JP3619759B2 - ディスク記録又は再生装置のターンテーブル位置調整方法及びターンテーブル位置調整装置。 - Google Patents
ディスク記録又は再生装置のターンテーブル位置調整方法及びターンテーブル位置調整装置。 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク記録又は再生装置に於けるターンテーブルの位置調整方法及びターンテーブルの位置調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、ディスク記録又は再生装置の裏面図である。シャーシ(10)にはディスク(7)に嵌まるターンテーブル(3)が設けられ、ディスク(7)の信号面にビームを照射するレンズ(20)を具えたピックアップ(2)がターンテーブル(3)に接近離間可能に設けられている。ディスク(7)の中央部にはターンテーブル(3)に嵌まる丸孔(72)が設けられている。ピックアップ(2)は、ガイド軸(11)(11)に移動を案内され、レンズ(20)の中心とディスク(7)の中心を結ぶ仮想線Lは、ガイド軸(11)(11)に沿う方向に本来一致している。
斯種光磁気タイプのディスクには、信号が高密度記録されるから、ディスク上の任意の箇所にて信号を記録又は再生するには、ビームを極めて正確に位置決めしなければならない。この為、ディスク上には予めビームの案内トラック、アドレス情報を入れておくプリフォーマットと呼ばれる構成が採られる(特公平5−1534号参照)。
これは、ディスク上に溝を螺旋状又は同心円状に形成したものであり、ディスク中心から外周に向かって、突条(70)と凹溝(71)が交互に配備される(図6参照)。隣り合う突条(70)と凹溝(71)の一対をトラックと呼び、突条(70)と凹溝(71)はトラックの幅Pの半分であるP/2の幅に夫々形成される。
【0003】
レンズ(20)からのビームは、トラックを正確にトレースする必要がある。この為、レンズ(20)をディスク中心から接近又は離間する向きに微少量だけ動かすサーボ動作が必要であり、これが周知のトラッキングサーボである。また、レンズ(20)からのビームをディスク上に正確に合焦させる為に、レンズ(20)を微少量だけ昇降させるサーボ動作が、周知のフォーカスサーボである。
このトラッキングサーボの方式として、3つのビームをディスクに照射する差動プッシュプル法が従来から知られている(特開平10−91963号参照)。図6は、ディスクのトラックを拡大して示す裏面図であり、実線で示す各ビーム(6)(60)(60)はディスクの外周部のトラックを正しく照射している。
これは、突条(70)を照射するメインビーム(6)と、メインビーム(6)の両側に位置し凹溝(71)を照射するサブビーム(60)(60)をレンズ(20)から出射する。3本のビームを出射する構成は後記する。メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)の反射光量を検出して、レンズ(20)をディスク中心から接近離間する向きに動かす。
【0004】
具体的には、サブビーム(60)(60)の光量を、図6に示すように、トラックと略直交する方向に、夫々EとG及びHとFに2分割して検出し、メインビーム(6)の光量を後記の理由からA、B、C、Dに4分割して検出する。次に、各ビームの反射光量を、
DPP=(A+D−B−C)−α(G−E+F−H) (αは定数)
の如く、演算する。DPP(differencial push−pull)は、トラッキングエラー信号とも呼ばれる信号であり、該DPP信号のレベルが最適となるように、レンズ(20)をディスク中心から接近離間する向きに自動的に動かす。トラッキングサーボが掛けられた後は、メインビーム(6)の反射光の偏光角から信号を再生する。
【0005】
図5に示すガイド軸(11)は、本来仮想線Lに沿って延びている。然るに、ターンテーブル(3)の取付け誤差等により、ガイド軸(11)が仮想線Lに沿っていない場合がある。これを法線ズレと呼び、以下の不都合がある。
図7は、法線ズレ状態を示す裏面図である。レンズ(20)の移行路が仮想線Lであれば、ピックアップ(2)のレンズ(20)がディスク外周近傍に対向しているときは、ディスク外周部でディスク中心からの距離がR1である図7のA点にて信号を再生する。然るに、法線ズレを生じているから、A点からΔYだけ離れたB点で、A点にて再生すべき信号を再生する。この場合、正規の信号に対して図7のトラック角θ1だけ位相がずれた再生信号となる。特に、ディスクの内周部であって、ディスク中心からの距離がR1より小さなR2である点Cでは、トラック角がθ1より大きなθ2となるから、位相ずれが目立つ。この虞れを防止するために、装置の製造工程に於いて、ターンテーブル(3)を水平面内にて、ガイド軸(11)に沿う向きと直交する方向に動かす調整が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、信号記録密度が大きく、トラック幅Pの狭いディスクが提案されている。かかるディスクにあっては、以下の理由から、より正確な法線ズレ調整が要求される。
ディスク(7)の丸孔(72)がディスク(7)の中央部に正確に位置せず、図7に示す丸孔(72)の中心が、ディスクの中心DCからεだけ偏心していることがある。ディスク(7)は図7のεだけ偏心して回転するから、トラック角θ1は、ディスク(7)の回転角をωとして、
θ1=Arcsin[(ΔY+ε×cosω)/R1)]
で示すように、ディスクの1回転中に変化する。
これは、以下の不都合を生じる。図8は、法線ズレを生じて、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)が正しくトラックをトレースしない状態を示し、ガイド軸(11)に沿ったサブビーム(60)(60)の間隔をSとする。ディスクの回転中にトラック角θ1が変化すると、図8に示すように、サブビーム(60)(60)が正しく凹溝(71)を照射しなくなる。即ち、ディスクの回転中にサブビーム(60)(60)の間隔Sが変化する状態に等しくなり、前記DPP信号のレベルは、ディスク(7)の回転中に大小に変化し、結果として図10(a)に示す如く、うねりを生じる。DPP信号にうねりが生じれば、トラッキングサーボを正確にかけることができないから、DPP信号がうねらないように、法線ズレ調整を正確に行なう必要がある。特に記録密度が大きく、トラック幅Pの狭いディスクにあっては、ディスクの偏心が僅かな量であってもDPP信号がうねる原因となるから、より正確な法線ズレ調整が要求される。
【0007】
出願人は、この正確な法線ズレ調整を行う手段として、図6のサブビーム(60)(60)の光量からG−E+F−Hを演算したサブ信号SBを用いることを着想した。この理由は、後記の如く、サブ信号SBは山又は谷の形状がシャープであり、微調整がし易いからである。
サブビーム(60)(60)は、周知の如く凹溝(71)を照射すれば、レベルが最大であり、凹溝(71)から突条(70)に向けてずれればレベルが低下し、図9に一点鎖線で示すように、トラック幅Pの半分であるP/2だけズレて突条(70)を照射すれば、レベルが再び最大となる。従って、ディスク回転中にトラック角θ1が変化して、サブビーム(60)(60)が複数のトラックを横切ると、サブ信号はDPP信号の半分の周期でうねる(図10(b)参照)。このサブ信号の最大値と最小値の差が小さくなるように、即ち、うねりが最小となり且つレベルが最大となるように、法線ズレを調整していた。
しかし、法線ズレの調整は、ターンテーブル(3)を水平面内にて微少量だけ動かすから、精密に調整する必要があり、調整に時間がかかっていた。また、ディスクが偏心している場合、サブ信号はディスク回転中にトラック幅Pの1/2の波長でうねるから、サブビーム(60)(60)がトラック幅Pの1/2だけずれて、突条(70)を照射しても、サブ信号のレベルは最大となる。従って、誤った位置に法線ズレ調整を行なう虞れもある。
本発明は、法線ズレ調整を早く、且つ正確に行なうことを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
ディスク記録又は再生装置は、メインビーム(6)及び2本のサブビーム(60)(60)がディスクに反射された光量から、トラッキングエラーを検出するDPP信号を生成する。
ターンテーブルの法線ズレの調整方法は、ディスク外周部にピックアップ(2)を対向させ、該外周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を粗調整する工程と、
ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させ、該内周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を調整する工程と、
ピックアップ(2)がディスク内周部に対向した状態にて、サブビーム(60)(60)の光量から得られ、法線ズレを大きくしていった場合に、最大レベルが繰り返す周期がDPP信号よりも短いサブ信号を用いて、該サブ信号のうねりが小さくなるように、ターンテーブル(3)の位置を微調整する工程を有している。
【0009】
【作用及び効果】
ディスク外周部にピックアップ(2)を対向させる。法線ズレが生じていれば、ディスク回転時に図10(a)に示すように、DPP信号はうねっているから、該ディスク外周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を粗調整する。
次に、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させる。ディスク内周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を調整する。ディスク内周部は外周部に比してトラックの曲率半径が小さいから、僅かに法線ズレを生じても、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)が正確な位置から外れる。従って、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させて、粗調整よりも更に精度良く調整をする。
最後に、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させたまま、サブ信号SBを用いて、ターンテーブル(3)の位置を微調整する。サブ信号SBのうねりが最小となった箇所を見つけ、ターンテーブル(3)を該箇所に移動させる。
図10(b)に示すように、サブ信号SBはDPP信号よりも短い繰返し周期でうねるから、サブ信号SBの山又は谷の形状は、DPP信号よりもシャープである。従って、サブ信号SBの山又は谷を観察して調整をすれば、DPP信号を用いた調整よりも微調整がし易く、更に精度良く調整ができる。
従って、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、調整精度を向上させることを図っている。また、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、誤った位置に法線ズレ調整を行なう虞れを防ぎ、結果的に法線ズレを早く調整できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の法線ズレ調整方法は、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することを特徴とする。先ず、本調整の基本的な考えを説明する。
(調整原理)
法線ズレが生じ、且つディスクが偏心している場合には、前記の如く、ディスク(7)の回転に伴って、メインビーム(6)は複数のトラックを横切る。図9にあっては、メインビーム(6)が正確な位置の突条(70)を照射している状態を実線で示す。法線ズレが大きくて、メインビーム(6)が正確な位置の突条(70)に対し、図9に一点鎖線で示すように、隣の突条(70)を照射すれば、DPP信号は、メインビーム(6)が正確な位置の突条(70)を照射している場合と同じ値になる。従って、法線ズレが生じていた場合に、ディスク(7)を回転させると、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)は複数のトラックを横切るから、DPP信号は、図10(a)に示すように、1回転毎にうねる。前記の如く、サブ信号SBは、トラック幅Pの半分の周期でうねるから、DPP信号はサブ信号SBの2倍の周期でうねる。
【0011】
また、図6に実線で示すように、ディスクの外周部にてサブビーム(60)(60)が正確な位置を照射しても、図6に一点鎖線で示すように、ディスク内周部では正確な位置を照射しないことがある。
これは、ディスク内周部はトラックの曲率半径が小さいから、僅かに法線ズレを生じても、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)が正確な位置から外れることによる。従って、出願人は、先ずディスクの外周部にてDPP信号の波形を観察して粗調整を行い、次にピックアップ(2)をディスクの内周部に移動させて、DPP信号の波形を観察して、調整を行なうことを着想した。
また、前記の如く、サブ信号SBはDPP信号の半分の周期でうねるから、サブ信号SBの山又は谷の形状は、DPP信号よりもシャープである。従って、サブ信号SBの山又は谷を観察して調整をすれば、DPP信号を用いた調整よりも微調整がし易い。従って、ディスクの内周部にて、DPP信号の波形から調整を行なった後に、ピックアップ(2)をディスクの内周部に対向させたまま、サブ信号の波形から微調整を行うことを提案している。即ち、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、調整精度の向上を図っている。
【0012】
(装置の全体構成)
図1は、ディスク記録又は再生装置(1)に、法線ズレ調整装置(5)を取り付けた状態の裏面図であり、本例にあってはターンテーブル(3)の法線ズレ調整を自動的に行なう。まず、ディスク記録又は再生装置(1)の概略から説明する。
シャーシ(10)上に配備されたターンテーブル(3)には、横孔(30)(30)(30)が開設され、該横孔(30)(30)(30)がシャーシ(10)から突出した嵌め軸(12)(12)(12)に嵌まって、ターンテーブル(3)は、水平面内にてガイド軸(11)と直交する方向に移動可能となる。
従来と同様に、ピックアップ(2)はガイド軸(11)に沿ってターンテーブル(3)に対し、接近離間可能に設けられている。シャーシ(10)には、ピックアップ(2)をガイド軸(11)に沿って動かす駆動機構(図示せず)が配備されている。
【0013】
図2は、ピックアップ(2)の構造を示す側面図である。ピックアップ(2)は箱体(21)内に前記レンズ(20)の他に、レーザー光の光源(22)と、集光用のコリメータレンズ(23)と、分光用の回折格子(24)と、レーザー光の光路に対して傾いた膜(28)を具えたプリズム(25)と、上下に配備された3つの検出器(26)(26)(26)を具える。光源(22)の光は、コリメータレンズ(23)に集光された後に、回折格子(24)により3本のビームに分かれる。これがメインビームと2本のサブビームであり、プリズム(25)の膜(28)を通過した3本のビームは、レンズ(20)からディスク(7)に照射される。ディスク(7)に反射された光は、プリズム(25)の膜(28)により検出器(26)(26)(26)に向けて反射される。3つの検出器(26)(26)(26)のうち、中央の検出器(26)にメインビームが入射し、上側及び下側の検出器(26)(26)に夫々サブビームが入射する。
【0014】
図3(a)、(b)に示すように、中央の検出器(26)は、等面積に4分割された受光面(27)(27)(27)(27)を有し、該受光面(27)(27)(27)(27)上にてメインビーム(6)の光量をA、B、C、Dの領域に分けて検出している。これはメインビーム(6)を用いてフォーカスサーボを掛ける為である。
ディスク(7)面にメインビーム(6)が正確に合焦していれば、反射されたメインビーム(6)は図3(a)に示すように、検出器(26)上にて円形となり、領域A、B、C、Dの面積が等しいから、領域A、B、C、Dの光量は均等になる。
然るに、ディスク(7)面にメインビーム(6)が正確に合焦しなければ、反射されたメインビーム(6)は図3(b)に示すように、検出器(26)上にて楕円形となる。領域A、B、C、Dの光量は均等でないから、ディスク(7)にメインビーム(6)が正確に合焦していないことが判る。従って、領域A、B、C、Dの光量が均等になるように、レンズ(20)を上下駆動する。レンズ(20)を上下駆動する構成は、周知技術である。
【0015】
(法線ズレ調整装置の全体構成)
法線ズレ調整装置(5)は、ターンテーブル(3)を横に動かすモータ(M)を具えたテーブル駆動部(8)と、テーブル駆動部(8)のモータ(M)に通電する給電回路(52)と、ピックアップ(2)内の検出器(26)(26)(26)が検出した信号からサブ信号SB及びDPP信号を作成する演算回路(51)と、該演算回路(51)に繋がり、サブ信号SB及びDPP信号を用いて、ターンテーブル(3)の調整すべき位置を決定して、給電回路(52)に対しモータ(M)に供給すべき電圧又は電流値を伝える制御回路(50)を具えている。制御回路(50)には、信号の波形及びターンテーブル(3)の移動量を格納するメモリ(53)が繋がっている。
テーブル駆動部(8)は、サブシャーシ(80)上に前記モータ(M)と、モータ(M)に噛合した歯車列(81)と、該歯車列(81)の下流側ギアに噛合するラック(83)を具えて、ターンテーブル(3)に着脱自在に嵌まるアーム(82)を配備している。
【0016】
(調整手順)
制御回路(50)は、法線ズレ調整用のプログラムが格納された記録媒体を有しており、ターンテーブル(3)の法線ズレを調整する際には、図4のフローチャートに示す手順を踏む。
まず、回転中のディスク外周部にピックアップ(2)を対向させ(S1)、フォーカスサーボを掛ける。この後、制御回路(50)はDPP信号を読む。法線ズレが生じていれば、ディスク回転時に図10(a)に示すように、DPP信号はうねっているから、該ディスク外周部に於けるDPP信号を用いて、ターンテーブル(3)の位置を粗調整する(S2)。
具体的には、ターンテーブル(3)を少しずつ横に動かしながら、ディスクの1回転毎のDPP信号の波形、及びターンテーブル(3)の移動量をメモリ(53)に順次記憶させる。制御回路(50)はメモリ(53)内の情報から、DPP信号のレベルが最大となり、且つうねりが小さくなった箇所を見つける。制御回路(50)は、給電回路(52)にモータ(M)へ通電する旨の信号を送って、ターンテーブル(3)を該箇所に移動させる。
【0017】
次に、ピックアップ(2)を動かして、回転中のディスク内周部にピックアップ(2)を対向させ(S3)、フォーカスサーボを掛ける。この後、ディスク内周部に於けるDPP信号を用いて、ターンテーブル(3)の位置を調整する(S4)。
即ち、ターンテーブル(3)を少しずつ横に動かしながら、ディスクの1回転毎のDPP信号の波形、及びターンテーブル(3)の移動量をメモリ(53)に順次記憶させる。DPP信号のレベルが最大となり、且つうねりが小さくなった箇所を見つけ、給電回路(52)からモータ(M)に通電して、ターンテーブル(3)を該箇所に移動させる。
ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させるのは、上記の如く、ディスク内周部は外周部に比してトラックの曲率半径が小さいから、僅かに法線ズレを生じても、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)が正確な位置から外れることによる。従って、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させて、粗調整よりも更に精度良く調整をしている。
【0018】
次に、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させたまま、サブ信号SBを用いて、ターンテーブル(3)の位置を微調整する(S5)。サブ信号SBのうねり、即ち振幅の最大値と最小値の差が最小となった箇所を見つけ、ターンテーブル(3)を該箇所に移動させる。
前記の如く、サブ信号SBはDPP信号の半分の周期でうねるから(図10(b)参照)、サブ信号SBの山又は谷の形状は、DPP信号の山又は谷の形状よりもシャープである。従って、サブ信号SBの山又は谷を観察して調整をすれば、DPP信号を用いた調整よりも微調整がし易く、更に精度良く調整ができる。
従って、本例に係わる調整にあっては、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、調整精度を向上させることを図っている。
法線ズレが調整された後は、トラッキングサーボを正確に掛けることができ、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)はトラックを正確にトレースできる。
【0019】
サブ信号SBの山又は谷を観察して調整すれば、DPP信号を用いた調整よりも微調整がし易いから、DPP信号を用いずに、最初からサブ信号SBを用いて法線ズレを調整してもよいと考えられる。しかし、サブビーム(60)(60)が突条(70)を照射する、即ち、本来照射すべき凹溝(71)に対してトラック幅Pの1/2だけずれた箇所を照射しても、サブ信号のレベルは最大となる。この場合、DPP信号のレベルは最小となり、誤った位置に法線ズレ調整を行なう虞れがある。
本例のように、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、誤った位置に法線ズレ調整を行なう虞れはなく、結果的に法線ズレを早く調整できる。
本例にあっては、メインビーム(6)が突条(70)を、サブビーム(60)(60)が凹溝(71)を照射するとしたが、サブビーム(60)(60)が突条(70)を、メインビーム(6)が凹溝(71)を照射してもよい。
また、突条(70)及び凹溝(71)は、トラック幅Pの半分の幅P/2に形成されるとしたが、異なる幅であってもよい。更に、法線ズレはDPP信号及びサブ信号を用いて、手動で調整されてもよい。
【0020】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク記録又は再生装置に、法線ズレ調整装置を取り付けた状態の裏面図である。
【図2】ピックアップの構造を示す側面図である。
【図3】検出器の正面図である。
【図4】調整手順を示すフローチャートである。
【図5】ディスク記録又は再生装置の裏面図である。
【図6】ディスクのトラックを拡大して示す裏面図である。
【図7】法線ズレ状態を示す裏面図である。
【図8】メインビーム及びサブビームが、正しくトラックをトレースしない状態を示す図である。
【図9】メインビームが、正確な位置の突条を照射している状態を示す図である。
【図10】(a)はDPP信号の波形を、(b)はサブ信号SBの波形を示す図である。
【符号の説明】
(2) ピックアップ
(3) ターンテーブル
(4) 調整機構
(6) メインビーム
(8) テーブル駆動部
(10) シャーシ
(11) ガイド軸
(20) レンズ
(50) 制御回路
(51) 演算回路
(60) サブビーム
(70) 突条
(71) 凹溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク記録又は再生装置に於けるターンテーブルの位置調整方法及びターンテーブルの位置調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、ディスク記録又は再生装置の裏面図である。シャーシ(10)にはディスク(7)に嵌まるターンテーブル(3)が設けられ、ディスク(7)の信号面にビームを照射するレンズ(20)を具えたピックアップ(2)がターンテーブル(3)に接近離間可能に設けられている。ディスク(7)の中央部にはターンテーブル(3)に嵌まる丸孔(72)が設けられている。ピックアップ(2)は、ガイド軸(11)(11)に移動を案内され、レンズ(20)の中心とディスク(7)の中心を結ぶ仮想線Lは、ガイド軸(11)(11)に沿う方向に本来一致している。
斯種光磁気タイプのディスクには、信号が高密度記録されるから、ディスク上の任意の箇所にて信号を記録又は再生するには、ビームを極めて正確に位置決めしなければならない。この為、ディスク上には予めビームの案内トラック、アドレス情報を入れておくプリフォーマットと呼ばれる構成が採られる(特公平5−1534号参照)。
これは、ディスク上に溝を螺旋状又は同心円状に形成したものであり、ディスク中心から外周に向かって、突条(70)と凹溝(71)が交互に配備される(図6参照)。隣り合う突条(70)と凹溝(71)の一対をトラックと呼び、突条(70)と凹溝(71)はトラックの幅Pの半分であるP/2の幅に夫々形成される。
【0003】
レンズ(20)からのビームは、トラックを正確にトレースする必要がある。この為、レンズ(20)をディスク中心から接近又は離間する向きに微少量だけ動かすサーボ動作が必要であり、これが周知のトラッキングサーボである。また、レンズ(20)からのビームをディスク上に正確に合焦させる為に、レンズ(20)を微少量だけ昇降させるサーボ動作が、周知のフォーカスサーボである。
このトラッキングサーボの方式として、3つのビームをディスクに照射する差動プッシュプル法が従来から知られている(特開平10−91963号参照)。図6は、ディスクのトラックを拡大して示す裏面図であり、実線で示す各ビーム(6)(60)(60)はディスクの外周部のトラックを正しく照射している。
これは、突条(70)を照射するメインビーム(6)と、メインビーム(6)の両側に位置し凹溝(71)を照射するサブビーム(60)(60)をレンズ(20)から出射する。3本のビームを出射する構成は後記する。メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)の反射光量を検出して、レンズ(20)をディスク中心から接近離間する向きに動かす。
【0004】
具体的には、サブビーム(60)(60)の光量を、図6に示すように、トラックと略直交する方向に、夫々EとG及びHとFに2分割して検出し、メインビーム(6)の光量を後記の理由からA、B、C、Dに4分割して検出する。次に、各ビームの反射光量を、
DPP=(A+D−B−C)−α(G−E+F−H) (αは定数)
の如く、演算する。DPP(differencial push−pull)は、トラッキングエラー信号とも呼ばれる信号であり、該DPP信号のレベルが最適となるように、レンズ(20)をディスク中心から接近離間する向きに自動的に動かす。トラッキングサーボが掛けられた後は、メインビーム(6)の反射光の偏光角から信号を再生する。
【0005】
図5に示すガイド軸(11)は、本来仮想線Lに沿って延びている。然るに、ターンテーブル(3)の取付け誤差等により、ガイド軸(11)が仮想線Lに沿っていない場合がある。これを法線ズレと呼び、以下の不都合がある。
図7は、法線ズレ状態を示す裏面図である。レンズ(20)の移行路が仮想線Lであれば、ピックアップ(2)のレンズ(20)がディスク外周近傍に対向しているときは、ディスク外周部でディスク中心からの距離がR1である図7のA点にて信号を再生する。然るに、法線ズレを生じているから、A点からΔYだけ離れたB点で、A点にて再生すべき信号を再生する。この場合、正規の信号に対して図7のトラック角θ1だけ位相がずれた再生信号となる。特に、ディスクの内周部であって、ディスク中心からの距離がR1より小さなR2である点Cでは、トラック角がθ1より大きなθ2となるから、位相ずれが目立つ。この虞れを防止するために、装置の製造工程に於いて、ターンテーブル(3)を水平面内にて、ガイド軸(11)に沿う向きと直交する方向に動かす調整が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、信号記録密度が大きく、トラック幅Pの狭いディスクが提案されている。かかるディスクにあっては、以下の理由から、より正確な法線ズレ調整が要求される。
ディスク(7)の丸孔(72)がディスク(7)の中央部に正確に位置せず、図7に示す丸孔(72)の中心が、ディスクの中心DCからεだけ偏心していることがある。ディスク(7)は図7のεだけ偏心して回転するから、トラック角θ1は、ディスク(7)の回転角をωとして、
θ1=Arcsin[(ΔY+ε×cosω)/R1)]
で示すように、ディスクの1回転中に変化する。
これは、以下の不都合を生じる。図8は、法線ズレを生じて、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)が正しくトラックをトレースしない状態を示し、ガイド軸(11)に沿ったサブビーム(60)(60)の間隔をSとする。ディスクの回転中にトラック角θ1が変化すると、図8に示すように、サブビーム(60)(60)が正しく凹溝(71)を照射しなくなる。即ち、ディスクの回転中にサブビーム(60)(60)の間隔Sが変化する状態に等しくなり、前記DPP信号のレベルは、ディスク(7)の回転中に大小に変化し、結果として図10(a)に示す如く、うねりを生じる。DPP信号にうねりが生じれば、トラッキングサーボを正確にかけることができないから、DPP信号がうねらないように、法線ズレ調整を正確に行なう必要がある。特に記録密度が大きく、トラック幅Pの狭いディスクにあっては、ディスクの偏心が僅かな量であってもDPP信号がうねる原因となるから、より正確な法線ズレ調整が要求される。
【0007】
出願人は、この正確な法線ズレ調整を行う手段として、図6のサブビーム(60)(60)の光量からG−E+F−Hを演算したサブ信号SBを用いることを着想した。この理由は、後記の如く、サブ信号SBは山又は谷の形状がシャープであり、微調整がし易いからである。
サブビーム(60)(60)は、周知の如く凹溝(71)を照射すれば、レベルが最大であり、凹溝(71)から突条(70)に向けてずれればレベルが低下し、図9に一点鎖線で示すように、トラック幅Pの半分であるP/2だけズレて突条(70)を照射すれば、レベルが再び最大となる。従って、ディスク回転中にトラック角θ1が変化して、サブビーム(60)(60)が複数のトラックを横切ると、サブ信号はDPP信号の半分の周期でうねる(図10(b)参照)。このサブ信号の最大値と最小値の差が小さくなるように、即ち、うねりが最小となり且つレベルが最大となるように、法線ズレを調整していた。
しかし、法線ズレの調整は、ターンテーブル(3)を水平面内にて微少量だけ動かすから、精密に調整する必要があり、調整に時間がかかっていた。また、ディスクが偏心している場合、サブ信号はディスク回転中にトラック幅Pの1/2の波長でうねるから、サブビーム(60)(60)がトラック幅Pの1/2だけずれて、突条(70)を照射しても、サブ信号のレベルは最大となる。従って、誤った位置に法線ズレ調整を行なう虞れもある。
本発明は、法線ズレ調整を早く、且つ正確に行なうことを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
ディスク記録又は再生装置は、メインビーム(6)及び2本のサブビーム(60)(60)がディスクに反射された光量から、トラッキングエラーを検出するDPP信号を生成する。
ターンテーブルの法線ズレの調整方法は、ディスク外周部にピックアップ(2)を対向させ、該外周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を粗調整する工程と、
ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させ、該内周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を調整する工程と、
ピックアップ(2)がディスク内周部に対向した状態にて、サブビーム(60)(60)の光量から得られ、法線ズレを大きくしていった場合に、最大レベルが繰り返す周期がDPP信号よりも短いサブ信号を用いて、該サブ信号のうねりが小さくなるように、ターンテーブル(3)の位置を微調整する工程を有している。
【0009】
【作用及び効果】
ディスク外周部にピックアップ(2)を対向させる。法線ズレが生じていれば、ディスク回転時に図10(a)に示すように、DPP信号はうねっているから、該ディスク外周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を粗調整する。
次に、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させる。ディスク内周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を調整する。ディスク内周部は外周部に比してトラックの曲率半径が小さいから、僅かに法線ズレを生じても、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)が正確な位置から外れる。従って、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させて、粗調整よりも更に精度良く調整をする。
最後に、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させたまま、サブ信号SBを用いて、ターンテーブル(3)の位置を微調整する。サブ信号SBのうねりが最小となった箇所を見つけ、ターンテーブル(3)を該箇所に移動させる。
図10(b)に示すように、サブ信号SBはDPP信号よりも短い繰返し周期でうねるから、サブ信号SBの山又は谷の形状は、DPP信号よりもシャープである。従って、サブ信号SBの山又は谷を観察して調整をすれば、DPP信号を用いた調整よりも微調整がし易く、更に精度良く調整ができる。
従って、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、調整精度を向上させることを図っている。また、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、誤った位置に法線ズレ調整を行なう虞れを防ぎ、結果的に法線ズレを早く調整できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の法線ズレ調整方法は、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することを特徴とする。先ず、本調整の基本的な考えを説明する。
(調整原理)
法線ズレが生じ、且つディスクが偏心している場合には、前記の如く、ディスク(7)の回転に伴って、メインビーム(6)は複数のトラックを横切る。図9にあっては、メインビーム(6)が正確な位置の突条(70)を照射している状態を実線で示す。法線ズレが大きくて、メインビーム(6)が正確な位置の突条(70)に対し、図9に一点鎖線で示すように、隣の突条(70)を照射すれば、DPP信号は、メインビーム(6)が正確な位置の突条(70)を照射している場合と同じ値になる。従って、法線ズレが生じていた場合に、ディスク(7)を回転させると、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)は複数のトラックを横切るから、DPP信号は、図10(a)に示すように、1回転毎にうねる。前記の如く、サブ信号SBは、トラック幅Pの半分の周期でうねるから、DPP信号はサブ信号SBの2倍の周期でうねる。
【0011】
また、図6に実線で示すように、ディスクの外周部にてサブビーム(60)(60)が正確な位置を照射しても、図6に一点鎖線で示すように、ディスク内周部では正確な位置を照射しないことがある。
これは、ディスク内周部はトラックの曲率半径が小さいから、僅かに法線ズレを生じても、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)が正確な位置から外れることによる。従って、出願人は、先ずディスクの外周部にてDPP信号の波形を観察して粗調整を行い、次にピックアップ(2)をディスクの内周部に移動させて、DPP信号の波形を観察して、調整を行なうことを着想した。
また、前記の如く、サブ信号SBはDPP信号の半分の周期でうねるから、サブ信号SBの山又は谷の形状は、DPP信号よりもシャープである。従って、サブ信号SBの山又は谷を観察して調整をすれば、DPP信号を用いた調整よりも微調整がし易い。従って、ディスクの内周部にて、DPP信号の波形から調整を行なった後に、ピックアップ(2)をディスクの内周部に対向させたまま、サブ信号の波形から微調整を行うことを提案している。即ち、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、調整精度の向上を図っている。
【0012】
(装置の全体構成)
図1は、ディスク記録又は再生装置(1)に、法線ズレ調整装置(5)を取り付けた状態の裏面図であり、本例にあってはターンテーブル(3)の法線ズレ調整を自動的に行なう。まず、ディスク記録又は再生装置(1)の概略から説明する。
シャーシ(10)上に配備されたターンテーブル(3)には、横孔(30)(30)(30)が開設され、該横孔(30)(30)(30)がシャーシ(10)から突出した嵌め軸(12)(12)(12)に嵌まって、ターンテーブル(3)は、水平面内にてガイド軸(11)と直交する方向に移動可能となる。
従来と同様に、ピックアップ(2)はガイド軸(11)に沿ってターンテーブル(3)に対し、接近離間可能に設けられている。シャーシ(10)には、ピックアップ(2)をガイド軸(11)に沿って動かす駆動機構(図示せず)が配備されている。
【0013】
図2は、ピックアップ(2)の構造を示す側面図である。ピックアップ(2)は箱体(21)内に前記レンズ(20)の他に、レーザー光の光源(22)と、集光用のコリメータレンズ(23)と、分光用の回折格子(24)と、レーザー光の光路に対して傾いた膜(28)を具えたプリズム(25)と、上下に配備された3つの検出器(26)(26)(26)を具える。光源(22)の光は、コリメータレンズ(23)に集光された後に、回折格子(24)により3本のビームに分かれる。これがメインビームと2本のサブビームであり、プリズム(25)の膜(28)を通過した3本のビームは、レンズ(20)からディスク(7)に照射される。ディスク(7)に反射された光は、プリズム(25)の膜(28)により検出器(26)(26)(26)に向けて反射される。3つの検出器(26)(26)(26)のうち、中央の検出器(26)にメインビームが入射し、上側及び下側の検出器(26)(26)に夫々サブビームが入射する。
【0014】
図3(a)、(b)に示すように、中央の検出器(26)は、等面積に4分割された受光面(27)(27)(27)(27)を有し、該受光面(27)(27)(27)(27)上にてメインビーム(6)の光量をA、B、C、Dの領域に分けて検出している。これはメインビーム(6)を用いてフォーカスサーボを掛ける為である。
ディスク(7)面にメインビーム(6)が正確に合焦していれば、反射されたメインビーム(6)は図3(a)に示すように、検出器(26)上にて円形となり、領域A、B、C、Dの面積が等しいから、領域A、B、C、Dの光量は均等になる。
然るに、ディスク(7)面にメインビーム(6)が正確に合焦しなければ、反射されたメインビーム(6)は図3(b)に示すように、検出器(26)上にて楕円形となる。領域A、B、C、Dの光量は均等でないから、ディスク(7)にメインビーム(6)が正確に合焦していないことが判る。従って、領域A、B、C、Dの光量が均等になるように、レンズ(20)を上下駆動する。レンズ(20)を上下駆動する構成は、周知技術である。
【0015】
(法線ズレ調整装置の全体構成)
法線ズレ調整装置(5)は、ターンテーブル(3)を横に動かすモータ(M)を具えたテーブル駆動部(8)と、テーブル駆動部(8)のモータ(M)に通電する給電回路(52)と、ピックアップ(2)内の検出器(26)(26)(26)が検出した信号からサブ信号SB及びDPP信号を作成する演算回路(51)と、該演算回路(51)に繋がり、サブ信号SB及びDPP信号を用いて、ターンテーブル(3)の調整すべき位置を決定して、給電回路(52)に対しモータ(M)に供給すべき電圧又は電流値を伝える制御回路(50)を具えている。制御回路(50)には、信号の波形及びターンテーブル(3)の移動量を格納するメモリ(53)が繋がっている。
テーブル駆動部(8)は、サブシャーシ(80)上に前記モータ(M)と、モータ(M)に噛合した歯車列(81)と、該歯車列(81)の下流側ギアに噛合するラック(83)を具えて、ターンテーブル(3)に着脱自在に嵌まるアーム(82)を配備している。
【0016】
(調整手順)
制御回路(50)は、法線ズレ調整用のプログラムが格納された記録媒体を有しており、ターンテーブル(3)の法線ズレを調整する際には、図4のフローチャートに示す手順を踏む。
まず、回転中のディスク外周部にピックアップ(2)を対向させ(S1)、フォーカスサーボを掛ける。この後、制御回路(50)はDPP信号を読む。法線ズレが生じていれば、ディスク回転時に図10(a)に示すように、DPP信号はうねっているから、該ディスク外周部に於けるDPP信号を用いて、ターンテーブル(3)の位置を粗調整する(S2)。
具体的には、ターンテーブル(3)を少しずつ横に動かしながら、ディスクの1回転毎のDPP信号の波形、及びターンテーブル(3)の移動量をメモリ(53)に順次記憶させる。制御回路(50)はメモリ(53)内の情報から、DPP信号のレベルが最大となり、且つうねりが小さくなった箇所を見つける。制御回路(50)は、給電回路(52)にモータ(M)へ通電する旨の信号を送って、ターンテーブル(3)を該箇所に移動させる。
【0017】
次に、ピックアップ(2)を動かして、回転中のディスク内周部にピックアップ(2)を対向させ(S3)、フォーカスサーボを掛ける。この後、ディスク内周部に於けるDPP信号を用いて、ターンテーブル(3)の位置を調整する(S4)。
即ち、ターンテーブル(3)を少しずつ横に動かしながら、ディスクの1回転毎のDPP信号の波形、及びターンテーブル(3)の移動量をメモリ(53)に順次記憶させる。DPP信号のレベルが最大となり、且つうねりが小さくなった箇所を見つけ、給電回路(52)からモータ(M)に通電して、ターンテーブル(3)を該箇所に移動させる。
ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させるのは、上記の如く、ディスク内周部は外周部に比してトラックの曲率半径が小さいから、僅かに法線ズレを生じても、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)が正確な位置から外れることによる。従って、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させて、粗調整よりも更に精度良く調整をしている。
【0018】
次に、ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させたまま、サブ信号SBを用いて、ターンテーブル(3)の位置を微調整する(S5)。サブ信号SBのうねり、即ち振幅の最大値と最小値の差が最小となった箇所を見つけ、ターンテーブル(3)を該箇所に移動させる。
前記の如く、サブ信号SBはDPP信号の半分の周期でうねるから(図10(b)参照)、サブ信号SBの山又は谷の形状は、DPP信号の山又は谷の形状よりもシャープである。従って、サブ信号SBの山又は谷を観察して調整をすれば、DPP信号を用いた調整よりも微調整がし易く、更に精度良く調整ができる。
従って、本例に係わる調整にあっては、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、調整精度を向上させることを図っている。
法線ズレが調整された後は、トラッキングサーボを正確に掛けることができ、メインビーム(6)及びサブビーム(60)(60)はトラックを正確にトレースできる。
【0019】
サブ信号SBの山又は谷を観察して調整すれば、DPP信号を用いた調整よりも微調整がし易いから、DPP信号を用いずに、最初からサブ信号SBを用いて法線ズレを調整してもよいと考えられる。しかし、サブビーム(60)(60)が突条(70)を照射する、即ち、本来照射すべき凹溝(71)に対してトラック幅Pの1/2だけずれた箇所を照射しても、サブ信号のレベルは最大となる。この場合、DPP信号のレベルは最小となり、誤った位置に法線ズレ調整を行なう虞れがある。
本例のように、法線ズレを、調整範囲が広い方から狭い方へ順に調整することにより、誤った位置に法線ズレ調整を行なう虞れはなく、結果的に法線ズレを早く調整できる。
本例にあっては、メインビーム(6)が突条(70)を、サブビーム(60)(60)が凹溝(71)を照射するとしたが、サブビーム(60)(60)が突条(70)を、メインビーム(6)が凹溝(71)を照射してもよい。
また、突条(70)及び凹溝(71)は、トラック幅Pの半分の幅P/2に形成されるとしたが、異なる幅であってもよい。更に、法線ズレはDPP信号及びサブ信号を用いて、手動で調整されてもよい。
【0020】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク記録又は再生装置に、法線ズレ調整装置を取り付けた状態の裏面図である。
【図2】ピックアップの構造を示す側面図である。
【図3】検出器の正面図である。
【図4】調整手順を示すフローチャートである。
【図5】ディスク記録又は再生装置の裏面図である。
【図6】ディスクのトラックを拡大して示す裏面図である。
【図7】法線ズレ状態を示す裏面図である。
【図8】メインビーム及びサブビームが、正しくトラックをトレースしない状態を示す図である。
【図9】メインビームが、正確な位置の突条を照射している状態を示す図である。
【図10】(a)はDPP信号の波形を、(b)はサブ信号SBの波形を示す図である。
【符号の説明】
(2) ピックアップ
(3) ターンテーブル
(4) 調整機構
(6) メインビーム
(8) テーブル駆動部
(10) シャーシ
(11) ガイド軸
(20) レンズ
(50) 制御回路
(51) 演算回路
(60) サブビーム
(70) 突条
(71) 凹溝
Claims (2)
- シャーシ(10)上に、ディスクに対してメインビーム(6)及び2本のサブビーム(60)(60)を照射するレンズ(20)を具えたピックアップ(2)と、ディスクの中央部に嵌まるターンテーブル(3)と、ピックアップ(2)がターンテーブル(3)に対して接近離間する向きの移動を案内するガイド軸(11)とを具え、ターンテーブル(3)は水平面内にてガイド軸(11)に直交する方向に調整可能に配備され、
メインビーム(6)及び2本のサブビーム(60)(60)がディスクに反射された光量から、トラッキングエラーを検出するDPP信号を生成するディスク記録又は再生装置のターンテーブル位置調整方法に於いて、
ディスク外周部にピックアップ(2)を対向させて、該外周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を粗調整する工程と、
ディスク内周部にピックアップ(2)を動かして、該内周部に於けるDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を調整する工程と、
ピックアップ(2)がディスク内周部に対向した状態にて、サブビーム(60)(60)の反射光量から得られ、繰返し周期がDPP信号よりも短いサブ信号SBを用いて、該サブ信号のうねりが小さくなるように、ターンテーブル(3)の位置を微調整する工程とを具えたことを特徴とするディスク記録又は再生装置のターンテーブル位置調整方法。 - シャーシ(10)上に、ディスクに対してメインビーム(6)及び2本のサブビーム(60)(60)を照射するレンズ(20)を具えたピックアップ(2)と、ディスクの中央部に嵌まるターンテーブル(3)と、ピックアップ(2)がターンテーブル(3)に対して接近離間する向きの移動を案内するガイド軸(11)とを具え、ターンテーブル(3)は水平面内にてガイド軸(11)に直交する向きに調整可能に配備され、
メインビーム(6)及び2本のサブビーム(60)(60)がディスクに反射された光量から、トラッキングエラーを検出するDPP信号を生成する演算回路(51)を設けたディスク記録又は再生装置へのターンテーブルの位置調整装置に於いて、
ターンテーブル(3)に嵌合して、ターンテーブル(3)を調整駆動するモータ(M)を具えたテーブル駆動部(8)と、
テーブル駆動部(8)に連繋し、モータ(M)に給電すべき電流又は電圧を決定する制御回路(50)を設け、
該制御回路(50)は、ディスク外周部にピックアップ(2)を対向させた第1の位置にて、演算回路(51)からのDPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)を粗調整する量を決定してモータ(M)に給電する第1の工程と、
ディスク内周部にピックアップ(2)を対向させた第2の位置にて、DPP信号のレベルが最大となるように、ターンテーブル(3)の位置を調整する量を決定してモータ(M)に給電する第2の工程と、
ピックアップ(2)がディスク内周部に対向した状態にて、サブビーム(60)(60)の反射光量から得られ、繰返し周期がDPP信号よりも短いサブ信号SBを用いて、該サブ信号のうねりが小さくなるように、ターンテーブル(3)の位置を微調整する第3の工程を辿るプログラムが格納された記録媒体を有することを特徴とするディスク記録又は再生装置のターンテーブルの位置調整装置。
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