JP6185108B2 - 空気分離減速システム - Google Patents

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Description

本発明は、空気分離減速システムに関するものである。そして空気分離減速システムは、搬送路の空気を吸い込むことにより気流を発生させ、その気流により搬送物を搬送する空気吸引式搬送機の空気分離装置を用いたものである。
空気吸引式搬送機の一例として、エア搬送路と、エア搬送路の二次側の開口端に対して一次側の開口端を接続する空気分離装置としての搬送物回収部と、空気分離装置のうち空気の排気口側に接続する吸引機構とを備えるものが知られている(特許文献1)。なお、一次側とは空気や搬送物が入ってくる側であり、二次側とは空気や搬送物が出ていく側である。
特許文献1での空気分離装置は、エア搬送路の二次側の開口端に対して一次側の開口端を接続する回収ガイドと、回収ガイドを収容する大容量の受容ホッパーと、受容ホッパーの内部空間を回収ガイドの上側で上下に仕切る流出防止フィルタと、受容ホッパーの下端側に接続するロータリーバルブとを備えるものである。
特開2006−232546号公報
空気分離装置は、搬送物と空気の分離をすることが主目的であるが、特許文献1に開示された空気分離装置は、搬送物と空気の分離を主目的とした上で、搬送物の損傷防止(=搬送物の減速)を主目的と同程度に重要な目的としている。そのため特許文献1に開示された空気分離装置は、回収ガイドを水平方向から下方へ向かって円弧状に湾曲させると共に、円弧状の回収ガイドの内周面部分を主に下方に開口する構成を採用しており、搬送物の損傷を防止するためには、回収ガイドを大型化せねばならなかった。そのうえ回収ガイドとは別に流出防止フィルタを上側に配置してあるので、回収ガイドに比べて受容ホッパーを何倍も大容量にしなければならなかった。このような大容量、つまり大型の受容ホッパーは、大きな空間を占めるので、設置する際の制約が大きい。
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、その目的は、搬送物と空気を分離するための空気分離装置をできるだけ小型化できるようにし、設置し易くすることである。
本発明の第一の空気分離減速システムは、空気分離装置と、空気分離装置の内筒の一次側の開口端に接続する第一減速管路を備えるものである。そして空気分離装置は、内筒と、内筒をその口径方向外側に間隔をあけて取り囲む外筒と、外筒の長さ方向の両側で外筒と内筒の口径方向の間を閉鎖する一対の閉鎖部と、外筒の長さ方向の中間部から分岐すると共に吸引装置側へ接続する排気筒とを備えるものである。また内筒は、その一次側の開口端を搬送物と空気の入口とし、その二次側の開口端を搬送物の排出口とし、その側面には空気の排気口となる複数の空気孔を備えると共に、その内部空間を搬送物が慣性で通過する通過空間にするものである。そのうえで第一減速管路は、その一次側の開口端の内径に比べてその二次側の開口端の内径を大きくすると共に、その二次側の開口端の内径を内筒の一次側の開口端の内径よりも小さくしてあるものである
本発明の空気分離減速システムの空気分離装置によれば、内筒に突入した搬送物と空気のうち空気は、内筒の側面の排気口から、内筒と外筒の間の空間部、排気筒を順次へて吸引装置へ向かう。いっぽう搬送物は、内筒の側面から空気が吸引されることから減速して、その減速した勢い(慣性)で内筒の内部空間を通過する。本発明の空気分離装置はこのような構成であるから、外筒の内径(容量)を小さくして、外筒と内筒との口径方向の間隔を狭くしても、空気と搬送物を分離することができ、小型化に適し、設置し易いものである。また排気筒を外筒の長さ方向の中間部から分岐しているので、たとえば外筒が水平に設置されている場合に外筒の長さ方向(貫通方向)から視て排気筒の向きを360度、所望の向きに設置できるので、排気筒に接続する管を設置しやすい。
また本発明の第一の空気分離減速システムの場合、第一減速管路では一次側の開口端の内径よりも二次側の開口端の内径を大きくしてあるので、第一減速管路の中で吸引される空気と搬送物を減速させた上で、内筒に送ることができ、そのうえ第一減速管路の二次側の開口端の内径を内筒の一次側の開口端の内径よりも小さくしてあるので、内筒に入った瞬間に空気と搬送物を減速させることができるので、空気分離装置だけで所望の速度に搬送物を減速させる場合に比べて、空気分離装置を小型化することができる。
第一実施形態の空気吸引式搬送機を示す全体図である。 第一実施形態の空気吸引式搬送機の空気分離減速システムを示す正面方向から視た断面図である。 図2のA−A線断面図である。 第一実施形態の空気吸引式搬送機の空気分離減速システムの平面図である。 第一実施形態の空気吸引式搬送機における空気分離減速システムの第二減速管路を示す側面図である。 第二実施形態の空気吸引式搬送機を示す全体図である。 第二実施形態の空気吸引式搬送機の空気分離減速システムを示す正面方向から視た断面図である。
本発明が適用された第一実施形態の空気吸引式搬送機は図1に示すように、搬送物を投入するホッパー1、搬送物を空気と共に通過させる搬送管路2、搬送管路2を通過させた搬送物を貯留する貯留タンク3、搬送管路2の中間部から搬送管路2の長さ方向とは別方向に空気を排気する排気管4、排気管4の中間部に接続する集塵装置5と、排気管4の末端に接続する吸引装置6を備える。中間部とは、物の長さ方向の両端以外の部分であり、両端のちょうど真ん中にという意味に限定されない。
ホッパー1は、下方に向けて内径が小さくなる漏斗形状の容器であって、上側の開口端が投入口、下側の開口端が出口になっている。
集塵装置5は、搬送物よりも小さな微粒子(ダスト)を空気から分離し、分離した微粒子をダストタンク(符号省略)に溜め、微粒子が除去された空気を吸引装置6に吸引させるものである。なお搬送物の吸引時にはダストタンクの出口は閉鎖されており、必要に応じて開放して、ダストを排出する。
吸引装置6は、たとえばブロワで、空気吸引側を排気管4に接続し、排気側を外気に開放してある。
搬送管路2は、ホッパー1の出口に一次側の開口端を接続するシャッター装置11、シャッター装置11の二次側の開口端に対して一次側の開口端を接続する搬送管路本体12、搬送管路本体12の二次側の開口端に対して一次側の開口端を接続する空気分離減速システム13、空気分離減速システム13のうち搬送物を排出する二次側の開口端と貯留タンク3の入口との間に接続するロータリーバルブ14を備える。なお接続には、たとえば本実施形態では後述するフランジ部同士の接合が用いられるが、接続箇所の気密が保てれば、それ以外の接合を用いても良い。
シャッター装置11は、Y字状の分岐管11aと、分岐管11aの支管11cに対してその長さ方向に往復動可能に案内される調整操作部材11pとを備える。
分岐管11aは、搬送物を通過させる本管11bと、本管11bの長さ方向の中間部から分岐すると共に空気を取り入れる支管11cとを備える。なお分岐管11aは、本管11bに支管11cが合流した合流管とも言える。本管11bは、その一次側の開口端をホッパー1の出口に接続すると共に、その二次側の開口端を搬送管路本体12の一次側の開口端に接続するものである。なお支管11cは、調整操作部材11pの一部(後述する外気導入管11q)を収納する管、つまり外気導入部収納管とも言える。
調整操作部材11pは、支管11cの内側に接する状態で収容される外気導入管11qであって支管11cの長さ方向に往復動可能に案内されると共に長さ方向の一端部で本管11bの内部を開閉可能な外気導入管11qと、外気導入管11qをその長さ方向の他端部で塞ぐ板状の塞ぎ部11rと、塞ぎ部11rから外気導入管11qの外側に突出する調整ツマミ11sとを備える。
外気導入管11qの側面には吸気口(図示略)が形成されており、外気導入管11qの側面をその口径方向外側から支管11cが覆うことにより、吸気口を隠蔽するようになっている。ただし吸気口の全部を支管11cが覆うのではなく、その一部である。
より詳しく言えば、外気導入管11qを支管11cの中に深く突入すると、外気導入管11qが本管11bの内面に衝突して、本管11bの内部空間が一次側と二次側で隔離され、シャッター装置11が全閉状態になる。このとき吸気口の大部分は外気導入管11qに覆われるが、吸気口の一部は外気導入管11qに覆われることなく、外気に通じている。また外気は吸気口から支管11cの内部、本管11bの内部空間の二次側部分を経て、搬送管路本体12に取り込まれるようになっている。そして調整操作部材11pを操作して、往復動可能な外気導入管11qが支管11cに対する位置を変えることによって、外気導入管11qが本管11bの内面から離れ、調整操作部材11pの操作量に応じてシャッター装置11が所定量開き、ホッパー1の出口を通過する搬送物の量が変化すると共に、吸気口が支管11cに覆われる面積が変わり、外気導入管11qの外部と内部が通じる吸気口の開口面積(閉鎖面積)が変化するようになっている。
搬送管路本体12は、搬送物を上昇させてから所望の位置に搬送するもので、複数の管を接続したものである。
ロータリーバルブ14は図2または図4に示すように、ケーシング14aと、ケーシング14a内に回転可能に支持される繰出し羽根14bと、繰出し羽根14bの回転軸14cを回転させるモータ14mとを備えるものである。また繰出し羽根14bは、回転軸14cと、回転軸14cの周囲から放射状に突出する複数枚の羽根14dとを備える。ロータリーバルブ14は、ケーシング14aの内部を一次側と二次側に分断するように繰出し羽根14bが配置されており、密閉性の高いものである。そして繰出し羽根14bを回転させることによって、ケーシング14aの一次側の開口端から内部に入った搬送物が定量ずつ二次側の開口端に排出される。なおロータリーバルブ14には貯留タンク3の一次側の開口端が接続されており、貯留タンク3の二次側の開口端は、必要に応じて開閉可能となっている。
空気分離減速システム13は、搬送管路本体12の二次側の開口端に対して一次側の開口端を接続する接続する第一減速管路16と、第一減速管路16の二次側の開口端に対して一次側の開口端を接続すると共に空気を搬送物から分離させる空気分離装置17と、空気分離装置17のうち搬送物を排出する二次側の開口端に対して一次側の開口端を接続する第二減速管路18とを備える。また空気分離装置17のうち空気を排出する二次側の開口端に対して排気管4を接続してある。
第一減速管路16は、第一減速管路本体16aと、第一減速管路本体16aの長さ方向の両端から口径方向外側に張り出す一対のフランジ部16b,16cとを備える。
第一減速管路本体16aは、一次側の開口端の内径に比べて二次側の開口端の内径を大きくしてある。また第一減速管路本体16aは、その内面の上面側が水平に延長すると共に、内面の下面側が二次側の開口端に向かって徐々に低くなる傾斜面となっている。
第二減速管路18は、空気分離装置17のうち搬送物の通過方向(後述する内筒21の長さ方向)に対して湾曲する方向に延長する第1の管路40としての曲がり管路40と、第1の曲がり管路40の長さ方向に対して湾曲する方向に延長する第2の管路42としての曲がり管路42とを備える。図示の例では第1、第2の曲がり管路40,42は、一本の管路である。第1の曲がり管路40は、その一次側開口端に口径方向外側に張り出すフランジ部18aを備えている。
第1の曲がり管路40は図4に示すように二本の直管部40a,40aと、二本の直管部40a,40aを接続する湾曲管部40bとを備えるものである。
二本の直管部40a,40aは、互いの長さ方向の延長線上で交差するように配置され、互いの内部空間が湾曲管部40bの内部空間によって連絡している。また二本の直管部40a,40aの交差角度は、35度以上90度以内の範囲であり、図示の例では90度である。
湾曲管部40bは、二本の直管部40a,40aを滑らかに繋ぐように湾曲している。
第2の曲がり管路42も、第1の曲がり管路40と同じ構成であり、図5に示すように二本の直管部42a、42aと、二本の直管部42a,42aを接続する湾曲管部42bとを備えるものである。
空気分離装置17は図2、図3に示すように、第一減速管路16の二次側の開口端に対して一次側の開口端を接続する内筒部材20と、内筒部材20が貫通する状態で収容される外筒容器30とを備える。
内筒部材20は、内筒21と、内筒21の長さ方向の両端から口径方向の外側に張り出す一対の内フランジ部21a、21bとを備える。内筒部材20は、内筒21の貫通方向に直交する方向から視ても(図2のように見ても)、貫通方向から視ても(図3のように見ても)、対称形状であり、貫通方向の向きがどちらであっても、外筒容器30に着脱可能となっている。
内筒21は、真っ直ぐに延長する直管であり、角筒状または円筒状である。内筒21の内径は、内筒21の長さ方向の全長に亘って等しく、第一減速管路16の二次側の内径よりも大きくしてある。また内筒21は、その内部空間を搬送物が当該内部空間に突入したときの勢いを利用して慣性で通過する通過空間にすると共に、その一次側の開口端を搬送物と空気の入口22とし、その二次側の開口端を搬送物の排出口24とし、その側面には空気の排気口26を備えるものである。なお一対の内フランジ部21a、21bの詳細は外筒容器30の説明中で述べる。
排気口26は、内筒21の側面にその口径方向に貫通して形成された多数の空気孔26aから構成されており、図示の例では多数の空気孔26aは長さ方向に間隔をあけると共に、周方向にも間隔をあけて行列状に配列されている。また空気孔26aは、内筒21の長さ方向に平行に延長する細孔としてある。
外筒容器30は、内筒21をその口径方向外側に等間隔をあけて取り囲む外筒32と、外筒32の長さ方向の両端から口径方向外側に張り出す一対の外フランジ部32a,32bと、外筒32の長さ方向の中間部から分岐すると共に吸引装置側へ接続する排気筒36とを備える。
外筒32は、真っ直ぐに延長する直管であり、内筒21の形状と相似形状の角筒状または円筒状である。そして外筒32の側面には排気筒36に通じる出口が外筒32の口径方向に貫通して形成されている。外筒32の内径は、外筒32の長さ方向の全長に亘って等しく、内筒21の外径よりも大きく形成されると共に、内筒部材20の一対の内フランジ部21a、21bの外径よりも僅かに大きく形成される。そして内筒部材20を外筒32に対してその長さ方向に差し込むと、外筒32の内周面に内筒部材20の一対の内フランジ部21a,21bが嵌り込み、内筒部材20はその口径方向に移動不能に位置決めされ、内筒21は外筒32を貫通する状態となり、内筒21と外筒32とは同心状、つまり互いの口径方向の中心が一致する。また外筒32の内面の断面形状と一対の内フランジ部21a,21bの外形が相似形状であると共に、一対の内フランジ部21a、21bが板状であるので、一対の内フランジ部21a,21bは、外筒32の長さ方向の両側で外筒32と内筒21の口径方向の間をほぼ閉鎖する。つまり一対の内フランジ部21a,21bは、一対の閉鎖部34,34としての機能をも発揮する。
排気筒36は、外筒32の内部空間に対して分岐するように外筒32の側面から突出している。図示の例では、排気筒36の一次側部分は、一次側から二次側に向かって徐々に内径が狭くなる形状となっている。
一対の外フランジ部32a,32bのうち一次側の外フランジ部32aと、第一減速管路16の二次側のフランジ部16cの口径方向外側部分とは、例えばボルト、ナットで接合される。また一対の外フランジ部32a,32bのうち二次側の外フランジ部32bと、第二減速管路18の一次側のフランジ部18aの口径方向外側部分とは、同様にボルト、ナットで接合される。このように接合されることにより空気分離装置17は、第一、第二減速管路16、18と一体化される。この一体化された状態において、第一減速管路16の二次側のフランジ部16cと、第二減速管路18の一次側のフランジ部18aとの間に、内筒部材20の一対の内フランジ部21a、21bが挟まれ、内筒21が外筒32の口径方向内側においてその長さ方向に移動不能に位置決めされると共に、外筒32の長さ方向の両側で外筒32と内筒21の口径方向の間(空間部)を高気密に閉鎖され、第一減速管路16の二次側のフランジ部16cと、第二減速管路18の一次側のフランジ部18aとは、一対の閉鎖部34,34として機能する。
一対の閉鎖部34、34のうち第一減速管路16側の閉鎖部34は、内筒部材20の一次側の内フランジ部21aと、第一減速管路16の二次側のフランジ部16cにおける口径方向内側部分とから構成される。また一対の閉鎖部34、34のうち第二減速管路18側の閉鎖部34は、内筒部材20の二次側の内フランジ部21bと、第二減速管路18の一次側のフランジ部18aとから構成される。したがって本実施形態では空気分離装置17は、第一、第二減速管路16,18の一部を含むものである。各閉鎖部34は、二枚の板である、各フランジ部が重なり合う二重壁構造である。
上記した実施形態の空気分離減速システム13は、以下のようにして空気と搬送物の分離と搬送物の搬送速度の減速を行う。この例では、搬送物に粒状物や粉状物として、穀物の種子(より具体的には米粒)を用いるものとする。
1)シャッター装置11を全閉状態にしておき、ホッパー1に米粒を投入する。そうすると、ホッパー1内に米粒は収容されたままであり、シャッター装置11の本管11bの内部空間の二次側部分には米粒がない。また外気導入管11qの内部空間は本管11bの内部空間の二次側部分に通じ、吸気口の一部が外気に通じている。
2)吸引装置6を駆動させて搬送管路2内を負圧にし、シャッター装置11の外気導入管11qの吸気口から外気を搬送管路本体12内に取り込み、気流を発生させる。そうすると空気は、搬送管路本体12から空気分離装置17を経て排気管4へ向かい、その後、集塵装置5を経て吸引装置6の吸引側へ向かい、排気側から排出される。また吸引装置6の駆動と相前後させて、ロータリーバルブ14のモータ14mを駆動させる。
3)所定時間経過後にシャッター装置11をたとえば全開状態にして、搬送管路2へ米粒を流し込む。
4)ホッパー1から搬送管路本体12内に吸引された米粒は、気流により空気分離装置17へ向かう。
5)搬送管路本体12から第一減速管路16に米粒と空気が突入し、第一減速管路16では二次側の開口端の内径が一次側の開口端の内径に比べて広がっているので、吸引された空気と米粒が減速する。
6)第一減速管路16から内筒21に米粒と空気が突入する。内筒21の一次側の開口端の内径が第一減速管路16の二次側の開口端よりも大きいことから、空気と米粒は、内筒21の中で減速する。
空気は、内筒21の側面の排気口26を経て外筒32と内筒21の口径方向の間の内部空間に突入する。外筒32の内周面と内筒21の外周面とは互いの周方向の全周に亘って等間隔をあけてあるので、空気は外筒32と内筒21との口径方向の間における周方向の全周からほぼ均等に吸われ、排気筒36へ向かう。
いっぽう米粒は、内筒21の側面から空気が吸引されることから減速して、その減速した勢い(慣性)で内筒21の内部空間を通過し、そのまま内筒21の排出口24から第二減速管路18へ向かう。
7−1)米粒は、第二減速管路18へ突入し、第二減速管路18では一次側の開口端の内径が内筒21の二次側の開口端の内径に比べて広がっているので、米粒が減速する。第二減速管路18の第1、第2の曲がり管路40,42を通過する毎に米粒が減速し、米粒はロータリーバルブ14に向かう。ロータリーバルブ14の繰出し羽根14bの回転によって所定量ずつ米粒が貯留タンク3に排出される。
7−2)いっぽう空気は空気分離装置17の排気筒36から排気管4、集塵装置5を順次経て吸引装置6へ向かい、吸引装置6の外へ排出される。
上記実施形態の空気分離装置17および空気分離減速システム13は以下の効果を有する。
空気分離装置17は、空気と搬送物を分離することを主目的とし、内筒21の側面から空気が吸引されるものなので、外筒32の内径(容量)を小さくして、外筒32と内筒21との口径方向の間隔を狭くしても、空気と搬送物を分離することができ、小型化に適し、設置し易いものである。しかも内筒21の側面から空気が吸引されることによって、内筒21の中で搬送物を減速させることもできる。
また空気孔26aを内筒21の長さ方向に延長する細孔にしてあるので、内筒21の内部空間を通過するときに米粒が空気孔26aの部分に触れたとしても、米粒が細孔に沿って移動するようになり、米粒が損傷しづらくなる。また搬送物とは相違する形状の物が搬送物の中に混入していることもあり、その破片等が細孔に刺さり難くなり、空気孔26aの目詰りの防止が出来る。
また内筒21の内部空間を米粒が慣性で通過する通過空間にしてあるので、空気と搬送物を分離するときに、米粒が損傷しづらくなり、ひいては米粒の損傷による粉状物が発生しづらくなり、排気筒36の内部を通過する粉状物の量が減量する。
また内筒21と一対の内フランジ部21a,21bとが一部品となった内筒部材20を、外筒32に対してその長さ方向に着脱可能(抜き差し可能)にしてあるので、組立や点検が容易になる。また内筒21と外筒32を同心状に配置してあるので、内筒21の側面からの空気の吸引力をその周方向の全周に亘って均等にでき、たとえば内筒21と外筒32とが偏心されて配置してある場合に比べて、吸引空気量が多くなり、吸引効率が向上する。
また排気筒36を外筒32の長さ方向の中間部から分岐しているので、たとえば外筒32が水平に設置されている場合に外筒の長さ方向(貫通方向)から視て排気筒36の向きを360度、所望の向きに設置できるので、排気筒36に接続する排気管4を設置しやすい。
また空気分離減速システム13は、空気分離装置17と第一減速管路16とを備えるものであり、第一減速管路16では一次側の開口端の内径よりも二次側の開口端の内径を大きくすると共に、第一減速管路16の二次側の開口端の内径を内筒21の一次側の開口端の内径よりも小さくしてあるので、第一減速管路16の中で米粒と空気を減速させた上で、内筒21に送ることができ、そのうえ、内筒21に入った瞬間に米粒を減速させることができるので、空気分離装置17だけで所望の速度に空気と米粒を減速させる場合に比べて、空気分離装置17を小型化することができる。
また空気分離減速システム13は、第二減速管路18の第1、第2の曲がり管路40,42によって、米粒を減速させることができるので、空気分離装置17だけで所望の速度に米粒を減速させる場合に比べて、空気分離装置17および空気分離減速システム13全体を小型化することができる。なお空気分離装置17と第一、第二減速管路16、18によって米粒が減速されるので、米粒がロータリーバルブ14に衝突するときの衝撃が緩和され、米粒の損傷が防止できる。
また第1の曲がり管路40の一次側の開口端の内径を内筒21の二次側の開口端の内径よりも大きくしてあるので、たとえば第1の曲がり管路40の一次側の開口端の内径と内筒21の二次側の開口端の内径を同じにしてある場合に比べて、米粒を効果的に減速させることができ、空気分離装置17および空気分離減速システム13全体を小型化することができる。
上記した第一実施系形態の空気吸引式搬送機は、第一減速管路16、空気分離装置17、第二減速管路18の一次側部分を、搬送物の通過方向が水平になるように配置してあった。この場合、不測の事態、たとえば停電や運転の誤操作により、吸引装置6が停止するような事態、あるいは吸引装置6による吸引空気量が搬送物の搬送に必要な量よりも不足するような事態等が生じると、第一減速管路16、空気分離装置17、第二減速管路18の一次側部分で搬送物が溜まったままの状態になるおそれがある。この場合に、吸引装置6を駆動させても、搬送物の溜まりが解消せずに搬送不能に陥るおそれがある。そうなると、第一減速管路16、空気分離装置17、第二減速管路18を分解して、溜まった搬送物を除去しなければならない。このような事態をできるだけ避けるようにするには、次のようにすることが望ましい。
第二実施形態の空気吸引式搬送機は図6、7に示すように、空気分離減速システム13について第一減速管路16、空気分離装置17、第二減速管路18の一次側部分を、一次側に対して二次側を低くなる状態にしてあることを特徴とする。より詳しくは以下の通りである。
第一減速管路16の一次側の開口端を接続する搬送管路本体12は、その全長の中間部に水平に配置される直管12aと、その全長の二次側の端部において当該直管12aの二次側の開口端に接続する曲がり管12bとを備えるものである。この曲がり管12bは、くの字状であって、二本の直管部12c、12dと、二本の直管部12c、12dを90度未満の角度で屈曲する形状に滑らかに接続する湾曲管部12eとを備える。また二本の直管部12c、12dのうち一本12cは、直管12aの二次側開口端に接続され、もう一本12dはその二次側開口端が斜め下方に向かうように傾斜して配置される。
第二減速管路18は、搬送管路本体12の二次側の端部における曲がり管12bと同じように、くの字状に曲がる第1の管路40としての曲がり管路40と、第1の曲がり管路40の長さ方向に延長する第2の管路42としての直管路とを備える。第1の曲がり管路40は、二本の直管部40a、40aと、二本の直管部40a、40aを90度未満の角度で屈曲する形状に接続する湾曲管部40bとを備える。この例では第1の曲がり管路40と第2の直管路42とはフランジ部同士で接合されている。
第一減速管路16は、一次側の開口端の内径に比べて二次側の開口端の内径を大きくしてあるが、直管である。
また空気分離装置17の内筒21は、その長さ方向の全長に亘って内径が等しいものであるが、これも直管である。
そして第一減速管路16と空気分離装置17の内筒21と第二減速管路18の一次側の直管部40aは、互いの貫通方向を、搬送管路本体12の曲がり管12bにおける二次側の直管部12dの延長線方向に対して一直線になるように配置される。したがって第一減速管路16と空気分離装置17の内筒21と第二減速管路18の一次側の直管部40aの貫通方向は、水平方向に対して傾斜しており、その傾斜角度の望ましい範囲は、搬送物の安息角度よりも大きく、水平方向に対して30°以上90°未満の角度である。またこのように傾斜していることから、内筒21はその一次側の開口端(入口22)に対して二次側の開口端(出口24)が低くなっている。また第二減速管路18の二次側の直管部40aは鉛直方向に向かうように配置される。
なお図示しないが、搬送管路本体の曲がり管は、二本の直管部を湾曲管部によって90度の角度で屈曲する形状に接続するものとし、二次側の直管部がその貫通方向を鉛直方向に一致させるようにしても良い。この場合は、上記した第一減速管路と空気分離装置の内筒をその貫通方向が鉛直方向になるようにして配置すれば、当該貫通方向が鉛直方向に対して傾斜している場合と同様に、内筒はその一次側の開口端に対して二次側の開口端を低くしてあることになる。なおこの場合、第二減速管路は直管路とする。
空気分離装置の排気筒36は、外筒32の側面から下方に向かって突出し、より詳しくは内管21の貫通方向に対して直交するように下方に向かって突出している。
第二実施形態の空気分離減速システム13の場合、吸引装置6が停止するような不測の事態が生じても、第一減速管路16と空気分離装置17の内筒21と第二減速管路18の一次側の直管部40aに関して、二次側を一次側よりも低くしてあるので、搬送物は自然と落下し易くなり、特に貫通方向の傾斜角度を安息角よりも急にしてあれば必然的に落下することから、第一減速管路16と空気分離装置17の内筒21と第二減速管路18の一次側の直管部40aに搬送物が溜まり難くなる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
たとえば各閉鎖部34は、上記実施形態では、二枚の板である、各フランジ部が重なり合う二重壁構造であるが、本発明ではこれに限らず、一枚の壁構造であっても良い。より具体的な例としては以下の1)、2)の通りである。
1)一対の内フランジ部21a,21bは、上記実施形態では板状であったが、本発明ではこれに限らず、たとえば板の厚み方向に多数の孔が形成されたものであっても良く、この場合、一対の内フランジ部21a,21bには閉鎖部としての機能がほぼ無くなるので、一対の閉鎖部は、第一減速管路16の二次側のフランジ部16cと、第二減速管路18の一次側のフランジ部18aとによって形成される。
2)一対の内フランジ部21a,21bは、上記実施形態では外筒32の中に嵌り込む構成であったが、本発明ではこれに限らず、たとえば一対の内フランジ部21a,21bの外周を外筒32に溶着等して一体化する構成等である。このようにすれば空気分離装置17は、第一、第二減速管路16,18の一部を含まない構成となり、上記実施形態の構成、つまり第一、第二減速管路16,18の一部を含む構成とは相違するものとなる。
また一対の内フランジ部21a,21bは、上記実施形態では内筒21と一体であり、一部品としての内筒部材20の一部を構成していたが、本発明ではこれに限らず、少なくとも一方の内フランジ部が内筒21とは別部品であっても良いし、少なくとも一方の内フランジ部が外筒32と一体になり、外筒容器30の一部を構成しても良い。このようにすれば、内筒21は単独または少なくとも一方の内フランジ部と一緒に、外筒32に対してその長さ方向に着脱可能である。
また第二減速管路18は上記第一実施形態では2か所で曲がる構成、つまり第1、第2の曲がり管路40,42で構成しているが、本発明はこれに限らず、3ヶ所以上であっても良い。
また搬送物としての粒状物は、上記実施形態では米粒であったが、本発明ではこれに限らずその他に、米粒と同等形状であれば、食品の原料となる麦、大豆、小豆、工業製品の原料となるプラスチックペレット等が挙げられる。
1 ホッパー
2 搬送管路
3 貯留タンク
4 排気管
5 集塵装置
6 吸引装置
11 シャッター装置
11a 分岐管(合流管)
11b 本管
11c 支管(外気導入部収納管)
11p 調整操作部材
11q 外気導入管
11r 塞ぎ部
11s 調整ツマミ
12 搬送管路本体
12a 直管
12b 曲がり管
13 空気分離減速システム
14 ロータリーバルブ
14a ケーシング
14b 繰出し羽根
14c 回転軸
14d 羽根
14m モータ
16 第一減速管路
16a 第一減速管路本体
16b,c フランジ部
17 空気分離装置
18 第二減速管路
18a フランジ部
20 内筒部材
21 内筒
21a,b 内フランジ部
22 入口
24 搬送物の排出口
26 空気の排気口
26a 空気孔
30 外筒容器
32 外筒
32a,b 外フランジ部
34 閉鎖部
36 排気筒
40 第1の曲がり管路(第1の管路)
40a 直管部
40b 湾曲管部
42 第2の曲がり管路(第2の管路)
42a 直管部
42b 湾曲管部

Claims (1)

  1. 空気分離装置と、空気分離装置の内筒の一次側の開口端に接続する第一減速管路を備え、
    空気分離装置は、内筒と、内筒をその口径方向外側に間隔をあけて取り囲む外筒と、外筒の長さ方向の両側で外筒と内筒の口径方向の間を閉鎖する一対の閉鎖部と、外筒の長さ方向の中間部から分岐すると共に吸引装置側へ接続する排気筒とを備え、
    内筒は、その一次側の開口端を搬送物と空気の入口とし、その二次側の開口端を搬送物の排出口とし、その側面には空気の排気口となる複数の空気孔を備えると共に、その内部空間を搬送物が慣性で通過する通過空間にするものであり、
    第一減速管路は、その一次側の開口端の内径に比べてその二次側の開口端の内径を大きくすると共に、その二次側の開口端の内径を内筒の一次側の開口端の内径よりも小さくしてあることを特徴とする空気分離減速システム。
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