JP3613149B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車の薄肉化による車体軽量化の要望を満足させることができる焼付硬化性ならびに成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鋼での脱炭能力の向上により、良好な加工性を有する極低炭素鋼板の製造は容易になり、その需要も益々増加しつつある。この中でも、例えば特開昭59−31827号公報、および特開昭59−38337号公報などに開示されているTiとNbを複合添加した極低炭素鋼板は、極めて良好な加工性を有し、塗装焼付硬化(BH)特性を兼備し、溶融亜鉛めっき特性にも優れているので、重要な位置を占めつつある。しかしながら、そのときの焼付硬化量 (BH量) は、常温時効性との兼ね合いから35MPa 程度である。
【0003】
一方、成形性を確保しつつ高強度化を図るために、従来から多くの試みがなされてきた。特に、引張強度が340〜490MPa のクラスの極低炭素鋼板の場合には、鋼中にP,Si等を添加し、これらの元素による固溶体強化機構を利用して高強度化を図ってきた。
【0004】
たとえば、特開昭59−31827号公報、および特開昭59−38337号公報においては、TiとNbを添加した極低炭素鋼板に主にSiとPを添加し、引張強度で440MPa 級までの高強度冷延鋼板の製造方法が開示されている。
【0005】
従来は、このような強化元素としてはP、次いでSiが多用されている。これは、PやSiは固溶体強化能が非常に高く少量の添加で強度を上昇でき、かつ延性や深絞り性等の成形性の劣化量が少なく、コスト上昇も小さいためである。しかしながら、実際にはこれらの元素を用いて強度上昇を達成しようとすると強度と同様、降伏強度も同時に著しく上昇するため、面ひずみ等の面形状不良が発生するため自動車のパネルへの使用にあたっては制約される場合がある。また、溶融亜鉛めっきを行う場合には、Siを多量添加すると不めっき、Pを多量添加すると合金化処理性の遅延等の問題をそれぞれ発生し、添加量に事実上限界が存在していた。
【0006】
さらに、特開平2−111841号公報は、Tiを添加した極低炭素鋼に1.5%以上3.5%未満のMnを添加した焼付硬化性を有する加工性に優れた冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板を開示している。多量のMnの添加により、Ar変態点の低下による熱間圧延の操業安定性と金属組織の均一性を実現しようとしている。また、延性のさらなる向上を目的にCrやVを0.2〜1.0%まで添加することも開示している。
【0007】
しかし、この発明においてもBH量は通常のレベル(35MPa 程度)から逸脱するものではなく、これまで以上の高いBH量と常温非時効性を両立させるには至っていない。
【0008】
また、低降伏強度を有し、かつ常温非時効で高いBH量を有するフェライト相とマルテンサイト相を混在させた、いわゆるDual Phase鋼(DP鋼)については特開昭50−75113号公報、特開昭51−39524号公報に開示されている。しかしながら、平均r値が1.0程度と低く深絞り性に劣るという欠点を有する。
【0009】
これらの低炭素アルミキルド鋼を素材とした複合組織鋼板(DP鋼)に対して、特公平3−2224号公報および特公平3−21611号公報には、極低炭素鋼を素材とした複合組織鋼板が開示されている。これらは極低炭素鋼に多量のNbとB、さらにはTiを複合添加して焼鈍後の組織をフェライト相と低温変態生成相との複合組織とし高r値、高BH、高延性および常温非時効性を兼ね備えた冷延鋼板を得るものである。
【0010】
さらに、特公平6−65684号公報には、高深絞り性で常温非時効性の特性を有し100MPa という高いBH量を示す鋼板が開示されている。
以上のように、常温非時効で高いBH性を有し、優れた成形性を示す鋼板についていくつかの提案がなされているが、合金化溶融亜鉛めっきを行うCGLラインのような冷却速度の遅いラインにおいてより安定した特性を得るためには、低温変態相を生成する必要冷却速度ならびにMs点を制御するのに必要な化学組成の制御が必要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、自動車のパネル用に適した、r値が1.30以上、BH量が50MPa 以上と成形性およびBH特性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することである。
【0012】
より具体的には、地球環境問題を背景とした車体軽量化を促進するために、成形時は軟質でプレス成形後の塗装焼付工程にて高い焼付硬化性能を示し、かつ常温で非時効である鋼板、さらには、高r値の性能を有し深絞り成形性が優れ、冷却速度が遅い合金化溶融亜鉛めっきラインにおいても安定して複合組織鋼が得られる高張力鋼板を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意研究した結果下記の知見を見いだした。
【0014】
(i) 冷却速度の遅いCGLラインにおいて低温変態相を得るためには、低温変態相生成に必要な冷却速度ならびにMs点に影響を及ぼすMn、Cr、Moの少なくとも1種を添加し、その量を特定範囲に規定することで、このような冷却速度の遅い条件においても低温変態相が得られる。
【0015】
(ii)さらに、Ti, Nbを添加するとより高いr値を得ることができ、それらを複合添加し、複合組織鋼を得るためには、より高温での焼鈍が必要であるため、実用上複合組織鋼が得られない。
【0016】
すなわち、本発明者らは、さらなる車体軽量化ニーズに応えるべく高い焼付硬化量と優れた加工性の高強度鋼板を得るために、冷却速度の遅いCGLにおいても製造可能な複合組織鋼について鋭意研究した結果、▲1▼低強度高r値を有する複合組織鋼を得る手法として極低炭素化し、▲2▼冷却速度の遅いラインにて低温変態相が生成できるように焼入性を高めるMn、Mo、Cr、Bを適正量添加し、さらに▲3▼優れた深絞り性を得るためにTiまたはNbを単独添加することで、高い焼付硬化性と優れた深絞り性を有する高強度鋼板が製造できることを見い出して、本発明を完成した。
【0017】
よって、本発明は次の通りである。
(1) 化学組成が、質量%で、C :0.0015〜0.01%、Si:0.50%以下、P :0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.01〜0.1 %、N:0.010 %以下および Mo:0.01 0.5 %を含有し、さらにMn:1.5 〜2.5 %およびCr:0.01 〜0.5 %から成る群から選んだ1種または2種を、 Mo を含む合計1.8 〜2.5 %を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【0018】
(2) 前記化学組成が、質量%で、さらにB:0.0003〜0.0030%を含有する上記(1) 記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(3) 前記化学組成が、質量%で、さらにTi:0.003〜0.15%またはNb:0.003〜0.15%を含有する、上記(1) または(2) 記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【0019】
(4) 化学組成が、質量%で、C :0.0015〜0.01%、Si:0.50%以下、P :0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.01〜0.1 %、N:0.010 %以下および Mo:0.01 0.5 %を含有し、さらにMn:1.5 〜2.5 %およびCr:0.01 〜0.5 %から成る群から選んだ1種または2種を、 Mo を含む合計1.8 〜2.5 %を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる溶融亜鉛めっき鋼板。
【0020】
(5) 前記化学組成が、質量%で、さらにB:0.0003〜0.0030%を含有する(4) 記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
(6) 前記化学組成が、質量%で、さらにTi:0.003〜0.15%またはNb:0.003〜0.15%を含有する、(4) または (5)記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明において鋼板の化学組成を上述のように限定した理由について説明する。なお、本明細書において特にことわりがない限り、「%」は、質量%である。
【0022】
C:Cは低温変態相の体積率に大きく影響を及ぼし、材質特性を決定する重要な元素である。C量が0.0015%未満となると粒界強度が低下することと、脱炭コストが上昇するため下限を0.0015%とする。
【0023】
一方、C量が0.01%を超えると所望の強度よりも上昇するため延性が低下する。従って、Cの含有量は0.0015〜0.01%とする。好ましい上限は、0.0090%、好ましい下限は、0.0020%である。
【0024】
Si :Siはフェライト変態を促進させ、未変態オーステナイト中のC濃度を上昇させ、複合組織を形成しやすくさせる元素である。しかしながら、溶融亜鉛めっきを施す際は、めっきの濡れ性を劣化させるために多量に添加するとめっきむらの発生を招きめっき品質が劣化する恐れがある。
【0025】
従って、Siの含有量は0.50%以下とする。好ましくは0.30%以下である。
P:Pは固溶強化元素として有効な元素であるが、0.05%超の添加は溶融亜鉛めっきの合金化処理時の鉄界面からの鉄の拡散を抑制し、合金化処理性を劣化させる。これにより高温での合金化処理が必要となり、パウダリング、チッピング等の発生によりめっき剥離を誘発させる恐れがある。また、粒界に偏析し耐二次加工脆性ならびに溶接性を劣化させる。従って、P含有量は0.05%以下とした。好ましくは0.03%以下である。さらに0.005 %未満とすることは、脱Pコストが上昇する。好ましくはPの含有量は0.005 〜0.05%とする。
【0026】
S:Sは鋼板の穴拡げ性を損ねるため低いほど好ましい。したがって、0.01%以下とした。好ましくは0.005 %である。一方、0.0005%未満とするのは、脱Sコスト高となるので、好ましくは0.0005〜0.01%である。
【0027】
sol.Al :溶鋼脱酸の結果として含有される。また、鋼中のNと結合し,AlN の微細析出物を形成し,オーステナイト結晶粒の粗大化を抑止する効果がある。これらの効果を有するために,0.01%以上含有させる。一方、0.1 %超の添加はコストアップをまねく。
【0028】
従って、sol.Al の含有量は0.01〜0.1 %とする。好ましくは、0.02〜0.07%とする。
N:Nは低い方が好ましい、あまりに多いと多量の窒化物形成元素を多量に添加する必要があるためN添加量の上限を0.010 %とする。
【0029】
Mn :Mnは複合組織を得るために必要な冷却速度ならびにMs点に影響を及ぼす重要な元素であり、後述するCr、Moのうちから少なくとも1種添加される。Mnが1.5 %未満の場合は連続溶融亜鉛めっきラインにおけるヒートサイクルにおいて、低温変態相を生成させるためにはMnの代わりにCr、Mo等を多量に添加する必要があり、コスト高となる。また、Mnを2.5 %超添加すると過度な強度上昇を招き成形性の悪化を招くとともに圧延加工性の低下をもたらす。
【0030】
従って、Mnの含有量は1.5 〜2.5 %とする。
Cr: CrはMnと同様、低温変態相の生成のための冷却速度およびMs点に影響を及ぼす。本発明は、Mn、Cr、Moの合計の含有量で冷却速度ならびにMs点を制御している。しかし、コスト的に考えるとMnよりもCrの方がコスト高となるためCrの含有量の上限0.5 %とする。従って、Crの含有量を0.01〜0.5 %とする。好ましい下限は0.1 %、好ましい上限は0.4 %である。
【0031】
Mo: MoはMn、Cr同様、本発明の中で重要な元素である。低温変態相の生成のための冷却速度およびMs点に影響を及ぼし、その効果はMn、Cr以上である。しかしながら、Moの多量添加は製造コストの上昇を招く。
【0032】
従って、0.01〜0.5 %での範囲で添加する必要がある。好ましい下限は0.1 %、好ましい上限は0.4 %である。
Mn、Cr、Moの含有量の合計:Mn、Cr、Moの含有量の合計が1.8 %未満の場合は、冷却速度が遅く、亜鉛ポットに浸積させる連続溶融亜鉛めっきの製造工程においては、未変態オーステナイトはパーライト変態してしまい低温変態相が得られず、所望の複合組織鋼にならない。また2.5 %超の添加は過度な強度上昇を招き、加工性ならびに形状凍結性が劣化する。
【0033】
従って、Mn、Cr,Mo の含有量は1.8 〜2.5 %とする。
B:Bは焼き入れ性をあげる元素であり、本発明鋼のような複合組織鋼を得られやすくする。0.0003%に満たない場合の添加では、上記性能を発揮することができない。また、0.0030%超の添加は過度の強度上昇を招き、成形性が劣化する。従って、B の含有量は0.0003〜0.0030%とする。
【0034】
Ti, Nb:Ti, NbはC、S、Nの全部または一部を固定することにより、極低炭素鋼の加工性と非時効性を確保する役割を有する。さらに熱延鋼板の結晶粒を微細化し、製品の加工性を良好にする。Ti、Nbがそれぞれ0.003 %未満では、その効果が現れないのでこれをTi、Nbの各下限値とする。
【0035】
一方、それぞれ0.15%を超えると著しい合金コストの上昇を招くのでその上限値を0.15%とする。
かくして本発明によればTS:340MPa以上の高張力鋼板が得られる。
【0036】
本発明に係る鋼板は次のようにして製造できる。
まず、常法通りに転炉等で目的とする化学組成の鋼を溶製し、連続鋳造にてスラブとした後、熱間のまま熱間圧延を行うか、又は一旦室温まで冷却したものを再加熱した後に熱間圧延を行って熱延鋼板とする。
【0037】
熱間圧延は、常法通りの条件で行えばよいが、冷間圧延時の負荷や酸洗性の観点から熱間圧延後の巻取り温度は、300゜C 〜750゜C とすることが推奨される。
【0038】
巻き取った熱延コイルは、次いで常法どおりに酸洗してから冷間圧延に供する。冷間圧延条件も特に限定する必要はないが、冷間圧延時の通板性の観点から冷間圧延率は45%以上とするのが良い。
【0039】
冷間圧延を施して得られた鋼板は、使用に当たって再結晶焼鈍が施される。この方法は、複合組織鋼を得るために適用されていた常法通りの条件を採用すれば良い。
【0040】
即ち、再結晶焼鈍ではフェライト→オーステナイト変態点以上に加熱し、その後冷却を施せば良い。本発明に係る鋼板の化学組成は、低冷却速度でも複合組織が得られるように化学組成を制御しているため特に冷却速度の限定をする必要はない。
【0041】
さらに、耐食性確保の観点から行う溶融亜鉛めっき処理条件についても常法どおり、溶融亜鉛浴に鋼板を侵入させ、目付を制御し、合金化処理を行うかそのまま冷却すれば良い。
【0042】
【実施例】
本発明の作用効果について実施例によってさらに具体的に説明する。
転炉によって種々の化学組成の鋼を溶製し連続鋳造にてスラブとした後、一旦室温まで冷却してから再度1250゜C に加熱し、1130〜930゜C で熱間圧延を行い、厚さ4. 0mmの熱延鋼板を得た。次に、得られた熱延鋼板を酸洗してから、冷間圧延を施し、0.75mm厚の冷延鋼板とした。得られた鋼板の化学組成を表1に示す。そして、この冷延鋼板を連続溶融亜鉛めっきラインに通板し、再結晶焼鈍とめっき処理を施した。
【0043】
製造条件は、冷延鋼板を860゜C まで加熱し、その後冷却して溶融亜鉛浴に侵入させ両面45g/mの目付けに制御して、その後合金化処理を行った。
このようにして得られた各合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、引張特性、BH特性を調査した。
【0044】
さらに時効性を調査するために50℃で3日間の熱処理を行い加速時効条件での性能変化を調査した。
穴拡げ性を調査するために、穴拡げ試験を実施し、めっき性能を調査するためにパウダリング試験を実施した。
【0045】
引張特性については、各鋼板からJIS5号試験片を採取して、引張試験を行い降伏強度(YS)、引張強度(TS)、降伏点伸び(YPE)、伸び(El)さらに15%でのr値を測定した。
【0046】
BH特性については、2%引張予歪みを与えた後、170 ℃で20分の熱処理を行って、加工後の焼付塗装処理に相当する処理を施した後、引張試験を行い熱処理前後での降伏強度の変化量(BH量)を測定した。
【0047】
時効性は、加速時効前後でのYS、YPE、Elの変化量(ΔYS、ΔYPE、ΔEl)を調査した。穴拡げ試験は、打ち抜きクリアランス12%で直径10mmの打ち抜き穴を作成し、60゜円錐ポンチにて成形を行い板厚方向の板厚方向の貫通割れが発生するまでの限界穴拡げ率を評価した。パウダリング試験は、絞り比1.8で直径50mmの円筒深絞り成形を行った後、重量法によるめっき剥離量を測定した。
【0048】
結果は表1、表2にまとめて示す。なお、各表における A1 A6 は参考例である。
表1、表2から次のことを確認することができる。
即ち、本発明材である鋼板A1〜A8はすべて良好な引張特性および、高い焼付硬化性を示しており、また時効性能についても良好である。
【0049】
比較鋼であるB1、B2鋼は、Cの含有量が本発明範囲から外れているため深絞り性を示すr値が1.30未満であり不芳である。
比較鋼のB3はMn量が本発明範囲から外れており、低温変態相組織が得られておらず、高い降伏強度を示し、時効性能も悪い。
【0050】
比較鋼のB4〜B9の鋼は、化学組成が本発明範囲から外れているために強度が過度に高く加工性が劣る。また、B5、B6についてはSiまたはPが本発明範囲から外れているあためにパウダリング性が不芳である。B7については、Sが本発明範囲から外れているため穴拡げ性が不芳である。
【0051】
【表1】
Figure 0003613149
【0052】
【表2】
Figure 0003613149
【0053】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、加工性が良好であるばかりではなく、高い焼付硬化性と優れた深絞り性を有し、かつ耐食性にも優れた高張力鋼板を安定的に提供することができ、自動車等の車体軽量化の要望に十分に応え得るなど、産業上有用な効果をもたらされる。

Claims (6)

  1. 化学組成が、質量%で、C :0.0015〜0.01%、Si:0.50%以下、P :0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.01〜0.1 %、N:0.010 %以下および Mo:0.01 0.5 %を含有し、さらにMn:1.5 〜2.5 %およびCr:0.01 〜0.5 %から成る群から選んだ1種または2種を、 Mo を含む合計1.8 〜2.5 %を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 前記化学組成が、質量%で、さらにB:0.0003〜0.0030%を含有する請求項1記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 前記化学組成が、質量%で、さらにTi:0.003〜0.15%またはNb:0.003〜0.15%を含有する、請求項1または2記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 化学組成が、質量%で、C :0.0015〜0.01%、Si:0.50%以下、P :0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.01〜0.1 %、N:0.010 %以下および Mo:0.01 0.5 %を含有し、さらにMn:1.5 〜2.5 %およびCr:0.01 〜0.5 %から成る群から選んだ1種または2種を、 Mo を含む合計1.8 〜2.5 %を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 前記化学組成が、質量%で、さらにB:0.0003〜0.0030%を含有する請求項4記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  6. 前記化学組成が、質量%で、さらにTi:0.003〜0.15%またはNb:0.003〜0.15%を含有する、請求項4または5記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
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