JP3621364B2 - 輸送装置 - Google Patents

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JP3621364B2
JP3621364B2 JP2001248956A JP2001248956A JP3621364B2 JP 3621364 B2 JP3621364 B2 JP 3621364B2 JP 2001248956 A JP2001248956 A JP 2001248956A JP 2001248956 A JP2001248956 A JP 2001248956A JP 3621364 B2 JP3621364 B2 JP 3621364B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、粉体や粉砕体などの輸送物を輸送物供給手段によって輸送通路内に供給し、当該輸送物を前記輸送通路に圧送されている輸送気体によって輸送する輸送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、セメントなどの粉末状の輸送物をコンクリート製造プラントなどに輸送する場合には、前記輸送物を輸送通路内に供給し、同通路内を圧送される空気などの輸送気体に混合させて輸送する輸送装置が広く利用されている。また、この種の輸送装置では、前記輸送物を輸送通路に供給する輸送物供給手段としてロータリーフィーダが使用されている。
【0003】
図7,図8に示すように、このロータリーフィーダ201は、略横円筒状をなすケーシング本体202と、該ケーシング本体202の左右両側に固定される側板203,204とを備えている。前記ケーシング本体202の上部には輸送物を取り込むための取込筒部202aが一体的に形成され、前記取込筒部202aの上端部には連結筒205及びバルブ収容筒206を介して輸送物を収容するホッパー207が固定されている。前記ホッパー207は、上部が開口されており、その開口を介して上方から投入された輸送物を一時的に貯留するようになっている。
【0004】
前記バルブ収容筒206には図示しないアクチュエータに連結された支軸208が回動可能に支持され、同支軸208にはバルブプレート209が固定されている。そして、前記アクチュエータの動作に基づき、支軸208及びバルブプレート209が往復回動することにより、前記バルブプレート209をバルブ収容筒206内で通路開放位置と通路閉鎖位置との間で位置切り換えするようになっている。
【0005】
前記左右の両側板203,204には回転軸210が回転可能に支持され、同回転軸210は図示しない電動機により回転されるようになっている。前記回転軸210には円板状をなす一対の取付板211を介して横円筒状をなすロータ212が固定されている。前記ロータ212の外周面には放射状に延びる羽根板213が所定の等間隔ピッチで複数枚取り付けられ、互いに隣接する前記羽根板213同士によって、複数の仕切室Sが区画形成されている。また、前記複数の羽根板213は、ロータ212と共に回転し、かつその先端部がケーシング本体202の内周面に摺接するようになっている。加えて、前記複数の羽根板213は、ロータ212と共に回転する際、当該各羽根板213の両側縁が前記側板203,204にそれぞれ摺接するようになっている。
【0006】
前記ホッパー207内の輸送物は、前記バルブプレート209がバルブ収容筒206内において前記通路開放位置に位置する際に、バルブ収容筒206、連結筒205、及び取込筒部202aを介して前記仕切室S内に投入される。以下、前記仕切室Sに輸送物が供給される位置を供給位置という。そして、ロータ212が回転することにより、前記輸送物が収容された状態の仕切室Sは側板203,204間における下方位置へ移送される。
【0007】
図8において、左側の側板203の下部には輸送気体の供給口203aが開口され、同供給口203aの外側面には高圧の輸送気体をケーシング本体202へ送るための供給管214が固定されている。一方、右側の側板204における前記供給口203aと対向する位置には吐出口204aが開口され、同吐出口204aの外側面にはケーシング本体202内の輸送気体を排出する排出管215が固定されている。
【0008】
そのため、前記輸送物が収容された状態の仕切室Sが前記ロータ212の回転に伴い供給口203a及び吐出口204aと対向する位置に移送されると、仕切室S内の輸送物は、供給管214から供給される輸送気体と混合された状態で排出管215へ排出される。
【0009】
そして、前記輸送物を前記排出管215へ排出した後の空の仕切室(以下、「空仕切室」という。)Sは、前記ロータ212の回転に基づき前記供給位置に向かって移送される。
【0010】
図7に示すように、前記ケーシング本体202には、前記空仕切室Sと対向する位置に空気抜き孔216が設けられている。その空気抜き孔216の外側面にはエア抜き管217が固定され、同エア抜き管217の途中には吸引ポンプ218が連結されている。そして、空仕切室Sが前記空気抜き孔216と対応する位置に移送されると、前記空仕切室S内の輸送気体が前記空気抜き孔216、エア抜き管217を介して吸引ポンプ218にて強制的に吸引され、空仕切室S内は負圧状態になる。この結果、内部が負圧状態の空仕切室Sが前記供給位置に到達すると前記輸送物が前記空仕切室S内に効率良く収容される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近時においては、輸送物としておがくずや細かく砕いたビニールなどを含む産業廃棄物等の粉砕体を前記ロータリーフィーダ201で輸送することがある。しかし、このような粉砕体を輸送する場合には、前記粉砕体が羽根板213の両側縁に絡みつき、さらにその状態で前記羽根板213の両側縁が両側板203,204と摺動すると、前記粉砕体が羽根板213の両側縁に焼きつくことがあった。
【0012】
また、前記ロータリーフィーダ201では仕切室Sが供給口203a及び吐出口204aと対向する位置に移送された際に、羽根板213の両側縁に付着した前記粉砕体は、輸送気体により吹き飛ばされないことがある。このため、前記羽根板213の両側縁に前記粉砕体が付着したままとなり、前記羽根板213と側板203,204との間で摺動抵抗が大きくなる。この結果、前記ロータ212を回転させる図示しない前記電動機への負荷が大きくなってしまうことがあった。
【0013】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は羽根板の側縁に付着した輸送物を払い落とし、回転体の回転抵抗を低減できる輸送装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ケーシング内に複数の羽根板により複数の仕切室が回転方向へ区画形成された回転体を設け、前記回転体の回転に伴う前記各仕切室の移動軌跡を輸送気体が圧送される輸送通路に対応させ、前記輸送通路のうち前記ケーシング内で前記仕切室と前記輸送物との受け渡しを行う部分を受渡通路とし、前記ケーシングには、前記受渡通路に対応して上流側開口部、及び下流側開口部を形成し、前記回転体の回転に基づき前記仕切室内に収容された前記輸送物を前記受渡通路内に供給する輸送物供給手段を有し、前記羽根板が前記受渡通路に対応する位置に移動した際に、当該輸送物供給手段から供給された前記輸送物を前記輸送通路の上流側から圧送される前記輸送気体により前記輸送通路の下流側に輸送する輸送装置において、前記上流側開口部及び前記下流側開口部のうち少なくともいずれか一方に、羽根板の側縁に干渉して、当該羽根板の側縁に付着した前記輸送物を払い落とすための払落手段を備えたことを要旨とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の輸送装置において、前記払落手段は、前記回転体の略径方向に沿って延びるように設けられた長尺なカキトリ部材であることを要旨とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の輸送装置において、前記カキトリ部材は、前記開口部の内周面の近傍に設けられていることを要旨とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る輸送装置を具体化した一実施形態を図1〜図6に基づき説明する。
【0018】
図1には、輸送物を輸送気体に混合させて輸送する輸送装置10の全体構成が概略的に示されている。なお、輸送物には、例えば長尺な板のかけら、おがくず、及び細かく砕いたビニール等の粉砕体や、木の粉等の粉体が含まれている。そして、前記輸送装置10には、輸送通路11を構成する上流側輸送管12と下流側輸送管13が備えられている。前記上流側輸送管12の最上流側(輸送通路11の最上流側)には、前記輸送気体の供給源となるブロワー14が配設されている。また、前記輸送通路11の途中であって、前記上流側輸送管12の最下流側と前記下流側輸送管13の最上流側との間には、前記輸送通路11内に前記輸送物を供給する輸送物供給手段としてのロータリーフィーダ15が配設されている。なお、本実施形態では、前記ロータリーフィーダ15の配設位置を基準として前記輸送通路11を上流側輸送管12と下流側輸送管13に分けている。
【0019】
そして、前記ロータリーフィーダ15には、当該ロータリーフィーダ15に前記輸送物を投入するためのホッパー16が配設されている。なお、前記ホッパー16は、上部が開口されており、前記輸送物を貯留する機能も備えている。また、前記下流側輸送管13の最下流側(輸送通路11の最下流側)には、輸送された前記輸送物を処理するための処理装置17が配設されている。なお、例えば、おがくずや木の粉が前記輸送装置10において輸送される場合、前記処理装置17としては焼却炉などが配設される。
【0020】
また、前記ロータリーフィーダ15には、前記上流側輸送管12を通じて流入した前記輸送気体を強制的に吸引して排出する吸引ファン18が空気抜き管19を介して配設されている。さらに、前記吸引ファン18には、吸引した前記輸送気体を取り込んで当該輸送気体に対し所定の処理を施す集塵機20が排出路21を介して配設されている。
【0021】
次に、前記ロータリーフィーダ15の具体的構成について図2〜図6を用いて説明する。
当該ロータリーフィーダ15は、図3に示すように、略横円筒状をなすケーシング本体30と、図4において、そのケーシング本体30の左右両端部に溶接固定された円板状をなす側板31,32とを備えている。前記ケーシング本体30は内周面が真円をなしており、このケーシング本体30と前記両側板31,32にて有底有蓋円筒状のケーシング33が構成されている。そして、前記ケーシング33の上部には、輸送物取込部としての取込筒部33aが一体的に形成されている。前記取込筒部33aの上端部には連結筒34及びバルブ収容筒35を介して前記ホッパー16が連結固定されている。
【0022】
前記バルブ収容筒35には、図示しないアクチュエータに連結された支軸36が回動可能に支持されている。前記バルブ収容筒35内において、当該支軸36の外周にはバタフライプレート37が固定されている。そして、図示しないアクチュエータにより支軸36及びバタフライプレート37が往復回動し、同バタフライプレート37はバルブ収容筒35の通路を開放する位置と閉鎖する位置との間で位置切り換えされる。前記バタフライプレート37がバルブ収容筒35の通路を開放する位置に位置する際には、ホッパー16に貯留されている前記輸送物がバルブ収容筒35、連結筒34、及び取込筒部33aを介してケーシング33内に投入される。
【0023】
また、前記ケーシング33の略中央には、図示しない駆動装置(モータなど)に連結される回転軸40が回転可能に支持されている。当該回転軸40には前記ケーシング33内に配置されて前記輸送物を移送する回転体41が装着されている。従って、前記回転体41は、前記回転軸40から伝達される前記駆動装置の回転動力を受けて所定の方向(図3に示す矢示方向A(時計回り方向))に所定の回転数(毎分20回転前後)で回転して前記輸送物を移送するようになっている。
【0024】
次に、前記回転体41の構成についてさらに詳細に説明すると、前記回転軸40には円板状をなす一対の取付部材としての取付板42a,42bが溶接固定されている。図4において、取付板42aは左側、取付板42bは右側に位置している。当該取付板42a,42bの外周縁には横円筒状をなすロータ43が溶接固定されている。
【0025】
そして、前記ロータ43の外周面には、前記回転軸40の軸線方向に沿って延びる断面略L字状の羽根板44が周方向に向かって取り付けられている。前記羽根板44は所定の等間隔ピッチ(本実施形態では、略20度ピッチ)で複数枚(本実施形態では18枚)取り付けられている。また、ロータ43の回転に基づいて、前記羽根板44の先端部はケーシング本体30の内周面に摺接し、当該羽根板44の両側縁は側板31,32の内側面に摺接するように構成されている。
【0026】
また、前記ロータ43の外周面には、周方向に沿って互いに隣接する前記羽根板44同士によって、前記ロータ43(回転体41)の回転方向(周方向)へ複数の仕切室R(本実施形態では18室)が区画形成されている。
【0027】
前記取込筒部33aにおける前記羽根板44の回転方向前側に対応する内面(図3において、取込筒部33aの右側内面)には、干渉手段としての干渉板45がボルト46とナット47により片持ち梁状に支持固定されている。前記干渉板45は合成樹脂により形成されており、弾性を有している。前記干渉板45は断面略くの字状に形成され、その先端側は干渉板45が固定された取込筒部33aの内面よりも前記羽根板44の回転方向後側(図3において左側)へ向け延びている。それと共に、前記干渉板45の先端側は前記回転軸40を中心とした略径方向に沿って延びるように配置されている。
【0028】
そして、その配置状態において、前記干渉板45の先端部は、前記羽根板44の先端部が回転体41の回転に伴い移動して描く移動軌跡上に位置するように構成されている。以下、羽根板44の先端部の移動軌跡を羽根板移動軌跡Lという。そして、ロータ43が回転すると、干渉板45は自身の先端側を撓ませながら干渉板45の先端部を羽根板44の先端部に対して接触させるように構成されている。
【0029】
そのため、羽根板44の先端部に輸送物が付着した場合であっても、その輸送物は前記干渉板45の先端部によりかきとられ、回転体41の回転時には、前記羽根板44の先端部とケーシング本体30の内周面との摺接が良好に行われる。また、干渉板45の先端部が前記羽根板移動軌跡L上に位置するように配置されていることで、前記仕切室R内に輸送物が山盛り状態で投入されても、当該羽根板移動軌跡Lよりも外方にはみ出した輸送物は干渉板45により払い落とされる。このため、前記仕切室Rには常に所定量の輸送物を均一に収容できる。もちろん、前記仕切室R内に投入された輸送物中に羽根板移動軌跡Lの外方へ突出する長尺物が含まれていたとしても、そのような長尺物は前記干渉板45により羽根板44の先端部とケーシング本体30の内周面との隙間へ入り込むことが確実に防止される。
【0030】
前記干渉板45の先端側において、前記羽根板44の回転方向前側の側面には、断面略くの字状の弾性変形抑制板48が設けられ、当該弾性変形抑制板48にて干渉板45の先端側における撓み変形を抑制するようになっている。前記弾性変形抑制板48は合成樹脂で弾性を有している。前記弾性変形抑制板48は、その基端部が干渉板45における先端部よりも基端側部位に対して接合固定され、その先端部は取込筒部33aの内面に当接されている。
【0031】
そして、前記干渉板45の先端部が前記羽根板44の回転方向前側へ向けて撓むと、弾性変形抑制板48は自身の付勢に抗してその先端部が取込筒部33aの内面に対して摺接しながら下方へ移動するように構成されている。このように、弾性変形抑制板48は自身の付勢に抗してその先端部が取込筒部33aの内面に対して摺接しながら下方へ移動することで、前記干渉板45の先端部の過剰な撓み変形を抑制している。なお、前記弾性変形抑制板48は自身の付勢に抗してその先端部が取込筒部33aの内面に対して摺接しながら下方へ移動しても、その先端部は前記羽根板移動軌跡L内に入らないように構成されている。
【0032】
また、図4,図5(a)に示すように、前記側板31の下部には扇状をなす輸送気体の供給口31aが上流側開口部として開口形成されている。そして、当該供給口31aと対応した前記側板31の外側面には、前記上流側輸送管12が接合固定され、前記ブロワー14から供給された前記輸送気体が前記上流側輸送管12を通って前記ケーシング33内に送られるようになっている。なお、図5(a)に示すように、前記側板31において、供給口31aにより形成された直線状をなす両平面F1は、前記回転軸40を中心とした略径方向に沿って延びるようになっている。
【0033】
一方、図4,図5(b)に示すように、前記側板32の下部にはケーシング33内で輸送物が混合された輸送気体を吐出する扇状をなす吐出口32aが下流側開口部として開口形成されている。そして、当該吐出口32aと対応した前記側板32の外側面には、前記下流側輸送管13が接合固定されている。なお、図5(b)に示すように、前記側板32において、吐出口32aにより形成された直線状をなす両平面F2は、前記回転軸40を中心とした略径方向に沿って延びるようになっている。
【0034】
そして、前記回転体41は、その回転に伴い一定の移動軌跡上を回転移動する前記各仕切室Rが前記両輸送管12,13と対応する位置(以下、「排出位置」という。)に順次通過移動されるように前記ケーシング33内に配置されている。従って、前記各仕切室Rは、前記取込筒部33aと対応する位置(以下、「供給位置」という。)を通過移動する際に前記輸送物が収容され、前記排出位置に向かって移送される。また、前記排出位置に到達した前記仕切室Rには、前記輸送気体が強制的に流入することで前記輸送物が前記輸送気体と混合された状態で前記下流側輸送管13側に排出される。そして、前記輸送物を前記輸送通路11に供給した後の空の仕切室(以下、「空仕切室」という。)Rは、前記供給位置に向かって移送される。このとき、前記空仕切室Rは、前記上流側輸送管12を通じて前記輸送気体が流入した状態で前記供給位置に向かって移送されている。
【0035】
図5(a)に示すように、前記供給口31a内には、払落手段及びカキトリ部材としての2つのカキトリ板50が溶接固定され、前記カキトリ板50は四角板状をなしている。前記各カキトリ板50は、回転軸40を中心とした略径方向に沿って延びるように、かつ供給口31a内における前記両平面F1に対して近接するようにそれぞれ配置されている。そして、図4において、前記ロータ43の回転に基づいて羽根板44の左側縁とカキトリ板50とが対向した際に、カキトリ板50は当該羽根板44の左側縁に接触するようになっている。そのため、前記羽根板44の左側縁に輸送物が付着していても、前記カキトリ板50にてかきとられ、かきとられた輸送物は前記輸送気体によって下流側輸送管13側に排出される。
【0036】
一方、図5(b)に示すように、前記吐出口32a内にも、払落手段及びカキトリ部材としての2つのカキトリ板51が溶接固定され、前記カキトリ板51は四角板状をなしている。前記各カキトリ板51は、回転軸40を中心とした略径方向に沿って延びるように、かつ吐出口32a内における前記両平面F2に対して近接するようにそれぞれ配置されている。そして、図4において、前記ロータ43の回転に基づいて羽根板44の右側縁とカキトリ板51とが対向した際に、カキトリ板51は当該羽根板44の右側縁に接触するようになっている。そのため、前記羽根板44の右側縁に輸送物が付着していても、前記カキトリ板51にてかきとられ、かきとられた輸送物は前記輸送気体によって下流側輸送管13側に排出される。
【0037】
ところで、前記輸送通路11のうち前記供給口31aと吐出口32aとの間に位置する部分は受渡通路11aとされており、同受渡通路11aの一部はケーシング本体30により形成されている。前記受渡通路11aにおいて、前記羽根板44の先端部と対向する内周面部分(以下、対向内周面部分ということがある。)全域には、前記羽根板移動軌跡Lよりも径方向外側へ向け付着物除去部としての凹所52が凹み形成されている。即ち、ケーシング本体30の内周面における輸送通路11と対応した部位に凹所52が形成されている。
【0038】
前記凹所52が形成されていることにより、前記ロータ43の回転に基づいて羽根板44が受渡通路11aに対応する位置に移動すると、当該羽根板44の先端部はケーシング本体30の内周面に摺接していた状態から離間した状態になる。すると、前記羽根板44の先端部とケーシング本体30の内周面との間には隙間ができることになり、この凹所52により形成された隙間を輸送気体が通過することで、当該羽根板44の先端部に付着した輸送物を吹き飛ばすようになっている。
【0039】
ところで、図3に示すように、本実施形態の輸送装置10において、前記供給位置から前記排出位置に向かって前記仕切室Rが移送される区間は、前記回転体41の回転方向における上流側区間に相当し、当該上流側区間で移送されている前記仕切室R内には前記輸送物が収容されている。そして、前記供給位置は、前記回転体41の回転方向における上流側区間の最上流側に位置している。一方、前記排出位置から前記供給位置に向かって前記仕切室Rが移送される区間は、前記回転体41の回転方向における下流側区間に相当し、当該下流側区間で移送されている前記仕切室R内には前記輸送物が収容されておらず空仕切室Rとなっている。
【0040】
そして、前記ケーシング本体30には、前記空仕切室Rが移送される前記回転体41の回転方向における下流側区間に対応して空気抜き孔53が設けられている。即ち、前記空気抜き孔53は、図2,3に示すように、前記取込筒部33aの下部から前記仕切室Rの略1室分だけ前記排出位置側寄りの位置に設けられている。そして、前記空気抜き孔53と対応した前記ケーシング本体30の外側面には、前記空気抜き管19が接合固定されている。
【0041】
従って、前記空仕切室Rは、前記回転体41の回転に伴い前記空気抜き孔53と対応する位置に移送された時に、前記空仕切室R内に残留する高圧の輸送気体が前記空気抜き管19を介して吸引ファン18によって強制的に吸引されるようになっている。また、前記輸送気体と共に、前記空仕切室R内に残留した輸送物も吸引されるようになっている。従って、前記空気抜き孔53は、前記供給位置となる前記ケーシング本体30の上方開口側よりも手前側に設けられ、前記空仕切室R内の輸送気体は前記供給位置に到達する前に吸引される。
【0042】
このように、前記吸引ファン18は、前記空気抜き管19を通じて空仕切室R内の前記残留輸送気体を吸引するようになっている。そして、図1に示すように、吸引ファン18に吸引された前記輸送気体は排出路21を介して前記集塵機20に取り込まれ、当該集塵機20によって所定の処理が施される。
【0043】
また、図2に示すように、前記ホッパー16における右側の上端近傍には貫通孔16aが形成されている。そして、前記貫通孔16aと前記空気抜き管19との間には、両者16a,19間を連通させる吸引管55が接合固定されている。前記吸引管55の吸引口55aは前記貫通孔16a内に位置するように配置されている。そして、前記吸引管55、空気抜き管19、及び吸引ファン18により強制吸引手段が構成されている。なお、本明細書では、前記吸引口55aが貫通孔16a内に位置していることを、「吸引口55aをホッパー16内に配置した」ことに相当するものとする。
【0044】
また、図2に示すように、前記吸引管55の途中には、当該吸引管55内を通る「ホッパー内空気」の流量を調整する通風調節装置としての調整ダンパー56が設けられている。前記「ホッパー内空気」は排出気体に相当する。そして、調整ダンパー56が開放されている際には、吸引管55を介して前記吸引ファン18は、ホッパー16内に充満した輸送物からなる粉塵交じりの「ホッパー内空気」を吸引するようになっている。
【0045】
次に、前記調整ダンパー56の構成についてさらに詳細に説明すると、図6(a)〜(d)に示すように、調整ダンパー56は支軸57、円板状をなすバタフライプレート58、及び手動操作可能な操作レバー59を備えている。前記バタフライプレート58は通路閉塞手段に相当し、前記操作レバー59は操作手段に相当する。前記支軸57は吸引管55に対して回動可能に支持されている。前記支軸57は吸引管55を中心とした径方向に沿って延びるように配置されている。前記吸引管55内において、前記支軸57の外周には前記バタフライプレート58が固定されている。一方、吸引管55の外側において、前記支軸57には前記操作レバー59がバタフライプレート58に対して平行になるように固定されている。そして、前記操作レバー59は手動操作により選択的に所定角度に位置決めできるように構成されている。
【0046】
図6(a),(b)に示すように、操作レバー59が吸引管55の軸線に対して直交する位置(通路閉鎖位置)に位置する際には、バタフライプレート58は吸引管55の通路を閉鎖する。そして、図6(c),(d)に示すように、操作レバー59が吸引管55の軸線に対して平行となる位置(通路開放位置)に位置する際には、バタフライプレート58は吸引管55の通路を開放し、このとき吸引管55内に「ホッパー内空気」を最も多く流すようになっている。
【0047】
また、前記操作レバー59が、吸引管55の軸線に対して直交する位置と、吸引管55の軸線に対して平行となる位置との間の所定角度位置に位置する際にも、バタフライプレート58は吸引管55の通路を開放する。この際には、前記操作レバー59と吸引管55の軸線とがなす角度が小さくなればなるほど、吸引管55内を流れる「ホッパー内空気」の量が多くなる。
【0048】
ところで、図4に示すように、ケーシング33内の受渡通路11aにおいて、前記輸送物を輸送気体により下流側輸送管13へ排出する際に、輸送物を含んだ輸送気体が前記側板31,32とロータ43とのなす隙間からロータ43内へ侵入することがある。すると、ロータ43内へ侵入した輸送気体に含まれる輸送物が取付板42aにおける外側面Gに付着し堆積する。
【0049】
そこで、この取付板42aの外側面Gに堆積する輸送物を取り除くべく、側板31における前記取付板42aと対向する部分には除去手段としての四角板状の除去板70が溶接固定されている。前記除去板70は回転軸40を中心とした略径方向に沿って延びるように、かつ当該回転軸40の上方に位置するように配置されている。前記除去板70の下端は回転軸40に対して近接するように配置され、その上端はロータ43の内周面に対して近接するように配置されている。その除去板70の先端部は、取付板42a(外側面G)に対して若干の隙間を介して配置されている。そして、ロータ43の回転に基づいて、除去板70の先端部は外側面Gに堆積した輸送物を削り取るようになっている。
【0050】
そして、前記外側面G上には、ロータ43の回転に伴って前記除去板70により、その外側面Gに堆積した輸送物を削り取ることで円環状の削りしろKが形成される(図3参照)。この削りしろKの範囲内では、外側面Gに堆積する輸送物の厚さが最大でも除去板70の先端部までとなる。即ち、側板31と取付板42aとの間において、削りしろKに対応する範囲では常に空間が確保される。
【0051】
図3に示すように、側板31において、前記除去板70の右側近傍で、且つ前記削りしろKの範囲内に対応する位置には外気吸入口71が形成されている。前記外気吸入口71は、輸送装置10の外部からロータ43内へ外気を流入させるようになっている。一方、図3に示すように、側板31において、前記除去板70の左側近傍で、且つ前記削りしろKの範囲内に対応する位置には外気排出口72が形成されている。そして、側板31の外側には、前記外気排出口72と前記空気抜き管19とを連通させる外気排出管73が接合固定されている。即ち、前記外気吸入口71と外気排出口72とは除去板70を挟んで互いに近接するように配置されている。
【0052】
前記側板31、取付板42a、及びロータ43とにより形成される空間においては、図3に示すように、回転軸40の上方が除去板70に阻まれて、除去板70の右側に位置する外気(輸送気体)と、除去板70の左側に位置する外気(輸送気体)との行き来がほとんどできないようになっている。以下、前記側板31、取付板42a、及びロータ43とにより形成される空間をロータ内空間Cという。従って、ロータ内空間Cにおいて、外気吸入口71から吸入された外気は、図3における時計方向回りに流れ、外気排出口72から排出される。この結果、前記ロータ内空間C内の外気(輸送気体)は滞ることなく効率よく排出される。以下、外気排出口72から排出されるロータ内空間C内の外気を「ロータ内空気」という。
【0053】
図2に示すように、前記外気排出管73の途中には、当該外気排出管73内を通る「ロータ内空気」の流量を調整する通風調節手段としての調整ダンパー74が設けられている。当該調整ダンパー74の構成は、前記調整ダンパー56と同様の構成であるため、詳しい説明を省略する。そして、調整ダンパー74が開放されている際には、外気排出管73及び空気抜き管19を介して前記吸引ファン18は、ロータ43内の輸送物交じりの「ロータ内空気」を吸引するようになっている。
【0054】
次に、前記集塵機20について説明すると、前記排出路21にはパルス式の集塵機20が接続されており、当該集塵機20には前記排出路21を通じて前記吸引ファン18が吸引した前記輸送気体が取り込まれるようになっている。そして、前記集塵機20は、前記輸送気体から前記輸送物を分別回収し、当該輸送物をエアの噴射により所定方向(本実施形態では鉛直方向)に払い落とすようになっている。また、前記輸送物が取り除かれた前記輸送気体は、前記集塵機20に設けられた排出管80を通じて外気中に放出されるようになっている。
【0055】
さらに、前記集塵機20には供給管81が設けられており、前記供給管81は前記ホッパー16の輸送物を受け入れる上部開口に対向するように配置されている。従って、前記集塵機20で分別回収された後に払い落とされた前記輸送物は、前記供給管81を通じて前記ホッパー16内に再び供給される。そして、前記輸送物は、前記ロータリーフィーダ15の回転体41の回転によって前記供給位置に移送された前記仕切室Rに再び収容される。即ち、本実施形態では、前記輸送気体から輸送物を分別して当該輸送物を再び輸送装置10で輸送させることで前記空仕切室S内の輸送気体を再利用できる状態で処理している。
【0056】
次に、このように構成された輸送装置10を用いて輸送物を輸送する態様を説明する。
前記回転体41は、前記駆動装置の回転動力によって図3に示す時計回り方向へ回転する。そして、前記ホッパー16内に輸送物が貯留された状態において、前記アクチュエータの回転動力によってバタフライプレート37がバルブ収容筒35の通路を開放すると、ホッパー16内の前記輸送物が前記供給位置に到達した前記仕切室Rに投入される。
【0057】
前記輸送物が投入された仕切室Rは、前記排出位置に向かって移送され、このとき、前記仕切室Rの両側に位置する羽根板44の先端部に対して、干渉板45が接触し、羽根板44の先端部に付着した輸送物がかきとられる。また、前記干渉板45は、仕切室R内に山盛り状態で投入された輸送物を払い落とすことで、仕切室R内に常に所定量の輸送物を収容した状態で前記排出位置へ移送できる。さらに、仕切室R内の輸送物中から前記羽根板移動軌跡Lの外方へ長尺物が突出していたとしても、そのような長尺物は前記干渉板45により羽根板44の先端部とケーシング本体30の内周面との隙間へ入り込むことが確実に防止される。なお、輸送装置10の稼働開始と共に前記吸引ファン18及び集塵機20も稼働している。
【0058】
そして、前記仕切室Rが前記排出位置に到達すると、前記上流側輸送管12を通過した前記輸送気体が前記仕切室R内に圧送され、前記輸送物は前記輸送気体によって強制的に前記下流側輸送管13側に輸送される。このとき、前記羽根板44の両側縁に付着している輸送物は、ロータ43の回転に基づいて羽根板44の両側縁がカキトリ板50,51に接触することで、かきとられる。そして、かきとられた輸送物は前記輸送気体によって下流側輸送管13側へ排出される。
【0059】
また、このとき前記羽根板44の先端部は凹所52によってケーシング本体30の内周面から離間している。そのため、羽根板44の先端部に輸送物が付着していても、当該羽根板44とケーシング本体30との間の空隙(即ち、前記凹所52内)を高圧の輸送気体が通過することで、その先端部に付着した輸送物を吹き飛ばす。吹き飛ばされた輸送物は前記輸送気体によって下流側輸送管13側へ排出される。
【0060】
その後、前記輸送物は、前記輸送気体と混合された状態で前記処理装置17に向かって輸送される。また、前記輸送物を前記輸送通路11(下流側輸送管13)に供給した後の前記仕切室Rは、空仕切室Rとなり前記回転体41の回転方向における下流側区間より前記供給位置へ向かって移送される。このとき、前記空仕切室R内には、前記上流側輸送管12を通じて前記輸送気体が流入して残留した状態となっている。
【0061】
そして、この状態で前記空仕切室Rが前記空気抜き孔53に対応する位置に移送されると、前記空仕切室R内の前記残留輸送気体は、前記吸引ファン18によって前記空気抜き管19を通じて強制的に吸引される。また、前記空仕切室R内に残留している輸送物も前記残留輸送気体と共に吸引される。その結果、前記空仕切室R内は負圧状態となり、当該空仕切室Rが前記供給位置に到達すると前記輸送物が前記空仕切室R内に吸い込まれるように効率よく収容され、所定量の輸送物の供給が可能となる。
【0062】
また、調整ダンパー56が開放されている際には、前記吸引ファン18は、前記空仕切室R内の前記輸送気体と共に、前記吸引管55を通じて前記ホッパー16内で発生した粉塵(輸送物)を「ホッパー内空気」と一緒に吸引する。また、調整ダンパー74が開放されている際には、前記吸引ファン18は、外気排出管73を通じて、ロータ内空間C内で除去板70により外側面Gから削り取った輸送物を「ロータ内空気」と一緒に吸引する。このとき、ロータ内空間Cには外気吸入口71を介して外気を流入させることで、ロータ内空間C内の「ロータ内空気」が吸引ファン18にて吸引しやすくなっている。
【0063】
そして、前記吸引ファン18で吸引された前記輸送気体(輸送物、粉塵、「ホッパー内空気」、及び「ロータ内空気」を含む)は、前記排出路21に排出された後、前記集塵機20に取り込まれる。また、前記集塵機20では、前記輸送気体から前記輸送物が分別回収され、当該輸送物が取り除かれた空気は前記排出管80を通じて外部に排出される。一方、前記輸送気体から分別された前記輸送物は、前記供給管81を通じて前記ホッパー16内に逐次供給される。
【0064】
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
(1)本実施形態では、ケーシング33の取込筒部33aにおける前記羽根板44の回転方向前側に対応する内面(図3において、取込筒部33aの右側内面)に干渉板45を設けた。そして、干渉板45の先端部を、羽根板44の先端部の移動軌跡(羽根板移動軌跡L)上に位置させ、回転体41の回転時には当該羽根板44の先端部と接触するように配置した。そのため、ロータ43の回転に基づいて、羽根板44の先端部に付着した輸送物がかきとられ、同羽根板44の先端部とケーシング本体30の内周面との摺接が良好に行われる。従って、輸送装置10は羽根板44の先端部と取込筒部33aとの間に輸送物が挟まることを防止でき、回転体41の回転抵抗を低減できる。
【0065】
加えて、前記仕切室R内に輸送物が山盛り状態で投入されても、羽根板移動軌跡L外方に位置する輸送物は干渉板45により払い落とされる。このため、前記仕切室Rには常に所定量の輸送物を収容できる。さらに、仕切室R内の輸送物中から前記羽根板移動軌跡Lの外方へ長尺物が突出していたとしても、そのような長尺物は前記干渉板45により羽根板44の先端部とケーシング本体30の内周面との隙間へ入り込むことが確実に防止される。従って、かかる長尺物を含む粉砕体の輸送物(例えば、産業廃棄物の粉砕体)についても、効率よく輸送することができる。
【0066】
(2)本実施形態では、干渉板45に弾性を持たせた。このため、干渉板45を撓ませることで羽根板44の先端部に付着した輸送物をかきとるため、羽根板44の先端部に付着した輸送物を確実にかきとることができる。
【0067】
(3)本実施形態では、前記受渡通路11aにおいて、羽根板44の先端部と対向する内周面部分(対向内周面部分)に前記羽根板移動軌跡Lより径方向外側へ向け凹所52を凹み形成した。このため、ロータ43の回転に基づいて羽根板44が受渡通路11aの凹所52に対応する位置に移動すると、羽根板44とケーシング本体30との間には隙間ができる。そして、この隙間を高圧の輸送気体が通過することで、当該羽根板44の先端部に付着した輸送物を吹き飛ばすことができる。従って、羽根板44の先端に付着した輸送物を除去し、回転体41の回転抵抗を低減できる。
【0068】
また、凹所52を前記対向内周面部分の全域に形成した。従って、当該凹所52を対向内周面の一部に設けた場合と比べ、羽根板44とケーシング本体30との間に空隙ができる領域が多くなり、より確実に羽根板44の先端部に付着した輸送物を輸送気体にて吹き飛ばすことができる。
【0069】
(4)本実施形態では、ホッパー16の貫通孔16a内に位置するように、吸引管55の吸引口55aを配置した。そして、吸引管55及び空気抜き管19を介して吸引ファン18にてホッパー16内の輸送物からなる粉塵交じりの「ホッパー内空気」を吸引するようにした。従って、ブロワー14からケーシング33へ供給される輸送気体の圧力が想定していたよりも高く、ホッパー16内で輸送物の吹き上げが起こりそうになっても、ホッパー16内で発生した輸送物からなる粉塵がホッパー16外へ漏れ出る量を削減できる。また、ホッパー16内に輸送物が投入された際に発生する粉塵も前記吸引管55及び空気抜き管19を介して吸引ファン18にて吸引できる。
【0070】
(5)本実施形態では、吸引管55の途中に当該吸引管55内を通る「ホッパー内空気」の流量を調整する調整ダンパー56を設けた。従って、ホッパー16で発生する粉塵の量に合わせて、吸引管55がホッパー16内の「ホッパー内空気」を吸引する量を調整することができる。
【0071】
(6)本実施形態では、調整ダンパー56において、操作レバー59を手動操作することで、支軸57及びバタフライプレート58を回動操作していた。従って、調整ダンパー56の支軸57及びバタフライプレート58をアクチュエータにより回動させる場合と比べ、輸送装置10の構成を複雑にすることなく調整ダンパー56の流量調整を行うことができる。
【0072】
また、調整ダンパー74においても同様の効果を奏する。
(7)本実施形態では、側板31における前記取付板42aと対向する部分に除去板70を固定し、その除去板70にて取付板42aの外側面Gに堆積する輸送物を取り除くようにした。従って、外側面Gに輸送物が堆積し、その堆積した輸送物が側板31に接触することがなく、ロータ43の回転抵抗を低減できる。
【0073】
(8)本実施形態では、取付板42aの外側面G上において、ロータ43の回転に伴って除去板70により、その外側面Gに付着した輸送物を削り取ることで円環状の削りしろKが形成される。そして、側板31における前記削りしろKの範囲内に対応する位置に、外気吸入口71及び外気排出口72を形成した。また、外気吸入口71と外気排出口72は除去板70を挟んで互いに近接するように配置した。
【0074】
このため、外気吸入口71から吸入された外気は、除去板70に阻まれて図3における反時計回り方向には流れず、時計回り方向に流れる。外気吸入口71から吸入された外気が時計回り方向に流れることで、ロータ内空間C内の外気(輸送気体)の大部分が滞ることなく外気排出口72へ排出される。従って、除去板70により外側面Gから削り取られた輸送物は、外気(輸送気体)と共に、効率よく外気排出口72へ排出できる。
【0075】
(9)本実施形態では、側板31の外側に、前記外気排出口72と前記空気抜き管19とを連通させる外気排出管73を接合固定した。そして、外気排出管73の途中に当該外気排出管73内を通る「ロータ内空気」の流量を調整する調整ダンパー74を設けた。そのため、取付板42aの外側面Gに輸送物が堆積していないときには調整ダンパー74を閉鎖することができる。従って、調整ダンパー74を閉鎖することで、空仕切室R内の輸送気体を吸引する空気抜き管19側の吸引効率や、ホッパー16内の「ホッパー内空気」を吸引する吸引管55側の吸引効率を上げることができる。
【0076】
(10)本実施形態では、供給口31a内、及び吐出口32a内にカキトリ板50,51をそれぞれ2つずつ設けた。そして、カキトリ板50,51にて羽根板44の両側縁に付着した輸送物をかきとり、かきとった輸送物を前記輸送気体によって下流側輸送管13側に排出するようにした。従って、羽根板44の側縁に付着した輸送物を払い落とし、回転体41の回転抵抗を低減できる。
【0077】
また、羽根板44の両側縁に対してカキトリ板50,51をそれぞれ接触するようにしたため、羽根板44の片側の側縁に付着した輸送物のみをかきとるようにカキトリ板を設けるよりも回転体41の回転抵抗を低減できる。
【0078】
(11)本実施形態では、供給口31aにおいて、各カキトリ板50を、回転軸40を中心とした略径方向に沿って延びるように、かつ供給口31a内の両平面F1に対して近接するようにそれぞれ配置した。従って、例えば供給口31aにおける回転体41の回転方向中央にカキトリ板50を設けた場合に比較して、輸送気体の流れを阻害するおそれが殆ど無い。なお、吐出口32aに配置したカキトリ板51についても同様の効果がある。
【0079】
なお、上記実施形態は以下のように変更して具体化してもよい。
・前記実施形態では、前記供給口31a内において、カキトリ板50を平面F1に対して近接するように溶接固定していた。これに限らず、前記供給口31a内において、カキトリ板50を平面F1に対して離間するように溶接固定してもよい。また、同様に、前記吐出口32a内において、カキトリ板51を平面F2に対して近接するように溶接固定していた。これに限らず、前記吐出口32a内において、カキトリ板51を平面F2に対して離間するように溶接固定してもよい。
【0080】
・前記実施形態では、カキトリ板50,51を回転軸40を中心とした略径方向に沿って延びるように供給口31a内、及び吐出口32a内に固定していた。しかしながら、カキトリ板50,51を回転軸40を中心とした略径方向に沿って延びるように供給口31a内、及び吐出口32a内に固定しなくてもよい。
【0081】
・前記実施形態では、供給口31a内、及び吐出口32a内に払落手段としてのカキトリ板50,51を固定していた。これに限らず、供給口31a内、及び吐出口32a内に払落手段としての刷毛等を固定するようにしてもよい。
【0082】
・前記実施形態では、供給口31a内、及び吐出口32a内にカキトリ板50,51をそれぞれ2つずつ設けていた。これに限らず、供給口31a内、及び吐出口32a内にカキトリ板50,51をそれぞれ1つずつ、または3つ以上の複数ずつ設けてもよい。
【0083】
・前記実施形態では、供給口31a内及び吐出口32a内の双方にカキトリ板50,51を設けていたが、いずれか一方を省略してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
【0084】
(1)ケーシング内に複数の羽根板により複数の仕切室が回転方向へ区画形成された回転体を設け、前記ケーシングには仕切室内に輸送物を取り込む輸送物取込部を設け、前記回転体の回転に伴う前記各仕切室の移動軌跡を輸送気体が圧送される輸送通路に対応させ、前記回転体の回転に基づき前記仕切室内に収容された輸送物を前記輸送通路内に供給する輸送物供給手段を有し、当該輸送物供給手段から供給された前記輸送物を前記輸送通路の上流側から圧送される前記輸送気体により前記輸送通路の下流側に輸送する輸送装置において、前記ケーシング内には、前記回転体の回転に伴う前記羽根板の先端部の移動軌跡近傍に位置させて、前記仕切室内に取り込まれた輸送物のうち前記羽根板の先端部の移動軌跡より外方側へはみ出した輸送物に対して干渉する干渉手段を備えた請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の輸送装置。
【0085】
(2)前記干渉手段は、前記輸送物取込部における前記羽根板の回転方向前側の内面に片持ち梁状に支持された干渉板であり、その先端部は前記羽根板の先端部の移動軌跡上に対応位置している技術的思想(1)に記載の輸送装置。
【0086】
(3)前記干渉板は弾性を有しており、前記回転体の回転時には、当該干渉板自身を撓ませながらその先端部を前記羽根板の先端部に対して接触させる技術的思想(2)に記載の輸送装置。
【0087】
(4)ケーシング内に複数の羽根板により複数の仕切室が回転方向へ区画形成された回転体を設け、前記ケーシングの内周面に対して前記羽根板の先端を摺接させ、前記回転体の回転に伴う前記各仕切室の移動軌跡を輸送気体が圧送される輸送通路に対応させ、前記回転体の回転に基づき前記仕切室内に収容された輸送物を前記輸送通路内に供給する輸送物供給手段を有し、当該輸送物供給手段から供給された前記輸送物を前記輸送通路の上流側から圧送される前記輸送気体により前記輸送通路の下流側に輸送する輸送装置において、前記輸送通路のうち前記ケーシング内で前記仕切室と前記輸送物の受け渡しを行う受渡通路は、前記羽根板の先端部と対向する内周面部分のうち少なくとも一部を前記羽根板の先端部との間に空隙を有する付着物除去部とした請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の輸送装置。
【0088】
(5)前記付着物除去部は、前記羽根板の先端部の移動軌跡よりも前記回転体の径方向外側へ向かって凹み形成された凹所により構成されている技術的思想(4)に記載の輸送装置。
【0089】
(6)前記凹所は、前記受渡通路内において、前記羽根板の先端部の移動軌跡が対向する受渡通路内周面部分の全域に設けられている技術的思想(5)に記載の輸送装置。
【0090】
(7)ケーシング内に複数の仕切室が回転方向へ区画形成された回転体を設け、前記ケーシングには前記仕切室内に輸送物を投入するためのホッパーを設け、前記回転体の回転に伴う前記各仕切室の移動軌跡を輸送気体が圧送される輸送通路に対応させ、前記回転体の回転に基づき前記仕切室内に収容された前記輸送物を前記輸送通路内に供給する輸送物供給手段を有し、当該輸送物供給手段から供給された前記輸送物を前記輸送通路の上流側から圧送される前記輸送気体により前記輸送通路の下流側に輸送する輸送装置において、前記ホッパー内に吸引口を配置してなる強制吸引手段を設けた請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の輸送装置。
【0091】
(8)前記強制吸引手段は前記吸引口に連なる吸引管を備え、その吸引管の途中には、当該吸引管内を通る排出気体の流量を調節するための通風調節装置が設けられている技術的思想(7)に記載の輸送装置。
【0092】
(9)前記通風調節装置は、前記吸引管に外部から操作可能に設けられた操作手段(操作レバー)と、当該操作手段の操作に基づき前記吸引管内で通路開放位置と通路閉鎖位置との二位置間を作動する通路閉塞手段(バタフライプレート)とを備えた調整ダンパーである技術的思想(8)に記載の輸送装置。
【0093】
(10)ケーシングに回転軸を支持し、前記ケーシング内に位置するように前記回転軸に対して取付部材を介して横円筒状のロータを設け、当該ロータの外周面には複数の羽根板を設けることで複数の仕切室を回転方向へ区画形成し、前記ロータの回転に伴う前記各仕切室の移動軌跡を輸送気体が圧送される輸送通路に対応させ、前記ロータの回転に基づき前記仕切室内に収容された輸送物を前記輸送通路内に供給する輸送物供給手段を有し、当該輸送物供給手段から供給された前記輸送物を前記輸送通路の上流側から圧送される前記輸送気体により前記輸送通路の下流側に輸送する輸送装置において、前記ケーシングの内面のうち前記取付部材と対向する内面部位には、前記取付部材に付着した前記輸送物を払い落とすための除去手段を備えた請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の輸送装置。
【0094】
(11)前記ケーシングには、前記ロータの回転に伴い前記除去手段が前記取付部材に付着した前記輸送物を削り取って形成する円環状の削りしろに対向するように、前記ケーシングの外部から外気を流入させるための外気吸入口及び流入した外気を排出するための外気排出口を設けた技術的思想(10)に記載の輸送装置。
【0095】
(12)前記外気排出口には外気排出管が接続され、前記外気排出管の途中には、当該外気排出管内を通る前記外気の流量を調節する通風調節手段を設けた技術的思想(11)に記載の輸送装置。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜3に記載の発明によれば、羽根板の側縁に付着した輸送物を払い落とし、回転体の回転抵抗を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における輸送装置を説明する概略図。
【図2】本実施形態における輸送装置の正面部分断面図。
【図3】本実施形態における輸送装置の拡大断面図。
【図4】本実施形態における輸送装置の側面部分断面図。
【図5】(a)は、図4のA−A線矢視図。(b)は、図4のB−B線矢視図。
【図6】(a),(b)は、調整ダンパーを閉鎖させた状態を示す説明図。(c),(d)は調整ダンパーを開放させた状態を示す説明図。
【図7】従来技術における輸送装置の正面部分断面図。
【図8】従来技術における輸送装置の側面部分断面図。
【符号の説明】
10…輸送装置、11…輸送通路、11a…受渡通路、15…輸送物供給手段としてのロータリーフィーダ、31a…上流側開口部としての供給口、32a…下流側開口部としての吐出口、33…ケーシング、41…回転体、44…羽根板、50,51…払落手段及びカキトリ部材としてのカキトリ板、R…仕切室。

Claims (3)

  1. ケーシング内に複数の羽根板により複数の仕切室が回転方向へ区画形成された回転体を設け、前記回転体の回転に伴う前記各仕切室の移動軌跡を輸送気体が圧送される輸送通路に対応させ、前記輸送通路のうち前記ケーシング内で前記仕切室と前記輸送物との受け渡しを行う部分を受渡通路とし、前記ケーシングには、前記受渡通路に対応して上流側開口部、及び下流側開口部を形成し、前記回転体の回転に基づき前記仕切室内に収容された前記輸送物を前記受渡通路内に供給する輸送物供給手段を有し、前記羽根板が前記受渡通路に対応する位置に移動した際に、当該輸送物供給手段から供給された前記輸送物を前記輸送通路の上流側から圧送される前記輸送気体により前記輸送通路の下流側に輸送する輸送装置において、
    前記上流側開口部及び前記下流側開口部のうち少なくともいずれか一方に、羽根板の側縁に干渉して、当該羽根板の側縁に付着した前記輸送物を払い落とすための払落手段を備えた輸送装置。
  2. 前記払落手段は、前記回転体の略径方向に沿って延びるように設けられた長尺なカキトリ部材である請求項1に記載の輸送装置。
  3. 前記カキトリ部材は、前記開口部の内周面の近傍に設けられている請求項2に記載の輸送装置。
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