JP3622608B2 - 電子部品の製造方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリードフレームに電子素子等を実装してその全体が封止樹脂でモールドされてなる電子部品の製造方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6(A)(B)は水晶振動子の斜視図及びそのリードの説明図である。この水晶振動子1は、電子素子等が内蔵された樹脂モールド部2と、この樹脂モールド部2から突出したリード3とから構成されている。そして、樹脂モールド部2の底部にはリード3の先端側を収納するための凹部2aが設けられており、リード3は樹脂モールド部2の側部を囲むように底部側に折り曲げられており、リード3の先端部が凹部2aに収納されている。このときのリード3の根本はその曲げ角αが0〜10゜程度となるように内側に曲げる必要があった。このようにして、樹脂モールド部2及びリード3を含めた水晶振動子1の高さを低くして薄型化、小型化を図っている。しかし、リード3は上記のような形状になっているので、パンチを単純に上から降ろすいわゆる突き曲げではリード3のスプリングバック発生のため、このような形状を得ることができなかった。
【0003】
図7は上記のような水晶振動子のリードを折り曲げるためのカム機構の説明図である。このカム機構は、リードの最終段階の折り曲げのための機構であり(後述の図1の第3の折り曲げ加工に対応)、パンチプレート側に設けられたカムドライバー11と、ダイプレート側に回動自在に支持されて設けられたカムレバー12とから構成されている。カムドライバー11を下降させるとカムドライバー11の先端がカムレバー12と係合し、カムレバー12が内側に回動してリード3を内側に折り曲げる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のカム機構においては、電子部品の量産を行う場合には次のように問題点があった。
▲1▼部品形状が複雑であり、メンテナンスが難しい。カムレバー12及びレバーホルダー13の形状が複雑であり、特に、カムレバー12はピン孔14に対する形状が作り難いため、部品交換時に微調整が必要な場合が多い。
▲2▼カムレバー軸15が細く(機構上の制約から細くせざるを得ない)強度が弱い。また、その軸15はフリーになっており、カムレバー12の回動範囲も狭く一定であるため摩耗し易い。カムレバー軸15が摩耗すると、カムレバー12の位置がずれるため曲げ不良になる。
▲3▼カム機構(カムレバー)が下型ダイセット側にあり、樹脂モールド(パッケージの抜きかすが入り込み干渉し易く、折り曲げの精度に影響を与える。例えば抜きかすが下方に落ちないために、図7の右側に示されるカムレバー12の位置のまま止まって回動しなくなったり、或いは、図7の「A」の部分に大きな抜きかすが介在した場合にはカムレバー12が最終位置まで回動せず、リード3が所定位置まで曲がらなくなる。そして、この状態で次の工程に送られるために、部品を破壊、又は金型を破損させるなどの問題が発生していた。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、メンテナンスが易しく、且つ、折り曲げの精度が高い電子部品の製造方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の一つの態様に係る電子部品の製造方法は、電子素子を内蔵した樹脂モールド部と、樹脂モールド部から突出したリードとを備えた電子部品の製造方法において、前記リードの根元付近を上方に折り曲げると同時に、前記リードの根元付近にV字溝を形成し、且つ前記リードの第1の部分を折り曲げて第1の折り曲げ部を形成する第1工程と、前記V字溝の位置を折り曲げて第2の折り曲げ部を形成する第2の工程と、リードを斜め上方から圧下することにより第1の折り曲げ部及び第2の折り曲げ部を有するリードの先端部が樹脂モールド部の底部に配置されるように折り曲げる第3の工程とを少なくとも有する。リードの根元付近を折り曲げるときには、その部分にV字溝が形成されているので折り曲げがし易く、また、クレビスの発生を防止することができる。また、第3の工程においては、リードを斜め上方から圧下することにより第1の折り曲げ部及び第2の折り曲げ部を有するリードの先端部が樹脂モールド部の底部に配置されるように折り曲げるようにしたので、後述の図6の角度αが確保され、リードの先端が電子部品の底部側に高精度に折り曲げられる。
(2)本発明の他の態様に係る電子部品の製造方法は、上記(1)において、第1の折り曲げ部を形成すると同時に、リードを上方に傾斜させる。第1の折り曲げ部を形成すると同時にリードを上方に傾斜させるようにしたので、第1の折り曲げ部の折り曲げ角度が鋭角になり、リードの先端が電子部品の底部側に高精度に折り曲げられることになる。
(3)本発明の他の態様に係る電子部品の製造方法は、上記(1)又は)において、第1の折り曲げ部をリードの先端部と中間部との間に形成する。例えば第1の折り曲げ部の近傍を圧下して第2の折り曲げ部を形成する際には、圧下するリードの位置は根元付近から充分な距離があるため、第1の工程で形成された凹部に曲げ応力が集中し、リードが高精度に折り曲げられる。
)本発明の他の態様に係る電子部品の製造方法は、上記(1)〜()において、電子部品が水晶振動子であり、薄型の水晶振動子が実現できる。
【0007】
)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、電子素子を内蔵した樹脂モールド部と、樹脂モールド部から突出したリードとを備えた電子部品を製造するため電子部品の製造装置において、前記リードの根元付近を上方に折り曲げると同時に、前記リードの根元付近にV字溝を形成し、且つ第1の部分を折り曲げて第1の折り曲げ部を形成するための第1のベンディングパンチと、第1のベンディングパンチに対応して配置されてなる第1のベンディングダイと、前記V字溝の位置を折り曲げて第2の折り曲げ部を形成するための第2のベンディングパンチと、第2のベンディングパンチに対応して配置されてなる第2のベンディングダイと、リードを斜め上方から圧下することにより第1の折り曲げ部及び第2の折り曲げ部を有するリードの先端部が樹脂モールドの底部に配置されるように折り曲げるための第3のベンディングパンチとを少なくとも有する。第3のベンディングパンチが上型側に設置されることになるので、抜きかすの影響を受けることが極めて少ない。また、ベンディングパンチの内壁の角度をリードのスプリングバック量を考慮して設定することで、曲げ精度を確保することができる。
)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記()において、
第1の折り曲げ部をリードの先端部と中間部との間に形成するために、第1のベンディングパンチと第1のベンディングダイが配置されてなる。これらにより第1の折り曲げ部が形成される。
)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記(又は(6)において、第3のベンディングパンチはリード部と接する部分が曲面形状に形成されており、リード面に疵が付くのが避けられる。
)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記()又は()において、第1のベンディングダイには前記リードの根元付近にV字溝を形成するための突起部が形成されてなる。第1のベンディングダイの突起部によりV字溝を形成する。
)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記()において、
突起部の高さは、電子部品に形成されてなるリードの厚さの1/3〜1/2の範囲に形成されており、リードの凹部の強度が保持されている。
10)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記()又は()において、突起部はその頂点の角度が60゜〜80゜の範囲で形成される。リードの凹部が第2の折り曲げ部を形成した後にも閉じない大きさになり、リードの先端を電子部品の底部側に折り曲げる際の折り曲げが高精度になされる。
(1)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記()〜(1)において、第1及び第2のベンディングダイは、少なくとも一部がリードの根元付近と接するように形成されてなる。リードの根元付近と接するように形成されており、リードの折り曲げが安定してなされる。
(1)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記()において、第3のベンディングパンチはカムドライバーにより制御されてなる。カムドライバーが上型側に取り付けられることになるので、抜きかすの影響を受けることが極めて少ない。
(1)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記()において、
第3のベンディングパンチは、垂直方向に対して所定の角度傾斜した面を有する。本発明によれば第3のベンディングパンチは、垂直方向に対して所定の角度傾斜した面を有し、ベンディングパンチの摺動面を広く設定することができるため、偏摩耗による部品の交換頻度は少なく、メンテナンスが容易である。また、従来のようにレバー軸を必要としない構造となっていることから、極端に寿命の短い部品が無く、この点からもメンテナンスを行う頻度が少なくてすむ。
(1)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記()〜(1)において、電子部品の長軸方向に形成されたリードを折り曲げるように、各ベンディングパンチと各ベンディングダイが形成されてなる。リードが長軸方向に形成された電子部品に本発明を適用することができる。
15)本発明の他の態様に係る電子部品の製造装置は、上記()〜(1)において、電子部品の短軸方向に形成されたリードを折り曲げるように、各ベンディングパンチと各ベンディングダイが形成されてなる。リードが短軸方向に形成された電子部品に本発明を適用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
図2は本発明の一実施形態に係る電子部品(水晶振動子)のリード曲げ装置が組み込まれた金型機械の構成を示す断面図である。この金型機械においては、図2に示されるように、上型ダイセット100の下面側に上型バッキングプレート101が取り付けられ、更に、上型バッキングプレート101の下面側にパンチプレート102が取り付けられる。このパンチプレート102の下方には、上型ダイセット100に弾性支持されたストリッパプレート104が配置されており、このストリッパプレート104の中に複数のストリッパピースが取り付けられており、そして、ストリッパピースはストリッパプレート104の裏側に配置されているストリッパバッキングプレート103にボルト固定されている。
【0009】
また、上型ダイセット100にはその加工の上流側及び下流側にゲートカットパンチ106及びミスフィードピン107がそれぞれ取り付けられている。そして、パンチプレート102には、加工の上流側から下流側に沿って、タイバーカットパンチ110、リードカットパンチ111、ベンディングパンチA112、ベンディングパンチB113、カムドライバ114及びピンチカットパンチ115が取り付けられている。そして、これら(カムドライバ114を除いて)は上型ダイセット100の下降によってストリッパバッキングプレート103及びストリッパピースに設けられた孔を貫通して下方に突出する。なお、カムドライバ114の下方にはベンディングパンチC116が配置されており、このベンディングパンチC116はコイルスプリング118を介してストリッパプレート104に支持されている。また、上型ダイセット100には上ストッパー120が取り付けられている。
【0010】
上型ダイセット100に対向してその下方に下型ダイセット200が配置されており、その200の上面には下型バッキングプレート201が取り付けられ、さらにその上にダイプレート202が取り付けられている。このダイプレート202には、加工の上流側から下流側に沿って、ゲートカットダイ206、タイバーカットダイ210、リードカットダイ211、ベンディングダイA212、ベンディングダイB213、ベンディングダイC216及びピンチカットダイ215が取り付けられている。また、下型ダイセット200には上ストッパ120に対向して下ストッパー220が設けられ、また、下型パッキングプレート201及びダイプレート202にはミスフィードピン107がプレス加工時に挿入される孔(図示せず)が設けられている。
【0011】
図2の金型機械の動作の概要は次のとおりである。
上型ダイセット100がガイドポスト(図示せず)に案内されて下降すると、まず、ストリッパプレート106がダイプレート202の上に配置されているリードフレーム及びその上に搭載されている樹脂モールド部を押圧する。そして、パンチプレート102が下降して次のプレス処理がそれぞれ行われる。
▲1▼ゲートカットパンチ106及びゲートカットダイ206とによるプレス加工によってゲートをカットする。
▲2▼タイバーカットパンチ110とタイバーカットダイ210とによるプレス加工によってリードフレーム上のタイバーをカットする。
▲3▼リードカットパンチ111とリードカットダイ211とによるプレス加工によって樹脂モールド部から突出しているリードを所定の長さにカットする。
【0012】
▲4▼ベンディングパンチA112とベンディングダイA212とによるプレス加工によってリードに対して第1の折り曲げ加工を施す(図3参照)。
▲5▼ベンディングパンチB113とベンディングダイB213とによるプレス加工によってリードに対して第2の折り曲げ加工を施す(図4参照)。
▲6▼カムドライバー114によりベンディングパンチC116を駆動して、ベンディングパンチC116によるプレス加工によってリードに対して第3の折り曲げ加工を施す(図5参照)。
【0013】
上記の▲1▼〜▲6▼のプレス加工は同時になされるが、リードフレームがプレス加工の度に加工の上流側から下流側に順次送り出されるので、リードフレーム上の各部品には上記▲1▼〜▲6▼のプレス加工が順次施されることとなる。なお、ミスフィードピン107は、リードフレームの送り出し量を検出するためのものである。リードフレームの送り出し量が適当な場合にはリードフレームに所定の間隔で設けられた孔を介して下降するが、リードフレームの送り出し量が不適当な場合にはミスフィードピン107がリードフレームに突き当たってしまう。ミスフィードピン107の移動量を検出することで、そのような場合には上型ダイセット100の下降を停止する等の処理を行ってプレス加工を停止させる。また、相互に対向配置された上ストッパー120と下ストッパー220とは上型ダイセット100即ち各パンチの下降量を規制して適切なプレス加工が行われるようにしている。
【0014】
図3はベンディングパンチA112とベンディングダイA212とによる第1の折り曲げ加工の説明図である。ベンディングダイA212は、リード3の根本と中間部との間のリード片3aに対応した領域に傾斜をもった突部212aが形成されており、そして、その突部212aにはリード3の根本に相当する位置に小さな突部212bが形成されている。そして、ベンディングダイA212の中央部にはイジェクタターピン221が設けられており、イジェクタターピン221はスプリング222(図2参照)により弾性支持されている。なお、突部212bの高さは折り曲げ後の強度を考慮して、リード3の板厚の1/2〜1/3が望ましく、また、第2の折り曲げ加工後にV字溝3dが完全に閉じない程度の開口が形成されるように構成し、その頂点の角度は60゜〜80゜が望ましい。また、突部212bの先端は、リード3に亀裂が入らないようにするために、曲率半径が0.1mm以上の曲面形状となっていることが望ましい。
【0015】
図3に示されるベンディングパンチA112とベンディングダイA212とにより樹脂モールド部2の両側に突出したリード3に対してプレス加工を施して、リード3の全体を上方に若干折り曲げるとともに(例えば約10゜)、リード3の中間部と先端部の間のリード片3bを下方に折り曲げて(例えばリードの折り曲げ角度が80゜)第1の折り曲げ加工を施す。このとき、リード3の根本にはV字状の溝3dが形成されるが、それはストリッパプレート104がリード3を押圧した時点で形成される。
【0016】
なお、本実施形態においては、リード3の全体を上方に若干折り曲げているが、これはリード片3bを下方に折り曲げる際にその折り曲げ角度を鋭角にするためである。そして、鋭角にすることで、リード片3bを水晶振動子1の底部側に折り曲げる際に(図1参照)、その折り曲げ適切になされるようにしている。また、リード3にV字溝3dを形成したことによりリードの根元付近を折り曲げる処理(図4、図1参照)において、その部分の折り曲げがし易く、また、クレビスの発生が避けられる。さらに、上記の折り曲げ部分(第1の折り曲げ部)がリード3の先端と中間部との間に形成されており、後述の処理においてその折り曲げ部分の近傍を圧下して根元付近を折り曲げる際には、圧下するリードの位置が根元付近から充分な距離があるため、第1の折り曲げ加工で形成された溝3dに曲げ応力が集中し、リードを高精度に折り曲げることができる。
【0017】
図4はベンディングパンチB113とベンディングダイB213とによる第2の折り曲げ加工の説明図である。ベンディングパンチB113の内側にはリード3の根本の押圧を避けるようにした傾斜部113aが形成されており、また、ベンディングダイB213においてもリード3の折り曲げの角度に対応した傾斜部213aが形成されている。
【0018】
図3の第1の折り曲げ加工が施されたリード3に対して、上述のベンディングパンチB113とベンディングダイB213とによるプレス加工を施して、リード3を押圧してリード3の根本のV字溝3dの位置を折り曲げて(リードの折り曲げ角度が例えば42゜)第2の折り曲げ加工を施す。このとき、ベンディングパンチB113はリード3の根本の押圧を避けるようにした傾斜部113aが形成されており、リード片3aの先端側を押圧するような形状になっているので、リード3の根本部分に加わる応力が軽減されている。このため、クレビスの発生を防止することができる。
【0019】
なお、図3及び図4のベンディングダイ212,213は、その一部がリード3の根元付近と接するように構成されており、折り曲げ加工が安定して行われるようにしてある。
【0020】
図1はベンディングパンチC116による第3の折り曲げ加工の説明図である。ベンディングパンチC116は垂直方向に対して所定の角度をもった内壁116aを備えており(この例では内壁116aの傾斜は例えば約7゜)である。これが対向して1対配置されることでV字形状になっている。このベンディングパンチC116の内壁116aの角度についてはリード3のスプリングバック量を考慮して設定することで、曲げ精度を高精度に確保するようにしている。また、ベンディングパンチC116の内壁側先端部116aは曲面形状から構成されており、その曲面形状の曲率半径Rは、リードの半田面(この段階では既にリードフレームには半田が塗布されている。)の削れを最小限にするために1.5mm以上としており、また、プレス加工時に、ベンディングパンチC116の先端部116aの曲面部がリード片3aの先端部近傍から当接し始めるようにしてある。
【0021】
図1に示されるベンディングパンチC116はカムドライバ114により駆動されて斜め方向に下降し、図4の第2の折り曲げ加工が施されたリード3に対してプレス加工を施して、リード3の根本部分を折り曲げて(例えば97゜)第3の折り曲げ加工を施す。この第3の折り曲げ加工においては、リード3を折り込むという処理をする関係から、リード3をストリッパプレート104とベンディングダイC216とで押さえることは難しいが、リード3の上記のV字溝3dは第2の折り曲げ加工後においても完全に閉じない程度の開口部となっているので、ベンディングダイ216が折り曲げ加工に寄与しない第3の折り曲げ加工においても折り曲げ位置が定まり、適切な位置での折り曲げ加工が行われる。なお、ベンディングパンチC116の突き出し長さは、そのリード3との接触部分が第1の折り曲げ加工による部分よりも下にならないようにして、いわゆる半田かえり(半田の削れによるものが第1の折り曲げ加工による折り曲げ部分より下方に出る状態)を防止している。
【0022】
第3の折り曲げ加工においては上述のような動作が得られるから次のような利点がある。
▲1▼カムドライバ114及びベンディングパンチC116からなるカム機構は全て上型側にあるため、抜きかすの影響を受けることが極めて少ない。
▲2▼ベンディングパンチC116の内壁の角度がリード3のスプリングバック量を考慮して設定されているので、曲げ精度を確保することができる。
▲3▼ベンディングパンチC116の内壁側先端部の曲面部は、その曲率半径が1.5mm以上であり、また、その曲面部がリード片3aの先端部近傍から当接を開始するように設計されているので、リード3の半田面の削れが最小限となっており、リード3面への疵等のダメージが少なく、良好な製品が得られる。
▲4▼また、ベンディングパンチC116の摺動面は広いため摩耗による部品の交換頻度は少なく、メンテナンスが容易である。
▲5▼また、従来のカムレバー方式のようにレバー軸を必要としない構造となっていることから、極端に寿命の短い部品が無く、メンテナンスを行う頻度が少なくてすむ。
【0023】
なお、上述の実施形態においては、図6に示されるように電子部品の短軸方向に形成されたリードを折り曲げるように、各ベンディングパンチと各ベンディングダイが形成された例について説明した。しかし、本発明においては、図5に示されるように、電子部品1の長軸方向に形成されたリード3の折り曲げにも適用することもでき、その場合には、そのリード3の折り曲げに対応するように各ベンディングパンチ及び各ベンディングダイを形成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるベンディングパンチとベンディングダイとによる第3の折り曲げ加工の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電子部品のリード曲げ装置が組み込まれた金型機械の構成を示す断面図である。
【図3】ベンディングパンチとベンディングダイとによる第1の折り曲げ加工の説明図である。
【図4】ベンディングパンチとベンディングダイとによる第2の折り曲げ加工の説明図である。
【図5】水晶振動子(その1)の斜視図及びそのリードの説明図である。
【図6】水晶振動子(その2)の斜視図及びそのリードの説明図である。
【図7】図6の水晶振動子のリードを折り曲げるためのカム機構の説明図である。
【符号の説明】
102 パンチプレート
104 ストリッパプレート
114 カムドライバー
116 ベンディングパンチC
202 ダイプレート
216 ベンディングダイC

Claims (15)

  1. 電子素子を内蔵した樹脂モールド部と、樹脂モールド部から突出したリードとを備えた電子部品の製造方法において、
    前記リードの根元付近を上方に折り曲げると同時に、前記リードの根元付近にV字溝を形成し、且つ第1の部分を折り曲げて第1の折り曲げ部を形成する第1工程と、
    前記V字溝の位置を折り曲げて第2の折り曲げ部を形成する第2の工程と、
    前記リードを斜め上方から圧下することにより前記第1の折り曲げ部及び前記第2の折り曲げ部を有する前記リードの先端部が前記樹脂モールドの底部に配置されるように折り曲げる第3の工程と、
    を少なくとも有する電子部品の製造方法。
  2. 請求項1記載の電子部品の製造方法において、
    前記第1の折り曲げ部を形成すると同時に、前記リードを上方に傾斜させることを特徴とする電子部品の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の電子部品の製造方法において、
    前記第1の折り曲げ部を前記リードの先端部と中間部との間に形成することを特徴とする電子部品の製造方法。
  4. 請求項1乃至いずれかに記載の電子部品の製造方法において、
    前記電子部品が水晶振動子であることを特徴とする電子部品の製造方法。
  5. 電子素子を内蔵した樹脂モールド部と、樹脂モールド部から突出したリードとを備えた電子部品を製造するため電子部品の製造装置において、
    前記リードの根元付近を上方に折り曲げると同時に、前記リードの根元付近にV字溝を形成し、且つ第1の部分を折り曲げて第1の折り曲げ部を形成するための第1のベンディングパンチと、前記第1のベンディングパンチに対応して配置されてなる第1のベンディングダイと、
    前記V字溝の位置を折り曲げて第2の折り曲げ部を形成するための第2のベンディングパンチと、前記第2のベンディングパンチに対応して配置されてなる第2のベンディングダイと、
    前記リードを斜め上方から圧下することにより前記第1の折り曲げ部及び前記第2の折り曲げ部を有する前記リードの先端部が前記樹脂モールドの底部に配置されるように折り曲げるための第3のベンディングパンチと
    を少なくとも有する電子部品の製造装置。
  6. 請求項記載の電子部品の製造装置において、
    前記第1の折り曲げ部を前記リードの先端部と中間部との間に形成するために、前記第1のベンディングパンチと前記第1のベンディングダイが配置されてなることを特徴とする電子部品の製造装置。
  7. 請求項5又は6記載の電子部品の製造装置において、
    前記第3のベンディングパンチは、前記リード部と接する部分が曲面形状に形成されてなることを特徴とする電子部品の製造装置。
  8. 請求項又は記載の電子部品の製造装置において、
    前記第1のベンディングダイには前記リードの根元付近にV字溝を形成するための突起部が形成されてなることを特徴とする電子部品の製造装置。
  9. 請求項記載の電子部品の製造装置において、
    前記突起部の高さは、前記電子部品に形成されてなるリードの厚さの1/3〜1/2の範囲に形成されてなることを特徴とする電子部品の製造装置。
  10. 請求項又は記載の電子部品の製造装置において、 前記突起部はその頂点の角度が60゜〜80゜の範囲で形成されることを特徴とする電子部品の製造装置。
  11. 請求項乃至10のいずれかに記載の電子部品の製造装置において、前記第1及び第2のベンディングダイは、少なくとも一部が前記リードの根元付近と接するように形成されてなることを特徴とする電子部品の製造装置。
  12. 請求項記載の電子部品の製造装置において、
    前記第3のベンディングパンチはカムドライバーにより制御されてなることを特徴とする電子部品の製造装置。
  13. 請求項記載の電子部品の製造装置において、
    前記第3のベンディングパンチは、垂直方向に対して所定の角度傾斜した面を有することを特徴とする電子部品の製造装置。
  14. 請求項乃至1のいずれかに記載の電子部品の製造装置において、前記電子部品の長軸方向に形成されたリードを折り曲げるように、前記各ベンディングパンチと前記各ベンディングダイが形成されてなることを特徴とする電子部品の製造装置。
  15. 請求項乃至1のいずれかに記載の電子部品の製造装置において、 前記電子部品の短軸方向に形成されたリードを折り曲げるように、前記各ベンディングパンチと前記各ベンディングダイが形成されてなることを特徴とする電子部品の製造装置。
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