JP3617888B2 - 有機過酸化物含有マスターバッチの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有機過酸化物含有マスターバッチに関し、詳しくはニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物に有機過酸化物を多量含有させた有機過酸化物含有マスターバッチの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加硫ゴム製品は、通常、原料ゴムに硫黄及び加硫促進剤あるいは有機過酸化物等の加硫系及び補強剤や充填剤等の各種配合剤を添加し、混合混練してコンパウンド(組成物)を作製し、得られたコンパウンドを用いて成形、加硫を行って製造される。
【0003】
その際、加硫促進剤等の粉末状の配合剤は、秤量を容易にするためや混練中の飛散を防止するためにペレット状にして使用される場合がほとんどである。
しかしながら、混練中の剪断力でペレット状態は破壊され、その際、一部は飛散し、量的に不足を生じることがしばしばある。又、有機過酸化物等の混練時に溶融して液体状となるものは、混合機中で原料ゴムをスリップさせ、これらを原料ゴム中に均一に分散させることが困難となるばかりでなく、混練に長時間を要してしまう。
【0004】
上記のような問題を解決するために、予め、多量の加硫促進剤や有機過酸化物等の配合剤と基材ゴムとを混練して配合剤のマスターバッチを製造し、このマスターバッチを配合剤が所定の量となるように原料ゴムに添加することが一般的に行われている。
例えば、基材ゴムとしてニトリル基含有高飽和共重合ゴム(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの水素化物:H−NBR)を用いた有機過酸化物マスターバッチを原料ゴムであるH−NBRに添加する例が特開平7−165990号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、H−NBRは比較的高価なゴムであるために、エチレン−プロピレン系共重合ゴムと混合することによりコスト低減を図ることが試みられている。
しかし、H−NBRとエチレン−プロピレン系共重合ゴムとは相溶性が低いことに加えて、いずれも有機過酸化物との親和性が低く、これらのゴムの混合物と有機過酸化物とを効率よく混練することは困難であった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、コストを低減し、ニトリル基含有高飽和共重合ゴムの架橋製品の品質を一定水準に維持した架橋ゴム製品の製造を可能とする有機過酸化物含有マスターバッチを提供することにある。
【0007】
そこで、本発明者は上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、基材ゴムとしてニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物を使用し、これに多量の有機過酸化物を添加してなる有機過酸化物マスターバッチは、これを用いたニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物の架橋物性を低下させずにコスト削減が可能であることを見いだし、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、ニトリル基含有高飽和共重合ゴム及びエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物100重量部当り、無機補強剤及び/又は無機充填剤を30〜300重量部及び有機過酸化物を40〜150重量部含有する有機過酸化物含有マスターバッチを製造するに際し、それぞれ必要な量の無機補強剤及び/又は無機充填剤と有機過酸化物とを少なくとも2分割し、ニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物と分割された無機補強剤及び/又は無機充填剤及び有機過酸化物とを順次密閉型混合機中で混練することを特徴とする有機過酸化物含有マスターバッチの製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に発明の好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の特徴は、有機過酸化物マスターバッチの基材ゴムとしてニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物を使用することである。
以下に各原料成分について説明する。
【0010】
本発明で使用されるニトリル基含有高飽和共重合ゴムは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有不飽和化合物と1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系単量体の少なくとも一種との共重合体、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド及びその誘導体等のニトリル基含有不飽和化合物及び共役ジエン系単量体と共重合可能な単量体の少なくとも一種を共重合体中に0.1〜15重量%程度さらに共重合させた共重合ゴム等の共役ジエン単量体単位の二重結合を、通常の水素化触媒を用いて水素化したものが挙げられる。なかでも、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムを水素化したものが好ましい。
ニトリル基含有高飽和共重合ゴム中の不飽和ニトリル化合物の含有量は、通常10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%、ヨウ素価は通常60以下、好ましくは30以下、ムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)は通常20〜150、好ましくは60〜90の範囲である。
【0011】
本発明で使用れさるエチレン系飽和型共重合ゴムは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体またはエチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体であって、実質的に飽和型の共重合ゴムである。その代表例は、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合ゴム、エチレン−プロピレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合ゴム、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン三元共重合ゴム等のエチレンと炭素数が3〜14のα−オレフィンを主成分とする結晶化度が20%以下、好ましくは10%以下の低結晶性又は非晶性のエラストマーまたはそれらの混合物である。なかでも好ましいのはエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合ゴムである。非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が用いられ、ジシクロペンタジエンまたは5−エチリデン−2−ノルボルネンを使用する三元共重合ゴムが好ましい。
【0012】
このようなエチレン系飽和型共重合ゴムのムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)は、通常、10〜180、好ましくは40〜140であり、そのヨウ素不飽和度は好ましくは20以下である。
エチレン系飽和型共重合ゴム中のエチレン単位/とα−オレフィン単位は50/50〜90/10(モル比)、好ましくは60/40〜84/16(モル比)である。また、上記の三元共重合ゴムにおける(エチレン+α−オレフィン)単位/非共役ジエン単位は、通常、98/2〜90/10(モル比)、好ましくは97/3〜94/6(モル比)である。
【0013】
上記のニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムの混合割合は、特に限定されないが、エチレン系飽和型共重合ゴムの割合が多過ぎると本発明の有機過酸化物含有マスターバッチを原料ゴムであるニトリル基含有高飽和共重合ゴムまたはニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物に添加して得られれる架橋ゴム製品のこれらの原料ゴムの本来有する耐油性が損なわれ、少な過ぎるとコスト削減が達成されない。好ましい混合割合は、ニトリル基含有高飽和共重合ゴム/エチレン系飽和型共重合ゴムが95〜20/5〜80(重量比)、さらに好ましくは70〜50/30〜50(重量比)の範囲である。
【0014】
本発明で使用される有機過酸化物は、特に限定されないが、室温で固体のものがマスターバッチを製造する上で扱い易く好ましい。例えば、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,3−及び1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3−トリメチルシクロヘキサン、4,4−ビス−(t−ブチル−パーオキシ)−n−ブチルバレレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これらは一種又は二種以上混合して使用することができる。
【0015】
本発明においては、有機過酸化物マスターバッチを製造するうえで無機補強剤及び/又は無機充填剤を使用することが不可欠である。これらを使用せずに該マスターバッチを製造することは、有機過酸化物の融解による基材ゴムの混合機中でのスリップを防止することができないために実質的に不可能である。
【0016】
本発明で使用される無機補強剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、活性炭酸カルシウム等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ゴム分野で使用されるカーボンブラックはいずれも使用することができる。例えば、チャンネルブラックとしては、EPC、MPC、HPC等;ファーネスブラックとしては、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、FF、HMF、GPF、SRF、APF、CRF、CF、SCF、ECF等;サーマルブラックとしては、MT、FT、HML等が挙げられる。なかでもファーネスブラックが好ましい。本発明のマスターバッチを用いた架橋ゴム製品の引張り応力、引張り強さ等の物性を向上させる上から、pHが7以上のカーボンブラックの使用が特に好ましい。また、分散性の点から平均粒子径は40μm以上のものが好ましい。このようなカーボンブラックとしてはSRF、GPF等が挙げられる。
【0017】
シリカとしては、ゴム分野で使用されるシリカはいずれも使用することができる。例えば、湿式方で製造される含水ケイ酸及び含水ケイ酸塩、乾式法で製造される無水ケイ酸等が挙げられる。また、活性炭酸カルシウムとしては、極微細炭酸カルシウムの表面を、例えば、脂肪酸、樹脂酸、アニオン界面活性剤等で処理したものが挙げられる。
【0018】
本発明で使用される無機充填剤としては、例えば、沈降性及び重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム;炭酸マグネシウム、けい酸マグネシウム等;ハードクレー、ソフトクレー、カオリンクレー等の含水けい酸アルミニウムを主成分とするクレーまたは焼成クレー;含水けい酸マグネシウムを主成分とするタルク;けい藻土;アルミナホワイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト等が挙げられる。
これらの無機補強剤及び/又は無機充填剤は一種または二種以上混合して使用することができるが、なかでもカーボンブラックの使用が好ましい。
【0019】
本発明の有機過酸化物マスターバッチは、基材ゴムとしての上記のニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物、無機補強剤及び/又は無機充填剤及び有機過酸化物とを、ロール、バンバリー、ニーダー、インターナルミキサー等の通常の混合機を用いて混練することによって製造することができる。なかでもニーダーの使用が好ましい。混練温度は特に制限されないが、通常45〜85℃の範囲であり、混練を有機過酸化物の分解温度以下の温度で行うことに注意すること以外は如何なる混練方法を用いてもよく、例えば、該基材ゴムと無機補強剤等と有機過酸化物を同時に混練する方法、予めカーボンブラックと有機過酸化物とを混合しておき、この混合物と該基材ゴムとを混練する方法等が挙げられる。
【0020】
特に好ましい混練方法は、該基材ゴムと無機補強剤及び/又は無機充填剤及び有機過酸化物とをニーダー等の密閉型混合機中で混練する際に、有機過酸化物のマスターバッチの製造にそれぞれ必要な量の無機補強剤及び/又は無機充填剤と有機過酸化物とを少なくとも2分割し、分割された無機補強剤及び/又は無機充填剤及び有機過酸化物と該基材ゴムとを順次混練する方法であり、大幅に混練時間を短縮することができる。
【0021】
有機過酸化物のマスターバッチをより短時間で製造するには、無機補強剤及び/又は無機充填剤及び有機過酸化物の分割は、それぞれを2分割とすることが好ましい。分割数を増やすと、混練時間が長くなり、製造コストを増大させるので、該マスターバッチ中の有機過酸化物の含有量が多くなり、有機過酸化物の溶融によって混練が困難となる等の特別な事情がある場合以外は、出来るだけ分割数を少なくすることが望ましい。
全量のカーボンブラック及び有機過酸化物をそれぞれ2分割する場合には、先ず、それぞれを50重量%以上と50重量%未満の2分割物とし、いずれの分割においても無機充填剤は有機過酸化物と同量もしくは無機充填剤が有機過酸化物よりも少なくとも10重量%多くなる量とし、最初に50重量%以上の各分割物と該基材ゴムとを十分に混練し、次いで残りの各分割物を添加して十分に混練することによって、短時間で均一な該マスターバッチが得られるので好ましい。さらに好ましくは、それぞれの全量の60重量%以上90重量%未満の分割物と10重量%以上40重量%未満の分割物とに2分割することである。分割された無機充填剤と有機過酸化物は混練に際しては、同時に該基材ゴムに添加しても、予め両者を混合してから添加してもよい。生産性の観点から、予め両者を混合して使用することが好ましい。
【0022】
上記の混練法を用いることによって、混練中の有機過酸化物の溶融による該基材ゴムのスリップが抑制され、混練温度を有機過酸化物の分解温度以下の温度に制御することにより混練中の焼け(該基材ゴムの架橋の進行)も防止され、短時間で該基材ゴムに無機補強剤及び/又は無機充填剤及び有機過酸化物が均一に混練された有機過酸化物のマスターバッチが製造される。
【0023】
このようにして得られる本発明の有機過酸化物含有マスターバッチは、ニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物100重量部当り、無機補強剤及び/又は無機充填剤を30〜300重量部、有機過酸化物を40〜150重量部含有するものである。
無機充填剤及び有機過酸化物の含有量が上記の各上限量を超えると均一に混練された該マスターバッチを製造することが困難となり好ましくない。無機補強剤及び/又は無機充填剤の含有量が30重量部未満では該マスターバッチ製造中の有機過酸化物の融解による該共重合ゴムの混合機中でのスリップを抑制することが困難となる。また、有機過酸化物の含有量が40重量部未満では、該マスターバッチを原料ゴムに添加する割合が多くなり過ぎて配合の自由度を小さくし、また架橋ゴム製品の物性への影響も大きくなるので、マスターバッチとするメリットはほとんどない。好ましい含有量は、ニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物100重量部当り、無機補強剤及び/又は無機充填剤が80〜200重量部、有機過酸化物が80〜120重量部の範囲である。
本発明の有機過酸化物含有マスターバッチのなかでも、JIS K−6300に従って測定した125℃の架橋反応におけるスコーチタイム(T5 )が5〜9分、キュアタイム(T95)が12〜18分を示すものが好ましい。
【0024】
本発明の有機過酸化物含有マスターバッチは、各種原料ゴムの有機過酸化物供給源としてペレット状あるいはシート状で使用される。該マスターバッチを原料ゴムとしてニトリル基含有高飽和共重合ゴムまたはニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物に配合することによって良好な架橋物性を示すゴム組成物が得られる。上記混合物においては混合割合は特に限定されないが、ニトリル基含有高飽和共重合ゴム/エチレン系飽和型共重合ゴムは、通常95/5〜20/80(重量比)、好ましくは70/30〜50/50(重量比)である。
【0025】
上記の原料ゴムに対する本発明の有機過酸化物含有マスターバッチの配合量は特に限定されないが、通常、原料ゴム100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは10〜20重量部である。
【0026】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、以下においては部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0027】
【実施例】
実施例1及び2、比較例1及び2
ニトリル基含有高飽和共重合ゴム(日本ゼオン社製Zetpol 2020L:アクリロニトリル含有量36%、ヨウ素価28、ムーニー粘度(ML1+4 ,100℃=57.5)75部、エチレン系飽和型共重合ゴムとしてのEPDM(エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン三元共重合ゴム:三井石油化学社製EPT−4070、ヨウ素価24)25部、SRFカーボンブラック(東海カーボン社製シーストS:pH=7.8)133部及びジクミルパーオキサイド(DCP)100部をニーダーを用いて下記の方法で混練して有機過酸化物のマスターバッチ(PO−MB1)を製造した。また、同様にしてFEFカーボンブラック(東海カーボン社製シーストSO:pH=6.6)を用いて有機過酸化物のマスターバッチ(PO−MB2)を製造した。いずれの場合も混練中はニーダーに冷却水を通し、混合物の温度をジクミルパーオキサイドの分解温度以下に保った。
【0028】
(1)ニーダーに上記の基材ゴム30kgを投入し5分間素練りをする。
(2)予めカーボンブラック30kg及びDCP23kgを混合し、この混合物を投入し3.5分間混練する。
(3)予めカーボンブラック10kg及びDCP7kgを混合し、この混合物を投入し3分間混練し、混練物をニーダーより取り出す。
(4)ロールで均一に混練し、シート出しする。
【0029】
上記のPO−MB1及びPO−MB2を用い、高飽和ニトリル基含有共重合ゴム(日本ゼオン社製Zetpol 2010L:アクリロニトリル含有量36%、ヨウ素価11、ムーニー粘度(ML1+4 ,100℃=57.5)75部と上記のEPDM25部との混合物に表1に記載の配合処方で6インチロールを用いてコンパウンドを作製した。
また、上記の原料ゴムに直接DCPを配合したコンパウンドを作製した(比較例)。
【0030】
これらのコンパウンドを作製するときに要した混練時間、これらのコンパウンドの未架橋物性及び180℃で8分プレス架橋して作製した2mm厚さのシートを用いて架橋物性を測定した。結果を表1に示す。試験法は下記の通りである。
【0031】
未架橋物性の測定方法
(1)コンパウンドムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)
JIS K−6300に従って125℃で測定。
(2)スコーチタイム(T5 :分)及びキュアータイム(T95:分)
JIS K−6300に従って125℃で測定。
架橋物性の測定方法
JIS K−6301に従って測定。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、有機過酸化物をニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物に配合する際の混練時間が大幅に短縮される。
また、ニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物に本発明の有機過酸化物のマスターバッチを必要量添加して製造した架橋ゴム製品は、有機過酸化物を上記の混合物に直接配合して製造した通常の架橋ゴム製品と比較して良好な架橋物性を示す。
Claims (3)
- ニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物100重量部当り、無機補強剤及び/又は無機充填剤を30〜300重量部及び有機過酸化物を40〜150重量部含有する有機過酸化物含有マスターバッチを製造するに際し、それぞれ必要な量の無機補強剤及び/又は無機充填剤と有機過酸化物とを少なくとも2分割し、ニトリル基含有高飽和共重合ゴムとエチレン系飽和型共重合ゴムとの混合物と分割された無機補強剤及び/又は無機充填剤及び有機過酸化物とを順次密閉型混合機中で混練することを特徴とする有機過酸化物含有マスターバッチの製造方法。
- 前記混合物が、ニトリル基含有高飽和共重合ゴム/エチレン系飽和型共重合ゴムが95〜20/5〜80(重量比)である請求項1に記載の有機過酸化物含有マスターバッチの製造方法。
- 無機補強剤及び/又は無機充填剤がカーボンブラックである請求項1又は2に記載の有機過酸化物含有マスターバッチの製造方法。
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