JP3613718B2 - 水栓の取付装置 - Google Patents

水栓の取付装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3613718B2
JP3613718B2 JP10543095A JP10543095A JP3613718B2 JP 3613718 B2 JP3613718 B2 JP 3613718B2 JP 10543095 A JP10543095 A JP 10543095A JP 10543095 A JP10543095 A JP 10543095A JP 3613718 B2 JP3613718 B2 JP 3613718B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
attachment
faucet body
faucet
diameter
engagement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10543095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08302769A (ja
Inventor
学 波多野
Original Assignee
株式会社ケーブイケー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ケーブイケー filed Critical 株式会社ケーブイケー
Priority to JP10543095A priority Critical patent/JP3613718B2/ja
Publication of JPH08302769A publication Critical patent/JPH08302769A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3613718B2 publication Critical patent/JP3613718B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Domestic Plumbing Installations (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水栓本体を、シンク台や洗面化粧台等の天板を代表とする水栓取付部に取付けるための、水栓の取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、単水栓であっても、湯水混合水栓であっても、むき出しのままにされた水道管や給湯管に直接接続することは殆どなされてはおらず、システムキッチンのシンク台や洗面化粧台を構成している天板等を水栓の取付部として、この水栓取付部に水栓本体を取付けるようにすることが行われている。このような場合に必要になるのが水栓の取付装置である。
【0003】
この種の水栓の取付装置は、上記シンク台や洗面化粧台が規格品として大量生産されるものであること、及び天板等の水栓取付部の下面において固定作業をなさなければならないこと等を考慮すると、その取付作業を容易に行えるようにすることができるものである必要がある。そこで、例えば、特開平5−214749号公報にて、「カランの取付を短時間に且容易に行うことができる」ようにすることを目的として、「カランの差し込み部が差し込まれる筒状であって、カランと係合してカランの回り止めを行う回り止め係合部を有して被取り付面に固着される筒状の取付部材と、この取付部材に着脱自在に取り付けられるとともに取付部材に差し込まれたカランの差し込み部に設けられている係合部に弾性係合してカランの抜け止めを行う係合具とを備え」た「カランの取付構造」が提案されている。
【0004】
この従来の「カランの取付構造」によれば、図16に示すように、天板等の水栓取付部に予じめ取付けられた取付部材に対して、カランの差し込み部を差し込むとともに、係合具を取付部材の取付溝に嵌め込めば、カランは取付部材に対する回り止めと、係合具の弾性係合による抜け止めがなされるものであり、カランの取付作業をそれなりに簡単に行えるものである。
【0005】
しかしながら、この図16に示した係合具は、図示の通り非常に小さな部品であり、しかも取付部材等とは完全に独立した別体のものであることから、その取付作業を行う際に紛失し易いものとなっており、一旦紛失した係合具を探し出すには相当時間が掛かることも十分あり得る。しかも、この「取付構造」を採用したカランは、新規に建設されるホテルや集合住宅等の多数の部屋に短時間内で多数取付なければならない場合が多いものであり、係合具が紛失してしまって、これを探し出すのに時間が掛かるようでは、限定されている施工期間内に納品することができなくなる。
【0006】
それだけでなく、この小さな部品である係合具は、取付部材側の細かい取付溝内に差し込まなければならないから、前述した紛失をしないように注意しながら細かい取付溝の場所を確認しなければならず、非常に注意を払わなければならない。しかも、取付部材側の取付溝は、天板等の水栓取付部の下方に位置していて、暗くて見えにくい場所であり、例えば日没後にその確認作業を行おうとすれば明りを用意しなければならないことにもなって、カランの取付作業は円滑に行えないこともあり得るものである。
【0007】
そこで、本発明者は、水栓の取付をより一層簡単に行えるようにするにはどうしたらよいかについて種々検討を重ねてきたところ、係合具を水栓全体または取付本体に取り付けたものとすることがよい結果を生むことを新規に知見して、本発明を完成したのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題は、水栓の天板等の水栓取付部に対する取付作業をより一層簡単にすることである。
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明の目的とするところは、リング状に形成した係合具を水栓本体の下部外周に縮径自在に取り付け、この係合具によって水栓本体の取付部材に対する結合を行うようにして、水栓の取付作業時における係合具の紛失を防止することができて、結果として水栓の取付作業を短時間内に確実にかつ容易に行えるようにすることのできる取付装置を提供することにある。
【0010】
また、請求項2に係る発明の目的とするところは、係合具を水栓本体を水栓取付部に取付けるための取付部材側に拡径自在に取り付けて、この係合具の紛失を防止し、水栓の取付作業を短時間内に確実かつ容易に行えるようにすることのできる取付装置を提供することにある。
【0011】
さらに、請求項3に係る発明の目的とするところは、請求項1または2の発明における係合具の係合解除部材による縮径または拡径を確実に行えるようにして、水栓の変換または交換作業を確実かつ簡単に行えるようにすることのできる取付装置を提供することにあり、また、請求項4に係る発明の目的とするところは、係合具の係合解除部材をも取付部材または水栓本体側に取付けて、その紛失を防止するとともに、その操作を押動または引き出しによって簡単に行えるようにし、請求項1〜3の発明の目的を達成することができるとともに、水栓の取付・交換作業をより一層簡単に行うことができる取付装置を提供することができる。
【0012】
そして、請求項5に係る発明の目的とするところは、係合具をだ円状のものとすることによって、請求項1〜請求項4の発明の目的を達成することができる他、水栓本体と取付部材との結合をより確実に行えることのできる取付装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、まず請求項1に係る発明の採った手段は、実施例において使用する符号を付して説明すると、
「水栓本体40を水栓取付部50に取付けるための取付装置100であって、 この取付装置100を、水栓本体40を差し込むための支持孔11を有して水栓取付部50に固定される取付部材10と、この取付部材10の支持孔11に挿入された水栓本体40の結合を行うべく弾性材料によってリング状に形成され、水栓本体40の下部外周に縮径自在に嵌合されて、常態では支持孔11の径より外径が大なる係合具20と、この係合具20による水栓本体40と取付部材10との結合を解除すべく、取付部材10の下端に支持した係合解除部材30とにより構成するとともに、
係合具20は、これに切断部21を入れたものとして、この切断部21により当該係合具20の縮径または拡径を可能にしたことを特徴とする水栓の取付装置100」
である。
【0014】
すなわち、この請求項1に係る取付装置100は、水栓本体40の下部外周に円環状に形成した係止溝41内に、弾性材料によって一部に切断部21を有するリング状のものとして形成した係合具20を嵌合して、この係合具20が水栓本体40に取付けられたものとしたものであり、この係合具20が、水栓取付部50に取付けられた取付部材10と、その支持孔11内に挿入された水栓本体40との間に介在することにより、取付部材10と水栓本体40との結合を行うものである。勿論、この取付装置100は、その係合具20を切断部21によって縮径自在なものとすることにより、これを嵌合した水栓本体40の支持孔11内への挿入時における係合具20の縮径と、水栓本体40の取付部材10からの取外し時における係合具20の拡径とを可能にしているものであり、水栓本体40の取付部材10に対する結合と取外し作業を容易に行えるようにしたものである。
【0015】
また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、実施例において使用する符号を付して説明すると、
「水栓本体40を水栓取付部50に取付けるための取付装置100であって、 この取付装置100を、水栓本体40を差し込むための支持孔11を有して水栓取付部50に固定される取付部材10と、この取付部材10の支持孔11に挿入された水栓本体40の結合を行うべく弾性材料によってリング状に形成され、取付部材10の支持孔11の下部内周に拡径自在に嵌合されて、常態では支持孔11の径より内径が小なる係合具20と、この係合具20による水栓本体40と取付部材10との結合を解除すべく、取付部材10または水栓本体40の下端に支持した係合解除部材30とにより構成するとともに、
係合具20は、これに切断部21を入れたものとして、この切断部21により当該係合具20の縮径または拡径を可能にしたことを特徴とする水栓の取付装置100」
である。
【0016】
すなわち、この請求項2に係る取付装置100においては、切断部21を有したリング状の係合具20を、取付部材10の支持孔11の下部内周に形成してある係止溝12内に拡径自在に嵌合したものであり、これにより、取付装置100を構成している係合具20を取付部材10側に結合させて、その紛失を防止するようにしてあるのである。勿論、この取付装置100においては、その係合具20が、取付部材10の支持孔11内への水栓本体40の挿入時には水栓本体40自身のテーパ面42により、また水栓本体40の取外し時には係合解除部材30のテーパ面32により拡径されるものとしてあって、水栓本体40の取付部材10に対する結合と取外し作業を容易に行えるようにしたものである。そして、係合具20は、これに切断部21を入れたものとしてあるから、この切断部21により縮径または拡径が可能となっている。
【0017】
請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または2に係る取付装置100について、そのリング状の係合具20の端縁に、係合解除部材30の先端部に形成してあるテーパ面32によって押動されたとき、当該係合具20を縮径または拡径するためのテーパ面22を形成したことであり、これにより、係合解除部材30による係合具20の係合解除を確実に行えるようにしたものである。
【0018】
また、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜3のいずれかの取付装置100について、その係合解除部材30を、取付部材10の支持孔11内または水栓本体40の内側に進退自在に嵌挿されるものとして構成するとともに、この係合解除部材30の外周面に、取付部材10または水栓本体40に形成した係止穴15・43または係止溝12に係止される係止部31を突出形成したことであり、これにより、係合解除部材30を取付部材10または水栓本体40側に結合させて、その紛失を防止するとともに、係合解除作業を明りが全くなくても行えるようにしたものである。
【0019】
さらに、請求項5に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜4のいずれかの取付装置100について、さらにリング状の係合具20をだ円状のものとして、水栓本体40の下部外周または取付部材10の支持孔11の下部内周に弾性的に嵌合させたことであり、これにより、係合具20による取付部材10と水栓本体40との結合をより確実に行えるようにしたものである。
【0020】
【発明の作用】
以上のように構成した各発明の作用について以下に説明するが、各実施例に示した取付装置100は、上記請求項の発明を次のように実質的に含むものであるから、それぞれの実施例に係る取付装置100の作用を、その取付・取外し施工を含めて項を分けて説明することにより、各発明の作用説明とする。
【0021】
・実施例1に係る取付装置100について
図1〜図9には、本発明の第1実施例である取付装置100が示してあり、この取付装置100においては、縮径自在なリング状の係合具20を水栓本体40の下部外周面に嵌合させたものである。すなわち、この取付装置100を構成する係合具20は、例えば図8の(イ)に示したように、弾性材料によって切断部21を有するリング状のものとしてあるから、その内径が水栓本体40の外径よりも小さなものであっても、この係合具20を水栓本体40の下端から強制的に嵌め込んで係止溝41まで移動させれば、この係合具20は拡径されて水栓本体40側の係止溝41内に簡単に嵌合し得るのである。そして、係合具20は、これに切断部21を入れたものとしてあるから、この切断部21により縮径または拡径が可能となっている。
【0022】
水栓本体40の係止溝41内に嵌合された係合具20は、図3の(イ)に示したように、それ自身の弾性力によって縮径するから、これを無理に拡径しない限り係止溝41内から外れることはない、つまり水栓本体40と結合されたままの状態を維持することになるのである。この場合において、この係合具20は、図3の(イ)及び図4の(ハ)に示したように、水栓本体40の外周面から当該係合具20の幅の半分程度の高さで突出しているのであり、この係合具20の突出した部分によって、特に図4の(ハ)において詳記したように、水栓本体40の取付部材10に対する結合がなされるのである。
【0023】
一方、シンク台や洗面化粧台の天板等の水栓取付部50に対しては、図1〜図3に示すように、水栓本体40を取付けるための取付部材10が固定されるのであるが、この取付部材10は上端にフランジ13を有しているから、このフランジ13が上端になるようにして、当該取付部材10を図3の(イ)等において示したように、水栓取付部50に形成した穴内に挿入するのである。そして、この取付部材10の下端から取付ナット14を螺着すれば、この取付部材10の水栓取付部50に対する取付は完了する。この取付部材10の下端には、後述する係合解除部材30が取付けてあるが、この係合解除部材30のフランジ35の外径は、取付部材10の外径と同じかそれ以下としてあるから、上記した取付ナット14の取付作業に対してこの係合解除部材30が邪魔になることはない。
【0024】
この取付部材10の水栓取付部50に対する取付前であっても、また取付後であっても、この取付部材10の図示下端に係合解除部材30が取付けられるのであるが、この係合解除部材30は、図3及び図7に示すように、円筒状のものとして形成してあり、しかも図7の(イ)に示すように、その一部に軸方向の切断部33が形成してあるから、前述した係合具20と同様に縮径自在なものとなっている。従って、この係合解除部材30を取付部材10に取付けるには、取付部材10に形成してある支持孔11内に下方から縮径させながら強制嵌入するのである。実施例の取付部材10においては、図3の(イ)及び図4の(ハ)に示すように、その支持孔11の下端部の内径が当該係合解除部材30の上端部にある係止突起31を挿入しておくのに都合のよいように大径にしてあるため、この係合解除部材30の取付部材10に対する強制嵌入は全く無理なく行えるものである。
【0025】
また、この係合解除部材30の下端には、図3の(イ)に示したように、その基体部分の外径よりも大径となっているフランジ35が形成してあり、このフランジ35の位置は、図5の(イ)に示すように、当該係合解除部材30の係止突起31の上端が取付部材10の係止溝12の上端に位置する直前に取付部材10の下端に当接するような場所としてあるため、この係合解除部材30の下端の手のひら等で押してやれば、取付部材10の支持孔11の所定位置に簡単に取付けられるのである。
【0026】
取付部材10の支持孔11に取付けられた後の係合解除部材30にあっては、図3の(イ)に示したように、それ自身の弾性力によって拡径することになり、その上端に形成してある係止突起31の下端の係合段部34が、取付部材10側の係止溝12に形成してある係止段部12aに自動的に係合することになるのである。この場合、実施例の取付部材10においては、図6の(ロ)及び(ハ)に示したように、係止溝12に連通する四角形状の係止穴15が左右一対してあって、これら係止穴15内に嵌合し得るように、係合解除部材30の上端に形成してある各係止突起31も、図7の(イ)に示すように、四角形状の左右一対のものとしてある。これにより、各係止突起31が取付部材10側の係止穴15内に係合し易くしてあるのであるが、その位置は、取付部材10に対して嵌入した係合解除部材30を「カチッ」という音がするまで回転することにより簡単に決定し得るものである。
【0027】
以上のようにしておけば、この第1実施例に係る取付装置100においては、図3の(イ)を代表して示したように、これを構成している係合具20は水栓本体40側に結合されており、係合解除部材30は取付部材10側に結合されているのであるから、これらの係合具20や係合解除部材30はバラバラになることはなく、紛失してしまうこともないのである。勿論、これらの係合具20や係合解除部材30は、水栓本体40を取付部材10に取付ける前に予めそれぞれ結合させておけば、施工現場で係合具20や係合解除部材30の取付作業を行わなくても済むことは当然である。
【0028】
さて、水栓本体40を取付部材10に取付ける作業であるが、係合具20を下部外周に取付けた水栓本体40を、水栓取付部50に取付けてある取付部材10の支持孔11内に、図3の(ロ)に示したように、単に差し込むことにより完了するのである。何故なら、まず、水栓本体40の下端を取付部材10の支持孔11内に、図3の(イ)に示したようにして挿入してからさらに押し込めば、係合具20の下端外周に形成してあるテーパ面22が支持孔11の上端縁に係合して当該係合具20を縮径するため、係合具20の外径は簡単に支持孔11の内径と一致することになり、この係合具20を取付けた水栓本体40は支持孔11内に嵌挿されるからである。
【0029】
そして、この水栓本体40の大径部44が取付部材10側のフランジ13上に載れば、図4の(イ)に示すように、その時係合具20が取付部材10側の係止溝12に丁度対向することになる。従って、この係合具20は、自身の弾性力によって、それまでの支持孔11より内径が広くなった取付部材10の係止溝12内で拡径することになり、その上端面が係止溝12の上面に係合することになるのである。なお、このとき、係合解除部材30の係止突起31が係止溝12の上方に位置していたとしても、支持孔11内を下がってきた係合具20によって下動されるため、図4の(ハ)に示すような位置に押し下げられるものである。
【0030】
以上のように、係合具20を外周に有した水栓本体40を取付部材10の支持孔11内に強制的に挿入すれば、図4の(ハ)に示したように、係合具20の内側の約半分は水栓本体40側の係止溝41内に係合したままであり、しかもこの係合具20の外側の約半分は取付部材10側の係止溝12内に係合したままとなるのである。換言すれば、その内側部分が水栓本体40の係止溝41内に上下動不能に係合したままにある係合具20の外側部分が取付部材10の係止溝12内に係合しているのである。これにより、水栓本体40の取付部材10に対する上方への抜け止めがなされているのである。勿論、水栓本体40の大径部44が取付部材10側のフランジ13上に載っていることにより、水栓本体40の図4に示した状態以上に下方へ動くことはないことは当然であり、結果として、この水栓本体40は水栓取付部50に対してしっかりと固定されていることになるのである。
【0031】
ところで、この係合具20を、請求項5に係る発明のように、だ円状のものとして、水栓本体40の下部外周または取付部材10の支持孔11の下部内周に弾性的に嵌合させたものとしてあれば、図8の(ロ)に示したように、その大径部が取付部材10側の係止溝12内に納められることになり、その小径部は水栓本体40側の係止溝41内に完全に納められることになる。換言すれば、この場合の係合具20は、取付部材10側の係止溝12と水栓本体40側の係止溝41内に完全に同時に位置することになり、取付部材10の水栓本体40に対する位置保持を確実に行うのである。従って、この係合具20を係合具20を外形がだ円状となるものとし、かつその長径側の外径が取付部材10の支持孔11の径以上で、短径側の内径が支持孔11の径以下とした場合には、取付部材10の支持孔11に対する水栓本体40の取付けを確実に行えるのである。
【0032】
さて、この水栓本体40が注文品と異なっているため変換しなければならない場合、あるいはこの水栓本体40が古くなって交換しなければならない場合には、この水栓本体40を水栓取付部50から取外さなければならないが、その場合には、図5に示したように、係合解除部材30を図中の矢印で示したように上動させるのである。係合解除部材30の上端部には、四角形状の左右一対の係止突起31が形成してあって、これら各係止突起31の上部内端面には、係合具20側のテーパ面22と当接し得るテーパ面42が形成してあるから、係合解除部材30が上動されると、そのテーパ面42が係合具20側のテーパ面22を押動してこの係合具20を縮径させるのである。このとき、各係止突起31は係合解除部材30の上端に形成してあって係合解除部材30から独立したものではないから、これら自身が拡径されることはなく、係合具20の縮径を確実に行うものである。
【0033】
以上のことによって、図5の(ハ)に示したように、その外径が取付部材10の支持孔11の内径以下のものとなって、取付部材10と水栓本体40間には両者を結合させるものが無くなるから、水栓本体40は取付部材10から簡単に出せることになるのである。
【0034】
従って、この水栓本体40の取付部材10からの取外し作業は簡単に行えるのであり、取外した後の水栓本体40においてはその外周に係合具20が取付けられたままとなる。係合解除部材30も、取付部材10側に取付けられたままとなるのであり、これらの係合解除部材30及び係合具20は紛失することはないのである。
【0035】
特に、この取付装置100においては、従来は紛失し易すかった係合具20が水栓本体40側に取付けられているものであり、係合解除部材30も取付部材10側に取付けられているものでるから、その紛失を心配することがないことは前述した通りである。しかも、これらの係合具20や係合解除部材30は、水栓本体40の取付部材10に対する取付作業時等において、これを水栓本体40や取付部材10に改めて取付けなければならないというものではないから、従来のもののような取付場所を探すという作業は全く不要となっているのである。換言すれば、この取付装置100においては、係合具20は勿論のこと、係合解除部材30についても、その存在確認や取付場所の確認等の注意を、全く払わなくてもよいものとなっているのである。
【0036】
しかも、この取付装置100においては、水栓本体40を取付部材10から取外す作業を暗闇でも行えるものとなっているのである。何故なら、係合解除部材30は、そのフランジ35が、手探ぐりでも容易に確認できる取付部材10の下端に突出しているのであり、位置決めされるものだからである。しかも、係合具20も水栓本体40の下部外周に取付けられたままであるから、この係合具20に対して何等操作をする必要がないからである。
【0037】
・実施例2に係る取付装置100について
図10〜図12に示した本発明の第2実施例である取付装置100は、上記請求項1に係る取付装置100と、その係合具20が、水栓本体40の取付部材10からの取外しに際して拡径されるものである点が異なっているものである。そのために、この係合具20は、図10に示したように、取付部材10の係止溝12内に予め嵌合されているものであり、取付け前の水栓本体40側には取付けられないものである。換言すれば、この請求項2に係る取付装置100は、水栓本体40とは全く無関係に、図10に示したように、取付部材10自体に係合具20と係合解除部材30とを予め取付けておけるものであり、これら三つの構成部材を互いに離れないように一まとめのものとしておけるものである。そして、係合具20は、これに切断部21を入れたものとしてあるから、この切断部21により縮径または拡径が可能となっている。
【0038】
さて、このように一まとめとなった取付装置100を、図10に示したように、水栓取付部50の所定箇所に取付けておいて、その取付部材10の支持孔11内に水栓本体40を挿入するのである。水栓本体40が挿入される前の係合具20は、その内側部分が支持孔11内に突出したものとなっているが、挿入されてきた水栓本体40の下端外周面にはテーパ面42が形成してあるから、このテーパ面42によって係合具20は拡径されることになり、水栓本体40は簡単に支持孔11内に挿入される。
【0039】
水栓本体40の大径部44が取付部材10側のフランジ13上に載せられた時には、図11に示したように、係合具20が水栓本体40の外周に形成してある係止溝41に対向することになり、この係合具20がそれ自身の弾力性によって縮径するから、この係合具20はその内側の約半分が水栓本体40の係止溝41内に嵌入することになる。従って、水栓本体40はこの係合具20の存在によって、取付部材10の支持孔11内にしっかりと抜け止めされるのである。
【0040】
これに対して、水栓本体40を取付部材10から取外すには、実施例1の取付装置100の場合と同様に、取付部材10の下端に組付けてある係合解除部材30を、図12に示したように上動させるのである。この係合解除部材30の上端には、上端外側面にテーパ面32が形成してある係止突起31が一体的に形成してあるから、この係止突起31の上動に伴ってそのテーパ面32が係合具20の下部内面に形成してあるテーパ面22を押動するため、この係合具20は取付部材10の係止溝12内にて拡径するのである。そして、係合具20の内径が、図12に示したように、取付部材10の支持孔11の径と同じになれば、水栓本体40はそのまま上方へ簡単に引き出せることになるのである。
【0041】
この取付装置100においても、従来は紛失し易すかった係合具20が水栓本体40側に取付けられているものであり、係合解除部材30も取付部材10側に取付けられているものでるから、その紛失を心配することがないことは前述した通りである。しかも、これらの係合具20や係合解除部材30は、水栓本体40の取付部材10に対する取付作業時等において、これを水栓本体40や取付部材10に改めて取付けなければならないというものではないから、従来のもののような取付場所を探すという作業は全く不要となっているのである。換言すれば、この取付装置100においては、係合具20は勿論のこと、係合解除部材30についても、その存在確認や取付場所の確認等の注意を、全く払わなくてもよいものとなっているのである。
【0042】
しかも、この取付装置100においても、水栓本体40を取付部材10から取外す作業を暗闇でも行えるものとなっているのである。何故なら、係合解除部材30は、そのフランジ35が、手探ぐりでも容易に確認できる取付部材10の下端に突出しているのであり、位置決めされるものだからである。しかも、係合具20も水栓本体40の下部外周に取付けられたままであるから、この係合具20に対して何等操作をする必要がないからである。
【0043】
13〜図15に示した取付装置100では、その係合解除部材30を水栓本体40の下端部内側に取付けたものである点が、上記の実施例1または2に係る取付装置100とは異なっているものである。この取付装置100を構成している係合解除部材30は、図13に示したように、その基体部分の上面に、合計4本の係止突起31を一体的に形成したものであり、これら各係止突起31の先端は、図13〜図15に示したように、水栓本体40の下部に形成した係止穴43内に挿入されることになるものである。
【0044】
すなわち、この係合解除部材30は、水栓本体40の略中心に給水管や給湯管を挿通するための孔が形成してあるのであるが、この孔を利用して水栓本体40の下端に取付けられるものであり、その各係止突起31の外端は水栓本体40側の各係止穴43に係止されるものである。そして、この係合解除部材30の下端に形成してあるフランジ35の外径は水栓本体40の下端の外径以下のものとなっているのである。
【0045】
一方、この取付装置100における係合具20は、図14及び図15に示したように、取付部材10の支持孔11の内側に形成してある係止溝12内に拡径自在に嵌合してあるので、取付部材10に結合したものとなっている。そして、この係合具20の上端内側には、水栓本体40の下端部外側のテーパ面42と係合解除部材30側の係止突起31に形成してあるテーパ面32とに係合するテーパ面22が形成してあって、水栓本体40が取付部材10の支持孔11内に挿入されたとき、係止溝12内にて拡径して水栓本体40の挿入を可能にするものである。
【0046】
これに対して、取付部材10から水栓本体40を取外す場合には、図15に示したように、係合解除部材30を水栓本体40の下端から引き下げるのである。これにより、係合解除部材30の各係止突起31におけるテーパ面32が係合具20側のテーパ面22を外方に押すことになって、係合具20は拡径されるのであり、水栓本体40は取付部材10から引き抜き可能となるのである。
【0047】
【実施例】
以上の各発明を図面に示した二つの実施例に係る取付装置100について説明するが、各実施例において共通する部材については、図面中に代表的な同一符号を付してその詳述を省略する。
【0048】
・実施例1に係る取付装置100について
前述した通り、図1〜図9には、第1実施例に係る取付装置100が示してあり、この取付装置100を利用することにより、図1及び図2に示したように、水栓本体40は水栓取付部50に固定されるものである。この水栓本体40には、水栓取付部50の下側に配管されてくる給水管や給湯管に接続されるものであるが、そのためにこの水栓本体40の中心には、図3の(イ)あるいは図9等に示したように、給水管等を接続するための孔が形成してある。また、この水栓本体40の下端部は、取付部材10の支持孔11内に挿入されるものであるが、その途中に形成してある大径部44が取付部材10上に当接することにより、それ以上の支持孔11内への挿入が規制されるものである。そして、この水栓本体40の下部外周には、取付装置100を構成する係合具20が収納または係合するための係止溝41を形成してあるが、図13に示すような実施例3に係るものの場合には、係合解除部材30のための係止穴43が形成されることもあるものであり、下端外周には取付部材10の支持孔11内への挿通等を容易にするためのテーパ面42が形成してある。
【0049】
さて、取付装置100は、以上の水栓本体40を実質上支持する取付部材10と、この取付部材10側かあるいは上記水栓本体40側に取付けられるリング状の係合具20と、この係合具20を縮径または拡径してその係合を解除する係合解除部材30とを備えたものである。これらの各部材の材料は適宜選定し得るが、取付部材10は水栓本体40を支持するものであることから硬質の合成樹脂材料によって、また係合具20や係合解除部材30はある程度の弾力性を有したものとする必要上、一般的な軟質の合成樹脂を材料としたものである。
【0050】
取付部材10は、図1、図2及び図3の(イ)等において示したように、水栓本体40を水栓取付部50に取付けるためのものであり、その内部には水栓本体40の外径と略同一の径を有する支持孔11が形成してある。この支持孔11の下端に近い内側には、後述する係合具20を係合するための係止溝12が円環状に形成してあり、この係止溝12の下端は係止段部12aとしてある。換言すれば、取付部材10の支持孔11は、この係止段部12aより下方部分が他の部分より大径となるようにしてあり、この係止段部12aより下方部分の支持孔11に後述する係合解除部材30を支持し易くしてあるのである。
【0051】
また、この実施例に係る取付部材10にあっては、図6の(ロ)及び(ハ)に示すように、係止溝12を外部に連通させるための係止穴15が左右一対のものとして形成してある。この係止穴15は、後述する係合解除部材30の係止突起31が係止される部分であり、その係止を十分行える程度の大きさの四角形状のものとしてある。この取付部材10は、天板等の水栓取付部50に形成した穴に挿通してこれに係止されるものであるため、その上端にはフランジ13が形成してあり、またこの取付部材10は、図1及び図2に示したように、取付ナット14を締着することにより水栓取付部50に対する固定が行われるものであるため、図6の(ハ)に示したように、そのフランジ13より下方部分の外周には取付ナット14のためのネジ部が形成してある。なお、この取付部材10は、これに対する水栓本体40の回り止めを行わなければならないから、図6の(イ)に示すように、水栓本体40の大径部44側に形成した図示しない突起が係合する係合凹所13aがフランジ13に形成してある。
【0052】
係合具20は、取付部材10の支持孔11内に挿入された水栓本体40の取付部材10に対する抜け止めを行うものであって、図3の(イ)に示したように水栓本体40側の係止溝41に取付けられることもあり、また後述の実施例2を示す図10のように、取付部材10側の係止溝12に取付けられることもあるものである。いずれにしても、この係合具20は、円環状の係止溝12または41内に嵌合されるものであるから、図8に示すように、切断部21を入れた円環状、つまりリング状のものとしてある。勿論、この係合具20は、弾力性を有したものであり、その切断部21の存在によって縮径または拡径自在なものとなっている。この縮径または拡径という表現は、当該係合具20による係合解除が、係合具20の外形を縮めて行うのか拡げて行うかに着目して区別しているもので、切断部21が存在していれば、係合具20の縮径と拡径はいずれも可能なものである。
【0053】
この係合具20の縮径または拡径は、係合具20の係合解除部材30による押動によってなされるものであり、その作動が確実になされるようにするために、当該係合具20には係合解除部材30によって押動されるテーパ面22が形成してある。このテーパ面22の形成位置及び形状は、当該係合具20と係合解除部材30とがどのような位置関係にあるかによって種々変更されるものであり、当該実施例1の取付装置100においては、特に図4の(ハ)において明瞭にしているように、係合具20の下端外周面にテーパ面22を形成しているのである。なお、切断部21の長さは、この係合具20の縮径または拡径が行えるのであれば、また通常時において取付部材10または水栓本体40側にしっかりと取付けられるのであれば、図8の(イ)に示した程度のものに限らず、適宜変更し得るものである。
【0054】
また、この係合具20は、通常時は勿論、縮径時にも拡径時にも取付部材10側の係止溝12または水栓本体40側の係止溝41内に取付けておかなければならないものであるから、当該実施例の係合具20においては、例えば図4の(ハ)に明示したように、テーパ面22と反対側の端面を軸方向に対して直交するものとしてあり、ここを係合段部23としてあるものである。この係合段部23によって、切口が直角になっている取付部材10側の係止溝12または水栓本体40側の係止溝41にしっかりと係合するのである。
【0055】
さらに、この係合具20を真円に近いリング状のものとしてもよいが、図8に示したように、係合具20をだ円状のものとして、水栓本体40の下部外周または取付部材10の支持孔11の下部内周に弾性的に嵌合してもよい。この場合には、当該係合具20によって、取付部材10に対する水栓本体40の抜け止めを行った際、その一部が取付部材10側の係止溝12内に入るとともに、他の一部が水栓本体40側の係止溝41内に入ることになって、当該係合具20が水栓本体40側の係止溝41内に弾性的に嵌合することになる。従って、当該係合具20は、常に水栓本体40側の係止溝41内に弾力的に支持されることになって、取付部材10に対する水栓本体40の抜け止めを確実に行うことができて有利となるからである。
【0056】
また、このようなだ円状の係合具20とした場合には、その長径側端部または短径側端部に力を加えるだけで、当該係合具20の縮径または拡径を簡単に行うことができるのである。以上のことは、だ円形状の係合具20を取付部材10側に嵌合した場合も同様である。
【0057】
係合解除部材30は、図3の(イ)及び図7に示したように、軸方向の切断部33を有する円筒状のものであり、その内径は取付部材10側の支持孔11と略同一のものとしてある。従って、この係合解除部材30は、切断部33の存在及び自身の弾性力によって縮径または拡径自在なものとなって、この係合解除部材30を取付部材10の下部等に取付けるに際しては、縮径されるものであり、その加えられた力が無くなれば、図3の(イ)等に示したように、取付部材10の下部に弾発的に保持されるものである。
【0058】
この係合解除部材30の上端縁の一部には、図3の(イ)及び図7の(イ)に示したように、外周にテーパ面32を有した係止突起31が四角形状のものとして左右一対形成してある。各係止突起31は、前述した取付部材10側の図6の(ハ)に示した係止穴15内に内側から係合するものであり、これにより、当該係合解除部材30の取付部材10に対する取付けがなされるものである。また、これら各係止突起31の外方下端には、図7の(ロ)の左側部分において示したように、取付部材10側の係止溝12における係止段部12a上に係合する係合段部34が形成してある。この係合段部34は取付部材10側の係止段部12aに係合させなければならないから、係止段部12aと同様に、係合解除部材30の軸方向に対して直交するものとしてある。勿論、これらのテーパ面32及び係合段部34を有した各係止突起31は、係合解除部材30の上端縁にて円環状に連続したものとして一体的に形成して実施してもよいものであり、その場合には、例えば取付部材10側を厚く形成して係止穴15を無くせばよいものである。
【0059】
この係合解除部材30は、円筒状のものとしてあるから、その内側には穴30aが存在しており、この穴30aは、当該係合解除部材30が取付部材10の下端に取付けられたとき、取付部材10側の支持孔11と略同径のものとなるものである。そして、この穴30aには、係合解除部材30の上部内側に形成してある案内テーパ面36が連続しているものであり、この案内テーパ面36によって取付部材10側の支持孔11内に挿入された水栓本体40の下端を円滑に案内するのであって、水栓本体40の取付部材10に対する挿入が簡単に行えるようにしてある。一方、この係合解除部材30の下端には、図7の(ロ)に示したように、取付部材10の外形以下であって取付部材10の支持孔11より大きい径のフランジ35が一体的に形成してあるのであり、このフランジ35が、当該係合解除部材30を取付部材10の下端に強制的に挿入したときのストッパの役割を果たすものである。
【0060】
なお、この係合解除部材30のフランジ35と、取付部材10の下端との間に、図3の(イ)に示したように、両者を弾発的に離間するスプリング60を介装することもある。このスプリング60は、例えば係合解除部材30を図示上方へ押動して、係合具20の拡径または縮径を行った後に、この係合解除部材30が図3の(イ)に示した状態に自動復帰させるものであり、当該取付装置100による取付部材10と水栓本体40との結合を安定化させることのできるものである。
【0061】
・実施例2に係る取付装置100について
図10〜図12には本発明の第2実施例に係る取付装置100が示してあるが、この取付装置100の前述した実施例1のそれと異なる点は、係合具20を水栓本体40側ではなくて取付部材10側に取付けたことである。そして、その他は実施例1の取付装置100と共通する部分が多いので、共通する部材について図面中に同一符号を付してその説明を省略し、異なる点を中心に説明すると、次の通りである。
【0062】
まず、この係合具20は、係合解除部材30側の係合段部34内に取付けられるものであり、何等の力も加えなければ、係合解除部材30内にて図10に示した状態となっているものである。すなわち、この係合具20は、図10に示した状態にあるときに、その上面の略中心に取付部材10側の係止溝12を形成している内端縁が当接するのであり、これにより、係止溝12からの抜け止めがなされているものである。そして、この係合具20は、図10に示したように、取付部材10の上方から水栓本体40が挿入されてきたときには、この水栓本体40の下端のテーパ面42によって拡径されるものである。
【0063】
また、この係合具20の下端内面にはテーパ面22が形成してあり、このテーパ面22が図11に示したように、下方から押動されてきた係合解除部材30のテーパ面32に係合するのであり、係合解除部材30がさらに挿入されれば、図12示したように拡径されるのである。換言すれば、取付部材10の係止溝12内に取付けられた係合具20に何等の力も加えられていなければ、この係合具20の外側には、図10に示したような拡径のための空間が確保できるように、係合具20及び係止溝12の大きさが決められているのである。
【0064】
13〜図15には、別の取付装置100が示してあるが、この取付装置100の上記実施例1及び2のそれと異なる点は、係合解除部材30が水栓本体40の下端に取付けられるようにしたことである。すなわち、この取付装置100における係合解除部材30は、図13に示したように、その基部の上端に突出する複数の係止突起31を一体的に形成したものであり、これら各係止突起31は、水栓本体40側に形成した係止穴43内に係合されるものである。勿論、水栓本体40側の各係止穴43は、水栓本体40を取付部材10に対して結合させたとき、図14及び図15に示したように、取付部材10側の係止溝12と同一位置に位置するものとなるように形成したものである。
【0065】
また、各係止突起31の外方下面には、図13等において示したようにテーパ面32が形成してあり、このテーパ面32に当接する係合具20側のテーパ面22は、図14及び図15に示したように、係合具20の上端縁内側に形成してあるのである。
【0066】
勿論、この取付装置100を構成している係合解除部材30は、図14に示したように、水栓本体40の下端に取付けた状態で、取付部材10の支持孔11内に水栓本体40とともに挿入されることもあるものであるから、その下端に設けたフランジ35の外径は支持孔11の径よりも小さくなるようにしてある。
【0067】
【発明の効果】
以上、詳述した通り、まず請求項1に係る発明においては、上記実施例にて例示した如く、
「水栓本体40を水栓取付部50に取付けるための取付装置100であって、 この取付装置100を、水栓本体40を差し込むための支持孔11を有して水栓取付部50に固定される取付部材10と、この取付部材10の支持孔11に挿入された水栓本体40の結合を行うべく弾性材料によってリング状に形成され、水栓本体40の下部外周に縮径自在に嵌合されて、常態では支持孔11の径より外径が大なる係合具20と、この係合具20による水栓本体40と取付部材10との結合を解除すべく、取付部材10の下端に支持した係合解除部材30とにより構成するとともに、
係合具20は、これに切断部21を入れたものとして、この切断部21により当該係合具20の縮径または拡径を可能にしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、リング状に形成した係合具を水栓本体の下部外周に縮径自在に取り付け、この係合具によって水栓本体の取付部材に対する結合を行うようにして、水栓の取付作業時における係合具の紛失を防止することができて、結果として水栓の取付作業を短時間内に確実にかつ容易に行えるようにすることのできる取付装置を提供することができるのである。
【0068】
また、請求項2に係る発明においては、
「水栓本体40を水栓取付部50に取付けるための取付装置100であって、 この取付装置100を、水栓本体40を差し込むための支持孔11を有して水栓取付部50に固定される取付部材10と、この取付部材10の支持孔11に挿入された水栓本体40の結合を行うべく弾性材料によってリング状に形成され、取付部材10の支持孔11の下部内周に拡径自在に嵌合されて、常態では支持孔11の径より内径が小なる係合具20と、この係合具20による水栓本体40と取付部材10との結合を解除すべく、取付部材10または水栓本体40の下端に支持した係合解除部材30とにより構成するとともに、
係合具20は、これに切断部21を入れたものとして、この切断部21により当該係合具20の縮径または拡径を可能にした成したこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、係合具を水栓本体を水栓取付部に取付けるための取付部材側に拡径自在に取り付けて、この係合具の紛失を防止し、水栓の取付作業を短時間内に確実かつ容易に行えるようにすることのできる取付装置を提供することができるのである。
【0069】
さらに、請求項3に係る発明においては、上記請求項1または2に係る取付装置100について、その係合具20に、係合解除部材30側のテーパ面32に当接するテーパ面22を形成したので、請求項1または2に係る発明と同様な効果を発揮できる他、この係合具20の係合解除時における縮径または拡径を確実に行うことができるのであり、水栓本体40の交換または交換作業をより一層確実かつ簡単に行うことのできる取付装置100とすることができるのである。
【0070】
さらにまた、請求項4に係る発明においては、上記請求項1〜3に係る取付装置100について、その係合解除部材30を、取付部材10の支持孔11内または水栓本体40の内側に進退自在に嵌挿されるものとして構成するとともに、この係合解除部材30の外周面に、取付部材10または水栓本体40に形成した係止穴15・43または係止溝12に係止される係止部31を突出形成したことにその特徴があり、これにより、請求項1〜3の発明と同様な効果を発揮できる他、係合解除部材30自体の操作を簡単に行える取付装置100とすることができるのである。
【0071】
そして、請求項5に係る発明においては、上記請求項1〜4に係る取付装置100について、その係合具20をだ円状のものとしたことにその特徴があり、これにより、請求項1〜4の発明と同様な効果を発揮することができる他、水栓本体40と取付部材10との結合をより確実に行える取付装置100とすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る取付装置によって、水栓本体を水栓取付部側の取付部材に取付けた状態を示す部分正面図である。
【図2】同一部破断側面図である。
【図3】実施例1に係る取付装置によって水栓取付部側の取付部材に水栓本体を取付けようとしている状態を示すもので、(イ)は取付装置の断面図、(ロ)は斜視図である。
【図4】同取付装置によって取付部材と水栓本体とを結合させたときを示すもので、(イ)はその断面図、(ロ)はその斜視図、(ハ)は(イ)の要部拡大断面図である。
【図5】同取付装置による結合を解除するときの状態を示すもので、(イ)は取付装置の断面図、(ロ)は斜視図、(ハ)は(イ)の要部拡大断面図である。
【図6】同取付装置を構成する取付部材を示すもので、(イ)はその平面図、(ロ)は(イ)中の1−1線に沿ってみた縦断面図、(ハ)は正面図である。
【図7】同取付装置を構成する係合解除部材を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)中の2−2線に沿ってみた縦断面図である。
【図8】同取付装置を構成する係合具の一例を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は取付部材と水栓本体間に介装させたときの平面図である。
【図9】取付部材に取付けられるべき水栓本体を示すもので、(イ)はその部分破断正面図、(ロ)は平面図である。
【図10】本発明の実施例2に係る取付装置の断面図である。
【図11】同取付装置であって、取付部材と水栓本体とを結合させたときの状態を示す断面図である。
【図12】同取付装置であって、取付部材と水栓本体との結合を解除するときの状態を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例3に係る取付装置を構成する係合解除部材と、これが取付けられる水栓本体との斜視図である。
【図14】同取付装置であって、取付部材と水栓本体とを結合させたときの状態を示す部分断面図である。
【図15】同取付装置であって、取付部材と水栓本体との結合を解除したときの状態を示す部分断面図である。
【図16】従来の取付装置を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
100 取付装置
10 取付部材
11 支持孔
12 係止溝
12a係止段部
13 フランジ
13a位置決め穴
14 取付ナット
15 係止穴
20 係合具
21 切断部
22 テーパ面
23 係合段部
30 係合解除部材
31 係止突起
32 テーパ面
33 切断部
34 係合段部
35 フランジ
36 案内テーパ
40 水栓本体
41 係止溝
42 テーパ面
43 係止穴
44 大径部
50 水栓取付部
60 スプリング

Claims (5)

  1. 水栓本体を水栓取付部に取付けるための取付装置であって、
    この取付装置を、前記水栓本体を差し込むための支持孔を有して前記水栓取付部に固定される取付部材と、この取付部材の支持孔に挿入された前記水栓本体の結合を行うべく弾性材料によってリング状に形成され、前記水栓本体の下部外周に縮径自在に嵌合されて、常態では前記支持孔の径より外径が大なる係合具と、この係合具による前記水栓本体と取付部材との結合を解除すべく、前記取付部材の下端に支持した係合解除部材とにより構成するとともに、
    前記係合具は、これに切断部を入れたものとして、この切断部により当該係合具の縮径または拡径を可能にしたことを特徴とする水栓の取付装置。
  2. 水栓本体を水栓取付部に取付けるための取付装置であって、
    この取付装置を、前記水栓本体を差し込むための支持孔を有して前記水栓取付部に固定される取付部材と、この取付部材の支持孔に挿入された前記水栓本体の結合を行うべく弾性材料によってリング状に形成され、前記取付部材の支持孔の下部内周に拡径自在に嵌合されて、常態では前記支持孔の径より内径が小なる係合具と、この係合具による前記水栓本体と取付部材との結合を解除すべく、前記取付部材または水栓本体の下端に支持した係合解除部材とにより構成するとともに、
    前記係合具は、これに切断部を入れたものとして、この切断部により当該係合具の縮径または拡径を可能にしたことを特徴とする水栓の取付装置。
  3. 前記リング状の係合具の端縁に、前記係合解除部材の先端部に形成してあるテーパ面によって押動されたとき、当該係合具を縮径または拡径するためのテーパ面を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取付装置。
  4. 前記係合解除部材を、前記取付部材の支持孔内または前記水栓本体の内側に進退自在に嵌挿されるものとして構成するとともに、この係合解除部材の外周面に、前記取付部材または水栓本体に形成した係止穴または係止溝に係止される係止部を突出形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の取付装置。
  5. 前記リング状の係合具をだ円状のものとして、前記水栓本体の下部外周または前記取付部材の支持孔の下部内周に弾性的に嵌合させたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の取付装置。
JP10543095A 1995-04-28 1995-04-28 水栓の取付装置 Expired - Fee Related JP3613718B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10543095A JP3613718B2 (ja) 1995-04-28 1995-04-28 水栓の取付装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10543095A JP3613718B2 (ja) 1995-04-28 1995-04-28 水栓の取付装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08302769A JPH08302769A (ja) 1996-11-19
JP3613718B2 true JP3613718B2 (ja) 2005-01-26

Family

ID=14407387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10543095A Expired - Fee Related JP3613718B2 (ja) 1995-04-28 1995-04-28 水栓の取付装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3613718B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105569128B (zh) * 2015-12-03 2017-11-17 宁波奥雷士洁具有限公司 一种用于水龙头的台上式快速安装方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08302769A (ja) 1996-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5080405A (en) Corrugated pipe coupling
EP0640894B1 (en) Connection of a band to a watch case
US5607193A (en) Tube couplings
AU715406B2 (en) Push-fit tube couplings
JPH09503574A (ja) 一体のリリース部材を有するクイックコネクタ
JPH02127887U (ja)
JP2006329225A (ja) 管継手
JP3613718B2 (ja) 水栓の取付装置
JPH0121394B2 (ja)
US3432194A (en) Device for attaching a dental hand tool of the slip joint type
JP2002502483A (ja) 管状部材を相互接続するためのコネクタ
JP3451229B2 (ja) 管継手
JPS5881293A (ja) 管継手における係止体
JP4926566B2 (ja) 水道蛇口と給水ホースとの連結用ホルダー装置
JP2008138690A (ja) 回転部品の取付機構
KR100855143B1 (ko) 원-터치 배관 연결구
JP3602358B2 (ja) 水栓用ハンドル
JP3090627B2 (ja) 管継手
JP2003083492A (ja) 分岐配管用ヘッダー
JPH024728Y2 (ja)
JPS60208689A (ja) 管継手
EP1724511B1 (en) Quick connector with a retainer
JPH11257562A (ja) 波付管用継手
JP2002013683A (ja) 管継手
JPH0616206Y2 (ja) 管継手

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20031210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041012

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041020

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071112

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111112

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees