JP3612492B2 - 美顔用スチーマー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0003】
本願発明は、蒸気発生装置で発生させた蒸気を顔肌に噴霧するための美顔用スチーマーに関するものである。
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
【0004】
顔肌に温かい蒸気を噴霧すると、その蒸気の温熱で顔肌を温めて血行促進と毛穴を広げる作用を付与するとともに、顔肌に水分を補給できることが知られている。
【0005】
ところで、温かい蒸気を顔肌に噴霧させ得るようにした美顔用スチーマーは既に公知であるが、単に蒸気のみを噴霧させるようにしたものでは、蒸気による上記作用(温熱作用と水分補給作用)があるだけで、美容効果としては低いものであった。
【0006】
又、顔肌のトリートメント作業として、この種の美顔用スチーマーで顔肌に蒸気を噴霧した後、化粧水を顔肌に塗布することがよく行われているが、このように、蒸気噴霧と化粧水塗布とを別々に行うと、美容時間が長くかかるとともに作業が面倒であるという問題があるほか、蒸気噴霧した後に化粧水を塗布するまでに時間がかかると顔肌が冷めてしまい(毛穴が収縮する)、化粧水成分の吸収効率が低下するという問題もあった。
【0007】
本願発明は、上記の問題点に鑑み、顔肌の美容に際して、蒸気の噴霧と化粧水の塗布とを同時に行えるようにするとともに、化粧水成分を効果的に吸収させ得るようにした美顔用スチーマーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、蒸気発生装置で発生させた蒸気を顔肌に噴霧して顔肌を美容し得るようにした美顔用スチーマーを対象にしている。
【0009】
本願発明の美顔用スチーマーは、スチーマー本体内に、水タンク内の水を電気ヒータで加熱して蒸気を発生させる蒸気発生装置と、化粧水タンク又は化粧水容器内の化粧水を超音波振動素子で霧化させる化粧水霧化装置と、蒸気発生装置で発生させた蒸気と化粧水霧化装置で発生させた化粧水ミストとを合流させる合流通路とを設け、さらに、合流通路における化粧水ミストの合流部の上流側近傍に、合流通路の通路面積を小さくする邪魔板を設けているとともに、合流通路に、該合流通路内で混合された蒸気と化粧水ミストとの混合流体をスチーマー本体外に導出するダクトを接続して構成している。
【0010】
本願の美顔用スチーマーでは、蒸気発生装置の電気ヒータに通電すると、水タンク内に収容した水が加熱されて蒸気が発生し、水タンク内の空所が高圧となってその発生蒸気が合流通路及びダクトを通ってダクト先端の放出口から外気中に放出される。他方、化粧水霧化装置の超音波振動素子を作動させると、化粧水タンク(又は化粧水容器)内の化粧水が霧化されて、その化粧水ミストが合流通路中を流れる蒸気中に混入する。そして、その蒸気と化粧水ミストとの混合流体(霧状態)は、合流通路及びダクトを通ってダクト先端の放出口から外気中に放出される。尚、該放出口から放出される混合流体の温度は、顔肌に当てたときに熱過ぎない程度で且つ顔肌に対して適度の温熱効果を付与し得るものである。
【0011】
又、本願の美顔用スチーマーでは、合流通路における化粧水ミストの合流部の上流側近傍に合流通路の通路面積を小さくする邪魔板を設けているが、この邪魔板は、水タンク内で発生する蒸気が合流通路中を流れるときに、邪魔板部分より上流側を高圧とし、該邪魔板部分より下流側(化粧水ミストの合流部)を負圧にする機能を有する(邪魔板部分がいわゆるオリフィスとして機能する)。従って、化粧水タンク内で発生する化粧水ミストを合流通路内にスムーズに吸引し得る。
【0012】
本願の美顔用スチーマーは、次のように機能する。即ち、ダクト先端の放出口を美容しようとする顔肌に近づけた状態で、該放出口から混合流体を放出させると、その混合流体の温熱で顔肌を温めるとともに、該混合流体が外気温度あるいは顔肌温度によって冷却され、微細な水滴となって顔肌に付着するようになる。尚、顔肌が温められると、その部分の血行が促進されるとともに、毛穴が広がるようになる。又、顔肌に微細水滴が付着すると、該顔肌に水分を補給できるとともに、温かい状態の顔肌に微細水滴が付着するので、その微細水滴中の化粧水成分により肌面を効果的にトリートメントできる。
【発明の実施の形態】
【0013】
図1には本願第1実施形態の美顔用スチーマーが示され、図2には本願第2実施形態の美顔用スチーマーが示されている。
【0014】
図1の第1実施形態
図1に示す第1実施形態の美顔用スチーマーは、スチーマー本体1内に、蒸気Bを発生させる蒸気発生装置2と、化粧水ミストDを発生させる化粧水霧化装置3とを有している。
【0015】
蒸気発生装置2は、水タンク21内の底部に電気ヒータ22を設置して構成されている。そして、この蒸気発生装置2は、電気ヒータ22で水タンク21内の水Aを加熱することにより、水タンク21内の空所20に蒸気Bを発生させるようになっている。尚、この水タンク21の外面には、図示例のように断熱材6を取付けるとよい。
【0016】
水タンク21の上部には、水タンク内の空所20に連通する蒸気通路4を上向きに連続させている。この蒸気通路4は、スチーマー本体1の上面に達する長さを有している。尚、この蒸気通路4は、後述するように、化粧水ミストDを合流させる機能を有し、特許請求範囲中の合流通路となるものである。そして、以下の説明では、該蒸気通路4を合流通路とも表現する。
【0017】
水タンク21の上面には、水補充容器23が着脱自在に装着されている。この水補充容器23は、水タンク21内に水Aを補充するためのもので、水補充容器23の注出口24部分を水タンク21上面に形成した開口27内に差し込んでいる。尚、水補充容器23の装着状態では、水タンク21の開口27がほぼ密閉状態で閉塞される。水補充容器23の注出口24部分には、フロート25が設けられており、水タンク21内の水位が所定の設定高さより低下すると、フロート25の弁26が注出口24を開放して、水補充容器23内の水Aを水タンク21内の設定水位まで補充し、その後にフロート弁26が注出口24を閉止するようになっている。尚、水補充容器23から水タンク21内への水補充はごく少量づつ行われ、その水補充時に水タンク21内の水温(使用時には電気ヒータ22で加熱されて沸騰状態にある)が急激に低下しないようになっている。
【0018】
化粧水霧化装置3は、化粧水タンク31内の底部に超音波振動素子32を設置している。この超音波振動素子32は、図示しない超音波発生器により超音波振動させ得る。そして、この化粧水霧化装置3は、超音波振動素子32を作動させると、化粧水タンク31内の化粧水Cに超音波振動を与えて、該化粧水Cを霧化(化粧水ミストD)させるようになっている。化粧水タンク31内の空所30は、水タンク21側の合流通路4に連通口41部分で連通している。そして、化粧水タンク31内の空所30で発生する化粧水ミストDは、該連通口41から合流通路4内に流入し、該合流通路4中で蒸気発生装置2で発生させた蒸気Bと合流するようになっている。尚、連通口41部分には、フイルター42が設けられている。このフイルター42には、微小径(例えば直径が50〜100ミクロン程度)で多数の通孔が形成されていて、霧化した化粧水ミストDの通過は許容するが、化粧水Cの飛沫(超音波振動素子32の作動時に発生する)が連通口41から合流通路4内に流入するのを阻止するようになっている。
【0019】
又、水タンク21内の水Aが沸騰状態にあると、水タンク21内の空所20及び合流通路4内が高圧になって、化粧水タンク31側からの化粧水ミストDが合流通路4内に流入しなくなることが考えられる。これを改善するために、この実施形態では、連通口41の下端縁に合流通路4内に向けて突出する邪魔板43を設けている。この邪魔板43は、合流通路4内における連通口41の直下近傍位置の通路面積を小さくするものであり、水タンク21の空所20内に多量の蒸気Bが発生して該蒸気Bが蒸気通路4部分を上方に流れるときに、該蒸気通路4における邪魔板43部分より下部側を高圧にし、且つ該邪魔板43部分の上側(連通口41の対面位置)を負圧にする機能を有する。即ち、該邪魔板43をいわゆるオリフィスとして機能させている。そして、水タンク21の空所20内で蒸気Bが多量に発生し、該蒸気Bが蒸気通路4中を上方に流れるときに、連通口41の対向部分が負圧になることにより、化粧水タンク31の空所30内で発生する化粧水ミストDを合流通路4内に吸引し、もって化粧水タンク31の空所30内の化粧水ミストDがスムーズに合流通路4内に流入するようにしている。
【0020】
化粧水タンク31の上面には、化粧水補充容器33が着脱自在に装着されている。この化粧水補充容器33は、化粧水タンク31内に化粧水Cを補充するするためのもので、該化粧水補充容器33の注出口34部分を化粧水タンク31の上面に形成した開口37内に差し込んでいる。尚、化粧水補充容器33の装着状態では、化粧水タンク31内がほぼ密閉状態で閉塞される。化粧水補充容器33の注出口34部分には、水補充容器23と同様にフロート35が設けられており、化粧水タンク31内の化粧水Cを一定水位に保つようにしている。
【0021】
合流通路4の上端には、蛇腹管からなるダクト5が接続されている。このダクト5の先端には、蒸気Bと化粧水ミストDとの混合流体Eを外気中に放出する放出口51が設けられている。
【0022】
図1の美顔用スチーマーは、次のようにして使用される。まず、水補充容器23と化粧水補充容器33とをそれぞれ各タンク21,31上にセットする。すると、水補充容器23内の水Aが水タンク21内の所定高さまで充填される一方、化粧水補充容器33内の化粧水Cが化粧水タンク31内の所定高さまで充填される。そして、電気ヒータ22に通電して、水タンク21内の水Aを加熱・沸騰させる。すると、水タンク21内の空所20に多量の蒸気Bが発生し、該空所20内が高圧になることで、該蒸気Bが蒸気通路4及びダクト5を通って放出口51から外気中に放出される。その後、化粧水霧化装置3の超音波振動素子32を作動させると、化粧水タンク31内の化粧水Cが霧化されて、その化粧水ミストDが連通口41のフイルター42を通って合流通路4内に流入し、該合流通路4内を流れる蒸気B中に混入して混合流体Eとなる。そして、その混合流体Eは、霧状態のままで合流通路4内及びダクト5を通ってダクト先端の放出口51から外気中に連続して放出される。このとき、該放出口51を顔肌Fに近づけておくと、その混合流体Eの温熱で顔肌Fを温めるとともに、該混合流体Eが外気温度あるいは顔肌温度によって冷却されると微細な水滴となって顔肌Fに付着するようになる。そして、混合流体Eによって顔肌Fが温められると、その部分の血行が促進され、且つ毛穴が広がる。又、顔肌Fに微細水滴が付着すると、該顔肌Fに水分を補給できるとともに、該微細水滴中の化粧水成分により肌面をトリートメントできる。
【0023】
尚、水タンク21内の水Aや化粧水タンク31内の化粧水Cは、蒸気B又は化粧水ミストDとなって減少し、水位が低下していくが、それに伴って各フロート25,35が降下すると、水タンク21の注出口24又は化粧水タンク31の注出口34を開放して、それぞれ水Aや化粧水Cを自動で補充するようになる。
【0024】
図2の第2実施形態
図2に示す第2実施形態の美顔用スチーマーでは、化粧水霧化装置3として、化粧水容器71内の化粧水Cをミスト発生容器73内において超音波振動素子32で直接、霧化(化粧水ミストD)させるようにしているところが、上記第1実施形態と異なる。
【0025】
図2の実施形態の化粧水霧化装置3では、化粧水Cを収容した化粧水容器71の上部に、超音波振動素子32を備えたミスト発生容器73を着脱自在に取付けている。
【0026】
化粧水容器71には、内部の化粧水Cを吸い上げる棒状の導液材(フエルトやスポンジ等)72が取付けられている。この導液材72の上端は、容器上面より上方に突出している。尚、この導液材72は、化粧水容器71に蓋を設けて、該蓋を貫通するようにして取付けることができる。
【0027】
ミスト発生容器73は、その下面側を化粧水容器71の上部に着脱自在(取り替え自在)に嵌合させ得るようになっている。又、ミスト発生容器73の下面には、超音波振動素子32が露出している。尚、この第2実施形態で使用される超音波振動素子32は、薄板状で、多数の微小穴(例えば50〜100ミクロン程度)を形成したものが使用されている。そして、図2に示すように、ミスト発生容器73を化粧水容器71にセットした状態では、化粧水容器71側の導液材72の先端がミスト発生容器73側の超音波振動素子32の下面に接触するようになっている。
【0028】
ミスト発生容器73には、該ミスト発生容器73内の空所74をスチーマー本体1側の合流通路4に接続させる接続口75が形成されている。この接続口75は、上向きで斜め方向に突出させている。他方、合流通路4には、該接続口75の先端部分を挿入させるための挿入口44が形成されている。
【0029】
この第2実施形態の美顔用スチーマーでは、ミスト発生容器73を化粧水容器71にセットした状態で、ミスト発生容器73の接続口75を合流通路4の挿入口44から該合流通路4内に差し込んで、該セット体(化粧水容器とミスト発生容器73)をスチーマー本体1に装着する。このセット体装着状態では、合流通路4内に侵入している接続口75の先端部分75aが、第1実施形態の邪魔板43と同様のオリフィス機能を果たす。尚、この接続口75の先端部分75aが特許請求範囲中の邪魔板75aとなる。そして、この美顔用スチーマーを使用するには、水タンク21内の水Aを電気ヒータ22で加熱して蒸気Bを発生させながら、超音波振動素子32を作動させる。すると、導液材72の先端部に保液されている化粧水が超音波振動素子32の微小穴を通ってミスト発生容器73の空所74内で霧化(化粧水ミストD)される。続いて、その空所74内の化粧水ミストDは、接続口75を通って合流通路4内に負圧吸引され、該合流通路4内で蒸気Bと化粧水ミストDの混合流体Eとなる。そして、該混合流体Eは、合流通路4及びダクト5を通り、放出口51から外気中に放出される。尚、放出口51から放出される混合流体Eの機能は、図1の第1実施形態のものと同様である。
【0030】
この第2実施形態の美顔用スチーマーでは、ミスト発生容器73をスチーマー本体1及び化粧水容器71から取り外して、該ミスト発生容器73内に付着する化粧水成分を洗浄(水洗い)することができる。又、化粧水容器71内の化粧水Cが空になると、該化粧水容器71をミスト発生容器73から外して新しいものと取り替えることができる。
【発明の効果】
【0031】
このように、本願発明の美顔用スチーマーでは、蒸気発生装置2で発生させた蒸気B中に化粧水霧化装置3で発生させた化粧水ミストDを混入させ、その混合流体Eを温かい状態でダクト先端の放出口51から顔肌Fに噴霧することができるので、顔肌Fを混合流体Eで温めながら、該顔肌Fに水分及び化粧水成分を付与することができる。従って、顔肌Fに対して、蒸気Bによる温熱効果の付与と水分補給ができるとともに、化粧水成分の塗布を同時に行え、顔肌Fのトリートメントを短時間で且つ簡単に行うことができるという効果がある。又、放出口51から放出される混合流体E中の化粧水成分は、蒸気によって顔肌Fが温められた状態(毛穴が広がっている)で顔肌Fに付着するので、該化粧水成分が顔肌に吸収され易くなり、該化粧水成分の吸収効率が良くなるという効果もある。
【0032】
又、合流通路4における化粧水ミストDの合流部の上流側近傍に、該合流通路4の通路面積を小さくする邪魔板(43,75a)を設けているので、該邪魔板がいわゆるオリフィス機能(負圧吸引機能)を果たし、化粧水霧化装置3で発生させた化粧水ミストDをスムーズに合流通路4内に流入させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本願第1実施形態の美顔用スチーマーの縦断面図である。
【図2】本願第2実施形態の美顔用スチーマーの縦断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1はスチーマー本体、2は蒸気発生装置、3は化粧水霧化装置、4は合流通路、5はダクト、20は水タンクの空所、21は水タンク、22は電気ヒータ、23は水補充容器、30は化粧水タンクの空所、31は化粧水タンク、32は超音波振動素子、33は化粧水補充容器、43は邪魔板、71は化粧水容器、73はミスト発生容器、75は接続口、75aは邪魔板、Aは水、Bは蒸気、Cは化粧水、Dは化粧水ミスト、Eは混合流体である。
Claims (1)
- スチーマー本体(1)内に、水タンク(21)内の水(A)を電気ヒータ(22)で加熱して蒸気(B)を発生させる蒸気発生装置(2)と、化粧水タンク(31)又は化粧水容器(71)内の化粧水(C)を超音波振動素子(32)で霧化させる化粧水霧化装置(3)と、前記蒸気発生装置(2)で発生させた蒸気(B)と前記化粧水霧化装置(3)で発生させた化粧水ミスト(D)とを合流させる合流通路(4)とを設け、
さらに、前記合流通路(4)における化粧水ミスト(D)の合流部の上流側近傍に、前記合流通路(4)の通路面積を小さくする邪魔板(43,75a)を設けているとともに、
前記合流通路(4)に、該合流通路(4)内で混合された蒸気(B)と化粧水ミスト(D)との混合流体(E)をスチーマー本体(1)外に導出するダクト(5)を接続している、
ことを特徴とする美顔用スチーマー。
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