JP3612052B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は例えば刈取部及び脱穀部を備え、連続的に穀稈を刈取って脱穀するコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、本機と刈取部とを連結する部材を取外して刈取部を本機前方に引出して、メンテナンスを行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術は、圃場内においてトラブルが発生した際、例えば、刈取部を駆動する刈取ベルトを、圃場内において交換することが容易に行い得ない等の問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、エンジンからミッションケースに走行駆動力を伝える走行ベルトと、ミッションケースから刈取部に刈取駆動力を伝える刈取ベルトを備えると共に、刈取部を筒軸に支持させ、筒軸を中心に刈取部を昇降シリンダによって昇降させる一方、刈取部を機体側方に回転さえて脱穀部前側並びに運転台左側を開放して各部のメンテナンス等を行うコンバインにおいて、刈取部を支持させる左右架台を機台の上面に固設させ、筒軸の支点軸を左架台に回転自在に軸支させ、前記筒軸他端部を右架台に着脱自在に設け、刈取駆動軸を内挿させるビームを介して刈取部を前記筒軸に支持させ、前記支点軸を中心に筒軸を機体側方に回転させると共に、筒軸の右側に設ける刈取入力プーリから刈取部のビームを介して刈取部各部に駆動力を伝え、またエンジンの前方にミッションケースを配置させてこれらの左側に前記走行ベルトを張設させ、前記ミッションケースと刈取入力プーリとの間に刈取ベルトを張設させると共に、該刈取ベルトを平面視でミッションケースと走行ベルトの間に配設し、ミッションケースの一部を突出させて入力プーリの軸受部を形成し、該軸受部に固設する軸受筒に、走行テンションローラクラッチを支持するテンションアームの支点軸を軸支させ、該支点軸を刈取ベルトに近接配置し、前記支点軸と前記機台に立設した支柱との間に、走行ベルトのテンションバネを介設すると共に、水平支点軸を中心とする刈取入力プーリの水平回転軌跡の外側に前記テンションバネを配置し、かつ、前記刈取ベルトに対してテンションバネを平面視で斜交させて配置したことを特徴とするコンバインを提供するものである。
【0005】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は刈取部の昇降支点筒軸部の平面図、図2は全体の側面図、図3は同平面図であり、図中(1)は走行クローラ(2a)(2b)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は昇降支点筒軸(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧昇降シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は運転操作部(19)及び運転席(20)を備える運転台、(21)は運転席(20)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0006】
さらに、図4、図5、図6に示す如く、機台(3)前側に固定させるミッションケース(22)をエンジン(21)前方に配置させ、ミッションケース(22)両側に駆動スプロケット(23)を介して左右走行クローラ(2)を張架させると共に、エンジン(21)の出力プーリ(24)とミッションケース(22)の入力プーリ(25)の間に走行テンションローラクラッチ(26)を介して走行ベルト(27)を張設させ、走行駆動力を走行ベルト(27)によってミッションケース(22)に伝えるもので、機台(3)に立設させる支柱(28)を介してテンションバネ(29)を張設させ、該バネ(29)によってクラッチ(26)をベルト(27)に弾圧して緊張させるように構成している。
【0007】
また、刈取部(8)を支持させる左右架台(30)(31)を機台(3)の前部上面に固設させ、昇降支点筒軸(12)左端の水平支点軸(32)を左架台(30)に回転自在に軸支させ、前記筒軸(12)右端部を右架台(31)に着脱自在に嵌合させると共に、刈取駆動軸(33)を内挿させるメインビーム(34)、並びに搬送駆動軸(35)を内挿させる搬送支持パイプ(36)を介して刈取部(8)を前記筒軸(12)に支持させ、前記筒軸(12)を中心に刈取部(8)を昇降させる一方、前記支点軸(32)を中心に刈取部(8)を略水平に回転させ、刈取部(8)を機体左側方に水平回転させて脱穀部(4)前側並びに運転台(18)左側を開放して各部のメンテナンス等を行うもので、前記筒軸(12)の右側端に刈取入力プーリ(37)を設け、走行変速と同調するミッションケース(22)の刈取プーリ(38)と前記入力プーリ(37)の間に刈取テンションローラクラッチ(39)を介して刈取ベルト(40)を張設させ、該ベルト(40)を介して刈取部(8)各部を駆動するように構成している。
【0008】
さらに、前記筒軸(12)後方の機台(3)上に架台(41)(41)を介して軸受筒(42)を固設させ、該筒(42)右側端に脱穀入力プーリ(43)を設け、前記エンジン(21)の出力プーリ(24)と脱穀入力プーリ(43)の間に脱穀テンションローラクラッチ(44)を介して脱穀ベルト(45)を張設させ、該ベルト(45)を介して脱穀部(4)各部を駆動するもので、エンジン(21)左側で前方に走行ベルト(27)を、後方に脱穀ベルト(45)を張架させ、ミッションケース(22)左側と走行ベルト(27)の間に刈取プーリ(38)を配置させると共に、出力プーリ(24)左側に右架台(31)を近接させて配設させ、走行ベルト(27)に昇降支点筒軸(12)右側を平面視で交叉させている。
【0009】
上記から明らかなように、エンジン(21)からミッションケース(22)に走行駆動力を伝える走行ベルト(27)と、ミッションケース(22)から刈取部(8)に刈取駆動力を伝える刈取ベルト(40)を備えると共に、脱穀部(4)前側の機台(3)上に架台(30)(31)を介して刈取1軸ケースである昇降支点筒軸(12)を設け、昇降支点筒軸(12)の右側に設ける刈取入力プーリ(37)から刈取2軸ケースであるメインビーム(34)を介して刈取部(8)各部に駆動力を伝えるコンバインにおいて、エンジン(21)の前方にミッションケース(22)を配置させてこれらの左側に前記走行ベルト(27)を張設させ、前記ミッションケース(22)との間に刈取ベルト(40)を張設させる刈取入力プーリ(37)を走行ベルト(27)よりも平面視で右側に設ける。そして、エンジン(21)とミッションケース(22)を前後方向の直線上に配設させ、また走行ベルト(27)を挾んでミッションケース(22)と反対側にメインビーム(34)を配設させ、エンジン(21)及びミッションケース(22)を機体中央寄りに設ける構造でミッションケース(22)よりも後方に昇降支点筒軸(12)を設置させ、機体の左右バランス及び前後バランスを向上させる。
【0010】
さらに、図6、図7、図8に示す如く、エンジン(21)左側面にベルト押え基板(46)を固設させ、該基板(46)に下ブラケット(47)を固定させ、出力プーリ(24)前側下部の走行ベルト(27)を支持するU字形下固定ベルト押え(48)を下ブラケット(47)に設けると共に、エンジン(21)左側でベルト(27)(45)に略平行で前後に細長い水平フレーム(49)を前記基台(46)に固設させ、水平フレーム(49)に上ブラケット(50)を一体固定し、出力プーリ(24)前側上部の走行ベルト(27)を支持する丸棒形の上固定ベルト押え(51)と、出力プーリ(24)後側上部の脱穀ベルト(45)を支持する円板(52)付きの丸棒形固定ベルト押え(53)を、前記上ブラケット(50)に設けるもので、上下固定ベルト押え(48)(51)によって走行ベルト(27)の波動(おどり)を制限すると共に、円板(52)と固定ベルト押え(53)によって脱穀ベルト(45)の上側と左側を囲むように構成している。
【0011】
また、前記水平フレーム(49)の軸受(49a)に支点軸(54)を介してベルト押え体(55)基端を前後に回動自在に取付け、出力プーリ(24)後側及び下側の走行ベルト(27)がプーリ(24)から外れるのを防ぐ板状の走行ベルト押え(56)と、出力プーリ(24)後側下部の脱穀ベルト(45)がプーリ(24)から外れるのを防ぐ丸棒形及び板状の脱穀ベルト押え(57)(58)を、前記ベルト押え体(55)先端に一体固定させると共に、ベルト押え体(55)の取付アーム(59)と前記水平フレーム(49)前端を右架台(31)前方の開放空間に延設させ、水平フレーム(49)に固定アーム(59)をボルト(60)によって着脱自在に固定させ、水平フレーム(49)を介して機体側にベルト押え体(55)を着脱自在に連結固定させるもので、前記ボルト(60)の着脱により、前記ベルト(27)(45)に近接させて外れるのを防ぐ作用位置と、前記ベルト(27)(45)から離反させて交換等を可能にする非作用位置に、ベルト押え体(55)を回動させると共に、固定ベルト押え(48)(51)のベルト(27)波動防止によって走行ベルト(27)に走行ベルト押え(56)を近接配置させてベルト(27)とベルト押え(56)間の隙間を小さくするように構成している。
【0012】
さらに、図5、図6、図9に示す如く、ミッションケース(22)の一部を突出させて入力プーリ(25)の軸受部(22a)を形成し、入力プーリ(25)と刈取プーリ(38)を側面視で重合させ、刈取プーリ(38)前側と軸受部(22a)を近接させて該部(22a)をベルト押えとして兼用すると共に、走行テンションローラクラッチ(26)を支持するテンションアーム(61)の支点軸(62)を、軸受部(22a)に固設するブラケット(63)の軸受筒(64)に軸支させ、刈取プーリ(38)後側上部の刈取ベルト(40)に前記支点軸(62)を近接配置させてベルト押えとして兼用し、ミッションケース(22)周辺を有効利用して刈取ベルト(40)をコンパクトに配設させるもので、刈取プーリ(38)後側下部の刈取ベルト(40)を支持する刈取ベルト押え(65)をミッションケース(22)側面にボルト(66)止め固定させ、刈取ベルト押え(65)を脱着して刈取ベルト(40)の取外交換を行うように構成している。
【0013】
上記構成並びに図1のように、ミッションケース(22)に走行駆動力を伝える走行ベルト(27)と、刈取部(8)に刈取駆動力を伝える刈取ベルト(40)を備えると共に、刈取部(8)を水平回転自在に支持する水平支点軸(32)を設けるコンバインにおいて、平面視でミッションケース(22)と走行ベルト(27)の間に刈取ベルト(40)を配設させると共に、刈取部(8)最右側に位置する刈取ベルト(40)張設用刈取入力プーリ(37)前方側で該プーリ(37)と略同一高さに走行ベルト(27)のテンションバネ(29)を設け、水平支点軸(32)を中心とする刈取入力プーリ(37)の水平回転軌跡(67)の外側に近接させて前記テンションバネ(29)を設けるもので、前記テンションバネ(29)の上端側を機体右側方向に延設させ、右方向に傾斜させてテンションバネ(29)を張設させ、刈取入力プーリ(37)の水平回転軌跡(67)の接線と略平行で該接線に接近させてテンションバネ(29)を配置させ、刈取ベルト(40)に対しテンションバネ(29)を平面視で斜交させるように構成している。
【0014】
さらに、図10、図11に示す如く、一対の略平行な固定板(68)(68)並びに一対の略平行な可動板(69)(69)で形成する刈取昇降ブラケット(70)を備え、前記メインビーム(34)中間の受台(71)に固定板(68)を一体固定させ、固定板(68)及び可動板(69)の傾斜上端側を固定ピン(72)によって回転自在に連結させると共に、前記トラックフレーム(1)に支軸(73)を介して昇降シリンダ(11)を連結させ、該シリンダ(11)のピストンロッド(74)先端を可動板(69)中間部にピン(75)を介して連結させ、可動板(69)の開孔(76)を介してピン(75)をピストンロッド(74)に着脱自在に貫挿させ、可動板(69)にピン(75)をボルト(77)止め固定させる一方、固定板(68)及び可動板(69)の傾斜下端側の開孔(78)(79)にピン(80)を着脱自在に貫挿させ、固定板(68)に前記ピン(80)をボルト(81)止め固定させるもので、図11の如く、固定板(68)と可動板(69)を千鳥状に交互に配列させ、メインビーム(34)の右側下面にブラケット(70)を設け、メインビーム(34)に対して昇降シリンダ(11)を機体右寄りに配設し、刈取部(8)重心位置を通過する前後方向中心線上に昇降シリンダ(11)を取付け、平面視でメインビーム(34)と刈取入力プーリ(37)の間に昇降シリンダ(11)を位置させ、刈取ベルト(40)に対してメインビーム(34)を離反させ、かつ昇降シリンダ(11)によって刈取部(8)重心位置を支えるように構成している。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
(1)エンジンとミッションケースを前後方向の直線上に配設することができる。
(2)走行ベルトを挟んでミッションケースと反対側に刈取部のビームを配設することができる。
(3)エンジン及びミッションケースを機体中央寄りに設ける構造で、ミッションケースよりも後方に筒軸を配置することができる。
(4)機体の左右バランス及び前後バランスを向上させることができて、湿田走行性能を向上させることができる。
(5)走行テンションローラクラッチを支持するテンションアームの支点軸を、ミッションケースの一部を突出させて形成した軸受部に固設した軸受筒に軸支させて、上記支点軸を刈取ベルトに近接配置させてベルト押さえとして兼用することができると共に、ミッションケース周辺を有効利用して、刈取ベルトをコンパクトに配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】刈取部の昇降支点筒軸部の平面図。
【図2】全体の側面図。
【図3】同平面図。
【図4】エンジン出力部の側面図。
【図5】同平面説明図。
【図6】図4の平面図。
【図7】図4の拡大図。
【図8】エンジン出力プーリ部の背面図。
【図9】ミッションケース入力プーリ部の正面図。
【図10】昇降シリンダ部の側面図。
【図11】昇降ブラケット部の背面図。
【符号の説明】
(4) 脱穀部
(8) 刈取部
(12) 昇降支点筒軸
(18) 運転台
(22) ミッションケース
(32) 水平支点軸
(40) 刈取ベルト
Claims (1)
- エンジン(21)からミッションケース(22)に走行駆動力を伝える走行ベルト(27)と、ミッションケース(22)から刈取部(8)に刈取駆動力を伝える刈取ベルト(40)を備えると共に、刈取部(8)を筒軸(12)に支持させ、筒軸(12)を中心に刈取部(8)を昇降シリンダ(11)によって昇降させる一方、刈取部(8)を機体側方に回転さえて脱穀部(4)前側並びに運転台(18)左側を開放して各部のメンテナンス等を行うコンバインにおいて、
刈取部(8)を支持させる左右架台(30)(31)を機台(3)の上面に固設させ、筒軸(12)の支点軸(32)を左架台(30)に回転自在に軸支させ、前記筒軸(12)他端部を右架台(31)に着脱自在に設け、刈取駆動軸(33)を内挿させるビーム(34)を介して刈取部(8)を前記筒軸(12)に支持させ、前記支点軸(32)を中心に筒軸(12)を機体側方に回転させると共に、筒軸(12)の右側に設ける刈取入力プーリ(37)から刈取部(8)のビーム(34)を介して刈取部(8)各部に駆動力を伝え、またエンジン(21)の前方にミッションケース(22)を配置させてこれらの左側に前記走行ベルト(27)を張設させ、前記ミッションケース(22)と刈取入力プーリ(37)との間に刈取ベルト(40)を張設させると共に、該刈取ベルト(40)を平面視でミッションケース(22)と走行ベルト(27)の間に配設し、
ミッションケース(22)の一部を突出させて入力プーリ(25)の軸受部(22a)を形成し、該軸受部(22a)に固設する軸受筒(64)に、走行テンションローラクラッチ(26)を支持するテンションアーム(61)の支点軸(62)を軸支させ、該支点軸(62)を刈取ベルト(40)に近接配置し、
前記支点軸(62)と前記機台(3)に立設した支柱(28)との間に、走行ベルト(27)のテンションバネ(29)を介設すると共に、水平支点軸(32)を中心とする刈取入力プーリ(37)の水平回転軌跡の外側に前記テンションバネ(29)を配置し、かつ、前記刈取ベルト(40)に対してテンションバネ(29)を平面視で斜交させて配置したことを特徴とするコンバイン。
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