JP3620120B2 - 溶液の質量分析に関する方法と装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液中に存在する物質を大気圧あるいはそれに準じる圧力下でイオン化するイオン化法、またはイオン源、およびこのイオン化法、またはイオン源を用いた質量分析法、または質量分析計に関するものであって、液体クロマトグラフ/質量分析計、キャピラリー電気泳動装置/質量分析計、プラズマ質量分析計にも関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術としては、三つ挙げられる。
【0003】
第1の従来例は、特開平2ー248854(米国特許4,999,492)に記載されている、プラズマ質量分析計に用いられている方法である。参考図を図16に示した。この方法では、誘導結合プラズマにより生成したイオンを差動排気部を通して高真空中に導入する。このとき、主にプラズマにより発生した高速の中性粒子や光子によるノイズを低減するために、差動排気部のイオン取り出し細孔7からイオンを引き出しレンズ19で引き出した後に偏向器20で偏向して質量分析部への取り込み口12を通して質量分析部13に導入し、直進する高速の中性粒子や光子の一部をカットしていた。
【0004】
第2の従来例は、特開平7−85834である。参考図を図17に示した。この例では、プラズマ質量分析計ばかりでなく、溶液中の混合試料溶液を分離するための液体クロマトグラフの検出器に質量分析計を用いる液体クロマトグラフ/質量分析計や、同様に溶液中の混合試料溶液を分離するためのキャピラリー電気泳動装置の検出器に質量分析計を用いるキャピラリー電気泳動装置/質量分析計に適用している。この場合には、主に検出器のノイズの原因となるのは、高速の中性粒子や光子ではなく、差動排気部を通して高真空中に流入してくる微小液滴となる。というのも、液体クロマトグラフ/質量分析計やキャピラリー電気泳動装置/質量分析計では、基本的に溶液を噴霧して帯電液滴をつくり、そこから溶媒分子を気化させて試料分子のイオンを生成させる方法であるので、必ずしも生成した帯電液滴を完全に気化できるわけではなく当然気化されない微小液滴も出てくる。それが差動排気部から高真空部に流入して検出器に到達して大きなノイズの原因となるわけである。この例では、イオンを偏向して集束する静電レンズとして、二重円筒型の静電レンズを用いている。このとき、内筒電極10には多数の開口部が開いており、内筒電極10と外筒電極11の電圧を変化させることにより、内筒電極10の開口部よりしみだした電界を用いてイオンを偏向および集束し、ノイズの原因となる微小液滴などを除去していた。
【0005】
また、第3の例としてヨーロッパ公開特許0237249に記載の方法が挙げられる。参考図を図18に示した。この方法では、高周波電場を利用した3組の四重極を用いている。1組めの四重極26はイオン源24で生成しレンズ25で集束されたイオンの質量分析あるいは集束の役目であり、2組めの四重極27にはある曲率を持たせて屈曲させており、質量分析を行う3組めの四重極28の後に検出器14を配置している。2組めの四重極27にある曲率を持たせて屈曲させることによって、電荷を持つイオンはこの曲がった四重極内を通過するが、電荷を持たない中性粒子や液滴はまっすぐ進行し、これらは質量分析を行う3組めの四重極28の後に配置された検出器14に到達しないことになり、それだけ検出器14におけるノイズレベルは低減した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の第1の例では、イオンの偏向量を増加させれば、それだけ確実に中性粒子あるいは光子などの質量分析部への流入を防ぐことができ、それだけ検出器により得られるノイズレベルを低減することができる。しかし、イオンの偏向量を増加させると、それだけイオンを偏向させた後に質量分析部の取り込み口12に再度集束させることが困難となる。これは、質量分析部の取り込み口12において、イオンビームの幅が広がってしまったり、質量分析部の取り込み口12に入射する角度が大きくなるためである。質量分析部の取り込み口12でのイオンの集束状態が悪いと、質量分析部におけるイオンの透過率が悪くなり、測定すべき試料のイオン強度、すなわちシグナルが低下してしまうことになる。従って、この方法では、イオンを大きく偏向させて高速の中性粒子あるいは光子に由来するノイズを低減させようとしても、シグナルも同時に低下してしまい、最終的に検出感度の指標となるシグナルのノイズに対する比を大幅に改善することができなかった。
【0007】
また、この例では、質量分析計として四重極質量分析計を用いているが、イオントラップ質量分析計などの特殊な質量分析計を用いる場合には、この問題はさらに深刻となる。四重極質量分析計では、質量分析部の取り込み口12は直径が3mm程度と比較的大きい。従って、質量分析部の取り込み口12での集束状態が悪い、すなわちイオンビームが質量分析部の取り込み口12で広がってしまってもイオンの透過率の低下はそれほどおおきくない。しかし、一対のエンドキャップ電極とリング電極で囲まれた領域にイオンを閉じこめるタイプのイオントラップ質量分析計では、内部での高周波電界の乱れをあまり大きくしないために、エンドキャップ電極に設けるイオンの取り込み口はあまり大きくできない。通常、四重極質量分析計の場合より小さく、直径が1.3mm程度となる。したがって、イオントラップ質量分析計では、イオンを上記のような方法で偏向した場合、取り込み口でイオンビームが広がっていると、イオンの透過率の低下が著しいことが確認された。
【0008】
上記の第2の例でも、イオンを大きく偏向させて液滴や中性粒子に由来するノイズを低減させようとしても、シグナルも同時に低下してしまい、最終的に検出感度の指標となるシグナルのノイズに対する比を大幅に改善することはできなかった。
【0009】
また、第3の例では、装置が非常に複雑になると同時に高価になることである。四重極自体にも数ミクロンメートルレベルの機械加工精度とともに二組めの四重極の電極には曲率をつけることが要求され、しかも3組の四重極には高周波電源を用いなければならない。特に、ノイズの大幅な低減を図るべく、2組めの電極に大きな曲率をつける場合には大きな加工上の問題が発生していた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、溶液試料を供給する試料供給器と,該試料溶液を霧化する霧化器と,霧化された該試料溶液中の所定の物質をイオン化し,電荷を帯びた粒子と中性粒子とからなる粒子流を形成するイオン発生器と,該粒子流を真空分析部へ導くための細孔と該細孔に電圧を印加するための電源とからなる差動排気部と,該粒子流に含まれる該電荷を帯びた粒子を集束するための集束レンズと,該電荷を帯びた粒子を偏向するための偏向器と,偏向された該電荷を帯びた粒子の物理量を測定する質量分析器からなる質量分析装置であって,該集束レンズと該質量分析器との間に該粒子流の流路を制限する制限板を設けたことにより上記の問題を解決する。
【0011】
より詳細には,イオンの偏向量をあまり大きくすることなく、液滴,溶媒分子,大気のガス分子,イオンを含む,電荷を帯びた粒子と電気的に中性な粒子からなる粒子流の中で,検出器におけるノイズの原因となる微小液滴、中性粒子、あるいは光子(これはプラズマ質量分析計の場合のみ)を,イオンの物理量の一つである質量を電荷で割った値を分析する質量分析部に導入される前に効率良くカットするようにすればよい。そのために、差動排気部のイオン取り出し細孔から引き出したイオンを集束レンズによりいったん集束させ、その集束点にノイズの原因となる液滴、中性粒子、あるいは光子(これはプラズマ質量分析計の場合のみ)の多くをカットする制限板すなわちスリットを位置させる。こうすることによって、イオンはこのスリット位置において集束しているのでスリットを効率良く通過するが、電場による集束作用のない微小液滴、中性粒子、あるいは光子(これはプラズマ質量分析計の場合のみ)は差動排気部のイオン取り出し細孔を通過後空間的に広がるので、このスリット部分でその多くが効率良くカットされることになる。このスリットを通過後、イオンが偏向を受けて質量分析部に導入されるのに対して、スリット位置においてその多くをカットされた微小液滴、中性粒子、あるいは光子(これはプラズマ質量分析計の場合のみ)はまっすぐ進み、質量分析部の器壁に衝突して排気される。また、このような構成にすることによって、複雑な構成ではなく、単純で安価な構成で目的を達成することができる。
【0012】
以上を簡単にまとめると、従来の方法では、イオンを大きく偏向させることによってのみシグナルのノイズに対する比を改善しようとしているのに対して、本発明では、スリットによる微小液滴、中性粒子、あるいは光子のカットと、イオンの小幅な偏向の組み合わせにより、シグナルのノイズに対する比を大幅に改善する。
【0013】
ノイズの原因となる液滴の中には,電荷を帯びたものも存在する。これらの帯電液滴は,質量分析部において分析可能なイオンに比べると極めて大きな質量を有しているので,細孔を通して真空中に流入する際に,流れにより大きな運動エネルギーを得る。これらの帯電液滴は静電レンズにより軌道を曲げられるが,イオンに比べると軌道の偏向量が少なくなる。従って,イオンと帯電液滴では,静電レンズによる集束位置が異なるので,イオンの集束位置付近にスリットを配置することにより,帯電液滴の大部分を除去することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、大気圧化学イオン化法と呼ばれる大気圧あるいはそれに準じる圧力下でイオンを生成させる、いわゆる大気圧イオン化法を用いた場合の液体クロマトグラフ/質量分析計の実施例である。また、図2には、参考のために本発明のポイントであるスリット9がある部分の拡大図を示した。これは、他の大気圧イオン化法(静電噴霧により帯電液滴を生成させるエレクトロスプレー法、加熱噴霧により帯電液滴を生成させる大気圧スプレー法、音速のガスを用いて帯電液滴を生成させるソニックスプレー法など)を用いた場合でも同様の議論となると同時に、キャピラリー電気泳動装置/質量分析計でも同様な効果が期待できる。
【0015】
液体クロマトグラフ1により分離された溶液中の試料は、配管2を通ってまず霧化器3によって微粒化される。この霧化器3では、試料溶液を加熱噴霧やガス噴霧によって微粒化する。その後100から500℃程度に加熱された気化器4に導入され、さらに微細化される。生成した微小液滴や分子は針電極5先端に高電圧を印加することによって発生するコロナ放電領域に導入され、この領域でコロナ放電とそれに続くイオン分子反応により帯電液滴を含むイオンが生成される。
【0016】
この帯電液滴を含むイオンは、50から150℃程度に加熱された差動排気部におけるイオン取り込み細孔6(細孔直径0.25mm程度、長さ20mm程度)を通過して差動排気部内に導入される。その後、差動排気領域を通過したイオンは差動排気部のイオン取り出し細孔7(細孔直径0.2mm程度、長さ0.5mm程度)から、静電レンズ8により引き出される。通常、この領域は荒引きポンプ17で10から0.1Torrに排気される。ここで、この差動排気部では差動排気部のイオン取りこみ細孔6と差動排気部のイオン取り出し細孔7の間に、細孔が設けられた電極をもうひとつ設ける場合もある。これは、差動排気部のイオン取りこみ細孔から差動排気部に流入する際に発生する超音速流領域(分子間の衝突がない領域で、それだけ温度が冷える領域)を圧縮して、流入する液滴の気化効率を低下させないためである。
【0017】
図2には、差動排気部のイオン取り込み細孔6から四重極質量分析部までの拡大図を示した。差動排気部のイオン取り込み細孔6とイオン取り出し細孔7の間には、通常、イオンの透過率を向上させるためと溶媒和していないイオンを生成させるために、電圧を印加する。差動排気部のイオン取り出し用細孔7から引き出されたイオンは、いったん静電レンズ8により集束される。図1では、その一例として、非常にポピュラーな静電レンズであるアインツエルレンズが設けられている。これは、3枚の電極からなり、両側の電極は同電位とし、中心の電極の電位を変化させることによりイオンの焦点距離を変化させるものである。この3枚の電極の中心軸付近には、同じ径の穴(この系では7mm程度の穴)が開いており、この部分をイオンが通過する。また、ここで使用しているアインツエルレンズの差動排気部のイオン取り出し細孔7側の電極は頭が突き出ているが、これは差動排気部のイオン取り出し細孔7からのイオンの引き出し効率を上げるためである。また、アインツエルレンズの反対側の電極には、差動排気部のイオン取り出し細孔からイオンと同時に流入してくる微小液滴、中性粒子を絞りこむためのスリット9がレンズの焦点位置に設けられている。このスリット9には、中心に直径2mm程度の穴が開いており、差動排気部のイオン取り出し用細孔から流入し空間的に広がった微小液滴、中性粒子の多くをカットし、質量分析部側にできるだけ流入しないようにしてある。スリット9の穴は、イオンの集束状況を考えると、0.5mmから5mm程度がよく、これは静電レンズ8の中心径よりも小さくなっている。図3の概念図に示したように、スリット9は電荷を持たない微小液滴、中性粒子をカットする役目があるが、イオンについては前段に設けた静電レンズ8によりその焦点距離を変化させ、スリット位置において集束させれば、スリット9を設けたことによるイオン透過率の低下の心配は全くない。また、このとき、スリット9の前にある静電レンズ8の開口径よりも、スリット9の開口径は小さくなければスリットの意味はない。すなわち、差動排気部のイオン取り出し細孔7から静電レンズ8によりイオンを引き出し集束した段階で、微小液滴、中性粒子の絞りこみを行っているところに本発明の大きな意味がある。これを、静電レンズ8の開口径を2mmと小さくして、微小液滴、中性粒子の絞りこみも兼ねようとすると、この静電レンズ8部分ではイオンは集束されていないので、イオンが静電レンズ8の器壁に衝突して消滅しイオンの透過率が大きく減少してしまい、最終的にシグナルのノイズに対する比を大幅に改善することは困難となる。また、差動排気部のイオン取り出し細孔7の直後に微小液滴、中性粒子の絞りこみを行ってしまうと、質量分析部のイオン取り込み口12までの距離がある場合には、微小液滴、中性粒子が再度空間的に広がってしまい、質量分析部のイオン取り込み口に微小液滴、中性粒子が流入してしまうことになる。イオンを偏向する直前に、ノイズの原因となる微小液滴、中性粒子の絞りこみを行うことが最も効果的となる。このため,スリット9は,図2に示したように集束レンズ8に付加させても良いが,イオンを偏向させる静電レンズ(あるいは偏向器)の内部に設けても良い。
【0018】
スリット9は金属などの導体で,かつ所定の電位に保たれていることが望ましい。スリット9の電位が変動すると,イオンの軌道が影響されるためである。従って,図示されていないが,スリット9は接地されるかあるいは電源に接続されている。スリット9の電位はイオンがスリット9を透過できる電位,即ち正イオンを分析する場合には差動排気部のイオン取り出し細孔7よりも低く,また,負イオンを分析する場合には細孔7よりも高く保たれる。
【0019】
上記では、ノイズの原因となる液滴や中性分子をカットするために円孔の開いた板を用いたが、図4のように2枚の板を置いたり、図5のように偏向する側に板を置くことによっても同様の効果が生じる。
【0020】
このスリット9を通過したイオンは、円筒の形状をした内筒電極10、外筒電極11に多数の開口部を設けた二重円筒状の静電レンズに入る(図6参照)。この静電レンズは、イオンを偏向すると同時に集束させた後、質量分析部に導入する作用を持つ。図1における円筒電極の大きさは、それぞれ、内筒電極10(長さ100mm程度、内径18mm程度、幅10mm程度の開口部が4つづつ90度の位相で4組設けてある)、外筒電極11(長さ100mm程度、内径22mm程度)である。このとき、外筒電極11にはイオンガイド内部の真空を良くするため、多数の排気用の開口部が設けられている。差動排気部のイオン取り出し細孔7の中心軸から4mm程度偏向されたイオンは質量分析部の取り込み口12から質量分析部に導入され、質量分析、検出される。図1では、四重極質量分析部13を用いた場合を示している。このタイプの偏向器では、外筒電極に内筒電極よりも高い電圧を印加し、内筒電極の開口部よりしみ出した電界を用いて偏向を行う。
【0021】
図2に、イオン取り込み口6から四重極質量分析部までの印加する電圧の例を示した。正イオンを測定する場合、イオン取り込み細孔6には250〜130V、イオン取り出し細孔7には130Vの固定電圧、3枚の電極よりなる静電レンズ8には左から0V、90V、0Vが印加される。このとき、偏向するための電極である外筒電極、内筒電極には、それぞれ460V、−130Vが印加される。質量分析部が納められているシールドケースは接地されている。負イオンを測定する場合には,各々の電極に印加する電圧の極性を反転させる。
【0022】
また、偏向方向を重力とは反対方向にすることにも大きな意味がある。すなわち、極端に大きな液滴が真空中に導入されてしまった場合には、この液滴はそのまま重力方向に落下してくれるからである。さらに、この偏向部分を効率良く排気できるように、このレンズの下あたりにメインの排気系である真空ポンプを持ってくることは重要である。通常、この領域はターボ分子ポンプ(排気速度数百リットル/分)で10ー5から10ー6Torr程度に排気される。イオンは検出器14で検出後、増幅器15で増幅され、データ処理装置16に転送される。通常、マススペクトルやクロマトグラムの形で出力される。
【0023】
ここで、先に示した二重円筒型の偏向レンズにおける、スリットを設けていない場合の差動排気部のイオン取り出し細孔7から質量分析部12のイオン取り込み口までのイオン透過率とイオンの偏向量との関係を図7に示した。このとき、偏向量が0mmのときの値でイオン透過率を正規化している。この結果からわかるように、偏向量が4mmまでと小さい場合には、イオン透過率の低下はほとんど観測されていない。しかし、これが7mm、10mmと大きくなってくると、イオン透過率がそれぞれ約1/2、1/3と大きく低下していることがわかる。また、図7には、合わせて、スリットを設けていない場合のノイズレベル(測定したマススペクトル上における質量/電荷の値として100から150のノイズを足し合わせたもの)と偏向量との関係を示した。このとき、偏向量が0mmのときの値でノイズレベルを正規化している。偏向量が7mm、10mmと大きくなると、ノイズレベルが0mmや4mmに比較して格段に低くなっていることがわかる。一方、先に述べた条件のスリットを設けた場合の結果を図8に示した。偏向量が0mmのときにはノイズレベルの低下は期待できないが、4mmのときのノイズレベルは、スリットを設けていない場合の1/10程度になっていることがわかる。しかも、イオンの透過率の減少はほとんど観測されていない。以上の結果は、スリットを設けて差動排気部のイオン取り込み口から流入してくる微小液滴や中性粒子の多くをカットすることとイオンのみを小幅に偏向するというふたつの技術を有機的に組み合わせることによって、シグナルを落とすことなくノイズを大幅に低減でき、最終的に大幅にシグナルのノイズに対する比を大幅に改善できることを示している。
【0024】
以上の結果を踏まえて、実際の液体クロマトグラフ/質量分析計のデータを取得した。図9は、従来の装置の場合と本発明の場合における大気圧化学イオン化法をイオン源に用いた場合に得られるトータルイオンクロマトグラムの比較である。試料には、ステロイドを用いた。このトータルイオンクロマトグラムというのは、ある質量範囲を繰り返しスキャンして得られたマススペクトル上のイオンを足し合わせ、その時間変化を観測したものである。従って、試料が存在すればそれに関するイオンが観測されることになる。このときの測定条件は、以下の通りである。分離するための液体クロマトグラフのための移動相には、A:水、B:メタノールとし、90%A、10%Bの状態から100%Bの状態に10分間で変化させるグラジエント分析モードを使用した。試料は、コルチゾン、コルチゾール、コルチゾン酢酸、コルチコステロン、テストステロン、メチルテストステロン、テストステロンアセテート、テストステロンプロピオネートの8種類で、試料量は約140pmolである。イオンを偏向しないでしかもスリットを設けない場合には、7成分を液体クロマトグラフにより分離しているのにも関わらず、そのうち3成分はノイズが高いため明確に認識できない。ところが、本発明を用いた装置、すなわちイオンを偏向してしかもスリットを設けた場合には、ノイズが大幅に低減できているため、導入量が同じであるのにも関わらず、導入した7成分が全て明確に検出できている。また、シグナルは落ちず、ノイズが1/5以下と大幅に低減されているため、最終的にシグナルのノイズに対する比は5倍以上の改善となっていることがわかる。
【0025】
次の例は、大気圧イオン化法の一種であるエレクトロスプレー法を用いた場合である。装置の構成図を図10に示した。この方法では、まず、液体クロマトグラフ1から溶出した試料溶液を金属製キャピラリー29に導入する。この金属製キャピラリーに対向する電極であるイオン取り込み口6を有する電極との間に高電圧を印加すると、試料溶液は金属製キャピラリーの先端から静電噴霧される。この時、生成したイオンを含む液滴をイオン取り込み口から導入する。後の装置構成、測定原理は図1の場合と同様である。図11には、エレクトロスプレー法を用いた液体クロマトグラフ/質量分析計により得られたトータルイオンクロマトグラムの結果を示した。試料には、アンジオテンシンI、アンジオテンシンIIIをそれぞれ約70pmol用いた。このときの測定条件は、以下の通りである。分離するための液体クロマトグラフのための移動相には、A:0.1%TFA、90%水、10%メタノール、B:0.1%TFA、40%水、60%メタノールを用い、100%Aの状態から100%Bの状態に30分間で変化させるグラジエント分析モードを使用した。本発明を用いた場合とそうでない場合の比較をおこなうと、アンジオテンシンI、アンジオテンシンIIIのシグナル強度は同じであるにも関わらず、ノイズレベルが1/5以下に大幅に低減していることがわかる。即ち、本発明を用いることによって、シグナルのノイズに対する比が5倍以上改善されたことになる。
【0026】
上記の場合は、液体クロマトグラフ/質量分析計を中心とした有機化合物の分析の場合であるが、キャピラリー電気泳動装置/質量分析計の場合にも同様の効果がある。
【0027】
また、溶液中の金属などをプラズマによりイオン化して生成したイオンを質量分析計で検出するプラズマ質量分析計の場合にも有効となる。この場合には、微小液滴、中性粒子に加えて、プラズマから発生する光子も検出器におけるノイズの大きな原因となる。この光子の除去にも、本発明の上記のスリットとイオンの小幅な偏向の組み合わせは非常に有効となる。
【0028】
ところで、先の例では、質量分析部に四重極質量分析部13を用いた場合について述べてきたが、この代わりに、イオントラップ質量分析計などの他の質量分析計を用いても先に述べたような効果を期待できる。この例を図12に示した。イオントラップ質量分析計は、碗状のエンドキャップ電極一対22とその間にあるリング状電極23より構成された質量分析計で、高周波電場を用いて質量分析を行う。
【0029】
以下に,正イオンを分析する場合のイオントラップ質量分析計の動作について説明する。図示してはいないが,リング電極23や,質量分析部へのイオンの導入の制御を行い,かつ質量分析部の高周波電場が静電レンズの電場に影響を与えないよう遮蔽するゲート電極30に印可される電圧は制御装置により制御されている。図19は,リング電極23に印加される高周波電場の振幅とゲート電極30に印加される電圧を示している。リング電極23にイオンを閉じ込めるための高周波が印加され,かつゲート電極30に差動排気部のイオン取り出し細孔よりも低い電圧が印加された条件では,イオンはゲート電極30を通過してイオントラップ内に導入され,閉じ込められる(図19A)。その後,リング電極23にイオン閉じ込めるための高周波が印加されたまま,ゲート電極30に差動排気部のイオン取り出し細孔7よりも高い電圧が印加されると,イオンはゲート電極30を通過できなくなるのでイオントラップへのイオンの流入が止まる。イオントラップ内部には所定の圧力のヘリウムガスが満たされており,イオントラップ内に閉じ込められたイオンはヘリウムガスとの衝突により運動エネルギーを失い,ポテンシャルの低いイオントラップ中心部に集まる(図19B)。リング電極23に印加される高周波電界の振幅を徐々に大きくすると,イオンの質量を電荷で割った値が小さいイオンから順に軌道が不安定になり,イオントラップ外に排出される(図19C)。
【0030】
この場合にも、イオン源側に位置するエンドキャップ電極のイオン取り込み口21にイオンを導入する前に、イオントラップ質量分析部へのイオンの導入の制御やイオントラップ質量分析部からの高周波電場の影響をなくするためのゲート電極30を介して、スリットによる微小液滴や中性粒子の除去とイオンの小幅な偏向を組み合わせることにより、ノイズ低減に大きく貢献する。特に、イオントラップ質量分析計では本発明は四重極質量分析計の場合以上に有効となる。四重極質量分析計では、質量分析部の取り込み口12は直径が3mm程度と比較的大きい。従って、質量分析部の取り込み口12での集束状態が悪い、すなわちイオンビームがこの部分で広がってしまっていてもイオンの透過率の低下はそれほどおおきくない。しかし、イオントラップ質量分析計では、内部での高周波電界の乱れをあまり大きくしないために、エンドキャップ電極に設けるイオンの取り込み口はあまり大きくできない。通常、四重極質量分析計の場合より小さく、直径が1.3mm程度となる。従って、イオントラップ質量分析計では、イオンを従来のような方法で偏向した場合、取り込み口でイオンビームが広がっていると、イオンの取り込み口での集束状態が悪いためイオンの透過率の低下が著しくなる。このような観点からも、本発明をイオントラップ質量分析計に適用することは非常に有効となる。
【0031】
また、ここではイオンを偏向して集束するのに、二重円筒型の静電レンズを使用しているが、図13に示すように、米国特許4,999,492に開示されているような別のタイプの偏向器20にとスリット9を組み合わせることも有効である。ここで開示されている偏向器20は図13に示すような形状をしている。このようなタイプの偏向器の前にスリットを設ければ、二重円筒型の静電レンズの場合と同様な効果が出る。また、この場合にも、図14(板状スリットを2枚用いた場合)、図15(偏向する方向にスリットを設けた場合)に示すような場合も考えられる。しかしながら,図13から図15に示したタイプの偏向器を実際に設計すると,次のような問題点が生じることが明らかとなった。すなわち,この偏向器では,電極に印加する電位によりイオンを偏向させる電界を発生させるが,各々の電極が遮蔽されていないため,各々の電極により発生する電界が相互に干渉し複雑な電界分布となる。従って,イオンの透過率の高い偏向器を作成するためには,電界の干渉の効果を検討しなければならないが,複雑な形状を有する電極を複数使用する偏向器において干渉の効果を正確に把握することは困難であった。図2に示した二重円筒型の静電レンズでは,内筒電極に設けられた開口部から内筒電極内に浸透する電界によりイオンを偏向,集束させるが,各々の開口部は独立しており,開口部から浸透した電界が相互に干渉することはない。従って,二重円筒型の静電レンズは,イオンビームを偏向,集束させる効果を容易に予測することができる点において,従来の偏向器よりも優れている。
【0032】
【発明の効果】
大気圧あるいはそれに準じる圧力下で試料溶液から帯電液滴あるいはイオンを生成させるイオン化部と、それを高真空下の質量分析部に導入するための差動排気部と、イオンを取り込み質量分析し検出しデータ処理を行う質量分析部を有する質量分析計において、差動排気部と質量分析部との間に設けたスリットによる微小液滴、中性粒子、あるいは光子のカットと、質量分析部導入直前でのイオンの小幅な偏向の組み合わせにより、シグナルを低下させることなくノイズを大幅に低減し、検出下限の指標となるシグナルのノイズに対する比を大幅に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す装置の構成図。
【図2】スリット部分の拡大図。
【図3】スリットの意味を説明した概念図。
【図4】スリットの意味を説明した概念図。
【図5】スリットの意味を説明した概念図。
【図6】二重円筒静電レンズの概略図。
【図7】スリットがない場合の,イオンの偏向量とイオン強度及びノイズレベルとの関係。
【図8】スリットを設けた場合の,イオンの偏向量とイオン強度及びノイズレベルとの関係。
【図9】本発明の効果を示す,ステロイドのトータルイオンクロマトグラム。
【図10】静電噴霧法を用いた本発明の一実施例を示す装置の構成図。
【図11】本発明の効果を示す,ペプチドのトータルイオンクロマトグラム。
【図12】本発明の一実施例を示す装置の構成図。
【図13】本発明の一実施例を示す装置の構成図。
【図14】本発明の一実施例を示す装置の構成図。
【図15】本発明の一実施例を示す装置の構成図。
【図16】従来の装置の構成図。
【図17】従来の装置の構成図。
【図18】従来の装置の構成図。
【図19】イオントラップ質量分析計におけるリング電極及びゲート電極に印加される電圧を示す図。
【符号の説明】
1−−−液体クロマトグラフ、2−−−配管、3−−−霧化器、4−−−気化器、5−−−針電極、6−−−差動排気部のイオン取り込み細孔、7−−−差動排気部のイオン取り出し細孔、8−−−静電レンズ、9−−−スリット、10−−−内筒電極、11−−−外筒電極、12−−−質量分析部への取り込み口、13−−−質量分析部、14−−−検出器、15−−−増幅器、16−−−データ処理装置、17−−−荒引きポンプ、18−−−高真空ポンプ、19−−−引き出しレンズ、20−−−偏向器、21−−−エンドキャップ電極のイオン取り込み細孔、22−−−エンドキャップ電極、23−−−リング電極、24−−−イオン源、25−−−レンズ、26−−−1組めの四重極、27−−−2組めの四重極、28−−−3組めの四重極、29−−−金属製キャピラリー、30−−−ゲート電極。

Claims (12)

  1. 試料溶液を供給する試料供給器と、該試料供給器から供給される前記試料溶液中の試料をイオン化するイオン源と、該イオン源で生成したイオンを差動排気された差動排気部に取り込む第1細孔と、前記差動排気部におけるイオンを真空排気された真空排気部に取り出す第2細孔と、該第2細孔を介して前記真空排気部に導入されたイオンを収束させ前記真空排気部に配置される第1の静電レンズと、該第1の静電レンズで収束されたイオンを偏向しかつ収束させ前記真空排気部に配置される第2の静電レンズと、該第2の静電レンズで偏向されかつ収束されたイオンを取り込む第3細孔を具備し前記真空排気部に配置されイオンの質量分析を行う質量分析部とを有し、前記第1の静電レンズの中心と前記第2の静電レンズの中心軸と前記第3細孔の中心軸とが互いにずらして配置される質量分析装置において、微小液滴、中性粒子の進行を制限し、前記第1の静電レンズで収束されたイオンを通過させるスリットを有し、前記第2の静電レンズは前記スリットを通過したイオンを偏向しかつ前記第3細孔に収束させることを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記スリットを通過したイオンを偏向させる方向が重力の方向と反対方向であることを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記質量分析部に四重極質量分析計またはイオントラップ質量分析計を用いることを特徴とする質量分析装置。
  4. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記試料溶液が液体クロマトグラフから溶出することを特徴とする質量分析装置。
  5. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記スリットは接地されるかあるいは電源に接続されて、所定の電位に保持されることを特徴とする質量分析装置。
  6. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記スリットは、前記第1の静電レンズに付加されているか、または、前記第1の静電レンズの内部に設けられることを特徴とする質量分析装置。
  7. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記スリットは、前記第1の静電レンズの焦点位置に設けられることを特徴とする質量分析装置。
  8. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記スリットの開口径は、前記第1の静電レンズの開口径よりも小さいことを特徴とする質量分析装置。
  9. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記第1の静電レンズの焦点距離を変化させて、イオンを前記スリットの位置に集束させることを特徴とする質量分析装置。
  10. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記イオン源は、前記試料溶液中の金属をプラズマによりイオン化することを特徴とする質量分析装置。
  11. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記イオン源は、大気圧あるいはそれに準ずる圧力でイオンを生成する大気圧化学イオン化法によりイオンを生成することを特徴とする質量分析装置。
  12. 請求項1に記載の質量分析装置において、前記イオン源は、前記試料溶液を静電噴霧により帯電液滴を生成させるエレクトロスプレー法、または、前記試料溶液を加熱噴霧により帯電液滴を生成させる大気圧スプレー法、または、前記試料溶液を音速のガスを用いて帯電液滴を生成させイオンを生成するスプレー法によりイオンを生成することを特徴とする質量分析装置。
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