JP3620372B2 - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ルーフサイドレールに沿って収納され、車体側部への所定の高荷重作用時にインフレータから噴出したガスによってカーテン状に膨張する頭部保護エアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体側部への所定の高荷重作用時における前席に着座した乗員の頭部の保護性能を向上させるべく、ルーフサイドレールに沿って折り畳み状態で格納されたエアバッグ袋体を、サイドウインドガラスに沿ってカーテン状に膨張させる頭部保護エアバッグ装置が既に提案されている。以下、この種の頭部保護エアバッグ装置を開示したWO 96/26087号公報に示される構成について説明する。
【0003】
図9に示される如く、この頭部保護エアバッグ装置100は、フロントピラー部102からルーフサイドレール部104に跨がって配設された長尺状のダクト106と、このダクト106内に折り畳み状態で格納されると共に前端固定点108及び後端固定点110にて車体側に固定されたエアバッグ袋体112と、ホース114を介してダクト106の後端部と接続されると共に車体側部への所定の高荷重作用時にガスを噴出するインフレータ116と、一端部が車体側に固定されると共に他端部がエアバッグ袋体112の後端部に固定された帯状のストラップ118と、を主要構成要素として構成されている。さらに、エアバッグ袋体112は、各々略円筒状に形成されかつ略車両上下方向を長手方向として配置された複数のセル120を連接させることにより構成されている。
【0004】
上記構成によれば、車体側部への所定の高荷重作用時になると、インフレータ116からガスが噴出される。このため、噴出されたガスは、ホース114及びダクト106を介して折り畳み状態のエアバッグ袋体112の各セル120内へ流入される。その結果、各セル120が略車両上下方向を長手方向として略円筒状に膨張し、これによりエアバッグ袋体112がウインドガラス122に沿ってカーテン状に膨張される。さらに、エアバッグ袋体112の後端部はストラップ118を介して車体側に連結されているため、エアバッグ袋体112の後端側は確実にBピラー(センタピラーともいう)部124の上部内側に配置されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような頭部保護エアバッグ装置では、車体がロールオーバした場合に対応して、内圧保持時間は出来るだけ長くすることが好ましいが、従来構造ではエアバッグ袋体膨張時に、膨張圧によりエアバッグ袋体の織り目に目ずれが発生し、外周部にコーティングしたシール剤を通してガス漏れがおきる。このため、内圧保持時間が短くなる。これを改善する方法としては、ガス漏れを抑制するためシール剤を厚くコーティングすることが考えられるが、従来のコーティング方法によりシール剤をコーティングすると、エアバッグ袋体全体にシール剤が厚くコーティングされることから、エアバッグ袋体の重量が増大すると共に、折り畳んだエアバッグ袋体が嵩張るため、収納スペースが増大し収納性能が悪化する。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、重量増加、収納性能悪化をともなうことなく、シール性を向上できる頭部保護エアバッグ装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、少なくともルーフサイドレールに沿って収納され、カーテン状に展開する頭部保護エアバッグ装置において、
前記エアバッグ袋体を膨張させるガスをエアバッグ袋体内に噴出するインフレータと、
該インフレータから噴出されるガスによってエアバッグ袋体内の全体にシール剤を飛散させるシール剤飛散手段としてのシール剤封入カプセルと、
を有し、前記シール剤封入カプセルは、一部が外筒と本体部との二重構造となっており、外筒と本体部との間に配設されたタンク内にシール剤が充填され、前記タンクから延設された導管の先端部が本体部の内部空間内に突出していることを特徴とする。
【0008】
従って、インフレータから噴出するガスによって、シール剤飛散手段としてのシール剤封入カプセルの外筒と本体部との間に配設されたタンク内に充填されたシール剤が、タンクから延設され本体部の内部空間内に突出している導管の先端部から霧状になって膨張展開したエアバッグ袋体内の全体に飛散する。この結果、エアバッグ袋体が展開した後、ガスがエアバッグ袋体の相対的に弱い部分から外部に漏れ始めると、エアバッグ袋体内の全体に広がっているシール剤の一部がガス漏れ部に集中して付着し、ガス漏れを効果的に防止する。従って、インフレータからのガスを利用してエアバッグ袋体のガス漏れ部が発生し易い部位に効率的にシール剤を付着させることができる。この結果、エアバッグ袋体全体においてシール剤のコーティングを厚くする場合に比べて、重量増加、収納性能悪化をともなうことなく、シール性を向上できる。また、インフレータから噴出するガスによって、シール剤封入カプセルからシール剤が膨張展開したエアバッグ袋体内の全体に飛散する。この結果、簡単な構成によって、シール剤を膨張展開したエアバッグ袋体内の全体に飛散させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の頭部保護エアバッグ装置の参考とする実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0016】
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を示す。
【0017】
図4に示される如く、本実施形態における頭部保護エアバッグ装置10は、側突状態を検出するためのセンサ12と、作動することにより高温ガスを噴出するインフレータ14と、エアバッグ袋体16(シール剤をコーティングしていないもの、又はシール剤を外周部に薄くコーティングしたもの)と、を主要構成要素として構成されている。センサ12は、センタピラー(Bピラー)18の下端部付近に配設されており、所定値以上の側突荷重が車体側部に作用した場合に側突状態を検出するようになっている。インフレータ14はクォータピラー(Cピラー)20にブラケット21を介してボルト、ナット等の固定部材によって固定されており、前述したセンサ12と接続されている。従って、センサ12が側突状態を検出すると、インフレータ14が作動するようになっている。
【0018】
エアバッグ袋体16の後端部(ガス流入部)16Aは、インフレータ14から噴出されたガスが流入されるようにインフレータ配設位置に配置されており、中間部16Bの上端縁部はルーフサイドレール22及びフロントピラー24に沿って配置され、前端部16Cはフロントピラー24の上部付近に配置されている。また、エアバッグ袋体16は、略上下方向へ蛇腹状に折り畳まれて長尺状にされた上で配設されている。
【0019】
図2に示される如く、インフレータ14は円柱状とされており、インフレータ14におけるガス噴出口14Aには、シール剤飛散手段としてのシール剤封入カプセル26を介してガス導入管28が連結されている。ガス導入管28の外周部には、エアバッグ袋体16のガス流入部が外装された状態で、金属製のバンド30によって固定されている。
【0020】
エアバッグ袋体16は、ポリアミド糸等を使用した袋織りによって形成されており、インフレータ14からガスが流入すると、厚さを増すように膨張する膨張部32と、厚さを増さない非膨張部35とから構成されている
また、膨張部32は、膨張展開時に、車両の前席の側方付近に配置される前席用膨張部32Aと車両の後席の側方付近に配置される後席用膨張部32Bとを備えていると共に、ガス流入部16Aから略直線状に斜め前下方向へ延びるように配設された主膨張室34も備えている。
【0021】
そして、前席用膨張部32Aは、主膨張室34の前部側の前側室34Aと、前側室34Aの前端側と連通されて前側室34Aの上下にそれぞれ配置される上副膨張室36と下副膨張室38から構成されている。また、後席用膨張部32Bは、主膨張室34の後部側の後側室34Bと、後側室34Bと上部を連通させる後副膨張室40とから構成されている。主膨張室34における前側室34Aと後側室34Bとの間には、前側室34Aと後側室34Bとを直線状に連通させる連通室34Cが配設されている。
【0022】
非膨張室35は、エアバッグ袋体16の車内側壁部と車外側壁部とが接合されたように織成されて形成され、エアバッグ袋体16の外周縁において気密性を確保できるように密に織成される周縁部44と、周縁部44から膨張部32の領域内に延びる延設部46と、周縁部44から離れて前席用膨張部32Aの領域内に配置される中央結合部48と、前席用膨張部32Aと後席用膨張部32Bとの間における連通室34Cの下方に配置される板状部50と、を備えている。
【0023】
また、周縁部44の上縁44Aには、複数の取付部52が形成されており、各取付部52には、それぞれ、中央に、取付ボルトを挿通させる取付孔54が袋織りの後の孔明け加工により形成されている。なお、図示を省略したが各取付部52には、それぞれ、折り畳まれたエアバッグ袋体16をボデー側に取り付けるための板金製の取付ブラケットが固定されている。
【0024】
また、本実施形態のエアバッグ袋体16では、周縁部44の前端側に、膨張を完了させたエアバッグ袋体16の下縁側に張力を発生させて、エアバッグ袋体16の車外側への移動を規制するベルト56が取付けられている。ベルト56は、上端側が周縁部44の前縁側上部における車外側の面に縫合され、その下方のスリット58から車内側に出されて、他端側が図4に示される如く、ボディのサイドパネル60にボルト62を利用して固定されている。なお、ベルト56の他端側には、ボルト62を挿通するさせる取付孔63が穿設されている。
【0025】
図3に示される如く、シール剤封入カプセル26は円筒形状とされた本体部64を備えており、本体部64における両端内周部には、所定深さのネジ部64Aが形成されている。各螺子部64Aの底部64Bには、蓋66が固定されており、左右の蓋66により閉塞されたシール剤封入室68内には、例えば、微細粉末状とされた熱可塑性のシール剤70が封入されている。なお、蓋66には、中心から放射線状に延びる薄肉とされた脆弱部66Aが形成されており、所定値以上の圧力が作用した場合には、脆弱部66Aを起点に容易に開くようになっている。
【0026】
図1に示される如く、シール剤封入カプセル26における本体部64の一方の螺子部64Aには、インフレータ14におけるガス噴出口14Aに形成された螺子部14Bが螺合されており、シール剤封入カプセル26における本体部64の他方の螺子部64Aには、ガス導入管28の端部に形成された螺子部28Aが螺合されている。従って、インフレータ14から噴出されるガス(図1の矢印A)によって、各蓋66が、図1に二点鎖線で示す閉塞状態から、実線で示す開放状態となり、シール剤封入室68内のシール剤70が矢印Sで示すように、ガスによりエアバッグ袋体16内に飛散するようになっている。この時、熱可塑性のシール剤70は高温のガスによって溶けエアバッグ袋体16の内周面に付着し易い状態となる。なお、シール剤封入カプセル26の固定は螺子部64Aによる螺合に限らず、圧入、溶接等の他の方法でも良い。
【0027】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0028】
本実施形態では、センサ12が側突状態を検出すると、インフレータ14が作動し、インフレータ14からエアバッグ袋体16内に入ったガスによって、エアバッグ袋体16が車室内に膨張展開する。この際、シール剤封入カプセル26においては、インフレータ14から噴出されるガス(図1の矢印A)によって、各蓋66が、図1に二点鎖線で示す閉塞状態から、実線で示す開放状態となる。このため、シール剤封入室68内のシール剤70が、高温のガスによって溶けエアバッグ袋体16の内周面に付着し易い状態となって、エアバッグ袋体16内に飛散する。この結果、エアバッグ袋体16が展開した後、ガスがエアバッグ袋体16の相対的に弱い部分、即ち、目ずれが発生した部分等から外部に漏れ始めると、エアバッグ袋体16内の全体に広がっているシール剤70の一部がガス漏れ部に集中して付着する。このため、温度の低下とともにシール剤70が硬化し、エアバッグ袋体16の内周面、特にガス漏れ部分に集中して付着し、ガス漏れを防止する。
【0029】
従って、インフレータ14からのガスを利用して、エアバッグ袋体16のガス漏れ部が発生し易い部位に効率的にシール剤を付着させることができるので、シール剤をコーティングしていないエアバッグ袋体16、又はシール剤を外周部に薄くコーティングしたエアバッグ袋体16を使用することができる。このため、エアバッグ袋体全体においてシール剤のコーティングを厚くする場合に比べて、重量増加、収納性能悪化をともなうことなく、シール性を向上できる。
【0030】
また、インフレータ14から噴出するガスによって、インフレータ14におけるガス噴出口14A近傍に配置されたシール剤封入カプセル26からシール剤70が膨張展開したエアバッグ袋体16内の全体に飛散する。この結果、簡単な構成によって、シール剤70を膨張展開したエアバッグ袋体16内の全体に飛散させることができる。
【0031】
次に、本発明の頭部保護エアバッグ装置の一実施形態を図5及び図6に従って説明する。
【0032】
なお、参考とする実施形態(図1〜図4)と同一部材については同一符号を付してその説明を省略する。
【0033】
図6に示される如く、本実施形態では、シール剤飛散手段としてのシール剤封入カプセル72の一部が二重構造となっており、円筒形状とされた本体部74の外周部に所定の間隔を開けて外筒76が配設されている。外筒76と本体部74との間には、本体部74の周方向に沿って等間隔に複数個(本実施形態では4個)のタンク78が配設されている。即ち、各タンク78は、外筒76によって、本体部74の外周部に支持されている。
【0034】
各タンク78内には、熱硬化性の液体またはジェル状のシール剤80が充填されており、各タンク78から延設された導管82は、本体部74を通過し、先端部82Aが本体部74の内部空間84内に突出している。
【0035】
図5に示される如く、本体部74の両端部の内周部には、螺子部74Aが形成されており、シール剤封入カプセル72における本体部74の一方の螺子部74Aには、インフレータ14におけるガス噴出口14Aに形成された螺子部14Bが螺合されており、シール剤封入カプセル72における本体部74の他方の螺子部74Aには、ガス導入管28の端部に形成された螺子部28Aが螺合されている。従って、インフレータ14から噴出されるガス(図5の矢印A)によって、各導管82の先端部82Aから、シール剤80が霧状になって矢印Sで示すように、エアバッグ袋体16内に飛散するようになっている。なお、エアバッグ袋体16に付着したシール剤80はガス熱によって硬化するようになっている。
【0036】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0037】
本実施形態では、センサ12が側突状態を検出すると、インフレータ14が作動し、インフレータ14からエアバッグ袋体16内に入ったガスによって、エアバッグ袋体16が車室内に膨張展開する。この際、シール剤封入カプセル72においては、インフレータ14から噴出されるガス(図1の矢印A)によって、各導管82の先端部82Aから、シール剤80が霧状になってエアバッグ袋体16内に飛散する。この結果、エアバッグ袋体16が展開した後、ガスがエアバッグ袋体16の相対的に弱い部分、即ち、目ずれが発生した部分等から外部に漏れ始めると、エアバッグ袋体16内の全体に広がっているシール剤80の一部がガス漏れ部に集中して付着する。このため、ガス熱によってシール剤70が硬化し、エアバッグ袋体16の内周面、特にガス漏れ部分に集中して付着し、ガス漏れを防止する。
【0038】
従って、インフレータ14からのガスを利用して、エアバッグ袋体16のガス漏れ部が発生し易い部位に効率的にシール剤を付着させることができるので、シール剤をコーティングしていないエアバッグ袋体16、又はシール剤を外周部に薄くコーティングしたエアバッグ袋体16を使用することができる。このため、エアバッグ袋体全体においてシール剤のコーティングを厚くする場合に比べて、重量増加、収納性能悪化をともなうことなく、シール性を向上できる。
【0039】
また、インフレータ14から噴出するガスによって、インフレータ14におけるガス噴出口14A近傍に配置されたシール剤封入カプセル72からシール剤80が膨張展開したエアバッグ袋体16内の全体に飛散する。この結果、簡単な構成によって、シール剤80を膨張展開したエアバッグ袋体16内の全体に飛散させることができる。
【0040】
次に、本発明の頭部保護エアバッグ袋体のシール方法の参考とする実施形態を図7に従って説明する。
【0041】
なお、参考とする実施形態(図1〜図4)と同一部材については同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】
本実施形態では、完成したエアバッグ袋体16にインフレータ等を取付け折り畳み形状とする前の作業として、以下のシール方法によって、エアバッグ袋体16の内部にシール剤をコーティングする。
【0043】
図7に示される如く、完成したエアバッグ袋体16をノズル86に着脱可能な金属製のバンド88によって固定する。ノズル86には、バルブ90を介して、高温の気体としての熱風(高温にした空気、ガス等)を発生するための熱風発生装置92が連結されており、バルブ90を開くことによって、高温の気体としての所定圧の熱風(図7の矢印B)がエアバッグ袋体16内に送風されエアバッグ袋体16が膨張するようになっている。また、ノズル86には、バルブ94を介して、シール剤充填容器96が連結されており、バルブ94を開くことによって、例えば、微細粉末状とされた熱可塑性のシール剤98がノズル86内に送り込まれ、前記熱風によって、エアバッグ袋体16内に飛散するようになっている。その後、エアバッグ袋体16が完全に膨張した後、バルブ94とバルブ90を閉じる。
【0044】
従って、本実施形態の頭部保護エアバッグ袋体のシール方法では、熱風によって、シール剤98が膨張展開したエアバッグ袋体16内の全体に飛散する。その後、エアバッグ袋体16内の熱風がエアバッグ袋体16の相対的に弱い部分から外部に漏れ始めると、エアバッグ袋体16内の全体に広がっているシール剤98の一部がガス漏れ部に集中して付着すると共に熱風の温度低下(冷却)によって硬化する。このため、温度の低下とともにシール剤98が硬化し、エアバッグ袋体16の内周面、特にガス漏れ部分に集中して付着し、ガス漏れを防止する。
【0045】
よって、本実施形態の頭部保護エアバッグ袋体のシール方法では、エアバッグ袋体製造時に、エアバッグ袋体16の重量増加、収納性能悪化をともなうことなく、エアバッグ袋体16のシール性を効率的に向上できる。また、従来の製造方法を大幅に変えることなく容易な方法で、エアバッグ袋体16のシール性を向上できる。なお、シール剤98は、液体またはジェル状の熱硬化性シール剤としても良い。
【0046】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、エアバッグ袋体16の展開形状を図2に示される形状としたが、エアバッグ袋体16の展開形状はこの形状には限定されず、例えば、図8に示される如く、ガス流入部16に続く主膨張室34が略直線状に前方へ延びるように配設され、主膨張室34の下方に略上下方向に延びる分割室37を備えた前席用膨張部32Aと後席用膨張部32Bとを有する形状としても良い。また、本発明は、インフレータをフロントピラーに設けた頭部保護エアバッグ装置にも適用可能であり、エアバッグ袋体の大きさ等にも限定されない。
【0047】
【発明の効果】
上記説明した如く、請求項1記載の本発明の頭部保護エアバッグ装置は、重量増加、収納性能悪化をともなうことなく、エアバッグ袋体のシール性を向上できるという優れた効果を有する。また、構成が簡単であるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考とする実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置における要部を示す拡大側断面図である。
【図2】本発明の参考とする実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置におけるエアバッグ袋体の展開状態を示す概略側面図である。
【図3】本発明の参考とする実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置におけるシール剤封入カプセルを示す拡大分解斜視図である。
【図4】本発明の参考とする実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置のエアバッグ袋体格納状態を示す概略側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置を示す図1に対応する側断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿った断面図である。
【図7】本発明の参考とする実施形態に係る頭部保護エアバッグ袋体のシール方法を示す概略側面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る頭部保護エアバッグ袋体の展開状態を示す概略側面図である。
【図9】従来の頭部保護エアバッグ装置におけるエアバッグ袋体の展開完了状態を示す概略側面図である。
【符号の説明】
10 頭部保護エアバッグ装置
14 インフレータ
16 エアバッグ袋体
16A エアバッグ袋体のガス流入部
22 ルーフサイドレール
24 フロントピラー
26 シール剤封入カプセル(シール剤飛散手段)
28 ガス導入管
64 本体部
66 蓋
68 シール剤封入室
70 シール剤
72 シール剤封入カプセル(シール剤飛散手段)
74 本体部
76 外筒
78 タンク
80 シール剤
82 導管
86 ノズル
90 バルブ
92 熱風発生装置
94 バルブ
96 シール剤充填容器
98 シール剤
Claims (1)
- 少なくともルーフサイドレールに沿って収納され、カーテン状に展開する頭部保護エアバッグ装置において、
前記エアバッグ袋体を膨張させるガスをエアバッグ袋体内に噴出するインフレータと、
該インフレータから噴出されるガスによってエアバッグ袋体内の全体にシール剤を飛散させるシール剤飛散手段としてのシール剤封入カプセルと、
を有し、前記シール剤封入カプセルは、一部が外筒と本体部との二重構造となっており、外筒と本体部との間に配設されたタンク内にシール剤が充填され、前記タンクから延設された導管の先端部が本体部の内部空間内に突出していることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
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