JP3621630B2 - 車両用電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジン室内またはエンジン室内のエンジンやトランスミッション等に直接取り付けることが可能な車両用電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などに使用される車両用の電子機器は、安価、小型、軽量などの要素が要求されるが、特に車室外に装着される電子機器では、これらの要素を加えて防水性や耐震性、更には、熱サイクルに対する安定耐性が要求される。
【0003】
このような環境に対応する車両用電子機器としては、例えば、特願平10−151689号にその一例が示されている。図4は、従来の車両用電子機器を示す斜視図である。また、図5は、上記図4のA−A線における断面図である。図において、1はモールドによる上部ケース、2は上部ケース1と一体に成形され、上部ケース1内にインサート成形されたターミナル群5を有するコネクタ、3はダイキャストなどによる下部ケースで、下部ケース3と上部ケース1とは、その全周において接着剤により接着固定されている。4は、車両用電子機器の取付け足、6は例えばガラスエポキシなどの樹脂で形成され、両面に印刷導体を有するプリント基板、7aはプリント基板6の第一の面6aに高密度実装された半導体部品、7bはプリント基板6の第二の面6bに装着される電子部品である。9はケース内に通気性を与えるための通気孔で、通気孔9には、空気を通し水を通さない性質を持つ撥水フィルタ8が設けられている。
【0004】
このような従来の車両用電子機器では、上部ケース1にコネクタ2用のターミナル5をインサート成形し、上部ケース1とコネクタ2とを一体化することで、両者間の防水対策を行っている。また、下部ケース3は、ダイキャスト材を念頭においた構造であり、製品の取付け足4は下部ケース3と完全一体となり、電子機器の収納室の外側に配置されている。さらに、上部ケース1と下部ケース3との間の防水は、両ケースの外縁部を嵌合して、ここに接着剤をシール材として充填する手段が用いられている。上部ケース1と下部ケース3との嵌合部は、あらかじめ突起などの位置決め手段で、隙間が形成されるように位置決めされている。この隙間に接着剤が流入するので、上部ケース1と下部ケース3とを確実に接着、固定ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の車両用電子機器は、下部ケース3としてダイキャストを念頭においた構成となっている。ダイキャストは、金型の製作費用などコストが高くなるという問題点がった。
【0006】
この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、小型、軽量で且つ安価な車両用電子機器を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車両用電子機器は、内蔵電子部品と外部との信号交信を行うコネクタが一体に成形されると共に、コネクタにターミナルがインサート成形されたモールドケースと、ターミナルに電気的に接続される電子部品と、モールドケースと対をなして電子部品を収納する板金ケースとを備え、モールドケースは板金ケースと対をなす面の外周に環状溝を有し、板金ケースはその開口面の外周縁を断裁し、ケース外側へ向けて鈍角状に折り曲げて形成した折り曲げ部を有し、環状溝に折り曲げ部を嵌挿することにより上記環状溝の底面と上記折り曲げ部とからなる空間の断面が三角形状を成し、上記空間に接着シール材を充填して上記モールドケースと上記板金ケースとを接着固定したものである。
【0008】
また、環状溝と折り曲げ部の断裁面との間に、接着シール材が硬化する前に接着シール材を流動させるための間隙を形成したものである。
【0009】
また、板金ケースは、モールドケースと板金ケースとで形成された空間と、外気とを連結するための絞り出し孔を有し、この絞り出し孔に空気は通して水を通さない性質を持つ撥水フィルタを設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施の形態による車両用電子機器を示す斜視図である。また図2は、上記図1のX−X線における断面図である。図において、1はコネクタ2と一体成形されたモールドケース、3は該モールドケースとは対をなす板金ケース、4は板金ケース3にスポット溶接された取付部材であり、取付部材4には取付け孔4aが設けられている。5はモールドケース1に対してインサート成形されたコネクタ用ターミナル、6はモールドケース1の内側に接着固定され、コネクタ用ターミナル5と電気的に接続されたプリント基板、7aはプリント基板6に第一の面6aに取り付けられた電子部品、7bはプリント基板6の第二の面6bに取り付けられたチップ露出型半導体などの嫌気性、嫌光性電子部品であり、電子部品7bは、プリント基板6とモールドケース1とで構成された密室内に収納されるものである。
【0011】
8は板金ケース3の内部に接着固定され、空気を通し、水は通さない性質の撥水フィルタ、9は板金ケース3とプリント基板6によって構成される空間を外気とつなぐ絞り出し孔であり、その通気路には撥水フィルタ8が介在しているものである。
【0012】
図3は、上記図2におけるA部を拡大した図である。図において、100は板金ケース3の開口面における外周縁を鈍角状に拡開した折り曲げ部である。折り曲げ部100は上記板金ケース3の絞り加工と同時に生成されると共に、しわの発生する最外縁部は断裁して切り捨てられ、最外縁断裁面100cが形成される。101はモールドケース1の外縁部に設けられた環状溝であり、環状溝101には、溝の底面101aを下面とした状態で、熱硬化性シリコン樹脂や、エポキシ樹脂などの樹脂が充填され、ここに、板金ケース3の折り曲げ部100が嵌挿されることによって、モールドケース1と板金ケース3との接着固定が行われる。
【0013】
なお、板金ケース3の開口面における外周縁を鈍角状に折り曲げることの意味は、折り曲げ部100の内側斜面100aと環状溝101の底面101aとの間に三角形状断面の空間を形成して、ここに接着シール材を滞留させることにある。例えば、折り曲げ部100が、板金ケース3の外側に90゜折り曲げられ、折り曲げ部100が環状溝101の底面101a及び壁面101cに密着するような構成とした場合、流動性のある粘度の低い接着シール材ははみ出してしまい、折り曲げ部100と環状溝101と間には接着シール材が介在しなくなる可能性がある。従って、本実施の形態のように、折り曲げ部100が、板金ケース3の外側に鈍角状に折り曲げられ、折り曲げ部100の内側斜面100aと環状溝101の底面101aとの間に三角形状断面の空間を形成するような構成とすれば、折り曲げ部100の内側斜面100aと環状溝101との間には常に接着シール材が介在・滞留し、結果的に接着沿面距離を確保することができる。
【0014】
また、折り曲げ部100の最外縁部を断裁して切り捨てることの意味は、最外縁部の寸法を向上することによって、環状溝101の幅を極力小さくし、製品を小型化することにある。また、この断裁面100cと環状溝101の壁面101bとの間隙を通じて、折り曲げ部100の内側斜面100aと環状溝101の底面101aとの間からなる三角形状断面の空間から接着剤が侵出し、折り曲げ部100の外側斜面100bと環状溝101の壁面101bとの間にも接着剤が流入して、接着沿面距離が確保される。
【0015】
但し、製品の小型化のために環状溝101の幅をもっと小さくすると、折り曲げ部100の最外縁断裁面100cと環状溝101の壁面101bとの間に充分な間隙が確保されないことになる。そこで、環状溝101の幅をもっと小さくしたいときは、該間隙の形成を無視して、必要に応じて折り曲げ部100の外側斜面部100bに対して再度接着シール材の追加充填を行えば良い。
【0016】
このようにして充填された接着シール材は、当初は流動性のある粘度の低いものであるが、充填完了後は、加熱乾燥または自然乾燥によって硬化し、モールドケース1と板金ケース3とを一体化すると共に、両ケース間の防水機能を果たすものである。
【0017】
以上のように、この実施の形態によれば、モールドケース1の接着シール材を充填した環状溝101に、板金ケース3の開口面の外周縁を断裁して鈍角状に折り曲げた折り曲げ部100を嵌挿する構成であるため、従来のようなダイキャストでなく、コストの安い板金ケース3を用いても接着沿面距離を確保でき、確実にモールドケース1と板金ケース3とを接着、一体化させることが可能である。従って、防水性、耐振性に優れ、安価で小型な車両用電子機器を得ることができる。
【0018】
なお、板金ケース3には、絞り出し孔9を介して撥水フィルタ8が設けられている。撥水フィルタ8は空気を通すので、ケース内温度と外気温度との差により、モールドケース1及び板金ケース3とで包囲される空間の圧力と、外気圧との圧力差をなくすことができる。従って、該圧力差によって生じる、モールドケース1と板金ケース3との接着はがれを防ぐことができ、接着シール機能を保護することができる。且つ、撥水フィルタ8は水を通さないので、ケース内の電子部品7a、7bは保護され、防水性に優れる。
【0019】
さらに、撥水フィルタ8は、絞り出し孔9を介して設けられているため、板金ケース3の厚さが極めて薄い場合でも、絞り出し孔9の深さを深くすることによって、製品取扱時に外部から撥水フィルタ8へ異物が侵入しにくくなり、撥水フィルタ8の損傷を防ぐことができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、内蔵電子部品と外部との信号交信を行うコネクタが一体に成形されると共に、コネクタにターミナルがインサート成形されたモールドケースと、ターミナルに電気的に接続される電子部品と、モールドケースと対をなして電子部品を収納する板金ケースとを備え、モールドケースは板金ケースと対をなす面の外周に環状溝を有し、板金ケースはその開口面の外周縁を断裁し、ケース外側へ向けて鈍角状に折り曲げて形成した折り曲げ部を有し、環状溝に折り曲げ部を嵌挿して接着シール材を充填することにより上記モールドケースと上記板金ケースとを接着固定したので、防水性、耐振性に優れ、安価で小型な車両用電子機器を得る効果がある。
また、折り曲げ部と環状溝の底面との間に三角形状断面の空間を形成するようにしたので、折り曲げ部と環状溝との間には常に接着シール材が介在・滞留し、結果的に接着沿面距離を確保することができ強固な接着力が得られる。
【0021】
また、請求項2記載の発明によれば、環状溝と折り曲げ部の断裁面との間に、接着シール材が硬化する前に接着シール材を流動させるための間隙を形成したので、モールドケースと板金ケースとの接着沿面距離をさらに確保できる効果が得られる。
【0022】
また、請求項3記載の発明によれば、板金ケースは、モールドケースと板金ケースとで形成された空間と、外気とを連結するための絞り出し孔を有し、この絞り出し孔に空気は通して水を通さない性質を持つ撥水フィルタを設けたので、防水性に優れると共に、外部から撥水フィルタへの異物の侵入を防ぎ、撥水フィルタの損傷を防ぐ効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態による車両用電子機器を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態による車両用電子機器を示す断面構成図である。
【図3】この発明の実施の形態による車両用電子機器の折り曲げ部及び環状溝付近を示す拡大構成図である。
【図4】従来の車両用電子機器を示す斜視図である。
【図5】従来の車両用電子機器を示す断面構成図である。
【符号の説明】
1 モールドケース、2 コネクタ、3 板金ケース、4 取付部材、5 コネクタ用ターミナル、6 プリント基板、7a 電子部品、7b 嫌気性・嫌光性電子部品、8 撥水フィルタ、9 絞り出し孔、100 折り曲げ部、101 環状溝
Claims (3)
- 内蔵電子部品と外部との信号交信を行うコネクタが一体に成形されると共に、上記コネクタにターミナルがインサート成形されたモールドケースと、上記ターミナルに電気的に接続される電子部品と、上記モールドケースと対をなして上記電子部品を収納する板金ケースとを備え、上記モールドケースは上記板金ケースと対をなす面の外周に環状溝を有し、上記板金ケースはその開口面の外周縁を断裁し、ケース外側へ向けて鈍角状に折り曲げて形成した折り曲げ部を有し、上記環状溝に上記折り曲げ部を嵌挿することにより上記環状溝の底面と上記折り曲げ部とからなる空間の断面が三角形状を成し、上記空間に接着シール材を充填して上記モールドケースと上記板金ケースとを接着固定したことを特徴とする車両用電子機器。
- 環状溝と折り曲げ部の断裁面との間に、接着シール材が硬化する前に上記接着シール材を流動させるための間隙を形成したことを特徴とする請求項1記載の車両用電子機器。
- 板金ケースは、モールドケースと板金ケースとで形成された空間と、外気とを連結するための絞り出し孔を有し、この絞り出し孔に空気は通して水を通さない性質を持つ撥水フィルタを設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用電子機器。
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