JP3612705B2 - サイクロン式掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はサイクロン式掃除機に関するものであり、特に、二重に形成したサイクロン筒で集塵するサイクロン式掃除機に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来この種のサイクロン式掃除機としては、例えば、実公平7−22186号公報や特公平6−85753号公報等に記載されているものが知られている。前者のサイクロン式掃除機は、外側サイクロン(外筒)の内部に内側サイクロン(内筒)を設け、吸入口と外側サイクロンの頂部を連結ホースで連結し、外側サイクロンと内側サイクロンの頂部を連結ホースで連結すると共に、内側サイクロンと吸入ファン装置(送風機)を連結ホースで連結したものである。また、後者のサイクロン式掃除機は、ヘッドに内側サイクロン(内筒)を取り付け、この内側サイクロンを覆うように外側サイクロン(外筒)をヘッドに取り付け、このヘッドの側部に貫通入口通路(外渦流発生手段)を設けると共に、前記内側サイクロンの上部に入口スクロール(内渦流発生手段)を設けたものである。
【0003】
しかしながら、前者のサイクロン式掃除機では、吸入口、外側サイクロン、内側サイクロン、吸入ファン装置を合計3本の連結ホースで連結しているため、部品点数が多いという問題があった。また、後者のサイクロン式掃除機では、入口スクロール及び内側サイクロンがヘッドに固定されているため、両サイクロンのメンテナンス(内部の清掃等)が難しいばかりでなく、貫通入口通路と外側サイクロンの開口部と清浄空気排出通路が離れた位置にあるため、パッキンが必要になる箇所が多いという問題があった。更に、清掃性を向上させるために分解可能に構成した場合、更にパッキンが必要になる箇所が増え、これらのパッキンを含めた部品点数が増えてしまう虞がある。
【0004】
本発明は以上の問題点を解決し、部品点数が少なく、メンテナンスしやすいサイクロン式掃除機を提供することを目的とする。また、パッキンが必要になる箇所が少なく、気流漏れを極力抑えることができるサイクロン式掃除機を提供することを目的とする。さらに、吸引効率を落とすことなく、効率的に且つ確実に集塵するサイクロン式掃除機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1のサイクロン式掃除機は、掃除機本体と、この本体内に設けられる送風機及び吸引管と、前記本体に取り付けられる外筒と、この外筒の内側に設けられる内筒と、前記外筒及び内筒に渦巻き気流を発生させる渦流発生手段とを有するサイクロン式掃除機において、前記掃除機本体に取付部を設け、前記内筒と渦流発生手段を一体に形成し、前記内筒及び渦流発生手段を外筒に対して着脱自在に構成し、これら外筒、内筒、渦流発生手段を前記取付部に対して着脱自在に構成すると共に、前記吸引管に案内ダクトを接続し、この案内ダクトに前記吸引管で吸引した空気を前記渦流発生手段に案内する傾斜案内板を設け、前記渦流発生手段に、上方から空気を導入して渦流を発生させ前記外筒に導出する外渦流発生部と、下方から空気を導入して渦流を発生させ前記内筒に導出する内渦流発生部とを一体に形成したものである。
【0006】
請求項1の構成により、前記外筒の内部に、外渦流発生部及び内渦流発生部を一体に形成した渦流発生手段及び内筒を取り付け、これら外筒、内筒、渦流発生手段を掃除機本体に取り付けて送風機を駆動させることで、渦流発生手段の外渦流発生部によって渦流が発生し、外筒内面に沿って旋回降下することで遠心力で塵埃が除去された後、内筒外面に沿って気流が上昇して渦流発生手段に入り、この渦流発生手段の内渦流発生部によって渦流が発生し、内筒内面に沿って旋回下降することで遠心力で残りの塵埃が除去される。一方、使用後に掃除機本体から外筒を取り外し、この外筒から渦流発生手段及び内筒を取り外し、これら外筒、渦流発生手段、内筒のメンテナンスが可能となる。さらに、シールする箇所が少なく抑えられると共に、気流の漏れが確実に防止される。
【0007】
本発明の請求項2のサイクロン式掃除機は、請求項1のサイクロン式掃除機において、前記取付部に、送風機による気流を流通させる吸引口を形成し、この吸引口の周囲に第一パッキンを設け、前記渦流発生手段に、前記吸引口に連通する円筒部を上方に向かって一体形成し、この円筒部の先端に側方に向かって突出する周鍔部を形成し、前記渦流発生手段を外筒の開口部近傍に取り付け、前記渦流発生手段の上部外周に第二パッキンを設けると共に、前記第一パッキンが前記周鍔部に当接し、前記第二パッキンが外筒開口部内面と取付部に同時に当接するように構成したものである。
【0008】
請求項2の構成により、第一パッキンによって吸引口の周囲と連結部の隙間がシールされ、第二パッキンによって渦流発生手段と外筒の隙間及び取付部と外筒の隙間が同時にシールされる。
【0009】
本発明の請求項3のサイクロン式掃除機は、請求項1のサイクロン式掃除機において、前記内筒と渦流発生手段とを一体に形成したものである。
【0010】
請求項3の構成により、外渦流発生部で発生した渦流が内筒に入らず、内渦流発生部で発生した渦流が外筒に入らないと共に、外筒に対して内筒と渦流発生手段が同時に着脱される。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、本発明のサイクロン式掃除機の実施形態について、図1乃至図9に基づいて説明する。なお、本実施形態においては、主に図1乃至図3の姿勢を基準として前後及び上下を規定する。図1乃至図9において、1は掃除機本体である。この掃除機本体1内の下方には、電動機2と、この電動機2の回転軸に取り付けられたファン3が設けられており、これら電動機2及びファン3とで送風機4が構成されている。また、前記掃除機本体1の背面側には、内部に吸引管5を設けた突出部6が一体的に設けられ、前記吸引管5の下端には、吸込口7を有する吸込部8が着脱自在に取り付けられている。また、前記掃除機本体1の下面開口部1Aに取付部たるホルダ9が設けられている。このホルダ9は、底板10に外側案内壁11と内側案内壁12とを突設して構成されるとともに、これら各案内壁11,12に対して接線方向に延出する案内ダクト13を有している。この案内ダクト13は前記吸引管5と接続して前記吸引管5で吸引した空気を後述する渦流発生手段に案内するものである。そして、案内ダクト13には傾斜案内板14と、この傾斜案内板14と連設する上部案内板15によって前記吸引管5からの空気を案内する通風路16が形成されている。また、前記外側案内壁11の外周には鍔部11Aが形成され、この鍔部11Aを前記下面開口部1Aの内周面に形成する凹溝17に嵌合して掃除機本体1に前記ホルダ9を取り付けている。このようにして掃除機本体1に前記ホルダ9を装着することによって掃除機本体1の下面開口部1Aがホルダ9の底板10によって塞がれるが、内側案内壁12によって形成される吸引口20を介して掃除機本体1の内外が連通する。そして、その吸引口20を形成する前記内側案内壁12の内側に前記掃除機本体1の吸気孔19の周縁から突設されるガイド部19Aが挿入され、前記送風機4による気流が内側案内壁12の内側を流通するようになっている。また、内側案内壁12の内周面には前記ガイド部19Aの下端に位置して水平な仕切板12Aが形成され、この仕切板12Aに形成する吸引孔20Aに断面コ字型の第一パッキン40を装着している。この第一パッキン40は前記ガイド部19Aの先端に一体的に固着した径小筒部19Bの外周面に密着する断面コ字型に形成されるとともに、その裏面側には、後述するフィルタケースに密着させるフィン状パッキン40Aが一体形成されている。
【0012】
23は掃除機本体1の下面に装着される集塵容器であり、外筒たる外側サイクロン筒21と内筒たる内側サイクロン筒22から成る二重構造をなす。前記外側サイクロン筒21の外面には、取手21Aが一体形成され、この取手21Aの先端にフック24が一体形成されるとともに、外側サイクロン筒21の外周下部には枠状の係止突部25が一体形成されている。また、前記掃除機本体1には、前記突出部6に形成する凹部26の内部に前記係止突部25の係止部27が形成されるとともに、掃除機本体1の下部には前記フック24を引っ掛けるフック止め28が形成されている。
【0013】
前記内側サイクロン筒22は、先端に向かって先細状に形成された略截頭短円錐状であって、その基部に渦流発生手段として渦流発生部材30を一体形成している。この渦流発生部材30は前記ホルダ9の外側案内壁11と同径のスカート部31を有し、このスカート部31には、上方、すなわち、前記ホルダ9側から空気を導入して渦流を発生させて前記外側サイクロン筒21に導出する外渦流発生部32と、下方、すなわち外側サイクロン筒21の底部から空気を導入して渦流を発生させ前記内側サイクロン筒22の内側に導出する内渦流発生部33とを一体に形成している。また、外渦流発生部32は、図7及び図8に示すように、前記案内ダクト13の通風路16と連通するように傾斜した一対の導風部35,36を備え、また、内渦流発生部33は、図8に示すように、前記スカート部31の底部31Aに形成する通風口37から導入された空気を後述するフィルタケースへと案内するように、前記スカート部31から中心方向に向かって緩やかに湾曲した導風壁38によって構成されている。また、前記スカート部31の外周面には、第二パッキン41を装着する上下一対のフランジ部42、前記外側サイクロン筒21の内周面に形成する段差部43に係止する位置決め用突起44とが形成されている。また、前記第二パッキン41の上面側には、前記掃除機本体1の下端周面に密着させるフィン状パッキン41Aが一体形成されている。
【0014】
46はメッシュ状フィルタ45を装着するフィルタケースであり、前記スカート部31の内部に着脱自在に取り付けられている。また、フィルタケース46は前記メッシュ状フィルタ45を取り付ける底板47の周縁からメッシュ状フィルタ45を囲む筒部48を一体形成した逆カップ状に形成され、その筒部48の下端外周面に前記内側サイクロン筒22の上端内周面部に形成する雌ネジ部49と螺着する雄ネジ部49Aを形成している。この各ネジ部49,49Aに螺着によって内側サイクロン筒22にフィルタケース46を装着すると内側サイクロン筒22の開口部がフィルタケース46で塞がれるとともに、フィルタケース46の筒部48が渦流発生部材30のスカート部31によって囲まれる。そして、筒部48に形成する空気の取入口50は前記内渦流発生部33の導風壁38とほぼ連続する。また、前記フィルタケース46の筒部48は前記ホルダ9の内側案内壁12とほぼ同径であり、内側サイクロン筒22にフィルタケース46を組付けた状態で、フィルタケース46の筒部48と前記ホルダ9の内側案内壁12が連続し、内側案内壁12によって形成される吸引口20の下端開口部周縁にフィルタケース46の底板47が当接する。そのフィルタケース46の底板47の中央にはメッシュ状フィルタ45を固定するために取付孔部52が形成され、この取付孔部52と前記吸引口20を介してフィルタケース46及び内側サイクロン筒22の内部と前記掃除機本体1の吸気孔19とが連通する。そして、前記取付孔部52の周縁から連結部たる円筒部55を上方に向かって一体形成し、この円筒部55の先端に側方に向かって突出する周鍔部55Aを形成し、この周鍔部55Aを前記仕切板12Aの吸引孔20Aに装着する第一パッキン40のフィン状パッキン40Aに密着させている。
【0015】
65は前記内側サイクロン筒22の先端に連設された延長用筒体であり、内側サイクロン筒22の先端から一旦、緩やかに膨出した後、直線的に降下してほぼ前記外側サイクロン筒21の底部に至る。外側サイクロン筒21の底部には延長用筒体65の先端を囲むように環状周壁66が一体形成され、この環状周壁66の内周面に当接するフランジ部67を延長用筒体65の先端外周面に形成している。
【0016】
なお、68は掃除機本体1に連結したステッキ状の柄部であり、掃除機本体1に回動自在に連結されている。また、69は掃除機本体1を支持する充電台である。
【0017】
次に、本実施形態の作用について説明する。掃除機本体1の開口部1Aにはホルダ9が固定されていて、ホルダ9の吸引孔20Aに装着した第一パッキン40が掃除機本体1の吸気孔19から突設されるガイド部19Aの径小筒部19Bに密着している。これにより送風機4による気流を流通させる吸引孔20Aの周縁がシールされる。また、ホルダ9の案内ダクト13には吸引管5が連設される。
【0018】
そして、サイクロン式掃除機を使用する場合、まず、外側サイクロン筒21に内側サイクロン筒22を組み付ける。すなわち、外側サイクロン筒21の開口部から内側サイクロン筒22を挿入し、内側サイクロン筒22の基部に形成したスカート部31の位置決め用突起44を外側サイクロン筒21の内周面に形成する段差部43に突き当てることによって、外側サイクロン筒21に対して内側サイクロン筒22が位置決めされる。さらに、内側サイクロン筒22に一体形成する渦流発生部材30の前記スカート部31に装着する第二パッキン41が外側サイクロン筒21の内周面に密着し、これにより、渦流発生部材30と外側サイクロン筒21との隙間がシールされる。このように、外側サイクロン筒21と内側サイクロン筒22とを組み付けることによって、内側サイクロン筒22の先端に連結した延長用筒体65は外側サイクロン筒21の底部に形成する環状周壁66の内側に収容される。そして、内側サイクロン筒22の渦流発生部材30に形成された雌ネジ部49にフィルタケース46に形成された雄ネジ部49Aを螺着することによって内側サイクロン筒22にフィルタケース46を装着する。なお、フィルタケース46は、渦流発生部材30に形成する内渦流発生部33の導風壁38とフィルタケース46の筒部48に形成する空気の取入口50とがほぼ連続するように内側サイクロン筒22に装着される。このように内側サイクロン筒22にフィルタケース46を装着することによって、外側サイクロン筒21と内側サイクロン筒22及びその内側サイクロン筒22の渦流発生部材30とフィルタケース46とが一体化する。こうしてユニット化した外側サイクロン筒21、内側サイクロン筒22、渦流発生部材30、フィルタケース46を掃除機本体1に取り付ける。すなわち、図9に示すように、外側サイクロン筒21のフック24を掃除機本体1のフック止め28に引っ掛けて外側サイクロン筒21を回動させることによって、外側サイクロン筒21の係止突部25と掃除機本体1の係止部27とを係止し、掃除機本体1に内側サイクロン筒22と外側サイクロン筒21とからなる集塵容器23を固定する。これにより、前記ホルダ9に装着した第一パッキン40に一体形成したフィン状パッキン40Aがフィルタケース46の円筒部55に形成した周鍔部55Aに密着するとともに、外側サイクロン筒21と内側サイクロン筒22との間に介在する第二パッキン41に一体形成したフィン状パッキン41Aが掃除機本体1の下端周面に密着する。これにより、ホルダ9の仕切板12Aに装着した第一パッキン40によって吸引口20の周縁とフィルタケース46の円筒部55の隙間がシールされ、また、渦流発生部材30のスカート部31に装着する第二パッキン41によって渦流発生部材30と外側サイクロン筒21の隙間及び掃除機本体1の隙間が同時にシールされるので、少ないパッキン40,41で確実に気流の漏れを防止することができる。
【0019】
このようにして、掃除機本体1に集塵容器23をセットして前記送風機4を駆動すると、塵埃を含んだ空気が吸込口7から吸引され、吸引管5、案内ダクト13、渦流発生部材30を経て集塵容器23内に至る。この際、ホルダ9に対して案内ダクト13が接線方向に延出するとともに、案内ダクト13の通風路16が外渦流発生部32の導風部35,36の間と連通しているため、案内ダクト13から流入した空気は、案内ダクト13の通風路16、外渦流発生部32の導風部35,36によって導かれて、外側サイクロン筒21の内周面に沿って螺旋状に下降する渦流となり、この渦流に含まれる比較的重い塵埃が渦流による遠心力によって除去される。そして、渦流が外側サイクロン筒21の底部に至ると上昇に転じ、内側サイクロン筒22の外周面に沿って螺旋状に上昇して再び渦流発生部材30に至る。ここで、内側サイクロン筒22の外周面に沿って上昇する渦流は、通風口37から内渦流発生手段33に入り、この内渦流発生部33の導風壁38に沿ってフィルタケース46の取入口50へと導かれてフィルタケース46の内側へと案内され、内側サイクロン筒22の内周面に沿って再び螺旋状に下降する渦流となる。そして、外側サイクロン筒21の底部に至ると、その渦流は中央付近で上昇に転じる。このとき、渦流に混じった綿埃等の比較的軽い塵埃や細かい塵埃が渦流から分離し、外側サイクロン筒21の底部に形成する環状周壁66の内側に溜まる。そして、内側サイクロン筒22内で上昇した渦流は、フィルタケース46に取り付けたメッシュ状フィルタ45を経由して吸引口20、掃除機本体1の吸気孔19へ吸引され、メッシュ状フィルタ45を通過する際、メッシュ状フィルタ45によって残った極めて細かい塵埃を捕集する。
【0020】
このようにして清掃終了後、外側サイクロン筒21に形成する取手21Aを引いて外側サイクロン筒21の係止突部25と掃除機本体1の係止部27との係合を解除して集塵容器23の下部を側方に引き抜くことで、集塵容器23を掃除機本体1から取り外す。そして、外側サイクロン筒21から内側サイクロン筒22を取り外すことによって外側サイクロン筒21に溜まった塵埃をゴミ箱に捨て、さらに、内側サイクロン筒22からフィルタケース46を取り外すことでメッシュ状フィルタ45に付着した塵埃を除去する。
【0021】
以上のように本実施例においては、渦流発生部材30に外渦流発生部32と内渦流発生部33を形成することにより、送風機4を駆動すると、吸込口7から吸い込まれた塵埃を含んだ気流は、外渦流発生部32によって下向きの渦流となり、比較的重い塵埃を除去することができるとともに、外側サイクロン筒21の底部で上昇に転じた渦流が内側サイクロン筒22の外周面に沿って上昇する。この下方からの気流を内渦流発生部33によって再び内側サイクロン筒22の内周面に沿って下向きの渦流とし、外渦流発生部32で発生した渦流で除去しきれない細かな塵埃を内側サイクロン筒22内で分離することができる。このように多段階に渡って塵埃を除去することで最終的にメッシュ状フィルタ45で捕捉する塵埃の量を減らすことができる。このため、吸引効率を落とすことなく、効率的に且つ確実に集塵することができる。
【0022】
また、内側サイクロン筒22は、その基部に渦流発生部材30を一体形成し、この渦流発生部材30に上方から空気を導入して渦流を発生させ外側サイクロン筒21に導出する外渦流発生部32と、下方から空気を導入して渦流を発生させ内側サイクロン筒22の内部に導出する内渦流発生部33とを一体形成することによって、これら内側サイクロン筒22、渦流発生部材30、外渦流発生部32、内渦流発生部33をコンパクトに一体化でき、さらに、このように一体化した内側サイクロン筒22を外側サイクロン筒21に組み込むことで外側サイクロン筒21と内側サイクロン筒22がユニット化される。これにより、外側サイクロン筒21と内側サイクロン筒22から成る集塵容器23を掃除機本体1に対して簡単に着脱することができる。このため、集塵容器23内に溜まった塵芥を排除する際、あるいは、メッシュ状フィルタ45に付着する微細な塵芥を取り除く際などにおいて、掃除機本体1から外側サイクロン筒21及び内側サイクロン筒22を簡単に取り外すことができるので、メンテナンス作業も極めて簡単に行える。また、内側サイクロン筒22、渦流発生部材30、外渦流発生部32、内渦流発生部33をコンパクトに一体化することによって、シールする箇所が少なく抑えることができる。このため、本実施例では、ホルダ9の仕切板12Aに装着した第一パッキン40によって吸引孔20Aの周縁とフィルタケース46の取付孔部52の周縁から一体形成される円筒部55との隙間がシールされ、また、内側サイクロン筒22のスカート部31に形成するフランジ部42に装着する第二パッキン41によって渦流発生部材30と外側サイクロン筒21の隙間及び掃除機本体1の隙間が同時にシールされるので、少ないパッキン40,41で確実に気流の漏れを防止することができる。
【0023】
また、内側サイクロン筒22に外渦流発生部32と内渦流発生部33とを有する渦流発生部材30とを一体に形成することによって、外渦流発生部32で発生した渦流が内側サイクロン筒22に入らず、内渦流発生部33で発生した渦流が外側サイクロン筒21に入らないので、気流の漏れをより確実に防止することができる。
【0024】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、集塵容器の取付構造や渦流発生部材、ホルダ、フィルタケースといった構成各部の形状及びその取付構造といった掃除機としての基本的構造は適宜選定すればよい。また、前記実施例では、いわゆるスティック型の掃除機を示したが、これ以外の構造でもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明の請求項1のサイクロン式掃除機によれば、掃除機本体と、この本体内に設けられる送風機及び吸引管と、前記本体に取り付けられる外筒と、この外筒の内側に設けられる内筒と、前記外筒及び内筒に渦巻き気流を発生させる渦流発生手段とを有するサイクロン式掃除機において、前記掃除機本体に取付部を設け、前記内筒と渦流発生手段を一体に形成し、前記内筒及び渦流発生手段を外筒に対して着脱自在に構成し、これら外筒、内筒、渦流発生手段を前記取付部に対して着脱自在に構成すると共に、前記吸引管に案内ダクトを接続し、この案内ダクトに前記吸引管で吸引した空気を前記渦流発生手段に案内する傾斜案内板を設け、前記渦流発生手段に、上方から空気を導入して渦流を発生させ前記外筒に導出する外渦流発生部と、下方から空気を導入して渦流を発生させ前記内筒に導出する内渦流発生部とを一体に形成したものであるから、除塵のための機構を掃除機本体に簡単に取り付けることができ、外筒及び内筒で塵埃が除去できる一方、使用後に掃除機本体から外筒を取り外し、この外筒から渦流発生手段及び内筒を取り外し、これら外筒、渦流発生手段、内筒を簡単にメンテナンスすることができ、さらに、シールする箇所を少なく抑えることができると共に、気流の漏れを確実に防止することができる。
【0026】
本発明の請求項2のサイクロン式掃除機によれば、請求項1のサイクロン式掃除機において、前記取付部に、送風機による気流を流通させる吸引口を形成し、この吸引口の周囲に第一パッキンを設け、前記渦流発生手段に、前記吸引口に連通する円筒部を上方に向かって一体形成し、この円筒部の先端に側方に向かって突出する周鍔部を形成し、前記渦流発生手段を外筒の開口部近傍に取り付け、前記渦流発生手段の上部外周に第二パッキンを設けると共に、前記第一パッキンが前記周鍔部に当接し、前記第二パッキンが外筒開口部内面と取付部に同時に当接するように構成したものであるから、第一パッキンによって吸引孔の周囲と周鍔部の隙間がシールされ、第二パッキンによって渦流発生手段と外筒の隙間及び取付部と外筒の隙間が同時にシールされるので、気流が漏れる可能性のある箇所を減らして、少ないパッキンで確実に気流の漏れを防止することができる。
【0027】
本発明の請求項3のサイクロン式掃除機によれば、請求項1のサイクロン式掃除機において、前記内筒と渦流発生手段とを一体に形成したものであるから、外渦流発生部で発生した渦流が内筒に入らず、内渦流発生部で発生した渦流が外筒に入らないので、気流の漏れをより確実に防止することができると共に、外筒に内筒と渦流発生手段が同時に着脱されるので、除塵のための機構を外筒に対してより簡単に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す掃除機本体の断面図である。
【図2】同上図1のA−A線断面図である。
【図3】同上掃除機本体の正面図である。
【図4】同上集塵容器の一部を切り欠いた斜視図である。
【図5】同上反対方向から見た集塵容器の一部を切り欠いた斜視図である。
【図6】同上ホルダ部分の平断面図である。
【図7】同上図6のB−B線部分に沿う断面図である。
【図8】同上フィルタケースの断面図である。
【図9】集塵容器の取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 掃除機本体
9 ホルダ(取付部)
20 吸引口
21 外側サイクロン筒(外筒)
22 内側サイクロン筒(内筒)
30 渦流発生部材(渦流発生手段)
32 外渦流発生部
33 内渦流発生部
40 第一パッキン
41 第二パッキン
Claims (3)
- 掃除機本体と、この本体内に設けられる送風機及び吸引管と、前記本体に取り付けられる外筒と、この外筒の内側に設けられる内筒と、前記外筒及び内筒に渦巻き気流を発生させる渦流発生手段と有するサイクロン式掃除機において、前記掃除機本体に取付部を設け、前記内筒と渦流発生手段を一体に形成し、前記内筒及び渦流発生手段を外筒に対して着脱自在に構成し、これら外筒、内筒、渦流発生手段を前記取付部に対して着脱自在に構成すると共に、前記吸引管に案内ダクトを接続し、この案内ダクトに前記吸引管で吸引した空気を前記渦流発生手段に案内する傾斜案内板を設け、前記渦流発生手段に、上方から空気を導入して渦流を発生させ前記外筒に導出する外渦流発生部と、下方から空気を導入して渦流を発生させ前記内筒に導出する内渦流発生部とを一体に形成したことを特徴とするサイクロン式掃除機。
- 前記取付部に、送風機による気流を流通させる吸引口を形成し、この吸引口の周囲に第一パッキンを設け、前記渦流発生手段に、前記吸引口に連通する円筒部を上方に向かって一体形成し、この円筒部の先端に側方に向かって突出する周鍔部を形成し、前記渦流発生手段を外筒の開口部近傍に取り付け、前記渦流発生手段の上部外周に第二パッキンを設けると共に、前記第一パッキンが前記周鍔部に当接し、前記第二パッキンが外筒開口部内面と取付部に同時に当接するように構成したことを特徴とする請求項1記載のサイクロン式掃除機。
- 前記内筒と渦流発生手段とを一体に形成したことを特徴とする請求項1記載のサイクロン式掃除機。
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