JP3619540B2 - 光学デバイス用材料・光学デバイス・光学デバイス製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、光学デバイス用材料・光学デバイス・光学デバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
凹曲面形状を持つ新規な光学デバイス製造方法として、「光学材料の表面に形成されたフォトレジストの膜に、中央から周辺へ向かって光強度が減少もしくは増大する光強度分布による露光を行い、露光されたフォトレジスト部分もしくは露光されなかったフォトレジスト部分を除去することにより、フォトレジスト表面に凹曲面形状を形成し、次いで、フォトレジストの膜及び光学材料に対してエッチングを行うことによって、上記フォトレジスト表面の凹曲面形状に対応した凹曲面形状を光学材料表面に形成する方法」が知られている(特開平5−173003号公報:第11欄第17〜20行、図3、第13欄第21〜25行)。
【0003】
この方法は、有効な方法であるが、露光できるフォトレジストの膜の厚みにはおのずと制限があり、このため、光学材料に形成される凹曲面の深さにも制限があり、必ずしも「所望」の凹曲面を持った光学デバイスの製造は容易でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、所望の深さや曲率を有する新規な光学デバイスの提供を目的とする(請求項12,18)。
【0005】
この発明の別の目的は、形成する凹曲面の、深さや曲率に対する自由度が大きく、所望の深さや曲率を持った光学デバイスを容易且つ確実に製造できる新規な光学デバイス製造方法を提供することである(請求項1〜11,15〜17)。
【0006】
この発明の他の目的は、上記光学デバイス製造方法の実施に用いる新規な光学デバイス用材料の提供にある(請求項13,14)。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の光学デバイス製造方法(請求項1〜11)は、「所望の凹曲面形状を1以上有する光学デバイスを製造する方法」である。「凹曲面形状」は、例えば、透明なデバイス材料に形成された場合には、負のパワーを持った屈折面として利用出来、この場合、光学デバイスは凹レンズもしくはマイクロ凹レンズ、あるいは凹レンズアレイもしくはマイクロ凹レンズアレイ(凹曲面の数が2以上の場合)として利用できる。
【0008】
また、1以上の凹曲面形状を形成された光学デバイスは、これを凸曲面形成用の「母型」として用いることができ、あるいは、凹曲面部分に反射膜を形成することにより、凹面鏡もしくはマイクロ凹面鏡、あるいは凹面鏡アレイもしくはマイクロ凹面鏡アレイとして利用することができる。
【0009】
初めに、参考例として説明する光学デバイス製造方法は、転写工程と、エッチング工程とを有する。
「転写工程」は、デバイス材料に形成するべき所望の凹曲面形状に対応する凸曲面形状を1以上有する母型を用い、上記1以上の凸曲面形状を転写材の表面に転写し、上記母型の凸曲面形状に応じた1以上の凹曲面形状を表面形状として持つ転写材の層を、デバイス材料の表面上に形成する工程である。
「エッチング工程」は、転写材およびデバイス材料に対して異方性のドライエッチングを行い、上記1以上の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に所望の凹曲面を1以上形成する工程である。
【0010】
上記「転写材」は、母型の持つ1以上の凸曲面形状に従って変形し、母型の分離後、変形状態を維持でき、異方性のエッチングが可能なものであれば何でも良い。
転写材として好適なものとして、紫外線硬化樹脂等の各種「光硬化性材料」を挙げることができる。
光硬化性材料は「光に反応する反応促進剤を内部に有し、光が照射されるとラジカルを発生する物質によって硬化反応が進行する構成物質からなる有機高分子材料」であり、この中には、光を照射することによって硬化反応が進行するものも含まれる。
【0011】
光硬化性樹脂を転写材として用いる場合は、転写工程において、転写材に光照射しつつ、母型から1以上の凸曲面の転写を行うことができる。この場合、硬化用の光を照射できるためには、母型およびデバイス材料のうちの、少なくとも一方は、照射光に対して透明である必要があり、これらのうちの透明なものを介して硬化用の光を照射する。
【0012】
転写材として好適なものの他の例としては、「熱硬化性材料もしくは熱可塑性材料」を挙げることができる。
熱硬化性材料は「硬化温度以上の温度で、熱により高分子材料の橋かけ反応が進行し、加熱時の形状がそのまま保持される有機高分子材料」である。
熱可塑性材料は「加熱により変形可能な状態となり、加熱を停止することにより変形状態を維持することができ、ドライエッチングの可能なもの」であれば何でも良く、各種レジストや、「光感光性のラジカル発生剤が添加されていない有機材料」を用いることが出来る。レジストとしては、公知のフォトレジストを用いても良い。
【0013】
熱可塑性材料の具体的な例としては、ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ポリウレタンやポリグリシジルメタクリレ−ト樹脂等のメタクリレ−ト類を挙げることが出来る。
【0014】
これら熱硬化性材料もしくは熱可塑性材料を転写材として用いる場合には、転写工程において、転写材を加熱しつつ、母型の1以上の凸曲面の転写を行うことができる。
【0015】
この場合、熱硬化性材料の転写材の場合は、当初は変形可能な状態であり、母型の凸曲面形状に応じて変形させた後、もしくは変形させつつ加熱により硬化させて変形状態を固定する。
【0016】
また、熱可塑性材料の転写材の場合には、当初、固体状態である転写材に母型の凸曲面形状を押圧しつつ転写材を加熱し、軟化状態で凸曲面形状を転写し、その後、加熱を停止して変形状態を固定する。転写材が上述のフォトレジストである場合には、上記加熱が所謂「プリベーク」に相当する。
【0017】
上記参考例の光学デバイス製造方法では、転写工程の最後は「母型と転写材の層との剥離」であるが、この剥離を容易にするため、母型の表面に、真空蒸着による金属化合物材料や有機フッ素化合物のように、表面で分子間力の大きな物質からなる材料で構成される物質層を形成したり、あるいは、フッ素化合物ガスを導入した雰囲気条件下で母型表面をプラズマ処理し、表面をフッ素化して表面での接触角度の大きな状態に処理する等の「表面処理」を行った母型を利用することができる。
【0018】
あるいはまた、上記「剥離」の際に、母型と転写材の層との間に「温度差」を与え、所謂「ヒートショック」を利用して剥離を行っても良い。
【0019】
「母型」は、アルミニウムや銅、ステンレス等の各種金属や石英や合成石英等を材料として形成することができる。
母型の表面に形成される1以上の凸曲面形状の形成方法としては、例えば、前述の特開平5−173003号公報の請求項16に記載された方法、即ち、「母型材料の表面上に形成された概ね平滑な上端面を有するフォトレジスト膜に、フォトリソグラフィ法によってパターンを形成して円柱状または楕円柱状のフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜を熱処理して、このフォトレジスト膜の概ね平坦な上端面を凸曲面に変形させ、母型材料の表面および前記変形したフォトレジスト膜をエッチングして、フォトレジスト膜の前記凸曲面に類似した少なくとも1つの凸曲面形状を母型材料の表面に形成する方法」を利用できる。この方法は、母型の凸曲面形状の曲率半径が比較的に大きい場合に有効である。
【0020】
あるいは、「母型材料の表面に可塑性材料(熱可塑性材料を含む)の所望の厚さの層を形成し、この可塑性材料層の上に直接、もしくは厚さ2000〜10000ÅのSiや金属の中間層を介して、フォトレジストの薄層を形成し、この薄層に凸曲面形状の端面形状をフォトリソグラフィによりパターニングし、パターニングされたフォトレジストの薄層をマスクとして、異方性のエッチングを行って、上記可塑性材料層に上記端面形状に対応する3次元のレリーフ状パターンを形成し、次いで、レリーフ状パターンに対して、熱及び/または圧力を作用させて、可塑性材料層の表面を凸曲面化し、しかるのちに異方性のエッチングを行って、凸曲面化した可塑性材料の表面形状を母型材料に彫り写すことにより、1以上の凸曲面形状を母型材料の表面に形成する方法」を利用することもできる。こ
の方法は、凸曲面形状の曲率半径が小さい場合にも有効である。
【0021】
なお、母型に形成された1以上の個々の凸曲面形状の平面的な形、即ち、凸曲面形状を母型表面に直交する方向から見た形状は、円形、楕円形、多角形、長方形、スリット状等、種々の形状が可能である。
【0022】
また、転写工程を実行するに際しては、予め、デバイス材料上に転写材の層を形成したものに母型を押し当てて転写を行っても良いし、母型の凸曲面形状の形成された面に流動性の転写材を塗布し、転写材を硬化後、デバイス材料上に転写材を固定しても良く、あるいは上述の如く流動性の転写材の塗布後、転写材を母型とデバイス材料で挾持した状態で硬化を行っても良い。さらには、母型とデバイス材料とを近接対向させ、両者の間隙に、流動性の転写材を流し込み、もしくは注入してから硬化させてもよい。
【0023】
請求項1記載の光学デバイス製造方法は、パターニング工程と、充填工程と、熱処理工程と、エッチング工程とを有する。
「パターニング工程」は、デバイス材料の表面上に形成された「非熱変形性の感光性材料」の層にパターニングを行い、上記1以上の凹曲面形状のパターンに相当する部分の感光性材料が除去された3次元のレリーフ状パターンを形成する工程である。
【0024】
「非熱変形性の感光性材料」は、露光によるパターニングが可能な感光性材料のうちで、350度程度以上の高温度に加熱しても熱変形しないものであり、具体的には、高温耐熱性の高いポリイミド系の感光性材料を挙げることができる。
ポリイミド系の感光性材料は、「光照射された部分で光透過率が上昇する」性質を持つため、デバイス材料上に厚い層に形成しても、厚み方向全域に渡って露光を行うことができる。
【0025】
「充填工程」は、上記レリーフ状パターンに、「感光性材料と親和性の良い熱可塑性材料」を塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する工程である。
「熱処理工程」は、充填工程後に熱処理を行い、充填された熱可塑性材料を熱変形せしめて1以上の凹曲面形状を創成する工程である。
「エッチング工程」は、熱処理工程後の感光性材料・熱可塑性材料およびデバイス材料に対し、異方性のエッチングを行うことにより、上記1以上の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に所望の凹曲面形状を1以上形成する工程である。
【0026】
請求項2記載の光学デバイス製造方法は、パターニング工程と、第1エッチング工程と、充填工程と、熱処理工程と、エッチング工程とを有する。
「パターニング工程」は、デバイス材料の表面上に形成された感光性材料の薄層にパターニングを行い、上記1以上の凹曲面形状のパターンに相当する部分の感光性材料が除去されたパターンを形成する工程である。
【0027】
「第1エッチング工程」は、感光性材料によるパターンとデバイス材料に対して異方性のエッチングを行って、デバイス材料に上記パターンに応じた3次元のレリーフ状パターンを形成する工程である。
「充填工程」は、デバイス材料に形成されたレリーフ状パターンに、デバイス材料と親和性の良い熱可塑性材料を塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する工程である。
「熱処理工程」は、充填工程後に熱処理を行い、充填された熱可塑性材料を熱変形せしめて1以上の凹曲面形状を創成する工程である。
【0028】
「エッチング工程」は、熱処理工程後の熱可塑性材料およびデバイス材料に対し、異方性のエッチングを行うことにより、1以上の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に所望の凹曲面形状を1以上形成する工程である。
【0029】
請求項3記載の光学デバイス製造方法は、パターニング工程と、第1および第2エッチング工程と、充填工程と、熱処理工程と、エッチング工程とを有する。
【0030】
「パターニング工程」は、デバイス材料の表面上に、「中間層」を介して形成された感光性材料の薄層にパターニングを行い、上記1以上の凹曲面形状のパターンに相当する部分の感光性材料が除去されたパターンを形成する工程である。
【0031】
「中間層」は、Si等の非金属や、Al,Cu等の金属による2000〜10000Åの厚さの層で、蒸着やスパッタリングにより形成される。
【0032】
「第1エッチング工程」は、感光性材料によるパターンと中間層とに対して異方性のエッチングを行い、上記パターンを中間層に彫り写す工程である。この第1エッチング工程は、中間層が、Si等の非金属によるもの(厚さは2000〜5000Åが好適である)あるいは、ある種の反応性ガスでドライエッチングされるMo,Al等の金属材料によるものであるときはドライエッチングで行うことができ、中間層が、ドライエッチングできない金属によるもの(厚さは2000〜10000Åが好適である)であるときには、ウエットエッチングにより行う。中間層は層厚が極めて薄いので、エッチングは異方性でも等方性でもよい。
【0033】
「第2エッチング工程」は、パターンを彫り写された中間層をマスクとしてデバイス材料に対する異方性エッチングを行い、3次元のレリーフ状パターンをデバイス材料に形成する工程である。
「充填工程」は、中間層とデバイス材料に形成されたレリーフ状パターンに、少なくともデバイス材料と親和性の良い熱可塑性材料を塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する工程である。
【0034】
「熱処理工程」は、充填工程後に熱処理を行い、充填された熱可塑性材料を熱変形せしめて1以上の凹曲面形状を創成する工程である。
【0035】
「エッチング工程」は、熱処理工程後の中間層と熱可塑性材料およびデバイス材料に対し、異方性のエッチングを行うことにより、上記1以上の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に所望の凹曲面形状を1以上形成する工程である。
【0036】
上記請求項2および3記載の発明における「感光性材料」は、フォトリソグラフィによるパターニングが可能なものであれば何でも良く、公知の各種フォトレジストを使用できる。
【0037】
また、感光性材料の「薄層」の厚さは、パターニング工程により形成されるパターンの断面形状が「ダレた」形状とならず、きちんとした方形状のパターンを形成できる厚さであり、1μm以下、好ましくは0.5μm以下である。
【0038】
請求項3記載の光学デバイス製造方法においては、熱処理工程後に「中間層を除去する工程」を設けることが出来る(請求項4)。
【0039】
また、前記請求項1〜4記載の光学デバイス製造方法においては、「エッチング工程後、充填工程からエッチング工程までを繰り返して行い、その際に、少なくとも充填工程と熱処理工程とを1回以上の所望回数行う」ことができる(請求項5)。
【0040】
即ち、請求項1〜4記載の光学デバイス製造方法における、エッチング工程後、さらに充填工程からエッチング工程までを繰り返して行うが、「充填工程と熱処理工程と」を1連の工程として所望回数繰り返したのち、最後にエッチング工程を実行しても良いし、「充填工程からエッチング工程まで」を1連の工程として複数回繰り返しても良い。
【0041】
また、請求項1〜5記載の光学デバイス製造方法においては、「エッチング工程における選択比を、連続的および/または段階的に変化させることにより、デバイス材料に形成される1以上の凹曲面形状を非球面とする」ことができる(請求項6)。また、上に参考例として説明した光学デバイス製造方法においても、「エッチング工程における選択比を、連続的および/または段階的に変化させることにより、デバイス材料に形成される1以上の凹曲面形状を非球面とする」ことができる(請求項7〜9)。
【0042】
上に説明した、請求項1〜9記載の光学デバイス製造方法において用いられる「デバイス材料」はエッチングが可能なものであれば特に制限無く使用することができ、石英や合成石英、BK−7等の各種ガラス等、あるいはNd:YAG,Nd:YAB,Nd:YVO4,Nd:YLiF4等、特開平173003号公報第7欄第30〜33行開示により公知の、各種レーザー材料、KNbO3、KTiOPO4等の非線形物質等、或いは各種結晶等の透明な材料を用いることが出来ることは言うまでもないが、デバイス材料として、「金属材料もしくはセラミックス材料」を用いることもでき(請求項10)、この場合、製造された光学デバイスは、前述のように「凸曲面形成用の母型」として使用できる。
【0043】
また、上記請求項1〜9記載の光学デバイス製造方法においては、デバイス材料として、「透明な基体の表面に、上記基体と屈折率の異なる材料による凹曲面形成層が所望の厚さに形成されたもの」を用い、1以上の所望の凹曲面形状を凹曲面形成層に形成してもよい(請求項11)。このように、デバイス材料は、透明な基体と凹曲面形成層とにより複合的に構成されることができる。
【0044】
請求項12記載の光学デバイスは、上記請求項1〜11記載の何れかの方法により製造される光学デバイス自体である。
【0045】
請求項13記載の「光学デバイス用材料」は、デバイス材料の表面上に、非熱変形性の感光性材料層の薄層が形成されたものであり、請求項1記載の光学デバイス製造方法に使用される。
【0046】
また、請求項14記載の「光学デバイス用材料」は、デバイス材料の表面上に、所望の厚さの中間層と感光性材料層の薄層とが、デバイス材料表面側から上記順序に積層形成され、請求項3記載の光学デバイス製造方法に使用される。この場合も、「デバイス材料」自体は、透明な材料のみならず、請求項10記載の発明におけるように、金属やセラミックス材料によるものでもよいし、請求項11記載の発明におけるように、複合的な構成のものであってもよい。
【0047】
また請求項1〜6、10、11記載の光学デバイス製造方法において用いられる「熱可塑性材料」は、充填される相手型に対する親和性を有することを条件として、参考例の説明に即して先に挙げた熱可塑性材料のうちから適宜のものを選択して使用することができる。
【0048】
また、請求項1〜9記載の発明におけるエッチング工程で行うエッチングは「ECRプラズマエッチング」が好適である。
【0049】
請求項15記載の光学デバイス製造方法は、所望の凹曲面形状としての「凹球面形状」を1以上有する光学デバイスの製造方法であり、転写工程と、面形状補正工程と、エッチング工程とを有する。
【0050】
「転写工程」は、所望の「凹球面」形状に対応する凸球面形状を1以上有する母型を用いて1以上の「凸球面」形状を転写材の表面に転写し、母型の凸球面形状に応じた1以上の凹曲面形状を表面形状として持つ転写材の層を、デバイス材料の表面上に形成する工程である。
【0051】
「面形状補正工程」は、転写工程後の転写材の層の表面に、「転写材と同成分の流動性材質」のスピナーによる塗布と固化とを1回以上行って、転写工程により形成された凹曲面形状を凹球面形状に近付ける工程である。
【0052】
「エッチング工程」は、転写材およびデバイス材料に対し、「目的形状とする所望の凹球面形状に応じて選択比を調整し」つつドライエッチングを行い、「面形状補正工程により凹球面形状に近付けられた1以上の凹球面形状」をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に上記所望の凹球面形状を1以上形成する工程である。
【0053】
請求項16記載の光学デバイス製造方法は、所望の凹曲面形状としての「凹球面形状」を1以上有する光学デバイスの製造方法であり、パターニング工程と、第1エッチング工程と、充填工程と、熱処理工程と、面形状補正工程と、エッチング工程とを有する。
【0054】
「パターニング工程」は、デバイス材料の表面上に形成された感光性材料の薄層にパターニングを行い、1以上の凹球面形状のパターンに相当する部分の感光性材料が除去されたパターンを形成する工程である。
【0055】
「第1エッチング工程」は、感光性材料によるパターンとデバイス材料に対してドライエッチングを行って、上記パターンに応じた3次元のレリーフ状パターンをデバイス材料に形成する工程である。
【0056】
「充填工程」は、デバイス材料に形成された3次元のレリーフ状パターンに、デバイス材料と親和性の良い流動性の熱可塑性材料をスピナー塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する工程である。
【0057】
「熱処理工程」は、充填工程後に熱処理を行い、充填された熱可塑性材料を熱変形せしめて1以上の凹曲面形状を創成する工程である。
【0058】
「面形状補正工程」は、熱処理工程後に、上記流動性の熱可塑性材料のスピナー塗布と、熱処理とを1回以上行い、創成される凹曲面形状を所望の凹球面形状に近付ける工程である。
【0059】
「エッチング工程」は、面形状補正工程後の熱可塑性材料およびデバイス材料に対し、ドライエッチングを行うことにより、上記1以上の凹球面形状(面形状補正工程により補正された面形状)をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に所望の凹球面形状を1以上形成する工程である。
【0060】
上記請求項15または16記載の光学デバイス製造方法における「面形状補正工程」において、「流動性材質」もしくは「熱可塑性材料」のスピナー塗布を複数回行い、流動性材質もしくは熱可塑性材料の「流動性と塗布条件」を、塗布ごとに調整することができる(請求項17)。
【0061】
請求項15〜17記載の光学デバイス製造方法におけるデバイス材料も、請求項1〜9記載の発明において用いられるデバイス材料と同様に、ドライエッチングが可能なものであれば特に制限無く用いることができる。
【0062】
請求項18記載の光学デバイスは、上記請求項15〜17記載の光学デバイス製造方法の任意の1により製造される光学デバイスである。
【0063】
【作用】
図1を参照して参考例の光学デバイス製造方法を説明する。
図1(a)において、符号10はデバイス材料を示す。デバイス材料10の平坦な表面に、所望の厚さに転写材11の層が形成されている。この例では、転写材11は光硬化性材料である「紫外線硬化樹脂」であり、図1(a)の状態において「軟質状態」である。
【0064】
図1(b)において、符号12は、母型を示している。母型12は、この例において、前述の合成石英等の透明な材料で形成され、その表面には、デバイス材料10に形成すべき凹曲面形状に対応する1以上の凸曲面形状19が形成されている。
【0065】
(b)〜(c)に示すように、転写材11の層の表面に、母型12の凸曲面形状19を有する面を押しつける。このとき、転写材11の層は「軟質状態」であるので、その表面は、母型12の表面の1以上の凸曲面形状19に従って変形する。
【0066】
この状態で、(c)に示すように、母型12を介して紫外線U.Vを照射し、転写材11を硬化させる。転写材11が硬化したら母型12を分離する(d)。
このとき前述のように、母型12と転写材11とに温度差を与え、「ヒートショック」を利用すると、分離を容易に行うことができる。
【0067】
あるいはまた、デバイス材料10を透明材料とし、硬化のための紫外線照射をデバイス材料10を介して行うようにする場合には、母型12の表面に、前述の金属薄膜等の離型膜を形成したり、離型処理を施したりすることができる。
【0068】
図1の(a)〜(d)が「転写工程」である。転写材が「熱硬化性樹脂」の場合には、加熱によって硬化させることはいうまでもない。また、転写材が「熱可塑性材料」である場合には、加熱により転写材を軟化させつつ、母型12を押圧して表面形状を転写する。
【0069】
図1では、転写材11をデバイス材料10上に形成しているが、後述する具体例のように、母型12上に転写材11を形成し、これにデバイス材料10を密着させても良い。このようにすると、気泡を取り除く「脱泡」が容易と成る利点がある。
【0070】
転写工程後は、図1(d)に示すように、転写材11の表面に、母型12の表面の1以上の凸曲面形状19に対応する1以上の凹曲面形状が形成されている。
そこで、この状態から、異方性のエッチングを、転写材11とデバイス材料10とに行い、転写材11の表面の1以上の凹曲面形状をデバイス材料10に彫り写すエッチング工程を実行すると、図1(e)に示すように、所望の凹曲面形状を1以上有する光学デバイスを得ることができる。
【0071】
このエッチング工程の際、転写材11に対するエッチング速度と、デバイス材料10に対するエッチング速度の比、即ち、選択比を1とすれば、母型12の表面の凸曲面形状19にそのまま対応する凹曲面形状をデバイス材料10に彫り写すことができ、選択比を1より小さく(大きく)することにより、デバイス材料10に形成される凹曲面形状の曲率半径を大きく(小さく)することができる。
また、母型12の凸曲面形状が凸球面形状の場合、エッチング工程の際に、選択比を連続的および/または段階的に変化させることにより、デバイス材料10に彫り写される凹曲面形状を「非球面化」することができる(請求項7〜9)。
【0072】
図2を参照して請求項1記載の発明を説明する。繁雑を避けるため、混同の虞れが無いと思われるものについては、図2以下においても、図1におけると同一の符号を用いる。
【0073】
図2(a)において、デバイス材料10の平坦な表面に、所望の厚さに非熱変形性の感光性材料21が積層されている。この構成が、請求項13記載の「光学デバイス用材料」の基本的な構成である。
【0074】
(a)に示すように、所望の凹曲面形状の配列パターンに対応するマスク100を用いて感光性材料21の露光を行い、感光性材料21の「光照射された部分」を除去すると、(b)に示すように、感光性材料21の層がパターニングされ、凹曲面形状のパターンに相当する部分が除去された3次元のレリーフ状パターンが得られる。この3次元のレリーフ状パターンは、厚み方向に直交する任意の断面形状が表面の形状と同一の形状を有している。
【0075】
パタ−ニング工程後、図2(c)に示すように、熱可塑性材料22を、上記3次元のレリーフ状パターンに塗布し、図2(c)に示すようにレリーフ状パターンの凹部に充填する(充填工程)。
【0076】
熱可塑性材料は、感光性材料21とは基本成分が全く異なる構成からなり、熱処理すると熱変形する材料であって、尚且つ、感光性材料21と親和性が良い。
熱可塑性樹脂22の塗布は、フォトリソグラフィ−法と同様の方法で行うことができる。
【0077】
次いで、加熱による熱処理を行う(熱処理工程)。熱可塑性材料22は加熱により流動性を帯び、感光性材料21との親和性、表面張力、重力の作用等によって変形し、図2(d)に示すような凹曲面状態23が表面形状としてとして創成される。
【0078】
もし、感光性材料21が「非熱変形性」でないと、上記熱処理工程の際に、感光性材料21自体も熱変形するため、熱可塑性材料22の表面に創成される凹曲面形状23の形状精度が低下し、結果的に、所望の凹曲面形状をデバイス材料10に精度良く形成することができなくなってしまうが、請求項1記載の発明では上記のように感光性材料21として「非熱変形性」のものを用いるので、熱処理工程の際に、感光性材料21のレリーフ状パターンは変形せず、従って、精度の良い凹曲面形状をデバイス材料10に形成することが可能になる。
【0079】
前記3次元のレリーフ状パターンを厚み方向から見て、感光性材料21の除去された部分の形状が円形なら凹曲面形状23は凹球面形状であるし、上記形状が、図面に直交する方向を長手方向とするスリット状であるならば、凹曲面形状23は凹のシリンダ面となる。要するに、熱可塑性材料22の表面形状として形成される凹曲面形状23は、パターニングされたパターンに応じたものとなる。
【0080】
また、熱可塑性材料22の「粘度および塗布方法」により、充填された部分に含まれる熱可塑性材料22の高分子物質の実質量(熱可塑性材料の重量である)が異なり、これらの因子を変化させることによって、凹曲面形状23の曲率を変化させることができる。即ち、具体的には、粘度が低い場合や、スピナ−塗布回転数が速い場合には、充填部における熱可塑性材料23の実質量が少なく曲率は大きくなる。
【0081】
熱処理工程後、エッチング工程を行う。即ち、図2(d)の状態から異方性のドライエッチングを行って、熱可塑性材料23の表面形状として創成された「凹曲面形状」をデバイス材料10に彫り写す。この「エッチング工程」は、ECRプラズマエッチングのドライエッチングで行うことが望ましい。
【0082】
また、エッチング工程における選択比を1から異ならせれば、デバイス材料10に彫り写される凹曲面形状は、熱可塑性材料23に創成された凹曲面形状を、その高さ方向に「一律に拡大もしくは縮小した形状」となるが、いずれにしても、感光性材料層に対応した形状となる。
【0083】
エッチング工程において、選択比を連続的および/または段階的に変化させることにより、デバイス材料に彫り写される凹曲面形状の形状を非球面化できることは言うまでもない。
【0084】
なお、図2では、デバイス材料10に一度に複数の凹曲面形状を形成する場合が描かれているが、形成する凹曲面形状は、勿論1つでも良い。
【0085】
図3を参照して、請求項2記載の発明を説明する。
図3(a)において、デバイス材料10の平坦な表面に感光性材料31の「薄層」が形成されている。(a)に示すように、感光性材料31の層に、図2の例と同様、マスク100を用いて露光を行い、感光性材料31の光照射された部分を除去する(図3(b))。
【0086】
このようにして感光性材料31の薄層がパターニングされ、凹曲面形状のパターンに相当する部分が除去されたパターンが形成される(パターニング工程)。
【0087】
次いで、図3(c)に示すように、パタ−ニングされた感光性材料31によるパターンをマスクとして、デバイス材料10を所望の深さだけ異方性エッチングする(第1エッチング工程)。
【0088】
このようにして、デバイス材料の表面に、上記感光性材料31のパターンに応じた3次元のレリーフ状パターンが形成される。
次に、感光性材料31を除去する。除去した後の状態を図(d)に示す。
【0089】
続いて、図3(e)に示すように、感光性材料31と基本成分が同じ構成からなる熱可塑性材料32をフォトリソグラフィ−法と同様の方法で塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する(充填工程)。
【0090】
次いで、加熱により熱処理工程を行うと、熱可塑性材料32は、デバイス基板10との親和性や表面張力、重力の作用等によって変形し、図3(e)に示すような凹曲面形状33が表面形状として創成される。
【0091】
第1エッチング工程でデバイス材料10に形成されるレリーフ状パターンの凹部の深さ、熱可塑性材料32の粘度および塗布方法によって、充填された部分に含まれる熱可塑性材料の高分子物質の実質量が異なり、これらの因子を変化させることによって、凹曲面形状33の曲率が変化する。
【0092】
最後に、エッチング工程を行う。即ち、図3(f)の状態から異方性のドライエッチングを行って、熱可塑性材料32で形成された「凹曲面形状」をデバイス材料10に彫り写す。「エッチング工程」は、ECRプラズマエッチングのドライエッチングで行うことが望ましい。
【0093】
図4を参照して、請求項3記載の発明を説明する。
図4(a)において、デバイス材料10の平坦な表面に、所望の厚さに中間層41が形成され、この上に感光性材料42の薄層が形成されている。この構成が、請求項14記載の「光学デバイス用材料」の基本的な構成である。
【0094】
図4(a)に示すようにマスク100を用いて、請求項2記載の発明と同様にパターニング工程を行い、感光性材料42の薄層に、凹曲面形状のパターンに相当する部分の感光性材料を除去したパターンを形成する(図4(b))。
【0095】
図4(c)は、パタ−ニング工程後、感光性材料42のパターンをマスクとして中間層41に対しウエットまたはドライエッチングにより、第1エッチング工程を実行し、感光性材料42によるパターンを中間層41に彫り写した後の状態を示している。
【0096】
続いて、中間層41をマスクとしてデバイス基板10を所望の深さだけエッチングし、中間層41のパターンに対応した3次元のレリーフ状パターンをデバイス材料に形成する第2エッチング工程を行う(図4(d))。
【0097】
次いで、熱可塑性材料43を塗布する充填工程を行い、レリーフ状パターンの凹部に熱可塑性材料43を充填し(図4(e))、さらに、加熱により熱処理工程を行うと、熱可塑視材料43は、デバイス基板10及び中間層41との親和性や表面張力、重力の作用等によって変形し、図4(f)に示すような凹曲面形状44が表面形状として創成される。
【0098】
第2エッチング工程でエッチングしたデバイス材料10の深さと熱可塑性材料43の温度・粘度および塗布方法によって、充填された部分に含まれる材料の高分子物質の実質量が異なり、これらの因子を変化させることによって、凹球面形状44の曲率が変化する。
【0099】
最後に、エッチング工程を行う。即ち、図(f)の状態から異方性のドライエッチングを行って、熱可塑性材料43の表面に創成された凹曲面形状44をデバイス材料に彫り写す(図(g))。「エッチング工程」は、ECRプラズマエッチングのドライエッチングで行うことが望ましい。
【0100】
図3に示す請求項2記載の発明と、図4に示す請求項3記載の発明とを比較すると、請求項3記載の発明では、デバイス材料10と感光性材料42との間に中間層41が介設されている。
【0101】
中間層41を設けているのは、次の様な理由による。
即ち、レリーフ状パターンの凹部に充填した熱可塑性材料に対し熱処理工程を行うと、レリーフ状パターンに接している部分で熱可塑性材料が盛り上がり、熱可塑性材料により形成された凹曲面形状の縁の部分が、凹曲面を縁取るように、レリーフ状パターンの凹部の縁に突出することがある。
【0102】
「中間層」が無い場合には、この突出した盛り上がり部分が、デバイス材料に彫り写されるため、デバイス材料の表面形状として形成される凹曲面形状と凹曲面の径に「ばらつき」が発生する虞れがある。
【0103】
しかるに、請求項3記載の発明では、中間層41が設けられているために、上記縁取り状の突出部は、エッチング工程の際に、中間層41とともにエッチングされてしまい、デバイス材料に彫り写されることがなく、デバイス材料に形成される凹曲面形状に影響を与えない。
【0104】
また、請求項4記載の発明では、熱処理工程後に「中間層を除去する工程」を有する。この処理を行っても、上記縁取り状の熱可塑性材料は中間層と同時に除去されるため、凹曲面形状を創成する妨げとならない。
【0105】
図5を参照して、請求項5記載の発明を説明する。
【0106】
図5(a)は、符号10で示すデバイス材料に、前記図2〜4記載の方法により、3次元のレリーフ状パターン形成し、その凹部に熱可塑性材料51を充填した状態を示している。図5(b)は、図2〜4に示した方法によって、凹曲面形状を熱可塑性材料51の表面形状として創成した状態を示している。
【0107】
図5(b)の状態からエッチング工程を行うと、デバイス材料10に凹曲面形状52が形成される(図5(c))。このとき、レリーフ状パターンの深さや、凹部の大きさ、エッチング条件等によっては、図5(c)に示すように、凹曲面形状52は「口径が大き」過ぎたり、もしくは「曲率が小さ」過ぎたりし、凹曲面形状52の底面部は、デバイス材料10の平面部と平行な面を含んでいる。
【0108】
このような「平底状の凹曲面形状」も有用であるが、場合によっては、所望の形状でない場合もある。
【0109】
このような「平底状の凹曲面形状」が所望の形状でなく、「レリーフ状パターンの口径よりも小さい凹曲面形状もしくは曲率の大きい凹曲面形状」が求められる場合に、これを達成するのが請求項5記載の発明である。
【0110】
図5(c)に示す凹曲面形状52の、「口径が大きすぎる」場合または、「曲率が小さすぎる」場合には、図5(c)の状態において、熱可塑性材料53(図5(a)に示す熱可塑性材料51と同じものでも良い)を再度塗布して凹曲面形状52に充填し、加熱処理工程で熱可塑性材料53を熱変形させて新たな凹曲面形状54を創成する。この凹曲面形状54は、凹曲面形状52よりも口径が小さく、あるいは曲率が大きい。
【0111】
そこで、エッチング工程を行って、デバイス材料に新たな凹曲面形状54を彫り写す。このようにして、凹曲面形状52よりも所望の形状に近づいた凹曲面形状54’をデバイス材料10に得ることができる(図5(f))。
【0112】
必要に応じて、図5(d)に示す充填工程から、図5(f)に示すエッチング工程までを目的の凹曲面形状が出来るまで繰り返すことにより、所望の凹曲面形状を達成することができる。
【0113】
この時、エッチングしたデバイス材料10の深さと熱可塑性材料53の温度、粘度および塗布方法によって、充填された部分に含まれる材料の高分子物質の実質量が異なり、これらの因子を変化させることによって、凹曲面形状の曲率を変化させることができる。「エッチング工程」は、ECRプラズマエッチングのドライエッチングで行うことが望ましい。
【0114】
上記の工程において、熱可塑性樹脂の塗布と熱処理工程とのみを繰り返して、所望の凹曲面形状を熱可塑性樹脂の表面に創成し、しかるのち、1回のエッチング工程によりデバイス材料への彫り写しを行っても良いが、上記のように、熱可塑性材料を繰り返し塗布する工程において、塗布するごとにエッチング工程を行うとデバイス端部での形状精度が向上する。
【0115】
図6を参照して、請求項15記載の発明を説明する。
【0116】
図6(a)は、デバイス材料10上に、母型の凸球面形状に応じた1以上の凹曲面形状11Aを表面形状として持つ転写材11の層を転写した転写工程後の状態を示している。転写工程は、工程自体としては、先に図1に即して説明した参考例の光学デバイス製造方法における転写工程と同様である。
【0117】
参考例の光学デバイス製造方法では、所望の凹曲面形状に応じた凸曲面形状が形成された母型による凹曲面形状の転写が行われるのに対し、請求項15記載の発明に於いては、所望の凹球面形状に応じた凸球面形状を有する母型により「凸球面形状に応じた凹曲面形状」が転写される。
【0118】
母型による曲面の転写は、母型の持つ曲面形状の凹凸をそのまま反転した曲面形状が転写されるのが理想であるが、実際には、転写材を固化させる工程で、転写材が収縮等の体積変化を生じたりして、転写された曲面形状が母型の曲面形状と「ぴったり」とは一致しない場合が多い。
【0119】
請求項15記載の発明では、母型の持つ曲面形状が凸曲面形状であるので、転写された曲面形状の「形状誤差」は、母型の凸球面形状を凹凸反転させた「凹球面形状」からのずれとして表すことができる。
【0120】
図6(a)において、転写材11に転写された凹曲面形状11Aは、このような形状誤差を含み、「正確な球面形状」になっていない。
【0121】
そこで、転写工程後の転写材11の層の表面に、転写材11と同成分の流動性材質のスピナーによる塗布と固化とを行う。このようにして、塗布と固化とを行った状態を図6(b)に示す。
【0122】
符号11aで示す流動性材質は転写剤11と同成分であるから、塗布後、固化すると、塗布された部分ともとからある転写材11の層とが全体として、均一な転写材層となる。従って、後に行われるエッチング工程においては、転写材と、後から塗布された部分とが同じエッチング速度を持つ。
【0123】
スピナー塗布され、固化した後の流動性材質の表面形状11Bは、より凹球面形状に近づいたものとなる。流動性材質の表面張力は、塗布された流動性材質の表面が最小表面積である球面となるように作用するからである。
【0124】
しかし、固化の段階で変形が生じるので、流動状態で実現された球面がそのまま、固化後にも形状として保存される訳ではなく、固化後には、やはり形状誤差が生じるが、それでも、形成された凹曲面は、塗布以前の凹曲面形状よりも凹球面形状に近づいている。
【0125】
流動性材質のスピナーによる塗布と固化とを繰り返す度に、固化した流動性材質の表面形状は、ますます凹球面形状に近づく。従って、転写工程後(図6(a))、流動性材質のスピナーによる塗布と固化とを1回だけ、あるいは必要なだけ繰返して行い、最終的に得られる表面形状における形状誤差が、許容域内の値となるようにする。これが「面形状補正工程」である。
【0126】
面形状補正工程後は、形状誤差が許容域内である凹球面形状が得られているので、その後、「エッチング工程」を行うことにより、デバイス材料10に凹球面形状を彫り写すことができる。
【0127】
しかし、このエッチング工程を選択比:1で行うと、デバイス材料10に彫り写される凹曲面形状は、凹球面形状ではあるが、所望の形状、即ち、母型の持つ凸球面形状の凹凸を反転させた凹球面形状とは正確には合致しない。
【0128】
面形状補正工程の際に、補正された凹球面形状の曲率半径が、当初転写された凹曲面の曲率半径と異なってしまうからである。
【0129】
そこで、「エッチング工程」では、目的形状とする「所望の凹球面形状」に応じて、選択比を調整しつつドライエッチングを行い、デバイス材料11に上記所望の凹球面形状を1以上形成するのである。
【0130】
選択比を1より大きく(小さく)することにより、デバイス材料に彫り写される凹球面形状の曲率半径を、転写材上の面形状補正された凹球面形状の曲率半径よりも小さく(大きく)できる。
【0131】
図6(c)は、エッチング工程後、デバイス材料11に所望の凹球面形状10Aを1以上形成した状態を示している。
【0132】
図7を参照して、請求項16記載の発明を説明する。
【0133】
図7(a)は、請求項2記載の発明におけると同様の「パターニング工程」、「第1エッチング工程」により、1以上の凹球面形状のパターンに応じた3次元のレリーフ状パターンを形成されたデバイス材料10に、デバイス材料10と親和性の良い流動性の熱可塑性材料32をスピナー塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する「充填工程」を行い、さらに、充填された熱可塑性材料32を熱変形せしめて1以上の凹曲面形状を創成する「熱処理工程」を行った状態を示している。
【0134】
なお、この状態を実現するのに、請求項3記載の発明と同様、「パターニング工程」と「第1及び第2エッチング工程」と「充填工程」と「熱処理工程」を行うことも可能である。
【0135】
この状態で、熱可塑性材料32の表面に創成された凹曲面形状32Aの形状を測定し、目的形状との差異に応じ、流動性の熱可塑性材料32のスピナー塗布と熱処理とを1回以上行って、創成される凹曲面形状を所望の凹球面形状に近付けるのである(面形状補正工程)。
【0136】
図7(b)は、熱処理工程後、流動性の熱可塑性材料32’(充填工程で充填する熱可塑性材料32と同一の成分)のスピナー塗布と熱処理とを1回行い、凹曲面形状32Aを補正して凹曲面形状32Bを形成した状態を示している。
【0137】
流動性の熱可塑性材料のスピナーによる塗布と熱処理とは、必要とあれば2回以上繰り返して行い、所望の球面形状に対する形状誤差が、許容域内の値となるようにする。
【0138】
このように面形状補正工程を行った後、熱可塑性材料およびデバイス材料に対し、ドライエッチングを行うことにより、1以上の凹球面形状をデバイス材料10に彫り写し、デバイス材料10に所望の凹球面形状を1以上形成することができる(図7(c))。
【0139】
なお、上記請求項15,16の発明において、面形状補正工程を行うに際し、流動性材質(請求項15)、流動性の熱可塑性材料(請求項16)の流動性が大きいほど(粘性が小さいほど)、またスピナーの回転速度が大きいほど、塗布される材料の層厚が薄くなり、微妙な面形状補正が可能となるので、「流動性材質もしくは熱可塑性材料の流動性と塗布条件を、塗布ごとに調整する」ことにより精度の良い面形状補正を実現できる(請求項17)。
【0140】
【実施例】
以下、具体例と実施例を説明する。
具体例(参考例の光学デバイス製造方法の具体的な例)
図1に示したデバイス材料10として、合成石英材料の「平行平板」を使用した。形状転写するための転写材11の1例として、アクリル樹脂とエポキシ樹脂を9:1の割合で混合した紫外線硬化型の「嫌気性樹脂」を使用した。
【0141】
また、母型12としては、合成石英材料の表面に予め、所望の凸曲面形状を加工・形成したものを使用した。この「母型」は、Ar,CF4を導入ガスとして用いたプラズマ処理によって合成石英の表面層がフッ素化処理されている。
【0142】
母型の凸曲面形状を上に向けて設置し、母型上の3箇所に厚さ:15μmのスペ−サ−を配置した。次に、母型の上面に上記嫌気性樹脂による転写材を塗布したのち、デバイス材料である合成石英材料の平行平板を、転写材上から静かに乗せ、転写材とデバイス材料の間および母型と転写材の間に含まれた気泡を「泡出し」した。
【0143】
ついで、デバイス材料の上方から均一に加重をかけて、母型/スペ−サ−/デバイス材料の3者が接触して3層構造を形成するまで保持する。このとき、余分の転写材は、母型とデバイス材料の間から流れ出る。
【0144】
次に、加重を取り除き、転写材の硬化に十分な紫外線2500mJ/cm2を照射する。この照射は、デバイス材料側から行ってもよいし、母型の側から行ってもよい。また、流れ出た転写材はアセトンで除去する。この実施例で用いた転写材は「嫌気性」であるため、流れ出た材料は硬化しないのが特徴である。
【0145】
転写材の硬化に際しては、必要に応じて、上記状態で120℃で30分間ポストキュア−してもよい。このようにして、樹脂を完全に硬化させる。
【0146】
その後、母型をデバイス材料上の転写材から剥離する。この際、母型の表面処理の効果のため、容易に剥離出来ることが判った。勿論、剥離の容易性のためには、表面処理の効果だけではなく、母型の「表面粗さが小さい」ことも当然に必要である。また、剥離の前に、母型とデバイス基板を共に裏打ちし、専用の治具(少なくとも一方は透明材料)に冷却もしくは加熱機構によってヒートショックを与えると、剥離作業が容易である。以上が、転写工程である。
【0147】
なお、転写材の材料樹脂の性質を調整し、光硬化性の特性を強化すると、紫外線照射後に樹脂が収縮して、母型からの剥離性が増した。但し、この場合は、転写材が厚み方向に、当初の15μm(スペーサーの厚さ)から14μmに収縮したため、転写された凹曲面形状は、母型の凸曲面形状よりも曲率の小さい(曲率半径が大きい)形状となった。
【0148】
続いて、エッチング工程を行った。
ECRプラズマエッチング装置を用いて、Ar,CHF3,O2ガスを導入して、3〜5×10-4Toorの条件下(選択比:1)でエッチングし、転写材表面の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写した。
【0149】
この実施例における具体的データは以下の通りである。
このようにして、形成された光学デバイスは、上記凹曲面形状を負の屈折面とするマイクロ凹レンズとして使用できる。
【0150】
実施例1(請求項1記載の発明の実施例)
図2に示したデバイス材料10として、合成石英材料の「平行平板」を使用した。パターニング工程用のパタ−ンとして、ピッチ:250μm,口径:200μmの「円形パタ−ン」が一列に10個並んだパターンを使用した。また、非熱変形性の感光性材料21として、ポリイミド系レジスト(商品名:メルクジャパン製作 ポリイミド系レジスト HTR−3)を使用した。
【0151】
デバイス材料10上に、感光性材料との密着性を向上させる目的で、プライマ−を塗布した後に、上記ポリイミド系レジスト材料を厚さ:18μmに塗布し、プリベ−クした後に上記パターンを有するマスクを用いて露光し、現像・ポストベ−クを行い、上記パターンに応じた3次元のレリーフ状パターンを感光性材料の層に形成できた。ポストベ−ク後のレリーフ状パターンの断面形状は、厚みをなす側端面が熱で「ダレる」ことがなく、良好な形状であった。以上が、パターニング工程である。
【0152】
次に、東京応用化学製のポジレジストOFPR−800を希釈剤で2倍に希釈したものを、スピナ−で塗布し、更に、このポジレジストに紫外線を照射して高分子材料の分子を切断し、熱可塑性材料22としてレリーフ上パターンの凹部に充填し(充填工程)、200℃で30分間加熱してポストベ−クを行い、凹曲面形状を創成した(熱処理工程)。
【0153】
その後、ECRプラズマエッチング装置を用いて、Ar,CHF3,O2ガスを導入して、3〜5×10-4Toorの条件下でエッチング工程を行った。
【0154】
具体的データは以下の通りである。
このようにして、形成された光学デバイスは、上記凹曲面形状を負の屈折面とするマイクロ凹レンズアレイとして使用できる。
【0155】
実施例2(請求項3記載の発明の実施例)
図4に示したデバイス材料10として、合成石英材料の「平行平板」を使用した。デバイス材料の片面に、Al膜を厚さ:3000Åに成膜して中間層41とした。この中間層の上に、感光性材料との密着性を向上させる目的でプライマ−を塗布し、その上に感光性材料(東京応用化学製のポジレジストOFPR−800)を厚さ:3μmに塗布形成した。
【0156】
パターニングのパタ−ンとして「ピッチ250μm・口径200μmの円形パタ−ンが一列に10個並んだ形状」を有するマスクを用いて露光したのち、現像・ポストベ−クして「パタ−ニング工程」を行った。
【0157】
次に、上記感光性材料によるパターンをマスクとして、ECRプラズマエッチング装置を用いて、CCl4,Heガスを導入して、8〜9×10-4Toorの条件下で、Alによる「中間層」を2分間エッチングし、上記パターンを中間層に彫り写し、その後、ECRプラズマエッチング装置を用いて、O2ガスを導入し、5〜8×10-4Toorの条件下で、残りの感光性材料を剥離した(第1エッチング工程)。
【0158】
続いて、パターンを彫り写されたAl膜による中間層をマスクとし、ECRプラズマエッチング装置を用い、CHF3,Ar,O2ガスを導入して、3〜5×10-4Toorの条件下でデバイス基板10を20μmの深さだけエッチングした
(第2エッチング工程)。上記第1および第2エッチング工程は、ECRプラズマエッチング装置に導入するガス種を、工程に従って変更するだけで、同一バッチ内で実施出来た。
【0159】
次いで、デバイス材料を取り出し、東京応用化学製ポジレジストOFPR−800を希釈剤で2倍に希釈したものをスピナ−で塗布し、更に、紫外線を照射して高分子材料の分子を切断して熱可塑性材料43とし(充填工程)、これを200℃で30分間加熱するポストベ−クを行い、凹曲面形状を創成した(熱処理工程)。
【0160】
その後、ECRプラズマエッチング装置を用いて、Ar,CHF3,O2ガスを導入して、3〜5×10-4Toorの条件下で「エッチング工程」を行い、上記創成された凹曲面形状をデバイス基板に転写した。
【0161】
具体的データは以下の通りである。
このようにして、形成された光学デバイスは、上記凹曲面形状を負の屈折面とするマイクロ凹レンズアレイとして使用できる。
【0162】
この実施例2において、中間層の形成を省略し、第2エッチング工程を省くことにより、請求項2記載の発明を具体的に実施することができた。
【0163】
実施例3(請求項5記載の発明の実施例)
図5に示したデバイス材料10として、合成石英材料の「平行平板」を使用した。実施例3におけると同様、「中間層」としてAl膜を5000Å成膜し、この上に、中間層との密着性を向上させる目的でプライマ−を塗布した後、感光性材料を厚さ:3μmに塗布して光学デバイス用材料とした。
【0164】
パターニング工程のためのパターンとして、ピッチ:500μm,口径:400μmの円形パタ−ンが、一列に10個並んだパターンを有するマスクを用いて露光し、現像・ポストベ−クしてパタ−ニング工程を行った。
【0165】
次に、パターニングされた感光性材料をマスクとし、ECRプラズマエッチング装置を用いて、CCl4,Heガスを導入して、3〜5×10-4Toorの条件下でAl膜による中間層を4分間エッチングし、その後、同じECRプラズマエッチング装置にO2ガスを導入して、5〜8×10-4Toorの条件下でエッチングして残りの感光性材料を除去した(第1エッチング工程)。
【0166】
さらに、上記パターンを彫り写された中間層をマスクとし、ECRプラズマエッチング装置に、CHF3,Ar,O2ガスを導入して、3〜5×10-4Toorの条件下でデバイス基板10を30μmの深さだけエッチングした(第2エッチング工程)。
【0167】
上記第1,第2エッチング工程は、ECRプラズマエッチング装置の中に導入するガス種を工程に従って変更するだけで、同一バッチ内で実施出来た。
【0168】
次いで、デバイス材料を取り出し、東京応用化学製ポジレジストOFPR−800を希釈せずに、スピナ−で塗布して充填工程を行い、加熱に依る熱処理工程と、エッチング工程とを、上記実施例3におけると同一の条件で行った。このとき、デバイス材料に形成された凹曲面形状を測定した結果、図5(c)に示したように凹曲面形状の底面に「平坦な部分」が、直径:286μmの大きさに発生した。
【0169】
そこで、デバイス材料に形成された凹曲面形状の部分に、上記ポジレジストOFPR−800を希釈せずにスピナ−で塗布し、その後、紫外線を照射して高分子材料の分子を切断し、加熱処理した。
【0170】
次いで、上記ポジレジストOFPR−800を希釈剤で2倍に希釈し、スピナ−で塗布し、紫外線を照射して高分子材料の分子を切断した。即ち、再度の充填工程(デバイス材料に形成された凹曲面形状への熱可塑性材料の充填)を上記ポジレジストの2回の塗布と、その度の紫外線照射により行った訳である。
【0171】
次いで、熱可塑性材料に充填されたデバイス材料を、200℃で30分間加熱しポストベ−クを行い凹曲面形状の形成を行った(再度の熱処理工程)。
【0172】
その後、ECRプラズマエッチング装置を用いて、Ar,CHF3,O2ガスを導入して、3〜5×10-4Toorの条件下でエッチングし、ポジレジスト表面の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写した(再度のエッチング工程)。
【0173】
具体的データは以下の通りである。
このようにして、形成された光学デバイスは、上記凹曲面形状を負の屈折面とするマイクロ凹レンズアレイとして使用できる。
【0174】
実施例4(請求項15記載の発明の実施例)
図6に示したデバイス材料10として、合成石英材料の平行平板を使用した。
転写剤11として、実施例1に於けると同じく、アクリル樹脂とエポキシ樹脂を9:1の割合で混合した紫外線硬化型の「嫌気性樹脂」を使用した。
【0175】
母型としては、凸球面形状(凸面部分の径:200μm)を250μmピッチでアレイ配列したものを用いた。母型は、合成石英材料の表面に上記形状のアレイ配列を予め加工形成したものである。
【0176】
母型の表面は、Ar,CF4を導入ガスとして用いた「プラズマ処理」により合成石英の表面層をフッ素化処理した。
【0177】
実施例1の場合と同様、母型を、凸球面形状を形成された側の面を上にして配置し、母型面上の3箇所に厚さ15μmのスペ−サ−を配置し、上記嫌気性樹脂による転写材を母型表面に塗布し、デバイス材料である合成石英材料の平行平板を転写材上から静かに乗せ、転写材とデバイス材料の間及び母型と転写材料の間に含まれた気泡を泡出しした。
【0178】
ついで、デバイス材料の上方から均一に加重をかけて、母型とスペ−サ−、スペーサーとデバイス材料を互いに接触させた。このとき、余分の転写材は母型とデバイス基板との間から流れ出る。
【0179】
次に加重を取り除き、転写材11の硬化に十分な紫外線2500mJ/cm2を照射する。この照射はデバイス材料側から行っても良いし、母型の側から行っても良い。流れ出た材料はアセトンで除去する。この実施例で用いた転写材は「嫌気性」であるため流れ出た材料は硬化しない。
【0180】
転写材の硬化に際しては、必要に応じて上記状態で120℃で30分間ポストキュア−しても良い。このようにして樹脂を完全に硬化させる。
【0181】
その後、母型とデバイス材料上の転写材から剥離する。この際、母型の表面処理(フッ素化処理)の効果により容易に剥離出来る。勿論、剥離の容易性のためには、表面処理の効果だけではなく表面粗さが小さいことも当然必要である。
【0182】
また、剥離の前に、母型、デバイス基板両方共に裏打ちして専用治具(少なくとも一方はガラス等の透明材料)に保持させ、この専用治具に冷却水または温水を流し、ヒ−トショックを利用すると剥離作業が容易である。
【0183】
この状態で転写工程が終了し、図6(a)に示す如き状態が実現する。
【0184】
この実施例では転写材の材料樹脂の性質を調整し、光硬化性の特性を強化しているので、紫外線照射後に樹脂が収縮して母型からの剥離性が増したが、反面、転写材11の厚さ(図6(a)で凹曲面形状以外の部分の上下方向幅、硬化前はスペーサーにより15μmの厚みがある)が、14μmに収縮したため転写された凹曲面形状11Aは、母型の凸曲面形状よりも曲率の小さな(曲率半径が大きい)形状となった。
【0185】
上記転写工程における「母型」の凸球面形状と、転写された凹曲面形状とは、それぞれ以下の如くである。
【0186】
形状誤差は、上記曲率半径:284.061μmの凸球面と、現実の型形状とのずれの最大値である。
【0187】
転写材11に転写された凹曲面形状は、母型の持つ凸球面形状に対して、形状誤差が増大している。
【0188】
転写材11と同じ成分からなる材料で、粘度の低い(本実施例では、30〜100cps)流動性材質11a(図6(b))を、転写材11面上にスピナー塗布した。このとき、スピナ−は高速度回転させた。その後、紫外線を基板上に均一に照射し、塗布した流動性材質を完全硬化させた(面形状補正工程)。
【0189】
この処理によって凹曲面形状が下記のように変化した。
即ち、「面形状補正工程」により補正された凹曲面形状11B(図6(b))は、曲率半径が増加したものの、形状誤差が補正以前の略1/2に減少し、全体として真球面に近づいた。
【0190】
続いてエッチング工程を行った。
【0191】
ECRプラズマエッチング装置を用い、Ar,CHF3,O2ガスを導入して3〜5×10-4Toorの条件下でドライエッチングし、面形状補正された凹曲面形状11Bをデバイス材料10に彫り写した。
【0192】
このとき、選択比を、基本的に1より僅かに大きく調整・設定してエッチングした。つまり、彫り写される凹球面10A(図6(c))の曲率半径が小さくなるようにエッチングした。
【0193】
また、エッチング条件を経時的に変更した。即ち、転写された凹曲面形状11Aの周辺部の形状精度の崩れが転写材11の収縮により大きかったため、この部分に対応する部分のエッチングが行われるエッチング後半で、選択比をさらに1より大きく変更した。
【0194】
即ち、母型の持つ凸球面の凹凸を反転させた凹球面形状を、極めて精度良くデバイス材料に形成できた。形成された光学デバイスは、上記凹球面形状を負の屈折面とするマイクロ凹レンズとして使用できる。
【0195】
実施例5
図3に示したデバイス材料10として、合成石英材料の平行平板を使用した。
パターニング用のパタ−ンとして、直径:200μmの円形パタ−ンが、250μmピッチで一列に10個並んだものを使用した。
【0196】
デバイス材料の平坦な表面に、感光性材料との密着性を向上させる目的でプライマ−を塗布した後に、実施例2におけると同じ感光性材料を3μmの厚さに塗布し、上記パタ−ンをマスクパターンを用いて露光後、現像、ポストベ−クしてパタ−ニングした。
【0197】
次に、上記感光性材料をマスクとし、ECRプラズマエッチング装置を用い、O2,CHF3,Arガスを導入して3〜5×10-4Toorの条件下で、デバイス材料を20μmの深さだけエッチングした(この状態は、図3(c)と同様の状態である)。
【0198】
次いで、図7に示したように、デバイス材料10(3次元のレリーフ上パターンが形成されている)上に、東京応用化学製ポジレジストOFPR−800を希釈剤で1.5倍に希釈したものを、流動性の熱可塑性材料32として、スピナ−で中速度回転(実施例2の場合よりも高速回転である)させて塗布し、更に紫外線を照射して高分子材料の分子を切断した(充填工程)。
【0199】
続いて、200℃で30分間加熱してポストベ−クを行い、熱可塑性材料32の表面に凹曲面形状32Aを創成した(熱処理工程)。
【0200】
目的とする形状は、曲率半径:442μmのマイクロ凹球面であるので、面形状補正を行う必要がある。
【0201】
前記東京応用化学製ポジレジストOFPR−800を希釈剤で2.0倍に希釈したものを流動性の熱可塑性材料32’(図7(b)とし、スピナ−で中速度回転塗布し、上記と同様に硬化させた(第1回目の面形状補正)。
【0202】
この凹曲面形状でも目的とする形状精度を満足しなかったため、上記第1回の面形状補正と同じ方法で面形状補正を繰り返した。
【0203】
この形状は実質的に凹球面であり、目的形状との差が許容範囲にあるので、ここで面形状補正工程を終了した。
【0204】
ECRプラズマエッチング装置を用い、Ar,CHF3,O2ガスを導入して、3〜5×10-4Toorの条件下で選択比:1の「エッチング」工程を行い、上記「凹球面形状」をデバイス基板に彫り移した。
【0205】
エッチング工程後のデバイス材料に形成された凹曲面形状:マイクロ凹球面
近似球面の曲率半径:R=441.855μm
形状誤差 :PRt=0.691μm
即ち、目的形状とする凹球面形状を、極めて精度良くデバイス材料に形成できた。形成された光学デバイスは、上記凹球面形状を負の屈折面とするマイクロ凹レンズとして使用できる。
【0206】
勿論、実施例4,5で製造された光学デバイスの凹球面部分に、反射面を形成することにより、マイクロ凹球面鏡アレイを実現できるし、デバイス材料を金属もしくはセラミックス材料を用いることで、マイクロ凹球面アレイの成形型を実現できることは言うまでもない。
【0207】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば新規な光学デバイス用材料・光学デバイス・光学デバイス製造方法を提供できる。
【0208】
参考例による光学デバイス製造方法では、正確な母型の使用により、曲率半径の大小・凹曲面形状の如何に拘らず、常に正確な凹曲面形状を有する光学デバイスを容易且つ確実に製造できる。
【0209】
請求項1記載の発明は、パターニング工程が容易であり、しかも、パターニング工程でパターニングしたパターンに忠実なパターンの凹曲面形状を持った光学デバイスを製造できる。
【0210】
請求項2〜5記載の発明は、所望の凹曲面形状を有する光学デバイスを容易且つ確実に製造できる。
請求項7〜9記載の発明では、光学デバイスに形成する非球面形状の凹曲面形状を形成できる。請求項10記載の発明では、凸曲面形成に母型として用い得る、所望の凹曲面形状を有する光学デバイスを製造できる。
【0211】
請求項11記載の発明では、デバイス材料が2以上の異なる屈折率領域を有するので、広範な光学特性を持った光学デバイスを製造できる。
【0212】
請求項12記載の発明では、請求項1〜11記載の発明により、所望の凹曲面形状を持った光学デバイスを実現できる。
【0213】
請求項13,14記載の発明では、請求項2,3記載の発明の実施に適した光学デバイス用材料を実現できる。
【0214】
請求項15〜17記載の発明では、面形状補正工程により、エッチング前の凹曲面形状を補正するので、所望の凹球面形状を極めて精度良くデバイス材料に形成できる。
【0215】
請求項18記載の発明では、請求項15〜17記載の発明により、所望の凹曲面形状を持った光学デバイスを極めて精度良く実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の光学デバイス製造方法を説明するための図である。
【図2】請求項1記載の発明を説明するための図である。
【図3】請求項2記載の発明を説明するための図である。
【図4】請求項3記載の発明を説明するための図である。
【図5】請求項5記載の発明を説明するための図である。
【図6】請求項15記載の発明を説明するための図である。
【図7】請求項16記載の発明を説明するための図である。
【符号の説明】
10 デバイス材料
21 非熱変形性の感光性材料
22 熱可塑性材料
23 熱可塑性材料の表面形状として創成された凹曲面形状
Claims (18)
- 所望の凹曲面形状を1以上有する光学デバイスを製造する方法であって、
デバイス材料の表面上に形成された非熱変形性の感光性材料の層にパターニングを行い、上記1以上の凹曲面形状のパターンに相当する部分の感光性材料が除去された3次元のレリーフ状パターンを形成するパターニング工程と、
上記レリーフ状パターンに、上記感光性材料と親和性の良い熱可塑性材料を塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する充填工程と、
この充填工程後に熱処理を行い、上記充填された熱可塑性材料を熱変形せしめて1以上の凹曲面形状を創成する熱処理工程と、
熱処理工程後の感光性材料・熱可塑性材料およびデバイス材料に対し、異方性のエッチングを行うことにより、上記1以上の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に所望の凹曲面形状を1以上形成するエッチング工程とを有することを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 所望の凹曲面形状を1以上有する光学デバイスを製造する方法であって、
デバイス材料の表面上に形成された感光性材料の薄層にパターニングを行い、上記1以上の凹曲面形状のパターンに相当する部分の感光性材料が除去されたパターンを形成するパターニング工程と、
上記感光性材料によるパターンとデバイス材料に対して異方性のエッチングを行って、上記パターンに応じた3次元のレリーフ状パターンをデバイス材料に形成する第1エッチング工程と、
デバイス材料に形成された3次元のレリーフ状パターンに、上記デバイス材料と親和性の良い熱可塑性材料を塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する充填工程と、
この充填工程後に熱処理を行い、上記充填された熱可塑性材料を熱変形せしめて1以上の凹曲面形状を創成する熱処理工程と、
熱処理工程後の熱可塑性材料およびデバイス材料に対し、異方性のエッチングを行うことにより、上記1以上の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に所望の凹曲面形状を1以上形成するエッチング工程とを有することを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 所望の凹曲面形状を1以上有する光学デバイスを製造する方法であって、
デバイス材料の表面上に、中間層を介して形成された感光性材料の層にパターニングを行い、上記1以上の凹曲面形状のパターンに相当する部分の感光性材料が除去されたパターンを形成するパターニング工程と、
上記感光性材料によるパターンと中間層に対して異方性のエッチングを行い、上記パターンを中間層に彫り写す第1エッチング工程と、
上記パターンを彫り写された中間層をマスクとして、デバイス材料に対する異方性エッチングを行い、3次元のレリーフ状パターンをデバイス材料に形成する第2エッチング工程と、
中間層とデバイス材料に形成されたレリーフ状パターンに、少なくとも上記デバイス材料と親和性の良い熱可塑性材料を塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する充填工程と、
この充填工程後に熱処理を行い、上記充填された熱可塑性材料を熱変形せしめて1以上の凹曲面形状を創成する熱処理工程と、
熱処理工程後の中間層と熱可塑性材料およびデバイス材料に対し、異方性のエッチングを行うことにより、上記1以上の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に所望の凹曲面形状を1以上形成するエッチング工程とを有することを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項3記載の光学デバイス製造方法において、
熱処理工程後に、中間層を除去する工程を有することを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項1または2または3または4記載の光学デバイス製造方法において、
エッチング工程後、充填工程からエッチング工程までを繰り返して行い、
その際に、少なくとも充填工程と熱処理工程とを1回以上の所望回数行うことを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項1または2または3または4または5記載の光学デバイス製造方法において、
エッチング工程における選択比を、連続的および/または段階的に変化させることにより、デバイス材料に形成される1以上の凹曲面形状を非球面とすることを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 所望の凹曲面形状を1以上有する光学デバイスを製造する方法であって、
上記所望の凹曲面形状に対応する凸曲面形状を1以上有する母型を用いて上記1以上の凸曲面形状を転写材の表面に転写し、上記母型の凸曲面形状に応じた1以上の凹曲面形状を表面形状として持つ転写材の層を、デバイス材料の表面上に形成する転写工程と、
上記転写材およびデバイス材料に対して異方性のドライエッチングを行い、上記1以上の凹曲面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に上記所望の凹曲面形状を1以上形成するエッチング工程とを有し、
上記エッチング工程における選択比を、連続的および/または段階的に変化させることにより、デバイス材料に形成される1以上の凹曲面形状を非球面とすることを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項7記載の光学デバイス製造方法において、
転写材が光硬化性材料であり、転写工程において、転写材に光照射しつつ、母型の1以上の凸曲面形状の転写を行うことを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項7記載の光学デバイス製造方法において、
転写材が熱硬化性材料もしくは熱可塑性材料であって、転写工程において、転写材を加熱しつつ、母型の1以上の凸曲面形状の転写を行うことを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9記載の光学デバイス製造方法において、
デバイス材料として、金属材料もしくはセラミックス材料が用いられていることを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9記載の光学デバイス製造方法において、
デバイス材料として、透明な基体の表面に、上記基体と屈折率の異なる材料による凹曲面形成層が所望の厚さに形成されたものが用いられ、
1以上の所望の凹曲面形状が上記凹曲面形成層に形成されることを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11記載の光学デバイス製造方法により製造される光学デバイス。
- デバイス材料の表面上に、非熱変形性の感光性材料層の層が形成され、請求項1記載の光学デバイス製造方法に使用される光学デバイス用材料。
- デバイス材料の表面上に、所望の厚さの中間層と感光性材料層の層とが、デバイス材料表面側から上記順序に積層形成され、請求項3記載の光学デバイス製造方法に使用される光学デバイス用材料。
- 所望の凹球面形状を1以上有する光学デバイスを製造する方法であって、
上記所望の凹球面形状に対応する凸球面形状を1以上有する母型を用いて上記1以上の凸球面形状を転写材の表面に転写し、上記母型の凸球面形状に応じた1以上の凹曲面形状を表面形状として持つ転写材の層を、デバイス材料の表面上に形成する転写工程と、
転写工程後の転写材の層の表面に、上記転写材と同成分の流動性材質のスピナーによる塗布と固化とを1回以上行って、転写工程により形成された凹曲面形状を凹球面形状に近付ける面形状補正工程と、
上記転写材およびデバイス材料に対し、目的形状とする所望の凹球面形状に応じて選択比を調整しつつドライエッチングを行い、上記1以上の、凹球面形状に近付けられた凹曲面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に上記所望の凹球面形状を1以上形成するエッチング工程とを有することを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 所望の凹球面形状を1以上有する光学デバイスを製造する方法であって、
デバイス材料の表面上に形成された感光性材料の薄層にパターニングを行い、上記1以上の凹球面形状のパターンに相当する部分の感光性材料が除去されたパターンを形成するパターニング工程と、
上記感光性材料によるパターンとデバイス材料に対してドライエッチングを行って、上記パターンに応じた3次元のレリーフ状パターンをデバイス材料に形成する第1エッチング工程と、
デバイス材料に形成された3次元のレリーフ状パターンに、上記デバイス材料と親和性の良い流動性の熱可塑性材料をスピナー塗布し、レリーフ状パターンの凹部に充填する充填工程と、
この充填工程後に熱処理を行い、上記充填された熱可塑性材料を熱変形せしめて1以上の凹曲面形状を創成する熱処理工程と、
上記熱処理工程後に、上記流動性の熱可塑性材料のスピナー塗布と熱処理とを1回以上行い、創成される凹曲面形状を上記所望の凹球面形状に近付ける面形状補正工程と、
面形状補正工程後の熱可塑性材料およびデバイス材料に対し、異方性のエッチングを行うことにより、上記1以上の凹球面形状をデバイス材料に彫り写し、デバイス材料に所望の凹球面形状を1以上形成するエッチング工程とを有することを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項15または16記載の光学デバイス製造方法において、
面形状補正工程において、流動性材質もしくは熱可塑性材料のスピナー塗布を複数回行い、流動性材質もしくは熱可塑性材料の流動性と塗布条件を、塗布ごとに調整することを特徴とする光学デバイス製造方法。 - 請求項15または16または17記載の光学デバイス製造方法により製造される光学デバイス。
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