JP3619049B2 - トラカール挿入部材保護器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラカールを介して経皮的に体内に挿入される腹腔鏡や超音波探触子などの器具の破損を防止するための保護筒に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、患者への負担が少ない腹腔鏡下での外科手術が普及している。この手術法では、例えば患者の腹部にトラカールと呼ぶ筒状のガイドを複数本刺入し、このトラカールから二酸化炭素などのガスを腹腔内に注入して腹腔を膨満させ、この状態でトラカールを通して腹腔鏡や手術具、超音波探触子などを腹腔内に挿入し手術が行われる。手術時には、トラカールを外套管として、その中に内針を挿入し連結した状態で体表皮に刺し入れ、体腔内まで到達したところで内針を抜き取ることにより、トラカールを通して超音波探触子などを体腔内へ挿入できるようになる。このように体内に刺入する必要上、内針が尖鋭な錐形状をなしているのはもちろんのこと、トラカールの先端開口も、内針の錐形状と段差をなくすため、鋭利な形状となっている。
【0003】
近年、トラカール挿入用の超音波探触子や内視鏡として、振動子や観察窓などを体腔内で自由な方向に向けられるように、体腔内挿入部に屈曲部が形成されたものが増えている。この種の器具では、体外に位置する操作部からの操作でこの屈曲部を所望の程度に屈曲させることが可能になっている。屈曲部の外皮層としては、屈曲性能を確保する必要上、ゴムチューブなどの柔軟な材質のものが一般に用いられる。
【0004】
この種の器具の問題として、屈曲部が屈曲状態のまま挿入部を引き抜こうとすると、トラカール先端開口の鋭利なエッジで屈曲部の外皮層を破損させてしまうという問題がよく知られている。
【0005】
このような問題を解決するための一手法として、特公平6−51019号公報に開示される技術が知られている。この従来技術では、先端に丸みを付けた保護筒をトラカール内に挿入してその先端をトラカールの鋭利な先端開口よりも突出させ、この保護筒に超音波探触子等の挿入部を挿入する構成を採っている。図10は、この従来技術の保護筒10をトラカール20に装着した状態を示している。トラカール20は、刺入のために鋭利な刃状に構成された先端開口22aを有する管状部22と、この管状部22の基端に設けられた基端部24から構成されている。基端部24には、超音波探触子等が挿入されていないときに体腔膨張用のガスが管状部22の管路を通して体腔内から抜けないように、弁機構が設けられている(図示省略)。一方、保護筒10は丸みを帯びた先端部10aを有しており、保護筒10の長さは、トラカール20への装着固定時にその先端部10aが管状部22の先端開口22aから露出するように定められている。
【0006】
保護筒10がその役目を果たすためには、トラカール20への装着時に先端部10aが管状部22の先端開口22aから露出した状態を維持することが必要である。これは、トラカール20の基端部24に設けられたフック26が、保護筒10に形成された係止鍔15に係合することにより実現されている。すなわち、フック26は、図示しないバネ機構により保護筒挿通方向に付勢されており、保護筒10がトラカール20に挿入され係止鍔15がフック26と噛み合うと、保護筒10がトラカール20から引き抜けないようになる。また係止鍔15は管状部22の内径よりも大きな径に形成されており、これにより保護筒10の挿入深さが制限されている。このような構造により、保護筒10は、その先端部10aが管状部22の先端開口22aから突出した状態でトラカール20に固定されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
トラカールは、管状部の径などはある程度規格化されているものの、基端部の形状や構造などは製造業者ごとにまちまちである。ところが、上記従来技術の保護筒10は、トラカール20に設けられたフック機構により固定されるため、その保護筒10に適合したフック機構を持つトラカールにしか使用できない。また、上記従来技術公報に開示された以外にも、トラカールに挿入する保護筒が販売されているが、それらはいずれもトラカールの基端部に対して保護筒を固定する構成を採っていたため、ある特定の業者のトラカールには使用できるが、基端部の構造が異なる他の業者のトラカールには使用できないなど、汎用性の点で問題があった。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、基端部構造の異なる様々なトラカールに対して使用可能な、トラカール挿入部材保護器具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る保護器具は、トラカールを通して体腔内に挿入された挿入部材を引き抜くときに、前記トラカールの管状部の先端開口のエッジから該挿入部材を保護する保護器具であって、前記トラカールに挿入されて前記挿入部材の挿通路を形成し、前記トラカールに挿入されたときに先端部が前記トラカール管状部の先端開口から露出する長さを持つ保護筒と、前記保護筒の基端側のトラカール非挿入部位と前記トラカール管状部とを連結して前記トラカールに対する前記保護筒の後退を規制するロック機構とを有する。
【0010】
この構成では、保護筒に取り付けられたロック機構が管状部に対して係合することにより、保護筒がトラカールから抜けないように装着されることになる。この構成によれば、保護筒をトラカールに装着するための機構が、製品ごとに様々な形状を採りうるトラカール基端部ではなく、形状・サイズ等がほぼ決まっているトラカール管状部に対して係合する構成を採ったので、基端部構造の異なる多種類のトラカールに対して使用できる保護器具が得られる。
【0011】
そして本発明では、ロック機構は、保護筒に設けられた取付部に対して開閉可能に取り付けられたアームを有し、該アームは前記トラカールの管状部に係合する係合部を有し、前記ロック機構を開いた状態で前記保護筒が前記トラカールに挿入され、挿入後前記ロック機構が閉じられ前記係合部が前記トラカールの管状部に係合されることにより、前記トラカールに対して装着される。
【0012】
したがって本発明によれば、ロック機構が保護筒に対して一体に取り付けられた状態で運用できるので、ロック機構の紛失などのおそれがなくなる。
【0013】
更に好適な態様では、ロック機構の係合部を、トラカール管状部を弾性的に挟み込むクリップ手段とした。この態様では、保護筒を挿入後、ロック機構を閉じる際に更に力を加えて押し込むだけで、ロック機構をトラカール管状部に係合させることができ、保護筒の装着操作が容易になる。
【0014】
また、他の好適な態様では、ロック機構がトラカール管状部に係合していないときに、保護筒に対する挿入部材の進入を阻止する阻止部材を有する。この態様では、保護筒がトラカールから抜ける状態にある場合には、挿入部材が保護筒に挿入できない。したがって、保護筒に対して挿入部材を挿入している場合には、トラカールから保護筒が抜けることはなく、トラカールの先端開口が挿入部材に直接接触する事態に至ることはないので、挿入部材の確実な保護が図れる。
【0015】
また、更に好適な態様では、阻止部材は、ロック機構の延伸部として、ロック機構が開状態にあるときに保護筒の基端側入口を塞ぐように形成される。この態様によれば、ロック機構が開いている場合は保護筒の基端側入口が自動的にカバーされ、挿入部材の進入を阻止するので、簡単な機構で阻止部材を構成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、一般的なトラカール200と、トラカール挿入部材保護のための本発明に係る保護器具100とを示した図である。
【0018】
図1において、トラカール200は、体表皮に刺入される円管状の管状部220と、体腔内のガス漏出防止、ガス排出などの調節を行う弁機構等を備えた基端部240から構成される。管状部220の先端開口222は、トラカール内針の形状との段差をなくすよう鋭利なエッジ224となっており、体表皮への刺入を容易にしている。
【0019】
本実施形態の保護器具100は、保護筒120とロックアーム140とから構成される。保護筒120は、従来技術の保護筒と同様、トラカール200に挿入されて腹腔用探触子など体腔内に挿入する挿入部材の屈曲部の被覆等を破損から保護するものである。一方、ロックアーム140は、保護筒120をトラカール200に挿入したときに、保護筒120がトラカール200から外れないよう、両者を連結するためのものである。
【0020】
保護筒120は、基端側から先端側へと貫通した孔を有する管であり、この孔が、保護筒120をトラカール200に挿入したときに探触子等の挿入部材の挿通路となる。保護筒120は、トラカール200の挿通孔の内径より小さい外径の挿入部122を有し、この挿入部122の先端部122aは、トラカール200の先端開口222のエッジ224と異なり、探触子等の挿入部材を傷つけないよう丸みを帯びた形状となっている。挿入部122の基端側にはストッパ部124が形成される。このストッパ部124は、トラカール200の内径よりも大きい径となるよう構成されており、保護筒120の過挿入を規制する。
【0021】
このストッパ部124の基端側には、ロックアーム140を取り付けるアーム取付部126が形成されている。アーム取付部126は、球面状に形成されており、ロックアーム140の保護筒把持部142がこの球面部を挟み込むことにより、保護筒120にロックアーム140が取り付けられる。アーム取付部126が球面状となっているため、ロックアーム140は保護筒120の挿入部122の方向(すなわち図中の矢印X方向)に閉動作が、その逆向き(Y方向)に開動作が可能となっている。ただし、保護筒120には、ロックアーム140の保護筒把持部142近傍の軌道を遮るように閉動作規制部127aと開動作規制部127bが形成されており、これらによりロックアーム140の開閉範囲が制限されている。なお、図1はロックアーム140が最大限開いた状態を示している。
【0022】
ロックアーム140の先端側には、トラカール200の管状部220を把持するトラカール把持部144が形成されている。保護筒120の挿入部122をトラカール200に挿入し、ロックアーム140をX方向に向かって閉じると、トラカール把持部144がトラカール200の管状部220を把持する。このときの状態を図2に示す。
【0023】
図2の状態では、ロックアーム140のトラカール把持部144がトラカール200の管状部220をしっかりと把持し、この結果、トラカール200と保護筒120とがロックアーム140により連結された状態となり、保護筒120がトラカール200から抜けないようになる。図示例では、トラカールの基端部240とロックアーム140のトラカール把持部144との間に長さzの余裕がある。したがって、トラカールの管状部220がトラカール把持部144に対して摺動可能な場合、保護筒120がトラカール200に対して基端方向に後退可能となるが、長さzだけ後退するとロックアーム140がトラカールの基端部240に引っかかるため、それ以上の後退が規制される。
【0024】
保護筒120の挿入部122の長さは、ロックアーム140をトラカールの管状部220に係合した状態で保護筒120をトラカール200に対して最大限後退させた場合でも、挿入部122の先端部122aがトラカール200の先端開口222から露出するよう、十分な長さに設定されている。
【0025】
保護器具100について図3を参照して更に説明する。保護器具100を構成する保護筒120とロックアーム140は、着脱自在となっている。保護筒120は、回転軸wを中心とした回転体構造を有しており、硬質樹脂(例えばポリエーテルイミド)などの材料から形成される。保護筒120の基端は、探触子等を挿入する挿入口部128となっており、この挿入口部128には気密キャップ130がはめ込まれている。気密キャップ130は、ゴム等の弾力のある素材で形成され、中央に探触子等の挿入部分の径より小さい穴が設けられている。探触子等はこの穴を通して保護筒120の挿通孔内に挿入され、気密キャップ130の穴部は弾力により探触子等の挿入部分に密着される。これにより、探触子等が挿入されている間、保護筒120を通して体腔内のガスが漏出することがなくなる。
【0026】
ロックアーム140は、幾分弾性のある硬質材料から形成される。ロックアーム140を、保護筒120と同様、硬質樹脂で形成してもよい。ロックアーム140は、図中矢印で示すように、保護筒120の略球面状のアーム取付部126に対し保護筒把持部142によって取り付けられる。
【0027】
図4は、ロックアームの保護筒への取り付け構造を説明するための図である。図4において(a)はロックアーム140を図3の矢印A方向から見た状態を示す図であり、保護筒把持部142の構造を示している(ただし、把持部142の後方の様子は省略)。また(b)は、保護筒120のアーム取付部126をC−C断面で切断し、矢印A方向から見た状態を示している。図4に示すように、ロックアーム140の保護筒把持部142は二股に分かれており、その二股部の両片は、球面状のアーム取付部126をしっかりと抱持できるよう、略円形に延伸している。二股部の入口側の間隙aは、二股部をアーム取付部126に嵌め込んだときに外れにくくなるよう、アーム取付部126の外径よりも十分小さくなっている。ロックアーム140を図中矢印方向に移動させ、保護筒把持部142の間隙でアーム取付部126を挟んで押し込むことにより、アーム取付部126に保護筒把持部142がはめ込まれ、保護筒把持部142の各片の弾性力によりアーム取付部126が把持される。この結果、ロックアーム140が保護筒120に装着され、ロックアーム140はアーム取付部126を支点として開閉動作可能となる。洗浄時などでは、ロックアーム140を保護筒120から外すことも可能であるが、通常使用する際にはロックアーム140は保護筒120に装着された状態にしておく。
【0028】
図5は、ロックアーム140のトラカール把持部144の構造を示す図であり、図3の矢印B方向から見た状態を示す(ただし、把持部144の後方の様子は省略)。図5に示すように、トラカール把持部144は、保護筒把持部142同様二股に分かれており、これら二股の両片は、円筒状のトラカール管状部220を抱持するように略円形に延伸している。二股部両片の入口側の間隙bは、管状部220の径より若干小さく設定されており、この結果トラカール把持部144をいったん管状部220に嵌め込むと、一定以上の力を加えないと外れなくなる。図1に示したロックアーム140が開いた状態で、保護筒120をトラカール200に十分に挿入し、ロックアーム140を閉じると、トラカール把持部144がトラカール200の管状部220にパチンと嵌まる。図6は、トラカール把持部144をトラカールの管状部220にはめ込んだ状態を示す図であり、保護筒120の先端側から基端側を見たときの状態を示している。
【0029】
このように本実施形態では、トラカール把持部144の弾性力で管状部220を挟み込む構成なので、弾性力が小さいと管状部220とトラカール把持部144とが摺動可能となり、トラカール200が保護器具100に対して相対移動可能となる。したがって、探触子等を引き抜く際、保護器具100が探触子等と一緒になって後退する可能性も考えられる。ただし、その場合も、トラカール200の相対移動可能範囲は、図2から分かるように、トラカールの基端部240の先端側がトラカール把持部144に当接する位置から、基端部240の基端側が保護筒120のストッパ部124に当接する位置までの範囲に限られる。一般に、トラカール200の基端部240は、弁機構などを収容するため管状部220に比べてかなり大きなサイズとなっているので、管状部220を挟み込むトラカール把持部144は必ず基端部240に引っかかることになる。既に説明したように、保護筒120は十分な長さに設計されているので、トラカール200に対して保護筒120が最大限後退したとしても、その先端部122aはトラカールの先端開口222から露出する。
【0030】
手術時には、トラカール200を体腔に挿入し、そのトラカール200に対してロックアーム140が管状部220に嵌まる位置まで保護筒120を挿入し、ロックアーム140を閉じてトラカール把持部144を管状部220に嵌め込むことにより、保護器具100をトラカール200に装着する。そして、保護筒120の挿入口から探触子等の挿入部を体腔内へと挿入し、所望の観察等を行う。なお、最初に保護筒120に探触子等を挿入し、保護筒120及び探触子等を一体としてトラカール200に挿入してもよい。
【0031】
図7は、本実施形態の保護器具100を用いた手術時の状態を示している。体皮400に対して刺入したトラカール200に対して保護器具100が装着され、保護筒120の先端部122aが管状部220の先端開口222から突出している。この保護筒120を通して、腹腔用探触子300の挿入管310が挿入され、その挿入管310の先には屈曲部320が形成され、この屈曲部320の先に振動子等を備えた先端部330が取り付けられている。必要に応じて手元のハンドル340を操作することにより屈曲部320の屈曲状態を変化させることができ、臓器410に対して所望の角度から振動子を当接することが可能になる。
【0032】
探触子300を体腔から引き抜く際に、仮に屈曲部320が屈曲状態のままであったとしても、屈曲部320はトラカールの管状部220の鋭利な先端開口222には直接接触せず、保護筒120の丸みを帯びた先端部122aに接触するだけなので、柔軟な材料で形成された屈曲部320の被膜が損傷する可能性はほとんどなくなる。探触子300の引き抜きが完了すれば、あとはロックアーム140をトラカールの管状部220から外し、保護筒120をトラカール200から引き抜けばよい。
【0033】
以上、本実施形態に係る保護器具100について説明した。従来の保護筒は、トラカールの基端部の構造に装着するものであったため、基端部構造が各社ごとにまちまちな現状では汎用性の点で問題があった。これに対し、本実施形態の保護器具100は、保護筒120の基端側のトラカールに挿入されない部位と、トラカールの管状部220とをロックアーム140で連結することにより、保護筒120をトラカール200から外れないようにした。管状部220は、体皮に挿入するという機能上、その外形形状がほぼ円筒形と定まっているので、本実施形態の保護器具100は、基端部構造が異なる様々なトラカールに装着することができる。なお、トラカールには、5,10,12mmなどいくつか標準的な径が存在するので、それら各径に合わせた保護筒120を用意することが好適である。
【0034】
また、ロックアーム140は、図2に示すようにトラカールの基端部240を跨いで管状部220に係合する。したがって、本実施形態の保護器具100は、基端部240の形状・サイズ(長さ、幅など)が図2のような装着状態を実現できる範囲であれば、どのようなトラカールにも装着できる。逆に言えば、基端部240が様々に異なる他種類のトラカールに対応できるよう汎用性を高めるためには、ロックアーム140の長さや高さに余裕を持って設計する必要がある。
【0035】
また、アーム取付部126に取付可能な同一の保護筒把持部142を有する長さや高さの異なる複数のロックアーム140を用意しておけば、トラカールごとに最適な形状のロックアーム140を選択して使用することができる。
【0036】
図8は、挿入部材保護を確実するためのロックアーム140の変形例を示す。この変形例では、ロックアーム140が基端側に延伸して誤挿入阻止部146を形成している。この変形例では、図示のようにロックアーム140が開状態となると、誤挿入阻止部146が保護筒120の挿入口を覆うので、この状態では探触子等が挿入できなくなる。逆に、保護筒120をトラカール200に挿入してロックアーム140を閉じて装着した状態では、誤挿入阻止部146が保護筒120の挿入口を覆う位置から外れるので、探触子等の挿入が可能になる。なお、誤挿入阻止部146は、ロックアーム140が完全に閉じ、トラカール把持部144がトラカール200の管状部220を把持する状態になって初めて、保護筒120の挿入口から探触子等を挿入可能になるよう、その形状・サイズが定められている。
【0037】
図9に誤挿入阻止部146の端部形状の一例を示す。この図は、ロックアーム140を完全に閉じてトラカールの管状部220に係合させた状態で、図8の保護筒120をE−E断面で切断し、挿入口側から見た状態を示す。図示のように、誤挿入阻止部146の端部は、保護筒120の挿入口132の形状に合わせた半円形の凹部146aを有しており、ロックアーム140を完全に閉じたときにその半円形の凹部146aが挿入口132と位置合わせされることになる。この例では、ロックアーム140が少しでも開くと、誤挿入阻止部146が挿入口132の一部以上を覆うことになるので、ロックアーム140がトラカールの管状部220に嵌まっていない状態では、探触子等の挿入ができなくなる。また、探触子等を挿入していると、これが障害となってロックアーム140が開かなくなる。
【0038】
以上説明したように、この変形例では、保護器具100のロックアーム140がトラカールの管状部220をしっかり把持した状態でないと、探触子等の挿入部材が挿入できなくなる。そして、探触子等を挿入した状態では、ロックアーム140がトラカールの管状部220にしっかり係合し、外れない状態となっているので、探触子等を引き抜く際に保護器具100がトラカール200から外れることはなく、探触子等の屈曲部が保護筒120で確実に保護されることになる。
【0039】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、以上に示した例は本発明を具体化した構成の一例に過ぎず、当業者ならば本発明の技術思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0040】
上記実施形態では、ロックアーム140とトラカール管状部220との係合を、トラカール把持部144の二股部で管状部220を挟み込むクリップ構造としたが、これ以外の構造でも本発明の効果が得られる。例えば、管状部220へのロックアーム140の係合部分が、管状部220を摺動しにくいようにしっかりと把持する構造も可能である。また、管状部220へのロックアーム140の係合部分が、管状部220との間に隙間を有するような構成であっても、その係合部分が管状部220から外れず、かつトラカールの基端部240がその係合部分をすり抜け不可能な構造であれば、本発明の効果が得られる。
【0041】
また、上記実施形態では、ロックアーム140は、硬質樹脂の成型品として形成されたが、これに限らず、例えば板金を加工して形成することもできる。板金を用いた場合、保護筒把持部やトラカール把持部の弾性構造を比較的容易に得ることができる。
【0042】
また、上記実施形態では、保護筒120のアーム取付部126が球面状の形状を有していたが、アーム取付部126はロックアーム140の開閉動作を可能とする構造であればどのような構造でもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、アーム取付部126に対してロックアーム140を装着し、ロックアーム140の開閉により、保護筒120をトラカール200に対して装着したが、これに限らず、ロックアーム140を保護筒120と完全に別体化し、装着時にロックアーム140を保護筒120のアーム取付部126及びトラカール200の管状部220に係合させる構成も可能である。
【0044】
また、上記実施形態では、保護筒120の先端部122aが丸みを帯びた構造であったが、保護筒の先端部122aは探触子等の屈曲部の柔軟な被膜を傷つけにくいものであれば、どのような構造でもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の保護器具は、形状・サイズ等がほぼ決まっているトラカールの管状部と、保護筒のトラカールに挿入されない非挿入部位とをロックアームで連結する構成を採ったので、基端部構造の異なる多種類のトラカールに対して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なトラカールと、トラカール挿入部材保護のための本発明に係る保護器具とを示した部分断面図である。
【図2】保護器具をトラカールに装着した状態を示す側面図である。
【図3】保護器具の構成を示す側面図である。
【図4】ロックアームの保護筒への取り付け構造を説明するための図である。
【図5】ロックアームのトラカール把持部の形状を示す正面図である。
【図6】ロックアームのトラカール把持部が、トラカールの管状部に係合した状態を示す正面図である。
【図7】実施形態の保護器具の使用状態を説明するための図である。
【図8】誤挿入阻止部を備えたロックアームを有する保護器具を示す側面図である。
【図9】ロックアームの誤挿入阻止部の端部形状の一例を示す図である。
【図10】従来技術の保護筒とトラカールとの係合構造を説明するための図である。
【符号の説明】
100 保護器具、120 保護筒、122 挿入部、122a 先端部、124 ストッパ部、126 アーム取付部、128 挿入口部、130 気密キャップ、140 ロックアーム、142 保護筒把持部、144 トラカール把持部、146 誤挿入阻止部、200 トラカール、220 管状部、222 先端開口、224 エッジ、240 基端部。

Claims (6)

  1. トラカールを通して体腔内に挿入された挿入部材を引き抜くときに、前記トラカールの管状部の先端開口のエッジから該挿入部材を保護する保護器具であって、
    前記トラカールに挿入されて前記挿入部材の挿通路を形成し、前記トラカールに挿入されたときに先端部が前記トラカール管状部の先端開口から露出する長さを持つ保護筒と、
    前記保護筒の基端側のトラカール非挿入部位と前記トラカール管状部とを連結して前記トラカールに対する前記保護筒の後退を規制するロック機構と、
    を有し、
    前記ロック機構は、前記保護筒の前記トラカール非挿入部位に設けられた取付部に取り付けられるアームを有し、該アームは前記取付部を支点として前記保護筒に対して開閉可能であると共に、前記トラカールの基端部より径が小さく基端部より先端側にある管状部に係合する係合部を有し、
    前記ロック機構を開いた状態で前記保護筒が前記トラカールに挿入され、挿入後前記ロック機構が閉じられ前記係合部が前記トラカールの管状部に係合されることにより、前記保護筒が前記トラカール管状部に連結される、
    ことを特徴とするトラカール挿入部材保護器具。
  2. 請求項記載の保護器具であって、
    前記アームは前記取付部に対して着脱自在であり、前記保護筒に対して、予め用意された形状の異なる複数のアームの中から所望のものを選んで取り付け可能なことを特徴とするトラカール挿入部材保護器具。
  3. 請求項又は請求項に記載の保護器具であって、
    前記ロック機構の係合部は、前記トラカールの管状部を弾性的に挟み込むクリップ手段であることを特徴とするトラカール挿入部材保護器具。
  4. 請求項又は請求項又は請求項に記載の保護器具であって、
    前記ロック機構が前記トラカール管状部に係合していないときに前記保護筒に対する前記挿入部材の進入を阻止する阻止部材を有することを特徴とするトラカール挿入部材保護器具。
  5. 請求項記載の保護器具であって、
    前記阻止部材は、前記ロック機構の延伸部として、前記ロック機構が開状態にあるときに前記保護筒の基端側入口を塞ぐように形成されることを特徴とするトラカール挿入部材保護器具。
  6. トラカールを通して体腔内に挿入された挿入部材を引き抜くときに、前記トラカールの管状部の先端開口のエッジから該挿入部材を保護する保護器具であって、
    前記トラカールに挿入されて前記挿入部材の挿通路を形成し、前記トラカールに挿入されたときに先端部が前記トラカール管状部の先端開口から露出する長さを持つ保護筒と、
    前記保護筒の基端側のトラカール非挿入部位と前記トラカール管状部とを連結して前記トラカールに対する前記保護筒の後退を規制するロック機構と、
    を有し、
    前記ロック機構は、前記保護筒の前記トラカール非挿入部位に設けられた取付部と、前記トラカールの基端部より径が小さく基端部より先端側にある管状部と、の双方に対し着脱自在に係合可能なアームを有し、
    前記アームが前記取付部と前記管状部との双方に係合されない状態で前記保護筒が前記トラカールに挿入され、挿入後前記アームが前記取付部と前記管状部の双方に係合されることにより、前記保護筒が前記トラカール管状部に連結される、
    ことを特徴とするトラカール挿入部材保護器具。
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