JP3616245B2 - セラミックヒータの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用酸素センサ、グローシステム、半導体加熱用、石油ファンヒータ等に使用されるセラミックヒータの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば酸素センサには、その検出素子の加熱のために、平板状や円筒状のセラミックヒータが使用されている。
例えば円筒状のセラミックヒータは、例えばアルミナからなる円筒状のセラミック基材(セラミック碍管)の表面に、ヒータパターンが形成されたグリーンシートが巻きつけられて、一体焼成されたものである。
【0003】
この種のセラミックヒータは、通常、下記▲1▼〜▲5▼の手順にて製造される(特開平1−225087号公報及び特開平4−329291号公報参照)。
▲1▼まず、ドクターブレード法により、例えばアルミナを主成分とするスラリーを原料として、帯状のグリーンシートを連続して形成する。
【0004】
▲2▼次に、このグリーンシートを所定寸法にカットした後に、グリーンシートの一方の面に、例えばタングステン等の高融点金属を有する金属ペーストを用いて、スクリーン印刷等のペースト印刷法により、ヒータパターンを厚膜印刷する。
▲3▼次に、グリーンシートの他方の面に(リード線が接続される)端子パターンを形成する。
【0005】
▲4▼次に、前記グリーンシートのヒータパターンを覆って、他のグリーンシートを積層するとともに、この積層したグリーンシートを、セラミック基材の表面に積層し、一体焼成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した方法でセラミックヒータを製造する場合には、下記の問題が生じることがあった。
つまり、従来では、ヒータパターンを覆う様に他のグリーンシートを積層するので、端子パターンが外側に露出する構成となっていた。
【0007】
そのため、両パターンが印刷されたグリーンシートを他のグリーンシートと圧着する時、或はその圧着したグリーンシートを切断する時、更には、切断されたグリーンシートをセラミック基材と一体成形する時などに、端子パターンが治具等に触れて、端子パターンに欠陥が生じることがあった。
【0008】
また、その治具が、次に作製するグリーンシートやパターンに触れて、グリーンシートやパターンが汚れて、不良品が発生することがあった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、パターンの欠陥の発生を防止できるとともに、他のグリーンシートやパターンの汚れの発生を防止できるセラミックヒータの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)前記目的を達成するための請求項1の発明は、グリーンシート上に導電パターンを印刷し、その後焼成するセラミックヒータの製造方法において、前記導電パターンを印刷した後に、前記導電パターンの表面を、可燃性物質を主成分とし前記焼成により消失する材料で覆い、その後前記焼成を行うことを特徴とするセラミックヒータの製造方法を要旨とする。
【0010】
本発明では、グリーンシート上に導電パターンを印刷した後に、導電パターンの表面を、可燃性物質を主成分とし焼成により消失する材料で覆っている。従って、その後の工程にて、各種の装置や道具(以下治具等と記す)が導電パターンの形成位置に接触したとしても、治具等には可燃性物質等が接触するだけであり、導電パターンは直接には治具等に触れることはない。そのため、導電パターンに欠陥が生じることはない。
【0011】
また、治具等は導電パターンに付着により汚れることがないので、従来の様に、治具等に付着した導電パターンが、他のグリーンシートや他の導電パターンに付着し、その結果、他のグリーンシートや導電パターンが汚れて不良品となることを防止できる。
【0012】
また、導電パターンを覆う材料は、可燃性物質を主成分とする材料であるので、焼成後には燃えて消失してしまい、例えばリード線の接続等に邪魔になることはない。
(2)請求項2の発明は、導電パターンが、ヒータパターン及び/又はヒータパターンと電気的に接続される端子パターンであることを特徴とする請求項1に記載のセラミックヒータの製造方法を要旨とする。
【0013】
本発明は、導電パターンを例示したものであり、導電パターンとしては、ヒータパターンや端子パターンが挙げられる。
このヒータパターンとしては、主として発熱を行う(例えば蛇行する)発熱パターンと、発熱パターンから伸びて発熱パターンに通電するためのリードパターンと、リードパターンの端部に形成されて端子パターンに接続される端部パターンとからなるものが挙げられる。尚、焼成後には、後述する様に、ヒータパターンはヒータ部となり、発熱パターンはヒータ発熱部となり、リードパターンはヒータリード部となり、端部パターンはヒータ端部となる。また、端子パターンは、焼成後に端子部となる。
【0014】
(3)請求項3の発明は、グリーンシートの一方の面にヒータパターンを形成し、グリーンシートの他方の面に端子パターンを形成することを特徴とする請求項2に記載のセラミックヒータの製造方法を要旨とする。
本発明は、各パターンの形成位置を例示したものであり、グリーンシートの両側に各々のパターンが形成されている。
【0015】
つまり、通常、グリーンシート上のヒータパターンは、他のグリーンシートに積層されて覆われるので、端子パターンが外側に露出することになる。従って、この端子パターンを可燃性物質を主成分とする材料で覆うことにより、前記請求項1に示した様に、端子パターンが治具等の直接触れないという利点がある。
【0016】
(4)請求項4の発明は、可燃性物質を主成分とする材料が、可燃性樹脂を主成分とするペースト状の材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックヒータの製造方法を要旨とする。
本発明は、可燃性物質を主成分とする材料を例示したものであり、その材料として、可燃性樹脂を主成分とするペースト状の材料を使用することにより、例えばスクリーン印刷等のペースト印刷により、端子パターン等の導電パターンの表面を、容易に覆うことができる。
【0017】
尚、可燃性樹脂としては、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等を採用できる。
(5)請求項5の発明は、可燃性物質の構成成分中に、可燃性粒子を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックヒータの製造方法を要旨とする。
【0018】
本発明では、導電パターンを覆う材料として、例えばペースト状の可燃性樹脂だけでなく、更に可燃性粒子を含んでいる。そのため、導電パターンを覆う材料からなる層(以下保護コートとも記す)の表面は、可燃性粒子により、平坦でなく、多少凹凸がある。
【0019】
つまり、可燃性粒子が、保護コート中に適度に分散していることにより、保護コートの表面に適度が凹凸があるので、例えばグリーンシートの圧着を行なう際や、切断、セラミックス基材への一体成形の際などに、保護コートが治具等に付着しにくくなる。
【0020】
また、通常、グリーンシートを積層した後に切断し、その切断した積層体を吸引により吸着して作業トレイ上に移送する作業が行われるが、この際にも、保護コートには可燃性粒子による適度な凹凸があることにより、吸着後の分離を好適に行なうことができる。つまり、吸引を停止すれば、積層体は確実に吸引治具より分離して、作業トレイ上に残置される。
【0021】
(6)請求項6の発明は、可燃性物質中に、可燃性粒子を10〜60重量%含むことを特徴とする請求項5に記載のセラミックヒータの製造方法を要旨とする。
つまり、可燃性粒子が10〜60重量%の範囲であれば、適度な凹凸が実現されるので、保護コートの治具等への付着の防止や、吸引後の分離を確実に行なうことができる。
【0022】
尚、前記グリーンシートとしては、アルミナ(Al2O3)を主成分とする材料からなるものが挙げられる。
前記導電パターンの材料として、高融点材料である、白金(Pt)、白金−ロジウム(Rh)、モリブデン(Mn)、タングステン(W)等が挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミックヒータの製造方法の例(実施例)を説明する。
(実施例)
(1)まず、本実施例の方法によって製造されるセラミックヒータの構造について説明する。
【0024】
図1に示す様に、本実施例のセラミックヒータ1は、丸棒状であり、円筒状のセラミック基材(アルミナ碍管)2の周囲に、アルミナを主成分とする第1セラミック層3及び第2セラミック層4が積層されており、この第1セラミック層3及び第2セラミック層4の間に、タングステンを主成分とするヒータ部5が配置されている。
【0025】
このヒータ部5は、図2に分解して示す様に、セラミックヒータ1の先端側で何度も蛇行するヒータ発熱部6と、セラミックヒータ1の後端側に配置されて電源側と接続される陽極側のヒータ端部7a及び陰極側のヒータ端部7bと、ヒータ発熱部6及び各ヒータ端部7a,7bを接続する一対のヒータリード部8a,8bとから構成されている。
【0026】
また、第1セラミック層3には、各ヒータリード部8a,8bと対応して、導通部9a,9bが形成されている。この導通部9a,9bとは、第1セラミック層3のスルーホールの内表面に導電層が形成されたものである。
更に、第1セラミック層3のヒータ部5と反対側(図の上方)には、各導通部9a,9bと接続するように、陽極側の端子部10a及び陰極側の端子部10bが形成されている。
【0027】
つまり、第1セラミック層3の反対側の面に設けられたヒータ部5の各ヒータ端部7a,7bと各端子部10a,10bとは、各導通部9a,9bにより各々電気的に接続されている。
(2)次に、セラミックヒータ1の製造方法について説明する。
【0028】
尚、前記第1セラミック層3、第2セラミック層4、ヒータ部5、ヒータ発熱部6、陽極側のヒータ端部7a、陰極側のヒータ端部7b、ヒータリード部8a,8b、陽極側の端子部10a、陰極側の端子部10bは、各々、第1グリーンシート13、第2グリーンシート14、ヒータパターン15、発熱パターン16、陽極側の端部パターン17a、陰極側の端部パターン17b、リードパターン18a,18b、陽極側の端子パターン20a、陰極側の端子パターン20bが焼成されて形成されたものであるので、以下の説明では前記図2、図3及び図4を用いて説明する。
【0029】
a)グリーンシートの作製
まず、Al2O3粉末(純度99.9%、平均粒径1.8μm)と、焼結助剤であるSiO2粉末(純度99.9%、平均粒径1.4μm)と、CaOとなるCaCO3粉末(純度99.9%、平均粒径3.2μm)と、MgOとなるMgCO3粉末(純度99.9%、平均粒径3.2μm)と、必要に応じて添加されるY2O3等の微量粉末とを、所定割合(例えばAl2O3粉末90重量部、SiO2粉末5重量部、CaCO3粉末3重量部、MgCO3粉末2重量部)で配合して、配合物を調製した。
【0030】
そして、この配合物100重量部に対し、ポリブチルビニラール8重量部、ジブチルフタレート4重量部、メチルエチルケトン及びトルエン70重量部を添加し、ボールミルで混合してスラリー状とした。
その後、減圧脱泡して、ドクターブレード法により、厚さ0.3mmの第1グリーンシート13と、厚さ0.20mmの第2グリーンシート14を作製した。
【0031】
b)タングステンペーストの作製
W粉末(平均粒径1.5μm)、また必要に応じてAl2O3粉末(平均粒径1.5μm)、及びRe粉末(平均粒径1.5μm)を、所定の割合(例えばW粉末90重量部、Al2O3粉末10重量部)で配合された配合物100に対して、ポリビニルブチラール5重量部、ブチルカルビドールアセテート20重量部、アセトン70重量部を添加し、ボールミルで混合し、スラリー状とした。その後。アセトンを乾燥して除去しタングステンペーストを得た。
【0032】
c)保護コートペーストの作製
可燃性物質として、可燃性樹脂のエチルセルロースと可燃性粒子の馬鈴薯デンプンとを、可燃性粒子が可燃性物質の10〜60重量%の範囲内で使用した。そして、可燃性物質とエチルセルロースの溶媒(例えばプチルカルビドール)とを、1;1の割合(重量比)で配合し、温度50℃で混合して、ペースト状とし、保護コートペーストを得た。
【0033】
前記可燃性粒子の粒径は、保護コート22a,22bの形成時に、適度な凹凸ができればよい。例えば今回用いた馬鈴薯デンプンの粒径は、、90%粒径が65μm、50%粒径が35μm、10%粒径が15μmである。
d)グリーンシートの切断
ドクターブレード法により形成された第1グリーンシート13を、図3(a)に示す様に、一度に複数のヒータパターン15を形成できる大きさの略正方形状に、例えばプレスにより切断した。尚、この切断の際に、同時に、導通部9a,9bとなるスルーホール21a,21bを打ち抜いて開けておく。
【0034】
e)発熱パターンの印刷
図3(b)に示す様に、第1グリーンシート13の一方の面13a(図2では下面側)に、前記b)にて作製されたタングステンペーストを用いて、ペースト印刷を行った。それにより、発熱パターン16、リードパターン18a,18b、及び端部パターン17a,17bからなる厚さ25μmのヒータパターン15を形成した。
【0035】
即ち、第1グリーンシート13の一方の面13aを上にして、その面13a上にヒータパターン15を形成した。具体的には、ヒータパターン15の形状に透孔が設けられた金属製のマスク(図示せず)を使用して、厚膜印刷(スクリーン印刷)し、その後乾燥した。
【0036】
f)端子パターンの印刷
図3(c)に示す様に、第1グリーンシート13を裏返し、その他方の面13b(図2では上方側)の所定位置、即ちスルーホール21a,21bに対応する位置に、前記と同様のタングステンペーストを使用してスクリーン印刷を行い、陽極側の端子パターン20a及び陰極側の端子パターン20bを厚膜印刷した。
【0037】
g)保護コートの印刷
図3(d)に示す様に、前記c)にて作製された保護コートペーストを用いて、両端子パターン20a,20bの上から、両端子パターン20a,20bを覆う様にペースト印刷した。
【0038】
これにより、図4に一部を示す様に、両端子パターン20a,20b上に、該両端子パターン20a,20bの周囲をも覆う様に、両端子パターン20a,20bよりも大きな径の保護コート22a,22bが形成される。
h)グリーンシートの積層
図3(e)に示す様に、この第1グリーンシート13のヒータパターン15が印刷された一方の面13a側に、ヒータパターン15を覆うように、第2グリーンシート14を積層して圧着した。尚、圧着は、第2グリーンシート14上に第1グリーンシート13を載置し、積層する様にして行なった。
【0039】
i)積層体の切断
図3(f)に示す様に、第2グリーンシート14及び第1グリーンシート13からなる積層体23を、個々のヒータパターン15等を分離する様に切断した。
そして、この切断された積層体23は、図示しないが、吸引治具を用いて吸着され、次の作業のために作業トレイ上に移動され、その後吸引を停止され、吸引治具から分離されて作業トレイ上に載置される。
【0040】
j)セラミックヒータ成形体の作製
次いで、積層体23において第2グリーンシート14の積層側とは反対の表面(図2の下面側)に、アルミナペ−スト(共素地)を塗布し、この塗布面をアルミナ製碍管2に向けて、積層体23をアルミナ碍管2に巻き付け、外周を押圧して、セラミックヒータ成形体を得た。
【0041】
k)セラミックヒータ成形体の焼成
上記の様にして得られたセラミックヒータ成形体を、250℃で樹脂抜きし、その後、水素炉中で、1550℃で1時間30分間保持して焼成し、第1及び第2セラミック層3,4、ヒータ部5、両端子部20a,20b、アルミナ碍管2が一体化した、前記図1に示すセラミックヒータ1を得た。
【0042】
この様に、本実施例のセラミックヒータ1の製造方法では、端子パターン20a,20bを覆う様に、保護コート22a,22bを形成するので、治具等に端子パターン20a,20bが直接に接触しない。そのため、端子パターン20a,20bに欠陥が生じることを防止できる。
【0043】
また、治具等の表面に端子パターン20a,20bを構成する金属ペーストが付着しないので、治具等が汚れることがない。それにより、治具等の表面に付着した金属ペーストが、従来の様に、他のグリーンシート等に付着しないので、他のグリーンシート等が汚れることがない。よって、不良品の発生を抑制できる。
【0044】
また、本実施例では、保護コート22a,22b中に、可燃性粒子が含まれているので、前記圧着を行なう際や、切断、セラミックス基材への一体成形の際などに、保護コート22a,22bが治具等に付着しにくくなる。よって、作業中における保護コート22a,22bの剥離等を防止できる。更に、積層体23を吸引して移動させる際に、吸引治具から容易に分離できるという利点がある。
【0045】
その上、本実施例では、保護コート22a,22bは可燃性であるため、焼成の工程で全て燃えてしまい、焼成されたセラミックヒータ1には、悪影響を及ぼさない。
(実験例)
次に、本実施例の効果を確認するために行った実験例について説明する。
【0046】
まず、上述した実施例の製造方法(但し比較例は保護コートなし)にて、セラミックヒータを作製する際に、下記表1に示す様に、保護コートの有無及び可燃性粒子の可燃性物質に対する割合を変更し、各試料No.1〜6毎に、各々100本づつのセラミックヒータを作製した。
【0047】
そして、各試料毎に、汚れ不良、治具吸着不良、保護コート剥がれ不良を調べた。
・汚れ不良は、端子パターン以外に何等かの汚れ(金属ペーストの付着)が発生したセラミックヒータの本数を計数し、その割合で示した。
【0048】
・治具吸着不良は、分離した積層体を吸引して移動させ、その後吸引を停止して離す際に、スムーズに離れずに、配置場所からずれたりした本数を計数し、その割合で示した。
・保護コート剥がれ不良は、形成した保護コートが、作業工程にて、めくれたり剥離した本数を計数し、その割合で示した。
【0049】
【表1】
【0050】
この表1から明かなように、本発明の範囲の実施例の製造方法の場合(試料No.1〜5)は、端子パターンを覆う様に保護コートを設けるので、汚れ不良が5%以下と少なく好適である。
特に、可燃性粒子の割合が10〜60重量%の範囲の場合(試料No.2〜4)は、治具吸着不良が10%以下と少なく、しかも、保護コート剥がれ不良が5%以下と少なく、一層好適である。
【0051】
それに対して、比較例の場合(試料No.6)は、保護コートがないので、汚れ不良が30%と多く好ましくない。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0052】
(1)例えば、前記実施例では、セラミックヒータの形状として、円筒状のものを形成したが、板状のセラミックヒータとしてもよい。
(2)また、セラミック基材としては、両端に通じる孔の開いた筒状(例えば円筒状)のもの、一端が閉塞された筒状(例えば円筒状)のもの、あるいは孔の開いていない柱状(例えば円柱状)のもの等を採用できる。
【0053】
(3)前記実施例では、端子パターンを保護コートで覆ったが、ヒータパターン等の他のパターンを保護コートで覆ってもよい。特に、パターンが露出する場合には、保護コートで覆う効果が大きい。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述した様に、本発明では、グリーンシート上に導電パターンを印刷した後に、導電パターンの表面を、可燃性物質を主成分とし焼成により消失する材料で覆っている。従って、その後の工程にて、治具等が導電パターンの形成位置に接触したとしても、導電パターンに欠陥が生じない。
【0055】
また、治具等は導電パターンに付着により汚れることがないので、従来の様に、治具等に付着した導電パターンが、他のグリーンシートや他の導電パターンに付着し、その結果、他のグリーンシートや導電パターンが汚れて不良品となることを防止できる。
【0056】
特に、可燃性物質を主成分とする材料中に、可燃性粒子が含まれている場合には、例えばグリーンシートの圧着を行なう際や、切断、セラミックス基材への一体成形の際などに、保護コートが治具等に付着しにくくなる。また、例えばグリーンシートを吸引して移動する場合には、移動後にグリーンシートを確実に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックヒータの一部を破断して示す斜視図である。
【図2】セラミックヒータを分解して示す斜視図である。
【図3】セラミックヒータの製造方法を示す説明図である。
【図4】保護コートの形成位置を示す説明図である。
【符号の説明】
1…セラミックヒータ
3…第1セラミック層
4…第2セラミック層
5…ヒータ部
6…発熱部
10a,10b…端子部
13…第1グリーンシート
14…第2グリーンシート
15…ヒータパターン
16…発熱パターン
20a,20b…端子パターン
22a,22b…保護コート
23…積層体
Claims (6)
- グリーンシート上に導電パターンを印刷し、その後焼成するセラミックヒータの製造方法において、
前記導電パターンを印刷した後に、前記導電パターンの表面を、可燃性物質を主成分とし前記焼成により消失する材料で覆い、その後前記焼成を行うことを特徴とするセラミックヒータの製造方法。 - 前記導電パターンが、ヒータパターン及び/又は該ヒータパターンと電気的に接続される端子パターンであることを特徴とする前記請求項1に記載のセラミックヒータの製造方法。
- 前記グリーンシートの一方の面に前記ヒータパターンを形成し、前記グリーンシートの他方の面に前記端子パターンを形成することを特徴とする前記請求項2に記載のセラミックヒータの製造方法。
- 前記可燃性物質を主成分とする材料が、可燃性樹脂を主成分とするペースト状の材料であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックヒータの製造方法。
- 前記可燃性物質の構成成分中に、可燃性粒子を含むことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックヒータの製造方法。
- 前記可燃性物質中に、前記可燃性粒子を10〜60重量%含むことを特徴とする前記請求項5に記載のセラミックヒータの製造方法。
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