JP3617561B2 - 画像形成方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成方法及びその装置に関し、より詳細には、液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する記録体材料を用いて画像を形成する方法及び該画像形成方法を利用した画像記録装置に関するものであり、デジタル印刷機分野に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
画像情報に応じた液体の付着性領域及び非液体付着性領域を区別して画像形成する手段の代表として、オフセット印刷方式があげられるが、オフセット印刷方式は、原版からの製版工程と該製版工程で得られた版を用いて印刷する印刷工程からなっている。しかし、これらの工程を充たす機能を備えた機器を一つの装置内に納めて、事務用に供することができるように小型化することは困難である。
【0003】
このようなオフセット印刷方式の欠陥を解決する方式として、疎水性の光導電体層に外部から電荷を与えた後、露光し、光導電体層表面に疎水性部と親水性部を有するパターンを形成して親水性部に水性現像剤を付着させて印刷する水性現像方式やフォトクロミック化合物に紫外線を照射して親水性化するフォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式、あるいは、物理的変化により不定形状態と結晶状態とを形成し、液体インクの付着・非付着領域を構成する内部偏倚力を利用した方式が提案された。
【0004】
しかし、水性現像方式は、電子写真プロセスを基本としており、帯電、露光、現像、転写、除電からなるプロセスを必要とするので、装置の小型化やメンテナンスフリー化が困難であり、また、フォトクロミック材料の光化学反応を利用した方式は、量子効率が悪いため反応時間が長く記録速度が遅くなり、しかも安定性に欠ける欠点があり、内部偏倚力の作用を利用した方式は、情報記録部材の安定性に問題があり、記録後は安定であるが記録前では温度変化により物理的構造が変化するおそれがあるので保在性に問題が残される等の課題があった。
【0005】
これに対し、本出願人は、特開平3−178478号公報において、液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する記録体材料を、容易な手段で選択的に加熱して後退接触角の異なる所望パターン領域を作り、色材を含む現像剤で現像することにより可視像を得る方法を開示した。この画像形成方法を下記図6により説明する。
【0006】
図6は、従来の画像形成方法を説明するための図で、図6(A)は、記録体の構成を示す図、図6(B)は湿式潜像形成方法、図6(C)は乾式潜像形成方法を示す図であり、図中、2は基板、3は記録体材料、4はサーマルヘッド、21は記録体、22は液体、23はスポンジローラ(含液)である。なお、以降に示す図6以外の図において、図6と同様の作用をする部分には、図6の場合と同じ参照番号を付すこととする。
【0007】
図6(A)に示す記録体21は、紙、フィルム等の基板2上に記録体材料3を成膜したもので、この記録体材料3は、撥水,撥油性をもった材料として知られており、この記録体材料3を基板2上に塗布して記録体材料3の融点以上の温度に加熱して成膜する。
このように構成された記録体21は撥水、撥油状態となる被膜を形成している。
【0008】
図6(B)に示す湿式潜像形成方法は、図6(A)に示す記録体21を記録体材料3の表側から液体22と接した状態でサーマルヘッド4により選択的に加熱して、加熱部分に対応した親水、親油状態を得ている。これに対し、図6(C)に示す乾式潜像形成方法は、記録体21の記録体材料3表側には液体を含んだスポンジローラ23が接しており、裏側にはサーマルヘッド4が接しており、サーマルヘッド4により記録体21の裏側から加熱し、加熱部分を親水,親油状態にしている。
【0009】
しかし、図6(B)に示す湿式潜像形成方法では、液体22と接した状態で加熱するサーマルヘッド4として、ライン型で高密度、高速書き込み可能な市販サーマルヘッドを使用すると、液体22によるサーマルヘッド4の劣化が顕しいので、少なくとも液体22を考慮した保護膜のある高価なサーマルヘッド4を製作、使用する必要がある。
【0010】
また、図6(C)に示す乾式潜像形成方法では、液体を含んだスポンジローラ23とサーマルヘッド4とにより記録体21を挟んでいるので、サーマルヘッド4が直接液体22に接することは防げるが、基板2の裏側から加熱するため、印加エネルギーは大きくなったり、表と裏との温度差により使用可能な基板材料が制限されたり、加熱領域の広がりによる画像が劣化する等の欠点がある。本出願人は、これらの問題点を解決するために、図7に示す画像形成方法を提案した。
【0011】
図7は、従来の画像形成方法の他の例を説明するための図で、図7(A)は記録体の構成を示す図、図7(B)は乾式潜像形成方法であり、図中、24はホットプレートである。
【0012】
図7(A)に示す記録体31は、図6(A)に示す記録体21と同様の製法により成膜された記録体材料3が融点以上の温度で加熱されたものであり、説明を省くが、記録体31は、図7(B)に示すように、記録体31の記録体材料3をホットプレート24で加熱された液体22と接触して加熱することにより全面を親水,親油状態としておく。このように準備された記録体1に対し、図7(C)に示す乾式潜像形成法により、記録体材料3の表側にサーマルヘッド4を対向して記録体材料3を選択に加熱して加熱部分に撥水,撥油領域を形成する方法である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示した乾式潜像形成方法によると、図6に示した潜像形成方法の欠点は解決されるが、図7(B)に示すような記録体1を全面液中で加熱するための給液手段と加熱手段とが必要であり、これら給液手段と加熱手段とを装置内にコンパクトに組み込むことが困難である。また、全面に亘って親水,親油状態に処理しておいた記録体31を、保存するためには、記録体31を少くとも、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する温度以下に保っておく必要がある等の課題がある。
【0014】
本発明の目的は、予め加熱液体中で処理して全面を親水、親油状態とした記録体材料を準備しなければならない上述した従来技術の課題に対し、記録体材料3を基板2に塗布し常温で乾燥する場合は、その表面が親水、親油性を示すという新たな知見に基づいて新規な画像形成方法およびその装置を提供すること、更に、本発明の他の目的は、同一基板上に画像を重ねて形成可能な新規な画像形成方法およびその装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板上に塗布乾燥し、その後に、液体と非接触状態で前記記録体材料を選択的に加熱し、色材を含む現像剤で現像することにより画像を得るようにして、サーマルヘッドの耐久性劣化を防ぎ、印加エネルギーを増加して解像度劣化を防止するようにしたものである。
請求項2の発明は、液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板に塗布し版とする塗布手段と、液体と非接触状態で前記版上の前記記録体材料を選択的に加熱し製版する加熱手段と、色材を含む現像剤で現像することにより前記版上に画像を得る現像手段と、前記版上の画像を紙に転写する転写手段とで画像記録装置を構成することにより、前記版の全面を液中で加熱する等の処理が不要で、請求項1の発明と同様の効果を得られるようにしたものである。
請求項3の発明は、液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板に塗布し版とする塗布手段と、液体と非接触状態で前記版上の前記記録体材料を選択的に加熱し製版する加熱手段と、色材を含む現像剤で現像することにより前記版上に画像を得る現像手段と、前記版上の前記画像を紙に転写する転写手段と、前記版上の画像を除去するクリーニング手段とからなり、該クリーニング手段により前記画像を除去後に前記塗布手段で前記基板上に前記記録体材料を塗布し、新たに画像を形成する画像記録装置とすることにより、記録体材料を画像のクリーニング後に再度塗布して使用できるようにしてランニングコストを低減し版の取り替え頻度を大幅に少くなるようにしたものである。
請求項4の発明は、液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板上に塗布乾燥し、その後に、液体と非接触状態で前記記録体材料を選択的に加熱し、色材を含む現像剤で現像することにより画像を得、該画像上に前記記録体材料の塗布と、選択的加熱、および現像を複数回繰り返すことにより前記画像上に重ね画像を得るようにし、請求項1,2の発明と同様の効果が得られるようにし、更に、色ズレの少ない良好なカラー画像が得られるようにしたものである。
請求項5の発明は、液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板に塗布し版とする塗布手段と、液体と非接触状態で前記版上の前記記録体材料を選択的に加熱し製版する加熱手段と、色材を含む現像剤で現像することにより前記版上に画像を得る現像手段とからなり、該現像手段で得られた前記版上の前記画像に、前記記録体材料の塗布と、選択的加熱、および現像を複数回繰り返すことにより前記画像との重ね画像が得られる画像記録装置とすることにより請求項4の発明と同様の効果が得られるようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による画像形成方法の実施の形態を説明するための図で、図1(A)は記録体の構成、図1(B)は潜像形成方法、図1(C)は現像方法であり、図中、1は記録体、5は現像ローラ、6は画像である。
【0017】
図1(A)に示す記録体1は、図6(A)に示した記録体21と同様の構成のもので、紙、フィルム等の基板2上に、記録体材料3を成膜したものである。記録体材料3は、液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する特性をもっている。しかし、図6(A)に示した従来の記録体21は、基板2上に塗布された記録体材料3を、その融点以上に加熱,成膜したもので、記録体21はこの状態を出発点としていた。これは、基板2上に塗布された記録体材料3を加熱し、成膜することによりフィルム状被膜を形成し、基板2と記録体材料3の密着性を向上させることを目的とするためであった。
【0018】
これに対し、図1(A)に示す記録体1は、基板2上に記録体材料3を成膜する方法として、出願人らは、記録体材料3を基板2に塗布し、室温近傍の温度で乾燥することにより、その表面が親水、親油性を示すこと、および、基板2との密着性もサーマルヘッド4の押圧、摩擦に十分耐えられること、さらには現像された画像6は紙への転写においても十分な耐刷性を有することを見出した。記録体1は、この方法に基づいて記録体材料3を成膜し作成されたものである。
例えば、基板2をPET(ポリエチレンテレフタレート)、記録体材料3は乳化重合により合成した含フッ素アクリレート材料(LS317、旭硝子製)とし、この記録体材料3とを水で15%希釈し、厚さ100μmのPETの基板2に記録体材料3を厚さ3μmでコーティングして室温で乾燥したものである。
【0019】
図1(B)に示す潜像形成方法は、例えば、パーソナルコンピュータ(図示せず)からの信号により、サーマルヘッド(F2459A、東芝製)4に通電し選択的に加熱するもので、加熱部分は後退接触角の増加した潜像が形成される。記録体1は、図1(C)に示す現像方法は、例えば、硬度60度のゴム材料からなる現像ローラ5上にインキ膜(アクワレススーパー KB墨M、東洋インキ製)を形成し、記録体1を矢印方向に手動で移動し現像するもので、本発明者らが、上記方法により潜像形成及び現像をしたところ、良好な画像6が得られた。
【0020】
以上のように、図1に示した画像形成方法では、従来の図6(B)に示す湿式潜像形成方法のように、サーマルヘッド4の耐久性劣化がなく、図6(C)に示す乾式潜像形成方法のように印加エネルギーの増加と解像度劣化防止が可能で、かつ、記録体材料3の表側からの乾式製版が可能となる(請求項1に対応)。
【0021】
図2は、図1に示す画像形成方法を利用した画像記録装置の実施の形態の例を説明するための図であり、図中、7は記録体材料液槽、8は塗布ローラ、9,14は圧胴、10はカッター、11は搬送ローラ、12は版、13は版胴、15はブレード、16は記録紙である。
【0022】
記録体材料液槽7に収容された記録体材料3は、例えば、乳化重合により合成した含フッ素アクリレート材料(LS317、旭硝子製)を水で15%希釈したもので、この記録体材料3をスポンジ(例えば、硬度30度、東洋ポリマー製)からなる塗布ローラ8に含浸させ、含浸した記録体材料3をロール状の基板(PET、厚さ:50μm)2に塗布した。この記録体1を搬送ローラ11で矢印方向に移動し、パーソナルコンピュータ(図示せず)から、オリジナルの画像に対して白黒を反転した信号をサーマルヘッド(F2459A、東芝製)4に印加し選択的に加熱することにより版12とした。
【0023】
この版12をカッター10で所望の長さに切断し、図示のように、版胴13に巻き付ける。硬度60度のゴム(バイトン)材料からなる現像ローラ5上に樹脂(例えば、ウレタン)のブレード15によりインキ膜(アクワレススーパー KB墨M、東洋インキ製)を形成し版上で現像した。記録紙(Type6200、リコーPPC用紙)16を毎分120枚の速度で搬送したところ記録紙上で濃度1.3の良好な画像が得られた。
【0024】
なお、ロール状基板2の搬送、切断、版胴13への巻き付け、給排紙等は印刷機分野で周知の技術であり、孔版印刷機(PRIPORT VT3820、リコー製)を改造して使用した。また、上述のように現像ローラ5上へのインキ膜形成は、ブレード15で行い、インキの供給は手動で行った。
【0025】
以上のように、図2に示した画像記録装置では、基板2への記録体材料3の塗布装置を内蔵しているため、図6に示した従来技術のように記録前において記録体1の記録体材料3の全面に亘り親水,親油状態にしておく記録体の処理や、この処理のすんだ記録体1を液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する温度以下に保在する温度制御装置を設ける必要がなくなるという利点がある(請求項2に対応)。
【0026】
図3は、図1に示す画像形成方法を利用した画像記録装置の実施の形態の、他の例を説明するための図である。
図3に示した画像記録装置は、記録体材料3を基板2上に塗布した記録体1を版12として、これを選択的に加熱して製版して現像し、現像画像を紙に転写する各々の手段を有することは図2に示した画像記録装置の場合と同様であるが、これに加え、現像画像を紙16に転写後、版12上の画像を除去するクリーニング手段を有し、画像を除去した版12に記録体材料3を塗布手段で塗布して新たな画像を形成する構成が付加されている。
この実施例を、図3に基づいて説明する。
【0027】
ロール状の基板(PET、厚さ:50ミクロン)2をカッター10で所望の長さに切断し、版胴13に巻き付けた。含フッ素アクリレート材料(LS317、旭硝子製)を水で15%希釈した記録体材料3をスポンジ(硬度30度、東洋ポリマー製)からなる塗布ローラ8により版胴13上で基板に塗布した。パーソナルコンピュータ(図示せず)から、オリジナルの画像に対して白黒を反転した信号を版胴13上に設けられたサーマルヘッド(F2459A、東芝製)14に印加し選択的に加熱することにより版12とした。
【0028】
次に、硬度60度のゴム(バイトン)材料からなる現像ローラ5上にインキ膜(アクワレススーパー KB墨M、東洋インキ製)を形成し、版12上で現像した。このとき、インキの平滑化は樹脂(ウレタン)ブレード15で行い、インキの供給は手動で行った。記録紙(Type6200、リコーPPC用紙)16を毎分120枚の速度で搬送し、記録紙16上に濃度1.3の画像が得られた。この後、クリーニング液(オフセットクリーナー TypeNA,リコー製)を含んだスポンジ(硬度30度、東洋ポリマー製)からなるクリーニングローラ17によりインキを版12上から洗い落とし、塗布ローラ8で版胴13上で基板2に再度記録体材料3を塗布し、上と同様の方法で現像、転写することにより良好な画像が得られることがわかった。
【0029】
なお、ロール状基板2の搬送、切断、版胴13への巻き付け、給排紙等は印刷機分野で周知の技術であり、孔版印刷機(PRIPORT VT3820、リコー製)を改造して使用した。また、図3において、ロール状基板2、搬送ローラ11およびカッター10とからなる基板供給手段をもたず、版胴13に予め基板2が形成された構成でもよい。
以上のように、図3に示した画像記録装置では、版12上の画像をクリーニングして、再度、記録体材料3を塗布することが可能なため、版材料のコストパフォーマンスが優れるだけでなく、版材料の選択性が広がるという利点がある(請求項3に対応)。
【0030】
図4は、本発明による画像形成方法の実施の形態の他の例を説明するための図で、図4(A)は、第1の記録体材料塗布、図4(B)は第2の潜像形成、図4(C)は第1色目の現像、図4(D)は第2の記録体材料塗布、第4(E)は第2の潜像形成、第4(F)は第2色目の現像の各工程を示す。
【0031】
図4に示した画像形成方法は、図1に示した画像形成方法を改良したもので、複数の画像を重ねて形成可能な方法を示す。
図4(A),〜,図4(C)に示す画像形成方法の各工程、すなわち第1の記録体材料3aの塗布(図4(A))、第1の潜像形成(図4(B))、および第1色目の現像方法(図4(C))は、図1(A),〜,図1(C)に示した記録体材料3の塗布、潜像形成、および現像方法と同様であり、第1の記録体材料3aを塗布した記録体1(図4(A))上に第1の潜像を形成し(図4(B))、形成された第1色目の現像ローラ5aにより現像し第1色目のインキによる画像6aを得る(図4(C))。次に、第1色目のインキ画像6a上に、更に第2の記録体材料3bを塗布・乾燥し(図4(D))、別の画像に対応してサーマルヘッド4により選別的に加熱して第2の潜像3cを形成(図4(E))し、これを2色目の現像ローラ5bにより2色目のインキによる画像6bを重ねる(図4(F))。このようにして、同一の記録体に複数色の画像を重ねて形成できることができた。以下、図4に示した画像形成方法の具体例について説明する。
【0032】
含フッ素アクリレート材料(LS317、旭硝子製)を水で15%希釈し、さらにインキと親和性向上を目的として、含フッ素界面活性剤(サーフロン、旭硝子製)を0.1%添加し、記録体材料3とした。この記録体材料3を基板(PET、厚さ:100ミクロン)2に厚さ3ミクロンにコーティングし、室温で乾燥した(図4(A))。パーソナルコンピュータ(図示せず)からの信号により、サーマルヘッド(F2459A、東芝製)4に通電し選択的に加熱した(図4(B))。硬度60度のゴム材料からなる第1の現像ローラ5a上にインキ膜(アクワレススーパー KB藍M、東洋インキ製)を形成し、手動で現像(図4(C))した。このインキ上にさらに記録体材料3bを塗布し(図4(D))、サーマルヘッド4で選択的に加熱して第2の潜像3cを形成し(図4(E))、色の異なる2色目のインキ(アクワレススーパー KB紅M、東洋インキ製)で現像し画像6bとした(図4(F))ところ、良好なカラー画像が得られた(請求項4に対応)。
【0033】
図5は、図4で示した画像形成方法を用いた本発明による画像記録装置の実施の形態を説明するための図であり、図中、18は乾燥装置である。
図5に示した画像記録装置は、例えば、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルムを基板2として、同一基板2上にカラー画像を形成する装置であり、上記基板2を手動で版胴13に巻き付けた。版胴13上の基板2には、含フッ素アクリレート材料(LS317、旭硝子製)を水で15%希釈し、含フッ素界面活性剤(サーフロン、旭硝子製)を0.1%添加した記録体材料3をスポンジ(硬度30度、東洋ポリマー製)からなる塗布ローラ8で塗布した。
なお、塗布した記録体材料3の乾燥促進を目的として、ファン等の乾燥装置18を版胴13に近接して配置した。
【0034】
版胴13に巻き付けた記録体1に対し、パーソナルコンピュータ(図示せず)から、オリジナルのカラー画像に対して三原色に色分解し、ネガ・ポジを反転した信号を版胴13上に設けられたサーマルヘッド(F2459A、東芝製)4に印加し選択的に加熱することにより版12とするもので、まず、色分解して得られた[黄]に対応した反転信号によりサーマルヘッド4を駆動加熱し、硬度60度のゴム(バイトン)材料からなる黄色の現像ローラ5c上にインキ膜(アクワレススーパー KB黄M、東洋インキ製)を形成し版12上で現像した。このとき、インキの平滑化は樹脂(ウレタン)ブレード(図示せず)で行い、インキの供給は手動で行った。
【0035】
次に、記録体材料3を塗布ローラ8を用いて再度塗布し、サーマルヘッド4で色分解した[藍]に対応して選択的に加熱し、藍色の現像ローラ5dにより藍インキで現像した。更に、同様な方法で色分解した[紅]に対応し、紅色の現像ローラ5eにより紅インキを重ねたところ、反射、透過共に良好なカラー画像が得られた。
以上のように、本発明では、同一版上で、版の取り替えがなく、カラー画像が形成されるため、画像位置精度が大幅に向上するという利点がある(請求項5に対応)。
【0036】
【発明の効果】
請求項1に対応する効果:液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板上に塗布乾燥し、その後に、液体と非接触状態で前記記録体材料を選択的に加熱し、色材を含む現像剤で現像することにより画像を得るようにしたので、サーマルヘッドの耐久性劣化を防ぎ、印加エネルギーを増加して解像度劣化を防止することができるようになり、更に、全面液中加熱等の処理が不要で、かつ保存環境を無視できる効果が得られるようになった。
請求項2に対応する効果:液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板に塗布し版とする塗布手段と、液体と非接触状態で前記版上の前記記録体材料を選択的に加熱し製版する加熱手段と、色材を含む現像剤で現像することにより前記版上に画像を得る現像手段と、前記版上の画像を紙に転写する転写手段とで画像記録装置を構成したので、前記版の全面を液中で加熱する等の処理が不要で、請求項1の発明と同様の効果が得られるようになった。
請求項3に対応する効果:液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板に塗布し版とする塗布手段と、液体と非接触状態で前記版上の前記記録体材料を選択的に加熱し製版する加熱手段と、色材を含む現像剤で現像することにより前記版上に画像を得る現像手段と、前記版上の前記画像を紙に転写する転写手段と、前記版上の画像を除去するクリーニング手段とからなり、該クリーニング手段により前記画像を除去後に前記塗布手段で前記基板上に前記記録体材料を塗布し、新たに画像を形成する画像記録装置とし、記録体材料を画像のクリーニング後に再度塗布して使用できるのでランニングコストを低減し版の取り替え頻度を大幅に少くすることができた。
請求項4に対応する効果:液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板上に塗布乾燥し、その後に、液体と非接触状態で前記記録体材料を選択的に加熱し、色材を含む現像剤で現像することにより画像を得、該画像上に前記記録体材料の塗布と、選択的加熱、および現像を複数回繰り返すことにより前記画像上に重ね画像を得るようにしたので、請求項1,2の発明と同様の効果が得られるようにし、更に、色ズレの少ない良好なカラー画像が得られるようになった。
請求項5に対応する効果:液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板に塗布し版とする塗布手段と、液体と非接触状態で前記版上の前記記録体材料を選択的に加熱し製版する加熱手段と、色材を含む現像剤で現像することにより前記版上に画像を得る現像手段とからなり、該現像手段で得られた前記版上の前記画像に、前記記録体材料の塗布と、選択的加熱、および現像を複数回繰り返すことにより前記画像との重ね画像が得られる画像記録装置としたので請求項4の発明と同様の効果が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成方法の実施の形態を説明するための図である。
【図2】図1に示す画像形成方法を利用した画像記録装置の実施の形態の例を説明するための図である。
【図3】図1に示す画像形成方法を利用した画像記録装置の実施の形態の他の例を説明するための図である。
【図4】本発明による画像形成方法の実施の形態の他の例を説明するための図である。
【図5】図4で示した画像形成方法を用いた本発明による画像記録装置の実施の形態を説明するための図である。
【図6】従来の画像形成方法を説明するための図である。
【図7】従来の画像形成方法の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…記録体、2…基板、3…記録体材料、4…サーマルヘッド、5…現像ローラ、6…画像、7…記録体材料液槽、8…塗布ローラ、9,14…圧胴、10…カッター、11…搬送ローラ、12…版、13…版胴、15…ブレード、16…記録紙、18…乾燥装置。

Claims (5)

  1. 液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板上に塗布乾燥し、その後に、液体と非接触状態で前記記録体材料を選択的に加熱し、色材を含む現像剤で現像することにより画像を得ることを特徴とする画像形成方法。
  2. 液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板に塗布し版とする塗布手段と、液体と非接触状態で前記版上の前記記録体材料を選択的に加熱し製版する加熱手段と、色材を含む現像剤で現像することにより前記版上に画像を得る現像手段と、前記版上の画像を紙に転写する転写手段とからなることを特徴とする画像記録装置。
  3. 液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板に塗布し版とする塗布手段と、液体と非接触状態で前記版上の前記記録体材料を選択的に加熱し製版する加熱手段と、色材を含む現像剤で現像することにより前記版上に画像を得る現像手段と、前記版上の前記画像を紙に転写する転写手段と、前記版上の画像を除去するクリーニング手段とからなり、該クリーニング手段により前記画像を除去後に前記塗布手段で前記基板上に前記記録体材料を塗布し、新たに画像を形成することを特徴とする画像記録装置。
  4. 液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板上に塗布乾燥し、その後に、液体と非接触状態で前記記録体材料を選択的に加熱し、色材を含む現像剤で現像することにより画像を得、該画像上に前記記録体材料の塗布と、選択的加熱、および現像を複数回繰り返すことにより前記画像上に重ね画像を得ることを特徴とする画像形成方法。
  5. 液体と接した状態で加熱されると後退接触角が低下し、基板に室温で塗布乾燥した状態では基板の表面が親水性又は親油性を示し、液体と非接触状態で加熱されると後退接触角が増加する含フッ素アクリレート材料から成る記録体材料を室温で基板に塗布し版とする塗布手段と、液体と非接触状態で前記版上の前記記録体材料を選択的に加熱し製版する加熱手段と、色材を含む現像剤で現像することにより前記版上に画像を得る現像手段とからなり、該現像手段で得られた前記版上の前記画像に、前記記録体材料の塗布と、選択的加熱、および現像を複数回繰り返すことにより前記画像との重ね画像を得ることを特徴とする画像記録装置。
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