このような排ガス規制に対拠するため、例えば、エンジンの燃焼室やシリンダの吸排気ポートや掃気通路の形状等を改善したり、排気系に酸化触媒等の排ガス浄化手段を配設する等、これまでにも様々な提案がなされているが、未だ充分に満足できる成果は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記した如くの、従来のガソリンを燃料とする小型汎用2サイクルエンジンにあっては、それから排出される排ガスに含まれる有害成分のうち、NOx及びCOの低減化については、排気系の改善や空燃比を最適化すること等によりある程度の目処がついているが、HCの低減化、言い換えれば、燃料が燃焼に供されることなく排気ポートから排出される、いわゆる新気の吹き抜けの低減化については、要求を十分に満たす有効な対策が見当たらないのが現状である。
【0006】
かかる点に鑑み本発明は、大きな改造を施すことを要しないで、新気の吹き抜けを有効に防止し、エンジン性能を向上せしめるとともに、排ガス中のHC成分の低減化を効果的に図ることができるようにされた2サイクルエンジンのシリンダ、及び該シリンダのコストアップにはつながらない合理的な加工手段を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するべく、本発明の発明者等は、小型汎用2サイクルエンジンの掃気通路に着目し、該掃気通路における、新気吹き出し側で吸気ポート側の端部内壁面が形成する外側水平掃気線とシリンダ内壁面との交点を含むエッジ部に特定の加工処理を施したものである。
【0008】
本発明の具体的な構成は、2サイクルエンジンのシリンダが、前記左右一対の掃気通路における、新気吹き出し側で前記吸気ポート側の端部内壁面が形成する左右一対の外側水平掃気線とシリンダ内壁面との交点を含むエッジ部を除去して、新たに形成される新生壁面と前記シリンダ内壁面との境界点となる掃気噴出始点を前記交点より前記吸気ポート側に所定距離以上近づけ、前記掃気通路の上端部の天面が、前記吸気ポート側の前記シリンダ内壁面へ向けて所定角度上向きに傾斜したものである。
【0009】
より具体的には、前記エッジ部が除去されて形成された新生壁面及び前記天面は、前記シリンダ内壁面及び前記掃気通路の他の内壁面より粗く仕上げられる。
【0010】
このような構成とされた本発明に係るシリンダを備えた2サイクルエンジンにおいては、前記エッジ部が横断面で見て所定面積以上面取り除去されて、掃気噴出始点が吸気ポート側に近づけられることにより、前記左右一対の掃気通路から噴出せしめられる掃気流の流速が高められて、排気ポートから吹き抜ける新気の量、いわゆる吹き抜け損失が大幅に減少し、かつ、新生壁面が前記シリンダ内壁面及び前記掃気通路の他の内壁面より粗く仕上げられることにより、混合気の拡散効果が高められて燃料の霧化が促進されるとともに、シリンダの冷却効果も高められ、排気ポートから排出される排ガス中の未燃成分であるHCが著しく低減されることが確認された。
【0011】
この場合、混合気の吹き抜け損失が減少することから、出力特性が向上するとともに、燃料の節減にもなり、また、エッジ部を除去するだけでよいので、コストアップにはつながらない。
【0012】
なお、本発明のシリンダにおいては、前記エッジ部が横断面で見て所定面積以上面取り除去されて、前記掃気噴出始点が前記交点より前記吸気ポート側に所定距離以上近づけられるが、該距離は、エンジンの排気量やシリンダボア径等の仕様に応じて定められる。具体的には、例えば、排気量が25cc以下の場合、3mm以上近づけることが好ましい。この場合、前記距離が短いと前記吹き抜け損失が顕著には低減されず、前記距離が過度に長いと、摺接面積が不足してシリンダ内壁面に対するピストン(ピストンリング)の摺動及び気密性が損なわれるおそれがある。
さらに、本発明に係るシリンダの好ましい態様では、前記エッジ部を電解加工により面取り除去して前記新生壁面を形成するようにされる。
【0013】
ここで、一般に、前記した如くの小型空冷2サイクルガソリンエンジンのシリンダは、アルミニュウム合金ダイキャスト等の鋳物製とされ、鋳造後、内壁面をメッキ処理する前に、ピストンを傷つけるおそれのある前記エッジ部のバリ取りを機械加工あるいは電解加工により行っているが、本発明のシリンダは、前記バリ取りの加工範囲(通常は、0.1〜0.2mm程度のアールもしくは面取り)を通常より若干広げること、つまり、前記エッジ部を除去する範囲(横断面積及び深度)を広げることにより得られる。
【0014】
特に、前記バリ取りを電解加工により行い、その加工範囲を広げるようにした場合、前記エッジ部が除去されて形成された新生壁面は、本来のシリンダ内壁面や掃気通路の他の内壁面より自動的に粗く仕上げられる。このように粗く仕上げられた新生壁面は、前記したように、混合気の拡散効果を高める。
【0015】
したがって、前記のように電解加工により前記エッジ部を除去するようになせば、前記新気の吹き抜け損失の低減効果及び混合気の拡散効果が顕著に得られるシリンダを、特別な追加工程を必要とせずに、コストアップを招くことなく合理的に製作することができる。
【0016】
なお、前記新生壁面を粗く仕上げる場合、その表面粗さは10μ以上で30μ以下の範囲内であることが望ましく、前記表面粗さが小さ過ぎると前記拡散効果がさほど得られず、前記表面粗さが大き過ぎると掃気流が大きく乱されるおそれがある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る2サイクルエンジンのシリンダの一実施形態の横断面図、図2は、図1に示されるシリンダの縦断面図、図3は、図2のIII矢印方向から見た掃気通路部分図、図4は、図1のIV部の拡大図である。説明の都合上、図1では、各ポート及び通路が同一レベルにあるものとして示し、図4では、各部を適宜に誇張ないし簡略化して示した。
【0018】
図示のシリンダ1は、ピストンバルブ式クランクケース予圧縮形2サイクルエンジン用のものであり、ピストンが嵌挿される円柱状の内壁面5を有するブロック部分2と、スキッシュドーム形と呼ばれる燃焼室7が設けられたヘッド部分3と、が一体的に形成されており、その外周部には多数の冷却フィン12が形成され、また、前記燃焼室7には点火プラグ装着ねじ穴8が形成されている。
【0019】
前記ブロック部分2には、吸気ポート14及び排気ポート16が段違いで向かい合うように開口せしめられるとともに、前記排気ポート16をその左右幅方向の中央で二分割する縦断面F(前記シリンダ1の軸心線を通る垂直面)を挟んで対称的にループ掃気式(シュニューレ掃気式)をとる左右一対の掃気通路20,20が対向して設けられている。
【0020】
また、該左右一対の掃気通路20,20は、前記排気ポート16側の端部内壁面20a,20aの内方端にポケット状内壁面20c,20cが形成されるとともに、延長壁部20d,20dが設けられていて、その新気吹き出し側(図2で見て上端部)で前記排気ポート16側の端部内壁面20a,20aの延長線とされる内側水平掃気線a,bが形成する交点Pでの交差角である内側水平掃気角αが80度前後とされ、かつ、前記新気吹き出し側で前記吸気ポート14側の端部内壁面20b,20bの延長線とされる外側水平掃気線c,dが形成する交点Qでの交差角である外側水平掃気角βが85度前後とされており、前記交点Qは、前記シリンダ内壁面5より外側の前記縦断面F上に位置するようにされている。
【0021】
そして、前記構成に加え、本実施形態の前記シリンダ1では、図4に図1の右側の掃気ポート20の前記交点K周辺(IV部)が代表して拡大図示されている(左側の掃気ポート20の対応部分も同一構成)ように、前記左右一対の掃気通路20,20における、前記新気吹き出し側で前記吸気ポート14側の端部内壁面20b,20bが形成する左右一対の外側水平掃気線c,dと前記シリンダ内壁面5との交点K,Kを含むエッジ部E,Eが、横断面で見て図2及び3の鎖線ハッチングが施されている領域分が若干幅広く面取り除去され、新たに形成された新生壁面20e,20eと前記シリンダ内壁面5との境界点となる掃気噴出始点J,Jが前記交点K,Kより前記吸気ポート14側に所定距離以上近づけられている。
【0022】
より詳細に述べれば、本実施形態のシリンダ1は、アルミニュウム合金ダイキャスト等の鋳物製とされ、従前より、鋳造後、その内壁面をメッキ処理する前に、ピストンを傷つけるおそれのある前記エッジ部E,Eのバリ取りを電解加工により行っているが、それを延長して、前記バリ取りの加工範囲(通常は、排気量21cc程度用のシリンダで0.1〜0.2mm程度のアールもしくは面取り)を若干広げること、つまり、前記エッジ部E,Eを除去する範囲を前記鎖線ハッチングが施された領域まで幅を広げることにより得られたものである。
【0023】
具体的には、本実施形態のシリンダ1は、排気量21cc程度用のものであり、ボア径が約34mm程度とされ、前記交点K,Kと前記新生壁面20e,20eとの離隔距離hが0.15mm程度で、前記交点K,Kから下した垂線と前記新生壁面20e,20eとの交点Mから前記掃気噴出始点J,Jまでの長さLa、及び前記新生壁面20e,20eと前記端部内壁面20bとの境界点Gから前記交点Mまでの長さLbがそれぞれ約3mm程度とされ、従って、前記掃気噴出始点J,Jは、前記シリンダ内壁面5の周方向で計って前記交点K,Kより吸気ポート14側へ約3mm強近づけられている。
【0024】
前記に加え、前記エッジ部E,Eが前記電解加工により面取り除去されて形成された前記新生壁面20e,20eは、前記シリンダ内壁面5及び前記掃気通路20,20の他の内壁面20a,20b,20cより粗く仕上げられている。
具体的には、その表面粗さ(凹凸の最大高さ)が10μ〜30μ程度とされている(前記シリンダ内壁面5及び前記掃気通路20,20の他の内壁面20a,20b,20cの表面粗さは、3μ程度)。
【0025】
なお、本実施形態においては、図3を参照すればよくわかるように、前記掃気通路20,20の上端部の天面20f,20fは、前記吸気ポート14側のシリンダ内壁面5へ向けて斜め上に向くように所定角度θ、具体的には横断面(水平面)に対して5度〜7度上向きに傾斜せしめられており、この天面20f,20fの前記新生壁面20e,20e側の端部も前記電解加工により粗く仕上げられている。
【0026】
このような構成とされた本実施形態のシリンダ1(本発明品)を備えた2サイクルエンジンを実際に試作して、前記エッジ部E,Eが除去されていない(従来一般的なバリ取りのみの)、その他の部分は本発明品と同一構成のシリンダ(従来品)を備えた2サイクルエンジンとの比較実験を行ったところ、図5及び図6に示される如くの結果が得られた。
【0027】
すなわち、図5及び図6は、それぞれ横軸に排ガス中のCO濃度(単位時間当たりの燃料消費量に相当する)をとり、縦軸に、それぞれエンジン出力及び排ガス中に含まれるTHC(排出量)を、前記従来品におけるCO濃度が4%のときの平均値を約100として指数で表したもので、この図4及び図5を参照すれば明らかなように、本発明品では、従来品に比して、エンジン出力が5〜10%程度向上し、また、THC排出量が10%以上減少した。このように、本発明品のシリンダ1は、前記エッジ部E,Eを電解加工により従来より若干広く面取り削除しただけでありながら、従来品との性能差は歴然としたものとなった。
【0028】
その理由としては、前記エッジ部E,Eが横断面で見て所定面積以上面取り除去されて、掃気噴出始点J,Jが吸気ポート14側に近づけられていることにより、特に、ピストンが前記左右一対の掃気通路20,20を開き始める掃気開始時において、前記左右一対の掃気通路の上端隅部に面取りにより形成されたごくわずかな隙間から噴出せしめられることにより、最初に吹き出す掃気流の流速が大幅に高められるとともに、そのジェット噴流による巻き込み効果による大きな惰性が掃気流に付与され、その結果、シュニューレ式反転掃気が完全に行われて、排気ポート16から吹き抜ける新気の量、いわゆる吹き抜け損失が大幅に減少し、しかも、新生壁面20e,20eが前記シリンダ内壁面5及び前記掃気通路20,20の他の内壁面20a,20b,20cより粗く仕上げられていることにより、混合気の拡散効果が高められて燃料の気化が促進されるとともに、シリンダ1の冷却効果も高められ、燃焼状態が理想的となって、前記排気ポート16から排出される排ガス中の未燃成分であるHCが著しく低減される、ということが考えられる。
【0029】
この場合、混合気の吹き抜け損失が減少することから、出力特性が向上するとともに、燃料の節減にもなり、また、エッジ部を除去するだけでよいので、コストアップにはつながらない。
前記に加え、前記エッジ部の除去を、従来から行われている電解バリ取り加工により行うようにしているので、前記エッジ部E、Eが除去されて形成された新生壁面20e,20eは、シリンダ内壁面5や掃気通路の他の内壁面20a,20b,20cより自動的に粗く仕上げられる。この粗く仕上げられた新生壁面20e,20eは、前記したように、混合気の拡散効果を高める。
【0030】
したがって、前記のように電解加工により前記前記エッジ部E、Eを除去するようになせば、前記した新気の吹き抜け損失の低減効果及び混合気の拡散効果が顕著に得られるシリンダ1を、掃気ポート部のバリ取り処理を利用することにより追加工程を必要とせずに、コストアップを招くことなく合理的に製作することができる。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱することなく設計において種々の変更ができるものである。
本実施の形態の説明上は、簡便に実施できる電解処理による面取りの例を挙げたが、レーザー照射処理を採用することにより、面取り処理範囲、処理面の粗さ等を、正確に所望値に一致させることが可能であり、一層好適である。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明に係る2サイクルエンジンのシリンダは、既存シリンダのエッジ部を横断面で見て所定面積以上面取り除去するという簡単な構成を付加しただけでありながら、新気の吹き抜け損失を大幅に減少でき、また、新生壁面を他の部分より粗く仕上げるだけで混合気の拡散効果が顕著に得られ、それによって、排ガス中のHC成分を著しく低減できるとともに、出力特性も格段に向上でき、しかも、コストアップにはつながらないという優れた効果を奏する。
【0033】
また、電解加工により前記エッジ部を除去するようになせば、前記した新気の吹き抜け損失の低減効果及び混合気の拡散効果が顕著に得られるシリンダを、追加工程を必要とせずに、コストアップを招くことなく合理的に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2サイクルエンジンのシリンダの一実施形態の横断面図。
【図2】図1に示されるシリンダの縦断面図。
【図3】図2のIII矢印方向から見た掃気通路部分図。
【図4】図1のIII 部の拡大図。
【図5】図1に示される本発明品のシリンダを備えた2サイクルエンジンと、従来品のシリンダを備えた2サイクルエンジンと、のエンジン出力の比較実験結果を示すグラフ。
【図6】図1に示される本発明品のシリンダを備えた2サイクルエンジンと、従来品のシリンダを備えた2サイクルエンジンと、のTHC排出量の比較実験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 シリンダ
5 シリンダ内壁面
14 吸気ポート
20 掃気通路
20b 端部内壁面
20e 新生壁面
20a,20c 掃気通路の内壁面
F 縦断面
K 交点
E エッジ部
J 掃気噴出始点
h 離隔距離
c,d 外側水平掃気線

Claims (5)

  1. 吸気ポート(14)を二分割する縦断面(F)を挟んで対称的に前記吸気ポート(14)側へ向けてループ掃気式をとる左右一対の掃気通路(20,20)が対向して設けられた2サイクルエンジンのシリンダであって、
    前記左右一対の掃気通路(20,20)における、新気吹き出し側で前記吸気ポート(14)側の端部内壁面(20b)が形成する左右一対の外側水平掃気線(c,d)とシリンダ内壁面(5)との交点(K,K)を含むエッジ部(E,E)を除去して、新たに形成される新生壁面(20e,20e)と前記シリンダ内壁面(5)との境界点となる掃気噴出始点(J,J)を前記交点(K,K)より前記吸気ポート(14)側に所定距離以上近づけ、
    前記掃気通路(20,20)の上端部の天面(20f,20f)は、前記吸気ポート(14)側の前記シリンダ内壁面(5)へ向けて所定角度(θ)上向きに傾斜し、
    前記エッジ部(E,E)が除去されて形成された新生壁面(20e,20e)及び前記天面(20f,20f)は、前記シリンダ内壁面(5)及び前記掃気通路(20,20)の他の内壁面(20a,20b,20c)より粗く仕上げられていることを特徴とする2サイクルエンジンのシリンダ。
  2. 前記掃気噴出始点(J,J)が前記交点(K,K)より前記吸気ポート(14)側に3mm以上近づけられていることを特徴とする請求項に記載の2サイクルエンジンのシリンダ。
  3. ボア径が34mm以下のシリンダ(1)において、前記交点(K,K)と前記新生壁面(20e,20e)との離隔距離(h)が0.3mm以上で0.4mm以下の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2サイクルエンジンのシリンダ。
  4. 前記新生壁面(20e)の表面粗さが10μ以上で30μ以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の2サイクルエンジンのシリンダ。
  5. 前記エッジ部(E,E)を電解加工により面取り除去して前記新生壁面(20e,20e)を形成することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の2サイクルエンジンのシリンダ。
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