JP3617294B2 - 金属体の温度を測定するシース熱電対の取付け方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、スラブ等の金属体の表面あるいは内部にシース熱電対を簡便かつ確実に取付け、応答遅れのない正確な測温を実現しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
スラブ等の金属体に対する冷却能力(ミスト冷却等)を評価するオフライン実験を行う場合や加熱炉内で金属体の内外における温度変化を測定する場合においては、金属体の表面あるいは内部の測温箇所に熱電対の先端を接触させて温度測定するのが一般的であって、熱電対を金属体に固着する従来の手法としては例えば特公昭54−37515号公報あるいは特開昭54−119280号公報等に開示されている技術がこれまでに知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の取付け方法においては以下に述べるような問題がありその解決が望まれていた。
【0004】
特公昭54−37515号公報に開示された技術は、シース熱電対の金属外管を溶接電源に接続、熱電対先端部を金属保熱体に近接させて通電し、該熱電対を保熱体表面に固着させて完全に接触させて測定を行をうとするものである。しかしながら、この取付け方式は、とくに測定箇所が、金属体の内部である場合には熱電対の先端のみの固着が必要であるところ、その先端を除く他の部位が金属体と接触して短絡することもあり、目標とする測温部位で熱電対を固定するのが難し不具合があった。また、この方式は測温する箇所と熱電対素線先端との間にシースである金属外管と絶縁材等が存在するためそれが伝熱抵抗となり、とくに高温の金属体を急激に冷却する場合にタイムラグが生じ冷却過程における正確な情報が得にくい不利があった。
【0005】
また、特開昭54−119280号公報に開示の技術は、鋼材に切り込み部を形成し溶接固定された小ブロックの貫通孔に熱電対を挿入して該小ブロックに溶接された部材を介して熱電対を固定することによって測温を実施しようとするものであるが、かかる技術においては、熱電対を取り付ける部品の数が多いため部品の加工に工数がかかるだけでなく、取付け作業も煩雑であり、また、被測温体(測定する鋼材)の厚さが薄い場合にその取付けができない場合があること、さらに、小ブロックを取り付けるための切り込み部の割合が大きいことから被測温体内部の温度分布に影響を与えるおそれがあり正確な測定ができないことが懸念された。
【0006】
この発明の目的は、測温すべき金属体の測定位置の温度分布に影響を与えることなしに簡便かつ確実に、しかも測定位置の温度をタイムラグ(応答遅れ)なしに迅速に測定できるシース熱電対の取付け方法を提案するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、金属外管を有するシース熱電対を用いて金属体の表面温度もしくは内部温度を測定するに当たり、先端から熱電対素線を露出させその周りに絶縁処理を施したシース熱電対を用意し、この熱電対の素線末端または素線末端につながる補償導線に溶接機の電極を取り付ける一方、該溶接機のもう一方の電極を金属体に接続し、熱電対の先端の素線を測温部位に接触させた状態で通電してシース熱電対の先端を測温部に固着することを特徴とする、金属体の温度を測定するシース熱電対の取付け方法である。
【0008】
また、この発明は、上記の構成において絶縁処理は絶縁耐熱ペーストを塗布するか、絶縁耐熱チューブで覆うか、あるいは絶縁耐熱テープを巻いたものとするのがよい。シース熱電対の先端において絶縁処理を施す部位の長さは2〜5mm程度とするのがよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
シース熱電対の先端部分の断面を図1に示すように、その素線sの周りを絶縁材eで取り囲み、これをさらに金属製のシースcで包み込んだ構造になるのが一般的であるが、この発明は、シース熱電対の先端において素線を露出させその露出部分を残してシースである金属外管と接触しないよう絶縁材にて覆うようにしたので、素線の露出部分が直接測温すべき部位に接することになるので、タイムラグのない測温が可能になる。
【0010】
この発明においては絶縁処理を施すに当たり絶縁耐熱ペーストを塗布するか、絶縁耐熱チューブで覆うか、あるいは絶縁耐熱テープを巻くことになるが、絶縁耐熱ペーストとしては具体的に無機(セラミックス系)接着剤が、また、絶縁耐熱チューブとしては碍子が、絶縁耐熱テープとしては無機ガラス繊維テープが使用できる。
【0011】
以下、図面を用いてこの発明をより具体的に説明する。
図2は、この発明を実施するのに用いて好適なシース熱電対を示したものであって、図における番号1はシース熱電対、2は露出部位2aを有する熱電対素線、3は素線2を取り囲む絶縁材、4は絶縁材3を覆う金属外管(シース)、5は素線2の露出部2aを残してその周りを取り囲むように配置した絶縁材であって、この絶縁材5は金属外管4と素線2の先端部を接触させない機能を有する。
【0012】
また、6は素線2の末端に接続した補償導線、7は電極7a,7bを有する溶接機、8は補償導線6につながり測温結果を読み取る測定計である。
【0013】
上掲図2に示すようなシース熱電対を金属体の例えば内部に取り付けるには、まず、測温すべき金属体kに対して図3に示すような熱電対挿入孔9を設けてシース熱電対1を挿入する。そして、図4に示すように熱電対1の先端2の露出部位2aを挿入孔9の行き止まり端に押し付けその状態で約15Aの条件下で数秒間通電してシース熱電対1の先端を測温部Pに固着する。上記の一連の動作にてシースで熱電対の取付けは終了するが、金属体が動いたり等、熱電対の本体部分に予期しない力が加わることによって固着部分が外れる場合も懸念されるので、シース熱電対1の先端が測温部Pに固着したのちは、図5に示すように挿入孔9とシース熱電対1とのすき間に鉄粉dを充てんし、この鉄粉dが不用意に排出しないように挿入孔7の入口に楔等のシール部材fを設置する。
【0014】
この発明の実施に好適なシース熱電対は図2に示したような構造のものであるが、通常、市販されているシース熱電対は上掲図1に示すような構造であり、これを適用して図2に示すような構造にするには、図1においてA−A部位で切断するとともに、B−B部位まで素線2を剥き出しにし、素線2を図6に示すように接合してその先端を図7の如くまるめ、この部分を露出させるようにその周りに絶縁処理を施せばよい。なお、近年においては図8に示すような素線2が露出したシース熱電対が市販されていて、このようなものを使用する場合、図6、図7に示すような工程が省略できる利点がある。
【0015】
上記の要領に従ってシース熱電対を取り付ける場合、シース熱電対1を挿入孔7に沿わせて押し込んで通電するだけでシース熱電対1の先端部を測温すべき箇所に確実に固着できるので、その取り付けを簡便にしかも確実に行い得る。
【0016】
シース熱電対の先端部を金属体の測温部に固着させるための接続条件(溶接条件)としては、直流200V、10〜15Aで2〜3秒間接触通電とする。
【0017】
【実施例】
幅600mm、長さ1500mm、厚さ50mmになる図9に示すようなスラブ(鋼種:中炭素鋼)kをスプレーノズルnにてミスト冷却(冷却開始温度900〜1000℃,冷却速度50〜150℃/S )するに当たってその内部の温度(表面から3mmの位置)を計測すべく、スラブの長手方向に沿い挿入孔9を設け(径:5mm、長さ:750mm)、ここに、図2に示すようなシース熱電対(K− シース,直径3.2mm,長さ10m,先端から3mmまで絶縁処理(無機接着剤)を行った)を挿入し、鉄粉を充てんして楔によるシールを施してから通電(15A)固着し、測温の際の応答遅れについて調査した。その結果を図1に示したような通常のシース熱電対(非接地型)を用い、これを挿入孔に配置し孔と熱電対とのすき間に鉄粉を充てんして楔によりシールを施して同一条件で測温した結果とともに図10に示す。
【0018】
図10に示すように、この発明に従う場合には応答性が良好であり、900℃から350℃までの範囲で測温した場合、比較例である非接地型のものを使用した場合には約16秒程度の応答遅れがあることが確認できた。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば金属体の表面あるいは内部の温度を測定する場合においてもシース熱電対を簡便に確実に取り付けることができる。また、測温に際しての応答遅れがないので精度の高い測定が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来使用されているシース熱電対の要部の構成を示した図である。
【図2】この発明の実施に使用して好適なシース熱電対の構成を示した図である。
【図3】この発明に従うシース熱電対の取付け要領の説明図である。
【図4】この発明に従うシース熱電対の取付け要領の説明図である。
【図5】この発明に従うシース熱電対の取付け要領の説明図である。
【図6】この発明の実施に使用して好適なシース熱電対の加工要領の説明図である。
【図7】この発明の実施に使用して好適なシース熱電対の加工要領の説明図である。
【図8】市販されている先端露出型のシース熱電対の要部の構成を示した図である。
【図9】実施例で使用したスラブとその冷却状態を示した図である。
【図10】この発明に従いシース熱電対を取り付けて測温した場合と非接地型のシース熱電対を取り付けて測温した場合における温度の経過時間の状況を示した図である。
【符号の説明】
1 シース熱電対
2 熱電対素線
2a 露出部分
3 絶縁材
4 金属外管
5 絶縁材
6 補償導線
7 溶接器
8 測定計
9 挿入孔
s 素線
e 絶縁材
c シース
k スラブ
d 鉄粉
f シール部材
n ノズル
Claims (2)
- 金属外管を有するシース熱電対を用いて金属体の表面温度もしくは内部温度を測定するに当たり、
先端から熱電対素線を露出させその周りに絶縁処理を施したシース熱電対を用意し、この熱電対の素線末端または素線末端につながる補償導線に溶接機の電極を取付ける一方、溶接機のもう一方の電極を金属体に接続し、熱電対の先端の素線を測温部位に接触させた状態で通電してシース熱電対の先端を測温部に固着することを特徴とする、金属体の温度を測定するシース熱電対の取付け方法。 - 絶縁処理は絶縁耐熱ペーストを塗布するか、絶縁耐熱チューブで覆うか、あるいは絶縁耐熱テープを巻いたものである、請求項1記載の取付け方法。
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