JP3620862B2 - 合わせガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は省エネルギーを目的とし、選択的な光線透過率を有する自動車用合わせガラスの製造方法に関する。詳しくは、熱線反射機能と熱線吸収機能を合わせ持つことによって、透明性を失うことなく、効果的に日射透過率を低減させる合わせガラスの製造方法に関する。
本発明にかかる合わせガラスは、自動車の他に電車などの乗り物、建築物、家庭用電気製品等の窓用ガラスとしても使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
光線透過率を制御する機能を有する合わせガラスは、自動車、電車などの乗り物、及び建築用窓ガラスとして検討されており、その一部は既に実用化されている。また、この合わせガラスは省エネルギーの観点からも近年注目されている材料である。
【0003】
従来、自動車用合わせガラスに高可視光線透過率でかつ低熱線透過率となる選択光線透過性を付加する試みとして、ガラス板に直接選択光線透過膜を積層した構造のものと、ガラス板間に選択光線透過膜を積層したプラスチックフィルムを挟み込んだ構造のものがある。
【0004】
後者の合わせガラスは、機能性膜を積層したプラスチックフィルムを、ポリビニルブチラール膜を接合材として、2枚のガラス板に挟み込んで接合したものであり、直接ガラス板に選択光線透過膜を積層した合わせガラスに比べて、連続生産が行えると言った生産性の面以外にも、加工性、耐衝撃性、均一性などの物性面でも優れており、近年特に注目されている。
【0005】
これらの合わせガラスはその選択光線透過膜により、全光線のうち可視光線は透過させ、熱線(赤外線)は反射させる機能を有しており、太陽光線のうち熱線のみを反射させる事ができる。それゆえ、窓用ガラスとして用いた場合、太陽光線の強い夏期においては、熱線の入射による室内の温度上昇を抑えることが出来、室内の冷房効率を向上させることが出来る。従って、熱線の透過を出来るだけ多く抑えることが省エネルギーのためには重要になっている。しかし、自動車用合わせガラスは安全上十分な透明性が必要となり、この基準を満足した場合これまでの従来品では熱線反射が不十分であった。
【0006】
従来技術として、例えば、特開昭56−32352には熱線反射機能を有するフィルムとして、ポリエステルフィルム表面に特定の膜厚の酸化タングステン/銀/酸化タングステンの3層構造の積層薄膜を堆積させたものを使用し、このフィルムを中間層にもつ合わせガラスが提案されている。しかしながら3層構造の熱線反射フィルムでは可視光線透過率を70%以上にした場合十分に熱線を反射させることができない。
【0007】
また、特開昭63−134332には熱線反射機能を有するフィルムとしてプラスチックフィルム上に特定の膜厚の酸化物/銀/酸化物/銀/酸化物の5層の積層薄膜を形成し、3層の構造の選択光線透過膜の特性を改良させる提案がなされているが、3層構造と比較して熱線反射効果は若干良好なものの自動車用の合わせガラスとして使用する場合はまだ不十分であった。
【0008】
そこで、選択光線透過性を改良するため特開昭60−127152には、選択光線透過膜として、銀合金/屈折率1.35以上の有機重合体/銀合金の積層体と、波長800〜1200nmの間に吸収ピークを有する近赤外線吸収剤を含有する選択層を組み合わせる試みが行われている。しかし、この特許出願で用いられている近赤外線吸収剤(PA−1001他)は耐熱性が無く、直接フィルムに近赤外線吸収剤を混練して選択光線透過膜を作成した場合は、色剤が劣化、もしくは分解を起こしてその効果を十分に発揮出来ない(比較例1参照)。従って、実際に近赤外線吸収層を作製する場合は、近赤外線吸収剤を樹脂と混合してコーティング等の製造方法で作製していた。しかし、コーティングで作製した選択層は膜厚の均一性が不十分で、近赤外線吸収のバラツキがあり、しかも表面状態も悪く可視光線透過率も低下するといった欠点があった。またコーティング等の工程が増え、経済性でも問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、自動車用合わせガラスとして十分な可視光線透過率70%以上を有し、かつ低日射透過率である、優れた選択光線透過率を示す積層体およびこれを用いてなる省エネルギー用自動車用合わせガラスを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、熱分解開始温度が250℃以上である近赤外線吸収剤を用いることにより、近赤外線吸収剤をプラスチックに混練することができ、しかも、溶融製膜して得たプラスチックフィルムの膜厚が均一で、熱線反射率が高い無機酸化物から成る誘電体層と金属層の積層体を積層して合わせガラスを作製すると、可視光線透過率が極めて高く、熱線透過率が低い合わせガラスを得ることができることを発見して、遂に本発明を完成した。
【0011】
すなわち本発明の要旨は、第一に熱分解開始温度が250℃以上であり、波長650 nm 以上に極大吸収ピークを持つ近赤外線吸収剤とポリエチレンテレフタレートからなる原料を溶融製膜して作成した熱線吸収フィルムの少なくとも一方の面に、インジウム−錫酸化物 ( ITO ) 、酸化インジウム、酸化錫、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステンから選択された金属酸化物と、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、クロム、亜鉛から選択された金属、またはこれらの金属を主成分とする合金または混合物から構成された金属とを積層させ、金属層の厚みは50〜500Å、金属酸化物層の厚みは100〜2000Åである選択光線透過膜を積層してなる積層体を、ガラス板間に挟み込み、接合することを特徴とする、可視光線透過率が70%以上、日射透過率が43%以下である合わせガラスの製造方法であり、第二に熱分解開始温度が250℃以上であり、波長650 nm 以上に極大吸収ピークを持つ近赤外線吸収剤とポリエチレンテレフタレートからなる原料を溶融製膜して作成した熱線吸収フィルムの少なくとも一方の面に、透明プラスチックフィルム上に、インジウム−錫酸化物 ( ITO ) 、酸化インジウム、酸化錫、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステンから選択された金属酸化物層と、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、クロム、亜鉛から選択された金属、またはこれらの金属を主成分とする合金または混合物から構成された金属とを積層してなる選択光線透過膜を積層した熱線反射フィルムで、該熱線反射フィルムの金属層の厚みは50〜500Å、金属酸化物層の厚みは100〜2000Åである熱線反射フィルムを積層してなる積層体を、ガラス板間に挟み込み、接合することを特徴とする、可視光線透過率が70%以上、日射透過率が43%以下である合わせガラスの製造方法であり、第三に熱分解開始温度が250℃以上であり、波長650 nm 以上に極大吸収ピークを持つ近赤外線吸収剤とポリエチレンテレフタレートからなる原料を溶融製膜して作成した熱線吸収フィルムの少なくとも一方の面に、インジウム−錫酸化物 ( ITO ) 、酸化インジウム、酸化錫、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステンから選択された金属酸化物と、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、クロム、亜鉛から選択された金属、またはこれらの金属を主成分とする合金または混合物から構成された金属とを積層させ、金属層の厚みは50〜500Å、金属酸化物層の厚みは100〜2000Åである選択光線透過膜を積層してなることを特徴とする選択光線透過性積層体であり、第四に熱分解開始温度が250℃以上であり、波長650 nm 以上に極大吸収ピークを持つ近赤外線吸収剤とポリエチレンテレフタレートからなる原料を溶融製膜して作成した熱線吸収フィルムの少なくとも一方の面に、透明プラスチックフィルム上に、インジウム−錫酸化物 ( ITO ) 、酸化インジウム、酸化錫、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステンから選択された金属酸化物、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、クロム、亜鉛から選択された金属、またはこれらの金属を主成分とする合金または混合物から構成された金属層とを積層してなる選択光線透過膜を積層した熱線反射フィルムで、該熱線反射フィルムの金属層の厚みは50〜500Å、金属酸化物層の厚みは100〜2000Åである熱線反射フィルムを積層してなることを特徴とする選択光線透過性積層体であり、第五に前記した積層体を用いることを特徴とする合わせガラスである。
【0012】
本発明の近赤外線吸収剤を含有するプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニール、ポリフッ化ビニール、ポリアクリレート、ポリカーボネート等のホモポリマー、またはこれら樹脂のモノマーと共重合可能なモノマーとコポリマー等が挙げられ、適宜選択して使用できる。該プラスチックの厚みは通常10〜500μmである。
【0013】
本発明の近赤外線吸収剤は熱分解開始温度が250℃以上である色素であれば特に限定されるものではないが、例えば、特開平2−43269、特開平2−138382(US―5024926)、特開平2−296885、特開平3−43461、特開平3−77840、特開平3−100066、特開平3−62878(US―5124067)、特願平3−338557、特願平3−99730、特願平3−2532414に開示されているようなフタロシアニン類、特開昭61−291651、特開昭61−291652、特開昭62−132963、特開平1−129068、特開平12−172458に開示されているようなアントラキノン類が好ましい。該近赤外線吸収剤は波長650nm以上に極大吸収ピークを持つ。具体的に例示すれば、フタロシアニン類では一般式(1)〔化1〕で示される化合物であり、
【0014】
【化1】
Figure 0003620862
(式(1)中、A〜Aは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基、あるいは置換又は未置換のアルコキシ基を表し、かつ、AとA、AとA、AとA、およびAとAの各組み合わせにおいて、同時に水素原子である組み合わせとなることはない。他方、B〜Bは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアルコキシ基、置換又は未置換のアリールオキシ基、置換又は未置換のアルキルチオ基、あるいは置換又は未置換のアリールチオ基を表す。Mは2価の金属原子、2価又は4価の置換金属原子、またはオキシ金属を表す。)
アントラキノン類では一般式(2)〔化2〕で示される化合物であり、
【0015】
【化2】
Figure 0003620862
(式(2)中、ベンゼン環A、B、C、Dは同一、または各々独立に、炭素数が1〜20の直鎖又は分枝のアルキル基、シクロアルキル基、炭素数が1〜20の直鎖又は分枝のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい。)
である。
【0016】
該近赤外線吸収剤の使用量は特に限定はしないが、作製するフィルム面積に対して通常1〜10,000mg/m であり、50〜500mg/m が更に好ましい。
【0017】
近赤外線吸収剤をプラスチックに混練しフィルムを作製する方法として、溶融製膜法、特に押出法が用いられる。押出条件は用いるプラスチックによって異なり、特に限定はせず公知の条件を使用できる。具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルムの場合は通常250℃〜350℃で製膜する。形成されたフィルムは延伸無しで使用しても良いが、フィルム製膜後1軸もしくは2軸に延伸して使用することが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルムの場合は通常50℃〜150℃で流れ方向に2〜10倍、幅方向に2〜10倍に延伸する。
以下、近赤外線吸収剤を含有するプラスチックフィルムを熱線吸収フィルムという。
【0018】
本発明の選択光線透過膜は、透明プラスチックフィルムもしくは近赤外線吸収剤を含有するプラスチックフィルム上に、汎用されるスパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング等の方法で選択光線透過膜を形成することにより得られる。
【0019】
選択光線透過膜としては、選択的に可視光線ならびに熱線の透過率を制御する機能を有する無機酸化物から成る誘電体層と金属層を積層した積層体であり、例えば、無機酸化物から成る誘電体層としては、インジウム−錫酸化物(ITO)、酸化インジウム、酸化錫、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン等から適宜選択された金属酸化物層であり、金属層としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、クロム、亜鉛等の金属やこれらの金属を主成分とする合金または混合物から適宜選択された金属層が用いらる。例えば、選択光線透過膜として金属酸化物層から順に交互に3層または5層積層した積層体が挙げられる。好ましい構成としては、酸化インジウム/銀/酸化インジウム/銀/酸化インジウムの5層構造が挙げられる。通常金属層の厚みは50〜500Å、金属酸化物層の厚さは100〜2000Å程度である。
【0020】
選択光線透過膜を積層した透明プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニール、ポリフッ化ビニール、ポリアクリレート、ポリカーボネート等のホモポリマー、またはこれら樹脂のモノマーと共重合可能なモノマーとコポリマー等から成るフィルムが挙げられ、適宜選択して使用することが出来る。該プラスチックフィルムの厚みは特に限定されるものではないが、作業性を考慮して12〜200μmの範囲が好ましい。
以下、選択光線透過膜を積層した透明プラスチックフィルムを熱線反射フィルムという。
【0021】
熱線吸収フィルムと熱線反射フィルムを接着する接着剤は、シリコン系、ウレタン系、アクリル系などの公知の透明な材料を適宜使用し、接着層単体の可視光線透過率が70%以上であれば特に限定されるものではない。通常その厚みは1〜100μmである。
【0022】
選択光線透過膜を直接積層した熱線吸収フィルムとガラスの接合材、および熱線吸収フィルムと熱線反射フィルムからなる積層体とガラスの接合材としては、ポリビニルブチラール樹脂等の公知の接合材を適宜選択し使用することができる。通常、その厚みは0.1〜1mmである。また、接合材には選択光線透過性に影響を与えない程度の紫外線吸収剤等を添加しても良い。
【0023】
合わせガラスの熱圧着条件は特に限定はしないが、通常接合材の融点前後の温度で、例えば、100℃〜150℃で、通常10〜15kg/m の圧力下で行う。
【0024】
本発明に使用するガラス板については、材質および厚みは特に限定されるものではなく、自動車等の乗り物や建設用等のガラス板がその用途に応じて適宜選択して複数枚用いられる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1
ユニチカ製ポリエチレンテレフタレートペレット1203と下記構造式(3)〔化3]の銅フタロシアニン系近赤外線吸収剤(分解開始温度320℃、極大吸収波長713nm)を重量比1:0.0025の割合で混合し、300℃で溶融させ、押出機で厚み100μmのフィルムを作製した後、このフィルムを2軸延伸して厚み25μmの近赤外線吸収剤入りポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、熱線吸収フィルムという。)を作製した。また、酸化インジウム(300Å)/銀(100Å)/酸化インジウム(600Å)/銀(100Å)/酸化インジウム(300Å)の構成の薄膜を厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、商品名:ルミラー)にマグネトロンスパッタリング法により積層した透明プラスチックフィルム(以下、熱線反射フィルムという。)を作製した。上記の熱線吸収フィルムと熱線反射フィルムをウレタン系接着剤を用いて貼り合わせ、透明積層体を作製した。この透明積層体を両面に凸凹を有する厚さ0.38mmのポリビニルブチラールを接合材として厚さ2mmの溶融板ガラスの間に挟み込み、130℃、13kg/m のオートクレーブ中で圧着し、合わせガラスを作製した。この合わせガラスの光線透過率を(株)日立製作所製、分光光度計U−3400を用いて測定し、JIS−R−3106に従って可視光線透過率、日射透過率を計算したところ、可視光線透過率は73%、日射透過率は38%であった。
【0026】
【化3】
Figure 0003620862
【0027】
実施例2
実施例1で作成した近赤外線吸収剤入りポリエチレンテレフタレ−トフィルムの片面に、酸化インジウム(300Å)/銀(100Å)/酸化インジウム(600Å)/銀(100Å)/酸化インジウム(300Å)の構成の選択光線透過膜をマグネトロンスパッタリング法で積層した。該フィルムを両面に凸凹を有する厚さ0.38mmのポリビニルブチラールを接合材として厚さ2mmの溶融板ガラスの間に挟み込み、130℃、13kg/m のオートクレーブ中で圧着し、合わせガラスを作製した。この合わせガラスの光線透過率を(株)日立製作所製、分光光度計U−3400を用いて測定し、JIS−R−3106に従って可視光線透過率、日射透過率を計算したところ、可視光線透過率は73%、日射透過率は38%であった。
【0028】
実施例3
ユニチカ製ポリエチレンテレフタレートペレット1203とアントラキノン系近赤外線吸収剤(三井東圧染料(株)製、商品名:SIR−114:分解開始温度377℃、極大吸収波長765nm)を重量比1:0.0030の割合で混合し、押出機で厚み100μmのフィルムを作製した後、このフィルムを2軸延伸して厚み30μmの近赤外線吸収剤入りポリエチレンテレフタレートフィルムを作製した。このフィルムを実施例1で作製した熱線反射フィルムとアクリル系接着剤でラミネートし、透明積層体を作製した。この透明積層体を両面に凸凹を有する厚さ0.38mmのポリビニルブチラールを接合材として厚さ2mmの溶融板ガラスの間に挟み込み、130℃、13kg/m のオートクレーブ中で圧着し、合わせガラスを作製した。この合わせガラスの光線透過率を(株)日立製作所製、分光光度計U−3400を用いて測定し、JIS−R−3106に従って可視光線透過率、日射透過率を計算したところ、可視光線透過率は73%、日射透過率は40%であった。
【0029】
比較例1
近赤外線吸収剤として、分解開始温度が219℃の金属錯体系近赤外線吸収剤(三井東圧ファイン(株)製、商品名:PA−1001:極大吸収波長1110nm)を用いて実施例1と同様に300℃で熱線吸収フィルムを作成したところ、近赤外線吸収剤が分解脱色し、近赤外線吸収効果が見られなかった。
【0030】
比較例2
実施例1で作成した熱線反射フィルムを、両面に凸凹を有する厚さ0.38mmのポリビニルブチラールを接合材として厚さ2mmの溶融板ガラスの間に挟み込み、130℃、13kg/m のオートクレーブ中で圧着し、合わせガラスを作製した。この合わせガラスの光線透過率を(株)日立製作所製、分光光度計U−3400を用いて測定し、JIS−R−3106に従って可視光線透過率、日射透過率を計算したところ、可視光線透過率は79%、日射透過率は51%であった。
【0031】
比較例3
実施例1で作成した熱線吸収フィルムを、両面に凸凹を有する厚さ0.38mmのポリビニルブチラールを接合材として厚さ2mmの溶融板ガラスの間に挟み込み、130℃、13kg/m のオートクレーブ中で圧着し、合わせガラスを作製した。この合わせガラスの光線透過率を(株)日立製作所製、分光光度計U−3400を用いて測定し、JIS−R−3106に従って可視光線透過率、日射透過率を計算したところ、可視光線透過率は79%、日射透過率は70%であった。
【0032】
比較例4
アミノ樹脂(三井東圧化学(株)製、商品名:ユーバン20SE−60)とアクリル樹脂(三井東圧化学(株)製、商品名:アルマテクス748−5M)を重量比3:7で混合した液体に、金属錯体系近赤外線吸収剤(三井東圧ファイン(株)製、商品名:PA−1001)を重量部で0.3%溶解させたトルエンを重量比2:1の割合で混合し、厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにコーティングし150℃で15分間乾燥した。乾燥後の塗布厚は40μmであった。このフィルムを実施例1で作製した熱線反射フィルムとウレタン系接着剤でラミネートし、透明積層体を作製した。この積層透明体を両面に凸凹を有する厚さ0.38mmのポリビニルブチラールを接合材として厚さ2mmの溶融板ガラスの間に挟み込み、130℃、13kg/m のオートクレーブ中で圧着し、合わせガラスを作製した。この積層透明体の光線透過率を(株)日立製作所製、分光光度計U−3400を用いて測定し、JIS−R−3106に従って可視光線透過率、日射透過率を計算したところ、可視光線透過率は73%、日射透過率は48%であった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の合わせガラスは、従来の熱線吸収剤を含有するガラス、熱線反射ガラス、及び熱線吸収剤と熱線反射の積層ガラスと比較して、可視光線透過率を高くした場合でも著しく日射透過率を低下させることが出来る。具体的には、本発明の合わせガラスは、可視光線透過率が70%以上でかつ日射透過率が43%以下であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の合わせガラスの断面の概要図である。
【図2】実施例2の合わせガラスの断面の概要図である。
【符号の説明】
1 熱線吸収フィルム
2 選択光線透過膜
3 接着剤
4 接合材
5 ガラス
6 透明プラスチックフィルム

Claims (10)

  1. 熱分解開始温度が250℃以上であり、波長650 nm 以上に極大吸収ピークを持つ近赤外線吸収剤とポリエチレンテレフタレートからなる原料を溶融製膜して作成した熱線吸収フィルムの少なくとも一方の面に、インジウム−錫酸化物 ( ITO ) 、酸化インジウム、酸化錫、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステンから選択された金属酸化物と、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、クロム、亜鉛から選択された金属、またはこれらの金属を主成分とする合金または混合物から構成された金属とを積層させ、金属層の厚みは50〜500Å、金属酸化物層の厚みは100〜2000Åである選択光線透過膜を積層してなる積層体を、ガラス板間に挟み込み、接合することを特徴とする、可視光線透過率が70%以上、日射透過率が43%以下である合わせガラスの製造方法。
  2. 熱分解開始温度が250℃以上であり、波長650 nm 以上に極大吸収ピークを持つ近赤外線吸収剤とポリエチレンテレフタレートからなる原料を溶融製膜して作成した熱線吸収フィルムの少なくとも一方の面に、透明プラスチックフィルム上に、インジウム−錫酸化物 ( ITO ) 、酸化インジウム、酸化錫、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステンから選択された金属酸化物層と、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、クロム、亜鉛から選択された金属、またはこれらの金属を主成分とする合金または混合物から構成された金属層を積層してなる選択光線透過膜を積層した熱線反射フィルムで、該熱線反射フィルムの金属層の厚みは50〜500Å、金属酸化物層の厚みは100〜2000Åである熱線反射フィルムを積層してなる積層体を、ガラス板間に挟み込み、接合することを特徴とする、可視光線透過率が70%以上、日射透過率が43%以下である合わせガラスの製造方法。
  3. 近赤外線吸収剤がフタロシアニン類およびアントラキノン類からなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項1または2の合わせガラスの製造方法。
  4. 溶融製膜が押出方法であることを特徴とする請求項1または2の合わせガラスの製造方法。
  5. 選択光線透過膜が酸化インジウムからなる薄膜と銀からなる薄膜の積層体であることを特徴とする請求項1または2の合わせガラスの製造方法。
  6. 熱線吸収フィルムと熱線反射フィルムをシリコン系接着剤、ウレタン系接着剤およびアクリル系接着剤からなる群から選ばれた接着剤で接着することを特徴とする請求項2の合わせガラスの製造方法。
  7. 接合剤としてポリビニルブチラールを用いて接合することを特徴とする請求項1または2の合わせガラスの製造方法。
  8. 熱分解開始温度が250℃以上であり、波長650 nm 以上に極大吸収ピークを持つ近赤外線吸収剤とポリエチレンテレフタレートからなる原料を溶融製膜して作成した熱線吸収フィルムの少なくとも一方の面に、インジウム−錫酸化物 ( ITO ) 、酸化インジウム、酸化錫、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステンから選択された金属酸化物と、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、クロム、亜鉛から選択された金属、またはこれらの金属を主成分とする合金または混合物から構成された金属とを積層させ、金属層の厚みは50〜500Å、金属酸化物層の厚みは100〜2000Åである選択光線透過膜を積層してなることを特徴とする選択光線透過性積層体。
  9. 熱分解開始温度が250℃以上であり、波長650 nm 以上に極大吸収ピークを持つ近赤外線吸収剤とポリエチレンテレフタレートからなる原料を溶融製膜して作成した熱線吸収フィルムの少なくとも一方の面に、透明プラスチックフィルム上に、インジウム−錫酸化物 ( ITO ) 、酸化インジウム、酸化錫、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化タングステンから選択された金属酸化物層と、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、インジウム、錫、クロム、亜鉛から選択された金属、またはこれらの金属を主成分とする合金または混合物から構成された金属層とを積層して なる選択光線透過膜を積層した熱線反射フィルムで、該熱線反射フィルムの金属層の厚みは50〜500Å、金属酸化物層の厚みは100〜2000Åである熱線反射フィルムを積層してなることを特徴とする選択光線透過性積層体。
  10. 請求項8または9の積層体を用いることを特徴とする合わせガラス。
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