JP3620323B2 - 地下構造物の改築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下構造物の改築方法に関し、特に既設地下外壁を解体しつつ地下構造物の構築を行えるようにした方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既設地下構造物を改築しようとする場合、既設地下外壁または既設土留壁(以下、地下外壁部と称する)が障害となる。外壁部を撤去する際には、一般にロックオーガによる破砕作業により行われていたが、ビットの損耗が著しく、しかも騒音、振動が著しく、オーガーが敷地境界からはみ出すなどの理由により、隣地境界に対して外壁部がぎりぎりいっぱいに構築されている場合には、完全には撤去できなかった。
【0003】
そこで、従来では、例えば特開平2−132226号公報、あるいは特公平2−13094号公報に示すように、既設外壁部を残置したままの施工がなされていた。前者の方法では、例えば図6に示すように、隣接地域の地盤を安定に保つべく、既設地下外壁部1のみを残して既設地下構造物を解体し、既設地下外壁部1の内側に新たな地下外壁部2を構築し、次いで地下構造物を構築する方法をとっている。また、後者の方法では、既設地下外壁部を下方に延長する方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の方法では、新たな地下構造物が既設の地下構造物より小さくなる制約があり、また、後者の方法では、施工が困難であり、しかも既設構造物を混在させた状態で構築するため、出来上った構造物の耐久性などにも疑問が生ずるものであった。
【0005】
本発明方法は、以上の欠点を解消するものであり、その目的は、既設の地下外壁部を解体しつつ新たな地下構造物を構築できるようにした地下構造物の改築方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明の改築方法は、既設地下外壁部と仮地下壁との間の床スラブおよび梁を切断した後、既設地下外壁部に近接して仮地下壁を構築し、既設地下外壁部と仮地下壁との空間に泥水を満たすとともに、既設地下外壁を適宣間隔に切断してブロック化し、既設地下外壁部の外側面を周囲地盤と縁切りし、ブロック化された既設地下外壁部を地上の引上げ装置により引抜き・撤去し、引抜き跡にケーシングを挿入し、これと地下仮外壁との間の泥水を固化させ、ケーシングを引抜き、新たな地下外壁部を構築するとともに、これに前後し、または並行して、既設建物本体部の解体および新たな地下構造物を構築することを順に行うものである。
【0007】
従って、本発明方法にあっては、既設外壁部を完全撤去しながら新たな地下構造物の構築が可能となる。
【0008】
本発明においては、前記工程(b)において、既設地下外壁の切断を長尺コアボーリングによる連続孔明け作業により行うことが好ましい。この発明において、「長尺コアボーリングによる連続孔明け」とは、コアボーリング方法により縦方向に形成されるボーリング孔を壁厚方向に連続させる作業により、外壁部を切り分ける作業を言い、従来のロックオーガによる破砕作業に比べて静粛性があり、ビットの損耗がなく、完全な切り分け作業が可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜5は本発明の改築方法の手順を示している。まず図1において、既設地下構築物の解体準備作業がなされる。この方法は、地下連続壁及びこれと一体化されている躯体外壁からなる外壁部10と連結している地下各階の梁・スラブ11を切断12し、また、地下底板の下面に薬注13を行ってその下部地盤の止水を行った後、仮外壁14により切断12の部分を遮蔽し、次いで仮外壁14と外壁部10との間に泥水15を注入充填することで、準備作業を完了する。
【0010】
次に、図2に示すように、地表部に長尺コアボーリングマシン16を配置し、その削孔用チューブ18をマシン16の縦ガイド16aに沿って地下外壁部に鉛直に挿入しつつ回転駆動することで、その先端ビット18aによる削孔作業がなされ、外壁部10の頂部から底部までに至るボーリング孔20が形成される。
【0011】
この削孔作業を、図の一部に拡大して示すように、外壁部10の壁厚方向に沿って孔20の一部を交叉させた状態で連続的に繰返すことで、外壁部10は深度方向に沿って切り分けられる。以上の作業は外壁部10の長手方向に沿って所定ピッチ間隔で繰返されることで、外壁部10は深度方向に沿って切り分けられた複数のコンクリートブロックに分割される。なお、ボーリング孔20の先端の曲りによる未切断部分の残留は、先行ボーリング孔20をガイドとして後行ボーリング孔20を明けることで解消される。
【0012】
次に図3に示すように、ウオータジェット吹付け用重機22を地表部に位置させ、ウオータジェット吹付け用パイプ24を外壁部10の外側と周囲地盤との間に挿入しつつ先端よりアグレッシブをジェット噴出させることにより、外壁部10に対する土の付着がカットされ、外壁部10を構成している各ブロックは、この縁切り作業により引抜き可能な状態となる。
【0013】
その後は、図4に示すように、引上げ装置26を地表部に位置させ、切り分けられた各ブロックの上部にワイヤWを玉掛けし、装置26に配置されたリフティングジャッキ28を駆動することで、各ブロックはその断面通りの形で順次地表部に引上げられ撤去される。
【0014】
撤去後は、図5に示すように、外壁部後の最深部である土留壁跡に泥水15が流れ込むが、この上部位置である躯体部分にケーシング32を建て込み、このケーシング32と仮外壁14との間に再度泥水34を注入充填する。但し、この泥水34は固化性のある泥土素材を用い、この泥水34が固化した後、ケーシング32を引抜けば、ケーシング形状に応じた溝が形成される。
【0015】
従ってその後は、この溝を新たな土留壁及び躯体側外壁となる型枠として、鉄筋の建て込みとコンクリートの打設により新たな地下外壁部を構築することが出来る。また、新たな地下外壁部の構築後は、梁・スラブ11、仮外壁14の撤去、泥水34の固化した泥土の除去を行いつつ、順次新たな梁・スラブを外壁部に接続しつつ構築することで、地下構造物の構築作業がなされることになる。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明による地下構造物の改築方法によれば、既設外壁部を完全撤去しながら新たな地下構造物の構築が可能となり、これにより、新築部分の面積を旧構築物の面積と同等に構築でき、しかも工法的にも簡単で、旧材料との混在による耐久性に対する懸念も解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法における地下外壁部撤去準備作業時における説明用断面図である。
【図2】同外壁部切り分け作業時の一部拡大図を含む説明用断面図である。
【図3】同外壁部と周囲地盤との縁切り作業時の説明用断面図である。
【図4】同ブロック状に切り分けられた外壁部の引上げ作業時の説明用断面図である。
【図5】同外壁部引上げ後の溝に対するケーシングの建て込み作業を示す説明用断面図である。
【図6】従来の改築方法の一例を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
10 地下外壁部
11 梁・スラブ
12 切断
14 仮外壁
15,34 泥水
16 長尺コアボーリングマシン
18 ボーリング用チューブ
20 ボーリング孔
22 ウオータージェット吹付け用重機
26 引上げ装置
32 ケーシング
Claims (2)
- 以下の工程を順に行うことを特徴とする地下構造物の改築方法。
(a)既設地下外壁部と仮地下壁との間の床スラブおよび梁を切断した後、既設地下外壁部に近接して仮地下壁を構築する。
(b)既設地下外壁部と仮地下壁との空間に泥水を満たすとともに、既設地下外壁を適宣間隔に切断してブロック化する。
(c)既設地下外壁部の外側面を周囲地盤と縁切りする。
(d)ブロック化された既設地下外壁部を地上の引上げ装置により引抜き・撤去する。
(e)引抜き跡にケーシングを挿入し、これと地下仮外壁との間の泥水を固化させ、ケーシングを引抜く。
(f)新たな地下外壁部を構築するとともに、これに前後し、または並行して、既設建物本体部の解体および新たな地下構造物を構築する。 - 前記工程(b)において、既設地下外壁の切断を長尺コアボーリングによる連続孔明け作業により行うことを特徴とする請求項1に記載の地下構造物の改築方法。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP00683999A Expired - Fee Related JP3620323B2 (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 地下構造物の改築方法 |
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1999
- 1999-01-13 JP JP00683999A patent/JP3620323B2/ja not_active Expired - Fee Related
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