JP3621740B2 - 電気機器用タンク - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、変圧器やリアクトル等の電気機器を絶縁油や絶縁ガス等の絶縁媒体とともに収納する電気機器用タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
変圧器などの電気機器を収納するタンクとして、側壁部を波形放熱板により構成したものが用いられている。
【0003】
図10は従来のこの種のタンクの構造を示したもので、このタンクは、枠組1と、該枠組1に溶接された波形放熱板2とからなっている。枠組1は、横断面が長方形を呈するように形成された枠部1a1を有する上部枠1aと、同じく横断面が長方形を呈する枠部1b1を有する下部枠1bと、上端及び下端がそれぞれ上部枠及び下部枠の角部に溶接された4本の支柱1cとからなっている。波形放熱板2は、谷部vと山部mとが横方向に交互に並ぶように曲げ成形された金属板からなり、各山部mの幅方向の両端m1 ,m2 は溶接により接合されて閉じられている。各山部m内に絶縁油または絶縁ガス等の絶縁媒体を流通させる絶縁媒体通路が構成されている。図示の例では、放熱板2の補強を図るため、山部m,m,…の頂部に補強バー2aが溶接されている。
【0004】
放熱板2は、その山部m,m…の開口部側の端部2bを枠組1の枠部1a1,1b1の側面と支柱1cの側面とに添わせた状態で配置され、この放熱板2の端部2bの周縁部が枠組1に溶接される。図示の例では、枠組1の長辺部側に溶接される放熱板2のみが示されているが、実際には更に枠組1の短辺部側に取り付けられる放熱板が設けられて、該放熱板が枠組に溶接される。従って、図10のタンクでは、枠組1の長辺部側に取り付けられる放熱板2と、短辺部側に取り付けられる放熱板(図示せず。)との2種類の放熱板をそれぞれ2つずつ必要とする。枠組み1の底面部には図示しない底板が溶接され、上面部には図示しない蓋板が着脱可能に取り付けられる。
【0005】
図10に示したタンクでは、電気機器の温度の上昇により内圧が高くなったときに、上部枠1a及び下部枠1bが図11に鎖線で示したように外側に膨らむ。この膨らみはそれぞれの枠の長辺部側で大きくなる。タンクの長辺側の寸法が大きい場合には、上部枠及び下部枠の長辺部側の膨らみが許容範囲を超えるおそれがあるため、何らかの補強対策を講じる必要がある。
【0006】
そのため、長辺側の寸法が大きいタンクの場合には、その枠組の長辺側に複数の支柱を設けて補強を図ることが行なわれている。図12及び図13はその構造例を示したもので、このタンクの枠組1´は、図12に示したように、上部枠1a´及び下部枠1b´と、上部枠及び下部枠のそれぞれの長辺部に上端及び下端が溶接された帯板状の支柱1c´とからなっており、支柱1c´は上部枠及び下部枠の相対する2つの長辺部にそれぞれ2本ずつ溶接されている。下部枠1b´の底部には底板1d´が溶接され、底板1d´の下面にはアングル材からなるベース金具1e´が溶接されている。図13に示すように、枠組1´の各長辺部及び短辺部にそれぞれ波形放熱板2A´及び2B´が溶接され、これらの放熱板2A´及び2B´と枠組1´とにより、タンクが構成されている。上部枠及び下部枠の長辺部側に配置される波形放熱板2A´は、支柱1c´,1c´に相応する部分に、絶縁媒体通路を構成する山部mよりも高さが低い屈曲部2c´を有しており、各放熱板2A´は各屈曲部2c´を相応する支柱1c´に嵌合させた状態で枠組1´に溶接されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
横長のタンクの側壁を構成する部材として波形放熱板を用いた従来の電気機器用タンクでは、タンクの長辺部側と短辺部側とで波形放熱板の寸法を異ならせる必要があったため、放熱板を少くとも2種類製作する必要があり、コストが高くなるという問題があった。
【0008】
また図12及び図13に示したタンクでは、タンクの長辺部に設ける波形放熱板2A´に絶縁媒体通路を構成する一連の山部m,m,…を設けるだけでなく、その途中に支柱1c´を嵌合させるための屈曲部2c´を設ける必要があるため、該放熱板2A´の波付け成形を連続して行なうことができず、その製造能率が低下してコストが高くなるのを避けられなかった。
【0009】
更に図12及び図13に示したタンクでは、波形放熱板2A´の一連の山部m,m,…のピッチがずれた場合に、屈曲部2c´の位置がずれて、該屈曲部2c´と支柱1c´とをうまく嵌合させることができなくなるため、支柱1c´の近傍で放熱板2A´と枠組1´との間に隙間が生じるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、枠組に取り付ける複数の波形放熱板として同形状、同寸法のものを用いることができるようにして、コストの低減を図った電気機器用タンクを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、波形放熱板に支柱を嵌合させる屈曲部を設けないようにして、放熱板の製作を容易にした電気機器用タンクを提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、波形放熱板に位置合わせを困難にする屈曲部を設けることなく、枠組に放熱板を取り付けることができるようにして、放熱板と枠部との間に隙間を生じさせることなく、容易に組み立てることができるようにした電気機器用タンクを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、横断面が前後左右に対称な輪郭形状を有する横長の枠部を有して上下に間隔をあけて配置された上部枠及び下部枠と上端及び下端がそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接された複数の支柱とからなる枠組と、隣り合う支柱間を連続して延びるように設けられていて上部枠の枠部の側面及び下部枠の枠部の側面にそれぞれ上端部及び下端部を添わせ、横方向の両端部を隣り合う支柱の側面に添わせた状態で枠組に溶接された複数の波形放熱板とを備えた電気機器用タンクに係わるものである。
【0014】
本発明においては、上記支柱を合計2個設けて、該2個の支柱を、上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向に2分する位置であって、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置にそれぞれ1つずつ配置する。
【0015】
本発明においてはまた、上記支柱を合計4個設けて、該4個の支柱を、上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向(幅方向)に相対する2つの位置と、上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向と直角な方向(幅方向)に2分する位置で、かつ該長手方向に相対する2つの位置との4つの位置にそれぞれ1つずつ配置するようにしてもよい。
【0016】
上記支柱は帯板からなっていてもよいが、タンクの強度を高めるためには、上部枠及び下部枠の枠部の側面に沿う板面を有する第1の帯板部と該第1の帯板部の板面と直交する板面を有する第2の帯板部とを一体に備えた断面T字形の部材(2枚の帯板をそれぞれの板面を直交させて溶接したもの、またはT形鋼等)により構成するのが好ましい。
【0017】
本発明において用いる「波形放熱板」は、山部と谷部とが横方向に交互に並ぶように波付け成形された金属板の各山部の幅方向の両端を溶接により接合して閉じた周知の構造を有するものであり、各山部の内側に絶縁媒体の通路が構成されるものである。
【0018】
なお本発明においては、波形放熱板が山部と谷部とを交互に有する形状を有していればよく、該放熱板を補強するためにその一部を変形させたり、補強部材を取り付けたりするのを何等妨げない。例えば、放熱板の各山部を補強するために、各山部の側面の一部を凹ませて、凹ませた部分で山部の側面どうしをスポット溶接したり、一連の山部の先端(頂部)間に跨って補強バーを溶接したりすることができる。
【0019】
本発明では、タンクの上部枠及び下部枠の枠部の横断面が、前後左右に対称な輪郭形状を有するが、「前後左右に対称な形状」とは、長方形、長方形の各角部に丸みが付けられた形状、小判形、楕円形のように、横断面上に仮想した互いに直交する2つの軸線のそれぞれに対して線対称な形状を意味する。
【0020】
【作用】
上記のように構成すると、枠組に取り付ける複数の波形放熱板として全て同一のものを用いることができ、1種類の波形放熱板を製作すればよい。また各波形放熱板はその両端を枠組の支柱の側面に溶接するため、支柱を嵌合させるための屈曲部を形成する必要がなく、全ての山部を同一の形状に形成することができる。従って、波形放熱板の量産性を向上させることができ、コストの低減を図ることができる。
【0021】
また上記のように構成すると、各波形放熱板にその位置合わせを困難にする屈曲部を設ける必要がないため、波形放熱板の位置合わせを余裕をもって行なわせることができ、放熱板と枠部との間に隙間がない高品質のタンクの組立てを容易に行なうことができる。
【0022】
【実施例】
図1ないし図6は本発明の実施例を示したもので、図1は本実施例で用いる上部枠及び下部枠の枠部の横断面の輪郭形状を示した図、図2は本実施例で用いる枠組の斜視図、図3(A)は本発明の実施例で用いる枠組の支柱の上面図、同図(B)は同支柱の取付け構造を説明するための正面図、同図(C)は(B)の左側面図である。また図4は本発明の実施例で用いる枠組の支柱の溶接構造の一例を示した縦断面図、図5は本実施例で用いる枠組の支柱付近の構造を示した正面図、図6は本実施例のタンクの横断面図である。
【0023】
図2は本実施例で用いる枠組10を示したもので、この枠組は、上部枠11及び下部枠12と、上部枠11と下部枠12との間を連結する支柱13,13とにより構成されている。
【0024】
上部枠11は、横断面の輪郭が、図1に示すように長方形の各角部に丸みを付けた形状を呈するように形成されてその両端が上下方向に開口するように配置された枠部11aと、該枠部11aの上端から水平方向に突出したフランジ部11bとを一体に有している。
【0025】
また下部枠12は、上部枠の枠部11aと同様の断面形状を有するように形成されてその両端が上下方向に開口するように配置された枠部12aと、該枠部の下端を閉じるように該枠部12aに溶接された底板12bとからなる。下部枠12の下面には、アングル材からなる1対のベース金具15,15が溶接されている。
【0026】
支柱13は、図3に示したように、上部枠11及び下部枠12の枠部11a及び12aの側面に沿う板面を有する第1の帯板部13aと、該第1の帯板部13aの板面と直交する板面を有して第1の帯板部13aの幅方向の中央部に溶接された第2の帯板部13bとからなる断面T字形の部材からなっている。第1の帯板部13aの板厚は上部枠11a及び下部枠12aの板厚と同じ厚さであり、図示の例では、第2の帯板部13bの上端及び下端がそれぞれ第1の帯板部13aの上端及び下端よりも、枠部11a及び12aの高さh1 及びh2 分だけ突出するように、第2の帯板部13bの長さが第1の帯板部13aの長さよりも長く設定されている。
【0027】
本発明においては、上記支柱13が合計2個設けられていて、該2個の支柱13,13は、上部枠11の枠部11a及び下部枠12の枠部12aをそれぞれの長手方向(図2のX方向)に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向[図2のY方向(幅方向)]に相対する2つの位置にそれぞれ1つずつ配置されている。
【0028】
図3(B),(C)及び図4に示したように、各支柱13は、その第1の帯板部13aの上端及び下端をそれぞれ上部枠11の枠部11aの下面及び下部枠12の枠部12aの上面に当接させ、第1の帯板部13aの上端及び下端からそれぞれ突出した第2の帯板部13bの上端及び下端をそれぞれ上部枠11の枠部11aの側面及び下部枠12の枠部12aの側面に当接させた状態で配置されて、第1の帯板部13aの上端及び下端がそれぞれ上部枠11の枠部11a及び下部枠12の枠部12aに溶接されている。また第2の帯板部13bの上端が上部枠の枠部11aの側面及びフランジ部11bの下面に溶接され、第2の帯板部13bの下端が下部枠の枠部12aの側面及び底板12bの上面に溶接されている。図3(B),(C)及び図4においてwは溶接部を示している。本実施例では、支柱13の第2の帯板部13bの幅寸法が、上部枠11のフランジ部11bの突出寸法よりも大きく設定されていて、第2の帯板部13bの一部がフランジ部11bから突出した状態で配置されている。
【0029】
上記枠組10には2つの波形放熱板15が溶接される。波形放熱板15は、谷部vと山部mとが横方向に交互に並ぶように金属板を曲げ成形した後、各山部mの幅方向の両端を溶接により接合して閉じたものである。この放熱板15は、隣り合う支柱13,13間を連続して延びるように設けられていて、図5に鎖線で示したように、上部枠11の枠部11aの側面及び下部枠12の枠部12aの側面にそれぞれ上端部及び下端部を添わせ、横方向の両端部を隣り合う支柱の第1の帯板部13aの側面に添わせた状態でその周縁部が枠組10に溶接されている。
【0030】
本実施例では、2個の支柱13,13が、上部枠11の枠部11a及び下部枠12の枠部12aをそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置にそれぞれ配置されているため、各枠部に沿って配置した隣り合う支柱13,13相互間の距離が等しくなる。従って、2つの波形放熱板13,13としては同形状、同寸法のものを用いることができる。従って放熱板は1種類だけ製作すればよく、コストの低減を図ることができる。
【0031】
上記のように、枠組の枠部を長辺方向に2分する位置にそれぞれ支柱13,13を設けるようにすると、内圧の上昇時の膨らみが大きいタンクの長辺部分を補強できるため、必要最小限の支柱を用いて、所定の強度を有するタンクを製作することができる。
【0032】
また本実施例では、波形放熱板15の横方向の一端を、支柱13の第2の帯板部13bとの間に溶接のために最低限必要な間隔Aを隔てた位置に位置させて、該放熱板15を枠組10の枠部11a及び11bの側面に沿わせて配置した場合に、放熱板15の他端の位置が、支柱13の第1の帯板部13a上の溶接可能範囲Bに収まっている必要がある。従って波形放熱板15の横方向寸法の誤差範囲を溶接可能範囲B内に収める必要があるが、溶接可能範囲Bは、図13のように、放熱板の途中に屈曲部2c´を設けて該屈曲部を支柱に嵌合させる場合の許容誤差範囲に比べてはるかに大きいため、波形放熱板15を製作する際の寸法の管理及び波形放熱板15の位置合わせが容易になる。
【0033】
上記の実施例では、下部枠12の底板12bの外周寄りの部分を枠部12aよりも外側に突出させるようにしているが、図7に示すように、枠部12aの下端に一体に下部枠のフランジ12a1を形成し、該フランジ12a1の下面に底板12bを溶接する構造にしてもよい。
【0034】
上記の実施例では、上部枠及び下部枠のそれぞれの枠部の横断面の輪郭が、長方形の各角部に丸みを付けた形状を呈しているが、各枠部の横断面の輪郭は長方形でもよく、また図8に示したような小判形や、楕円形などであってもよい。
【0035】
また上記の実施例では、2個の支柱13,13が設けられて、該2個の支柱が、上部枠11の枠部11a及び下部枠12の枠部12aをそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置にそれぞれ配置されているが、タンクを補強するために、図8(B)または(C)に示したように、合計4個の支柱13,13及び13´,13´を設けて、上部枠11の枠部11a(図8には図示せず。)及び下部枠12の枠部12aをそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置と、上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向と直角な方向に2分する位置で、かつ該長手方向に相対する2つの位置との4つの位置にそれぞれ支柱13,13及び13´,13´を配置するようにしてもよい。図8(B)または(C)の実施例において、各支柱の取付け方は前記の実施例と同様である。
【0036】
図8(B)または(C)のように構成すると、図1ないし図6に示した実施例よりもタンクの強度を高めることができる。図8(B)または(C)の実施例では、枠組に取付ける波形放熱板を4個必要とするが、これら4個の波形放熱板は同形状、同一寸法を有するものでよいので、コストの上昇を抑えることができる。
【0037】
上記の実施例では、支柱13として、断面がT字形をなす部材を用いたが、図9に示したように、帯板(平板)状の支柱13を用いることもできる。この場合は、支柱13の側面上で2つの波形放熱板15,15の隣接端部どうしを突き合わせた状態で溶接することにより、2つの波形放熱板の端部を同時に支柱13に溶接できるため、溶接回数を削減してコストの低減を図ることができる。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施例につき説明したが、本明細書に開示した発明の主な態様を挙げると下記の通りである。
【0039】
(1) 横断面が前後左右に対称な輪郭形状を有する横長の枠部を有して上下に間隔をあけて配置された上部枠及び下部枠と上端及び下端がそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接された複数の支柱とからなる枠組と、隣り合う支柱間を連続して延びるように設けられていて前記上部枠の枠部の側面及び下部枠の枠部の側面にそれぞれ上端部及び下端部を添わせ、横方向の両端部を隣り合う支柱の側面に添わせた状態で前記枠組に溶接された複数の波形放熱板とを備えた電気機器用タンクにおいて、前記支柱は合計2個設けられていて、該2個の支柱は、前記上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置にそれぞれ1つずつ配置され、各波形放熱板は、山部と谷部とが横方向に交互に並ぶように曲げ成形された金属板からなっていて、全ての波形放熱板が同形状、同一寸法を有するように形成されていることを特徴とする電気機器用タンク。
【0040】
(2) 横断面が前後左右に対称な輪郭形状を有する横長の枠部を有して上下に間隔をあけて配置された上部枠及び下部枠と上端及び下端がそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接された複数の支柱とからなる枠組と、隣り合う支柱間を連続して延びるように設けられていて、前記上部枠の枠部の側面及び下部枠の枠部の側面にそれぞれ上端部及び下端部を添わせ、横方向の両端部を隣り合う支柱の側面に添わせた状態で前記枠組に溶接された複数の波形放熱板とを備えた電気機器用タンクにおいて、前記支柱は合計4個設けられていて、該4個の支柱は、前記上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置と、前記上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向と直角な方向に2分する位置で、かつ該長手方向に相対する2つの位置との4つの位置にそれぞれ1つずつ配置され、各波形放熱板は、山部と谷部とが横方向に交互に並ぶように曲げ成形された金属板からなっていて、全ての波形放熱板が同形状、同一寸法を有するように形成されていることを特徴とする電気機器用タンク。
【0041】
(3) 前記支柱は前記上部枠及び下部枠の枠部の側面に沿う板面を有する第1の帯板部と該第1の帯板部の板面と直交する板面を有する第2の帯板部とを一体に備えた断面T字形の部材からなっている上記1項または2項に記載の電気機器用タンク。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、枠組の支柱を合計2個設けて、該2個の支柱を、上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置にそれぞれ1つずつ配置するか、または上記支柱を合計4個設けて、該4個の支柱を、上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置と、上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向と直角な方向に2分する位置で、かつ該長手方向に相対する2つの位置との4つの位置にそれぞれ1つずつ配置するようにしたので、枠組に取り付ける複数の波形放熱板として全て同一のものを用いることができる。また各波形放熱板には、支柱を嵌合させるための屈曲部を形成する必要がないため、全ての山部を同一の形状に形成することができる。従って本発明によれば、波形放熱板の量産性を向上させることができ、コストの低減を図ることができる。
【0043】
また本発明によれば、波形放熱板に支柱を嵌合させる屈曲部を設けないため、波形放熱板の取り付け位置に余裕をもたせることができ、放熱板と枠部との間に隙間がない高品質のタンクを容易に組立てることができる。
【0044】
特に請求項1に記載した発明によれば、枠組の枠部を長辺方向に2分する位置にそれぞれ支柱を設けて、内圧の上昇時の膨らみが大きいタンクの長辺部分を支柱により補強する構造としたため、必要最小限の支柱を用いて、所定の強度を有するタンクを製作することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いる枠組の上部枠及び下部枠の枠部の横断面の輪郭形状を示した図である。
【図2】本発明の実施例で用いる枠組の斜視図である。
【図3】(A)は本発明の実施例で用いる枠組の支柱の上面図、(B)は同支柱の取付け構造を説明するための正面図、(C)は(B)の左側面図である。
【図4】本発明の実施例で用いる枠組の支柱の溶接構造の一例を示した縦断面図である。
【図5】本発明の実施例で用いる枠組の支柱付近の構造を示した正面図である。
【図6】本発明の実施例のタンクの横断面図である。
【図7】本発明の実施例で用いる枠組の支柱の溶接構造の他の例を示した縦断面図である。
【図8】(A)ないし(C)はそれぞれ本発明で用いることができる枠組の異なる例を示した断面図である。
【図9】本発明の他の実施例の要部を示した正面図である。
【図10】従来のタンクの構造を示した分解斜視図である。
【図11】図10のタンクの内圧が上昇したときの枠部の膨らみを示した説明図である。
【図12】従来の他のタンクで用いられていた枠組の斜視図である。
【図13】図12の枠組を用いて組み立てたタンクの横断面図である。
【符号の説明】
10 枠組
11 上部枠
11a 枠部
12 下部枠
12a 枠部
13,13´ 支柱
15 波形放熱板
Claims (3)
- 横断面が前後左右に対称な輪郭形状を有する横長の枠部を有して上下に間隔をあけて配置された上部枠及び下部枠と上端及び下端がそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接された複数の支柱とからなる枠組と、隣り合う支柱間を連続して延びるように設けられていて前記上部枠の枠部の側面及び下部枠の枠部の側面にそれぞれ上端部及び下端部を添わせ、横方向の両端部を隣り合う支柱の側面に添わせた状態で前記枠組に溶接された複数の波形放熱板とを備えた電気機器用タンクにおいて、
前記支柱は合計2個設けられていて、該2個の支柱は、前記上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置にそれぞれ1つずつ配置されていることを特徴とする電気機器用タンク。 - 横断面が前後左右に対称な輪郭形状を有する横長の枠部を有して上下に間隔をあけて配置された上部枠及び下部枠と上端及び下端がそれぞれ上部枠及び下部枠に溶接された複数の支柱とからなる枠組と、隣り合う支柱間を連続して延びるように設けられていて前記上部枠の枠部の側面及び下部枠の枠部の側面にそれぞれ上端部及び下端部を添わせ、横方向の両端部を隣り合う支柱の側面に添わせた状態で前記枠組に溶接された複数の波形放熱板とを備えた電気機器用タンクにおいて、
前記支柱は合計4個設けられていて、該4個の支柱は、前記上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向に2分する位置で、かつ該長手方向と直角な方向に相対する2つの位置と、前記上部枠の枠部及び下部枠の枠部をそれぞれの長手方向と直角な方向に2分する位置で、かつ該長手方向に相対する2つの位置との4つの位置にそれぞれ1つずつ配置されていることを特徴とする電気機器用タンク。 - 前記支柱は前記上部枠及び下部枠の枠部の側面に沿う板面を有する第1の帯板部と該第1の帯板部の板面と直交する板面を有する第2の帯板部とを一体に備えた断面T字形の部材からなっている請求項1または2に記載の電気機器用タンク。
Priority Applications (1)
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JP05766795A JP3621740B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 電気機器用タンク |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05766795A JP3621740B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 電気機器用タンク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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