JP4481687B2 - スピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置 - Google Patents

スピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4481687B2
JP4481687B2 JP2004068179A JP2004068179A JP4481687B2 JP 4481687 B2 JP4481687 B2 JP 4481687B2 JP 2004068179 A JP2004068179 A JP 2004068179A JP 2004068179 A JP2004068179 A JP 2004068179A JP 4481687 B2 JP4481687 B2 JP 4481687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
earth metal
alkaline earth
spin
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004068179A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005259476A (ja
Inventor
隆 中嶋
誠哲 米蔵
由賀利 松尾
徹 小林
祥光 福山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority to JP2004068179A priority Critical patent/JP4481687B2/ja
Publication of JP2005259476A publication Critical patent/JP2005259476A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4481687B2 publication Critical patent/JP4481687B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Description

本発明は、スピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置に関し、さらに詳細には、電子スピンの状態が一方に偏った電子たるスピン偏極電子およびこのように偏極した価電子を持つイオンたるスピン偏極イオンをビームとして同時に発生することのできるスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置に関する。
なお、本明細書においては、スピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生装置を、「スピン高偏極イオン・電子線源」と適宜に称するものとする。
従来より、電子スピンの状態が一方に偏った電子たるスピン偏極電子およびこのように偏極した価電子を持つイオンたるスピン偏極イオンの線源は、固体表面や気体の性質、特に、スピンに関する情報を得るために重要なソースであることが知られている。
ここで、スピン偏極電子を発生させるための手法として一般に用いられている手法は、スピン偏極電子源となるGaAsの単結晶をターゲットとして円偏光レーザーを照射することにより、スピン偏極電子を発生させるという手法である。
この手法は非常に実用的な手法ではあるが、エネルギー準位の縮退のために、50%以上の偏極度を得ることができないことが理論的に証明されており、50%以上の高い偏極度を得ることができないという問題点があった。
このため、こうした50%以上の高い偏極度を得ることができないという問題点を克服するために、格子定数の異なる基板上に薄くGaAsを成長させた歪み薄膜GaAsや超格子構造を持つGaAsなどのようなGaAsをベースにしたスピン偏極電子源の改良が進められ、その結果、80%以上の偏極度が得られるようになってきた。
しかしながら、ターゲットとなるスピン偏極電子源が固体であるために、スピン偏極電子源がレーザー照射によるダメージを受けやすいという問題点が依然として残っていた。
また、スピン偏極電子やスピン偏極イオンを発生させるには、従来は光ポンピングと呼ばれる手法で外殻の価電子をスピン偏極させる方法が一般的であった。
ところが、光ポンピングには、光源として波長が狭窄化された連続(CW)レーザーを用いて連続レーザー光を照射する必要があり、こうした連続レーザーを安定的に動作をさせるためには専門的な知識を必要とするという問題点があった。
本発明は、従来の技術の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ターゲットのダメージを回避することができるとともに、光ポンピングの手法を用いる必要が無く、かつ、高い偏極度および高い収率を実現することを可能にしたスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、本願発明者等によって提案された気体をターゲットとして用いる手法を発展させたものである。
本願発明者等は、「背景技術」の項で指摘した種々の問題点に鑑みて、気体をターゲットとして用いる手法を提案している。この手法は、従来の技術において問題となっていたスピン偏極電子発生のための固体ターゲットのダメージを回避するために、ターゲットとして気体を用いるというものである。
このようにターゲットとして気体を用いる場合には、ターゲットたる気体を循環させることによって、ターゲットの特定箇所にダメージが発生することを確実に避けることができるようになる。
こうした観点において、本願発明者等は、希ガスであるキセノン(Xe)原子をターゲットとして用いて、このキセノン原子に波長固定レーザーからパルスレーザー光を照射してイオン化することにより、90%以上の偏極度を持つ電子が得られることを理論的に示した(非特許文献1を参照する。)。
さらに、本願発明者等は、アルカリ土類金属原子をターゲットとして、上記した非特許文献1に開示されたものと同様に波長固定レーザーによるレーザーイオン化スキームを用いれば、発生した電子と残されたイオンが同程度の偏極度を持つことを理論的に証明した(非特許文献2を参照する。)。

本発明は、上記した本願発明者等によって証明された理論をさらに押し進め、ターゲットのダメージを回避することができるのは勿論のことであり、また、光ポンピングの手法を一切用いる必要が無く、スピン偏極イオンとスピン偏極電子とを極めて高い偏極度および高い収率で同時に発生することを実用的に可能としたものである。
即ち、本発明は、アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化するというイオン化スキームを用いるようにしたものである。より詳細には、本発明は、気体状のアルカリ土類金属原子をターゲットとして、適切な波長と偏光特性を持つレーザー光を照射することにより、自動電離共鳴状態を介してスピン偏極したイオン(スピン偏極イオン)と電子(スピン偏極電子)とを同時に発生させるものである。
そして、アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化するレーザーとして波長可変レーザーを用いると、ターゲットたるアルカリ土類金属原子に照射されるレーザー光の波長を可変することができるため、アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光の波長を任意に選択して、効率的にアルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化することができるようになる。
ここで、スピン偏極イオンとスピン偏極電子との偏極度および収率は、光イオン化に用いられる中間状態(束縛状態)および終状態(連続状態)のエネルギーを決めてしまえば変化させることができない。本発明は、気体状のアルカリ土類金属原子をイオン化する際に、終状態が自動電離共鳴状態となるようにレーザー光の波長を設定するものである。終状態に自動電離共鳴状態を用いる理由は、共鳴効果によって収率を増大させることができるからであり、自動電離共鳴状態を波長選択してイオン化すれば、選択則によってスピン偏極度の高いイオンを生成することが可能になる。
こうした本発明によれば、例えば、78%という高い偏極度を得ることができるとともに、これまでの自動電離共鳴状態を介さないイオン化に比べて、例えば、同じ強度のイオン化レーザー光を照射した場合に、2桁ほど高い収率を実現することができるという作用効果が奏される。

また、本発明においては、光ポンピングを用いる必要がないので、アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化するレーザーとして、扱いが容易なパルスレーザーを用いることができる。
そして、本発明のうち請求項1に記載の発明は、気体状のアルカリ土類金属原子に所定の波長および円偏光または直線偏光のいずれか一方の偏光を備えたレーザー光を照射して、上記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起し、上記所定の準位に励起された上記アルカリ土類金属原子に上記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となる波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光を照射して、上記所定の準位に励起された上記アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化し、スピン偏極電子とスピン偏極イオンとを同時発生するスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法において、上記アルカリ土類金属原子は、ストロンチウム原子であり、上記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起するレーザー光は、波長が285nmのパルスレーザー光であり、上記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光は、波長が640nmのパルスレーザー光であるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、気体状のアルカリ土類金属原子に所定の波長および円偏光または直線偏光のいずれか一方の偏光を備えたレーザー光を照射して、上記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起し、上記所定の準位に励起された上記アルカリ土類金属原子に上記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となる波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光を照射して、上記所定の準位に励起された上記アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化し、スピン偏極電子とスピン偏極イオンとを同時発生するスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法において、上記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となる波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光は、波長可変レーザーから出射されたものであり、上記波長可変レーザーから出射されるレーザー光の波長を可変することにより、上記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光の波長を選択し、上記アルカリ土類金属原子は、ストロンチウム原子であり、上記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起するレーザー光は、波長が285nmのパルスレーザー光であり、上記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光は、波長が640nmのパルスレーザー光であるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、気体状のアルカリ土類金属原子を収容した真空槽と、上記真空槽内に収容された上記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起する所定の波長および円偏光または直線偏光のいずれか一方の偏光を備えたレーザー光を、上記アルカリ土類金属原子に対して照射する励起レーザーと、上記励起レーザーにより上記所定の準位に励起された上記アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態とする波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光を、上記励起レーザーにより上記所定の準位に励起された上記アルカリ土類金属原子に対して照射するイオン化レーザーとを有するスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生装置において、上記アルカリ土類金属原子は、ストロンチウム原子であり、上記励起レーザーは、波長が285nmのパルスレーザー光を出射し、上記イオン化レーザーは、波長が640nmのパルスレーザー光を出射するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項に記載の発明は、気体状のアルカリ土類金属原子を収容した真空槽と、上記真空槽内に収容された上記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起する所定の波長および円偏光または直線偏光のいずれか一方の偏光を備えたレーザー光を、上記アルカリ土類金属原子に対して照射する励起レーザーと、上記励起レーザーにより上記所定の準位に励起された上記アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態とする波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光を、上記励起レーザーにより上記所定の準位に励起された上記アルカリ土類金属原子に対して照射するイオン化レーザーとを有するスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生装置において、上記イオン化レーザーは、波長可変レーザーであり、上記波長可変レーザーから出射されるレーザー光の波長を可変することにより、上記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光の波長を選択し、上記アルカリ土類金属原子は、ストロンチウム原子であり、上記励起レーザーは、波長が285nmのパルスレーザー光を出射し、上記イオン化レーザーは、波長が640nmのパルスレーザー光を出射するようにしたものである。
本発明は、ターゲットのダメージを回避することができるとともに、光ポンピングの手法を用いる必要が無く、かつ、高い偏極度および高い収率を実現することを可能にしたスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。

図1には、本発明によるスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生装置(スピン高偏極イオン・電子線源)の実施の形態の一例を示すブロック構成説明図が表されている。
この本発明によるスピン高偏極イオン・電子線源は、全体の動作をコンピューター(Computer)10により制御するように構成されており、レーザー光照射によるレーザーアブレーションによって気体状のストロンチウム原子を発生するストロンチウム(Sr)基板(Sr disk)12を内部に配置した真空槽(Vacuum chamber)14と、ストロンチウム基板12をレーザーアブレーションするためのレーザー光を照射するアブレーション用のレーザー(アブレーションレーザー:Ablation laser)16と、アブレーションレーザー16から照射されたレーザー光をストロンチウム基板12の表面に集光するための集光レンズ18と、ストロンチウム原子を励起準位に励起する励起用のレーザー(励起レーザー:Pump laser)20と、励起されたストロンチウム原子をイオン化するイオン化用のレーザー(イオン化レーザー:Ionization laser)22と、スピン偏極したイオンと電子との偏極度を求めるためにパルスレーザー光を照射するプローブ用のレーザー(プローブレーザー:Probe laser)24と、プローブレーザー24によるパルスレーザー光の照射により発生するレーザー誘起蛍光(Laser induced fluorescence:LIF)を検出することによりスピン偏極したイオンと電子とを検出するための検出システムとしての分光器(モノクロメーター:monochromator)26および光電子増倍管(PMT)28と、光電子増倍管28の出力からイオン化レーザー22の波数の変化に対するイオンの偏極度ならびにイオン化信号強度のスペクトルを得るためのボックスカー積分器(Box−car integrator)30と、コンピューター10からアブレーションレーザー16に出力されるトリガー信号(trigger)よりもそれぞれ所定の時間だけ遅延させて励起レーザー20、イオン化レーザー22およびプローブレーザー24にトリガー信号を出力する遅延装置(delay)32とを有して構成されている。
ここで、真空槽14には窓部14aを含む窓部(図示せず)が設けられており、プローブレーザー24から出射されたパルスレーザー光は窓部14aを介して真空槽14内に入射され、また、アブレーションレーザー16、励起レーザー20およびイオン化レーザー22およびプローブレーザー24の各レーザーから出射されたパルスレーザー光は、図示しない窓部を介して真空槽14内に入射される。
なお、上記した真空槽14に設けられた窓部14aならびに図示しない窓部は、各窓部に照射される各パルスレーザー光の波長に対して透明な材料、例えば、石英ガラスやサファイア板により形成されている。
また、イオン化レーザー22としては、出射されるレーザー光の波長を所望の任意の波長に可変することのできる波長可変レーザーを用いている。

以上の構成において、以下の条件において行われた本願発明者による実験について詳細に説明することとする。
まず、実験の条件は次の通りであり、アブレーションレーザー16としては、波長1064nm、パルス幅8ns、出力2mJのパルスレーザーを用いた。このパルスレーザーとしては、具体的には、Nd:YAGレーザーの基本波を用いた。
ここで、集光レンズ18としては、焦点距離が250mmのレンズを用い、このレンズによりターゲットとなるストロンチウム基板12の表面にアブレーションレーザー16からのパルスレーザー光を集光した。
また、励起レーザー20としては、波長285nm、パルス幅15ns、出力50μJのパルスレーザーを用いた。このパルスレーザーとしては、具体的には、エキシマーレーザー励起色素レーザーの第二高調波を用いた。
さらに、イオン化レーザー22としては、中心波長を640nmとして波長可変幅が3nmであり、パルス幅15ns、出力5mJの波長可変パルスレーザーを用いた。この波長可変パルスレーザーとしては、具体的には、Nd:YAGレーザー励起色素レーザーを用いた。
次に、プローブレーザー24としては、中心波長を421nm、パルス幅15ns、出力50nJのパルスレーザーを用いた。このパルスレーザーとしては、具体的には、エキシマーレーザー励起色素レーザーを用いた。
なお、真空槽14内における真空度は、図示しない真空排気装置を作動させて、1×10−5Paとなるように設定した。

次に、図2に示す本発明によるスピン高偏極イオン・電子線源の作用を説明するための概念図ならびに図3に示す本発明によるスピン高偏極イオン・電子線源の作用を説明するためのエネルギー準位図を参照しながら、本願発明者による実験の手法ならびに実験の結果について説明する。
即ち、本願発明者による実験の手法は次の通りであり、本発明によるスピン高偏極イオン・電子線源において、アブレーションレーザー16からの波長1064nmのパルスレーザー光をストロンチウム基板12に照射することによってレーザーアブレーション法で発生させたストロンチウム原子に、励起レーザー20により波長285nmの円偏光パルスレーザー光を照射してストロンチウム原子を中間準位5s6p状態に励起し、イオン化レーザー22により中心波長を640nmとして波長可変幅が3nmの直線偏光パルスレーザー光を上記中間準位に励起されたストロンチウム原子に照射して4d5d自動電離共鳴状態を介してストロンチウム原子をイオン化し、スピン偏極したイオン(スピン偏極イオン)と電子(スピン偏極電子)とを同時に発生させた。
ここで、イオンの偏極が生じていれば、生成されたイオンの副準位間の存在比が偏っているので、プローブレーザー24から照射されたプローブ用のパルスレーザー光の円偏光が右回りか左回りかによって、分光器26、光電子倍増管28およびボックスカー積分器30を介して観測されるレーザー誘起蛍光の強度が異なる (図2参照)。
従って、プローブレーザー24から照射されたプローブ用のパルスレーザー光の円偏光特性(右回り・左回り)を変えた場合のレーザー誘起蛍光の強度比から、偏極度を求めることができる。
イオン化レーザー22の波長を自動電離共鳴状態である640nmの近傍で変化させたところ(具体的には、中心波長を640nmとして波長可変幅を3nmとした。)、図4に示すように、共鳴波長である640nmでのイオン化収率は非共鳴波長での収率の数倍であり、同時に共鳴波長である640nmでの偏極度も78%と高いものが得られた。
従って、アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化することにより、極めて高い偏極度および収率でスピン偏極イオンおよびスピン偏極電子を同時に発生させることができる。
そして、イオン化レーザー22として波長可変レーザーを用いているので、アルカリ土類金属原子に照射されるレーザー光の波長を可変することができるため、アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光の波長(アルカリ土類金属原子がストロンチウム原子である場合には、例えば、640nmである。)を任意に選択して、効率的にアルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化することができる。
なお、上記したように、非特許文献2には、気体状のアルカリ土類金属原子をターゲットとしてイオン化することにより、発生した電子と残されたイオンとが同程度の偏極度を持つことが理論的に証明されている。そして、この本発明によるスピン高偏極イオン・電子線源によれば、図4に示すように78%のイオン偏極度が得られているので、電子も78%の高い偏極度で偏極されて発生されているものと認められる。

ここで、より高性能の偏極源を実現するためには、偏極度および収率を飛躍的に向上させることが必要である。しかしながら得られる偏極度および収率は、光イオン化に用いられる中間状態(束縛状態)および終状態(連続状態)のエネルギーを決めてしまえば変化させることができない。
このため、本発明においては、気体状のアルカリ土類金属原子をイオン化するイオン化レーザーとして波長可変レーザーを採用し、終状態が自動電離共鳴状態近傍になるようにイオン化レーザーの波長を調整可能としている。終状態に自動電離共鳴状態を用いる理由は、共鳴効果によって収率を増大させることができる(非特許文献2に開示されたスキームに比べて、イオン化断面積が約2桁大きい。)ということによる。さらに、適切な自動電離共鳴状態を波長選択してイオン化すれば、選択則によってスピン偏極度の高いイオンを生成することが可能になる。
つまり、この本発明によるスピン高偏極イオン・電子線源は、波長可変レーザーをイオン化に用いることによって、生成イオンが偏極しやすい適切な自動電離共鳴状態を狙って光イオン化を行うことを可能としている。この結果、図4に示すように、78%という極めて高い偏極度を達成することができるとともに、光イオン化断面積がおよそ6×10−15cmと非特許文献2のスキームより約2桁大きくなるため、同じ強度のイオン化レーザー光を照射した場合、非特許文献2に比べて、約2桁大きい収率を得ることができた。

なお、非特許文献2においては、イオン化断面積が小さかったために十分な収率を得るためには高強度の紫外(具体的には、波長308nmである。)レーザーを用いることを前提としていたため、ミラーや直線偏光素子などの光学部品のダメージが大きいという問題点も指摘されていた。
しかしながら、上記した本願発明者による実験では、励起レーザー20に波長285nmに紫外レーザーを用いるものの、光強度は非特許文献2に開示されたスキームに比べ2〜3桁小さくて済むため、集光レンズ18などの光学部品のダメージは極めて少ない。
また、上記した本願発明者による実験では、イオン化レーザーの波長は640nm程度の可視波長域にあるため、光学部品のダメージは無視できるくらい小さい。
このように、本発明によるスピン高偏極イオン・電子線源は、偏極イオン生成に必要な光学部品コストという点においても、非特許文献2に開示されたスキームに比べて格段に優れているものである。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)に示す参考例や(2)乃至(6)に示すように変形することができる。
(1)参考例
上記した実施の形態においては、アルカリ土類金属原子としてストロンチウム原子を用いたが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、マグネシウム原子、カルシウム原子あるいはバリウム原子などを用いることができる。
また、アルカリ土類金属原子としてマグネシウム原子、カルシウム原子あるいはバリウム原子などを用いた場合には、各種レーザーの照射条件などを適切な自動電離共鳴状態に共鳴する波長に変更すればよい。
(2)上記した実施の形態においては、励起レーザー20によって中間準位5s6p状態に励起し、4d5d自動電離共鳴状態を介してイオン化したが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、励起レーザーによって励起準位5s6p状態に励起し、4d5d自動電離共鳴状態を介してイオン化するようにしてもよい。
(3)上記した実施の形態においては、励起レーザー20を円偏光とするとともにイオン化レーザー22を直線偏光としたが、これに限られるものではないことは勿論であり、励起レーザー20を直線偏光とするとともにイオン化レーザー22を円偏光としてもよい。要は、励起レーザー20とイオン化レーザー22とは、いずれか一方が円偏光であり、他方が直線偏光であればよい。
(4)上記した実施の形態においては、イオン化レーザー22のみ波長可変レーザーを用いるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、アブレーションレーザー16、励起レーザー20あるいはプローブレーザー24などとして、適宜に波長可変レーザーを用いるようにしてもよい。
(5)上記した実施の形態においては、アブレーションレーザー16としてNd:YAGレーザーを用い、励起レーザー20としてエキシマーレーザー励起色素レーザーの第二高調波を用い、イオン化レーザー22としてNd:YAGレーザー励起色素レーザーを用い、プローブレーザー24としてエキシマーレーザー励起色素レーザーを用いたが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、アブレーションレーザー16としてエキシマーレーザーを用い、励起レーザー20としてNd:YAGレーザー励起色素レーザーの第二高調波を用い、イオン化レーザー22としてエキシマーレーザー励起色素レーザーを用い、プローブレーザー24としてNd:YAGレーザー励起チタンサファイアレーザーの第二高調波を用いるようにしてもよい。
(6)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(5)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、理化学研究のための偏極イオン・電子線源として、表面反応研究分野などへの利用が期待される。具体的には、表面状態の検証のために真空装置に標準で組み込まれる偏極イオン・電子線源、衝突実験に必要な標準偏極線源などとして利用することができる。即ち、電子線源やイオン線源を製作している理化学機器メーカーなどにおいて利用されるものである。
本発明によるスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生装置(スピン高偏極イオン・電子線源)の実施の形態の一例を示すブロック構成説明図である。 本発明によるスピン高偏極イオン・電子線源の作用を説明するための概念図である。 本発明によるスピン高偏極イオン・電子線源の作用を説明するためのエネルギー準位図である。 波長可変のイオン化レーザーを掃引したときのイオン偏極度(左側の軸)およびイオン化信号強度(右側の軸)を示すグラフである。
符号の説明
10 コンピューター(Computer)
12 ストロンチウム(Sr)基板(Sr disk)
14 真空槽(Vacuum chamber)
14a 窓部
16 アブレーションレーザー(Ablation laser)
18 集光レンズ
20 励起レーザー(Pump laser)
22 イオン化レーザー(Ionization laser)
24 プローブレーザー(Probe laser)
26 モノクロメーター(monochromator)
28 光電子増倍管(PMT)
30 ボックスカー積分器(Box−car integrator)
32 遅延装置(delay)

Claims (4)

  1. 気体状のアルカリ土類金属原子に所定の波長および円偏光または直線偏光のいずれか一方の偏光を備えたレーザー光を照射して、前記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起し、前記所定の準位に励起された前記アルカリ土類金属原子に前記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となる波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光を照射して、前記所定の準位に励起された前記アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化し、スピン偏極電子とスピン偏極イオンとを同時発生するスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法において、
    前記アルカリ土類金属原子は、ストロンチウム原子であり、
    前記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起するレーザー光は、波長が285nmのパルスレーザー光であり、
    前記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光は、波長が640nmのパルスレーザー光である
    ことを特徴とするスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法
  2. 気体状のアルカリ土類金属原子に所定の波長および円偏光または直線偏光のいずれか一方の偏光を備えたレーザー光を照射して、前記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起し、前記所定の準位に励起された前記アルカリ土類金属原子に前記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となる波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光を照射して、前記所定の準位に励起された前記アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態を介してイオン化し、スピン偏極電子とスピン偏極イオンとを同時発生するスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法において、
    前記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となる波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光は、波長可変レーザーから出射されたものであり、
    前記波長可変レーザーから出射されるレーザー光の波長を可変することにより、前記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光の波長を選択し、
    前記アルカリ土類金属原子は、ストロンチウム原子であり、
    前記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起するレーザー光は、波長が285nmのパルスレーザー光であり、
    前記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光は、波長が640nmのパルスレーザー光である
    ことを特徴とするスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法。
  3. 気体状のアルカリ土類金属原子を収容した真空槽と、
    前記真空槽内に収容された前記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起する所定の波長および円偏光または直線偏光のいずれか一方の偏光を備えたレーザー光を、前記アルカリ土類金属原子に対して照射する励起レーザーと、
    前記励起レーザーにより前記所定の準位に励起された前記アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態とする波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光を、前記励起レーザーにより前記所定の準位に励起された前記アルカリ土類金属原子に対して照射するイオン化レーザーと
    を有するスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生装置において、
    前記アルカリ土類金属原子は、ストロンチウム原子であり、
    前記励起レーザーは、波長が285nmのパルスレーザー光を出射し、
    前記イオン化レーザーは、波長が640nmのパルスレーザー光を出射する
    ことを特徴とするスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生装置。
  4. 気体状のアルカリ土類金属原子を収容した真空槽と、
    前記真空槽内に収容された前記アルカリ土類金属原子を所定の準位に励起する所定の波長および円偏光または直線偏光のいずれか一方の偏光を備えたレーザー光を、前記アルカリ土類金属原子に対して照射する励起レーザーと、
    前記励起レーザーにより前記所定の準位に励起された前記アルカリ土類金属原子を自動電離共鳴状態とする波長および円偏光または直線偏光のいずれか他方の偏光を備えたレーザー光を、前記励起レーザーにより前記所定の準位に励起された前記アルカリ土類金属原子に対して照射するイオン化レーザーと
    を有するスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生装置において、
    前記イオン化レーザーは、波長可変レーザーであり、
    前記波長可変レーザーから出射されるレーザー光の波長を可変することにより、前記アルカリ土類金属原子が自動電離共鳴状態となるレーザー光の波長を選択し、
    前記アルカリ土類金属原子は、ストロンチウム原子であり、
    前記励起レーザーは、波長が285nmのパルスレーザー光を出射し、
    前記イオン化レーザーは、波長が640nmのパルスレーザー光を出射する
    ことを特徴とするスピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生装置。
JP2004068179A 2004-03-10 2004-03-10 スピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置 Expired - Lifetime JP4481687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004068179A JP4481687B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 スピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004068179A JP4481687B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 スピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005259476A JP2005259476A (ja) 2005-09-22
JP4481687B2 true JP4481687B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=35084998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004068179A Expired - Lifetime JP4481687B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 スピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4481687B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5212962B2 (ja) * 2006-11-29 2013-06-19 独立行政法人物質・材料研究機構 偏極イオンビーム発生方法とその実施に使用する偏極イオンビーム発生装置
JP5051634B2 (ja) * 2006-11-29 2012-10-17 独立行政法人物質・材料研究機構 イオンビーム発生方法とそれを実施する為のイオンビーム発生装置
WO2008069110A1 (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Japan Science And Technology Agency スピン偏極イオンビーム発生装置及びそのスピン偏極イオンビームを用いた散乱分光装置並びに試料加工装置
JP5196362B2 (ja) * 2007-07-23 2013-05-15 独立行政法人物質・材料研究機構 磁気構造解析方法とそれに使用するスピン偏極イオン散乱分光装置
CN101806722B (zh) * 2010-03-11 2011-08-31 中山大学 一种瞬态光栅衰减动力学的瞬态饱和吸收光谱测试方法
CN109541672B (zh) * 2018-11-21 2023-05-12 华东师范大学 一种电子自旋瞬态信息的探测方法及装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0286815A (ja) * 1988-09-26 1990-03-27 Nippon Atom Ind Group Co Ltd 光吸収波長同調装置
JPH06265491A (ja) * 1993-03-12 1994-09-22 Olympus Optical Co Ltd 二次電子分光装置
JPH07312205A (ja) * 1995-06-12 1995-11-28 Matsushita Electric Works Ltd 発光管
JPH0824627A (ja) * 1994-07-18 1996-01-30 Hitachi Ltd イオン回収方法及び装置
JPH0943324A (ja) * 1995-07-31 1997-02-14 Fujitsu Ltd 磁場測定方法および磁場測定装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0286815A (ja) * 1988-09-26 1990-03-27 Nippon Atom Ind Group Co Ltd 光吸収波長同調装置
JPH06265491A (ja) * 1993-03-12 1994-09-22 Olympus Optical Co Ltd 二次電子分光装置
JPH0824627A (ja) * 1994-07-18 1996-01-30 Hitachi Ltd イオン回収方法及び装置
JPH07312205A (ja) * 1995-06-12 1995-11-28 Matsushita Electric Works Ltd 発光管
JPH0943324A (ja) * 1995-07-31 1997-02-14 Fujitsu Ltd 磁場測定方法および磁場測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005259476A (ja) 2005-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7235781B2 (en) Laser system for the ionization of a sample by matrix-assisted laser desorption in mass spectrometric analysis
US8536549B2 (en) Light source employing laser-produced plasma
US20060215712A1 (en) Method and arrangement for the efficient generation of short-wavelength radiation based on a laser-generated plasma
US20100207023A1 (en) Apparatus and method of photo fragmentation
Heissler et al. Toward single attosecond pulses using harmonic emission from solid-density plasmas
JP2007529903A (ja) Lppのeuv光源
Schupp et al. Characterization of 1-and 2− μ m-wavelength laser-produced microdroplet-tin plasma for generating extreme-ultraviolet light
US20110122387A1 (en) System and method for light source employing laser-produced plasma
JP4481687B2 (ja) スピン偏極電子およびスピン偏極イオンの同時発生方法およびその装置
Ishizawa et al. High-order harmonic generation from a solid surface plasma by using a picosecond laser
US20020172235A1 (en) Producing energetic, tunable, coherent X-rays with long wavelength light
JP4895534B2 (ja) 中赤外光−紫外光発生装置
US7663122B2 (en) Laser analytical instrument, laser analytical method, and gas leak inspection instrument
JPH0368420A (ja) レーザー同位体分離装置
Dogariu et al. High-gain air lasing by multiphoton pumping of atomic species
JP2005243466A (ja) レーザイオン化装置及びその利用
Simanovskii et al. Demonstration of laser induced x-ray radiation in an expanding laser produced plasma
Balmer et al. Sub-10-nm wavelength Ni-like-ion collisional x-ray lasers
Park Diatomic excimer dynamics in microplasma lamps and alkali lasers
JPH0654652B2 (ja) 光イオン化質量分析装置
Chalupský et al. Utilizing ablation of solids to characterize a focused soft x-ray laser beam
Bollanti et al. Characteristics of a soft X-ray plasma source for different pumping laser configurations and spectral analysis
Ozaki et al. Helium-like recombination pumped soft x-ray lasers
JP2008089367A (ja) 核スピン偏極装置及び該方法
Gizzi et al. Optimization and control of bright, ultrafast laser driven X-ray sources

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150