JP3622831B2 - 車両用カップホルダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車室内でドリンク缶等を収容できる車両用カップホルダに係り、特に、ドリンク缶等の収容操作を円滑に行なうことができ、かつ使用時においては、急発進,急停車等の運転操作によっても倒れることがなく、安定した収容が可能な車両用カップホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、車室内には、使い勝手を考慮して、ドリンク缶等を収容できるカップホルダが設置されている。例えば、図5に示すように、ドアトリム1のドアポケット2のフロント側縁部には、ドアポケット2の開口2aの奥行寸法に比べ、ドリンク缶Pを挿入するために、大径でかつ略円形の開口3aを備えたホルダ部3が設定されており、車両走行中の急発進,急停車,急ハンドル等によりドリンク缶Pがホルダ部3内部で倒れることを防止するために、ガイドリブ4がホルダ部3の内壁面に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ガイドリブ4を備えたホルダ部3をドアトリム1やその他内装部品に設定してなる従来の車両用カップホルダにおいては、収容するドリンク缶Pを安定して保持するために、ホルダ部3の内壁面に形成されるガイドリブ4は、ドリンク缶Pの挿入方向に対して直交する方向に設定されているため、ドリンク缶Pの挿入時にドリンク缶Pの底部がガイドリブ4に突き当たり、ドリンク缶Pの挿入性に支障を来すという問題点が指摘されている。
【0004】
また、ドリンク缶Pの収容保持状態においては、ドリンク缶Pの外周面とガイドリブ4の端縁4aの一部が当接して支持機能を果たしているが、通常、ドリンク缶Pは縦長状であり、その一部を横方向に沿う短い当接ラインで保持するため、確実な保持が得られにくく、急発進,急停車,急カーブ等の激しい運転操作では、例えばドリンク缶Pの上部あたりをガイドリブ4により支持しているだけで、ドリンク缶Pの中央部や下部においての保持が弱いため、倒れなくてもガタツクことが考えられ、車両用カップホルダにドリンク缶Pを確実に保持できる保持機能を付与することが切望されていた。
【0005】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ドアトリム等の内装部品にホルダ部を設置してなる車両用カップホルダにおいて、ドリンク缶等の挿入が円滑に行なえるとともに、収容後は縦長状のドリンク缶の外表面を上下均等に保持することができ、急激な運転操作によってもグラツクことがなく、確実な保持を可能にした車両用カップホルダを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ドリンク缶を収容するホルダ部を内装部品に設けた車両用カップホルダにおいて、前記ホルダ部は、略円形で大型のホルダ開口を備えているとともに、上記ホルダ部の内壁面には、ドリンク缶の挿入方向に対して斜め方向に設定したガイドリブが設けられており、ドリンク缶の収容時、ドリンク缶の底部がガイドリブ面上を滑り落ち、ホルダ部内に収容され、収容された後は、ドリンク缶の外表面とガイドリブとが上下方向に沿って長い当接ラインで当接することにより、ドリンク缶がガイドリブに保持されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記ガイドリブは、ホルダ部のフロント側内壁面には、リヤ側に向けて斜め下方向に沿うフロント側ガイドリブと、ホルダ部のリヤ側内壁面には、フロント側に向けて斜め下方向に沿うリヤ側ガイドリブとから構成されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、車両用カップホルダは、ドアトリムのドアポケットや、コンソールボックス等にドリンク缶を収容できるスペースを備えたホルダ部を設けるタイプでも、また、内装部品に組み付けるタイプのカップホルダのいずれでも適用できる。
【0009】
従って、請求項1に記載の発明によれば、ホルダ部の内壁面にはドリンク缶の挿入方向に対して斜め方向に沿ってガイドリブが形成されているため、ドリンク缶をホルダ部内に挿入する時、ドリンク缶の底部がガイドリブに突き当たっても、ガイドリブが下方向に沿って傾斜しているため、ドリンク缶の底部がガイドリブ上を滑り落ち、ホルダ部内にドリンク缶を手際良く収容できる。
【0010】
また、ドリンク缶の収容状態においては、ガイドリブが上下方向に沿って延びているため、細長状のドリンク缶の上下方向に亘り広範囲の当接ラインで保持することができ、ドリンク缶の一部を水平方向に保持する従来のガイドリブ構造のものに比べ、ドリンク缶が倒れにくい構造となる。
【0011】
更に、請求項2に記載の発明によれば、ホルダ部の内壁面には、フロント側及びリヤ側にそれぞれガイドリブが設けられているため、ホルダ開口に対してフロント側及びリヤ側のいずれからでもドリンク缶を収容することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用カップホルダの実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
尚、本実施形態は、ホルダ部をドアトリムのドアポケットのフロント側に設置した実施形態について適用したもので、図1はドアポケットを備えたドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムにおけるドアポケットの要部を示す斜視図、図3はホルダ部の平面図、図4はホルダ部における別実施形態を示す正面図である。
【0014】
図面において、ドアトリム10は、ドアトリムアッパー11とドアトリムロア12との上下2分割体から構成されており、外観上のアクセント効果を付与するために、ドアトリムアッパー11は、樹脂芯材表面に表皮材を貼着してなる貼合せ成形体から構成するとともに、ドアトリムロア12は、PP樹脂等の合成樹脂の射出成形体から構成されている。
【0015】
ところで、本発明の特徴は、ドアトリム10におけるドアトリムロア12に設けられるドアポケット20に連設されるホルダ部30の使い勝手を高めることにある。
【0016】
すなわち、ドアポケット20は、道路マップ等を収納し、室内側へのマップの倒れ込みを防止するために、ポケット用開口21は奥行寸法を大きく設定できないが、このポケット用開口21と連通してホルダ部30のホルダ開口31がドリンク缶Pを収容できる略円形の大型の開口31として開設されている。
【0017】
更に、本発明に係るホルダ部30においては、ホルダ部30の内壁面にプレート状のガイドリブ32が一体に形成されているが、本実施形態においては、このガイドリブ32はドリンク缶Pの挿入方向に対して斜め方向に設定されている。
【0018】
従って、乗員がドリンク缶Pをホルダ部30内に収容する際、図2に示すように、後方側からドリンク缶Pを収容操作するが、ホルダ開口31からラフにドリンク缶Pを挿入しても、ドリンク缶Pの底部がガイドリブ32上に突き当たり、ガイドリブ32が下方向に傾斜しているため、ガイドリブ32面上をドリンク缶Pの底部が滑り落ち、手際良くドリンク缶Pをホルダ部30内に収容することができる。
【0019】
よって、従来の水平状のガイドリブのように、ドリンク缶Pの底部がガイドリブに突き当たり、ドリンク缶Pの収容操作の支障になることがなく、使い勝手を高めることができる。
【0020】
また、ドリンク缶Pをホルダ部30内に収容した状態においては、図2,図3に示すように、ガイドリブ32とドリンク缶Pの外表面との当接部33は、上側当接部aから下側当接部bにかけてドリンク缶Pの上下方向に沿って長い当接ラインでドリンク缶Pを保持することができ、従来のようにドリンク缶Pの一部を水平状に保持する構造のものに比べ、保持ラインが長く、かつ上下に細長状のドリンク缶Pの上下に亘って保持できるため、急発進,急停車,急ハンドル等、急激な運転操作によってもグラツいたりすることがなく、ドリンク缶Pの確実な保持を可能にする。
【0021】
次いで、図4は、本発明に係る車両用カップホルダの別実施形態を示すもので、ホルダ部30の内壁面のフロント側には、リヤ側に向けて下方に傾斜するフロント側ガイドリブ32aが設けられており、また、ホルダ部30の内壁面のリヤ側には、フロント側に向けて下方に傾斜するリヤ側ガイドリブ32bが設けられている。
【0022】
従って、ドリンク缶Pをホルダ部30内に収容する際、ホルダ開口31に対してフロント側から図4中矢印Aで示すように、フロント側ガイドリブ32aに沿って適正位置に収容できる一方、リヤ側から図4中矢印Bで示すように、リヤ側ガイドリブ32bに沿って適正位置に収容でき、しかもドリンク缶Pを収容した状態では、ドリンク缶Pの外周面を双方のガイドリブ32a,32bにより確実に当接支持でき、収容安定性にも優れるという付随的な効果がある。
【0023】
以上説明したホルダ部30の構成は、コンソールボックスやインストルメントパネルにホルダ部30を設置した場合にも適用することができ、また、内装トリム側に組み付け使用する組付けタイプのカップホルダについて適用することもできる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る車両用カップホルダは、以下に記載する格別の作用効果を有する。
【0025】
(1)請求項1に記載の発明によれば、ホルダ部の内壁面にドリンク缶の挿入方向に対して斜め方向にガイドリブを設置するという構成であるため、ドリンク缶をホルダ部内に収容する際、ホルダ開口にドリンク缶をラフに挿入しても、ガイドリブ上にドリンク缶の底部が突き当たれば、ドリンク缶はガイドリブ上を滑り落ち、適正位置へと円滑に収容することができ、ドリンク缶の挿入作業性を向上させることができるという効果を有する。
【0026】
(2)請求項1に記載の発明によれば、ホルダ部の内壁面にドリンク缶の挿入方向に対して斜め方向にガイドリブを設けるという構成であるため、ホルダ部内にドリンク缶を収容した状態においては、細長状のドリンク缶の外表面を上下に亘り長い当接ラインを介してドリンク缶を保持するというものであるから、急発進,急停車,急ハンドル等、急激な運転操作によっても、従来のようにドリンク缶が倒れることがないのは勿論、グラツクこともなく、確実なドリンク缶の保持が可能になるという効果を有する。
【0027】
(3)請求項2に記載の発明によれば、ホルダ部の内壁面には、フロント側及びリヤ側にそれぞれガイドリブが設けられているため、ホルダ開口に対してフロント側及びリヤ側のいずれからでもドリンク缶を収容することができるため、ドリンク缶の収容操作が容易に行なえるとともに、双方のガイドリブによりドリンク缶の外周面を支持できるため、収容安定性においても優れるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用カップホルダを適用した自動車用ドアトリムを示す正面図。
【図2】本発明に係る車両用カップホルダの一実施形態を示す斜視図。
【図3】図2に示すカップホルダの平面図。
【図4】本発明に係る車両用カップホルダの別実施形態を示す説明図。
【図5】従来の自動車用ドアトリムに設置したカップホルダの構成を示す説明図。
【符号の説明】
10 自動車用ドアトリム
11 ドアトリムアッパー
12 ドアトリムロア
20 ドアポケット
21 ポケット用開口
30 ホルダ部
31 ホルダ開口
32 ガイドリブ
32a フロント側ガイドリブ
32b リヤ側ガイドリブ
33 当接部
a 上側当接部
b 下側当接部
P ドリンク缶
Claims (2)
- ドリンク缶(P)を収容するホルダ部(30)を内装部品(10)に設けた車両用カップホルダにおいて、
前記ホルダ部(30)は、略円形で大型のホルダ開口(31)を備えているとともに、上記ホルダ部(30)の内壁面には、ドリンク缶(P)の挿入方向に対して斜め方向に設定したガイドリブ(32)が設けられており、ドリンク缶(P)の収容時、ドリンク缶(P)の底部がガイドリブ(32)面上を滑り落ち、ホルダ部(30)内に収容され、収容された後は、ドリンク缶(P)の外表面とガイドリブ(32)とが上下方向に沿って長い当接ラインで当接することにより、ドリンク缶(P)がガイドリブ(32)に保持されることを特徴とする車両用カップホルダ。 - 前記ガイドリブ(32)は、ホルダ部(30)のフロント側内壁面に突設され、リヤ側に向けて斜め下方向に沿うフロント側ガイドリブ(32a)と、ホルダ部(30)のリヤ側内壁面に突設され、フロント側に向けて斜め下方向に沿うリヤ側ガイドリブ(32b)とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用カップホルダ。
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