JP3618175B2 - サーマルプリンタ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、サーマルヘッドを使用し、また、インクリボンを利用しての熱転写印字も可能なサーマルプリンタに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
インクリボンを利用しての熱転写印字も可能なサーマルプリンタにおいて、インクリボンカセットの一般的な配置は、リボン供給軸−リボン−リボン巻取軸の全体をロール状である被記録紙の移送方向に展設するものであるが、印字後、被記録紙を印字末端部分がリボン巻取軸側のブロックを通り過ぎて印字の全体が見える状態まで移送させなければならず、その儘では毎回の印字毎に被記録紙の先頭部に必要以上の空白部分が生じるものであり、それを解消するには、印字に先立って被記録紙の先頭部を印字部まで戻す、バックフィード機構を導入しなければならない。
【0003】
被記録紙に必要以上の空白部分を生じさせないようにしたり、バックフィード機構を必要としないようにするには、インクリボンを印字部の下流側直後位置から折り返して、リボン巻取軸を被記録紙の移送方向と略直交する方向でリボン供給軸と重設するようなインクリボンカセットの構成にすることで達成出来るが、プリンタが、被記録紙の移送方向と直交する方向に大型化したり、その大型化を抑えされるために、インクリボンカセットを被記録紙の直線的な移送路を、インクリボンカセットが阻害しているのを何等かの形で回避しなければならないと言う課題が生じる。
【0004】
インクリボンカセットが被記録紙の移送路を阻害すると言うことは、相対的には、被記録紙を供給部から印字部へ装填した後に、インクリボンカセットをプリンタにセットしようとした時、被記録紙が邪魔になってそのセットが面倒であるのを容易にしたり、被記録紙をグシャグシャにしてしまうことを回避しなければならないと言う課題に通じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ロール状の被記録紙を、供給部からプラテンローラとそれに接離するサーマルヘッドとを含む印字部へ装填する時、インクリボンカセットの占有領域を迂回させるように案内する案内部材を有するものである。
【0006】
その案内部材は、インクリボンを使用せずに感熱紙に印字部で直接印字する時には、却って邪魔となると言う一面もあるので、本体に着脱自在である。
【0007】
更に、その案内部材は、被記録紙を迂回させるために、先端部で被記録紙の摺接を受けるから、その先端部に被記録紙に対する階段状をした複数の幅ガイドを形成している。
【0008】
【作用】
インクリボンを使用して熱転写印字をする時には、案内部材を本体に装着し、ロール状の被記録紙を供給部から印字部へ装填すると、その中間部で案内部材によりインクリボンカセットの占有領域を迂回させるので、その後被記録紙供給部と印字部との間にインクリボンカセットをセットする時にも、また逆に、インクリボンカセットをセットしてから被記録紙を装填する時にも、被記録紙とインクリボンとを接触させることなく、そのセット、装填が適正に行える。
【0009】
被記録紙に感熱紙を使用する時には、案内部材の着脱を選択出来るが、案内部材を外せば、ロール状の被記録紙の装填が容易となり、付けた儘にしておくと幅ガイドの働きで、被記録紙の移送が安定する。
【0010】
【実施例】
図1は、本発明におけるサーマルプリンタのロール状である被記録紙の供給部、被記録紙の移送部、インクリボンカセット及び印字部を非セット状態で示した展開斜視図で、本図左方の本体部分、底面,上面,前面,背面の各部及び本図右方の上下に展開する横蓋が省略されている。
【0011】
図2は、図1に対してロール状の被記録紙(ラベルローラ)を省略し、印字部をセット状態で示した展開斜視図である。
【0012】
図3は、インクリボンカセットの展開斜視図である。
【0013】
図4は、印字部におけるヘッドブロックの展開斜視図である。
【0014】
図5は、インクリボンカセットにおける巻取軸の、図3とは反対側から見た斜視図である。
【0015】
図6は、案内部材の図1,2とは反対側から見た斜視図である。
【0016】
図7は、印字部の非セット、セット機構の別の実施例を示した部分説明図である。
【0017】
図8は、インクリボンカセットにおける各軸系の係脱機構部の拡大説明図である。
【0018】
図1,2において、101は図示していない本体(底板)に対して強固に取り付けられるモード成形されたプリンタベースで、実質的に本体と同等であり、主な構成部は壁状のベース部103であり、また、上面が被記録紙の移送路(ラベル通路)として機能するモータ保護部190が本体とベース部103に固定されている。
【0019】
111は、ベース部103に対して固定状態に片持ち支持された被記録紙を縣架するロール供給軸で、周面の一部にセンター振り分け形式の幅押さえが配置されており、開放端側の幅押さえ113が、起(図示状態)/伏が可能であって、伏した状態でラベルロール115の挿脱を許容し、ラベルロール115を挿入後、幅押さえ113を起こして幅押さえごとラベルロール115を押し込むと、軸内部のラック機構により閉塞端側の起きた儘の幅押さえが開放端側へ移動して来て、両幅押さえでラベルロール115を挟み込んだ状態に成った時に、ラベルローラ15を長手方向の中間に縣架する。
【0020】
ここで、被記録紙として示しているラベルロール115は、連続紙の台紙上に各一定幅のラベルを順次仮着し、ラベル連続体として巻装したものである。
【0021】
図3及び図5も参照して、120はインクリボンカセットで、カセットベース130と、供給軸系150と、巻取軸系160と、インクリボン170とから成り、外装部材はなく、インクリボン170が直接露呈している。
【0022】
カセットベース130は、例えば、モード成形されたもので、左右の側板部131,132と、両側板部131,132を連結する連結部134と、連結部134の下部から両側板部131,132を渡る方向、且つ、該側板部131,132とは反対側で垂直に延びたリボンの供給案内部136と、連結部134の上部から供給案内部136と同じ方向で該案内部より更に前方(後述する被記録紙の移送方向に対しては下流側)に延びたリボンの巻取案内部138と、巻取案内部138に連設して前方へ傾斜した後に連結部134と略平行に供給案内部136の略延長線上の位置まで延びたリボンの剥離案内部139とから成っている。
【0023】
これら供給案内部136、巻取案内部138及び剥離案内部139の幅方向の両端部には、インクリボン170を案内/保護する鍔が形成されている。
【0024】
そして、供給案内部136と剥離案内部139との欠如部と、連結部134、供給案内部136、巻取案内部138及び剥離案内部139で囲まれた空間部は、後述するヘッドユニット220の配置/作動領域であると共に、ヘッドブロック板230への被支持部である。
【0025】
また、カセットベース130の両側板部131,132には、被記録紙の移送方向と略直交する上下方向に供給軸系150と巻取軸系160とを重設させるために、非連結側(リボンを展開させるのとは逆方向)に切り欠かれたコの字状の二対の軸受け開口部(141a),141b、142a,142bが形成されており、各開口部の奥の上下に軸系に対する係脱機能を果たす弾性作用部が、即ち、その一つを図8に拡大して示しているように、側板部(131)の板厚方向に沿った突部144と、該突部144の裏側を、弾性を持たせるために肉薄にした長孔部146とによって形成されている。
【0026】
供給軸系150は、主に供給軸151と、供給軸受け環153と、圧縮バネ155により構成され、供給軸151が、両端の円柱部151a,151bと、胴部の両側の弾性板151dと、一方の円柱部151aと弾性板151dとの間の円板部151fとによって形成され、供給軸受け環153が、軸受け開口部(141a)への嵌合と回り止めに側板部131を板厚方向に跨ぐ上下の座跨嵌合部153aと、供給軸151の円柱部151aの遊嵌を受ける中央の環部153cとによって形成され、ビス157が座金159を介して供給受け環153の外側から円柱部151aの端面に取り付けられ、円板部151fと環153との間に圧縮バネ155を挟み込むことにより、供給軸151に対して回転負荷を発生させている。
【0027】
巻取軸系160は、巻取軸161と、巻取軸受け環163とにより構成され、巻取軸161が、供給軸151と同様の有底の円筒部161a,円柱部161bと、胴部の両側の弾性板161dと、円筒部161aと弾性板161dとの間の円板部161fと、円柱部161bの外方に延びた弛み取りの摘み161hとによって形成され、巻取軸受け環163が、供給軸151と同様の開口部142aに対する上下の座跨嵌合部163aと、円筒部161aの遊嵌を受ける中央の環部163cとによって形成され、更に、円板部161fの環163との対向面側に形成されたラチェット165と、巻取軸受け環163の円板部161f側へ弾性を持って形成されたラチェット爪167とにより周知の逆転止め機構が構成され、また、円筒部161aの内側に本体側からの駆動系105に連結されるための何筋かの突起169が形成されている。
【0028】
巻取軸受け環163は、ラチェット爪167の形状を見易くするために右方向へ90度回転させた状態で示している。
【0029】
インクリボン170は、未使用部分が供給紙管171に巻装され、印字使用済み側となる先端が巻取紙管173に止められており、供給紙管171が供給軸151の弾性板151dに弾性嵌合され、巻取紙管173が巻取軸161の弾性板161dに弾性嵌合され、そして、供給軸系150を軸受け開口部141a,141bに、供給軸受け環153の座跨嵌合部153aが側板部131を跨ぐように差し込み、リボン部を供給案内部136−剥離案内部139−巻取案内部138の順に回して、巻取軸系160を軸受け開口部142a,142bに、供給軸受け環163の座跨嵌合部163aが側板部131を跨ぐように差し込み、摘み161hを廻して弛みを取れば、図1に示したインクリボンカセットが構成される。
【0030】
インクリボンカセット120において、圧縮バネ155による供給軸受け環153と供給軸151との間の摩擦(回転負荷)が一番強く設定されているので、インクリボン170の弛みを取った後の摘み161hの回転力は、巻取軸161の弾性板161dと巻取紙管173との間でスリップし、また、ラチェット165とラチェット爪167とによる逆転防止機構により、摘み161hのインクリボン170に弛みを生じさせる方向の回転は出来ないように成っているので、インクリボン170の緊張状態が保持される。
【0031】
下の供給軸151から左旋方向へ繰り出されたインクリボン170は、供給案内部136、剥離案内部139から巻取案内部138を経て巻取軸161へ右旋方向に巻き取られる。
【0032】
後述のように、インクリボンカセット120が供給案内板136と巻取案内板138との間でヘッドブロック板230を挟んで支持され、そして、巻取軸161の周囲のリボン巻装確保領域が、供給案内部136より上に位置付けされているので、その領域の上下方向の幅は、当然存在しなければならないヘッドユニット220の構造物を含む作動領域方向の幅に近似している。
【0033】
一方、ロール供給軸111の周囲の被記録紙巻装領域は、ラベルを出来るだけ多く貯蔵出来るようにするために広く設定され、他方、インクリボンが材質的に台紙とラベルの厚みに対して極薄であり、後述のラベル連続体の迂回の量を少なくするために、供給案内部136より下に位置付けられて、被記録紙の供給部から印字部への直線的な移送路に侵入する供給軸151の周囲におけるリボン巻装確保領域の幅が、被記録紙巻装領域の幅より狭く設定されている。
【0034】
図1,図2及び図4において、200は印字部で、モータ保護部190の上面先端部の固定位置に回転可能に配置されたプラテンローラ210と、次に説明するヘッドユニット220の中のサーマルヘッド255とにより構成され、プラテンローラ210は、一体であるプラテンローラ軸における左端の見えない部分が、モータの駆動系に連結されている。
【0035】
ヘッドユニット220は、固定軸221,222によってベース部103に片持ち支持された側板部230a,230bと該両側板間を連結する連結板230dとからなるヘッドブロック板230と、ヘッドブロック板230の側板間に配置された固定軸221で回転可能に支持されたヘッド操作板240と、同じく固定軸221に回転可能に支持されたヘッド支持板250と、ヘッド支持上板252,ヘッド支持下板253と、接続ピンを備えたサーマルヘッド(セグメント抵抗は下面)255と、入力コネクタ,出力コネクタを接続したフレキシブルケーブル257と、各コネクタをヘッド支持板250に固定する取付板259a,259bと、連結軸224の両端に補助アーム260aと共に固定されてヘッドブロック板230に回転可能に支持された操作アーム260とによって構成されている。
【0036】
そして、ヘッド支持上板252とヘッド支持下板253とに挟み込まれたサーマルヘッド255は、上板252の立ち曲げ252a,252bとヘッド支持板250の折り曲げレール250a,250bとの嵌合機構により支持板250と係脱可能で、支持板250に押し込まれた時、前方で接続ピンと出力コネクタが電気的に接続され、支持板250の側方の外側からビスで固定される。
【0037】
また、ヘッド操作板240は、巻芯が固定軸221に巻装され、ヘッドブロック板230との間に張設されたバネ270により、ブロック板230に近付く(図示の状態では右旋で、サーマルヘッド255をプラテンローラ210から離反させる)方向の回動習性が与えられている。
【0038】
更にまた、ヘッド操作板240とヘッド支持板250とが、操作板240の側部から内側への立ち曲げ(240a),240bの形成で、互いの離反量が制限されており、且つ、両者間に圧縮バネ272を配置していて、基本的には一体的に回動するが、ヘッド操作板240は左旋において、プラテンローラ210にサーマルヘッド255(ヘッド支持板250)が当接後もその左旋が可能で、圧縮バネ272を緊張させてヘッド255のローラ210への圧接力として作用させる。
【0039】
連結軸224を介して一体の操作アーム260及び補助アーム260aは、一部図7を参照して、ヘッド操作板240の側部から外側への立ち曲げ240d,240eの形成により、操作アーム260の右旋操作時に、補助アーム260aの端面が立ち曲げ240dを、また、その端面と等距離に操作アーム260の補助アーム260aとの対面側に形成された突起260cが立ち曲げ240eをそれぞれ押して操作板240をバネ270の張力に抗して左旋させて行くことが出来、そして、操作アーム260は、サーマルヘッド255がプラテンローラ210に当接した後も補助アーム260aと共に操作板240の左旋を継続させ、最終的には図2のように、端部260eがモータ保護部190の一部に形成された受部190aに食い込んで、片持ち支持であるヘッドブロック板230の非支持側の一部を突き上げ支持する。
【0040】
図2のサーマルヘッド255をプラテンローラ210に圧接させた状態は、動作準備として被記録紙または被記録紙とインクリボンカセット120を装填(セット)した後に構成させるものであるが、一方、新しい(別の)被記録紙の装填とか、インクリボンカセット120の交換のための図1の状態への復帰は、操作アーム260を受部190aへの食い込みの抵抗に抗して左旋させれば、ある時点からヘッド操作板240に対するバネ270の張力による右旋力も働いて行われる。
【0041】
図1,図2及び図6において、280は、本プリンタを少なくともインクリボン170を使用する熱転写タイプに構成する時に、本体にセットされる被記録紙の案内板で、ベース部103に形成された逆T字状突起103aに嵌合する逆T字状溝280aと、ベース部103に形成された孔103cに係脱する先端が山形の係止爪280cを形成している。
【0042】
案内板280は、ロール供給軸111と駆動系105との間の逆T字状突起103aに保持されて被記録紙の供給部とインクリボンカセット120との間に位置することになって、セット120における供給軸151と巻取軸161の重設方向と略平行的に下方へ供給側のリボン巻装確保領域(側板部132の下方右端)を超える長さで舌片形状に形成され、その先端部には、被記録紙の異なる幅に合わせた幅両端を案内する幅ガイド280eが階段状に形成されている。
【0043】
プラテンローラ210とサーマルヘッド255との印字部の下流側直後位置のラベル発行口となるところには、プラテンローラ210と剥離ピン300に連設して、出口幅ガイド293を備えたラベル受け260が、モータ保護部190から下流側へ延出された部分の下部とベース部103の左下角との間で回転可能に支持されている。
【0044】
出口幅ガイド293は、いずれも立った儘で起伏はしないが、ロール供給軸111の幅押さえ113と同じように、内装されたラック機構により同期させて、左右に接近させたり離させたりすことが出来る。
【0045】
ラベル受け190は、上面がラベル(連続体)の流れ方向に何条かの山形の突起を持ってラベル受け面290aに形成され、また、被支持部の上で横長の上下いずれかにギザギザのカッター歯を持った台紙の排出口290cを形成し、そして、図示のセット状態と、図示の状態から左旋させた開放状態とを採ることが出来、更に、図示していないが、内側にセット状態でプラテンローラ210にサーマルヘッド255とは反対側(干渉しない位置)で圧接する剥離ローラを回転自在に支持している。
【0046】
以上の構成により、ロール供給軸111、インクリボンカセット120及びヘッドユニット220は、プリンタベース101に片持ち支持される構造となっている。
【0047】
熱転写タイプの構成において、インクリボンカセット120は、図1の状態から連結板134、供給案内部136、巻取案内部138及び剥離案内部139の空間でヘッドユニット220を包み込むようにヘッドブロック板230の非支持側から押し込まれて保持され、プリンタベース101側で突起169がリボンの駆動系105に係合し、供給案内部136と剥離案内部139の間のインクリボン170のみの部分がプラテンローラ210とサーマルヘッド255との間に位置する。
【0048】
被記録紙であるラベルロール115は、幅押さえ113を倒した状態でロール供給軸111に挿入されて、幅押さえ113を起こし、それを押し込むことで供給軸111の中間に縣架される。
【0049】
ラベルロール115の先端側は、引き出され、自身の幅に合った幅ガイド280eに納まりながら案内板280の先端部を跨ぐように迂回され、インクリボンカセット120に影響される(する)ことなくモータ保護部190の上面を這わせるように、ヘッドユニット220の非支持側の側方から、インクリボン170を介したサーマルヘッド255とプラテンローラ210との間に装填される。
【0050】
このラベルロール115(ラベル連続体)の印字部への装填は、モータ保護部190の右上角190cが傾斜と丸味を持って形成されているので、ガイド機能があって更に容易に行える。
【0051】
更に、印字部を通過したラベル連続体の先端が、出口幅ガイド293の調整で両側を規制され、ラベル連続体の全体は、ロール供給軸111での中間縣架、案内板280の幅ガイド280eでの規制と併せて移送路の中央に横たわる。
【0052】
印字可能状態の準完成(横蓋を閉鎖していない)は、操作アーム260を図1の状態から左旋させて図2の状態にして、サーマルヘッド255をインクリボン170、ラベル連続体を介してプラテンローラ210に圧接させることにより行われ、この時、操作アーム260の端部260eがモータ保護部190の受部190aに食い込むことで、ヘッドブロック板230の非支持側の一部を支える。
【0053】
連続発行モード、即ち、ラベルを剥離せず台紙に仮着した状態で印字発行させる場合は、ラベル連続体の先端を印字部に挟持させておくだけで、印字されたラベルが、印字動作に伴いラベル受け290におけるラベル受け面290aの上を通って台紙に仮着された儘行われる。
【0054】
剥離発行モード、即ち、印字後のラベルを台紙から剥離してラベル受け面290aの上へ発行させる場合、ラベル連続体の先端側の印字部からある程度出して、印字部を通り越しているラベルを剥がし、ラベル受け290を開閉して、台紙のみの部分を剥離ピン300によって急激に転向させた後にプラテンローラ210と剥離ローラとの間に挟み込み、更にその先端を排出口290cから覗かせるようにする。
【0055】
具体的には、特公平5−2573号公報に記載された同一出願人の先願発明における第9図が参照出来る。
【0056】
図2のプラテンローラ210に対する図4のサーマルヘッドブロックにおけるサーマルヘッド255の開離状態の維持または開離状態への復帰は、バネ270の存在が寄与しているが、バネ270を用いずに図7に示す他の実施例によっても達成出来る。
【0057】
操作アーム260に、ヘッド操作板240の立ち曲げ240eを押し下げられる突起260cの他に、立ち曲げ240eを引き上げられるピン260gを一体形成し、該アーム260が、図2の状態でヘッドブロック板230に対して対向面での互いの凹凸(クリック)構造により仮止めされるようにするものである。
【0058】
この実施例でのプラテンローラ210に対するヘッド操作板240以下の接離動作は、図1の状態から図2の状態への動きには上述の場合と大差ないが、図2の状態から操作アーム260を左旋させた時には、突起260cが立ち曲げ240eから退避するのに相前後してピン260gが接近して行って立ち曲げ240eを引き上げ、最終的に操作アーム260がヘッドブロック板230に仮止めされることで、図1の状態となる。
【0059】
【発明の効果】
本発明のサーマルプリンタは、本体に配置されたロール状の被記録紙を懸架する供給部と、本体に配置されたプラテンローラとそれに接離するサーマルヘッドとを含む印字部と、熱転写印字をする時に本体に配置されるインクリボンカセットにして、リボン供給軸とリボン巻取軸とが、前記供給部から前記印字部への前記被記録紙の移送方向と略直交する方向に重設され、また、インクリボンが、リボン供給軸から前記被記録紙の移送方向と平行的に繰り出され、前記印字部を通過後に前記プラテンローラから離れる方向の転向と逆戻りの転向によりリボン巻取軸に巻き取られ、更に、リボン供給軸の周囲におけるリボン巻装確保領域の幅が、前記供給部における被記録紙巻装確保領域の幅を超えない範囲で、前記供給部から前記印字部への直線的な移送路に侵入する位置を占めるインクリボンカセットと、前記供給部と前記リボンカセットとの間に位置するように本体に着脱自在に配置される案内部材にして、舌片形状の先端部に、前記被記録紙に対する階段状をした複数の幅ガイドを形成しており、供給部から繰り出された被記録紙を、該幅ガイド部を跨がせることでリボンカセットにおける供給軸側のリボン巻装確保領域から逃すように迂回させる案内部材とを有するもので、プリンタ本体の高さを、熱転写対応可能でありながら、低く押さえることが出来、また、インクリボンカセットのセット後の被記録紙の装填、或いは、その逆のいずれも互いに邪魔をすることなく容易に行え、更に、インクリボンカセットを必要としない感熱印字をする時に、案内部材の着脱を選択して、幅ガイドの働きで、被記録紙に対する移送の安定を維持するか、被記録紙の装填を一層容易にするかが設定出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルプリンタにおけるロール状である被記録紙の装填部、被記録紙の移送部、インクリボンカセット及び印字部を非セット状態で示した展開斜視図である。
【図2】図1に対してロール状の被記録紙(ラベルローラ)を省略し、印字部をセット状態で示した展開斜視図である。
【図3】インクリボンカセットの展開斜視図である。
【図4】印字部におけるヘッドブロックの展開斜視図である。
【図5】インクリボンカセットにおける巻取部の、図3とは反対側から見た斜視図である。
【図6】案内部材の図1,2とは反対側から見た斜視図である。
【図7】印字部の非セット、セット機構の別の実施例を示した部分説明図である。
【図8】インクリボンカセットにおける各軸系の係脱機構部の拡大説明図である。
【符号の説明】
101・・・プリンタベース
103・・・ベース部
105・・・リボン駆動系
111・・・ロール供給軸
113・・・幅押さえ
115・・・ラベルロール
120・・・インクリボンカセット
130・・・カセットベース
131,132・・・側板部
134・・・連結部
136・・・供給案内部
138・・・巻取案内部
139・・・剥離案内部
(141a),141b、142a,142b・・・軸受け開口部
151・・・供給軸
151a,151b・・・円柱部
151d・・・弾性板
151f・・・円板部
153・・・供給軸受け環
153a・・・座跨嵌合部
153c・・・環部
155・・・圧縮バネ
161・・・巻取軸
161a・・・有底の円筒部
161b・・・円柱部
161d・・・弾性板
161f・・・円板部
161h・・・摘み
163・・・巻取軸受け環
163a・・・座跨嵌合部
163c・・・環部
165・・・ラチェット
167・・・ラチェット爪
169・・・突起
170・・・インクリボン
171・・・供給紙管
173・・・巻取紙管
190・・・モータ保護部
190a・・・受部
200・・・印字部
210・・・プラテンローラ
220・・・ヘッドユニット
221,222・・・固定軸
224・・・連結軸
230・・・ヘッドブロック板
240・・・ヘッド操作板
(240a),240b・・・立ち曲げ
240d,240e・・・立ち曲げ
250・・・ヘッド支持板
250a,250b・・・折り曲げレール
252・・・ヘッド支持上板
252a,252b・・・立ち曲げ
253・・・ヘッド支持下板
255・・・サーマルヘッド
260・・・操作アーム
260a・・・補助アーム
260c・・・突起
260e・・・端部
260g・・・ピン
270・・・バネ
272・・・バネ
280・・・案内板
290・・・ラベル受け
290a・・・ラベル受け面
293・・・出口幅ガイド
300・・・剥離ピン
Claims (1)
- 本体に配置されたロール状の被記録紙を懸架する供給部と、本体に配置されたプラテンローラとそれに接離するサーマルヘッドとを含む印字部と、熱転写印字をする時に本体に配置されるインクリボンカセットにして、リボン供給軸とリボン巻取軸とが、前記供給部から前記印字部への前記被記録紙の移送方向と略直交する方向に重設され、また、インクリボンが、リボン供給軸から前記被記録紙の移送方向と平行的に繰り出され、前記印字部を通過後に前記プラテンローラから離れる方向の転向と逆戻りの転向によりリボン巻取軸に巻き取られ、更に、リボン供給軸の周囲におけるリボン巻装確保領域の幅が、前記供給部における被記録紙巻装確保領域の幅を超えない範囲で、前記供給部から前記印字部への直線的な移送路に侵入する位置を占めるインクリボンカセットと、前記供給部と前記リボンカセットとの間に位置するように本体に着脱自在に配置される案内部材にして、舌片形状の先端部に、前記被記録紙に対する階段状をした複数の幅ガイドを形成しており、供給部から繰り出された被記録紙を、該幅ガイド部を跨がせることでリボンカセットにおける供給軸側のリボン巻装確保領域から逃すように迂回させる案内部材とを有することを特徴とするサーマルプリンタ。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP17839996A JP3618175B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | サーマルプリンタ |
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-
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- 1996-06-03 JP JP17839996A patent/JP3618175B2/ja not_active Expired - Fee Related
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