JP3622294B2 - 通水型フレキシブルコンテナを水槽に設置する水処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遮水性の胴部の両端に通水性の上部と下部がそれぞれ延設され、その筒内に、粒状活性炭等の吸着剤、濾過剤、あるいはイオン交換樹脂等の水処理材を充填した通水型フレキシブルコンテナを水処理用水槽の通水経路に直接設置し、被処理水をその下部から上部へ筒内を通過させて水処理させる水処理方法に属する。
【0002】
【従来の技術】
活性炭等の吸着剤にて水や液体の処理をする場合、図8に示すごとく吸着塔24などの装置に活性炭等の吸着剤40を充填して通水するのが一般的である。この場合、装置24の中に活性炭等の吸着剤40を充填するには、塔上部の投入口36を開けて、人力で投入するか、もしくは充填装置を設けて、この充填装置にて充填する。また、活性炭等の吸着剤交換時、使用済吸着剤は排出口37を開けて人手でかき出すか、または、抜き出し装置を用いてスラリーにて排出するなどの方法がとられている。
また従来から、粉粒体等の輸送には、フレキシブルコンテナが広く用いられている。
なお、フレキシブルコンテナとは、非危険物の粉状又は粒状貨物の輸送に用いるもので、折り畳みができる柔軟性の材料を用いて袋状に造られ、つり上げるためのつり部と、上記貨物の注入・排出ができる開口部を備えたコンテナをいう。
フレキシブルコンテナに充填された、粉体又は粒体等の内容物は、使用する場所において、フレキシブルコンテナから、ホッパーやシュートを介したり、あるいは、直接払い出されて、原料として使用されたり、何らかの装置に送り込まれて使用されている。そして、工場における、製造過程や水処理設備等において、粒状活性炭等の吸着剤、濾過剤等を使用する場合にもフレキシブルコンテナは用いられており、活性炭メーカー等で、フレキシブルコンテナに充填された、粒状活性炭等の吸着剤が、使用場所において、フレキシブルコンテナから払い出され、吸着塔に充填されたり、あるいは、カートリッジ等の容器に詰められてから使用されている。
図9は、前記のような、フレキシブルコンテナを吸着剤等の輸送に用いた、水処理方法のフローを示す図である。同図に示すように、工程A1で、活性炭その他吸着剤メーカー等で粒状の吸着剤等がフレキシブルコンテナへ充填される。
前記フレキシブルコンテナは、工程A2で、使用する場所へ輸送されたり、また、必要に応じて貯蔵される。
そして、工程3で、使用場所のホッパー等の受け入れ設備にフレキシブルコンテナ内の吸着剤等が払い出される。前記吸着剤等は、工程A4で、吸着塔やカートリッジ内へ充填され、工程A5で、水の処理のために使用される。使用済みの吸着剤等は、工程A6で、前記吸着塔やカートリッジ内から払い出されたり、抜き取られる。そして、前記使用済みの吸着剤等は工程A7でフレキシブルコンテナに充填され、工程A8で活性炭等吸着剤メーカーや、再生工場へ輸送される。そして、工程A1に戻り、ここで、フレキシブルコンテナ内に新しい吸着剤等が充填され、以下、前記各工程が繰り返される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、環境保護が問題にされ、各種工事から排出される排水が問題視されている。工事現場等での排水処理は、一般的に仮設設備で行われるため、製造工場などと異なり、低コストで、かつ、高い性能が要求される。特に、土壌汚染修復工事等、重金属などの有害物質が関係する場合や、トリクロロエチレンなどの発ガン物質が含まれる地下水が排出される場合には、高度な水処理が必至である。
ところが、前述したような、活性炭等の吸着塔を用いて行う水処理方法では、人力で投入、排出の場合は人手がかかるうえに、粉じん発生や酸欠・火災等の労働衛生上の問題が多く、またスラリーにて投入・排出する場合は、充填設備、抜き出し設備に多額の設備コストが必要である。
その上、活性炭等の吸着塔自体安価なものではなく、特に工事現場等の仮設水処理設備としては高価で高級な装置である。
そしてまた、前述したような、フレキシブルコンテナを用いて行う水処理方法では、吸着剤ないし濾過剤を使用する場所で、フレキシブルコンテナから粒状活性炭等の吸着剤ないし濾過剤を払い出して、活性炭等の吸着塔や、カートリッジ容器等に充填する工程を必要とし、また、使用済みの吸着剤等を前記活性炭等の吸着塔や、カートリッジ容器から取り出す工程を必要としているため、土壌処理の浸出水等の排水処理を行う場合には、設備が大がかりとなり、水処理のコストが高くなる問題があった。さらに、フレキシブルコンテナからの吸着剤等の払い出しや、使用済みの吸着剤等をフレキシブルコンテナへ充填する際に、粉塵が発生するため、現場の作業員の安全や、健康への影響が問題となり、粉塵対策を行う必要があった。
そこで、本発明は、前述したような、従来の水処理技術における問題点を解決し、簡単な設備で低コストに実施でき、作業が容易で、作業員の安全や健康を確保することのできる水処理方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題の解決手段として、通水型にしたフレキシブルコンテナを水処理用水槽の通水経路に直接設置し、被処理水を該フレキシブルコンテナの筒内を通過させることにより、充分な性能を発揮できる水処理方法を提供しようとするものである。すなわち、本発明の水処理方法は以下のごとく構成されている。
(1)遮水性の胴部の両端に通水性の上部と下部がそれぞれ延設され、その上部と下部に、吸着剤、イオン交換樹脂等の水処理材の充填又は払い出しを行うための開閉自在の開口部が形成されてなる通水型フレキシブルコンテナを使用し、該フレキシブルコンテナ筒内に、前記水処理材を充填すると共に前記開口部を密閉して水処理水槽の通水経路に直接設置し、被処理水をその下部から上部へ筒内を通過させて水処理を行うことを特徴とする通水型フレキシブルコンテナを水槽に設置する水処理方法。
(2)水槽を槽内中間板で上槽と下槽に仕切り、その上槽に処理水出口を、その下槽に被処理水入口をそれぞれ開口し、かつ槽内中間板には通水経路となる複数個の通水口を穿設してなる水処理用水槽の通水経路に、吸着剤、イオン交換樹脂等の水処理材を充填した通水型フレキシブルコンテナを直接設置することを特徴とする前記(1)項記載の通水型フレキシブルコンテナを水槽に設置する水処理方法。
(3)通水型フレキシブルコンテナを通水口に載置するとき、通水性の下部に遮水用パッキンリングを介挿し、被処理水が漏れなく筒内を通過する水処理を可能としたことを特徴とする(2)項記載の通水型フレキシブルコンテナを水槽に設置する水処理方法。
(4)水処理に使用後は、通水型フレキシブルコンテナを水槽の通水経路から取り外して、そのまま再生工場に搬出し、再生場でその開口部を開いて使用した水処理材を払い出すと共に新たな水処理材を充填し、密閉した後に、再生場から水処理用水槽に搬入し、再使用可能としたことを特徴とする(1)項又は(2)項記載の通水型フレキシブルコンテナを水槽に設置する水処理方法。
なお、本発明明細書中でいう「水処理材」とは、活性炭、シリカゲル、ゼオライト等の吸着剤、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂等のイオン交換樹脂、砂、ケイソウ土、セラミック細粒等の濾過材等の水処理用の材料を意味する。
濾過材等の形状については粉状であっても粒状であってもかまわないが、筒の上部及び下部に設けられる通水部を通過しないような粒径であることが必要である。必要以上に粒径が小さいと処理速度(流速)の低下を来すおそれがあるので、通常0.5〜2.36mm程度の粒径をもったものが使用される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の水処理方法の説明図である。図2は本発明の水処理用通水型フレキシブルコンテナの側面図であって、その上部及び下部の縛りテープを外し、締め付けロープを緩めて解放すると共に、最上端の充填用フックを介して全体を吊り下げた状態を示す。
図3はその上面図であるが、その充填側開口部をテープで縛って密閉した状態を示す。また図4はその下面図であるが、その払い出し側開口部をテープで縛って密閉すると共に、押えカバーの下端の押え及び保護ロープを締め付けて下部を受支えする底部を形成した状態を示し、図5は図4のC〜C線に沿った要部拡大断面図である。
図6は本発明の水処理方法に使用される水処理用水槽の平面図である。また図7は本発明の水処理用通水型フレキシブルコンテナを使用した水処理方法のフローを示す図である。
図中、1はフレキシブルコンテナ、2は胴部、3は上部、4は下部、5は上部の充填側開口部、7は上部開口部縛りテープ、11は吊りベルト、12は保護ロープ、13は下部開口部縛りテープ、14は下部の払い出し側開口部、15は押えロープ、16、17はスライダー管、18は押えカバー、20は環部、21は活性炭等の水処理材、22は挿通部、23は底部、25は水処理用水槽、26は槽内中間板、31は通水口、32は遮水用パッキンリングである。
【0006】
図1の説明図に示すように、本発明の水処理方法は遮水性の胴部2の両端に通水性の上部3と下部4を延設し、その上部3と下部4に活性炭等の水処理材の充填又は払い出しを行うための開閉自在の開口部5、14を形成し、かつその下部4を下から受支する通水性の底部23を締め付け形成可能としてなる通水性フレキシブルコンテナ1を使用してなるものであって、その通水性フレキシブルコンテナ1に再生工場で新たな水処理材を充填すると共に、開口部5、14を密閉し、底部23を締め付け形成してから水処理用水槽25に搬入し、その通水性フレキシブルコンテナ1を水槽25の通水経路である通水口31に遮水用パッキンリング32を介挿して、漏洩のないように載置して使用するものである。
また、上部3及び下部4の通水性の材料は、充填する活性炭等の水処理材の粒径に合わせて選定し、同水処理材が通過しない目開きで、かつ必要以上に目の細かくないものとする。
かくして槽内中間板26で仕切られた下槽28の被処理水入口29から入った被処理水は通水口31を通って上昇し、通水性の底部23及び下部4を通って遮水性の胴部2に入り、水処理材の充填された筒内を通って吸着、濾過など水処理され、通水性の上部3を通って上槽27内に排水され、処理水出口30から水槽25の外へ排水されるごとくしてなるものである。
【0007】
また図1の説明図においては、上部3は図3(以下に詳説する)に図示のごとく、その開口部5を縛りテープ7で密閉した状態を簡略図示している。同様に、下部4及び底部23は図4及び図5(以下に詳説する)に図示のごとく、その開口部14を縛りテープ13で密閉し、押えロープ15及び保護ロープ12を締め付けて密閉された下部4を包み込むと共に、下から底部23で受支するように形成した状態を簡略図示している。なお、水槽25の33はリブ、34は通水穴、35はカバー、WLは水面レベルである。
【0008】
図2〜図5に示すように、フレキシブルコンテナ1は、胴部2と上部3と下部4から構成されており、胴部2は、筒状に形成されており、その材料には、遮水性の材料、すなわち、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル等の合成樹脂製のシート材や、耐水性の布等のような、水を通さない材料が用いられている。
胴体2の上下両端には、テーパー筒状の上部3と解放状態時に直筒状に垂下する下部4とが延設されている。またその下部4の外周には、90°毎に4分割された逆台形状の押えカバー18を重ねて垂設させている。上部3、下部4及び押えカバー18は、それぞれ網目状の布で作られており、通水性を有している。
網目状の布の材質としては、通常はポリプロピレン等が用いられ、また、網目の大きさとしては、通常12メッシュ前後が適当である。
テーパー筒状の上部3の上端部には、充填側開口部5が形成されており、フレキシブルコンテナ1内にここから、粒状活性炭等水処理材のばら物を充填することができる。
前記充填側開口部5の周縁部は、三つ巻されて補強されている。充填側開口部5の周囲には、充填時に充填側開口部5を開口した状態に保持しておくための充填フック6が90°ピッチで4箇所に取り付けられている。前記充填側開口部5は、充填用開口部縛りテープ7で充填側開口部5の周囲を縛ることによって、密閉される構造になっている。なお、19は押えロープ7を上部3に取着するための保持布である。
【0009】
また、フレキシブルコンテナ1を吊り下げて支持するために、4本の吊りベルト11が胴部2に縦設されているが、各吊りベルト11の上端部は胴部2の上部外周面に固着された当て布10に接着され、さらにその上にラップ補強ベルト9が貼り着けられて補強されている。また4本の吊りベルト11の下端部の環部20は下方の4枚の押えカバー18にそれぞれ固着されている。
また各押えカバー18の下端は折り曲げられて、押えロープ15の挿通部22が形成されている。そしてその4箇所の挿通部22には1本の押えロープ15が環状に挿通されていて、その両端は重ねてスライダー管17に挿通され、締め付けたり緩めたり可能となっている。また押えロープ15を限界まで締め付けたときは、4枚の押えカバー18は中心側の直角に屈曲され、かつその4枚の下端は、正方形状に連結固定され、下部に対する通水性の受け底が形成される。
また該吊りベルト11の上下両端は折り曲げられて連結用の環部20が形成されているが、各上端4箇所の環部20の各2箇所の環部の間には、その両端に前記の環部と連結する環を形成した2本の吊りロープ8、8が繋設され、該2本の吊りロープ8、8を介してフレキシブルコンテナ1を吊り下げて支持可能となっている。 また、吊りベルト11の各下端4箇所の環部20は押えカバー18に固着されているが、その4箇所の環部20には1本の保護ロープ12が環状に挿通され、その両端は重ねてスライダー管16に挿通され、締め付けたり緩めたりすることが可能となっている。
また前記スライダー管16から、保護ロープ12の両端部を引き出すことによってそれぞれの吊りベルト11の下端側が下部4の中心側へ屈曲されるが、保護ロープ12を限界まで締め付けたときは、4箇所の環部20の間で正方形状に引張され、環部20を固着した4枚の押えカバー18を中心側に引張し、前記の押えロープ15の限界締め付けにより中心側に屈曲させて形成された押えカバー18による受け底を下から当てがって補強するごとくなる。
【0010】
また直筒状の下部4の下端は払い出し側開口部14を形成しており、フレキシブルコンテナ1内に充填されている活性炭等の水処理材21は、ここから払い出すことができる。前記払い出し側開口部14の周縁部は、充填側開口部5の周縁部と同様に、三つ巻されて補強されている。そして水処理材21の充填のため払い出し側開口部14を密閉するときは、開口部5の近くに保持布19を介して取着された、払い出し側開口部縛りテープ13で払い出し側開口部14の周囲を縛り、それによって下部4が絞られ、払い出し側開口部14が密閉される構造になっている。
従って、水処理材21を充填するときには、充填側開口部5に対しては、押えロープ7を緩めて充填側開口部5を開口し、該開口部5の周囲の4個の充填フック6を周囲からロープ等で引っ張って、その開口状態を保持させる。また払い出し側開口部14に対しては、まず押えロープ13を締め付けて下部4を中心側へ絞り込むと共に払い出し側開口部14を密閉し、次にその密閉された下部4を包み込むように押えロープ15を正方形状の限界まで締め付け、4枚の押えカバー18を中心側に屈曲させて押えカバー18による受け底を形成させると共に、保護ロープ12を正方形状の限界まで締め付け、吊りベルト11の下端部を中心側へ屈曲させ、押えカバー18による受け底を下から当てがって補強し、もって前記の密閉された下部4を下から受け支えるごとくにして、水処理材21を充填した場合でも、その重量に十分に耐える強さの通水性の底部23を締め付け形成する。水処理材21の充填後に、充填側開口部5は縛りテープで縛り付けられて密閉され、水処理現場で使用可能の状態となる。
【0011】
また、本発明の水処理方法に使用される角筒状の水処理用水槽25は例えば薄肉鋼板やステンレス鋼板を溶接して又はプラスチック材料やFRPにて作られており、図1及び図6に図示のごとく、槽内中間板26で上槽27と下槽28に仕切られ、その上槽27に処理水出口30を、その下槽28に被処理水入口29をそれぞれ開口し、かつ槽内中間板26には5個づつ2列で計10個の通水口31が並んで穿設されており、被処理水はその通水口31を通ってだけ下槽28から上槽27への通水が可能で、通水口31は水槽25の通水経路となっている。
また、下槽28内には、各通水口31同士の中間に、左右1条、前後4条のリブ33が直交して立設されており、かつそれぞれのリブ33には角形の通水穴34が形設されており、被処理水が下槽28内を自由に流動可能となっている。
【0012】
次に本発明の水処理方法を図7に基づき詳説する。
工程B1では活性炭等の吸着剤メーカーや再生工場等で水処理材21を本発明で使用する通水型フレキシブルコンテナ1へ充填する。
次に工程B2で、活性炭等の水処理材が充填されたフレキシブルコンテナ1は、水処理を行う現場へ輸送されたり、また、必要に応じて一時的に貯蔵される。
工程B3では、水処理を行う現場に前記工程B2で運ばれてきたフレキシブルコンテナ1を、水処理用水槽25の通水口31に直接設置して使用する。被処理水入口29から下槽28に入った被処理水は、通水口31を通ってフレキシブルコンテナ1の通水性のある底部23及び下部4からその筒内へ入り、充填された水処理材の間を通過する間に吸着、濾過等が行われ、水処理される。
水処理材を収容しているフレキシブルコンテナ1の胴部2は、遮水性であるので、水処理された処理水は、胴部2の側方へは流出しないで、通水性のある上部3を通って、フレキシブルコンテナ1から上槽27内へ排水され、処理水出口30から水槽25の外へ排水される。
次に長期間使用して、フレキシブルコンテナ1内の水処理材の機能が低下してきた場合には、前記水槽25の通水口31から取り外され、工程B4で、使用済みのフレキシブルコンテナ1は、そのまま活性炭等の水処理材メーカー等や、その再生工場に輸送される。
その後、工程B1から繰り返されるが、工程B4の後に行われる工程B1には、フレキシブルコンテナ1から、使用済みの水処理材を払い出す工程が含まれる。
【0013】
前述したごとく、フレキシブルコンテナ1は、使用済みの水処理材を払い出しした後、新しい水処理材を再び充填して、再利用できるようにしている。
水処理材の払い出しは、フレキシブルコンテナ1を吊りロープで吊した状態で、充填側開口部縛りテープ7と払い出し側開口部縛りテープ13とを外し、充填側開口部5と、払い出し側開口部14とを開く。そして、押えロープ15と、保護ロープ12とを緩めることによって、フレキシブルコンテナ1内の使用済みの水処理材は、自重によつて、払い出し側開口部14から下方へ払い出される。
この際、充填側開口部5を開放しておくことによって、上方からフレキシブルコンテナ1内に空気が入り込んで水処理材と置き換わり、水処理材を速やかにフレキシブルコンテナ1の外部に払い出すことができる。そして、水処理材の払い出しが完了したら、再び、払い出し側開口部14を、払い出し側開口部縛りテープ13によって密閉した後、保護ロープ12と押えロープ15とを締め付けて下部4を下から受支する通水性の底部23を形成してから、新しい水処理材を前述した要領で、再び充填する。最後に充填側開口部5を充填側開口部縛りテープ7によって密閉する。
【0014】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の水処理方法は、そのまま使用でき、そのまま搬出できて、取り扱いが容易な通水型フレキシブルコンテナと簡潔な鋼板製等の水処理用水槽とを用いるから、フレキシブルコンテナをあけて活性炭等の吸着剤を抜き出す受け入れ設備、及び使用済活性炭等の吸着剤を取り出してフレキシブルコンテナに詰める払い出し設備が不要であって設備費用を大幅に節減できる。
特に、本発明に係る水処理用通水型フレキシブルコンテナによれば、水処理を行う現場において、フレキシブルコンテナから、活性炭等の吸着塔やカートリッジ容器へ粒状活性炭等の水処理材を移し替える必要がなく、また、使用済みの水処理材を前記活性炭等の吸着塔やカートリッジ容器から、フレキシブルコンテナへ充填する必要がないので、水処理のために必要な設備が簡略化され、水処理のためのコストを下げることができる。
そして、活性炭等の水処理材を、フレキシブルコンテナに詰めたままの状態で使用することができるので、使用済みの水処理材を新しいものと交換する作業が容易になり、また、粒状活性炭等の、粉状又は粒状の水処理材を交換する際に、粉塵等が発生しないので、作業員の安全や、健康を確保することができる。さらに、使用済み水処理材が入っているフレキシブルコンテナは、開口部を開いて、前記水処理材を払い出した後、新しい水処理材を再充填して再利用することができるから、資源を有効に利用でき、環境の保護にも貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理方法の説明用断面図である。
【図2】本発明に使用される通水型フレキシブルコンテナの側面図である。
【図3】図2の通水型フレキシブルコンテナの上部の開口部を密閉した状態の上面図である。
【図4】図2の通水型フレキシブルコンテナの下部の開口部を密閉し、底部を形成した状態の下面図である。
【図5】図4のC〜C線に沿った要部拡大断面図である。
【図6】本発明に使用される水処理用水槽の平面図である。
【図7】本発明の水処理方法のフローを示すブロック図である。
【図8】従来使用された活性炭等の吸着塔の正面図である。
【図9】従来の水処理方法のフローを示すブロック図である。
【符号の説明】
1:フレキシブルコンテナ 2:胴部
3:上部 4:下部
5:充填用開口部 6:充填用フック
7:充填側開口部縛りテープ 8:吊りロープ
9:ラップ補強ベルト 10:当て布
11:吊りベルト 12:保護ロープ
13:払い出し側開口部縛りテープ
14:払い出し側開口部 15:押えロープ
16、17:スライダー管 18:押えカバー
19:保持布 20:環部
21:活性炭等の水処理材 22:挿通部
23:底部 24:吸着塔
25:水処理用水槽 26:槽内中間板
27:上槽 28:下槽
29:被処理水入口 30:処理水出口
31:通水口 32:遮水用パッキンリング
33:リブ 34:通水穴
35:カバー 36:活性炭等吸着剤投入口
37:活性炭等吸着剤排出口 38:処理水入口
39:処理水出口 40:活性炭等の吸着剤
Claims (4)
- 遮水性の胴部の両端に通水性の上部と下部がそれぞれ延設され、その上部と下部に、吸着剤、イオン交換樹脂等の水処理材の充填又は払い出しを行うための開閉自在の開口部が形成されてなる通水型フレキシブルコンテナを使用し、該フレキシブルコンテナ筒内に、前記水処理材を充填すると共に前記開口部を密閉して水処理水槽の通水経路に直接設置し、被処理水をその下部から上部へ筒内を通過させて水処理を行うことを特徴とする通水型フレキシブルコンテナを水槽に設置する水処理方法。
- 水槽を槽内中間板で上槽と下槽に仕切り、その上槽に処理水出口を、その下槽に被処理水入口をそれぞれ開口し、かつ槽内中間板には通水経路となる複数個の通水口を穿設してなる水処理用水槽の通水経路に、吸着剤、イオン交換樹脂等の水処理材を充填した通水型フレキシブルコンテナを直接設置することを特徴とする請求項1記載の通水型フレキシブルコンテナを水槽に設置する水処理方法。
- 通水型フレキシブルコンテナを通水口に載置するとき、通水性の下部に遮水用パッキンリングを介挿し、被処理水が漏れなく筒内を通過する水処理を可能としたことを特徴とする請求項2記載の通水型フレキシブルコンテナを水槽に設置する水処理方法。
- 水処理に使用後は、通水型フレキシブルコンテナを水槽の通水経路から取り外して、そのまま再生工場に搬出し、再生場でその開口部を開いて使用した水処理材を払い出すと共に新たな水処理材を充填し、密閉した後に、再生場から水処理用水槽に搬入し、再使用可能としたことを特徴とする請求項1又は2記載の通水型フレキシブルコンテナを水槽に設置する水処理方法。
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