JP3613818B2 - トリコポリン誘導体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は医薬として有用な新規なトリコポリン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
アレルギー、自己免疫疾患、臓器移植での拒絶反応などの過剰な免疫応答を制御するために、免疫抑制剤が開発されている。特にシクロスポリンAは各種臓器移植時の生着反応を促す効果を有し、臨床分野において繁用されている。また近年、免疫抑制剤は関節リウマチの治療薬としても期待されている。
【0003】
エクスぺリメンチア(Experimentia)第34巻、237頁(1978年)には、不完全菌の一種であるトリコデルマ・ポリスポラム・ストレインTMI60146(Trichoderma polysporum strain TMI60146)の培養液からポリペプチド系抗生物質であるトリコポリンAおよびBが単離精製されることが記載されている。また、特公昭59−23283号公報には、このトリコポリンBを有効成分とする農園芸用殺菌剤が開示されている。第22回天然有機化合物討論会講演要旨集424〜431頁および化学と生物第19巻、第8号、500〜502頁には、トリコポリンAおよびBが、しいたけに対する成長阻害作用を有することが示唆されている。これらトリコポリン類に関するその後の研究により、トリコポリンAまたはBは下記に示すトリコポリンIとIIとの混合物(約9:1)であることが判明した(ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ・ケミカル・コミュニケーション(Journal of Chemical Society, Chemical Communication 、1981年、585頁)。
【0004】
【化3】
Figure 0003613818
【0005】
(式中、ProはL−プロリン残基を、AlaはL−アラニン残基を、Aibはα−アミノイソ酪酸残基を、IleはL−イソロイシン残基を示す。なお、トリコポリンIIはトリコポリンIのIleの代わりにVal(L−バリン)が置換した化合物である。)
しかしながら、トリコポリンIまたはトリコポリンIIが臓器等の移植時に発生する拒絶反応の抑制作用や、自己免疫疾患の予防もしくは治療効果等、免疫抑制作用を有することは知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等はトリコポリンがシクロスポリン受容体親和性部分に類似していることに鑑み、すぐれた免疫抑制作用を有し、かつ安全性の高い薬剤を開発すべく鋭意検討した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)一般式
【0008】
【化4】
Figure 0003613818
【0009】
(式中、Qは水素、アルカノイル、L−イソロイシル、N−アルカノイル−L−イソロイシル、L−バリル、N−アルカノイル−L−バリルを、AlaはL−アラニン残基を、Aibはα−アミノイソ酪酸残基を示す。)により表されるトリコポリン誘導体またはその製薬上許容しうる酸付加塩、(2)一般式(I)の化合物を含有してなる医薬組成物、および(3)トリコポリンI、トリコポリンIIまたは一般式(I)の化合物を含有してなる免疫抑制剤に関する。
【0010】
一般式(I)において、アルカノイルとは炭素数2〜20個の直鎖または分枝鎖状のアルカノイルを示し、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデカノイル、イコサノイルどがあげられ、特にデカノイルが好ましい。
【0011】
N−アルカノイル−L−イソロイシルにおけるアルカノイルとは、前記の炭素数2〜20個の直鎖または分枝鎖状のアルカノイルに加え、α−アミノイソブチリル(H−Aib)、N−(α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル(H−Aib−Aib)、N−(N−(L−アラニル)−α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル(H−Ala−Aib−Aib)、N−(N−(L−イソロイシル−L−アラニル)−α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル(H−Ile−Ala−Aib−Aib)またはN−(N−(L−プロリル−L−イソロイシル−L−アラニル)−α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル(H−Pro−Ile−Ala−Aib−Aib)などがあげられ、これらはアミノ末端がアルカノイル(前記と同様)により置換していてもよい。これらのうち、好ましくは、
【0012】
【化5】
Figure 0003613818
【0013】
である。
N−アルカノイル−L−バリルにおけるアルカノイルとは、N−アルカノイル−L−イソロイシルにおけるアルカノイルと同様であり、特にN−(N−(L−アラニル)−α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル(H−Ala−Aib−Aib)が好ましい。
【0014】
本発明の一般式(I)の化合物には不斉炭素を有するため、それに基づくラセミ体、ジアステレオマーおよび個々の光学異性体が存在するが、一般にアミノ酸部分も含め光学性体が好ましい。
本発明化合物の製薬上許容しうる塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩等の無機酸との塩、または酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等の有機酸との塩があげられる。また、本発明化合物は水和物、溶媒和物等も包含される。
【0015】
本発明の一般式(I)の化合物は、以下の方法により製造される。
方法1:Qが水素およびアルカノイルである化合物は以下の方法により製造される。
【0016】
【化6】
Figure 0003613818
【0017】
(式中、Zはベンジルオキシカルボニルを、RCOは炭素数2〜20個の直鎖または分枝鎖状のアルカノイル(前記と同義)を示し、他の記号は前記と同義であ。)
方法2:QがL−イソロイシルおよびN−アルカノイル−L−イソロイシルである化合物は、以下の方法により製造される。
【0018】
【化7】
Figure 0003613818
【0019】
(式中、各記号は前記と同義である。)
方法3:QがN−(α−アミノイソブチリル)−L−イソロイシルおよびそのN−アルカノイル体である化合物は、以下の方法により製造される。
【0020】
【化8】
Figure 0003613818
【0021】
(式中、Qはベンジルオキシカルボニルまたはアルカノイルを示し、Qは水素またはアルカノイルを示す。)
方法4:QがN−(N−(α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル)−L−イソロイシルおよびそのN−アルカノイル体である化合物は、以下の方法により製造される。
【0022】
【化9】
Figure 0003613818
【0023】
(式中、各記号は前記と同義である。)
方法5:QがL−アラニル−N−(N−(α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル)−L−イソロイシルおよびそのN−アルカノイル体である化合物は、以下の方法により製造される。
【0024】
【化10】
Figure 0003613818
【0025】
(式中、各記号は前記と同義である。)
方法6:QがL−イソロイシル−L−アラニル−N−(N−(α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル)−L−イソロイシルおびそのN−アルカノイル体は、以下の方法により製造される。
【0026】
【化11】
Figure 0003613818
【0027】
(式中、各記号は前記と同義である。)
本方法は、カルボキシ末端が遊離基である化合物はA法で行うのが好ましく、同末端がアルカノイル化されている化合物はB法で行うのが好ましい。
方法7:QがL−プロリル−L−イソロイシル−L−アラニル−N−(N−(α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル)−L−イソロイシルおよびそのN−アルカノイル体は、以下の方法により製造される。
【0028】
【化12】
Figure 0003613818
【0029】
(式中、各記号は前記と同義である。)
本方法はカルボキシ末端が遊離基である化合物はA法で行うのが好ましく、同末端がアルカノイル化されている化合物はB法で行うのが好ましい。
方法8:QがL−バリルである化合物は、以下の方法により製造される。
【0030】
【化13】
Figure 0003613818
【0031】
(式中、各記号は前記と同義である。)
方法9:QがL−アラニル−N−(N−(α−アミノイソブチリル)−α−アミノイソブチリル)−L−バリルである化合物は、以下の方法により製造される。
【0032】
【化14】
Figure 0003613818
【0033】
(式中、各記号は前記と同義である。)
方法10:化合物(10)は、以下の方法により製造することもできる。
【0034】
【化15】
Figure 0003613818
【0035】
(式中、各記号は前記と同義である。)
方法11:化合物(13)は、以下の方法により製造される。
【0036】
【化16】
Figure 0003613818
【0037】
(式中、各記号は前記と同義である。)
さらに、必要に応じて化合物(13)を化合物(7)と縮合させることができる。
方法12:化合物(22)は、以下の方法により製造される。
【0038】
【化17】
Figure 0003613818
【0039】
(式中、Bzlはベンジルを示し、他の記号は前記と同義である。)
上記、方法1〜12の各工程において、縮合反応およびアシル化反応は、適当な溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、トルエンあるいはそれらの混合溶媒など、好ましくはテトラヒドロフラン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、トルエン−テトラヒドロフラン混合溶媒)中、アミン(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなど、好ましくはトリエチルアミン)および必要により添加剤(N−ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)など、好ましくはHOBt)の存在下、縮合剤(ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(WSCI・HCl)、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩(BOP)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)など、好ましくはDCC、EEDQ)を用いて反応させることにより進行する。特にEEDQを単独で用いるか、またはHOBtの存在下でDCCを用いて行うことが好ましい。反応温度は通常−20〜70℃であり、反応時間は通常30分〜5日間である。
【0040】
各工程において、脱保護が行われる場合、(i)カルボキシ末端の脱保護は、適当な溶媒(メタノール、エタノール、アセトン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドあるいはこれらの混合溶媒など、好ましくはメタノール、メタノール−ジオキサン混合溶媒)中、アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、好ましくは水酸化ナトリウム)水溶液を用いてけん化することにより進行する。反応温度は通常−20℃〜70℃であり、反応時間は通常3〜12時間である。(ii)アミノ末端の脱保護は、適当な溶媒(メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミドなど、好ましくはメタノール)中、必要により塩酸の存在下、水素雰囲気下でパラジウム炭素などの触媒を用いて接触還元することにより進行する。
【0041】
【作用および発明の効果】
本発明のトリコポリン誘導体またはその酸付加塩はすぐれた免疫抑制作用を示し、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、マウス、ラット等の哺乳動物に対して、たとえば臓器や骨髄移植の際の拒絶反応の抑制剤や、関節リウマチ、アトピー性湿疹(アトピー性皮膚炎)、ベーチェット病、ブドウ膜炎、全身性エリテマトーデス、シューブレン病、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、内分泌性眼障害、原発性胆汁性肝硬変、クローン病、糸球体腎炎、サルコイドーシス、乾癬、天疱瘡、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、アレルギー、結節性多発動脈炎、進行性全身性硬化症、混合性結合組織病、大動脈炎症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、ウェゲナー肉芽腫、潰瘍性大腸炎、活動性慢性肝炎、自己免疫性溶血性貧血、エヴァンス症候群、気管支喘息、花粉症等の自己免疫疾患等における予防または治療剤として、あるいは医学、薬学における試薬として用いることができる。また、保護基により保護された化合物は、これらすぐれた薬理作用等を有する化合物の合成中間体として有用である。
【0042】
これらの化合物類を医薬として用いる場合、通常その有効成分量を担体、賦形剤、希釈剤等と混合して散剤、カプセル剤、錠剤、注射剤等に製剤化して患者に投与することができる。また、それ自体既知手段にて凍結乾燥製剤としてもよい。
これらの化合物類の投与量は疾患、症状、体重、性別、年齢等によって変わりうるが、たとえば腎移植における拒絶反応の抑制には、通常成人1日当り0.1〜10mg(力価)を1日1〜数回に分けて投与される。
【0043】
また、本発明の化合物は、シクロスポリン、アザチオプリン、ステロイド剤、FK−506(EP−A184162公報)等の免疫抑制剤と併用することができる。
以下に実験例を挙げて、本発明の作用・効果をさらに詳細に説明する。
免疫抑制活性測定法としては、マウス、ラットあるいはヒトのリンパ球を用いた種々の免疫反応を用いることができるが、たとえば免疫抑制活性は、マウス、ラット、ヒトの同種リンパ球混合反応(同種MLR)を用いることにより感度よく測定できる。
【0044】
同種MLRとは、同種でしかも主要組織適合性抗原が異なる2個体由来のリンパ球、たとえば脾細胞、リンパ節細胞、末梢血リンパ球等を混合培養することによって誘導されるリンパ球の幼若化反応である。また、同種MLRは、リンパ球の供与者間の主要組織適合性抗原の違いを反映し誘導される現象であり、たとえば一卵性双生児のリンパ球の混合培養によるリンパ球の幼若化現象は認められない。そこで同種MLRは、たとえば臓器移植における供与者−受容者の選択に広く用いられている方法である。
【0045】
通常、同種MLRを行う場合には、一方のリンパ球をX線照射あるいはマイトマイシンC処理等を行うことによって、分裂増殖を阻止した状態で刺激細胞として用い、他方のリンパ球(反応細胞)の幼若化反応を測定する方法(one way−MLR)を用いることができる。
さらに免疫抑制活性は、同種MLRの際に誘導される主要組織適合性抗原拘束性を有する細胞障害性T細胞の誘導を抑制する活性としても測定することができる。
【0046】
また、免疫抑制活性は、同種MLRの他に、種々のマイトージェン(コンカナバリンA、フィトヘムアグルチニン、ポークウィードマイトージェン等)の刺激により誘導されるリンパ球の幼若化反応を抑制する活性、またはT細胞、B細胞等のリンパ球の分裂増殖を増強もしくは分化を促進する活性を有するようなサイトカイン(インターロイキン1、2、3、4、5、6等)により誘導されるリンパ球の分裂増殖反応、または機能の発現を抑制する活性としても評価することができる。さらに、これらサイトカインのT細胞、マクロファージ等からの産生を抑制する活性としても評価することが可能である。
【0047】
さらに、化合物をマウス等に腹腔内、経口、静脈内、皮内、皮下または筋肉内投与をすることによって、たとえば同種細胞等で予め免疫されたマウスの脾細胞中に誘導される同種細胞特異的細胞障害性T細胞の誘導を抑制する活性、ならびに同種細胞等で免疫したマウスの血清中に産生される同種細胞特異抗体の産生を抑制する活性、または同種マウスのラット、イヌなどの臓器移植の際の拒絶反応、あるいは移植片対宿主反応、あるいは遅延型アレルギー、アジュバント関節炎等を抑制する活性としても評価することができる。
【0048】
また、自己免疫疾患のモデル動物であるMRL/lprマウス、NZB/WFマウス、BXSBマウス、NODマウス等に化合物を投与することによる、たとえば抗DNA抗体の産生、リウマチ因子の産生、腎炎、リンパ球の増殖異常、尿タンパク等の抑制活性あるいは延命効果としても評価することができる。
実験例1(マウス同種リンパ球混合反応に対する抑制作用)
マウス同種リンパ球混合反応(以下、マウス同種MLRと称する)は、反応細胞としてBALB/cマウスの脾細胞を、刺激細胞としてC57BL/6マウスの脾細胞をマイトマイシンC処理したものを用い、両者を等比で混合培養することによって行った。
【0049】
反応細胞の調製法としては、以下の方法で行う。5〜6週齢の雄性BALB/cマウスより脾臓を摘出し、牛胎児血清(以下、FBSと称する)を5%添加したRPMI1640培地(硫酸カナマイシン60μg/ml、ペニシリンGカリウム100単位/ml、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホネート10mM、0.1%炭酸水素ナトリウム、L−グルタミン2mM含有)を用いて、脾細胞の単細胞浮遊液を得た。遠心後、赤血球除去用トリス緩衝液(0.83%塩化アンモニウム9容とトリス塩酸緩衝液(0.17M、pH7.65)1容を混合したもの)にて溶血処理を行い3回洗浄後、10−4M 2−メルカプトエタノールおよび20%FBSを含むRPMI1640培地を用いて、10個/mlに調製し、反応細胞浮遊液として用いた。
【0050】
刺激細胞は以下の方法で調製した。5〜6週齢の雄性C57BL/6マウスより脾臓を摘出し、RPMI1640培地を用いて脾細胞の単細胞浮遊液を得た。遠心後、赤血球除去用トリス緩衝液にて溶血処理を行い2回洗浄後、40μg/mlマイトマイシンCで37℃、30分間の処理を行った。3回洗浄後、10−4M 2−メルカプトエタノールおよび20%FBSを含むRPMI1640培地を用いて、10個/mlに調製し、刺激細胞浮遊液として用いた。
【0051】
上述した方法により調製した反応細胞浮遊液50μlと刺激細胞浮遊液50μlおよび10%FBSを含むRPMI1640培地を用いて調製した検体100μlとを、96穴平底マイクロテストプレートに加え、37℃で5%炭酸ガスの条件下で3〜4日間培養した後、5mg/mlの3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)溶液20μlを加えて4時間インキュベートした。その後、上清100μlを除き、10%ドデシル硫酸ナトリウムを含む0.01N塩酸溶液100μlを加えて12時間以上インキュベートした後、マイクロプレート吸光光度計を用いて550〜660nmにおける吸光度を測定し、同種MLRの指標とした。
【0052】
同種MLRの抑制は、以下の式により抑制率で算出した。
【0053】
【数1】
Figure 0003613818
【0054】
上記計算式により求めた抑制率を第1表にまとめた。
【0055】
【表1】
Figure 0003613818
【0056】
これら化合物はメタノールに溶解後、RPMI培地で希釈して用いた。メタノールの最終濃度は0.5%以下で、実験に用いた細胞への影響は認められなかった。
【0057】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明の調製例を具体的に説明する。なお、実施例に用いられる記号は以下の通りである。
Tdol:1−メチル−2−(N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ)エチルアミノ
EEDQ:2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Z:ベンジルオキシカルボニル
Bzl:ベンジル
実施例1 Z−Ala−Aib−OCHの合成
Z−Ala 29gとAib−OCH・塩酸塩20gをクロロホルム300mlに溶解し、氷冷下、攪拌しながらEEDQ 32.2gを加え、さらに10分後、トリエチルアミン18.2mlを滴下した。2時間後、室温にもどし3日間攪拌した。反応液を減圧濃縮し得られた残渣を酢酸エチルに溶解した後、濾過した。濾液を10%クエン酸、水、2%炭酸水素ナトリウム、水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより標記化合物34.9gを油状物質として得た。
〔α〕 28=−29.1°(c=1.17、クロロホルム)
H−NMR(CDCl,100MHz)δppm:7.33(5H,s),6.84(1H,br),5.56(1H,brd,J=8Hz),5.08(2H,s),4.44(1H,quint,J=7Hz),3.68(3H,s),1.51(6H,s),1.36(3H,d,J=8Hz)
実施例2 Z−Ala−Aib−OHの合成
Z−Ala−Aib−OCH 18.5gをメタノール−ジオキサン(2:1)150mlに溶解し、氷冷下、攪拌しながら1N水酸化ナトリウム63mlを滴下した後、さらに室温で6時間攪拌した。反応液を1N塩酸で中和し減圧下に溶媒を留去し、残渣に1N水酸化ナトリウム6ml、水60mlを加え酢酸エチル100mlで抽出した。水層を10%クエン酸で酸性とし、酢酸エチル(100ml×3)で抽出し、飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮して得られた結晶をエーテル−酢酸エチルで再結晶することにより標記化合物10.5gを得た。融点170〜172℃
〔α〕 25=−26.7°(c=1.05、メタノール)
H−NMR(CDCl,100MHz)δppm:7.33(5H),5.08(2H,s),4.13(1H,q,J=7.2Hz),1.46(6H),1.31(3H,d,J=7.0Hz)
実施例3 Z−Ala−Aib−Aib−OCHの合成
Z−Ala−Aib−Aib−OH 24.7g、Aib−OCH・塩酸塩13.5g、HOBt 10.8gに無水トルエン−無水テトラヒドロフラン(29:6)350mlを加えて懸濁し、氷冷下、攪拌しながらトリエチルアミン8.9g、次いでDCC 18.2gを加え、そのまま攪拌を続け徐々に室温にもどし、さらに3.5日間攪拌した。反応液より析出したジシクロヘキシルウレアを濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル300mlに溶解し、10%クエン酸(100ml×2)、5%炭酸水素ナトリウム(100ml×2)、飽和食塩水(100ml)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮して得られた残渣25.5gを酢酸エチルで再結晶することにより標記化合物を9.1gを結晶として得た。また、母液はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=40:1)に付し、これを酢酸エチル−ジエチルエーテル(50ml)で再結晶することにより標記化合物8.3gを結晶として得た。融点125〜126℃
〔α〕 26=−7.0°(c=2.27、メタノール)
H−NMR(CDCl,200MHz)δppm:7.35(5H,s),7.03(1H,br),6.54(1H,br),5.36(1H,brd,J=7.0Hz),5.11(2H,s),4.10(1H,quint,J=7Hz),3.71(3H,s),1.51(3H,s),1.50(3H,s),1.37(3H,d,J=7Hz)
実施例4 Z−Ala−Aib−Aib−OHの合成
Z−Ala−Aib−Aib−OCH 12.2gをメタノール90mlに溶解し、氷冷下、攪拌しながら1N水酸化ナトリウム45mlを滴下した。次いで、室温で6時間攪拌した。反応溶液を2N塩酸で中和し減圧下に濃縮した後、残渣に水60ml、1N水酸化ナトリウム7mlを加えて酢酸エチル(50ml×3)で未反応物を抽出除去した。水層を氷冷し、2N塩酸でコンゴーレッド酸性とし、酢酸エチル(80ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して残渣9.38gを得た。これを酢酸エチルで再結晶することにより標記化合物8.1gを得た。融点166〜168℃
〔α〕 27=−11.7°(c=2.30、メタノール)
H−NMR(DMSO−d,200MHz)δppm:8.06(1H,s),7.59(1H,d,J=6Hz),7.35(5H,s),7.27(1H,s),5.04(2H,s),3.98(1H,quint,J=7Hz),1.36−1.30(12H),1.19(3H,d,J=7Hz)
実施例5 Z−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Ala−Aib−Aib−OH 4.58g、Tdol・塩酸塩1.96g、HOBt 3.15gを無水ジメチルホルムアミド590mlに溶解し、氷冷下、攪拌しながらトリエチルアミン1.18g、次いでDCC 2.64gを加え、そのまま5時間氷冷下で攪拌した後、室温で67時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣をクロロホルム150mlに溶解し、析出したジシクロヘキシルウレアを濾過した。濾液を1N塩酸(50ml×3)で抽出し、水層を氷冷下、炭酸カリウム(粉末)でアルカリ性とし、クロロホルム(100ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮しシロップ状の残渣6.4gを得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)に付し、標記化合物5.69gを淡黄色粉末として得た。
〔α〕 25=−32.0°(c=1.15、メタノール)
H−NMR(CDCl,200MHz)δppm:7.67(1H,br),7.28(5H),7.18(1H,d,J=8.8Hz),7.05(1H,br),6.85(1H,d,J=6Hz),5.10(2H,ABq,J=12.6Hz),3.64(2H),2.5−2.8(4H),1.42(3H,d,J=7.4Hz),1.39(12H),1.13(3H,d,J=6.6Hz)
実施例6 H−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩の合成
Z−Ala−Aib−Aib−Tdol 4.67gをメタノール250mlに溶解し、5%パラジウム炭素900mg、1N塩酸18.4mlを加え、3時間接触水素添加した。触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮し、さらにメタノールを加え、濃縮を繰り返し淡黄色シロップ状物質4.76gを得た。これをメタノール−水(1:2)25mlに溶解し、不溶物を濾過した。濾液をイオン交換樹脂(Amberlite IRA−45(Cl)250ml)に付すことにより標記化合物の白色粉末3.99gを得た。
〔α〕 25=+27.8°(c=1.08、メタノール)
H−NMR(CN,200MHz)δppm:10.24(1H,s),8.69(1H,s),8.00(1H,d,J=9.4Hz),5.01(1H,q,J=6.8Hz),4.85(1H,m),4.29(2H),3.5−4.0(4H),3.25(3H,s),2.33(3H,d,J=6.8Hz),1.95,1.90,1.78,1.74(each,3H,s),1.45(3H,d,J=6.8Hz)
実施例7 Z−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Ile 2.25g、H−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩3.78g、HOBt 2.29gを無水ジメチルホルムアミド480mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン1.71g、次いでDCC 1.92gを添加した。氷冷下に3時間攪拌した後、徐々に室温にもどし、さらに18.5時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下に留去し、残渣に酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾過した。濾液を1N硫酸(50ml×3)で抽出した。抽出液を氷冷下、炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10のアルカリ性とした後、クロロホルム(100ml×3)で抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水200mlで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に濃縮して得られた淡黄色シロップ5.6gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)で精製することにより標記化合物の白色粉末3.99gを得た。
〔α〕 26=−36.6°(c=1.31、メタノール)
H−NMR(CDCl,200MHz)δppm:7.85(1H,br),7.27(5H),7.23(1H,d,J=8.4Hz),7.08(1H,br),6.15(1H,br),5.13(2H,ABq,J=12.8Hz),4.12(2H),3.95(1H),3.67(2H),2.6−2.9(4H),2.49(3H,s),1.92(1H,m),1.47(6H,s),1.39(6H,s),1.40(3H,d,J=6.6Hz),1.16(3H,d,J=6.6Hz),0.96(3H,d,J=6.8Hz),0.91(3H,t,J=7.8Hz)
実施例8 H−Ala−Aib−Aib−OCH・塩酸塩の合成
Z−Ala−Aib−Aib−OCH 20.4gをメタノール400mlに溶解し、5%パラジウム炭素4g、1N塩酸50mlを加え、2時間接触水素添加反応に付した。反応液を濾過して触媒を除き、減圧下に濃縮し、粗結晶18.9gを得た。このものを酢酸エチル−メタノールにて再結晶することにより、標記化合物の結晶14.4gを得た。融点165〜167℃
〔α〕 21=+18.3°(c=2.5、メタノール)
H−NMR(CDOD)δppm:3.67(3H,s),1.45,1.46(12H,s),1.28(3H,d,J=6.8Hz)
実施例9 Z−Ile−Ala−Aib−Aib−OCHの合成
Z−Ile−OH 5.31g、Ala−Aib−Aib−OCH・塩酸塩6.2g、HOBt 2.70gを無水テトラヒドロフラン200mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン2.03g、次いでDCC 4.54gを添加した。氷冷下に4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに13時間攪拌した。析出したジシクロヘキシルウレアを濾去し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル200mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を10%クエン酸(100ml×2)、5%炭酸水素ナトリウム(100ml×2)、飽和食塩水(100ml×2)で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して残渣11.480gを得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製することにより標記化合物の結晶7.95gを得た。融点159〜161℃
〔α〕 20=−32.0°(c=1.50、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:7.34(5H,s),7.09(1H,s),6.88(2H),5.57(1H,d,J=7.6Hz),5.10(2H,s),4.32(1H,q,J=6.8Hz),4.04(1H,t,J=7.1Hz),3.70(3H,s),1.50(12H,s),1.83(1H,m),1.34(3H,d,J=7.1Hz),0.95−0.85(6H)
実施例10 Z−Ile−Ala−Aib−Aib−OHの合成
Z−Ile−Ala−Aib−Aib−OCH 9.5gをメタノール50mlに溶解し、氷冷攪拌しながら1N水酸化ナトリウム20mlを滴下した。室温にもどし、さらに6.5時間攪拌した。反応溶液を2N塩酸で中和し、減圧下に濃縮した。残渣に水40ml、1N水酸化ナトリウム2mlを加え、酢酸エチル100mlで洗浄後、氷冷し10%クエン酸酸性とし、酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して残渣6.6gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製することにより標記化合物の白色粉末5.5gを得た。
〔α〕 20=−35.6°(c=1.52、メタノール)
H−NMR(CDOD)δppm:7.34(5H),5.09(2H,s),4.14(1H,q,J=7.3Hz),3.94(1H,d,J=7.6Hz),1.82(1H,m),1.48,1.45,1.44,1.41(各3H,s),1.33(3H,d,J=7.1Hz),0.95(3H,d,J=7.1Hz),0.90(3H,t,J=7.3Hz)
実施例11 Z−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Ile−Ala−Aib−Aib−OH 4.23g、Tdol・塩酸塩1.41g、HOBt 2.26gを無水ジメチルホルムアミド430mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.84g、次いでDCC1.89gを添加した。氷冷下で4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに67時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(50ml×3)で抽出した。抽出液を氷冷し、炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10のアルカリ性とし、クロロホルム(100ml×3)で抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して残渣9.2gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:10)で精製することにより、標記化合物の淡黄色吸湿性粉末3.53gを得た。
実施例12 Z−Val−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Val 1.85g、H−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩3.29g、HOBt 1.99gを無水ジメチルホルムアミド350mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン1.49g、次いでDCC 1.68gを添加した。氷冷下に3時間攪拌した後、徐々に室温にもどし、さらに15時間攪拌した。反応終了後、減圧下に溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(50ml×3)で抽出した。抽出液を氷冷下、炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10のアルカリ性とし、クロロホルム(100ml×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩水200mlで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して淡黄色シロップ状物質8.3gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製することにより、標記化合物の淡黄色粉末3.65gを得た。
〔α〕 25=−41.0°(c=1.05、メタノール)
H−NMR(CDCl,200MHz)δppm:7.64(1H,br),7.35(5H),7.24(1H,s),7.20(1H,d,J=8.4Hz),6.93(1H),5.97(1H,br),5.12(2H,ABq,J=12.4Hz),4.16(2H),3.92(1H,t,J=6.3Hz),3.61(2H),2.4−2.8(4H),2.38(3H,s),2.16(1H,m),1.47,1.40(各6H,s),1.38(3H,d,J=8.4Hz),1.14(3H,d,J=6.6Hz),1.00(3H,d,J=6.0Hz),0.97(3H,d,J=6.4Hz)
実施例13 H−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩の合成Z−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol 5.71gをメタノール285mlに溶解し、1N塩酸18.4ml、5%パラジウム炭素1.14gを加えて、1時間接触水素添加を行った。触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮して得られた残渣をメタノール−水(1:1)30mlに溶解し、あらかじめ溶媒で洗浄しておいたイオン交換樹脂(Amberlite IRA−45(Cl)250ml)に付すことにより、標記化合物の白色粉末4.98gを得た。
〔α〕 29=+5.2°(c=3.48、メタノール)
H−NMR(CN)δppm:9.28(1H),9.17(1H),7.85(1H,d,J=9.2Hz),4.7(2H),4.45(1H,d,J=8Hz),4.32(2H),3.31(3H,s),2.61(1H,m),1.92(3H,s),1.87(3H,s),1.80(3H,s),1.78(3H,d,J=6.0Hz),1.68(3H,s),1.34(3H,d,J=6.8Hz),1.29(3H,d,J=6.8Hz),0.91(3H,d,J=7.4Hz)
実施例14 H−Val−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩の合成Z−Val−Ala−Aib−Aib−Tdol 0.48gをメタノール60mlに溶解し、1N塩酸1.6m1、5%パラジウム炭素95mgを加えて、2時間接触水素添加を行った。触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮して得られた残渣(0.47g)をメタノール−水(1:2)10mlに溶解し、あらかじめ同溶媒で洗浄しておいたイオン交換樹脂(Amberlite IRA−45(Cl)25ml)に付すことにより標記化合物の白色粉末0.35gを得た。
〔α〕 29=+4.2°(c=2.15、メタノール)
H−NMR(CN)δppm:9.31(1H,s),9.14(1H,s),7.86(1H,d,J=9.4Hz),3.31(3H,s),2.88(1H,m),1.91,1.85,1.79,1.68(各3H,s),1.77(3H,d,J=8.0Hz),1.35(6H,d,J=7.0Hz),1.28(3H,d,J=6.8Hz)
実施例15 Z−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Ala−Aib−Aib−OH 1.61g、H−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 2.29g、HOBt 1.10gを無水ジメチルホルムアミド270mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.83g、次いでDCC 0.93gを添加した。氷冷下に4時間攪拌した後、室温にもどし48時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られたシロップ状残渣に酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(50ml×3)で抽出し、抽出液を氷冷下に炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10のアルカリ性とし、クロロホルム(100ml×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マクネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去して、淡黄色シロップ状物質4.19gを得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製することにより、標記化合物の淡黄色粉末2.65gを得た。
〔α〕 29=−2.4°(c=4.14、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:8.37(1H),7.6(1H),7.3(11H),5.14(2H,ABq,J=13Hz),4.3(1H,m),4.0(2H),3.8(3H),2.74(3H,s),2.0(1H,m),1.17(3H,d,J=6.6Hz),0.95(3H,d,J=6.8Hz),0.88(3H,t,J=7.2Hz)
実施例16 H−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩の合成
Z−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol2.29gをメタノール115mlに溶解し、1N塩酸5.3ml、5%パラジウム炭素0.46gを加えて、1時間接触水素添加を行った。反応液より触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮して得た残渣をメタノール−水(1:1)30mlに溶解し、あらかじめ同溶媒300mlで洗浄しておいたイオン交換樹脂(Amberlite IRA−45(Cl)60ml)に付すことにより、標記化合物の白色粉末2.04gを得た。
〔α〕 29=+16.2°(c=2.11、1メタノール)
H−NMR(CN)δppm:10.66(1H),9.21(1H),8.63(1H),8.83(1H),8.28(1H,s),7.97(1H,s),7.70(1H,d,J=9.4Hz),5.05(1H),4.8(2H),4.35(3H),4.20(1H),3.40(3H,s),2.4(1H),1.60(3H,s),1.32(3H,d,J=6.8Hz),1.14(3H,d,J=6.6Hz),0.91(3H,t,J=7.2Hz)
実施例17 Z−Ala−Aib−Aib−Val−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Ala−Aib−Aib−OH 1.74g、Val−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 2.41g、HOBt 1.19gを無水ジメチルホルムアミド290mlに溶解し、氷冷下攪拌しながらトリエチルアミン0.89g、次いでDCC 1.00gを添加し、4時間氷冷下に攪拌した後、室温にもどし、さらに48時間攪拌した。反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(50ml×3)で抽出し、抽出液を氷冷下、炭酸カリウム粉末にてpH9〜10とし、クロロホルム(100ml×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して淡黄色シロップ状物質4.98gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)に付すことにより淡黄色粉末2.65gを得た。
〔α〕 29=−2.4°(c=4.22、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:8.13(1H),7.68(1H,d,J=5.8Hz),7.4(10H),7.06(1H),5.14(2H,ABq,J=12.8Hz),4.2(1H),4.0(2H),3.7(3H),2.9(2H),2.59(3H,s),1.32(3H,s),1.14(3H,d,J=6.6Hz),1.05(3H,d,J=7.0Hz),1.00(3H,d,J=6.8Hz)
実施例18 Ala−Aib−Aib−Val−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩の合成
Z−Ala−Aib−Aib−Val−Ala−Aib−Aib−Tdol
2.05gをメタノール100mlに溶解し、1N塩酸4.8ml、5%パラジウム炭素 0.41gを加え、1時間接触水素添加を行った。触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮してシロップ状の残渣1.9gを得た。この残渣をメタノール−水(1:1)30mlに溶かし、あらかじめ同溶媒で十分洗浄しておいたイオン交換樹脂(Amberlite IRA−45(Cl)50ml)に付すことにより、標記化合物の吸湿性白色粉末1.74gを得た。
〔α〕 29=+12.9°(c=2.25、メタノール)
H−NMR δppm:10.71(1H,s),9.22(1H,s),8.26(1H,s),7.97(1H,s),3.39(3H,s),2.09(3H,s),2.05(3H,d,J=7.0Hz),1.92,1.87,1.81,1.79,1.74,1.72,1.61(各3H,s),1.32,1.24,1.15(各3H,d,J=6.6Hz)
実施例19 Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・塩酸塩の合成
Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩200mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=85:15)に付し、これをイオン交換体(Sephadex LH−20)を用いてゲル濾過を行い、標記化合物の吸湿性白色粉末117mgを得た。IR νmax (KBr)cm−1:3300,2980,1650,1530,1460,1385,1360,1225
元素分析(C3465・HCl・6/5HO)
計算値 C:51.95 H:8.77 N:16.04
分析値 C:52.00 H:9.04 N:15.93
実施例20 Ala−Aib−Aib−Val−Ala−Aib−Aib−Tdol・塩酸塩の合成
Ala−Aib−Aib−Val−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩200mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=85:15)に付し、これをイオン交換体(Sephadex LH−20)を用いてゲル濾過を行い、標記化合物の白色吸湿性粉末143mgを得た。IR νmax (KBr)cm−1:3325,2980,1660,1530,1460,1385,1360,1225
元素分析(C3363・HCl・8/5HO)
計算値 C:50.87 H:8.69 N:16.18
分析値 C:50.85 H:8.87 N:16.24
実施例21 Z−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Aib−Aib−OH 0.58g、Tdol・塩酸塩0.30g、HOBt 0.49gを無水ジメチルホルムアミド90mlに溶解した。氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.18g、次いでDDC 0.41gを添加し、そのまま攪拌しながら徐々に室温にもどし、さらに42時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をクロロホルム50mlに溶かし、1N塩酸(30ml×3)で抽出した。抽出液を氷冷し、炭酸カリウム粉末でpH9〜10とし、クロロホルム(50ml×3)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色シロップ状物質0.83gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1〜10:1)に付すことにより、標記化合物の吸湿性結晶0.55gを得た。融点75〜81℃
〔α〕 20=0°(c=1.5、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:7.35(5H,s),7.06(1H,d,J=7.8Hz),6.48(1H,s),5.50(1H,s),5.12(2H,ABq,J=12.2Hz),4.08(1H,m),3.58(2H,t,J=5.1Hz),2.31(3H,s),1.48(3H,s),1.46(6H,s),1.41(3H,s),1.11(3H,d,J=6.6Hz)
実施例22 CH(CHCO−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
n−カプリン酸0.40g、Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩1.04g、HOBt 0.63gを無水ジメチルホルムアミド130mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.47g、次いでDCC 0.53gを添加した。そのまま氷冷下で4時間攪拌した後、徐々に室温にもどし、さらに3日間攪拌した。反応溶液を減圧下に濃縮し、酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(50ml×3)で抽出し、得られた抽出液を氷冷下、炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10とし、クロロホルム(100ml×3)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮し、淡黄色シロップ状物質1.4gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:50:5)で精製することにより、標記化合物0.66gを淡黄色シロップとして得た。
〔α〕 20=−38.5°(c=1.51、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:7.4(1H),7.21(1H,s),7.08(1H,d,J=8.6Hz),6.69(1H,s),4.26(1H,q,J=7.0Hz),4.2(1H),3.66(2H),2.41(3H,s),2.25(2H),1.61(2H),1.51,1.49,1.42,1.40(各3H,s),1.37(3H,d,J=7.2Hz),1.26(12H),1.17(3H,d,J=6.6Hz),0.87(3H,t,J=6.6Hz)
実施例23 CH(CHCO−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
CH(CHCO−Ile−OH 0.72g、Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 1.13g、HOBt 0.68gを無水ジメチルホルムアミド150mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.51g、次いでDCC 0.57gを添加した。そのまま氷冷下に4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに17時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル100mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(40ml×3)で抽出し、抽出液を氷冷しながら炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10とし、クロロホルム(80ml×3)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して淡黄色シロップ状物質1.63を得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:10〜900:50:5)にて精製することにより、標記化合物の吸湿性の無色粉末0 .76gを得た。
〔α〕 29=−49.5°(c=1.01、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:7.60(1H,d,J=5.4Hz),7.26(1H,s),7.02(1H,s),4.13(3H),3.61(2H),2.37(3H,s),2.31(2H,t,J=7.6Hz),1.50,1.49,1.47,1.46(各3H,s),1.40(3H,d,J=7.3Hz),1.26(12H),1.15(3H,d,J=6.6Hz)
実施例24 Z−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Aib−OH 0.50g、Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 1.18g、HOBt 0.57gを無水ジメチルホルムアミド130mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトエチルアミン0.43g、次いでDCC0.48gを添加し、そのまま4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに68時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣に酢酸エチル100mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(40ml×3)で抽出し、抽出液を氷冷下、炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10とし、クロロホルム(80ml×3)で抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色粗結晶1.56gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:5)で精製することにより、標記化合物の無色結晶1.06gを得た。融点88〜95℃
〔α〕 20=+1.2°(c=2.52、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3310,2975,1660,1535,1455,1385,1365,1270,1095,1075,740,695実施例25 Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩の合成
Z−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 0.57gをメタノール30mlに溶解し、5%パラジウム炭素120mg、1N塩酸1.6mlを加えて、4時間接触水素添加反応に付した。反応液を濾去して触媒を除き、濾液を減圧下に濃縮して白色粉末0.54gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=950:50:2.5〜450:50:2.5)に付し、淡黄色粉末0.34gを得た。これをメタノール20mlに溶かし、1N塩酸1.2mlを加え、減圧濃縮した。この操作を3回繰り返した後、イオン交換体(Sephadex LH−20、460ml、展開溶媒:メタノール)を用いたゲル濾過に付し、標記化合物の白色粉末0.42g(吸湿性)を得た。
〔α〕 20=−23.3°(c=1.51、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3340,2970,1660,1530,1460,1385,1365,1230,1080,755
実施例26 CH(CHCO−Ala−OBzlの合成
n−カプリン酸3.45g、HOBt 2.70gをクロロホルム200mlに懸濁し、氷冷攪拌しながらDCC 4.54gを添加した。20分後にAib−OBzl・パラトルエンスルホン酸塩 7.31gをクロロホルム100mlに懸濁したものにトリエチルアミン3.37gを加えたものを添加した。氷冷下に4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに48時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル250mlを加え、5%炭酸水素ナトリウム(100ml×2)、10%クエン酸(100ml×2)、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色シロップを得た。これに酢酸エチルを加え、不溶物を濾去した後、濾液を減圧下に濃縮し、淡黄色シロップ6.20gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することにより、標記化合物の無色シロップ4.00gを得た。これを放置しておくと徐々に結晶化した。融点42〜45℃
H−NMR(CDCl,100MHz)δppm:7.33(5H,s),6.04(1H),5.14(2H,s),2.14(2H,t,J=7Hz),1.56(6H,s),1.24(12H),0.86(3H,t,J=6Hz)
実施例27 CH(CHCO−Aib−OHの合成
CH(CHCO−Aib−OBzl 3.19gをメタノール65mlに溶解し、5%パラジウム炭素640mgを加え、接触水素添加を1.5時間行った。触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮して、残渣2.43gを得た。これをメタノールに溶かし、イオン交換体(Sephadex LH−20、460ml、溶出液:メタノール)に付すことにより、標記化合物の無色針状結晶2.26gを得た。融点127〜131℃
H−NMR(CDCl+CDOD,100MHz)δppm:5.07(2H),2.16(2H,t,J=7Hz),1.52(6H,s),1.26(12H),0.86(3H,t,J=6Hz)
実施例28 CH(CHCO−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
CH(CHCO−Aib−OH 0.30g、Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 0.65g、HOBt 0.32gを無水ジメチルホルムアミド70mlに溶かし、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.24g、次いでDCC 0.27gを添加した。そのまま4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに69時間攪拌した。反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル100mlを加え、析出物を濾去した。濾液を1N硫酸(30ml×3)で抽出した。水層を氷冷し、炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10とし、クロロホルム(50ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して淡黄色シロップを得た。また、前出の酢酸エチル層も同様に飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して淡黄色シロップを得た。(両方合わせて0.99g)これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:5)で精製することにより標記化合物の白色粉末(吸湿性)0.60gを得た。
〔α〕 20=+11.9°(c=1.51、メタノール)
元素分析(C3771・2HO)
計算値 C:58.32 H:9.92 N:12.87
分析値 C:58.27 H:9.97 N:12.54
実施例29 Z−Aib−Aib−OCHの合成
Z−Aib−OH 9.49g、Aib−OCH・塩酸塩6.14g、HOBt 5.41gを無水ジメチルホルムアミド180mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン4.86g、次いでDCC 9.08gを添加した。そのまま4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに45時間反応させた。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を0.2N塩酸(100ml×2)、5%炭酸水素ナトリウム(100ml×2)、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して淡黄色シロップ状の残渣12.2gを得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製し、粗結晶11.8gを得た。これを酢酸エチル−ジエチルエーテルから再結晶することにより、標記化合物の結晶7.15gを得た。
H−NMR(CDCl,100MHz)δppm:7.32(5H,s),6.88(1H),5.44(1H),5.06(2H,s),3.68(3H,s),1.48(12H,s)
実施例30 Z−Aib−Aib−OHの合成
Z−Aib−Aib−OCH 4.0gをメタノール50mlに溶解し、氷冷攪拌しながら、1N水酸化ナトリウム24mlを添加した。室温にもどし、さらに6時間攪拌した。反応液を2N塩酸で中和した後、減圧濃縮した。濃縮液に水40ml、1N水酸化ナトリウム10mlを加え、酢酸エチル70mlで未反応物を抽出した。水層は氷冷下に2N塩酸で酸性とし、酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、粗結晶4.0gを得た。これを酢酸エチルで再結晶することにより、標記化合物の結晶2.98gを得た。融点163〜164℃
IR νmax (KBr)cm−1:3430,3300,2980,1720,1655,1535,1515,1445,1380,1360,1300,1260,1235,1185,1080,965,745,695
実施例31 Z−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Aib−Aib−OH 0.60g、Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩1.04g、HOBt 0.50gを無水ジメチルホルムアミド120mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.38g、次いでDCC 0.42gを加え、そのまま氷冷下に4時間攪拌した。次いで室温にもどし、さらに69時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル100mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(30ml×3)で抽出し、抽出液を氷冷し、炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10とし、クロロホルム(80ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して淡黄色シロップ状の残渣1.58gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルホム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:5)で精製することにより、標記化合物の結晶1.16gを得た。融点141〜144℃
〔α〕 20=+6.6°(c=1.51、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3300,2925,1660,1530,1455,1385,1360,1265,1220,1100,1075,1045,740
実施例32 Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩の合成
Z−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol 0.75gをメタノール40mlに溶かし、5%パラジウム炭素200mg、1N塩酸1.9mlを加えて、3.5時間接触水素添加に付した。反応液より触媒を濾去し、減圧下に濃縮し、白色粉末0.71gを得た。これをイオン交換体(Sephadex LH−20、460ml、メタノール)に付し、薄層クロマトグラフィー上でワンスポットとなったもの0.09gと不純物のスポットを含むもの0.52gを得た。後者はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:5〜925:75:3.2)で精製した。得られた白色粉末0.43gをメタノールに溶解し、1N塩酸1.31mlを加え、減圧濃縮して白色粉末0.45gを得た。これをイオン交換体(Sephadex LH−20、460ml、メタノール)で精製することにより、標記化合物の吸湿性の粉末0.48gを得た。
〔α〕 20=+2.7°(c=1.51、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3325,2975,1660,1535,1460,1390,1365,1225
実施例33 CH(CHCO−Aib−Aib−OCHの合成
CH(CHCO−Aib−OH 1.30g、Aib−OCH・塩酸塩 0.78g、HOBt 1.37gを無水ジメチルホルムアミド100mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン 0.61g、次いでDCC 1.15gを添加した。そのまま4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに64時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣に酢酸エチル100mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N塩酸(50ml×2)、5%炭酸水素ナトリウム(50ml×2)、飽和食塩水100mlで順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色シロップ状の残渣0.72gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、標記化合物の結晶0.34gを得た。融点72〜80℃
H−NMR(CDCl)δppm:7.30(1H),6.15(1H),3.70(3H,s),2.17(2H,t,J=7Hz),1.53,1.51,(各12H,s),1.26(12H),0.86(3H,t,J=6Hz)
実施例34 CH(CHCO−Aib−Aib−OHの合成
CH(CHCO−Aib−Aib−OCH 0.90gをメタノール10mlに溶解し、氷冷しながら1N水酸化ナトリウム5mlを少しずつ添加した。添加後、室温にもどし、さらに8.5時間攪拌した。反応液を1N塩酸で中和後、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチル100ml、0.5N塩酸50mlを加え抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水(100ml×2)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して結晶性の残渣を得た。これを少量のメタノールとクロロホルムの混合溶媒に溶かし、イオン交換体(Sephadex LH−20、460ml、メタノールに付し、標記化合物の結晶0.79gを得た。融点146〜148℃
H−NMR(CDCl+CDOD,100MHz)δppm:2.17(2H,t,J=7Hz),1.53(6H,s),1.48(6H,s),1.27(12H),0.87(3H,t,J=7Hz)
実施例35 CH(CHCO−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
CH(CHCO−Aib−Aib−OH 0.38g、Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 0.63g、HOBt 0.30gを無水ジメチルホルムアミド70mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.23g、次いでDCC 0.25gを添加した。そのまま4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに67時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル100mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(30ml×3)で抽出した。有機層は1N水酸化ナトリウム(50ml×2)、飽和食塩水(50ml×2)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して残渣0.27gを得た。一方、水層後、氷冷下、炭酸カリウム(粉末)にてpH9〜10とし、クロロホルム(50ml×3)で抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、淡黄色シロップ状の残渣1.06gを得た。両方の残渣を別々にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:5)で精製することにより、標記化合物を白色粉末(吸湿性)としてそれぞれ0.6g、0.61g(合計0.67g)を得た。
〔α〕 20=+8.6°(c=1.51、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3330,2925,1655,1535,1460,1380,1360,1225,755
実施例36 CH(CHCO−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
n−カプリン酸0.11g、Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩0.53g、HOBt 0.18gを無水ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.13g、次いでDCC 0.15gを添加した。氷冷下で4時間攪拌した。その後、室温にもどし、さらに3.5日間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル100mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N塩酸(50ml×2)で洗浄し、原料の未反応塩基を除去した後、1N水酸化ナトリウム(50ml×3)、飽和食塩水100mlでさらに洗浄した。次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色シロップ状の残渣0.47gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:5)で精製することにより、標記化合物の白色吸湿性粉末0.26gを得た。
〔α〕 21=−15.9°(c=1.51、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:8.01(1H),7.78(1H,s),7.71(1H,d,J=5.6Hz),7.48(1H,s),7.36(1H,s),7.27(1H),4.02(2H),3.85(1H),3.67(2H),2.52(3H,s),2.01(1H,m),1.43(3H,d,J=6.1Hz),1.17(3H,d,J=6.6Hz),0.98(3H,d,J=6.6Hz),0.90(3H,t,J=6.7Hz),0.87(3H,t,J=6.4Hz)
実施例37 CH(CHCO−Ile−OBzlの合成
n−カプリン酸2.58g、Ile−OBzl・パラトルエンスルホン酸塩5.90g、HOBt 4.05gをクロロホルム450mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン2.28g、次いでDCC 3.40gを添加した。氷冷下に5時間攪拌した後、室温にもどし、さらに44時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル250mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を5%炭酸水素ナトリウム(100ml×2)、10%クエン酸(100ml×2)、飽和食塩水(100ml×3)で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮しシロップ状の残渣6.4gを得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製することにより、標記化合物の無色粘稠液体4.57gを得た。
〔α〕 20=−24.6°(c=3.29、メタノール)
H−NMR(CDCl,100MHz)δppm:7.32(5H,s),6.11(1H,d,J=9Hz),5.14(2H,ABq,J=12Hz),4.66(1H,dd,J=9Hz,J=5Hz),2.22(2H,t,J=7Hz),1.27(12H),0.9(9H)
実施例38 CH(CHCO−Ile−OHの合成
CH(CHCO−Ile−OBzl 3.91gをメタノール100mlに溶解し、5%パラジウム炭素780mgを加えて、1時間接触水素添加反応を行った。反応液より触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮して粗結晶2.91gを得た。この粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)で精製することにより、標記化合物の結晶2.34gを得た。融点109〜110℃
〔α〕 20=+4.0°(c=3.0、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:7.66(1H),6.14(1H,d,J=8.6Hz),4.62(1H,dd,J=8.5Hz,4.6Hz),2.26(2H,t,J=7.6Hz),1.94(1H,m),1.63(2H),1.26(12H),0.9(9H)
実施例39 CH(CHCO−(Ile−Ala−Aib−Aib)−Tdol・塩酸塩の合成
CH(CHCO−Ile−OH 0.35g、Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩0.98g、HOBt 0.33gを無水ジメチルホルムアミド100mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.25g、次いでDCC0.28gを添加した。そのまま氷冷下で4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに18時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣に酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を5%炭酸水素ナトリウム(50ml×2)、1N塩酸(50ml×2)、飽和食塩水(100ml×2)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、シロップ状の残渣1.4gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:50:5)で精製することにより、標記化合物の白色吸湿性粉末0.81gを得た。
〔α〕 29=−16.8°(c=1.01、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:8.96(1H),8.16(1H,s),7.92(1H),7.83(1H),7.76(1H,s),7.51(1H,s),7.17(1H,s),4.58(1H,m),3.18(3H,s),2.51(2H,t,J=7.4Hz)
実施例40 Z−Ile−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Ile−Ala−Aib−Aib−OH 1.80g、Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 1.99g、HOBt 0.96gを無水ジメチルホルムアミド250mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.72g、次いでDCC 0.81gを添加した。氷冷下に4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに67.5時間攪拌した。反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(50ml×3)で抽出した。酢酸エチル層は1N水酸化ナトリウム(100ml×2)、飽和食塩水(100ml)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して残渣1.39gを得た。一方、水層は氷冷下に炭酸カリウム(粉末)でpH9〜10としクロロホルム(100ml×3)で抽出した。クロロホルム層は飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して残渣1.08gを得た。両残渣を各々シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:5)で精製し、それぞれ標記化合物の吸湿性白色粉末0.87g、吸湿性淡黄色粉末0.20gを得た。
〔α〕 20=−17.3°(c=1.50、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3320,2970,1660,1535,1385,1225
実施例41 Z−Ile−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・塩酸塩の合成
Z−Ile−Ala−Aib−Aib−OH 0.55g、Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 0.61g、HOBt 0.30gを無水ジメチルホルムアミド100mlに溶解し、氷冷攪拌しながら0.22g、次いでDCC 0.25gを添加した。氷冷下に4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに2日間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル80mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を減圧下に濃縮し、残渣2.06gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1〜7:1)、次いでイオン交換体(SephadexLH−20、430ml、メタノール)で精製することにより、標記化合物の結晶0.44gを得た。融点204〜209℃
〔α〕 20=−19.7°(c=1.02、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3330,2980,1665,1535,1455,1390,1225
実施例42 Ile−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩の合成
Z−Ile−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・塩酸塩 0.17gをメタノール30mlに溶解し、5%パラジウム炭素50mg、1N塩酸0.33mlを加えて、1.5時間接触水素添加を行った。反応液より触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮し、さらにメタノールを添加して、濃縮する操作を4回繰り返した。得られた残渣をイオン交換体(Sephadex LH−20、430ml、メタノール)を用いて、ゲル濾過により精製することにより、標記化合物の白色吸湿性粉末0.14gを得た。
〔α〕 20=−14.9°(c=1.01、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3330,2970,1660,1535,1455,1385,1225
実施例43 Z−Pro−Ile−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdolの合成
Z−Pro−OH 0.18g、Ile−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 0.65g、HOBt 0.19gを無水ジメチルホルムアミド60mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.14g、次いでDCC 0.16gを添加した。氷冷下に4時間攪拌した後、室温にもどし、さらに2日間攪拌した。反応溶液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル100mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を1N硫酸(30ml×3)で抽出した。酢酸エチル層は1N水酸化ナトリウム(100ml×2)、飽和食塩水(100ml×2)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して残渣0.69gを得た。水層は氷冷し、炭酸カリウムでpH9〜10とし、クロロホルム(50ml×2)で抽出した。クロロホルム層、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して残渣0.25gを得た。両残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:100:5)に付して精製することにより、標記化合物の白色吸湿性粉末0.58gを得た。
〔α〕 20=−40.4°(c=1.02、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3310,2925,1660,1540,1455,1420,1390,1360,1300,1225
実施例44 Pro−Ile−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩の合成
Z−Pro−Ile−Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol 0.21gをメタノール30mlに溶解し、5%パラジウム炭素 0.08g、1N塩酸0.40mlを加えて、1.5時間接触水素添加反応に付した。反応液より触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮した。さらにメタノールを添加して、濃縮する操作を3回繰り返し、残渣0.21gを得た。この残渣をメタノールに溶かしイオン交換体(Sephadex LH−20、460ml、メタノール)で精製することにより標記化合物の白色吸湿性粉末0.19gを得た。
〔α〕 20=−41.6°(c=1.01、メタノール)
IR νmax (KBr)cm−1:3325,2980,1660,1540,1460,1385,1360,1300,1225,1060
実施例45 CH(CHCO−Pro−OBzlの合成
n−カプリン酸 2.74g、Pro−OBzl・パラトルエンスルホン酸塩6.0g、HOBt 4.30gをクロロホルム200mlに懸濁し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン2.41g、次いでDCC 3.61gを添加した。反応液を氷冷下に2時間、さらに室温にもどして15時間攪拌した。反応液より析出したジシクロヘキシルウレアを濾去した後、減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル200mlを加え、不溶物を濾去した後、10%クエン酸(100ml×2)、5%炭酸水素ナトリウム(100ml×2)、飽和食塩水100mlで順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し残渣5.88gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜3:1)で精製することにより、標記化合物の無色粘稠液体4.13gを得た。
〔α〕 20=−56.2°(c=1.18、メタノール)
H−NMR(CDCl,100MHz)δppm:7.36(5H,s),5.16(2H,ABq,J=12Hz),4.54(1H),3.54(2H,m),2.28(2H,t,J=8Hz),2.0(4H),1.63(2H),1.26(12H),0.86(3H,t,J=6Hz)
実施例46 CH(CHCO−Pro−OHの合成
CH(CHCO−Pro−OBzl 3.99gをメタノール200mlに溶解し、5%パラジウム炭素800mgを加え、1時間40分接触水素添加反応に付した。触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮して、残渣2.83gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製することにより、標記化合物の無色粘稠液体2.39gを得た。
〔α〕 20=−53.0°(c=2.02、メタノール)
H−NMR(CDCl,100MHz)δppm:9.68(1H),4.56(1H,brd,J=6Hz),3.54(2H),2.30(2H,t,J=8Hz),2.02(4H),1.64(2H),1.26(12H),0.86(3H,t,J=6Hz)
実施例47 CH(CHCO−Pro−Ile−OBzlの合成
CH(CHCO−Pro−OH 1.40g、Ile−OBzl ・パラトルエンスルホン酸塩 2.04g、HOBt 1.40gをクロロホルム130mlに懸濁し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.53g、次いでDCC 1.18gを加えた。氷冷下に3時間、次いで室温で9時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル200mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を10%クエン酸(100ml×2)、5%炭酸水素ナトリウム(100ml×2)、飽和食塩水100mlで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、シロップ状の残渣2.39gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、標記化合物の無色シロップ状物質 1.99gを得た。このシロップ状物質は放置しておくと徐々に結晶化した。融点59〜62℃
〔α〕 20=−70.4°(c=1.51、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:7.58(1H),7.32(5H,s),5.12(2H,ABq,J=12Hz),4.62(1H,brd,J=8Hz),4.46(1H,dd,J=8Hz,4Hz),3.46(2H),2.29(2H,t,J=8Hz),1.26(12H),0.86(9H)
実施例48 CH(CHCO−Pro−Ile−OHの合成
CH(CHCO−Pro−Ile−OBzl 1.24gをメタノール100mlに溶解し、5%パラジウム炭素250mgを加え、2時間接触水素添加反応に付した。触媒を濾去し、濾液を減圧下に濃縮して、残渣0.95gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=90:5)で精製することにより、標記化合物の結晶0.84gを得た。融点144〜146℃
〔α〕 30=−51.9°(c=1.87、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:7.73(1H,d,J=8.6Hz),7.3(1H),4.66(1H,brd,J=5.8Hz),4.51(1H,dd,J=8.5Hz,4.7Hz),3.5(2H),2.33(2H,t,J=7.6Hz),1.63(2H),1.26(12H),0.9(9H)
実施例49 CH(CHCO−Pro−(Ile−Ala−Aib−Aib)−Tdol・塩酸塩の合成
CH(CHCO−Pro−Ile−OH 0.37g、Ala−Aib−Aib−Ile−Ala−Aib−Aib−Tdol・2塩酸塩 0.77g、HOBt 0.26gを無水ジメチルホルムアミド75mlに溶解し、氷冷攪拌しながらトリエチルアミン0.20g、次いでDCC 0.22gを添加し、氷冷下に4時間攪拌した。室温にもどし、さらに17時間攪拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル150mlを加え、不溶物を濾去した。濾液を5%炭酸水素ナトリウム(50ml×2)、1N塩酸(50ml×2)、飽和食塩水(100ml×2)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色シロップ状の残渣1.2gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=900:50:5)で精製することにより、標記化合物の白色吸湿性粉末0.90gを得た。
〔α〕 29=−27.7°(c=1.27、メタノール)
H−NMR(CDCl)δppm:8.86(1H),8.51(2H),8.29(1H),7.94(1H),7.39(1H),4.59(1H,m),3.16(3H,s),1.68(3H,s),1.57(6H,s),

Claims (4)

  1. 一般式
    Figure 0003613818
    (式中、Qは、N−アルカノイル−Qa−L−イソロイシルを、AlaはL−アラニン残基を、Aibはα−アミノイソ酪酸残基を示し、Qaは、L−アラニン残基、L−プロリン残基、α−アミノイソ酪酸残基、及びL−イソロイシン残基から選択される1〜5の残基からなる基を表す。)により表されるトリコポリン誘導体またはその製薬上許容しうる酸付加塩。
  2. アルカノイルが、炭素数2〜20個のアルカノイルであり、かつ、Qaが、H−Aib、H−Aib−Aib、H−Ala−Aib−Aib、H−Ile−Ala−Aib−Aib及びH−Pro−Ile−Ala−Aib−Aibから選択される基のアミノ末端が前記アルカノイルにより置換している基(式中、Ala及びAibは請求項1と同義であり、IleはL−イソロイシン残基を示し、ProはL−プロリン残基を示す。)である、請求項1記載のトリコポリン誘導体またはその製薬上許容しうる酸付加塩。
  3. トリコポリンI、トリコポリンIIまたは一般式
    Figure 0003613818
    (式中、Qは、N−アルカノイル−Qa−L−イソロイシルを、AlaはL−アラニン残基を、Aibはα−アミノイソ酪酸残基を示し、Qaは、L−アラニン残基、L−プロリン残基、α−アミノイソ酪酸残基、及びL−イソロイシン残基から選択される1〜5の残基からなる基を表す。)により表されるトリコポリン誘導体あるいはその製薬上許容し得る酸付加塩を含有してなる免疫抑制剤。
  4. アルカノイルが、炭素数2〜20個のアルカノイルであり、かつ、Qaが、H−Aib、H−Aib−Aib、H−Ala−Aib−Aib、H−Ile−Ala−Aib−Aib及びH−Pro−Ile−Ala−Aib−Aibから選択される基のアミノ末端が前記アルカノイルにより置換している基(式中、Ala及びAibは請求項3と同義であり、IleはL−イソロイシン残基を示し、ProはL−プロリン残基を示す。)である、請求項3記載の免疫抑制剤。
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