JP3619680B2 - 薬剤供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は病院などにおいて、タブレットケースに収納された薬剤を処方箋により指定された数量だけ容器(袋や瓶)などに供給する薬剤供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より病院や調剤薬局においては、例えば実公昭57−5282号公報(B65B1/30)に示される如き薬剤供給装置(公報では薬剤包装機と称している)を用いて、医師により処方された薬剤を患者に提供している。係る方式では処方箋に記載された数量の薬剤(錠剤、カプセル剤なども含む)をタブレットケース内の排出ドラム(前記公報では整列盤と称している)から一個ずつ排出し、その後はホッパーにより集めて包装するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
また、近年では病院や調剤薬局においても、スペース効率の向上が叫ばれており、薬剤供給装置の設置スペースを拡大すること無く大容量化を図ることが急務となっている。これに対して前記公報では、補充架台を追加設置できるように設計していた。しかしながら、係る構成によっても収容量の増加には限度がある。
【0004】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、設置スペースに対する効果的な大容量化を実現すると共に、使用性も向上させた薬剤供給装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の薬剤供給装置は、上部に本体側ケース収納部を備える本体と、本体側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、本体側ケース収納部に設けられ、各タブレットケースから排出された薬剤が落下する本体側シュートと、この本体側シュート下方であって本体内に設けられたホッパーと、本体側ケース収納部の前面開口を開閉自在に閉塞する複数の扉ユニットと、各扉ユニットに構成された扉側ケース収納部と、この扉側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、各扉ユニットに設けられ、扉側ケース収納部内の各タブレットケースから排出された薬剤が落下する扉側シュートとを備え、前記各扉ユニットは本体側ケース収納部の前側であって横方向に移動自在に設けられ、本体側ケース収納部を開閉すると共に、何れの位置においても各扉ユニットの扉側シュートはホッパーに連通するよう扉側シュートの下端開口の移動範囲に渡ってホッパーとの連通部を形成し、扉側シュートの下端開口が存在する部分以外の連通部を閉塞する手段を設けたものである。
【0006】
本発明の薬剤供給装置は、上部に本体側ケース収納部を備える本体と、本体側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、本体側ケース収納部に設けられ、各タブレットケースから排出された薬剤が落下する本体側シュートと、この本体側シュート下方であって本体内に設けられたホッパーと、本体側ケース収納部の前面開口を開閉自在に閉塞する複数の扉ユニットと、各扉ユニットに構成された扉側ケース収納部と、この扉側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、各扉ユニットに設けられ、扉側ケース収納部内の各タブレットケースから排出された薬剤が落下する扉側シュートとを備えているので、装置全体の設置スペースに対して薬剤収納容量の著しい拡大を図ることができるようになる。
【0007】
特に、各扉ユニットは本体側ケース収納部の前側であって横方向に移動自在に設けられ、本体側ケース収納部を開閉すると共に、何れの位置においても各扉ユニットの扉側シュートはホッパーに連通するよう構成したので、扉ユニットを移動して、本体側ケース収納部の前面開口を開き、当該ケース収納部への薬剤の補充を行っている最中にも、扉ユニット内の扉側ケース収納部に取り付けたタブレットケースから薬剤の排出を行わせることができるようになり、使用性の向上と供給動作の迅速化を実現することができるようになるものである。
【0008】
また、前記扉側シュートの下端開口の移動範囲に渡ってホッパーとの連通部を形成すると共に、扉側シュートの下端開口が存在する部分以外の連通部を閉塞する手段を設けたので、扉側シュートとホッパーとの連通部からホッパー内に異物や他の薬剤が落下する不都合を防止することができるようになるものである。
【0009】
請求項2の発明の薬剤供給装置は、上記において本体背面に着脱可能に連結される増設ユニットを備え、この増設ユニットは、増設側ケース収納部と、この増設側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、増設側ケース収納部内の各タブレットケースから排出された薬剤が落下する増設側シュートとを有すると共に、本体背面に連結された状態で、この増設側シュートは、本体のホッパーに連通するものである。
【0010】
請求項2の発明によれば、上記に加えて本体背面に着脱可能に連結される増設ユニットを備えており、この増設ユニットは、増設側ケース収納部と、この増設側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、増設側ケース収納部内の各タブレットケースから排出された薬剤が落下する増設側シュートとを有すると共に、本体背面に連結された状態で、この増設側シュートが、本体のホッパーに連通するように構成したので、業務の拡張に応じて増設ユニットを取り付けることにより、更なる大容量化を極めて容易に実現することが可能となるものである。
【0011】
請求項3の発明の薬剤供給装置は、上記各発明において本体側シュート内、扉側シュート内及びホッパー下端、又は、本体側シュート内、扉側シュート内、増設側シュート内及びホッパー下端には、それぞれ開閉自在のシャッターを設けたものである。
【0012】
請求項3の発明によれば、上記各発明に加えて本体側シュート内、扉側シュート内及びホッパー下端、又は、本体側シュート内、扉側シュート内、増設側シュート内及びホッパー下端に、それぞれ開閉自在のシャッターを設けたので、各シャッターにより、各ケース収納部内のタブレットケースからそれに対応する各シュートに排出された薬剤を保持し、タイミングを制御して排出することにより、数多く設置されたタブレットケースからの薬剤の排出を並行処理できるようになり、迅速な薬剤供給を実現することが可能となるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の薬剤供給装置1の斜視図、図2は同薬剤供給装置1の一部透視正面図、図3は同薬剤供給装置1の一部透視側面図、図4は同薬剤供給装置1の一部透視平面図、図5はタブレットケース3、4、6の側面図、図6はタブレットケース6の斜視図、図7は同薬剤供給装置1のシャッター24、39、43の斜視図、図8は同薬剤供給装置1のシャッター12の一部切欠側面図、図9は同薬剤供給装置1の制御装置61の機能ブロック図である。
【0014】
本発明の薬剤供給装置1は、病院や調剤薬局などに設置されるものであり、横長矩形状の本体7と、この本体7上に設けられた前面に開口する矩形状の外装ケース7Aと、この外装ケース7A内後部に構成された本体側ケース収納部8と、この本体側ケース収納部8の前側の外装ケース7A内に設けられ、前後に配置されて横方向に移動自在に本体7の上面に設置された引き戸式の扉ユニット2A、2Bと、前記本体7の背面に着脱自在とされ、状況に応じてオプション的に取り付けられる増設ユニット9などから構成される。
【0015】
前記外装ケース7Aより下の本体7内の上部には、上方に拡開するホッパー11が設けられており、このホッパー11の下端にはシャッター12が取り付けられている。また、ホッパー11の下方の本体7内には包装機を構成するプリンタ10及びシーラー13が設けられており、ホッパー11から排出された薬剤を斜めに設置したロール状の包装紙15(図8参照)で包装して取出口14から送出するものである。
【0016】
一方、前記本体側ケース収納部8は前面に開口しており、この開口を前記扉ユニット2A、2Bが開閉するかたちとなる。扉ユニット2A及び2Bは本体側ケース収納部8の約半分の幅に構成され、通常は図2の如く前側の扉ユニット2Aが向かって左、後側の扉ユニット2Bが右に位置しており、これらを独立して移動することにより、図4の如く左右逆の配置することも可能とされている。そして、両扉ユニット2A、2Bが前後に重なった状態で本体側ケース収納部8の前面の一部分が開放されるかたちとなり、両ユニット2A、2Bの位置を変更することにより、本体側ケース収納部8の開放部分を選択することができる。
【0017】
また、本体側ケース収納部8の背部には仕切板21にて本体側シュート22が上下に渡って画成されている。この本体側シュート22の両側下部は、本体側ケース収納部8の左右端から前記ホッパー11の上縁両側に向かって狭まるように傾斜されている。そして、本体側シュート22はホッパー11上方に対応して開口すると共に、この本体側シュート22内にはシャッター24が取り付けられている。このシャッター24の正確な位置及び構造については後に詳述する。
【0018】
そして、本体側ケース収納部8内には棚装置26が架設され、この棚装置26には複数のタブレットケース3(或いは、4又は6)が取り付けられる。前記棚装置26上には溝状のケース取付部が左右に所定間隔で複数形成されており、各ケース取付部に対応する棚装置26内には図5に示す如く排出通路28がそれぞれ形成され、この排出通路28にはそれぞれ後述する薬剤検出器30が取り付けられている。
【0019】
前記タブレットケース3、4、6は、図5、図6に示す如く透明容器3A、4A、6Aと、それらの下端に設けられた排出機構31と、排出機構31の下端に形成されたベース32とから成り、排出機構31とベース32は共通で、各容器3A、4A、6Aの高さ寸法だけが異なる。それによって、各タブレットケース3、4、6の容量は、例えば、それぞれ250cc、500cc、800ccとされている。尚、前記排出機構31の構造は、薬剤を一個ずつ排出するドラムと、このドラムを回転させるモータ(何れも図示せず)から成る周知のものである。
【0020】
これらタブレットケース3、4、6を前記棚装置26上に並設される。この場合、タブレットケース3、4、6のベース32が前記係合溝に前方から着脱自在に係合され、その状態で前記排出機構31の排出部は前記排出通路28の上面開口に対応する。
【0021】
他方、前記扉ユニット2A、2B内には扉側ケース収納部33A、33Bがそれぞれ形成されている。各扉側ケース収納部33A、33Bは前面に開口しており、その前面開口は図示しない透明扉にて開閉自在に閉塞される。そして、各扉側ケース収納部33A、33Bの背部には仕切板36にて扉側シュート37が各扉ユニット2A、2Bの上下に渡って画成されている。各扉側シュート37A、37Bの下部は、各扉側ケース収納部33A、33Bの外側の端部から前記ホッパー11の上縁にそれぞれ向かって狭まるように傾斜し、その下端は下端開口71A、71Bにて開口している。
【0022】
そして、本体7の上面にはこの開口71A及び71Bの左右への移動範囲に渡って連通部72A、72Bが形成されており、この連通部72A、72Bはホッパー11の上方にて開口している。これにより、各扉ユニット2A、2Bが本体側ケース収納部8の前側で左右に移動した全ての位置において、扉側シュート37A、37Bの下端開口71A、71Bはホッパー11上方に連通すると共に、各扉側シュート37A、37B内にはシャッター39A、39Bが取り付けられている。各シャッター39A、39Bの正確な位置及び構造については後に詳述する。
【0023】
また、各連通部72A、72Bには下端開口71A、71Bが存在する部分以外の連通部72A、72Bを閉塞する蓋部材73A、73Bが取り付けられている。この蓋部材73A、73Bの構造に関しては、下端開口71A、71Bの移動に合わせて左右に移動する蓋板や、下端開口71A、71Bの位置のみ開放する複数の蓋板から成る構造などが考えられる。
【0024】
尚、各扉側ケース収納部33A、33Bにも同様の構造の棚装置26(この場合、幅寸法は半分とされる)が架設され、この棚装置26にも同様のタブレットケース3(或いは、4又は6)が複数取り付けられる。また、この扉側ケース収納部33A、33Bの棚装置26の排出通路28は扉側シュート37A、37Bに連通しているものである。
【0025】
また、扉ユニット2B内の下部には追加の薬剤を任意に供給するための追加薬剤フィーダ46が設けられており、このフィーダ46はシャッター39Bの下側にて扉側シュート37B内に連通している。
【0026】
前記増設ユニット9は、例えば病院などの規模の拡大に合わせて本体2の背面に図3中矢印の如く取り付けられ、タブレットケース3(4或いは6)を増設するためのユニットであり、その上部には増設側ケース収納部41が設けられている。この増設側ケース収納部41の前部には増設側シュート42が上下に渡って画成されている。この増設側シュート42の両側下部も、増設側ケース収納部41の左右端から前記ホッパー11の上縁両側に向かって狭まるように傾斜して形成されている。そして、増設側シュート42の下端開口は当該増設ユニット9が本体2に取り付けられた状態で、ホッパー11上端後部に位置する本体2の後面に形成された透孔に対応し、これによって、増設側シュート42はホッパー11に連通する。また、この増設側シュート42内にはシャッター43が取り付けられている。このシャッター43の正確な位置及び構造については後に詳述する。
【0027】
そして、増設側ケース収納部41内にも同様の棚装置26が架設され、この棚装置26には複数のタブレットケース3(或いは、4又は6)が同様に取り付けられる。尚、この増設側ケース収納部33の棚装置26の排出通路28は増設側シュート42に連通しているものである。また、増設ユニット9は本体2に取り付けられた状態で電気的に結線される。
【0028】
ここで、前記各シャッター24、39A、39B、43及び12の構造を図7と図8を参照して説明する。各シュート中に設けられた前記シャッター24、39A、39B、43は何れも同様の構造であり、図7に示す如く通路を開閉するために一側を枠体51に回動自在に枢支されたシャッター板52と、このシャッター板52を常時閉じるように付勢するスプリング53と、前記シャッター板52を取付具54、軸56、連結具57を介して回動させるソレノイド58とから構成されている。
【0029】
そして、このソレノイド58を通電することにより、連結具57に回動自在に連結されたプランジャ59を吸引し、スプリング53の付勢力に抗してシャッター板52を開く。また、ソレノイド58が非通電となると、シャッター板52はスプリング53により閉じられ、プランジャ59はソレノイド58から突出するものである。このシャッター板52が閉じている状態で、各シャッター24、39A、39B、43より上のタブレットケース3、4、6・・から排出され、各シュート内を落下して来た薬剤をその上に受け止め、開放されてホッパー11に落下させるものである。
【0030】
次に、前記シャッター12は矩形筒状の本体62と、この本体62内を開閉するために一側を本体62に回動自在に枢支されたシャッター板63と、このシャッター板63を常時閉じるように付勢する図示しないスプリングと、前記シャッター板63を回動させる図示しないソレノイドと、本体62の下端部に取り付けられ、略V字状に折られた包装紙15内に上方から挿入されて拡開させる挿入片64、66、67などから構成されている。
【0031】
そして、前記ソレノイドを通電することにより、スプリングの付勢力に抗してシャッター板63を図8中時計回りに回動させて開く。また、ソレノイドが非通電となると、シャッター板63はスプリングにより引き上げられて本体62内の通路を閉じるものである。通路を閉じた状態でホッパー11内に落下して来た薬剤をその上に受け止め、開放されて包装紙15内に落とし込むものである。
【0032】
ここで、前記各シュート22、37A、37B及び42中に設けられたシャッター24、39A、39B及び43の位置について説明する。各シャッター24、39A、39B及び43は、各ケース収納部8、33A、33B及び41の最上部のタブレットケース3・・から排出された薬剤が各シュート内を落下して各シャッター24、39A、39B及び43に到達するまでの時間と、薬剤が当該シャッター24、39A、39B及び43からホッパー11内を落下してシャッター12に到達するまでの時間が同等(実施例の装置では例えば0.8秒)となる位置に取り付けられている。即ち、実施例では各ケース収納部8、33A、33B及び41内の最下段(扉ユニット2Bについては追加薬剤フィーダ46)の上側に対応する位置に設定されている。
【0033】
次に、図9の機能ブロック図において、制御装置61は汎用のマイクロコンピュータ69により構成されており、このマイクロコンピュータ69の入力には、図示しない入力装置(パーソナルコンピュータなど)から処方データと前記薬剤検出器30・・・からの剤検出信号が入力される。また、マイクロコンピュータ69の出力には、前記タブレットケース3、4、6の排出機構31・・・、前記各シャッター24、39A、39B、43、12、前記プリンタ10、シーラー13及び包装紙15のフィーダー68が接続されている。
【0034】
以上の構成で、次に、図10〜図13を参照しながら本発明の薬剤供給装置1の使用法及び動作を説明する。尚、電源投入状態において前記各シャッター12、24、39A、39B、43は閉じているものとする。また、本体側ケース収納部8や各扉ユニット2A、2Bの扉側ケース収納部33A、33B、増設ユニット9を取り付けた場合には増設側ケース収納部41には、それぞれ所定の薬剤が収納された前記タブレットケース3、4、或いは、6を取り付ける。
【0035】
この場合、使用量の多い薬剤、或いは、個々の寸法の大きい薬剤は大容量のタブレットケース6に収納すると共に、それよりも少ない薬剤或いは小さい薬剤は中容量のタブレットケース4に収納し、最も使用量の少ない薬剤、或いは、寸法の小さい薬剤は小容量のタブレットケース3に収納する。そして、棚装置26上に前述の如くタブレットケース3、4或いは6を並設するものであるが、この場合、同一の棚装置26上には同容量のタブレットケースを取り付ける。
【0036】
次に、先ずマイクロコンピュータ69による各タブレットケース3、4、6からの薬剤の排出動作について図10〜図12を用いて説明する。作業者が医師の処方箋に基づき、前記入力装置(パーソナルコンピュータ)から処方データを入力すると、マイクロコンピュータ69はこの処方データの内容を図10のデータテーブルに貼り付ける。
【0037】
ここで、図10におけるナンバー(丸1(図中の丸数字を意味する。以下同じ。)、丸2・・)は各タブレットケース3、4、6に割り当てられたアドレスであり、各アドレスはケース番号、排出すべき薬剤の数(剤数)及びカウンタの3つのデータから成り立っている。尚、このカウンタは当該タブレットケースが取り付けられた棚装置26の位置を表しており、最上段が1で下になる程数字が2、3・・・と順次増えていく。そして、処方データの内容は各ケース番号に対応した剤数として貼り付けられる。従って、排出する必要のない薬剤が収納されたタブレットケースの剤数は当然0となる。
【0038】
そして、マイクロコンピュータ69は薬剤の排出動作を開始する際、図11のフローチャートのステップS1でケース駆動フラグをセット(「1」)し、ステップS2で先頭アドレス(丸1)を設定してステップS3で当該アドレスのカウンタが1か否か判断する。1である場合にはステップS4に進み、ケース番号が0でないか判断し、0でなければステップS5に進んで今度は剤数が0でないか判断する。ここで、0でなければステップS6に進んで当該アドレスのタブレットケース3(4、6)の排出機構31を駆動開始する。
【0039】
次に、ステップS7で当該アドレスのカウンタを−1してステップS8で次のアドレス(この場合丸2)を設定し、ステップS9に進む。ステップS9では全てのアドレスが終了しているか否か判断し、否であればステップS3に進む。ステップS3でカウンタが1でない場合には、ステップS13に進んでカウンタが0でないか判断し、0でない場合にはステップS7に進み、0の場合にはステップS8に進む。
【0040】
ステップS9で全てのアドレスが終了した場合には、ステップS10に進んで100ms待ち、ステップS11に進んで全てのアドレスのカウンタが0か否か判断する。そして、0でない場合にはステップS2に戻り、0の場合にはステップS12に進んでケース駆動フラグがリセット(「0」)か否か判断する。そして、0でない場合には0になるまでステップS12を繰り返すことになる。
【0041】
以上の制御によって最上段の棚装置26から全てのアドレスについてスキャンして行き、剤数が0でないタブレットケース3(4、6)の排出機構31を駆動開始させ、これを最下段の棚装置26まで実行して、剤数が0でない、即ち、処方データにて薬剤を排出する要求が成されている全てのタブレットケース3(4、6)の排出機構31の駆動を開始させる。
【0042】
次に、図12のフローチャートは排出された薬剤をカウントする動作を示しており、ケース駆動フラグがセットされている間、図11のフローチャートに割り込み処理されるものである。即ち、マイクロコンピュータ69はステップS14でケース駆動フラグがリセットされていないか判断し、セットされている場合にはステップS15に進んで先頭アドレスを設定する。
【0043】
そして、ステップS16で当該アドレスのタブレットケース3(4、6)に対応する薬剤検出器30から剤検出信号があったか判断し、信号が入力されている場合にはステップS17で剤数を−1する。次に、ステップS18で剤数が0か否か判断し、0でない場合にはステップS20に進み、0の場合にはステップS19で当該タブレットケースの排出機構31の駆動を停止してステップS20に進む。
【0044】
ステップS20では次のアドレスを設定し、ステップS21で全てのアドレスが終了したか否か判断し、否であればステップS16に戻り、終了した場合にはステップS22に進んで全てのアドレスの剤数が0か否か判断する。そして、0となった場合にはステップS23に進んでケース駆動フラグをリセットする。
【0045】
このようにしてマイクロコンピュータ69は全てのタブレットケース3(4、6)について剤数が0になるまで排出薬剤の計数を一個ずつ行っていき、図11のフローチャートで排出機構31を駆動開始した全てのタブレットケースについて処方データに基づく薬剤の数が排出された段階で排出機構31を停止する。これによって、所定数の薬剤を排出させるものである。
【0046】
次に、図13のタイミングチャートを参照してマイクロコンピュータ69の制御による上記薬剤の排出動作と、各シャッター24(39A、39B、43)、シャッター12、プリンタ10、シーラー13及びフィーダー68の動作タイミングを説明する。尚、図13の最上段は各シャッター24(39A、39B、43)より上に位置するタブレットケース3(4、6)の排出動作を示している。
【0047】
マイクロコンピュータ69は動作開始時(時刻0)、先ずシャッター24(39A、39B、43)より上に位置するタブレットケース3(4、6)について上記排出動作(1回目の排出動作丸1)を実行する(0.2秒実行)。排出された薬剤は前述の如く各シャッター24(39A、39B、43)上に受け止められる。この場合、より上方に位置するタブレットケース(例えば最上段のタブレットケース)3はその下方のタブレットケースよりも早期(実施例では最長0.3秒早く)に排出動作を開始する。
【0048】
ここで、前述の如く最上段のタブレットケースからの落下時間を0.8秒に設定しているので、最上段のタブレットケースの排出動作終了後、0.8秒後にはその下方のタブレットケースからの薬剤も含め、全ての薬剤がシャッター上に受け止められる。
【0049】
次に、最上段のタブレットケース3の排出動作終了から0.8秒後に、シャッター24(39A、39B、43)を開き、薬剤をホッパー11に落下させると共に、同期してプリンタ10、フィーダー68を0.4秒動作させる。落下した薬剤は前述の如くシャッター24(39A、39B、43)の開き始めから0.8秒後にはシャッター12上に全て受け止められる。
【0050】
一方、マイクロコンピュータ69はシャッター24(39A、39B、43)が開放された時点で最上段のタブレットケース3から2回目の排出動作(丸2)を開始する。同様にその下方のタブレットケースに関してはシャッター24(39A、39B、43)が閉じ切る0.1秒前から2回目の排出動作(丸2)を開始する。即ち、1回目の排出動作で排出された薬剤がシャッター12に落下している間に2回目の排出動作を実行する。この2回目の排出動作で排出された薬剤は再び閉じられたシャッター24(39A、39B、43)上に落下し、受け止められる。
【0051】
尚、最上段のタブレットケース3についてはシャッター24(39A、39B、43)に到達するまでに時間を要するため、シャッターの開き始めと同時に排出動作を開始しても到達するときにはシャッター24(39A、39B、43)は閉じている。また、各シャッター24(39A、39B、43)より下に位置するタブレットケース6についてはこの第2回目の排出動作に同期して排出動作を実行し、シャッター12上に直接落下させる。
【0052】
他方、マイクロコンピュータ69はフィーダー68が動作した後(シャッター24(39A、39B、43)の開放動作開始から0.8秒後)、0.4秒シーラー13を動作させて包装紙15のシールを行い、このシーラー13の動作終了後にシャッター12を開き、包装紙15内に1回目に排出された薬剤(シャッター24などより下のタブレットケースから排出されたものを含む)を落とし込む。以後、これを繰り返す。
【0053】
これにより、実施例の場合にはシャッター12の動作間隔が1.0秒となり、包装能力としては60包/分となった。
【0054】
ここで、各シャッター24、39A、39B、43を各シュート22、37A、37B、42の最下部に取り付けた場合、最上段のタブレットケースからシャッター上に薬剤が落下するのに要する時間は実施例の場合1秒かかる。そのため、シャッター24、37A、37B、42からシャッター12まで薬剤が落下するのに要する時間が0.6秒に短縮されても、シャッター24、37A、37B、42が閉じるまでの待ち時間が延びてしまうため、図14の如くシャッター12の動作間隔は結果として1.5秒となり、包装能力も実施例の場合40包/分が限界となる。
【0055】
しかしながら、実施例によれば最上部のタブレットケース3(4、6)から排出された薬剤がシャッター24、37A、37B、42に到達するまでの時間と、薬剤が当該シャッター24、37A、37B、42からシャッター12に到達するまでの時間を同等に設定しているので、シャッター24、37A、37B、42より上のタブレットケースから薬剤を排出する場合には、先ず、シャッター24、37A、37B、42上に薬剤を受け止めさせて置き、次に当該タブレットケースから薬剤を排出する以前に、シャッター24、37A、37B、42を開放して、シャッター24、37A、37B、42に受け止められていた薬剤をシャッター12に受け止めさせ、前記タブレットケースから排出された薬剤は再び閉じられたシャッター24、37A、37B、42にて受け止めると云う動作を繰り返し実行することにより、タブレットケースからシャッター24、37A、37B、42までの間と当該シャッター24、37A、37B、42からシャッター12までの間で薬剤の落下移動を並行して行わせることができるようになる。
【0056】
特に、シャッター24、37A、37B、42に落下するまでに時間を要する上方のタブレットケースはその下方のタブレットケースよりも早期に薬剤を排出するようにしているので、薬剤の搬送に要する時間を全体として顕著に短縮することができるようになる。これにより、薬剤供給動作が顕著に迅速化され、業務効率の著しい向上を実現することが可能となるる。
【0057】
このような薬剤供給動作により、本体側ケース収納部8内のタブレットケース内の薬剤が不足して来て、例えば向かって右側に取り付けられたタブレットケースに薬剤を補給する場合には、図1に示す如く扉ユニット2Bを左方向に移動させれば、本体側ケース収納部8の左側部分は開放される。そして、タブレットケースへの薬剤の補充作業を行うものであるが、この状態でも扉ユニット2Bの扉側シュート37Bの下端開口71Bはホッパー11に連通しているので、扉ユニット2Bの扉側ケース収納部33Bのタブレットケースからは薬剤の供給を行うことができる。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、上部に本体側ケース収納部を備える本体と、本体側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、本体側ケース収納部に設けられ、各タブレットケースから排出された薬剤が落下する本体側シュートと、この本体側シュート下方であって本体内に設けられたホッパーと、本体側ケース収納部の前面開口を開閉自在に閉塞する複数の扉ユニットと、各扉ユニットに構成された扉側ケース収納部と、この扉側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、各扉ユニットに設けられ、扉側ケース収納部内の各タブレットケースから排出された薬剤が落下する扉側シュートとを備えているので、装置全体の設置スペースに対して薬剤収納容量の著しい拡大を図ることができるようになる。
【0059】
特に、各扉ユニットは本体側ケース収納部の前側であって横方向に移動自在に設けられ、本体側ケース収納部を開閉すると共に、何れの位置においても各扉ユニットの扉側シュートはホッパーに連通するよう構成したので、扉ユニットを移動して、本体側ケース収納部の前面開口を開き、当該ケース収納部への薬剤の補充を行っている最中にも、扉ユニット内の扉側ケース収納部に取り付けたタブレットケースから薬剤の排出を行わせることができるようになり、使用性の向上と供給動作の迅速化を実現することができるようになるものである。
【0060】
また、前記扉側シュートの下端開口の移動範囲に渡ってホッパーとの連通部を形成すると共に、扉側シュートの下端開口が存在する部分以外の連通部を閉塞する手段を設けたので、扉側シュートとホッパーとの連通部からホッパー内に異物や他の薬剤が落下する不都合を防止することができるようになるものである。
【0061】
請求項2の発明によれば、上記に加えて本体背面に着脱可能に連結される増設ユニットを備えており、この増設ユニットは、増設側ケース収納部と、この増設側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、増設側ケース収納部内の各タブレットケースから排出された薬剤が落下する増設側シュートとを有すると共に、本体背面に連結された状態で、この増設側シュートが、本体のホッパーに連通するように構成したので、業務の拡張に応じて増設ユニットを取り付けることにより、更なる大容量化を極めて容易に実現することが可能となるものである。
【0062】
請求項3の発明によれば、上記各発明に加えて本体側シュート内、扉側シュート内及びホッパー下端、又は、本体側シュート内、扉側シュート内、増設側シュート内及びホッパー下端に、それぞれ開閉自在のシャッターを設けたので、各シャッターにより、各ケース収納部内のタブレットケースからそれに対応する各シュートに排出された薬剤を保持し、タイミングを制御して排出することにより、数多く設置されたタブレットケースからの薬剤の排出を並行処理できるようになり、迅速な薬剤供給を実現することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬剤供給装置の斜視図である。
【図2】本発明の薬剤供給装置の一部透視正面図である。
【図3】本発明の薬剤供給装置の一部透視側面図である。
【図4】本発明の薬剤供給装置の一部透視平面図である。
【図5】タブレットケースの側面図である。
【図6】タブレットケースの斜視図である。
【図7】本発明の薬剤供給装置のシュート中に設けられたシャッターの斜視図である。
【図8】本発明の薬剤供給装置のホッパー下端のシャッターの一部切欠側面図である。
【図9】本発明の薬剤供給装置の制御装置の機能ブロック図である。
【図10】本発明の薬剤供給装置の制御装置のデータテーブルを示す図である。
【図11】本発明の薬剤供給装置の制御装置を構成するマイクロコンピュータのプログラムを示すフローチャートである。
【図12】同じくマイクロコンピュータのプログラムを示すフローチャートである。
【図13】本発明の薬剤供給装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図14】シュート下端にシャッターを設けた場合の動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 薬剤供給装置
2A、2B 扉ユニット
3、4、6 タブレットケース
7 本体
8 本体側ケース収納部
9 増設ユニット
11 ホッパー
12 シャッター
22 本体側シュート
24、39A、39B、43 シャッター
33A、33B 扉側ケース収納部
37A、37B 扉側シュート
41 増設側ケース収納部
42 増設側シュート
61 制御装置
69 マイクロコンピュータ
72A、72B 連通部
73A、73B 蓋部材
Claims (3)
- 上部に本体側ケース収納部を備える本体と、前記本体側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、前記本体側ケース収納部に設けられ、前記各タブレットケースから排出された薬剤が落下する本体側シュートと、この本体側シュート下方であって前記本体内に設けられたホッパーと、前記本体側ケース収納部の前面開口を開閉自在に閉塞する複数の扉ユニットと、各扉ユニットに構成された扉側ケース収納部と、この扉側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、前記各扉ユニットに設けられ、前記扉側ケース収納部内の各タブレットケースから排出された薬剤が落下する扉側シュートとを備え、前記各扉ユニットは前記本体側ケース収納部の前側であって横方向に移動自在に設けられ、前記本体側ケース収納部を開閉すると共に、何れの位置においても各扉ユニットの扉側シュートは前記ホッパーに連通するよう前記扉側シュートの下端開口の移動範囲に渡ってホッパーとの連通部を形成し、前記下端開口が存在する部分以外の前記連通部を閉塞する手段を設けたことを特徴とする薬剤供給装置。
- 本体背面に着脱可能に連結される増設ユニットを備え、この増設ユニットは、増設側ケース収納部と、この増設側ケース収納部内に取り付けられ、それぞれ薬剤を収納する複数のタブレットケースと、前記増設側ケース収納部内の各タブレットケースから排出された薬剤が落下する増設側シュートとを有すると共に、前記本体背面に連結された状態で、この増設側シュートは、本体のホッパーに連通することを特徴とする請求項1の薬剤供給装置。
- 本体側シュート内、扉側シュート内及びホッパー下端、又は、前記本体側シュート内、前記扉側シュート内、増設側シュート内及び前記ホッパー下端には、それぞれ開閉自在のシャッターを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2の薬剤供給装置。
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