JP3613008B2 - 床構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物や車両における複数の梁同士間又は桁同士間等に掛け渡されて固定される床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、鉄骨構造の建築物では、図7(A)に示すように、I形鋼からなる複数の平行な梁92,92間に、鋼板を曲げ加工したデッキプレート94が掛け渡され、その上に鉄筋コンクリート又はモルタルを敷設した床材96を形成して、床構造90としている。
或いは、図7(B)に示すように、梁102,102間に、予め成形されたPC(プレキャストコンクリート)版104を掛け渡して固定して、その表面上にシート状の床材106を敷設して床構造100とすることも行われている。
また、車両用の床構造としてアルミニウム合金の押出形材を用いることも検討されている。これは押出形材同士を機械的な結合方法で連結するものである。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
ところで、上記床構造90,100は、鉄筋コンクリートやプレキャストコンクリート製であるため、重量がかなり大きい。このため、これらを支持する前記各梁92,102や図示しない桁や柱等の構造材も予め床構造90等の荷重に十分耐えられる強度の大型の構造材が使用されている。即ち、建物等が本来支えるべき人等や内装物等以外に、上記床構造自体が梁等の構造材に対し、かなり大きな荷重を与えている。
【0004】
また、車両用に用いる上記床構造は軽量であるが、形材同士の連結に機械的連結方法を用いるため、車両の走行時に軋み音が発生したり、振動により形材に摩耗が生じると共に、形材同士の連結部における防水性の点で問題があった。これらを解決するために、アルミニウム合金の押出形材同士を溶接により接合することも考えられたが、溶接の熱影響により連結部付近の強度が低下するという別の問題もあった。
本発明は、以上における従来の床構造が抱える問題点を解決し、軽量で構造材に対する所謂死荷重を減らし、容易且つ迅速に接合して形成できると共に、強固で破損しにくく、且つ維持管理を容易にすることができ、強度が低下し難い床構造を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、床構造を複数のアルミニウム合金製の押出形材同士を互いに摩擦攪拌接合によって金属的に接合することに着想して成されたものである。
即ち、本発明の床構造(請求項1)は、アルミニウム合金製で且つ所要の厚さを有する複数の押出形材を互いに接合して形成される床構造であって、上記押出形材がその長手方向に沿った中空部を有し、且つ当該押出形材の長手方向に沿った端部に隣接したリブを上記中空部内に向けて有すると共に、上記各押出形材の長手方向に沿った端部同士により形成される突合わせ部の少なくとも一方の外側面の目地に沿って、摩擦ピンと表面抑え部とを含む工具を用いる摩擦攪拌接合による接合線を形成し、この接合線によって複数の押出形材を互いに接合した、ことを特徴とする。
【0006】
この床構造によれば、複数の押出形材同士が摩擦攪拌接合による接合線を介して強固に接合されて一体化しているので、厚さ(垂直)方向の剪断力や形材同士を離間させようとする外力に対して充分に耐え得ると共に、軽量で梁等の支持構造材に対して過大な負荷を与えない。しかも、互いに接合される押出形材同士間で軋み音や摩耗も生じず、上記接合線を連続させた場合には水密性も発揮できる。更に、押出形材がその長手方向に沿った中空部を有し、且つ当該押出形材の長手方向に沿った端部に隣接したリブを上記中空部内に向けて有しているため、床構造を構成する各押出形材自体を軽量且つ高強度にできると共に、前記リブによって、上記摩擦攪拌接合の際に各形材の端部付近に形成される熱影響部を著しく低減又は限定して、接合部(線)付近における各形材本来の強度を維持することができる。加えて、前記リブは、摩擦攪拌接合に際して発生した摩擦熱を放熱する放熱フィンとしても機能し、熱影響による強度低下が広範囲に及ばないようにすることもできる。
尚、本明細書において、長手方向とは押出形材の押出方向に沿った方向を、押出形材の端部とは上記長手方向と平行で且つ長手方向と直交する幅方向の両端における部分を指称する。また、本発明に用いる上記摩擦攪拌接合(フリクション・スター・ウェルデイング)については、追って詳しく説明するが、その原理については特表平9−508073号公報等を参照されたい。
【0007】
また、前記接合線が、前記目地に沿ってその全長に又は間隔を置いて複数に分割して形成される、ことを特徴とする床構造(請求項2)も含まれる。
これによれば、床構造が使用される条件や環境に応じて前記摩擦攪拌接合を過不足なく施して、求める接合強度に応じて所要長さに渉り接合線を形成した床構造とすることができる。
【0008】
更に、前記押出形材がその長手方向に沿った中空部を有し、且つ当該中空部の下面側に開口する底広凹溝を一体に形成している、ことを特徴とする床構造(請求項3)も含まれる。これによれば、前記床構造を支持する梁等の構造材に対して固定する際に、固定用のボルトのボルト頭を上記底広凹溝内に嵌装でき、押出形材に対するボルト用の通し孔の穿設作業を省略することができる。
【0009】
加えて、前記互いに接合された複数の押出形材が、建物又は車両における複数の梁同士間又は桁同士間に掛け渡され、ボルト・ナットにより上記梁又は桁に固定されるものである、ことを特徴とする床構造(請求項4)も含まれる。
この場合、床構造が3本以上の梁等に跨って掛け渡され、この床構造の中間付近でも梁等に固定することも含まれる。尚、本発明の床構造は、同様にして用いられる住宅等の建 築物の床構造や、自動車や鉄道車両等の車両用床構造にも適用可能である。
【0010】
尚、前記押出形材がその長手方向に沿った中空部又は半中空部を有し、且つ前記端部に隣接した厚肉部を上記中空部内又は半中空部内に向けて有する、床構造としても良い。これによる場合、床構造を構成する各押出形材自体を軽量且つ高強度にできると共に、厚肉部によって、前記摩擦攪拌接合の際に各形材の端部付近に形成される熱影響部を著しく低減又は限定して、接合部 ( 線 ) 付近における各形材本来の強度を維持することが可能となる。
また、前記押出形材がその長手方向に沿った中空部又は半中空部を有し、且つ上記中空部又は半中空部の下面側に開口する底広凹溝を一体に形成した、床構造としても良い。これによる場合、床構造を支持する梁等の構造材に対して固定する際に、固定用のボルトのボルト頭を上記底広凹溝内に嵌装することができ、押出形材に対するボルト用の通し孔の穿設作業を省略することが可能となる。尚、半中空部の例えば上記チャンネル形状を形成する垂直片の下端に上記底広凹溝を一体に形成することも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明の床構造10を用いた建築物の床1に関する。この床1は、図1(A)及び(B)に示すように、建築物内の水平方向に沿って配設されたI形鋼からなる複数の梁2,2と、これらの梁2,2間の上方に掛け渡された床構造10とからなり、この床構造10の上方にシート状の床材8が敷設されている。
上記梁2は、上下の水平なフランジ4,4の中央を垂直なウェブ6で繋いだ断面を有し、且つ互いに隣接する梁2同士間は、約2〜9メートルの中心間距離を有している。尚、図1(B)において、梁2の上方のフランジ4上には、両側の各床構造10,10の間隙を埋めるスぺーサ9が配設されている。
【0012】
また、床構造10を形成する複数の互いに連結されたアルミニウム合金(以下、アルミニウムとする)製の押出形材12は、断面が偏平な矩形で複数の中空部14を有し、且つ該中空部14に沿う長手方向が梁2と直角になるよう配置される。且つ、各形材12は摩擦攪拌接合による接合線Wにより互いに接合されている。
更に、図1(B)及び図2に示すように、床構造10は各押出形材12の長手方向の両端を各梁2の上方のフランジ4上に載置し、ボルトB・ナットNにより固定される。尚、各押出形材12の長さは約2〜9メートル、その断面の高さは約2〜10cm、幅は約25〜50cmの寸法で、各部分は約2〜10mmの肉厚を有していると共に、JIS;6061−T6、或いは6N01−T5又はT6等の展伸用アルミニウム合金材が使用される。
【0013】
また、図2に示すように、床構造10を形成する各押出形材12における中空部14の両端寄りには、通し孔16が穿設される。そして、形材12両端の開口部から前記ボルトBを挿入し、その雄ネジ部を上記通し孔16に通し、梁2の上方のフランジ4を貫通させて、ナットNと螺合する。これにて、床構造10は、図1(B)のように、梁2,2間に両端をボルトB・ナットNにより固定される。従って、床構造10を形成する各押出形材12は、その中空部14に沿う長手方向の略全長に沿って垂直方向の曲げモーメントを受ける。
【0014】
更に、図3(A)に示すように、各押出形材12の図示で左右の両端部13に近接する各中空部14内には、各端部13に隣接してリブ15が上下一対ずつ形成されている。該リブ15は、摩擦攪拌溶接の際に熱影響部が略形成される位置にあり、その影響を抑制するものである。
即ち、接合部より若干離れた位置で熱影響による強度低下部分を生じるが、係る強度が低下してもリブ15により断面積を増大させ、押出形材12乃至これにより形成される床構造10全体の強度の低下を防止するものである。また、リブ15は、摩擦攪拌接合に際して発生した摩擦熱を放熱する放熱フィンとしても機能し、熱影響による強度低下が広範囲に及ばないようにする作用も有する。
【0015】
そして、各押出形材12の端部13同士を突合わせて突合わせ面(部)18を形成し、この突合わせ面18の上下の目地に沿って、次述する摩擦攪拌接合を施す。この結果、図3(B)に示すように、突合わせ面18の上下に沿って所要深さの接合線Wを形成し、左右の各押出形材12同士を金属的に接合した床構造10を得ることができる。尚、接合線Wは突合わせ面18の上方のみ形成しても良い。
この床構造10の梁2への固定は、図3(C)のように、右側の押出形材12の各中空部14内にボルトBを挿入し、その雄ネジ部を通し孔16内に貫通し、且つ梁2のフランジ4に明けた通し孔5を貫通して垂下させ、これにナットNを締結することにより行われる。この場合、押出形材12の熱膨張及び熱収縮を考慮して、その通し孔16は中空部14の長手方向に沿った長孔とされる。
尚、図3(C)における左側の形材12′は、その中空部14の下面側に下向きの開口部17aを有する底広凹溝17を一体に形成している。この底広凹溝17内に図示のようにボルトBの頭を嵌装すると、上記通し孔16の穿設を省略でき、梁2への固定作業が一層容易になる。
【0016】
次に、上記溶着線Wを形成する摩擦攪拌接合について、図4により説明する。
図4(a)及び(A)に示すように、予め各押出形材12の各端部13同士を互い突合わせ、その突合わせ面18の上方に工具20をセットする。この工具20は、工具鋼等からなり、回転軸22と、その底面であって緩く湾曲して凹んだ表面抑え部24と、その中心から同軸にして垂下する摩擦ピン26とを含むものである。尚、この摩擦ピン26の周面には、図示しないネジ状の小さな摩擦攪拌翼が形成されている。そして、図4(A)に示すように、回転軸22と摩擦ピン26の中心軸を、突合わせ面18に対して直角から僅かに斜めにした状態で、図示しないモータ等により工具20を回転させると共に、突合わせ面18の上方の目地に向けて下降させる。
【0017】
次に、図4(b)及び(B)に示すように、工具20を各形材12に対し垂直方向に押圧しつつ、上記表面抑え部24全体が各形材12の外側面に達するまで摩擦ピン26を押し込む。この状態で、工具20をその傾斜した向きと反対方向の図4(B)で左方に移動させる。
この工具20の回転と移動に伴って、突合わせ面18に隣接する各形材12の端部13おけるアルミニウムは上記摩擦ピン26との摩擦により加熱され可塑化されると共に、突合わせ面18を挟んで左右の形材12間において水平及び垂直方向に流動化される。また、係る流動化されたアルミニウムは表面抑え部24により、垂直方向(表面方向)の流動に対し一定の圧力を加えられると共に、接合される各端部13の表面付近から外部に飛散することを阻止される。
【0018】
そして、図4(C)に示すように、工具20が通過した後には、流動化されたアルミニウムが流動化した固相状態から固化して前記接合線Wが形成される。この接合線Wの表面は、表面抑え部24によりその直径相当の幅寸法分が僅かに凹むが、突合わせ面18に沿って連続した平坦な表面Waとなる。また、接合線Wの内部には、上記表面抑え部24の存在により空気の巻き込みが生じないので、空孔が形成されない。係る接合線Wは隣接する押出形材12同士の突合わせ面18の上下の目地に沿って形成される。尚、工具20の摩擦ピン26の長さを調節することにより、接合線Wの深さを自在に変更することもできる。
【0019】
従って、各形材12は互いに金属的に接合され、強固で軽量な床構造10を得ることができる。また、接合線Wの表面Waは、平坦なため研削等の後加工も殆んど不要とすることができる。しかも、摩擦攪拌接合は、各形材12を拘束するのみで迅速に施せ、且つその熱影響による強度低下は前記各リブ15が位置するため、このリブ15からの放熱により殆んど顕在化しないか、極く限定された部分に留めることができ、当該部分の肉厚増加により接合線W付近の各形材12の強度を低下させることもない。このため設計通りの剪断強度等を得ることが可能となる。更に、接合線Wによって、所望数の形材12同士を接合した所要サイズの床構造10とでき、且つ耐食性等にも優れるため、メンテナンスも極めて簡素化することができる。尚、上記摩擦攪拌接合は現場での施工時に行う他、予め工場内で行うこともできる。
【0020】
図5は、参考形態の床構造に関する。尚、以下においては前記の形態における部分や要素と同じか同様の部分等には、同じか同様の符号を用いるものとする。
図5(a)に示す左右の押出形材31,31は、互いに同一の断面を有する。図示で左側の形材31の端部34には、その下部に短い凸条35が形成され、右側の形材31の端部34の下部には浅い段部36が形成されている。
上記段部36内に上記凸条35を嵌入させると、図示のように各端部34同士の突合わせ面(部)38が形成される。また、各形材31の中空部32における各内隅には厚肉部33がそれぞれ設けられている。
【0021】
そして、突合わせ面38の上下の目地に沿って、前記工具20を用いて摩擦攪拌接合を施すと、図5(A)に示すように、上下に形成された接合線Wによって形材31同士を接合した床構造30を得ることができる。この床構造30は、突合わせ面38に沿った剪断力に対し、各接合線Wと共に、突合わせ面38を途中で偏寄させた上記凸条35と段部36との嵌め合い構造によっても強固に抵抗する。また、各形材31の肉厚部33によって、摩擦攪拌接合時の熱影響部を断面積の増加による強度向上にて補うこともできる。
更に、図5(A)のように、凸条35と段部36の対向する各端面の深さ(高さ)よりも接合線Wを深くすると、接合線Wの底部(先端)Wbは右側の形材31の内部に位置するので、係る底部Wbに生じ易い応力集中を予防でき、係る部分における割れの発生の原因となる応力が生じず、床構造30全体の強度を高められる。しかも、床構造30の突合わせ面38の下部側に引張り力が加わるため、係る底部Wbを有する接合線Wを形成することは強度上からも有効である。
【0022】
また、図5(b)に示す左右の押出形材41,41も互いに同一断面を有する。図示で右側の形材41の端部44には、その下部に下向きにカーブした湾曲凸条46と、上部に段部45が形成されている。また、左側の形材41の端部44の下部には湾曲凹溝48と、上部の薄い凸条47が形成されている。そして、右側の形材41を端部44の下端を中心に反時計方向に回転させ、その湾曲凸条46を左側の形材41の湾曲凹溝48内に嵌合させると共に、段部45内に凸条47を嵌入させると、図示のように各端部44同士の嵌合部49が形成される。尚、各形材41の中空部42における各内隅にも厚肉部43が設けられている。
【0023】
そして、嵌合部49の上下の目地に沿って、前記工具20を用いて摩擦攪拌接合を施すと、図5(B)に示すように、上下の接合線Wによって形材41同士を接合した床構造40を得ることができる。この床構造40は、嵌合部49における図示で垂直方向の剪断力が加わっても、各接合線Wと共に、湾曲凸条46と湾曲凹溝48との嵌合が一層強固に抵抗し、且つこの湾曲した嵌合構造が各形材41を左右に互いに離間させる外力に対しても充分に抵抗することができる。また、上記厚肉部43及び上方の接合線Wの底部(先端)Wbが右側の形材41の内部に達しているため、前記同様に応力集中を阻止することもできる。
尚、図示で上方の接合線Wは、段部45と凸条47の先端との間に限らず、凸条47の中間から段部45の水平辺に向けて進入する深さのものとしても良い。
【0024】
更に、図5(c)に示す左右の押出形材51,51も互いに同一断面を有する。図示で左側の形材51の端部53には、その上部に水平に突出した凸条54と、下部に断面略L字形の鉤片55が形成されている。また、右側の形材51の端部53の下部には下向きに断面略L字形の係合片56が形成されている。そして、右側の形材51の係合片56を左側の形材51の鉤片55に係合して、図示のように係合部58を形成する。同時に左側の形材51の凸条54は、僅かの隙間を介して右側の形材51の端部53の出隅部57に近接する。
【0025】
そして、係合部58の上下の各形材51間の目地に沿って、前記工具20を用いて摩擦攪拌接合を施すと、図5(C)に示すように、上下の接合線Wによって形材51同士を接合した床構造50を得ることができる。
この床構造50は図示で下側の接合線Wの底部(先端)Wbが右側の形材51の内部に位置するため、当該部分への応力集中を防ぐと共に、両形材51間の係合構造が各形材51を左右に互いに離間させる外力に対しても充分に抵抗することができる。しかも、各形材51による係合部58の形成が迅速に行え、摩擦攪拌接合のための事前の準備も簡単で且つ正確な位置決めを成すことができる。
【0026】
図6は、異なる参考形態の床構造に関する。
即ち、図6(a)に示すように、断面略長方形でその中空部62内の各内隅には厚肉部63を有する押出形材61は、その左右両端部64に互いに対称に断面略L字形の鉤凸条(鉤片)66と傾斜凹溝65を有する。この形材61同士を上下逆にして各端部64の各鉤凸条66を相手方の傾斜凹溝65内に係合すると、図6(A)に示すように、各端部64が点対称になった係合部68を形成する。
係る係合部68に沿う各形材61同士の上下の各目地に沿って、前記工具20を用いて摩擦攪拌接合を施すと、図6(A)に示すように、上下の接合線Wによって形材61同士を接合した床構造60を得ることができる。
この床構造60は、係合部68の形成が容易であり、各鉤凸条66同士により隣接する形材61同士間に離間する方向の力が作用しても互いに補強し合う。また、摩擦攪拌接合の際に各形材61を引き離そうとする力も各鉤凸条66により拘束されるので、接合時の治具による拘束は簡単なもので済む。
【0027】
また、図6(B)に示す押出形材70は、上方の水平で厚肉の平板部72と、その下側に設けた複数の中空部74と、左右の各端部75に設けた互いに嵌合し合う断面台形の凸条76及び凹溝78を一体に有する。係る形材70同士をその凸条76と凹溝78を嵌合し、前記同様に該嵌合部の上下に接合線Wを設けて互いに接合することで、前記の各中空形材と同様な床構造を得ることができる。
【0028】
更に、図6(C)に示す押出形材80は、上方の水平で厚肉の平板部81と、その左右の両端部82に設けた互いに嵌合し合う断面台形の凸条83及び凹溝84を一体に有する。また、平板部81の下面側には、その中央に断面略逆T字形の垂直条85を有し、その両側の各垂直片86の下端には下向きの開口部89を有する底広凹溝88がそれぞれ設けられている。上記各端部82と垂直片86と垂直条85の間には、半中空部87がそれぞれ形成される。
【0029】
この半中空形材80同士によっても、前記同様に接合線Wを設けて互いに接合することで、中空形材と同様な床構造を得ることができる。
尚、上記底広凹溝88は、図6(D)に示すように、形材80同士により追って形成される床構造を梁2上に固定する際、固定用のボルトBの頭を嵌装させることができ、形材81にボルトBの通し孔等を設ける作業を省略することができる。上記ボルトBは梁2のフランジ4を貫通してナットNと螺着する。
【0030】
これらの形材70同士、又は形材80同士により構成される床構造を用いると、凸条76,83と凹溝78,84とが互いに水平方向に嵌合されるので、隣接する形材70同士間、又は形材80同士間に上下方向の剪断力が作用しても、接合線Wの他に、上記凸条76,83と凹溝78,84の間でも剪断力を充分受けることができる。
尚、接合線Wは、押出形材同士の突合わせ部や嵌合部等の上下の目地における何れか一方に設けるようにしても良い。この場合、該接合線Wの深さを床構造の仕様に応じて調整する。更に、接合線Wを目地に沿って複数に分割して設けるようにしても良い。これにより摩擦攪拌接合の作業を減らすと共に、各形材への熱影響部の形成を抑制することも可能となる。
【0031】
【発明の効果】
以上において説明した本発明の床構造(請求項1)は、複数の押出形材をその突合わせ部や嵌合部等に沿って摩擦攪拌接合による接合線により互いに接合しいてるので、剪断力等に対しても充分耐えられると共に、軽量で梁等に過大な負荷を与えず、維持管理も軽減することができる。しかも、従来の形材同士の機械的連結による接合部における軋み音の発生や摩耗も予防することができる。更に、押出形材が中空部を有するため、床構造を構成する各押出形材自体を軽量且つ高強度にできると共に、前記リブによって、摩擦攪拌接合の際に各形材の端部付近に形成される熱影響部を著しく低減又は限定して、接合部(線)付近における各形材本来の強度を維持することができる。加えて、前記リブは、摩擦攪拌接合に際して発生した摩擦熱を放熱する放熱フィンとしても機能し、熱影響による強度低下が広範囲に及ばないようにすることもできる。
また、請求項2の床構造によれば、床構造が使用される条件や環境に応じて前記摩擦攪拌接合を過不足なく施せるため、求める接合強度に応じて所要長さに渉り接合線を形成した床構造が形成できる。
更に、請求項3の床構造によれば、前記床構造を支持する梁等の構造材に対して固定する際、固定用のボルトのボルト頭を上記底広凹溝内に嵌装できるため、押出形材に対するボルト用の通し孔を省略できる。
加えて、請求項4の床構造によれば、梁等へのボルトによる固定を容易且つ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は本発明の床構造を用いた建築物の床を示す部分断面図。
【図2】図1の床を構成する梁間に本発明の床構造を掛け渡した状態を示す斜視図。
【図3】(A)は床構造に用いる押出形材の断面図、(B)はこの形材同士を接合した床構造の部分断面図、(C)はこの床構造を梁の上に固定した状態を示す部分断面図。
【図4】(A)乃至(C)と(a),(b)は押出形材同士を摩擦攪拌接合する各工程を示す概略の部分正面図又は部分側面図。
【図5】(a)乃至(c)及び(A)乃至(C)は、参考形態の床構造における形材同士の接合前後の状態を示す部分断面図。
【図6】(a)と(A)は異なる参考形態の床構造における形材同士の接合前後の状態を示す部分断面図、(B)及び(C)は更に別の押出形材を示す断面図、(D)は(C)の形材による床構造の固定形態を示す部分概略図。
【図7】(A)及び(B)は従来の床構造を示す部分断面図。
【符号の説明】
2………………梁
10……………床構造
12,12′…押出形材
13……………端部
14……………中空部
15……………リブ
17……………底広凹溝
18……………突合わせ面(突合わせ部)
20……………工具
24……………表面抑え部
26……………摩擦ピン
B………………ボルト
N………………ナット
W………………接合線
Claims (4)
- アルミニウム合金製で且つ所要の厚さを有する複数の押出形材を互いに接合して形成される床構造であって、
上記押出形材がその長手方向に沿った中空部を有し、且つ当該押出形材の長手方向に沿った端部に隣接したリブを上記中空部内に向けて有すると共に、
上記各押出形材の長手方向に沿った端部同士により形成される突合わせ部の少なくとも一方の外側面の目地に沿って、摩擦ピンと表面抑え部とを含む工具を用いる摩擦攪拌接合による接合線を形成し、この接合線によって複数の押出形材を互いに接合した、ことを特徴とする床構造。 - 前記接合線が、前記目地に沿ってその全長に又は間隔を置いて複数に分割して形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の床構造。 - 前記押出形材がその長手方向に沿った中空部を有し、且つ当該中空部の下面側に開口する底広凹溝を一体に形成している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の床構造。 - 前記互いに接合された複数の押出形材が、建物又は車両における複数の梁同士間又は桁同士間に掛け渡され、ボルト・ナットにより上記梁又は桁に固定されるものである、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の床構造。
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