JP3613182B2 - 折畳み画架 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開脚した状態でキャンバス等の画材や種々の掲示板等を傾斜状に載置し、折り畳んだ状態で収納及び携帯を容易とした折畳み画架に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にイーゼルと称せられている画架は、絵を書くときにキャンバス等の画材を傾斜状態に保持するために使用するものである。
【0003】
このような画架には種々のものがあるが、四脚による従来の画架について説明すると、この画架は、図8(a) に示すように、左右の支柱20、20が下方を開いた傾斜状態に設けられ、これらの支柱20、20を長さの異なる上桟21と下桟22で固定すると共に、左右の支柱20、20の途中に左右の脚柱23、23の各上端をヒンジ金具28で回動自在に接合し、左右の脚柱23、23の下部を横桟24で固定した構成とし、該横桟24の高さは左右の支柱20、20の下桟21と同様の高さとしている。
【0004】
なお、左右の支柱20、20の下端は、支柱台29によって固定支持されている。
【0005】
また、左右の支柱20、20には、受け部材25を挿着するための複数の穴26、26…が上下方向に沿って形成され、キャンバス等の画材を掛止するようにしている。
【0006】
このような構成において、左右の脚柱23、23は左右の支柱20、20に対して開度を自在に開脚するもので、図8(b) に示すように、別体の受棚27を左右の支柱20、20の下桟22と左右の脚柱23、23の横桟24とに掛けて、受棚27の下部で係止することによって左右の支柱20、20と左右の脚柱23、23との開脚を所定開度に固定するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の画架は、上記のように受棚27によって左右の支柱20、20と左右の脚柱23、23との開度を固定することができるが、この受棚27は左右の支柱20、20と左右の脚柱23、23との本体側とは別体に用意されているため、折畳んだ状態で画架を携帯したり、収納したりするのに面倒であり、組み立ての際にも手間がかかるという問題点を有するものであった。
【0008】
本発明は、以上の問題を解消するためになされたもので、本体と受棚とが一体的に構成された折畳み構造によって収納及び携帯を容易とした折畳み画架を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明の請求項1の折畳画架は、所定間隔をあけて平行に設けられた左右の支柱を上桟と下桟とで固定すると共に、これら左右の支柱の途中に左右の脚柱を回動自在に接合して該左右の脚柱が平行に間隔をあけるように横桟で固定した構成により前記左右の支柱に対して前記左右の脚柱を折畳み可能にした折畳み画架において、前記左右の脚柱間の所定高さに受棚の後端両部を回動自在に接合すると共に、該受棚の左右の下部の奥行き方向に間隔を開けて複数の凹部が設けられ、さらに前記左右の支柱間の所定高さに下桟が固設され、前記受棚の左右に設けられた複数の凹部から選択した凹部を前記左右の支柱間の下桟に嵌合することにより、前記左右の支柱に対する前記左右の脚柱の開度を調整して固定状態に開脚させ、又は前記受棚の左右の凹部を前記下桟から外すことによって該受棚を前記左右の脚柱間に収容して平状に折り畳むようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2の折畳み画架は、請求項1において、前記左右の支柱の前部には上下方向に所定の間隔で複数の穴が形成され、所望の左右の穴に挿着した受け部材にキャンバス等の画材を掛止するようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0013】
本発明による折畳み画架は、図1、2に示すように、所定間隔をあけて平行に設けられた左右の支柱2、2を上桟3と下桟4とで固定すると共に、これら左右の支柱2、2の途中に左右の脚柱5、5を回動自在に接合して該左右の脚柱5、5が平行に間隔をあけるように横桟6で固定し、左右の脚柱5、5間にて受棚7の後端両部を回動自在に接合して該受棚7の下部に形成した凹部8、8…を左右の支柱2、2の下桟4に嵌合することによって左右の支柱2、2と左右の脚柱5、5とを固定状態に開脚させる一方、受棚7を下桟4から外すことによって該受棚7を左右の脚柱5、5間に収容して平状に折り畳むようにしたものである。
【0014】
このような折畳み画架の構成について詳細に述べると、図5に示すように、左右の支柱2、2は同様の長さの長尺部材によって形成され、夫々の支柱2、2の上方と下方を互いに同じ長さの上桟3と下桟4とで固定することにより、左右の支柱2、2を平行に固定している。
【0015】
また、左右の支柱2、2の下部には支柱台14が固定されたことによって、左右の支柱2、2の離間幅を一定にする補強が成されている。
【0016】
また、図6に示すように、左右の支柱2、2の途中に接合した左右の脚柱5、5は、各支柱2よりは短尺であって、その上端を左右の支柱2、2の途中に蝶番または各種のヒンジ部材9によって回動自在に接合してあり、左右の脚柱5、5が平行に間隔をあけるように脚柱5、5の下部を横桟6で固定している。
【0017】
なお、夫々の脚柱5、5の上端は、図7に示すように開脚したときに夫々の支柱2、2の背面に沿うような傾斜を設けているが、これは意匠性の配慮であって必ずしも必要ではなく、円弧形等にしてもよい。
【0018】
受棚7は、図2または図3に示すように、左右の脚柱5、5間に納まる幅を有する平状の四角形であって、上部の左右方向に配列した複数の長尺板10、10…の下部両側を奥行き方向に受桟7a、7aで固定すると共に、左右の受桟7a、7aの夫々の下部における手前側(図1参照)に奥行部材11、11を固定した構成としている。
【0019】
この受棚7の後端両部に接合穴17、17(図3参照)を形成すると共に、左右の脚柱5、5の所定高さにも接合穴16、16(図2参照)を形成し、図5に示すように左右の夫々において互いの接合穴16、17に接合部材15、15を嵌合することによって左右の脚柱5、5に対して受棚7を回動自在に接合する。
【0020】
また、このような受棚7において、左右の奥行部材11、11には複数の凹部8、8…が所定間隔で切欠形成等によって設けられている。夫々の凹部8、8…は、左右の支柱2、2の下桟4に上方から嵌合し得る径を有するもので、図7に示すように、選択した左右の凹部8、8を下桟4に上方から嵌合することによって左右の支柱2、2に対する左右の脚注5、5の開度を設定し、固定した開脚状態にすることができる。
【0021】
上記の受棚7の構成において、図4に示すように、左右の受桟7a、7aと左右の奥行部材11、11を兼用した構成とすることも可能である。即ち、図4の受棚7は、図3の受棚7のように左右の受桟7a、7aと左右の奥行部材11、11とを別体にするのではなく、左右の受桟7a、7aを下方に突出して上記の凹部8を形成した奥行部材11、11としている。
【0022】
なお、受棚7は開脚した際の止め部材として機能すると共に、画材道具の載置台としても機能するため、開脚した際には受棚7を平行に固定し得るように、左右の脚柱5、5に対する受棚7の後部接合位置(接合部材15の取付け位置)と左右の支柱2、2に対する下桟4の固定位置を設定すべきである。
【0023】
また、図1に示すように、左右の支柱2、2の前部には上下方向に沿って所定間隔で複数の穴12、12…が形成され、所望の左右の穴12、12に挿着した受け部材13、13にキャンバス等の画材を掛止することができる。
【0024】
本考案による折畳み構造の画架は、上記のように構成されているため、受棚7の下部に形成した左右の奥行き部材11、11の凹部8、8を左右の支柱2、2の下桟4に上方から嵌合することによって左右の支柱2、2と左右の脚柱5、5とを所定開度で開脚させ、所望の左右の穴13、13に挿着した受け部材にキャンバス等の画材を掛止することができる。
【0025】
また、受棚7を下桟4から外すことによって左右の支柱2、2と左右の脚柱5、5とを折畳み、これらの脚柱5、5間に受棚7を収容して全体を平状に折り畳んだ状態にすることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、平行に設けられた左右の支柱に接合された左右の脚柱に受棚が回動自在に接合され、左右の支柱に対して左右の脚柱を開脚した際には、受棚の下部に形成した凹部を左右の支柱の下桟に嵌合することによって所定開度で開脚させることができ、受棚を下桟から外すことによって該受棚を左右の脚柱間に収容して全体を平状に折り畳んだ状態にすることが可能となる。
【0027】
従って、支柱と脚柱とから成る本体と受棚とが一体的に構成された折畳み構造によって、コンパクトな収納構造を得ることができ、簡単な折畳み作業によって収納及び携帯を容易とした折畳み画架を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による折畳み画架を開いた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明による折畳み画架の閉じた状態を示す平面図である。
【図3】本発明による折畳み画架の受棚の下方斜視図である。
【図4】本発明における受棚の他の構成を示す下方斜視図である。
【図5】本発明による折畳み画架の前面図である。
【図6】本発明による折畳み画架の後面図である。
【図7】本発明による折畳み画架を開いた状態を示す側面図である。
【図8】従来の折畳み画架の斜視図であり、(a) は受棚を外した状態、(b) は受棚を取り付けた状態を示す。
【符号の説明】
2…支柱
3…上桟
4…下桟
5…脚柱
6…横桟
7…受棚
7a…受桟
8…凹部
9…ヒンジ部材
10…長尺板
11…奥行部材
12…穴
13…受け部材
14…支柱台
15…接合部材
16…接合穴
17…接合穴

Claims (2)

  1. 所定間隔をあけて平行に設けられた左右の支柱を上桟と下桟とで固定すると共に、これら左右の支柱の途中に左右の脚柱を回動自在に接合して該左右の脚柱が平行に間隔をあけるように横桟で固定した構成により前記左右の支柱に対して前記左右の脚柱を折畳み可能にした折畳み画架において、前記左右の脚柱間の所定高さに受棚の後端両部を回動自在に接合すると共に、該受棚の左右の下部の奥行き方向に間隔を開けて複数の凹部が設けられ、さらに前記左右の支柱間の所定高さに下桟が固設され、前記受棚の左右に設けられた複数の凹部から選択した凹部を前記左右の支柱間の下桟に嵌合することにより、前記左右の支柱に対する前記左右の脚柱の開度を調整して固定状態に開脚させ、又は前記受棚の左右の凹部を前記下桟から外すことによって該受棚を前記左右の脚柱間に収容して平状に折り畳むようにしたことを特徴とする折畳み画架。
  2. 前記左右の支柱の前部には上下方向に所定の間隔で複数の穴が形成され、所望の左右の穴に挿着した受け部材にキャンバス等の画材を掛止するようにしたことを特徴とする請求項1記載の折畳み画架。
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