JP3618539B2 - 組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組成物に関し、詳しくは放置安定性に優れ、しかも耐水皮膜を形成し得る水性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水性エマルジョンを主成分とする水性組成物は、作業性が良く、ポリマー水溶液に比べて高濃度化が可能であり、しかも、水性であるため環境や火災に対する問題がないことなどの理由で、接着剤、塗料、バインダーをはじめとする各種工業用途において使用されている。
しかしながら、本来水性であるが故に乾燥後に形成される皮膜の耐水性が低く、それを改良する目的で各種架橋剤添加による架橋系の検討が多くなされており、これにより耐水性を改良された組成物が多く製品化されている。
【0003】
しかしながら、架橋系にすることにより耐水性の顕著な向上は達成されるものの、放置安定性が低下する場合があり、この放置安定性と高度な耐水皮膜性能を両立することが水性組成物としての大きな課題の一つになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の技術における組成物の放置安定性を改良し、高度な耐水皮膜を形成しうる組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的の下に鋭意研究を重ねたところ、(A)分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体、(B)水性エマルジョンおよび(C)亜硫酸塩からなり、かつ[(A)+(B)]/(C)が固形分重量基準で100/0.001〜100/100である組成物、あるいは、上記組成物に、(D)多価エポキシ化合物を含有させ、かつ[(A)+(B)+(C)]/(D)が固形分重量基準で100/0.1〜100/100である組成物が、所期の目的に適うものであることを見出した。
【0006】
本発明の組成物を構成する(A)分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体は、分子内に一級および/または二級アミノ基を含有するビニルアルコール系重合体であれば特に制限はない。
この官能基を有するビニルアルコール系重合体は様々な方法により得ることができるが、例えば、
1.一級アミノ基または二級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体、または加水分解等により1級アミノ基または2級アミノ基を生成しうる官能基を有するエチレン性不飽和単量体と、酢酸ビニルとを共重合させた後、鹸化する方法や、
2.アリルグルシジルエーテルなどのエポキシ基を有する単量体と酢酸ビニルからなる重合体の側鎖のエポキシ基に、アミノ基を有するメルカプタンをNaOH等を触媒として付加反応させた後、鹸化する方法や、
3.ポリビニルアルコールの水酸基と反応しうる官能基を分子内に有し、かつ、一級あるいは二級アミノ基を有する化合物をビニルアルコール系重合体に反応させる方法等によって得られる。また、
4.メルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下で、一級アミノ基または二級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を重合する方法もあり、この方法ではポリビニルアルコール系ブロックポリマーが得られる。
【0007】
本発明の分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体は、分子内に一級または二級アミノ基以外の官能基を有していても本発明の効果を損なわない限り差し支えない。そのような官能基を与える単量体単位としては、エチレン,イソブチレン,アクリロニトリル,メタクリロニトリル,アクリル酸,メタクリル酸,フマル酸,(無水)マレイン酸,イタコン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸スルホプロピル、メタクリル酸スルホプロピル及びそれらのアルカリ塩、アクリルアミド,メタクリルアミド,トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド,エチルビニルエーテル,ブチルビニルエーテル,N−ビニルピロリドン,塩化ビニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩化ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
また、チオール酢酸,メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重合することによって得られる末端に官能基を有するものでも良い。
【0008】
本発明の分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体における一級アミノ基および/または二級アミノ基の含有量は、特に制限はなく各種の状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は、該官能基を含有する単量体単位として0.1から30モル%、好ましくは0.5〜25モル%である。該官能基が0.1モル%未満では官能基を導入したことによる効果が十分に発現しない場合があり、一方、30モル%をこえるとポリビニルアルコール本来の特性が十分に発現しなくなる恐れがある。
また、この官能基を有するビニルアルコール系重合体の重合度は、使用目的により異なり、一義的に定めることはできないが、100以上が好ましく特に200〜8000がより好ましい。また、このビニルアルコール系重合体の鹸化度についても特に制限はないが、50モル%以上が好ましく、特に80〜99.9モル%がより好ましい。
【0009】
本発明の組成物を構成する(B)水性エマルジョンは、水を主成分とする水性媒体中に分散質としてポリマーが分散したものであれば特に制限はなく、エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の単量体を従来公知の各種乳化分散安定剤の存在下に乳化重合して得られる水性エマルジョンや、ポリウレタンエマルジョン等の自己乳化あるいは各種乳化分散剤を用いて後乳化して得られる水性エマルジョン等が用いられる。この中で、エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の単量体を従来公知の各種乳化分散安定剤の存在下に乳化重合して得られる水性エマルジョンが一般的に好ましく用いられ、特に、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョン、スチレン−ブタジエン系エマルジョンが好ましく用いられる。
【0010】
本発明の組成物を構成する(B)水性エマルジョンとして好適に用いられるエチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の単量体を従来公知の各種乳化分散安定剤の存在下に乳化重合して得られる水性エマルジョンにおいて、分散質を構成するエチレン性不飽和単量体単位及びジエン系不飽和単量体単位としてはラジカル重合可能なものであれば特に制限はない。
エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩のアクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系単量体類、その他N−ビニルピロリドン等が挙げられ、またジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0011】
該水性エマルジョンの分散剤は特に制限はなく、従来公知のアニオン性、カチオン性、両性、非イオン性界面活性剤、ビニルアルコール系重合体(重合度100〜8000、鹸化度50〜100%)やヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子が用いられる。
【0012】
該水性エマルジョンを得るための乳化重合を実施するにあたっては、水、上記の分散剤、および重合開始剤の存在下に、上記単量体を一時または連続的に添加して、加熱、撹拌するような通常の乳化重合法が実施し得るし、また、単量体を予め分散剤水溶液と混合乳化したものを連続的に添加する方法も実施し得る。また、二種以上の単量体を乳化共重合する場合には、二種以上の単量体をあらかじめ混合して用いても良いが、一種の単量体を乳化重合した後にそれ以外の単量体を乳化重合するいわゆる多段重合を行っても良い。
【0013】
上記水性エマルジョンを得るための乳化重合における分散剤の使用量は特に制限はないが、単量体100重量部に対して好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは2〜20重量部の範囲である。
【0014】
また、上記水性エマルジョンを乳化重合する場合の重合開始剤としては、特に制限されるものではなく、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピルベンゼンパーオキサイド等が単独あるいは重亜硫酸ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、硫酸第一鉄等の還元剤と併用したレドックス系で用いられる。
【0015】
本発明の組成物を構成する(C)亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アルミニウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸亜鉛、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸クロム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素カルシウム、亜硫酸水素カリウム、ピロ亜硫酸アンモニウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムなどが挙げられ、これらは一種単独あるいは二種以上の組み合わせにより使用される。
【0016】
亜硫酸塩の添加方法は特に制限されないが、通常、亜硫酸塩を適量の水に溶解して用いる。溶解濃度は特に制限されないが、5〜50%が取り扱いやすく好ましい。得られた亜硫酸塩水溶液を水性エマルジョンに所定量添加後撹拌して用いる。
【0017】
本発明の第一発明は、(A)分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体、(B)水性エマルジョンおよび(C)亜硫酸塩から構成される組成物である。ここで、(A)分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体、(B)水性エマルジョンおよび(C)亜硫酸塩の構成割合は、固形分重量基準で[(A)+(B)]/(C)=100/0.001〜100/100であることが必要であり、好ましくは100/0.01〜100/90である。(C)の割合が0.001より少ない場合、組成物の放置安定性が不足し、100を越えると皮膜耐水性が低下する。また、この場合の、(A)分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体と(B)水性エマルジョンの割合は特に制限はないが、好ましくは固形分重量基準で(A)/(B)=0.1/99.9〜70/30である。この範囲外の配合割合では、皮膜耐水性が十分に発現しない場合がある。
【0018】
また、本発明の第二発明は(A)分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体、(B)水性エマルジョン、(C)亜硫酸塩および(D)多価エポキシ化合物から構成される組成物である。
【0019】
本発明の組成物を構成する(D)多価エポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジβメチルグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラヒドロキシフェニルメタンテトラグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ブロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、クロル化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、エポキシウレタン樹脂等のグリシジルエーテル型;−オキシ安息香酸グリシジルエーテル・エステル等のグリシジルエーテル・エステル型;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、アクリル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル型;グリシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルアミノフェノール等のグリシジルアミン型;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ樹脂;3,4エポキシ−6メチルシクロヘキシルメチル−3,4エポキシ−6メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペンタジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、リモネンジオキサイド等の脂環族エポキシ樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン等が挙げられる。これらのうち水溶性の多価エポキシ化合物が好適である。
【0020】
本発明の第二発明における(A)分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体、(B)水性エマルジョン、(C)亜硫酸塩および(D)多価エポキシ化合物からなる組成物において、その構成割合は[(A)+(B)+(C)]/(D)が固形分重量基準で100/0.1〜100/100であることが必要であり、好ましくは100/0.2〜100/90である。(D)の割合が0.1より少ない場合は(D)の添加目的である皮膜耐水性の向上効果が十分には発現せず、また、100を越えると(D)を添加することによるデメリットである組成物の放置安定性悪化が顕著となり本発明の目的に適わなくなる。また、この場合の(A)分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体、(B)水性エマルジョンおよび(C)亜硫酸塩の構成割合は、本発明の第一発明と同じである。
【0021】
本発明の組成物における第二発明は、第一発明の皮膜耐水性を強化する目的で(D)多価エポキシ化合物を配合する。しかし、多価エポキシ化合物は皮膜耐水性を向上させる一方で、放置安定性を若干悪化させるために、用途によっては制限される場合がある。したがって、本発明の第一発明と第二発明は、各種用途による要求に応じて使い分けられる。
【0022】
本発明の組成物には、必要に応じて、各種ポリビニルアルコール、でんぷん,変性でんぷん,酸化でんぷん,アルギン酸ソーダ,カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース,無水マレイン酸−イソブテン共重合体,無水マレイン酸−スチレン共重合体,無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体等の水溶性高分子化合物や尿素−ホルマリン樹脂,尿素−メラミン−ホルマリン樹脂,フェノール−ホルマリン樹脂等もそれぞれ性能を損なわない範囲で適宜使用することができる。
さらに、本発明の組成物には、ジブチルフタレート等の従来公知の可塑剤、トルエン等の溶剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤や、クレー,カオリン,タルク,炭酸カルシウム,木粉等の充填剤、小麦粉等の増量剤、酸化チタン等の顔料等の各種添加剤を必要に応じて適宜添加することができる。
【0023】
本発明の組成物は、放置安定性の低下が少なく、しかも高い皮膜耐水性を有している。したがって、本発明の組成物の用途としては、木材、合板、紙、プラスチック、繊維、無機物等の接着剤や処理剤、各種塗料、フィルムやシートなどの成形物、セメント添加剤などとして好適に用いられる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、実施例および比較例中、「部」および「%」は特に断りのない限り重量基準を示すものとする。
【0025】
実施例1
(A)ビニルホルムアミドと酢酸ビニルを共重合した後、鹸化することにより得られた一級アミノ基含有PVA(PVA−1、重合度1050、鹸化度98.5モル%、一級アミノ基含有量3.0モル%)、(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン{「OM−4200、(株)クラレ製」、固形分濃度55%、分散剤としてPVAを使用}、(C)亜硫酸水素ナトリウムからなり、固形分重量基準で(A)/(B)=10/90、[(A)+(B)]/(C)=100/1の割合で調製し、水により固形分濃度45%に調製して組成物を得た。これを用いて、以下の条件により試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0026】
〔試験条件〕
1.放置安定性:
上記組成物を、密閉容器に入れ、5℃及び40℃の恒温槽中で3ヶ月放置した。放置前後の粘度を放置温度でBH型粘度計を用いて測定し、以下のように増粘倍率を求めた。また、外観変化を観察した。
増粘倍率=(放置後の組成物粘度)/(放置前の組成物粘度)
2.皮膜耐水性:
上記組成物を、テフロンシート上に流延し、20℃下で7日間乾燥させ厚み500μmのフィルムを作製した。このフィルムを直径2.5cmの円形に打ち抜き、20℃水中に24時間浸漬した場合の吸水率を測定した。
吸水率=(浸漬後重量−浸漬前重量)/(浸漬前重量)
3.接着試験:
上記組成物を用いて、以下の条件で接着試験を行った。
被着材:米ツガ/米ツガ(マサ目)
塗布量:250g/m2 (両面塗布)
堆積時間:1分
圧締条件:20℃,24時間,圧力10kg/cm2
JIS K−6852による圧縮剪断接着強度を測定
常態強度 :20℃、7日間養生後そのままの状態で測定
煮沸繰返し:20℃で7日間養生後、試験片を煮沸水中に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥し、更に煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供した。
【0027】
実施例2
実施例1において、(A)としてアリルグリシジルエーテルと酢酸ビニルを共重合した後、2−アミノチオフェノールをNaOHを触媒として付加し、さらに鹸化することにより得られたアニリン基含有PVA(PVA−2、重合度1000、鹸化度97.0モル%、アニリン基変性量2.1モル%)を用いる以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0028】
実施例3
実施例1において、(A)としてメチルビニルアセトアミドと酢酸ビニルを共重合した後、鹸化することにより得られた二級アミノ基含有PVA(PVA−3、重合度1250、鹸化度93.5モル%、二級アミノ基含有量4.0モル%)を用いる以外は、実施例1と同様に組成物を得た。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0029】
実施例4
実施例1において、(B)として完全鹸化PVA(PVA−117、(株)クラレ製)を8%/固形分有するポリ酢酸ビニルエマルジョン(固形分濃度52%)を用いる以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0030】
実施例5
実施例1において、(B)としてスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン(SN−307、住友ダウ製、固形分濃度48%)を用いる以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0031】
実施例6
実施例1において、(B)としてアニオン性乳化剤(サンデットBL、三洋化成製)を安定剤とするメタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体(共重合比率50/50重量%)エマルジョン(固形分濃度50%)を用いる以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0032】
実施例7
実施例1において、(A)と(B)の配合割合を40/60とする以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0033】
実施例8
実施例1において、(A)と(B)の配合割合を5/95とする以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0034】
実施例9
実施例1において、(C)の配合割合を[(A)+(B)]/(C)=100/20とする以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0035】
実施例10
実施例1において、(C)としてピロ亜硫酸ナトリウムを用いる以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0036】
実施例11
実施例1において、(C)として亜硫酸ナトリウムを用いる以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0037】
実施例12
実施例1において、(D)エチレングリコールジグリシジルエーテルを[(A)+(B)+(C)]/(D)=100/5の割合で配合する以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0038】
比較例1
実施例1において、(C)亜硫酸水素ナトリウムを用いない以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0039】
比較例2
実施例1において、(C)の配合割合を[(A)+(B)]/(C)=100/120とする以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0040】
比較例3
実施例1において、(A)の代わりに無変性PVA(PVA−117、(株)クラレ製)を用いる以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0041】
比較例4
実施例1において、(A)を用いない以外は、実施例1と同様に組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0042】
比較例5
比較例2において、(D)エチレングリコールジグリシジルエーテルを[(A)+(B)+(C)]/(D)=100/120の割合で配合する以外は、比較例2と同様に組成物を調製した。これを用いて、比較例2と同様に試験を行った。結果を表1〜2に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003618539
【0044】
【表2】
Figure 0003618539
【0045】
【発明の効果】
本発明の組成物は、放置安定性の低下が少なく、しかも高い皮膜耐水性を有する。したがって、本発明の組成物は、木材、合板、紙、プラスチック、繊維、無機物等の接着剤や処理剤、各種塗料、フィルムやシートなどの成形物、セメント添加剤などとして有用である。

Claims (2)

  1. (A)分子内に一級および二級アミノ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を有するビニルアルコール系重合体、(B)水性エマルジョンおよび(C)亜硫酸塩からなり、かつ[(A)+(B)]/(C)が固形分重量基準で100/0.001〜100/100である組成物。
  2. 請求項1記載の組成物に、(D)多価エポキシ化合物を含有させ、かつ[(A)+(B)+(C)]/(D)が固形分重量基準で100/0.1〜100/100である組成物。
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