JP3621553B2 - 光配線装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバケーブルや光ファイバコード等を配線するための光配線装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ心線同士を、任意に、分岐接続するためのコネクタやスリーブ等の接続部材に接続された光ファイバ心線を、トレイに載置するとともに、必要に応じて、余長部を形成するようにした光配線装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
接続部材に接続された光ファイバ心線を、トレイに載置する際に、接続部材とトレイとの間に高低差があるために、接続部材から出た光ファイバ心線が、自重等で、接続部材に対して略垂直に垂れ下がることになり、このために、光ファイバ心線が、接続部材付近で光ファイバ心線の所定曲げ半径を確保できなかったり、また、光ファイバ心線が、切断する等の損傷を受けるという問題があった。
【0004】
また、光ファイバ心線の自重等による垂れ下がりに起因する光ファイバ心線の損傷を防止するために、多数のスリットが形成された弾性体を配設し、該スリットに光ファイバ心線を挿入して、光ファイバ心線を適当な位置で把持するようにした光配線装置も知られているが(例えば、特開平8−254620号公報)、光ファイバ心線の配線替え作業の際には、いちいち、弾性体に形成されたスリットに光ファイバ心線を挿入したり、スリットから光ファイバ心線を取り外さなければならず、従って、光ファイバ心線の配線替え作業等の作業性が悪くなる等の問題があった。更に、光ファイバ心線を、弾性体のスリットに挿入するものであるために、隣接する光ファイバ心線間に弾性体が介在することになり、従って、光ファイバ心線の配線密度を上げることができないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来の光配線装置が有する課題を解決するとともに、構造が簡素化された、コンパクトな光配線装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、接続部材が水平方向に並設された垂直パネルと、光ファイバ心線を載置し略水平に案内する棒状の中央部と該中央部の両端から延在する自由端部とからなる略U字状の支持ガイドと、前記垂直パネルに取着された水平筒部材とを有するとともに、前記支持ガイドの自由端部を前記水平筒部材に挿通し、前記水平筒部材からの前記支持ガイドの自由端部の出し入れ量を調節することにより、前記垂直パネルからの前記支持ガイドの中央部の距離を調節自在とし、更に、前記接続部材から出て、前記支持ガイドの中央部により略水平に案内された光ファイバ心線を、トレイに載置するようにしたものである。
【0007】
【実施例】
以下に、本発明の光配線装置の正面図である図1、本発明の光配線装置の一部断面を含む側面図である図2、本発明の光配線装置を構成する光配線ユニットの斜視図である図3、本発明の光配線装置を構成する光配線ユニットの一部拡大斜視図である図4及び図3と同様の本発明の光配線装置を構成する光配線ユニットの斜視図である図5を用いて、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0008】
1は、上板1a、下板1b及び相対する側板1cから構成された凾体であり、凾体1の内側に位置する側板1cの略中央部には、垂直状の取付パネル2が、所定の間隔を置いて取着されている。3は、垂直パネルであり、垂直パネル3の相対する垂直縁には、上下方向に、所定の間隔を置いて、水平スリット4が形成されており、該水平スリット4にボルト5を挿入するとともに、該ボルト5を、取付パネル2に穿設されたネジ孔に螺合することにより、垂直パネル3を、取付パネル2に取り付けるように構成されている。6は、適当な取り付け金具7等を介して、垂直パネル3に取り付けられたトレイである。該トレイ6は、図2や図3等に示されているように、垂直パネル3の両側に配設することも、また、垂直パネル3の片側のみに配設することもできる。
【0009】
8は、垂直パネル3に、多数、並設されたコネクタやスリーブ等の接続部材である。9は、トレイ6の両端部に取着された、所定の曲率半径を有するアール状ガイドであり、10は、アール状ガイド9に対してトレイ6の内側に配設されたた、2枚の板材等により光ファイバコード等を挟持するコードクランプである。11は、トレイ6の垂直パネル3と平行な縁部付近に、所定の間隔で取着されたリング11aからなる配線ダクトであり、リング11aは、その上辺において、一部が切り離されている。なお、本実施例においては、垂直パネル3に、接続部材8が、上下2列に配設された例が示されているが、一列でも、或いは、3列以上、配設することもできる。
【0010】
12は、トレイ6に取着された、光ファイバ心線が巻回され案内されるガイド部材であり、柱状体12aと柱状体12aの上面に取着された鍔部12bとから構成されている。このようなガイド部材12は、トレイ6に、適当数、配設されている。本実施例においては、トレイ6の中央部に2個のガイド部材12が配設されており、そして、コードクランプ10付近に、それぞれ、2個ずつのガイド部材12が配設されており、合計6個のガイド部材12が配設されている。
【0011】
13は、光ファイバ心線が載置され案内される棒状の中央部13a及び中央部13aの両端から、中央部13aに対して略垂直に延在する、棒状或いは板状の自由端部13bとからなる略U字状に形成された、光ファイバ心線の支持ガイドである。垂直パネル3の両端部付近には、垂直パネル3を貫通するように、透孔14aを有する水平筒部材14が取着されている。水平筒部材14の透孔14aに、支持ガイド13の自由端部13bを挿通とともに、水平筒部材14の胴部に形成されたネジ孔14bに、締め付けボルト15を螺合することにより、締め付けボルト15により、水平筒部材14の透孔14aに挿通された支持ガイド13の自由端部13bを締め付けて、水平筒部材14に、支持ガイド13を取り付けることができるように構成されている。なお、支持ガイド13は、ワイヤー等の棒材を、略U字状に屈曲させて、一体に形成することが好ましい。
【0012】
締め付けボルト15を緩めて、水平筒部材14からの支持ガイド13の自由端部13bの出し入れ量を調節することにより、垂直パネル3からの支持ガイド13の中央部13aの距離を調整することができるように構成されている。このような支持ガイド13は、垂直パネル3に1本或いは2本以上、配設することができる。本実施例においては、垂直パネル3に、上下2列に配設された接続部材8に対応して、上下方向に2本の支持ガイド13が配設された例が示されている。上記の支持ガイド13は、垂直パネル3に並設された接続部材8と略同じ高さに取り付けられている。
【0013】
本発明の光配線装置においては、接続部材8や支持ガイド13が配設された垂直パネル3及びアール状ガイド9、コードクランプ10、ガイド部材12等が配設されたトレイ6から構成される光配線ユニットUが、凾体1内に、多段に配設されている。なお、本実施例には、支持ガイド13が、垂直パネル3の一方の側面に配設された例が示されているが、支持ガイド13は、垂直パネル3の両側面に配設することもできる。なお、18は、必要に応じて、配線ダクト11に隣接して、トレイ6の先端部に取着されたカバーである。
【0014】
次に、上述した構成を有する光配線装置における光ファイバケーブルや光ファイバ心線等の配線手段について説明する。
【0015】
凾体1の側板1c等に、適当なクランプ16で取着された光ファイバケーブル17のダム部17aから引き出された光ファイバコード17bは、一例として図5に示されているように、アール状ガイド9により緩やかに屈曲された後に、コードクランプ10により把持される。次いで、光ファイバコード17bから取り出された光ファイバ心線17c’は、垂直パネル3を挟んで両側に配設された一対のトレイ6の一方のトレイ6’上に載置され、必要に応じて、適当な長さの余長部が形成されるとともに、光ファイバ心線17c’の端部を、垂直パネル3に取着された接続部材8に接続する。また、該光ファイバ心線17c’に連結される光ファイバ心線17c”を、もう一方のトレイ6”側に位置する接続部材8に接続するとともに、該接続部材8に接続された光ファイバ心線17c”は、支持ガイド13の中央部13aに掛けられる。
【0016】
上述したように、支持ガイド13の中央部13aに掛けられた光ファイバ心線17c”は、トレイ6”に取着されたガイド部材12に巻回されて、適当な長さの余長部を形成した後、コードクランプ10により把持され、アール状ガイド9に案内されて、トレイ6より導出入配線される。また、トレイ6”上で、適当な長さの余長部が形成された光ファイバ心線17c”は、配線ダクト11に挿通された後、トレイ6から導出入され、隣接する光配線装置間等に配設されたトレイに配線される。
【0017】
本発明の光配線装置においては、垂直パネル3に取着された接続部材8に接続された光ファイバ心線17c”が、垂直パネル3に、接続部材8と略同じ高さに取着された支持ガイド13の中央部13aに掛けられているので、接続部材8から出た光ファイバ心線17c”が、自重等で、接続部材8の端部で、略垂直に垂れ下がるようなことがなく、略水平に案内され、その後、トレイ6上に載置されるように構成されているので、接続部材8の端部において、光ファイバ心線17cが損傷を受けるようなことが防止できるとともに、光ファイバ心線の所定曲げ半径も確保でき、光伝送損失の保償もできる。
【0018】
そして、支持ガイド13、特に、その中央部13aを、細径の棒状に形成したので、トレイ6の上部空間が開放状態となり、従って、トレイ6に配設されたガイド部材12への光ファイバ心線17c”の余長部の巻回作業を、目視しながら行うことができ、容易に、迅速に、且つ、正確な巻回を行うことができる。従って、余長部の巻回作業の作業性が向上するとともに、巻回による光伝送損失を防止することができる。また、支持ガイド13を、垂直パネル3に、複数本、配設した場合でも、支持ガイド13が細径の棒状に形成されているので、一方の支持ガイド13が、他方の支持ガイド13の視野を邪魔するようなこともなく、余長部の巻回作業の妨害になるようなことがない。
【0019】
また、従来の光配線装置のように、弾性体に形成されたスリットに光ファイバ心線を挿入することなく、単に、光ファイバ心線17c”を、垂直パネル3に取着された支持ガイド13に掛けるだけであるので、光ファイバ心線17c”の配線替え等の作業性が向上するとともに、光ファイバ心線17c”の配線密度の向上が図られる。
【0020】
更に、光ファイバ心線17c”の太さ等に応じて、締め付けボルト15を緩めて、水平筒部材14からの支持ガイド13の自由端部13bの出し入れ量を調節することにより、垂直パネル3からの支持ガイド13の中央部13aの距離を調整することができる。
【0021】
更にまた、接続部材8が、上下方向に、複数列配設されている場合には、上下方向に配設された接続部材8に対応して配設された支持ガイド13の中央部13aの垂直パネル3からの距離を、それぞれ変えることにより、光ファイバ心線17c”が交差することなく、従って、光ファイバ心線17c”の配線替えの作業性が更に向上する。
【0022】
通常、光ファイバ心線の配線替えは、凾体1の前面に配設されたトレイ6”、即ち、図3及び図5において、右側に位置するトレイ6”に載置された光ファイバ心線17c”に対して行われることが多いので、従って、本実施例においては、垂直パネル3に対して右側に配置されたトレイ6”にのみに、ガイド部材12や支持ガイド13が配設されているが、右側に位置するトレイ6’にも、ガイド部材12や支持ガイド13を配設することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0024】
接続部材に接続された光ファイバ心線を、略水平に案内する支持ガイドを配設したので、接続部材の端部において、光ファイバ心線が損傷を受けるようなことが防止できるとともに、光ファイバ心線の所定曲げ半径も確保でき、光伝送損失の保償もできる。また、光ファイバ心線を、支持ガイドに掛けるだけであるので、光ファイバ心線の配線替え等の作業性が向上するとともに、光ファイバ心線の配線密度の向上が図られる。
【0025】
支持ガイドを棒状に形成したので、トレイの上部空間が開放状態となり、従って、トレイに配設されたガイド部材への光ファイバ心線の余長部の巻回作業を、目視しながら行うことができ、容易に、迅速に、且つ、正確な巻回を行うことができる。従って、余長部の巻回作業の作業性が向上するとともに、巻回による光伝送損失を防止することができる。
【0026】
垂直パネルとトレイからなる光配線ユニットを有するとともに、垂直パネルに、接続部材と支持ガイドを配設したので、光配線装置の構造が簡素化され、しかも、コンパクトになる。
【0027】
垂直パネルからの支持ガイドの中央部の距離を、調節自在としたので、種々の太さを有する光ファイバ心線に適用することができる。また、接続部材が、上下方向に、複数列配設されている場合には、上下方向に配設された接続部材に対応して配設された支持ガイドの中央部の垂直パネルからの距離を、それぞれ変えることにより、光ファイバ心線が交差することなく、従って、光ファイバ心線の配線替えの作業性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の光配線装置の正面図である。
【図2】図2は本発明の光配線装置の一部断面を含む側面図である。
【図3】図3は本発明の光配線装置を構成する光配線ユニットの斜視図である。
【図4】図4は本発明の光配線装置を構成する光配線ユニットの一部拡大斜視図である。
【図5】図5は図3と同様の本発明の光配線装置を構成する光配線ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
U・・・・・・・・光配線ユニット
1・・・・・・・・凾体
3・・・・・・・・垂直パネル
6・・・・・・・・トレイ
8・・・・・・・・接続部材
13・・・・・・・支持ガイド
17c”・・・・・光ファイバ心線
Claims (1)
- 接続部材が水平方向に並設された垂直パネルと、光ファイバ心線を載置し略水平に案内する棒状の中央部と該中央部の両端から延在する自由端部とからなる略U字状の支持ガイドと、前記垂直パネルに取着された水平筒部材とを有するとともに、前記支持ガイドの自由端部を前記水平筒部材に挿通し、前記水平筒部材からの前記支持ガイドの自由端部の出し入れ量を調節することにより、前記垂直パネルからの前記支持ガイドの中央部の距離を調節自在に構成し、更に、前記接続部材から出て、前記支持ガイドの中央部により略水平に案内された光ファイバ心線が、トレイに載置されるように構成されていることを特徴とする光配線装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11193497A JP3621553B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 光配線装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11193497A JP3621553B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 光配線装置 |
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JPH10288712A JPH10288712A (ja) | 1998-10-27 |
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Family
ID=14573805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11193497A Expired - Fee Related JP3621553B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 光配線装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3621553B2 (ja) |
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JP2008009094A (ja) * | 2006-06-28 | 2008-01-17 | Fujikura Ltd | 光成端箱 |
-
1997
- 1997-04-14 JP JP11193497A patent/JP3621553B2/ja not_active Expired - Fee Related
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