JP3618904B2 - 紙堆積体から気泡を除去するための装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙堆積体のための移送路、この移送路に沿って運動しかつ紙堆積体を第一の位置において把持しこの移送路に沿って第二の位置に紙堆積体を引入れる少なくとも一つのトングを備えた移動把持機構および紙堆積体上に降下可能なプレス機構とを備えており、このプレス機構が空気を圧出させるために紙堆積体を押圧し、他方この紙堆積体がプレス機構に対して相対的に移送路に沿って引かれる様式の、紙堆積体から気泡を除去するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙堆積体は連および他の層或いは一枚一枚の枚葉の体積体であり、或いは群にまとめられて重ねられた枚葉であり、これらは移送され、更に処理、例えば包装される。紙堆積体と言う概念は紙堆積体のように処理される他の枚葉材料から成る堆積体おも意味する。
【0003】
互いに重ねられて堆積体に形成された枚葉の移送は特別慎重にかつ丁寧に行う必要がある。何故なら、このような堆積体は極めて不安定であるからである。枚葉の一枚一枚と群は滑動し易く、従って堆積体はその所望の、一般的に正方形の堆積形状が崩れてしまう。このような理由から、堆積体のこのような不安定さは、枚葉を互いに重ねる際にこの枚葉の間に空気の層を形成する原因となる。この空気は若干の時間の後は枚葉の自重で自然に逃げるが、しかし現代における紙処理機の高い生産速度および移送路を短くしようと言う事情からは、紙堆積体からの空気の自己排気が行なわれるのを待つ時間的なゆとりはない。
【0004】
こう言ったことから、堆積体を移送するに先立って或いはいる移送の間この堆積体から空気を除去するための種々の装置および方法が知られている。
ドイツ連邦共和国公開特許第27 53 668号公報から、トングによって把持された堆積体をこの堆積体上に載るプレスローラの下方で引通し、その際枚葉の間に封入されている空気を圧出する装置が知られている。この公報には、どのようにして下方へと運動するプレスローラとトング間の衝突を回避するかに関して、またどのようにしてトングの把持フインガーの手前で可能な限りこの把持フインガーに密接させてプレスローラの堆積体上への載置を保証するかに関しては何等開示されていない。
【0005】
ドイツ連邦共和国公開特許第34 03 209号公報から、封入されている空気を除去するために、トングにより引かれる堆積体上に、封入されている空気を払拭するブラシ或いはローラの様式のストリッパーが旋回して載り、一方堆積体はこのストリッパーの下方を引通されるように構成されている装置が公知である。この装置のストリッパーは旋回レバーに設けられており、その運動のためには機械に比較的大きな側方のスペースが必要である。更に、このストリッパーは堆積体の高さに応じて、異なる位置で異なった角度で堆積体上に載置し、従って払拭効果が異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載した様式の装置を更に改良発展させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は本発明により、プレス機構が下方向に運動する際移動把持機構により案内されるように構成されていることによって解決される。
本発明による他の構成は特許請求の範囲の請求項2から11に記載した。
特許請求の範囲の請求項2から5は、堆積体移送路の上方でのプレス機構の配設、移送路に対して収斂状に傾斜しておりかつトングによる堆積体の迅速な移送にあっても紙堆積体の上側に対するプレス機構の紙堆積体を傷めることのない載置を可能にするプレス機構案内部と、移動把持機構の位置に依存して紙堆積体上への載置が行われるまでプレス機構の下降運動の強制案内に関する。
【0008】
特に、特許請求の範囲の請求項4と5によるプレス機構の強制案内は、プレス機構とトング間の衝突をなくすること、およびトングの紙堆積体を把持するグリッパの直前でのプレス機構の紙堆積体上への載置が可能であることを保証する。特許請求の範囲の請求項6は、プレス機構の移動把持機構による強制的な案内の特別な特徴を内容としている。
【0009】
プレス機構として、例えばブラッシのような従来のストリッパーが使用される。
特許請求の範囲の請求項7により、プレス機構としてプレスローラが設けられており、このプレスローラはこれに作用する押圧力の下で、その下方を通過運動する紙堆積体の上面を転動し、その際紙堆積体の枚葉間に封込められている空気を確実に圧出する。このプレスローラが回転しているので、紙堆積体の上側内の枚葉内の引張り力が回避される。
【0010】
特許請求の範囲の請求項8は、プレス機構の上昇運動と下降運動のための駆動機構に関しており、この駆動機構は一方ではプレス機構が下降運動した際でも移動把持機構による強制案内に必要な圧力と紙堆積体に対するプレス機構のプレス作用を可能にする。
特許請求の範囲の請求項9と10は、移送路とプレス機構支承部の構成に関しており、この構成はプレス機構による紙堆積体に対する圧力の作用を許容し、かつ色々なサイズへの容易な適合を可能にする。
【0011】
特許請求の範囲の請求項11はプレス機構の上昇運動と下降運動のための駆動機構の特別な構成に関しており、この構成により構造スペースが僅かであっても極めて有効な機構が達せられる。
以下に添付した図面に図示した発明の実施の形態につき本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による装置の図面に示した発明の実施の形態は移送路1を備えており、この移送路は紙堆積体3の第一の紙堆積体位置2を第二の紙堆積体位置4と結合している。第一の紙堆積体位置2は例えば側壁7を備えた収集ボックス6であり、この収集ボックス内には一枚一枚枚葉或いは紙或いは類似の材料から成る多数の枚葉の層が通常の方法で積層されて紙堆積体3を形成している。第二の紙堆積体位置4は、図面に詳細に図示していないが、排送コンベヤであり、この排送コンベヤは到来する紙堆積体を接続されている次位処理ステーション、例えば包装機へと排送する。
【0013】
移送路1には移動把持機構8が所属している。この移動把持機構は、矢印9の方向で移送路1に対して平行に運動し、これにより一つ或いは多数の互いに並列して設けられているそのトング11で、紙堆積体3を第一の紙堆積体位置2から第二の紙堆積体位置4内に移送するように通常の様式で構成され、かつ駆動される。トング11は下方グリッパ12と上方グリッパ13とから成り、これらのグリッパでもってトングは紙堆積体3を把持し、これを第一の紙堆積体位置2から第二の紙堆積体位置4内への移送の間固持する。移送路、第一と第二の紙堆積体位置並びに移動把持機構とトングとから成る装置は、通常の様式で構成されており、従ってここでは詳しく説明しない。この構成に関しては、ドイツ連邦共和国特許公開第41 16 969号公報(米国特許第5,233,815号に相当)を参照されたい。この公報には、どのようにして紙堆積体が第一の位置2で収集され、トングにより第二の位置4に引込まれるかが開示されている。
【0014】
移送路1の両側でこの移送路1に対して収斂状に傾斜して、図示していない機枠に設けられているプレス機構案内条片14に沿って、プレス機構スライダ16が上昇および下降可能に案内されている。このプレス機構スライダ16はそれぞれプレス機構案内部(条片)14に所属していてかつ図示した発明の実施の形態にあっては板状に形成している二つの側方担持体17から成り、これらの側方担持体はトラバース18を介して互いに結合されている。各々の側方担持体17にはピストンを備えていない空圧シリンダ19が設けられており、この空圧シリンダ内にプレス機構案内部(条片)14がまとめらて内蔵されている。このプレス機構案内部(条片)がまとめらて内蔵されているこの空圧シリンダ19はプレス機構スライダ16の駆動機構として働き、このプレス機構スライダは6をプレス機構案内部(条片)の沿って運動させる。プレス機構案内部(条片)の両端部に弾性的に設けられているストッパ21と22はプレス機構スライダ16の上方位置と下方位置内で緩衝部材として働く。
【0015】
プレスローラ24の様式のプレス機構23は両側で側方担持体17内に支承されている。更に、プレスローラの軸26は両側方担持体17に固定されており、、従ってプレスローラは移送路1と位置2と4の全作業幅にわたって延在している。軸26の端部は本発明の図示した発明の実施の形態にあっては長孔27内を摺動する。これにより紙堆積体3の高さに対するプレスローラ24の位置の適合が可能となる。
【0016】
移動把持機構8は、プレス機構スライダ16に面している側において、少なくとも一つの本質的な垂直な案内面28を備えている。この案内面28は本質的に垂直方向に指向していてかつ側方担持体17の端面に設けられている滑り面29(接触装置)に対応している。本発明の図示した発明の実施の形態にあっては、上記の滑り面29は垂直な滑り条片として形成されており、この滑り条片は少なくともプレス機構スライダ16が下降運動する際に移動把持機構8の案内面28に沿って下方へと滑動する。
【0017】
プレス機構スライダのための、プレス機構案内部(条片)がまとめて内蔵されているピストンを備えていない空圧シリンダから成る駆動機構は、例えばドイツ連邦共和国D−70794フイルデルシュタット インドウストリーシュトラーセ8在のオリガ ゲエムベハー プノイマテイーク社により、P230のシリーズ商品名で販売されている。
【0018】
収集ボックス6内には、互いに重ねられた枚葉から成る、或いは類似の材料から成る枚葉の堆積体3、いわゆる連が収集される。その際、一般に互いに重ねられた枚葉間に紙堆積体の形状を不安定にする空気が封入される。従って、紙堆積体をその移送および次位処理、例えば包装のためにより安定にし、かつ荷崩れに対する持久性を改善するために、一枚一枚の枚葉間の、もしくは紙堆積体から成る枚葉層間の空気を圧出するための特別な処置が必要である。説明を簡単にするために、以下の説明は唯一の紙堆積体に関しての説明であるが、作業が概して多様に行なわれ、従って同時に順次多数の紙堆積体が形成され、多くのトングで第一の位置から第二の位置へと移送され、空気を圧出するために処理が行なわれる紙処理工程をも包含する。即ち、以下の説明においてはただ一つの紙堆積体に関しての説明であるが、この説明は多様な機械における多数の紙堆積体の同時の処理にも妥当することである。
【0019】
紙堆積体3が第一の位置2おいて、即ち収集ボックス6内で完成されている場合、トング11のグリッパ12と13がこの紙堆積体を、図1に示すように、その前面の上側と下側を捕捉するようにして、移動把持機構8のトング11はこの紙堆積体を引取る。移動把持機構の前側の案内面28にはプレス機構スライダ16の垂直な滑り面29が当接しており、この滑り面はその上方の位置においてプレス機構案内部(条片)14の傍らに存在している。ここで紙堆積体3を引出すために移動把持機構8が矢印9の方向で右側に運動すると、プレス機構スライダ16はプレス機構案内部(条片)14に沿って移送路1に対して斜め方向で、プレス機構24が紙堆積体3の表面上に載置されるまで、下降する。この下降運動は空圧シリンダ19によって支援され、この空圧シリンダはプレス機構スライダをプレス機構案内部(条片)14に沿って下方へと押し、これにより移動把持機構の案内面28とプレス機構スライダ16の滑り面29間の確実な接触が維持される。プレス機構24の載置は図2に示した。弾性的なストッパー21はこの載置を緩衝する。従ってプレス機構24の紙堆積体3の表面とのこの紙堆積体の傷みを伴うことのない接触が行なわれる。プレス機構24が紙堆積体3に載置する領域内において、移送路1上に均衡板31が設けられており、、この均衡板は下方グリッパ12上に載っている紙堆積体の下側と移送路1の表面間の高さの違いを均す。
【0020】
図2から明白に認められるように、プレス機構(プレスローラ)24は常にトングの上方グリッパ13の直ぐ手前で紙堆積体3の上に載る。プレス機構は空圧シリンダ19により紙堆積体3の表面に対して押圧され、トング11により更に右方向へと引出される紙堆積体により回転させられる。紙堆積体3はトング11により更に右方向へと運動させられ、その際移動把持機構の案内面28はプレス機構スライダ16の滑り面29から遠ざかるが、他方プレス機構24は空圧シリンダ19の圧力下に紙堆積体3の表面上を転動し、この紙堆積体3内に封入されている空気が圧出される。
【0021】
図3は作業の最終位置を示しており、この位置においてプレス機構24は紙堆積体3の後方端部に到達し、ここでこの紙堆積体3から空気が完全に除去される。図3に示したこの位置から、プレス機構スライダ16は空圧シリンダ19が切換えられることにより逆転してその上方の出発位置に戻る。この出発位置においてプレス機構スライダは、このプレス機構スライダの反動エネルギーを緩衝するストッパー22に当接保持される。プレス機構(プレスローラ)24を備えたプレス機構スライダ16は次の作業工程のための準備状態が整えられ、移動把持機構8がその図1に示した位置、即ちその案内面28がプレス機構スライダ16の滑り面29に再び当接する位置に戻ると直ちに、次の作業工程が開始される。
【0022】
紙堆積体3が異なる高さで処理されるような場合、側方の長孔27内でのプレス機構24の軸の固定位置が相応して変えられる。このようにして、プレス機構24は紙堆積体の高さに関係なく常にトングの手前の同じ距離でこの紙堆積体に載る。この作業状態は再生可能な作業結果をもたらす。
【0023】
【発明の効果】
本発明による装置は構造が簡単であり、構造に要するスペースも僅かであり、機械の側縁を僅かしか越えてない構造である点で優れている。プレス機構の下降運動の制御は移動把持機構の運動との厳しい関連の下に行なわれ、従ってプレス機構とトングとの衝突が回避され、プレス機構はトングのグリッパの直ぐ手前で紙堆積体上に載る。プレス機構は−トングに関して−紙堆積体の高さに関係なく常に同じ位置で紙堆積体に載る。その際、異なる高さへの調節は極めて簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置の第一の作業位置での側面図である。
【図2】本発明による装置の第二の作業位置での側面図である。
【図3】本発明による装置の第三の作業位置での側面図である。
【符号の説明】
1 移送路
2 第一の位置
3 紙堆積体
4 第二の位置
6 収集ボックス
7 側壁
8 移動把持機構
9 矢印
11 トング
12 下方グリッパ
13 上方グリッパ
14 プレス機構案内部(条片)
16 プレス機構スライダ
17 側方担持体
18 トラバース
19 空圧シリンダ
21,22 ストッパー
23 プレス機構
24 プレスローラ
26 軸
27 長孔
28 案内面
29 滑り面
31 均衡板
Claims (11)
- 紙堆積体のための移送路、この移送路に沿って運動しかつ紙堆積体を第一の位置において把持しこの移送路に沿って第二の位置に紙堆積体を引入れる少なくとも一つのトングを備えた移動把持機構および紙堆積体上に降下可能なプレス機構とを備えており、このプレス機構が空気を圧出させるために紙堆積体を押圧し、他方この紙堆積体がプレス機構に対して相対的に移送路に沿って引かれる様式の、紙堆積体から気泡を除去するための装置において、プレス機構(24)が下方向に運動する際移動把持機構(8)により案内されるうに構成されていることを特徴とする装置。
- プレス機構(24)がプレス機構スライダ(16)に設けられていること、このプレス機構スライダ(16)が紙堆積体(3)の移送方向(9)で移送路(1)に対して収斂するように傾斜している少なくとも一つのプレス機構案内部(14)に沿って運動可能であること、および紙堆積体が移送路(1)を経て引出される際移動把持機構(8)の位置に依存したプレス機構スライダのプレス機構案内部に沿った下降運動を制御するための制御手段(28,29)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- プレス機構案内部(14)と制御手段(28,29)とが、トング(11)のグリッパ(13)の直ぐ手前でプレス機構(24)が紙堆積体(3)上に載るように形成されかつ設けられていることを特徴とする請求項1或いは2に記載の装置。
- プレス機構スライダ(16)がトングの運動に依存してカム案内によりその持上げられた位置から紙堆積体(3)上に載る位置に運動可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の装置。
- プレス機構スライダ(16)がその移動把持機構(8)に面している端面において少なくとも一つの接触装置(29)を備えていること、移動把持機構(8)のプレス機構スライダ(16)に面している側に少なくとも一つの垂直な案内面(28)が設けられていること、およびスライダの接触装置(29)が、プレス機構(24)が紙堆積体(3)上に載るまでの下降運動する間本質的に垂直方向で移動把持機構(8)の案内面(28)に沿って当接して移動可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の装置。
- プレス機構スライダ(16)の接触装置(29)が本質的に垂直方向に指向している滑り面として形成されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
- プレス機構(23)としてプレス機構スライダ(16)に回転自在に支承されているプレスローラ(24)が設けられていることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の装置。
- プレス機構スライダ(16)に可逆駆動可能なスライダ駆動機構(19)が所属していること、プレス機構スライダ(16)の駆動機構が、これが下降運動する間は移動把持機構(8)の案内面(28)に対して押圧するように、そしてプレス機構が載置された後は紙堆積体(3)にプレス作用するように、そして紙堆積体(3)がプレス機構(23)の下方を引通された後は上方へとその持上げられた位置に移動するように形成されかつ設けられていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の装置。
- 移送路(1)が紙堆積体(3)上に載るプレス機構(23)を押圧するかめの固定反力部として形成されていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の装置。
- プレス機構(23)が、紙堆積体の異なる高さに適合するように、相応してプレス機構スライダ(16)に摺動可能に設けられていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の装置。
- スライダ駆動機構(19)としてピストンを備えておらず案内条片(14)が内蔵されている空圧シリンダが設けられており、この空圧シリンダが自体プレス機構スライダ(16)の構成要素であり、その案内条片が同時にプレス案内部として働くように構成されていることを特徴とする請求項8から10までのいずれか一つに記載の装置。
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