JP3618841B2 - 磁場測定方法および磁場測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁場測定技術に関し、特に新規な原理に基づく磁場測定方法および磁場測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁場検出方法として、種々の方法が知られている。検出すべき磁場の値としては、アナログ量が必要なものと、バイナリのデジタル量で十分なものとがある。
【0003】
近年、情報記録手段として磁気記録素子が広く用いられている。バイナリなデジタル情報が記録されている場合、磁場検出手段はバイナリなデジタル磁気情報を検出すれば足りる。
【0004】
情報処理能力の大きな記録媒体として、磁気ディスクが用いられている。磁気ディスクは、情報をバイナリなデジタル情報として記録する。磁気ディスクの情報読取手段としては、磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗ヘッドが知られている。
【0005】
一方、半導体の薄層を用いたホール素子は、半導体薄層に印加される磁場Bの強度を
VH =vB/d
によって検出することができる。ここで、Bは検出すべき磁束密度であり、vはキャリアの走行速度であり、dは検出素子の厚さである。これらの感磁性素子は、それぞれ限界を有する。
【0006】
物質表面の観察方法として、表面の電子状態を検出することのできる走査型トンネル顕微鏡(STM)が開発されている。このSTMにスピンの片寄り状態、すなわち、スピン偏極状態を検出する機能を付加したものが報告されている。この技術をスピン偏極走査型トンネル顕微鏡(SP−STM)と呼ぶ。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スピン偏極走査型トンネル顕微鏡の技術を用いる新たな磁気測定方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、高感度の磁場測定装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、閃亜鉛構造の結晶構造を持つ化合物半導体のセンサ領域を有する感磁性素子を準備する工程と、前記センサ領域に円偏光を照射して、スピン偏極状態を発生させる工程と、前記センサ領域のスピン偏極を測定対象磁場中で緩和させる工程と、前記センサ領域のスピン偏極の緩和の度合いを測定する測定工程と、得られた緩和の度合いから磁場の強度を検出する工程とを含む磁場測定方法が提供される。
【0010】
閃亜鉛構造の結晶構造を持つ化合物半導体に円偏光を照射すると、スピン偏極状態が発生する。このスピン偏極状態の緩和過程は、化合物半導体のおかれる磁場強度によって変化する。したがって、一定のスピン偏極を発生させてから一定の時間経過後のスピン偏極の緩和の度合いを測定することにより、磁場の強度を検出することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例による磁場測定方法を概略的に示す。
図1(A)は、本発明の実施例による磁場測定方法のフローチャートを示す。ステップS1で、探針内にスピン偏極を生じさせる。探針は閃亜鉛構造の結晶構造を有する化合物半導体、たとえばGaAsで形成される。
【0012】
図1(B)は、閃亜鉛構造の結晶構造を有する化合物半導体であるGaAsのバンド構造を概略的に示す。伝導帯c.b.は、S1/2 の性格を有し、スピンに関し、二重に縮退している。伝導帯のバンド底はΓ6 である。価電子帯v.b.の上側のバンドは、P3/2 の性格を有し、重い正孔hhと軽い正孔lhがΓ8 で四重に縮退している。また、下側のP1/2 のバンドは、スピン−軌道相互作用によりスプリットし、Γ点においてΓ7 の性格を有する。Γ8 とΓ7 のエネルギ差Δは約0.34eVであり、Γ8 とΓ6 のエネルギ差(バンドギャップ)は、約1.52eVである。
【0013】
図1(C)は、GaAsのバンド端における円偏光励起の選択則を示す。スピンを含めたバンド端の状態は、S1/2 において、mi =−1/2とmi =+1/2の2つの状態となる。また、Γ8 は、mi =−3/2、mi =−1/2、mi =+1/2、mi =+3/2の4つの状態を含む。また、Γ7 はmi =−1/2、mi =+1/2の状態を含む。
【0014】
価電子帯から伝導帯への円偏光による励起は、選択則の異なる右回り円偏光による励起と左回り円偏光による励起を含む。図中、右回り円偏光による励起を実線で示し、左回り円偏光による励起を点線で示す。また、丸で囲んだ数字は、遷移確率の比率を示す。
【0015】
入射円偏光を単色化し、Γ7 からΓ6 への遷移を禁止すると、Γ8 からΓ6 への遷移のみを生じさせることができる。このとき、右回り円偏光を入射すれば、伝導帯のmi =−1/2の状態に3、mi =+1/2の状態に1の比率で電子を励起することができる。同様、左回り円偏光を入射すれば、mi =−1/2状態に1、mi =+1/2の状態に3の比率で電子を励起することができる。
【0016】
このように、円偏光によって励起された伝導帯の電子は、スピン状態が偏り、スピン偏極を示す。
上向きスピンの電子の数をN1、下向きスピンの電子の数をN2とすれば、スピン偏極の度合いPは、
P=(N1−N2)/(N1+N2)
で表現することができる。
【0017】
以下、この物理量Pをスピン偏極率と呼ぶ。右円偏光で励起した場合、GaAsの伝導帯は、−50%のスピン偏極率を有し、左円偏光で励起した場合には、+50%のスピン偏極率を有する。
【0018】
円偏光でスピン偏極状態を励起した場合、スピン偏極は、一定の時間で緩和し、熱平衡状態に達する。磁場のない状態では、上向きスピンの数と下向きスピンの数は熱平衡状態において等しくなる。
【0019】
GaAsに磁場を印加すると、上向きスピンの状態のエネルギと下向きスピンの状態のエネルギに差が生じる。したがって、磁場強度に応じて上向きスピンの数と下向きスピンの数の熱平衡状態における比が変化する。スピン緩和時間は一定であり、熱平衡状態が変化することにより、スピン緩和過程に差が生じる。
【0020】
図1(A)に戻り、ステップS2において、スピン偏極状態を発生した探針を、試料の発生する磁場中に放置する。磁場中に放置された探針内のスピン偏極は、磁場強度に応じた緩和過程を示す。
【0021】
ステップS3において、探針内のスピン偏極状態を検出する。スピン緩和過程は、磁場に応じて変化するため、探針内のスピン偏極状態を検出することにより、間接的に磁場強度を検出することができる。
【0022】
図2は、以上説明した磁場測定方法を概略的に示す。
図2(A)は、GaAsの探針1に左円偏光2を照射した状態を示す。十分な強度の左円偏光を照射することにより、上向きスピン3:下向きスピン1の割合で伝導帯にスピン偏極した電子を励起することができる。
【0023】
図2(B)、(C)、(D)は、t秒後のスピン偏極状態を示す。図2(B)は、磁場がない状態でのスピン偏極状態の緩和状態を示す。左円偏光の照射により、3:1のスピン偏極状態が発生したが、スピン偏極状態は5:3まで緩和している(スピン偏極率+25%)。なお、熱平衡に達すれば、スピン偏極状態は1:1になる。
【0024】
図2(C)と(D)は、互に逆方向の外部磁場が存在する場合のスピン偏極状態の緩和を示す。図2(C)においては、上向きスピンが安定状態となる外部磁場が印加されている。このため、熱平衡状態は上向きスピンが多い状態となり、t秒後のスピン偏極状態は6:2となっている(スピン偏極率+50%)。図2(D)においては、下向きスピンが安定状態となる外部磁場が印加されている。このため、上向きスピンから下向きスピンへの遷移がより多く生じ、スピン偏極状態は4:4に達している(スピン偏極率0%)。このように、一旦一定のスピン偏極を生じさせた後、一定時間経過後、スピン偏極状態を測定することにより、間接的に外部磁場の強度を検出することができる。
【0025】
図3(A)は、上述したスピン偏極率の測定により、外部磁場の強度を検出する測定方法を概略的に示す。横軸は時間を示し、立て軸はスピン偏極率を示す。実線は、外部磁場が存在しない時のスピン偏極の緩和を示す。十分長い時間が経過した後には、スピン偏極率は0に達する。
【0026】
外部磁場が存在する時には、熱平衡状態が変化し、熱平衡状態におけるスピン偏極率が0ではなくなる。上向きスピンが安定な状態となる外部磁場を印加すると、熱平衡状態におけるスピン偏極率は+方向に移動し、逆方向の外部磁場を印加すれば、熱平衡状態におけるスピン偏極率は−方向に変化する。
【0027】
したがって、スピン緩和過程も変化し、+方向の磁場を印加した時には破線のようにスピン緩和が進み、−方向の外部磁場を印加した時には、点線のようにスピン緩和が進行する。時間軸上の一点を取り、スピン偏極率を求めれば、外部磁場に応じてスピン偏極率が変化することが判るであろう。
【0028】
図3(B)は、一定時間経過後に測定したスピン偏極率と、磁場強度の関係を概略的に示す。図は、初期状態において、上向きスピンの数が下向きスピンの数よりも多くなる(スピン偏極率が正の)励起を行った場合を示す。下向きスピンの数が上向きスピンの数よりも多くなる(スピン偏極率が負の)励起を行った場合は、スピン偏極率と磁場強度との極性を反転させたものとなる。
【0029】
図4は、トンネル電流によりスピン偏極率を測定する方法を示す。図4(A)において、p型GaAsで形成されたセンサ領域1は、電極8を介し、電流計9、電圧源+Vに接続されている。センサ領域1に対し、数Åの距離で測定対象物3が配置される。測定対象物3は接地されている。測定対象物3からは、一定の磁場4が発生している。センサ領域1と測定対象物3の距離が数Å程度であるため、測定対象物3とセンサ領域1の間にトンネル電流5が流れる。このトンネル電流5を電流計9によって検出する。
【0030】
ある状態から他の状態へ電子が遷移する場合、遷移後の状態が占有されている場合、パウリの排他律により遷移は生じにくい。トンネル電流5は、測定対象物3からセンサ領域1に遷移する。測定対象物が磁化していると、その内部の電子は磁化に応じたスピンを有する。この時センサ領域1内の電子の状態により、遷移確率が変化する。トンネル電流は、遷移前のスピンと遷移後のスピンが逆向きの時に流れやすく、同じ向きの時に流れにくいことが知られている。センサ領域1内にスピン偏極状態を発生させておくと、スピン偏極状態に応じたトンネル電流が流れる。
【0031】
電極8には中央に窓が開けられており、センサ領域1にも凹部が形成されている。円偏光2をセンサ領域1の先端部に入射すると、円偏光照射領域にスピン偏極状態を発生させることができる。円偏光2を、右回り偏光と左回り偏光に変化させれば、異なるスピン偏極状態を発生させることができる。スピン偏極状態発生後、一定時間経過後のトンネル電流を測定すれば、スピン偏極状態を検出し、間接的に磁場4の強度を測定することができる。このような構成により、感磁性素子MSが構成される。
【0032】
図4(B)は、トンネル電流Itと磁場強度の関係を概略的に示す。横軸はトンネル電流Itを示し、縦軸は磁場強度を示す。測定対象物内の電子のスピン方向と、センサ領域に発生させるスピン偏極状態の極性に応じ、トンネル電流Itの変化の方向は逆転する。
【0033】
トンネル電流が流れにくくなるスピン偏極状態を発生させた場合は、時間経過と共にスピン偏極状態が緩和し、トンネル電流は次第に流れやすくなる。スピン偏極状態を保持する方向の磁場が印加されると、実線で示すように磁場強度が強いほど緩和は遅くなる。磁場の極性が反転すれば、曲線は逆向きの勾配になる。
【0034】
逆にトンネル電流が流れやすくなるスピン偏極状態を発生させた場合には、時間経過と共にトンネル電流は次第に流れにくくなる。スピン偏極状態を保持する方向の磁場が印加されると、破線で示すように磁場強度が強いほど緩和が遅く、大きい電流が流れる。
【0035】
スピン緩和の過程が、外部磁場の強度によって変化するので、トンネル電流を検出することによって磁場の向き、強度を検出することができる。ところで、図4(A)に示すように、バルク状の半導体領域によりセンサ領域1を形成し、その一部に円偏光を照射すると、円偏光2によって発生させたスピン偏極状態が拡散により薄まりやすい。円偏光を吸収する領域をの領域から分離することにより、測定感度を向上させることができる。また、センサ領域を小面積にすることにより、微小領域の磁場測定が容易になる。
【0036】
図4(C)は、スピン偏極状態を局在化させることのできる感磁性素子MSの構成を示す。GaAs基板11の表面上に、GaAsバッファ層12をエピタキシャルに成長し、その上に厚さ2〜3μmのAl0.4 Ga0.6 As層13を成長し、その上に厚さ500Å程度のGaAs層14をエピタキシャル成長する。
【0037】
AlGaAs層13は、GaAs層14よりも広いバンドギャップを有し、キャリアに対する電位障壁を形成する。したがって、GaAs層14内のキャリアはその層内に閉じ込められる。
【0038】
GaAs層14に基板側から円偏光を効率的に入射するため、GaAs基板11、GaAsバッファ層12を貫通して窓Wが形成されている。この窓Wを通して下方よりGaAsギャップ波長に対応する波長の円偏光を入射すれば、AlGaAs層13は透明であり、円偏光は効率的にGaAs層14に供給される。
【0039】
なお、伝導帯にスピン偏極状態を有する電子を励起するため、GaAs層14はp型にドープし、このp型GaAs層14を通してトンネル電流を流すため、他の半導体領域もp型とする。基板11の下面上には電極8が形成される。図4(C)に示すような感磁性素子を図4(A)の構成で用いることにより、トンネル電流を効率的に測定することができる。
【0040】
スピン偏極状態を有するキャリアを閉じ込めるため、センサ領域を薄膜化した場合、薄膜の数を1つに限る必要はない。
図5は、積層構造を有する感磁性素子MSの構成例を示す。図5(A)において、GaAs基板11の図中下面の上に、広いバンドギャップを有するAlGaAs層13とセンサ領域となるGaAs層14が3対積層されている。AlGaAs層13は、GaAsのギャップ波長の入射円偏光2に対して透明である。円偏光はGaAs層14において吸収され、スピン偏極状態を発生させる。接地された磁気ディスク3から発生する磁場により、GaAs層14内でのスピン緩和が変化する。スピン偏極状態に応じ、磁気ディスク3の磁化領域から感磁性素子MSに流れるトンネル電流が変化し、トンネル電流の大きさにより磁場強度を検出することができる。
【0041】
図5(B)、(C)は、このような感磁性素子の製造工程を説明するための概略断面図である。図5(B)に示すように、GaAs基板11の上に、まず厚さ約10ÅのAlGaAs層14pを成長し、その上に厚さ約200ÅのGaAs層13a、厚さ約50ÅのAlGaAs層14a、厚さ約50ÅのGaAs層13b、厚さ約50ÅのAlGaAs層14b、厚さ約200ÅのGaAs層13cを順次成長する。なお、これらの層の成長は約600℃でMBE法により行うことができる。
【0042】
図5(C)に示すように、GaAs基板11の表面上に、レジスト層PRを塗布し、中央に開口を有するレジストパターンをホトリソグラフィにより形成する。このレジストパターンをマスクとし、HF+H2 O2 +H2 Oをエッチング液とし、GaAs基板11の一部厚さを残すように(たとえば基板11が200μm厚の場合20μm程度を残すように)エッチングを行う。次に、CCl2 F2 +Heをエッチングガスとした反応性イオンエッチングにより、GaAs基板11の残り厚さをエッチングし、AlGaAs層14pでエッチングをストップさせる。なお、後半のエッチング条件は、たとえばCCl2 F2 の流量を10sccmとし、Heの流量を80sccmとし、圧力を約4Paに保ち、200Wの高周波電力を供給して行う。
【0043】
なお、積層構造上にもレジストパターンを作成し、下方から励起光が入射するセンサ領域以外の部分をエッチングにより除去すれば、より高感度のセンサ領域構造が得られる。
【0044】
以上、トンネル電流を測定することにより、磁場の向き、強度を検出する場合を説明したが、スピン偏極状態の測定はトンネル電流に限らない。
図6は、光吸収によりスピン偏極状態の測定を示す。
【0045】
図6(A)に示すように、GaAsで形成された探針1に、同じ向きの円偏光の2つのパルス2a、2bを入射する。
図6(B)は、最初の円偏光パルス2aが探針1によって吸収された状態を概略的に示す。左回り円偏光の吸収に、探針1内の伝導帯に上向きスピン3、下向きスピン1の比率でスピン偏極状態が励起される。このスピン偏極状態を有する探針1に再び左回り円偏光の2つ目のパルス2bが入射する。探針1内では、スピン偏極状態の緩和が生じている。このスピン緩和は、印加されている磁場の強度に応じて変化する。
【0046】
図6(C)は、外部磁場が存在しない時の2つ目の光パルスの透過光を概略的に示す。スピン緩和が一定の割合で進向しているため、透過光T0 は、図に示すような強度となるようなものとする。
【0047】
図6(D)は、下向きスピンを安定化させるような外部磁場が印加されている場合を示す。下向きスピンを安定化させる外部磁場が印加されると、上向きスピンの消滅は速くなる。したがって、2つ目の左回り円偏光2bの入射までにスピン緩和がより進行し、2つ目の光パルスの吸収は強くなる。このため、透過孔T− の強度は減少する。
【0048】
図6(E)は、上向きスピンを安定化させる外部磁場が印加されている場合を示す。この場合、発生した上向きスピンが下向きスピンに変化しにくく、2つ目の左回り円偏光2bが入射されるまでに上向きスピンの減少は少ない。このため、2つ目の左回り円偏光の吸収は弱くなり、透過光T+ は大きくなる。このように、2つの円偏光パルスを探針に入射し、2つ目の光パルスの透過率(光吸収)を測定することにより、間接的に磁場の向き、強度を測定することができる。
【0049】
なお、反射を用いても、円偏光に対する探針1の光学定数を検出することができる。
図6(F)は、励起されたスピン偏極状態を光で検出する構成例を示す。GaAs基板11の下側に3対のAlGaAs層13とGaAs層14が積層されている。基板11には、入射光を通過させるための窓Wが開口されている。基板11上方には、偏光ビームスプリッタ17とλ/4板18が配置されている。
【0050】
上方から、図に示すように、紙面水平方向に偏光軸方向を有する直線偏光21が入射する。この直線偏光21は、偏光ビームスプリッタ17を通過し、偏光軸の方向に対して45°の角度に配置されたλ/4板18を通過することにより、円偏光22に変化する。この円偏光22は、感磁性素子MSの積層センサ領域に入射し、スピン偏極状態を励起する。
【0051】
スピン偏極状態の検出の際は、上述と同様に円偏光22を入射し、反射光23を得る。反射光23はλ/4板18に入射する。λ/4板18を通過した反射光は、90°偏光方向を回転させた直線偏光24となり、偏光ビームスプリッタ17により反射されて図中右方に進み、ホトダイオードPDによって検出される。
【0052】
磁気ディスク等の測定対象物3から磁場4が発生している場合、GaAs層14a、14b、14c内でのスピン緩和は磁場強度によって変化する。2つの円偏光パルスを入射し、2つ目の円偏光パルスに対する光学定数を測定することにより、磁場4の向き、強度を検出することができる。
【0053】
亜鉛構造のバンド構造は、応力(歪)を印加することにより、変調することができる。
図7は、歪を持たせたセンサ領域および量子ドットを形成したセンサ領域を有する感磁性素子MSの構成例を示す。
【0054】
図7(A)に示すように、GaAs基板11の上に、一旦厚さ3μm程度のp型GaAsP層16をエピタキシャルに成長した後、厚さ約0.2μmのp型GaAs層14をエピタキシャルに成長する。GaAsPは、GaAsよりも小さな格子定数を有し、GaAs層14に対し、格子不整合に基づく歪を与える。
【0055】
図7(B)は、応力を印加した閃亜鉛構造のバンド構造を概略的に示す。伝導帯において、重いホールのバンドhhに対し、軽いホールのバンドlhが相対的に移動し、バンドギャップが伝導帯c.b.と軽いホールの価電子帯lhによって構成される。このように、価電子帯の縮退を解けば、選択側が変化し、伝導帯に上向きスピンのみまたは下向きスピンのみの電子を励起することが可能となる。励起するスピン偏極状態がより安全なものとなるため、測定精度を向上することが可能となる。たとえ、縮退が完全に解けない場合でも、スピン偏極率を大きくすることが可能となるため、測定精度を向上することができる。
【0056】
図7(C)は、センサ領域に量子ドットを形成した感磁性素子の構成例を示す。p型GaAs基板11の上に、GaAs層13で挟まれたAlGaAs層14を形成した構成を示す。三層のGaAs層13a、13b、13cの間に、二層のAlGaAs層14a、14bが形成されている。各AlGaAs層14においては、ほぼGaAsで形成された量子ドット19がAl0.4 Ga0.6 As領域中に散点状に形成されている。
【0057】
量子ドット中においては、通常上向きスピンと下向きスピンの2つの電子状態しか許容されていない。このため、電子の遷移が簡単化され、選択則も簡単化される。量子ドットに円偏光を照射すると、すべての電子のスピンを上向きスピンにしたり、下向きスピンにしたりすることができる。遷移エネルギは、基底準位に関して1.6eVである。波長選択性も向上し、S/N比が大きくなる。
【0058】
なお、Al0.4 Ga0.6 Asの遷移エネルギは約1.8eVであり、GaAsの遷移エネルギは約1.6eVである。
以上、AlGaAs領域にGaAs量子ドットを形成する場合を説明したが、他の形態の量子ドットを作成することもできる。たとえば、InGaAs領域において、In組成の高い量子ドットをIn組成の低い領域内に作成することもできる。
【0059】
図8は、感磁性素子のいくつかの形態を示す。
図8(A)は、円錐形状を有するセンサ領域26を示す。支持部分11の上に、バンドギャップの広いAlGaAs等の領域13を介してバンドギャップの狭いGaAs等のセンサ領域14が形成されている。感磁性素子が円錐状に整形されており、その先端にセンサ領域が配置されている。センサ領域を制限することにより、微小領域の測定が容易になる。この場合、円偏向2はたとえば側方より入射し、測定対象3から発生する磁場の水平成分を測定する。
【0060】
スピン偏極状態の緩和度の測定は、トンネル電流で行っても、光吸収で行ってもよい。
図8(B)(B′)は、四角錐状のセンサ領域27の構成例を示す。感磁性素子の中央部分には入射光を導入するための窓Wが開口されている。スピン偏極状態を発生させるための円偏光は、上方より窓W内に入射する。センサ領域27の先端は、測定対象物に近接して配置する。この場合、測定対象物3から垂直に発生する磁場4を検出することができる。なお、スピン偏極状態の緩和度の測定は、たとえばトンネル電流によって行う。
【0061】
図8(C)、(C′)は、楔型形状を有するセンサ領域28の構成を示す。センサ領域28は、一方向において楔型に収束する形状を有する。この楔をプリズム的に利用し、円偏光2を側方から入射し、測定対象物3から発生する磁場4の水平成分を測定する。なお、図8(A)、(C)において、図8(B)同様、上方から円偏光を導入するための窓を設け、垂直方向に円偏光を導入することもできる。
【0062】
図9は、磁場測定装置の構成例を示す。半導体レーザ31は、センサ領域でスピン偏極状態を発生させるのに適した波長の光を発生する。センサ領域がGaAsの場合、半導体レーザ31は、たとえば、発振波長830nmのチタンサファイヤレーザである。レーザ31から発生したレーザ光は、レンズ32によって平衡光束とされ、偏光方向スイッチング用のポッケルスセル33を介してミラーM1、M2、M3を通り、λ/4板35に入射する。
【0063】
λ/4板35を透過した光は、円偏光となり、レンズ36を通って感磁性素子MSに入射する。感磁性素子MSは、測定対象3の近傍に配置され、測定対象3から発生する磁場の強度を検出する。
【0064】
図示の構成においては、測定対象3と感磁性素子MSの間に流れるトンネル電流を測定することにより、測定対象3の発生する磁場強度を検出する。なお、感磁性素子MSを置き換え、光吸収を測定することによってスピン偏極状態の緩和度を測定するものとすることもできる。
【0065】
図10は、増幅機能を備えた感磁性素子の構成を示す。
図10(A)は、トンネル電流を高電子移動度トランジスタ(HEMT)によって増幅する感磁性素子を示す。半絶縁性GaAs基板40の上に、ノンドープのi型GaAs層41がエピタキシャルに成長され、さらにその上に広いバンドギャップを有し、n型にドープされたAlGaAs層42とn型にドープされたGaAs層43が形成されている。
【0066】
このような構成によって、i型GaAs層41の界面近傍に2次元電子ガス45が発生する。n型GaAs層43の一部が除去され、n型AlGaAs層42の表面上にショットキゲート電極47が形成されている。この構成により、図中右側部分でHEMTが形成される。なお、公知の他のHEMT構造を用いてもよい。HEMTの代わりにMESFET等を用いてもよい。
【0067】
図中左側部分において、GaAs層43の表面上にp型GaAsのセンサ領域46が形成されている。このセンサ領域46は、測定対象物3の近傍に配置される。測定対象物3とセンサ領域46との間の距離が数Å程度に保持されると、その間にトンネル電流が流れる。トンネル電流は、HEMTのゲート電極47に接続され、HEMTによって増幅される。なお、センサ領域とHEMTの間は、i型GaAs層の途中まで達する溝44によって分離されている。
【0068】
図10(B)は、HEMTを用いた他の構成を示す。この構成においては、p型GaAsで形成されたセンサ領域46が、直接ゲート電極を構成している。また、AlGaAs層42およびGaAs層43はp型にドープされ、p型HEMTを構成している。なお、p型センサ領域46は、1018cm−3程度のキャリア濃度を有することが好ましい。
【0069】
図11は、スピン偏極状態の緩和をホトダイオードによって検出する構成例を示す。図11(A)において、GaAs基板51の上にAlGaAs、InGaPのように広いバンドギャップを有する層52が形成され、その上にp型GaAsのセンサ領域53がエピタキシャルに形成されている。このセンサ領域53に、円偏光2が入射される。センサ領域53は、プリズム的に作用し、入射円偏光2を下方に屈曲させる。図中、右方におかれたホトダイオードPDがセンサ領域53を通過した円偏光の強度を検出する。一旦円偏光でスピン偏極状態を発生させ、その後の緩和を透過光の強度を測定することによって検出することにより、センサ領域53の磁場の向き、強度を検出することができる。
【0070】
図11(B)は、板状のセンサ領域1を用いる場合を示す。センサ領域1の左方にレーザダイオードLDが配置され、右方にホトダイオードPDが配置される。レーザダイオードLDから発生する直線偏光は、λ/4板18を通って円偏光となり、センサ領域1に入射する。センサ領域1を透過した光がホトダイオードPDによって検出される。測定対象物3から発生した磁場の水平方向成分が検出される。
【0071】
図12は、図11(B)に示す構成をより具体化した構成を示す。半導体絶縁生GaAs基板11の上に、キャリア濃度5×1018cm−3、厚さ約200nmのn型GaAs層55がエピタキシャルに成長され、その上に厚さ約300nmのノンドープi型In0.2 Ga0.8 As層56、キャリア濃度約1×1018cm−3、厚さ約200nmのp型GaAs層57がエピタキシャルに成長されている。p型GaAs層57とn型GaAs層55の表面上に、それぞれオーミック接触する電極59、58が形成されている。
【0072】
このようにして、pinダイオード構造が構成される。図中上方より、円偏光2がp型GaAs層2、i型InGaAs層56に入射される。また、外部磁場4がp型GaAs層57を通って印加される。円偏光2によりp型GaAs層にスピン偏極状態を誘起すると、スピン偏極状態に応じ、円偏光2の透過率が変化する。
【0073】
p型GaAs層57を通過する光透過率が変化すると、i型InGaAs層56に入射する円偏光の光量が変化する。i型InGaAs層に入射した入射光は、電子正孔対を発生させる。この電子正孔対により、pinダイオードに逆方向電流が流れる。したがって、逆方向電流の値はスピン偏極状態に応じて変化する。
【0074】
図12(B)は、pinダイオード構造の電流発生機構を示す。p型領域57、n型領域55に挟まれた狭いバンドギャップのi型領域56に十分なエネルギを有する光が入射すると、電子正孔対が発生し、電子はn型領域55に流れ、正孔はp型領域57に流れる。このようにして、光励起された電流が流れる。
【0075】
i型GaAs層に入射する光の光量は、p型GaAs層57のスピン偏極状態に応じて変化するため、pinダイオードの逆方向電流によりp型GaAs層の光透過率の変化を知ることができる。したがって、関節的に外部磁場4の向き、強度を検出することができる。
【0076】
光励起電流が流れる場合、その光励起電流を直接増幅することも可能である。図13(A)は、図11(B)の他の構成例を示す。半絶縁性GaAs基板11の上に、n型GaAs層61、i型InGaAs層62、p型GaAs層63がエピタキシャルに積層されている。この構成は図12に示すものと同様である。本構成においては、さらにp型GaAs層63の一部表面上にn型GaAs層64が形成されている。n型GaAs層61、64の表面上にオーミック電極66、67が形成されている。このようにして、npinホトトランジスタ構造が構成される。
【0077】
図13(B)は、このホトトランジスタ構造のバンド構造を概略的に示す。n型領域64、p型領域63、i型領域62、n型領域61により、ヘテロバイポーラトランジスタ構造が形成されている。入射円偏光2は、p型GaAs層63を透過してi型InGaAs層62に入射する。i型InGaAs層62で入射光2が吸収されると、電子正孔対が発生し、電子はn型GaAs層61に流れ、正孔はp型GaAs層63に流れ込む。
【0078】
p型GaAs層63は、電極を取り出していないため、正孔はp型GaAs層63内に蓄積される。この正孔により、ベース領域となるp型GaAs層63がバイアスされ、エミッタとなるn型GaAs層64からコレクタとなるn型GaAs層61に流れる電流が変調される。i型InGaAs層62で吸収される光量に応じて、コレクタ電流が増減する。
【0079】
i型InGaAs層62に入射する光量は、p型GaAs層63のスピン偏極状態に応じて変化するため、ホトトランジスタ構造の電流を検出することにより、p型GaAs層63のスピン偏極状態を検出することができる。したがって、p型GaAs層63に印加される外部磁場4の向き、強度を検出することができる。
【0080】
このように、パルス状の円偏光をGaAs等の化合物半導体に照射し、スピン偏極状態を発生させ、その後の緩和過程を検出することにより、外部磁場の向き、強さを検出することができる。スピン偏極状態の検出を、光透過率によって行う場合は、測定対象とセンサ領域と数Å程度の極近距離に配置する必要がなく、制御が簡単になる。
【0081】
なお、センサ領域をGaAs以外の閃亜鉛構造を有する化合物半導体で形成することもできる。また、GaAsを囲む比較的バンドギャップの広い領域は、AlGaAsやInGaPによって構成することができる。たとえば、GaAsと格子整合する材料として、Al0.3 Ga0.7 AsやIn0.5 Ga0.5 P等を用いることができる。この場合、AlGaAsのバンドギャップは約1.79eVであり、InGaPのバンドギャップは約2.0eVとなり、十分な電位障壁が得られる。また、基板上に他の半導体素子やファイバ等を集積化することも可能である。
【0082】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するためのフローチャートおよびバンドダイヤグラムである。
【図2】図1の実施例を説明するためのダイヤグラムである。
【図3】図1の実施例によるスピン偏極率の緩和を説明するためのグラフである。
【図4】図1の実施例において、トンネル電流を用いてスピン偏極率を測定する場合を説明するための概略断面図およびグラフである。
【図5】トンネル電流を用いてスピン偏極率を測定する感磁性素子の他の構成を示す断面図である。
【図6】光吸収を用いてスピン偏極率を測定する方法を説明するためのダイヤグラムおよび断面図である。
【図7】歪および量子ドットを用いてスピン偏極率を測定する感磁性素子の構成を説明するための断面図およびダイヤグラムである。
【図8】感磁性素子の他の形態を示す概略斜視図および断面図である。
【図9】磁場測定装置の構成を示すブロック図である。
【図10】能動素子と感磁性素子を集積化した構成を示す概略断面図である。
【図11】ホトダイオードを用いてスピン偏極率を測定する構成を示す概略断面図である。
【図12】図11(B)に示す構成の具体例を示す断面図およびダイヤグラムである。
【図13】図11(B)に示す構成の他の具体例を示す断面図およびダイヤグラムである。
【符号の説明】
1 センサ領域
2 円偏光
3 測定対象物
4 磁場
5 トンネル電子
8 電極
9 電流計
11 GaAs基板
12 GaAsバッファ層
13 Al0.4 Ga0.6 As層
14 GaAs層
17 偏光ビームスプリッタ
18 λ/4板
22 入射光
23 反射光
26、27、28 センサ領域
31 半導体レーザ
32、36 レンズ
33 ポッケルスセル
35 λ/4板
40 半絶縁性GaAs基板
41 i−GaAs層
42 n−AlGaAs層
43 n−GaAs層
44 溝
45 2次元電子ガス
46 センサ領域
47 ゲート電極
48、49 電極
55 n−GaAs層
56 i−InGaAs層
57 p−GaAs層
58、59 電極
61 n−GaAs層
62 i−InGaAs層
63 p−GaAs層
64 n−GaAs層
66、67 電極
Claims (22)
- 閃亜鉛構造の結晶構造を持つ化合物半導体のセンサ領域を有する感磁性素子を準備する工程と、
前記センサ領域に円偏光を照射して、スピン偏極状態を発生させる工程と、
前記センサ領域のスピン偏極を測定対象磁場中で緩和させる工程と、
前記センサ領域のスピン偏極の緩和の度合いを測定する測定工程と、
得られた緩和の度合いから磁場の強度を検出する工程と
を含む磁場測定方法。 - 前記測定対象磁場が測定対象物から発する磁場であり、前記測定工程が測定対象物と前記センサ領域との間に流れるトンネル電流を測定する工程である請求項1記載の磁場測定方法。
- 前記測定工程が円偏光に対する前記センサ領域の光吸収を測定する工程である請求項1記載の磁場測定方法。
- 前記センサ領域が比較的バンドギャップの広い領域に囲まれた比較的バンドギャップの狭い領域である請求項1〜3のいずれかに記載の磁場測定方法。
- 前記センサ領域が歪を有する領域である請求項1〜4のいずれかに記載の磁場測定方法。
- 前記センサ領域が量子ドットを有する領域である請求項1〜4のいずれかに記載の磁場測定方法。
- 前記センサ領域がIII族元素としてGa、V族元素としてAsを含む化合物半導体で形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の磁場測定方法。
- 前記センサ領域がp型の導電性を有する請求項1〜7のいずれかに記載の磁場測定方法。
- 前記感磁性素子が先端に向かうに従って断面積が小さくなる収束形状を有し、前記センサ領域がその先端部に配置されている請求項1〜8のいずれかに記載の磁場測定方法。
- 前記センサ領域がpn接合構造を有するホトダイオード構造を有する請求項3記載の磁場測定方法。
- 前記pn接合構造がpin接合構造である請求項10記載の磁場測定方法。
- 前記センサ領域がpnp接合構造を有するホトトランジスタ構造を有する請求項3記載の磁場測定方法。
- 閃亜鉛構造を有する結晶構造を持つ化合物半導体のセンサ領域を有する感磁性素子と、
前記センサ領域に、第1の円偏光を照射してスピン偏極状態を発生させることができると共に、スピン偏極状態の緩和中に、測定用の第2の円偏光を照射することができる、円偏光を照射する手段と、
前記センサ領域を透過した第2の円偏光の透過率を検出する手段と
を有する磁気ヘッド装置。 - 前記円偏光を照射する手段は、前記第 1 の円偏光の光パルスと前記第2の円偏光の光パルスを一定間隔で発生する請求項13記載の磁気ヘッド装置。
- 前記センサ領域が比較的バンドギャップの広い領域に囲まれた比較的バンドギャップの狭い領域である請求項14記載の磁気ヘッド装置。
- 前記センサ領域が歪を有する領域である請求項14記載の磁気ヘッド装置。
- 前記センサ領域がIII族元素としてGa、V族元素としてAsを含む化合物半導体で形成されている請求項14記載の磁気ヘッド装置。
- 前記センサ領域がp型の導電性を有する請求項14記載の磁気ヘッド装置。
- 前記感磁性素子が先端に向かうに従って断面積が小さくなる収束形状を有し、前記センサ領域がその先端部に配置されている請求項14記載の磁気ヘッド装置。
- 前記センサ領域がpn接合構造を有するホトダイオード構造を有する請求項14記載の磁気ヘッド装置。
- 前記pn接合構造がpin接合構造である請求項20記載の磁気ヘッド装置。
- 前記センサ領域がpnp接合構造を有するホトトランジスタ構造を有する請求項14記載の磁気ヘッド装置。
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