JP3610893B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は触媒を用いた内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】
内燃機関の始動直後に排出される還元剤成分であるHC,COの浄化と、リーン運転中に排出されるNOxの浄化とを両立させるため、始動用触媒の下流側にNOx吸収剤を設け、点火栓による着火燃焼(主燃焼)の後に追加燃料を供給して排気空燃比をリッチ化するようにしたものが知られている(特開平11一62563号公報)。
【0003】
このような排気浄化装置において、始動用として上流側に配設する触媒には還元剤成分を高効率で酸化浄化する機能を持つことが求められるが、一般的にこのような機能を有する触媒は排気ガス中の酸素をトラップ保持する機能をも備えている。一方、下流側の触媒にトラップ保持されているNOxを還元浄化して下流側の触媒を再生すること、すなわちNOxトラップ機能を回復させるためには、下流側の触媒に還元剤成分を供給すればよいが、この還元剤成分を燃焼室におけるリッチ空燃比混合気の燃焼によって生成する場合、燃焼によって生じた還元剤成分は先ず上流側の触媒へ流入し、上流側の触媒が保持している酸素によって酸化されることになる。このため、還元剤成分が下流側の触媒へ到達するのは、上流側の触媒が保持していた酸素が全て消費された後になる。上流側の触媒で酸化されてしまう還元剤成分は、NOxの還元浄化には寄与しないので無駄であり、還元剤成分のもとが燃料であることを考慮すれば、このような無駄の発生は燃費を悪化させる要因となることが分かる。
【0004】
ところで、前述の従来技術の装置は、各気筒群毎の新気通路に上流側の触媒を配設しており、このような構成下では、一方の気筒群だけをリッチ空燃比とすることで還元剤成分の無駄を低減可能である。すなわち、還元剤成分の無駄な酸化は、リッチ空燃比とする気筒群の排気通路に配設された触媒上でだけ発生するので、無駄に酸化される還元剤成分の量を半減させることができる。その一方、残りの気筒群の空燃比をストイキ空燃比(理論空燃比)とした場合には次のような問題が生じる。保持酸素による還元剤成分の酸化が行われている間、リッチ空燃比とする気筒群の触媒からはほぼストイキ空燃比の排気ガスが流出する。ストイキ空燃比とする気筒群の触媒からは当然ストイキ空燃比の排気ガスが流出する。これらの排気ガスが合流して下流側の触媒へ流入すると、下流側の触媒はそれまで保持していたNOxをそのまま、浄化することなく放出することがある。すなわち、下流側の触媒の再生制御の開始からしばらくの期間、未浄化のNOxが下流側の触媒から流出することになる。これに対して、残りの気筒群の空燃比をリーン空燃比とした場合、こんどは次のような問題が生じる。この場合、リッチ空燃比とする気筒群からの還元剤成分が上流側の触媒を通過するようになると、下流側の触媒上でNOxの還元浄化が行われるようになるが、このときリーン空燃比とする気筒群から排出されたリーンな排気ガスが同時に下流側の触媒へ流入するので、下流側の触媒上でのNOxの還元反応の反応効率が低下してしまう。すなわち、リーンな排気ガス中には酸素が多量に含まれているため、下流側の触媒上ではNOxと還元剤成分との反応と酸素と還元剤成分との反応とが同時に発生することになり、このため還元剤成分だけを下流側の触媒へ供給する場合よりもNOxの還元反応の反応効率が低下するのである。本発明はこのような従来の問題点を解消することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、第1の発明では、多気筒内燃機関の第1の気筒群と第2の気筒群のそれぞれの排気通路に配設され、流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比であるときに排気ガス中の酸素をトラップして保持し、流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比であるときに保持していた酸素を放出して排気ガス中の還元剤成分を酸化する機能を有する第1の上流側触媒および第2の上流側触媒と、前記各気筒群の排気通路を各上流側触媒よりも下流側にて合流させた下流側排気通路に配設され、流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比であるときに排気ガス中のNOxをトラップして保持し、流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比であるときに保持していたNOxを排気ガス中の還元剤成分で還元する機能を有する下流側触媒と、前記各気筒群毎に異なる燃料量を供給可能な燃料供給手段と、保持されているNOxを還元して前記下流側触媒のNOxトラップ機能を回復させるための触媒再生制御を開始するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果に応じて触媒再生制御を実行するときに、前記燃料供給手段を介して、触媒再生制御開始から所定期間は第1の気筒群の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に、かつ第2の気筒群の空燃比を理論空燃比よりもリーン側に制御し、前記所定期間経過後は第1の気筒群の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に、かつ第2の気筒群の空燃比を略理論空燃比に制御する燃料制御手段とを備えた。
【0006】
第2の発明は、前記第1の発明の所定期間を、前記第1の上流側触媒からの酸素放出によって該触媒から流出する排気の空燃比がほぼ理諭空燃比に維持される期間とした。
【0007】
第3の発明は、前記第2の発明において、触媒再生制御開始からの経過時間を計測する計測手段を備え、前記燃料制御手段を、この計測した経過時間に基づいて前記所定期間が経過したか否かを判定するように構成した。
【0008】
第4の発明は、前記第2の発明において、前記第1の上流側触媒の酸素保持量を推定する推定手段を備え、前記燃料制御手段を、推定した酸素保持量に基づいて前記所定期間が経過したか否かを判定するように構成した。
【0009】
第5の発明は、前記第4の発明の推定手段を、前記第1の上流側触媒の瞬時反応形態による酸素保持量と遅反応形態による酸素保持量とをそれぞれ推定するよう構成し、前記燃料制御手段を、推定した瞬時反応形態による酸素保持量に基づいて前記所定期間が経過したか否かを判定するように構成した。
【0010】
第6の発明は、前記第4または第5の発明において、前記第1の上流側触媒に流入する排気ガスの空燃比を広範囲に検出可能なリニア空燃比センサを備え、前記推定手段を、検出した空燃比に基づいて酸素保持量の推定を行なうように構成した。
【0011】
第7の発明は、前記第2の発明において、前記第1の上流側触媒から流出する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比であるか否かを検出可能な空燃比センサを備え、前記燃料制御手段を、検出した空燃比がリッチ空燃比に変化したか否かに基づいて前記所定期間が経過したか否かを判定するように構成した。
【0012】
第8の発明は、前記第1の発明の判断手段を、機関の吸入空気量と主燃焼の空燃比とから算出したNOx量の積算値が、前記下流側触媒の特性に応じて定めた所定の基準値を越えたときに触媒再生制御を開始すると判断するように構成した。
【0013】
【作用・効果】
前記第1の発明以下の各発明では、下流側触媒の再生制御開始当初は第1の気筒群をリッチ空燃比、第2の気筒群をリーン空燃比とし、下流側触腺へ流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比にならないように図る(リッチ・リーン運転モード)。このように各気筒群の空燃比が制御されているとき、リッチ側である第1の気筒群から排出された排気ガスは還元剤成分(HC,CO)を多く含んでいるが、この還元剤成分は第1の上流側触媒の保持酸素によって酸化されてしまうのでその下流の排気ガスはストイキ相当の空燃比となっている。これに対して、リーン側である第2の気筒群に接続した第2の上流側触媒の下流では排気ガスは弱リーン空燃比となる。したがって、これら第1、第2の気筒群の排気ガスが合流した排気ガス、すなわち下流側触媒に流入する排気ガスの空燃比も弱リーンとなる。したがって、第1の上流側触媒から保持酸素を放出させている間、下流側触媒からNOXが放出されるのを防止することができる。
【0014】
一方、第1の上流側触媒から酸素が放出される期間が終了して還元剤成分が上流側触媒を通過しやすい状態となったら、第1の気筒群をリッチ空燃比、第2の気筒群をほぼ理論空燃比とする(リッチ・ストイキ運転モード)。このように各気筒群の空燃比制御が開始されると、第1の気筒群から排出された排気ガス中の還元剤成分は第1の上流側触媒を通過して下流へ流出する一方、第2の上流側触媒下流の排気ガスは理論空燃比となっており、この排気ガス中には酸素がほとんど含まれていない。したがって、これらが合流して下流側触媒13に流入する排気ガスはリッチ空燃比、かつ酸素をほとんど含んでいない。このため、第1の上流側触媒からの酸素放出が終了した後は、酸素の同時流入を回避しつつ下流側触媒へ還元剤成分を供給することができ、還元剤成分と保持NOxとの効率の良い反応を確保することができる。
【0015】
前記触媒再生制御は、例えば第8の発明として示したように、吸入空気量と主燃焼の空燃比とから算出したNOx量の積算値が、下流側触媒の特性に応じて定めた所定の基準値を超えたときに開始するように構成し、これにより下流側触媒に保持されるNOx量に応じた、むだのない触媒再生制御を行うことができる。また、触媒再生制御を行う期間は、第2の発明として示したように、第1の上流側触媒からの酸素放出によって該触媒から流出する排気の空燃比がほぼ理諭空燃比に維持される期間に設定する。
【0016】
前記の第1の上流側触媒から流出する排気の空燃比がほぼ理諭空燃比に維持される期間については、これを第3の発明以下の手法で判定することが可能である。すなわち、第3の発明では触媒再生制御開始からの経過時間に基づいて所定期間を判定する。また、第4の発明では、所定期間を第1の上流側触媒の酸素保持量の推定値に基づいて判定する。この場合の酸素保持量は例えば第5の発明として示したように、第1の上流側触媒の瞬時反応形態による酸素保持量と遅反応形態による酸素保持量のうち、瞬時反応形態による酸素保持量の推定値に基づいて判定することにより精度の高い制御結果が得られる。また、前記酸素保持量の推定値は、第6の発明として示したように、排気空燃比検出手段として設けたリニア空燃比センサにより検出した空燃比に基づいて算出することにより精度の高い推定結果が得られる。なお、前記第2の発明の所定期間は、第7の発明として示したように、第1の上流側触媒から流出する排気の空燃比を検出する空燃比センサからの検出空燃比に基づいて判定することもでき、この場合は触媒の反応結果を利用するので制御系の演算負担をより軽減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は本発明による実施形態の機械的構成例を概略的に表したものである。各図において1はマイクロコンピュータおよびその周辺装置から構成されたコントロールユニットである。このコントロールユニット1は、本発明の燃料制御手段としての機能を有し、すなわち各種運転状態信号に基づいて火花点火式内燃機関2の燃料噴射量を制御し、さらに点火時期等を制御する機能をも有する。機関制御のための基本的な検出量は吸気通路3の途中に設けられたエアフロメータ4からの吸気量信号とクランク角センサ5からの機関回転数信号であり、詳しくは後述するが、例えば燃料噴射量はこれらの信号から定まる基本値を図示しない水温センサからの冷却水温信号、排気酸素センサ(以下「O2センサ」と表す)6からの酸素濃度信号等に応じて補正することによりその信号値を決定する。燃料噴射量信号は、機関燃焼室内に燃料を直接噴射供給するように構成された燃料噴射弁7に付与され、これにより所要量の燃料が内燃機関2に供給される。また、点火時期については、アクセルセンサ8からのアクセル操作量と機関回転数とから定まる基本値を水温等により補正することでその信号値が決定され、クランク角センサ5からのクランク位置信号を参照しながら前記信号値に応じたタイミングで点火栓9に点火電流が供給される。10は電子制御スロットルバルブであり、コントロールユニット1からの指令に基づいて所要の空気量が得られるようにその開度が制御される。
【0018】
内燃機関2は図2に示したように直列4気筒形式であり、その#1,#4気筒を第1の気筒群としてこれらに共通の排気通路11Aの途中に第1の上流側触媒12Aが介装され、また#2,#3気筒を第2の気筒群としてこれらに共通の排気通路11Bの途中に第2の上流側触媒12Bが介装されている。さらに前記各上流側触媒12A,12Bの下流側にて各排気通路11A、11Bは合流し、この合流部よりも下流側の排気通路11Cの途中に下流側触媒13が介装されている。なお前記O2センサ6は第1の上流側触媒12の上流側に設けられている。
【0019】
前記各上流側触媒12A,12Bは、それぞれアルミナをコーティングしたハニカム担体に白金系貴金属とセリウム等の助触媒を担持した構成を有し、流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときに排気中の酸素をトラップして保持し、流入する排気の空燃比がリッチ空燃比であるときに保持していた酸素を放出して排気中の還元剤成分を酸化する機能を有する。一方、下流側触媒13は、アルミナをコーティングしたハニカム担体に白金系貴金属とアルカリ金属、アルカリ土類金属を担持した構成を有し、流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときに排気中のNOxをトラップして保持し、流入する新気の空燃比がリッチ空燃比であるときに保持していたNOxを排気中の還元剤成分で還元する機能を有する。
【0020】
次に上記コントロールユニット1による触媒再生制御の実施形態につき図3以下に示した流れ図、および図7に示したタイミングチャートを参照しながら説明する。なお図3以下に示した各流れ図はそれぞれ例えば約10msec毎に周期的に実行される。
【0021】
触媒再生制御の第1の実施形態では、下流側触媒13のNOxトラップ量の積算値(ΣNOx)が所定値(ΣNOxth)に達すると、まず、第1の気筒群(#1,#4)の空燃比をリッチとし、第2の気筒群(#2,#3)の空燃比を弱リーンとするリッチ・リーン運転モードで触媒再生制御を開始し、所定時間(RSTth)が経過した時点で第1の気筒群の空燃比をリッチとし、第2の気筒群の空燃比を略理論空燃比とするリッチ・ストイキ運転モードに切り換えて触媒再生制御を継続させる。
【0022】
図3は触媒再生制御の要否を判断するルーチンであり、触媒再生制御の要否を示すフラグFRSの設定を行なう。FRS=1で触媒再生制御要、FRS=0で触媒再生制御不要を示す。以下、制御ルーチンのステップを順を追って説明する。
S101:触媒再生制御要否フラグFRSが0であるか否か、すなわち、前回本ルーチンを実行したときの判断が「触媒再生制御不要」であったか否かを判断する。本実施形態では、触媒再生制御を行なわないときの空燃比をリーン空燃比とする(詳細は図5を参照)。よって、本ステップの判断がYESであるとき、下流側触媒13は排気ガス中のNOxをトラップして保持する。
S102:吸入空気量Qaと目標当量比の基本値TFBYA0とに基づき、単位時間(例えば本ルーチン実行時間間隔。以下同様。)当たりに下流側触媒13へ流入するNOx量△NOxを算出する。Qaは、直前に実行された吸入空気量検出ルーチン(図示略)でエアフロメータ4の出力信号から算出された最新の値であり、4気筒分の吸入空気量を示す値である。また、TFBYA0は、直前に実行された目標空燃比設定ルーチン(図5)で算出された最新の値を使用する。なお、前記の目標当量比とは、制御しようとする混合気の空燃比と理論空燃比との比率であり、TFBYA=1のときは理論空燃比、TFBYA>1のときはリッチ空燃比、TFBYA<1のときはリーン空燃比を表す。TFBYA1<1(リーン空燃比運転)のとき、下流側触媒に流入する排気の空燃比もリーン空燃比となり、下流側触媒は新気中のNOxをトラップして保持する。
S103:前回本ルーチンを実行したときに算出したトラップNOx積算値ΣNOxzにSl02の△NOxを加算して、新たなトラップNOx積算値ΣNOxを算出する。ただし、流入する排気ガス中の全てのNOxが下流側触棋13にトラップされるわけではないので、このトラップ率をk1(<1)とし、k1×△NOxをΣNOxzに加えるようにしている。下流側触媒13のNOxトラップ率は、下流側触媒13の状態、例えば温度、現在のNOx保持量等によって変化するので、これに合わせてk1の値を可変設定するとよい。
S104:トラップNOx積算値ΣNOxが所定値NOxthより大きいか否かを判断する。NOxthは、下流側触媒が良好なNOxトラップ能力を維持できる限界のNOx保持量に相当する値であり、実験的に求めてコントロールユニット1内のメモリに記憶させておいた値を使用する。
S105:触媒再生制御要否フラグFRSを1に設定する。
S106:再生運転モードフラグFRSKが0であるか否か、すなわちリッチ・リーン運転モード選択中であるか否かを判断する。
S107:S106でリッチ・リーン運転モード選択中であると判断された場合は、吸入空気量Qaと第2気筒群の目標当量比TFBYA2とに基づき、単位時間当たりに下流側触媒13へ流入するNOx量△NOxを算出する。詳細には、Qaの半分(2気筒分の吸入空気量)とTFBYA2とに基き、第2の気筒群から排出される排気ガス中のNOx量を算出し、これを△NOxとする。なお、第1の気筒群から排出される排気ガス中のNOxは第1の上流側触媒12Aで還元浄化され、下流側触媒13へ流入することはない。TFBYA2は、直前に実行された目標空燃比設定ルーチン(図5)で算出された最新の値を使用する。
S108:S103と同様の演算を行なって新たなトラップNOx積算値ΣNOxを算出する。なお、このときの下流側触媒13は良好なNOxトラップ能力を維持できる状態(NOxトラップ率が高い状態)にないため、この間(FRSK=0の間)のNOx取りこぼし量は比較的多くなる。
【0023】
リッチ・リーン運転モードが選択され、第1の気筒群の空燃比がリッチ空燃比に、第2の気筒群の空燃比が弱リーン空燃比に制御されているとき、第1の気筒群から排出された排気ガスは還元剤成分(HC,CO)を多く含んでいるが、この還元剤成分は第1の上流側触媒12Aの保持酸素によって酸化されてしまい、還元剤成分が第1の上流側触媒12Aの下流へ流出することはない。すなわち、第1の上流側触媒12A下流の排気ガスはストイキ相当の空燃比となっている。一方の第2の上流側触媒12B下流の排気ガスは弱リーン空燃比となっており、これらの排気ガスが合流した排気ガス、すなわち下流側触媒13に流入する排気ガスの空燃比も弱リーンとなる。このような制御により、第1の上流側触媒12Aから保持酸素を放出させている間、下流側触媒13からNOxが放出されるのを防止することができる。
S109:S106でリッチ・リーン運転モード選択中でないと判断された場合、すなわちリッチ・ストイキ運転モ一ド選択中であると判断された場合は、吸入空気量Qaと第1気筒群の目標当量比TFBYA1とに基づき、単位時間当たりに下流側触媒13へ流入する還元剤成分量△RAを算出する。詳細には、Qaの半分(2気筒分の吸入空気量)とTFBYA1とに基き、第1気筒群から排出される排気ガス中の還元剤成分量を算出し、これを△RAとする。TFBYA1は、直前に実行された目標空燃比設定ルーチン(図5)で算出された最新の値を使用する。
Sl10:前回本ルーチンを実行したときに算出したトラップNOx積算値ΣNOxzから還元浄化されるNOx量(=k2×△RA)を減算して、新たなトラップNOx積算値ΣNOxを算出する。k2は、還元剤成分の量を還元されるNOx量に換算するための係数である。
S111:トラップNOx積算値ΣNOxが負の値となったか否かを判断する。ΣNOxが負の値となれば下流側触媒13に保持されていたNOxが完全に還元浄化されたと判断することができる。
S112:触媒再生制御要否フラグFRSを0に設定すると共に、トラップNOx積算値ΣNOxを0にする。
【0024】
リッチ・ストイキ運転モードが選択され、第1の気筒群の空燃比がリッチ空燃比に、第2の気筒群の空燃比が理論空燃比に制御されているとき、第1の気筒群から排出された排気ガス中の還元剤成分は第1の上流側触媒12Aを通過して下流へ流出する。一方、第2の上流側触媒12B下流の排気ガスは理論空燃比となっており、この排気ガス中には酸素がほとんど含まれていない。これらの排気ガスが合流した排気ガス、すなわち下流側触媒13に流入する排気ガスは、空燃比がリッチであり、かつ酸素をほとんど含んでいない。このような制御により、第1の上流側触媒12Aからの酸素放出が終了した後は、酸素の同時流入を回避しつつ下流側触媒13へ還元剤成分を供給することができ、還元剤成分と保持NOxとの効率の良い反応を確保することができる。
【0025】
図4は再生運転モード設定ルーチンであり、前述した何れかの運転モードを示すフラグFRSKの設定を行なう。FRSK=0でリッチ・リーン運転モード、FRSK=1でリッチ・ストイキ運転モードを示す。
S201:触媒再生制御要否フラグFRSが1であるか否かを判断する。FRSは、直前に実行された触媒再生制御要否判断ルーチン(図3)で設定された最新の値を使用する。
S202:触媒再生制御要否フラグ前回値FRSZが0であるか否かを判断する。FRSZは、前回本ルーチンを実行したときのフラグFRSを記憶・保存しておいた値である。
S203:触媒再生制御継続時間RSTを0にリセットする。このステップは、触媒再生制御開始時(FRSZ=0かつFRS=1)に実行される。
S204:前回本ルーチンを実行したときに算出した触媒再生制御継続時間RSTzに単位時間△t(本ルーチン実行時間間隔)を加算して、新たな触媒再生制御継続時間RSTを算出する。このステップは、触媒再生制御継続中(FRSZ=1かつFRS=1)に実行される。
S205:触媒再生制御継続時間RSTが所定値RSTthより小さいか否かを判断する。RSTthは、触媒再生制御を開始してから下流側触媒13の入口がリッチ空燃比となるまでの時間、すなわち第1の上流側触媒12Aに保持されていた酸素がすべて放出されるまでの時間に相当する値であり、実験的に求めてコントロールユニット1内のメモリに記憶させておいた値を使用する。
S206:再生運転モードフラグFRSKを0に設定する。
S207:再生運転モードフラグFRSKを1に設定する。
【0026】
図5は目標空燃比設定ルーチンであり、第1の気筒群に対する目標当量比TFBYA1と第2の気筒群に対する目標当量比TFBYA2とを算出する。
S301:アクセル開度APSとエンジン回転数Neとに基づき、目標当量比の基本値TFBYA0を算出する。具体的には、APSとNeとに対応させてTFBYA0を記憶させてある制御マップから値をルックアップする。この制御マップには、良好な燃費が得られるよう空燃比を大幅にリーン化する値、例えば、0.4〜0.7程度の値が設定されている。APSは、直前に実行されたアクセル開度検出ルーチン(図示略)でアクセルセンサ8の出力信号から算出された最新の値を使用する。Neは、直前に実行されたエンジン回転数検出ルーチン(図示略)でクランク角センサ5の出力信号から算出された最新の値を使用する。
S302:触媒再生制御要否フラグFRSが1であるか否かを判断する。FRSは、直前に実行された触媒再生制御要否判断ルーチン(図3)で設定された最新の値を使用する。
S303:触媒再生制御を行なわないときは、第1の気筒群の目標当量比TFBYA1と第2の気筒群の目標当量比TFBYA2を共にS301で算出した基本値TFBYA0とする。
S304:再生運転モードフラグFRSKが0であるか否かを判断する。FRSKは、直前に実行された再生運転モード設定ルーチン(図4)で設定された最新の値を使用する。
S305:再生運転モードフラグFRSKが0(リッチ・リーン運転モードを選択)であるときは、第1の気筒群の目標当量比TFBYA1を所定のリッチ空燃比相当値であるRICHに設定するとともに、第2の気筒群の目標当量比TFBYA2を所定のリーン空燃比相当値であるLEANに設定する。RICHは、例えば1.3(空燃比にして約11)程度の値である。この値が大きいほど第1の上流側触媒12Aから速やかに酸素を放出させることができるが、リッチ失火を生じない範囲の値とする必要がある。LEANは、例えば0.8(空燃比にして約18)程度の値である。このような設定により、第1の上流側触媒12Aから流出する排気ガス(略理論空燃比となっている)と第2の上流側触媒12Bから流出する排気ガスとが合流した後の排気ガスの空燃比は16程度となる。下流側触媒13へ流入する排気ガスの空燃比がこの程度のリーン空燃比(酸素濃度で2%以上)であれば、下流側触媒13はNOxをトラップ保持し得る状態にあり、保持NOxを放出することはない。なお、図3のS107,S108の説明の通り、リッチ・リーン運転モード選択中の下流側触媒13は良好なNOxトラップ能力を維持できる状態にない。よって、NOx発生量がピークとなる空燃比を避けるようにLEANの値を設定することが望ましい。
S306:再生運転モードフラグFRSKが1(リッチ・ストイキ運転モードを選択)であるときは、第1の気筒群の目標当量比TFBYA1を所定のリッチ空燃比相当値であるRICHに設定するとともに、第2の気筒群の目標当量比TFBYA2を理論空燃比相当値である1に設定する。RICHの値は、S305の値と同じでもよいが、望ましくは下流側触媒13からのNOx放出特性や排気ガス流量に応じて変化させるようにする。
【0027】
なお、コントロールユニット1は、アクセル操作量APSと機関回転数Neとから機関の目標発生トルクを算出し、そのとき設定されている第1目標当量比TFBYA1と目標発生トルクとから目標吸入空気量を算出し、この目標吸入空気量が得られるように電子制御スロットルバルブ10の開度を制御する吸入空気量制御を行なっているので、本ルーチンで目標当量比が任意に設定されても、それによって機関トルクが変化するようなことはない。また、通常運転中(触媒再生制御要否フラグFRSが0)は、第1の気筒群と第2の気筒群の目標当量比が共に基本値TFBYA0なので、目標吸入空気量の算出にはこのTFBYA0を使用すればよい。一方、触媒再生制御運転中は、第1の気筒群と第2の気筒群の目標当量比が異なっている。このようなときはよりトルクの出難い第2の気筒群の目標当量比TFBYA2を用いて目標吸入空気量を算出する。このとき、よりトルクの出やすい第1の気筒群では点火時期の遅角制御を行って気筒群間のトルク差を補償するようにする。
【0028】
図6は燃料噴射量算出ルーチンであり、第1の気筒群用の燃料噴射量Ti1と第2の気筒群用の燃料噴射量Ti2を算出する。
S501:吸入空気量Qaとエンジン回転数Neとに基づいて、基本燃料噴射量Tp(理論空燃比相当の燃料噴射量)を算出する。Qaは、直前に実行された吸入空気量検出ルーチンでエアフロメータ4の出力信号から算出された最新の値を使用する。Neは、直前に実行されたエンジン回転数検出ルーチンでクランク角センサ5の出力信号から算出された最新の値を使用する。
S502:基本燃料噴射量Tpに第1目標当量比TFBYA1を乗じて、第1の気筒群用の燃料噴射量Ti1を算出する。TFBYA1は、直前に実行された目標空燃比設定ルーチン(図5)で算出された最新の値を使用する。
S503:基本燃料噴射量Tpに第2目標当量比TFBYA2を乗じて、第2の気筒群用の燃料噴射量Ti2を算出する。TFBYA2は、直前に実行された目標空燃比設定ルーチン(図5)で算出された最新の値を使用する。
【0029】
前述のようにして算出された燃料噴射量Ti1,Ti2は、エンジン回転に同期して実行される燃料噴射ルーチン(図示略)で使用される。燃料噴射ルーチンでは、#1気筒または#4気筒が所定の燃料噴射時期となったとき、Ti1に応じた燃料噴射パルス信号をその気筒の燃料噴射弁7へ送信し、#2気筒または#3気筒が所定の燃料噴射時期となったとき、Ti2に応じた燃料噴射パルス信号をその気筒の燃料噴射弁7へ送信する。
【0030】
次に、本発明による触媒再生制御の第2の実施形態につき説明する。この実施形態では、リーン空燃比による運転が継続して行われ下流側触媒13のNOxトラップ量の積算値(ΣNOx)が所定値(ΣNOxth)に達すると、まず第1の気筒群の空燃比をリッチとし第2の気筒群の空燃比を弱リーンとするリッチ・リーン運転モードで触媒再生制御を開始し、上流側触媒の酸素保持量(OSa)が所定量(OSath)以下となった時点で第1の気筒群の空燃比をリッチとし第2の気筒群の空燃比を略ストイキとするリッチ・ストイキ運転モードに切換えて触媒再生制御を継続させる。
【0031】
この制御では、第1の上流側触媒12Aの酸素保持量を算出するために、第1の上流側触媒12Aの上流に広域の空燃比をリニアに検出できる空燃比センサ20を配設する(図8参照)。この場合、上流側触媒12Aの酸素保持量を推定して噴射モードの切換えを行なうので、その酸素保持量が0となる直前に精度よく噴射モードを切り換えることができる。以下、第1の実施形態と異なる部分につき説明する。
【0032】
図9は再生運転モード設定ルーチンであり、この制御では前記第1の実施形態の図4に代えて本ルーチンにより再生運転モードを示すフラグFRSKの設定を行なう。
S601:触媒再生制御要否フラグFRSが1であるか否かを判断する。FRSは、直前に実行された触媒再生制御要否判断ルーチン(図3)で設定された最新の値を使用する。
S602:上流側触媒の酸素保持量OSaが所定量OSathより大きいか否かを判断する。OSaは、第1の上流側触媒12Aが保持している酸素のうち、還元剤成分(HC,CO)が流入すると瞬時に触媒から放出されてこれらの還元剤成分と反応し得る酸素の量である。このOSaが0になると、第1気筒群から排出された還元剤成分が第1の上流側触媒12Aを通過して下流側触媒13へ届くようになるので、このOSaに基づいて再生運転モードの切換えを行なうようにしている。OSaは、直前に実行された酸素保持量算出ルーチン(図10参照)で設定された最新の値を使用する。OSathは、0近傍の値に設定される。すなわち、第1の気筒群から排出された還元剤成分が第1の上流側触媒12Aを通過して下流側触媒13へ届くようになる直前で再生運転モードがリッチ・リーン運転モードからリッチ・ストイキ運転モードヘ切換えられることになる。
S603:再生運転モードフラグFRSKを0に設定する。
S604:再生運転モードフラグFRSKを1に設定する。
【0033】
図10は酸素保持量算出ルーチンであり、酸素保持量OSa,OSbを算出する。
【0034】
アルミナ、セリウム等を成分として持っている触媒は、流入する排気ガスがリーン空燃比(酸素過剰)であるとき排気ガス中の酸素をトラップして保持し、流入する排気ガスがリッチ空燃比(還元剤成分過剰)であるとき保持していた酸素を放出して排気ガス中の還元剤成分を酸化する機能を備えている。このような触媒の酸素保持機能には2種類の形態がある。一方の形態は酸素のトラップと放出がほぼ瞬時に行われる形態であり、他方の形態はトラップと放出が比較的ゆっくりを行われる形態である。ここでは、瞬時に反応する形態に係る酸素保持量を瞬時反応形態による酸素保持量OSaとして算出し、ゆっくりと反応する形態に係る酸素保持量を遅反応形態による酸素保持量OSbとして算出する。ただし計算を簡単に行なうため、触媒の酸素保持機能を以下のように扱う。
【0035】
▲1▼第1上流側触媒12Aに流入する排気ガスがリーン空燃比であるとき
・瞬時反応形態による酸素保持量が瞬時反応形態による酸素保持量の飽和量に達するまで、流入する酸素は全て瞬時反応形態でトラップされる。
【0036】
・瞬時反応形態による酸素保持量が瞬時反応形態による酸素保持量の飽和量を超えた後は、全酸素保持量(瞬時反応形態による酸素保持量と遅反応形態による酸素保持量との和)が全酸素保持量の飽和量に達するまで、流入する酸素の一部が遅反応形態でトラップされる。
【0037】
▲2▼第1上流側触媒12Aに流入する排気ガスがリッチ空燃比であるとき
・遅反応形態によって保持されていた酸素の一部が放出され、流入する還元剤成分を酸化する。
【0038】
・遅反応形態の酸素の放出によって酸化されなかった残りの還元剤成分が、瞬時反応形態の酸素の放出によって酸化される。
【0039】
・ただし、瞬時反応形態による酸素保持量が0になると、残りの還元剤成分は酸化されずに下流へ流出する。
S701:アクセル開度APSとエンジン回転数Neとに基づき、第1上流側触媒12Aの温度Tcatを算出する。具体的には、APSとNeとに対応させてTcatを記憶させてある制御マップ(図11参照)から値をルックアップする。APSは、直前に実行されたアクセル開度検出ルーチン(図示略)でアクセル開度センサ8の出力信号から算出された最新の値を使用する。Neは、直前に実行されたエンジン回転数検出ルーチン(図示略)でクランク角センサ5の出力信号から算出された最新の値を使用する。
S702:第1の上流側触媒12Aの温度Tcatに基づき、第1の上流側触媒12Aの酸素保持量の飽和量OSC,OSaCを算出する。具体的には、Tcatに対応させてOSC,OSaCを記憶させてある制御テーブル(図12参照)から値をルックアップする。なお、酸素保持量の飽和量は触媒の劣化度合いによっても変化するので、Tcatと劣化度合いに対応させてOSC,OSaCを算出するようにするとよりよい。
S703:空燃比ABYFに基づき、第1の上流側触媒12Aに流入する排気ガスの過不足酸素濃度02を算出する。具体的には、ABYFに対応させて02を記憶させてある制御テーブル(図13参照)から値をルックアップする。空燃比がリーンであるとき、排気ガス中の酸素(NOx中の酸素を含む)と還元剤成分とが完全に反応したとしても酸素が余ることになり、02はこの過剰酸素の濃度を表す。空燃比がリッチであるとき、排気ガス中の酸素と還元剤成分とが完全に反応したとしても還元剤成分が余ることになり、02はこの過剰還元剤を完全に酸化するのに必要となる酸素の濃度(不足酸素濃度)を表す。酸素の過不足状態は02の符号によって表されており、過剰なときは正、不足のときは負となる。ABYFは、直前に実行された空燃比検出ルーチン(図示略)で空燃比センサ20の出力信号から算出された最新の値を使用する。
S704:過不足酸素濃度02が0以上であるか否かを判断する。
S705:前回本ルーチンを実行したときに算出した瞬時反応形態による酸素保持量OSazが瞬時反応形態による酸素保持量の飽和量OSaCより小さいか否かを判断する。
S706:前回本ルーチンを実行したときに算出した瞬時反応形態による酸素保持量OSazに[A×Qa×02/2]を加算して、新たな瞬時反応形態による酸素保持量をOSaを算出する。[A×Qa×02/2]は単位時間当たりに触媒に流入する過不足酸素量を表しており、ここでは、02が正の値であるため過剰酸素量を表すことになる。なお、Aは単位換算のための係数であり、2で除しているのはQaを2気筒分の吸入空気量とするためである。Qaは、直前に実行された吸入空気量検出ルーチンでエアフロメータ4の出力信号から算出された最新の値を使用する。
S707:遅反応形態による酸素保持量OSbは、前回本ルーチンを実行したときに案出した値OSbzを変えずに保持する。
S708:全酸素保持量の飽和量OSCから前回本ルーチンを実行したときの全酸素保持量(○Saz+OSb)を減算し、遅反応形態でさらにトラップすることが可能な酸素量OSbRを算出する。
S709:遅反応形態による酸素トラップ反応の反応速度に対応する係数K、トラップ可能酸素量OSbR、[A×Qa×02/2]を乗じて、単位時間当たりに遅反応形態でトラップする酸素量KOSを算出する。
S710:瞬時反応形態による酸素保持量OSaは、前回本ルーチンを実行したときに算出した値OSazを変えずに保持する。
S711:前回本ルーチンを実行したときに算出した遅反応形態による酸素保持量OSbzにS709のKOSを加算して、新たな遅反応形態による酸素保持量OSbを算出する。
S712:遅反応形態による酸素放出反応の反応速度に対応する係数D、前回本ルーチンを実行したときに算出した遅反応形態による酸素保持量OSbz、[A×Qax02/2]を乗じて、単位時間当たりに遅反応形態で放出される酸素量DOSを算出する。[A×Qa×02/2]は単位時間当たりに触媒に流入する過不足酸素量を表しており、ここでは、02が負の値であるため不足酸素量を表すことになる。また、DOSも負の値として算出される。
S713:前回本ルーチンを実行したときに算出した酸素保持量OSazに[A×Qa×02/2−DOS]を加算して、新たな酸素保持量をOSaを算出する。[A×Qa×02/2−DOS]は、単位時間当たりに瞬時反応形態の酸素放出で補われるべき不足酸素量を表している。
S714:瞬時反応形態による酸素保持量OSaがOより小さいか否かを判断する。
S715:酸素保持量がマイナスになることはないので、瞬時反応形態による酸素保持量OSaを0に制限する。このステップが実行されるときは、還元剤成分が上流側触媒を通過して下流へ流出する状態となっている。
S716:前回本ルーチンを実行したときに算出した遅反応形態による酸素保持量OSbzにS712のDOSを加算して、新たな遅反応形態による酸素保持量OSbを算出する。
【0040】
図14以下に本発明による触媒再生制御の第3の実施形態を示す。この実施形態では、リーン空燃比による運転が継続して行われ下流側触媒13のNOxトラップ量の積算値(ΣNOx)が所定値(ΣNOxth)に達すると、まず、第1気筒群の空燃比をリッチとし第2気筒群の空燃比を弱リーンとするリッチ・リーン運転モードで触媒再生制御を開始し、第1の上流側触媒12Aの下流の空燃比がリッチとなった時点で第1気筒群の空燃比をリッチとし第2気筒群の空燃比を略理論空燃比とするリッチ・ストイキ運転モードに切り換えて触媒再生制御を継続させる。
【0041】
この実施形態では、第1の上流側触媒12Aの下流の空燃比を検出するため、第1の上流側触媒12Aの下流の排気通路に下流側空燃比センサ(02センサ)21を配設する(図15参照)。
【0042】
この制御では、第1の上流側触媒12Aの下流がリッチ空燃比となった後でしか再生運転モードの切換えを行なうことができないので、再生運転モードの切換え直前に第1気筒群からの還元剤成分と第2気筒群からの酸素とが下流側触媒13へ同時流入してしまう可能性があるものの、コントロールユニット1の演算負荷をより軽くすることができるという利点がある。
【0043】
図14は本実施形態に固有の燃料噴射モード設定ルーチンであり、燃料噴射モードを示すフラグFRSKの設定を行なう。FRSKの意味は前記各実施形態と同様である。
S801:触媒再生制御要否フラグFRSが1であるか否かを判断する。FRSは、直前に実行された触媒再生制御要否判断ルーチン(図3参照)で設定された最新の値を使用する。
S802:下流側O2センサ21の出力信号RVO2が所定値SLR(たとえば理論空燃比相当値)より小さいか否かを判断する。
S803:燃料噴射モードフラグFRSKを0に設定する。
S804:燃料噴射モードフラグFRSKを1に設定する。
S805:燃料噴射モードフラグFRSKを1に設定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な内燃機関の機械的構成例を示す概略図。
【図2】本発明を適用可能な内燃機関の機械的構成例を示す第2の概略図。
【図3】本発明の第1の実施形態による制御を示す第1の流れ図。
【図4】本発明の第1の実施形態による制御を示す第2の流れ図。
【図5】本発明の第1の実施形態による制御を示す第3の流れ図。
【図6】本発明の第1の実施形態による制御を示す第4の流れ図。
【図7】本発明の第1の実施形態による制御のタイミングチャート。
【図8】本発明の第2の実施形態に固有の部分の構成図。
【図9】本発明の第2の実施形態による制御を示す第1の流れ図。
【図10】本発明の第2の実施形態による制御を示す第2の流れ図。
【図11】本発明の第2の実施形態による制御に使用する第1のマップの説明図。
【図12】本発明の第2の実施形態による制御に使用する第2のマップの説明図。
【図13】本発明の第2の実施形態による制御に使用する第3のマップの説明図。
【図14】本発明の第3の実施形態による制御を示す流れ図。
【図15】本発明の第3の実施形態に固有の部分の構成図。
【符号の説明】
1 コントロールユニット
2 内燃機関
3 吸気通路
4 排気通路
5 クランク角センサ
6 O2センサ
7 燃料噴射弁
8 アクセルセンサ
9 点火栓
10 電子制御スロットルバルブ
11A 排気通路(第1)
11B 排気通路(第2)
11C 排気通路(下流側)
12A 第1の上流側触媒
12B 第2の上流側触媒
13 下流側触媒
20,21 リニア空燃比センサ

Claims (8)

  1. 多気筒内燃機関の第1の気筒群と第2の気筒群のそれぞれの排気通路に配設され、流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比であるときに排気ガス中の酸素をトラップして保持し、流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比であるときに保持していた酸素を放出して排気ガス中の還元剤成分を酸化する機能を有する第1の上流側触媒および第2の上流側触媒と、
    前記各気筒群の排気通路を各上流側触媒よりも下流側にて合流させた下流側排気通路に配設され、流入する排気ガスの空燃比がリーン空燃比であるときに排気ガス中のNOxをトラップして保持し、流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比であるときに保持していたNOxを排気ガス中の還元剤成分で還元する機能を有する下流側触媒と、
    前記各気筒群毎に異なる燃料量を供給可能な燃料供給手段と、
    保持されているNOxを還元して前記下流側触媒のNOxトラップ機能を回復させるための触媒再生制御を開始するか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段の判断結果に応じて触媒再生制御を実行するときに、前記燃料供給手段を介して、触媒再生制御開始から所定期間は第1の気筒群の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に、かつ第2の気筒群の空燃比を理論空燃比よりもリーン側に制御し、前記所定期間経過後は第1の気筒群の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に、かつ第2の気筒群の空燃比を略理論空燃比に制御する燃料制御手段と、
    を備えた内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記所定期間は、前記第1の上流側触媒からの酸素放出によって該触媒から流出する排気の空燃比がほぼ理諭空燃比に維持される期間である請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 触媒再生制御開始からの経過時間を計測する計測手段を備え、前記燃料制御手段は、計測した経過時間に基づいて前記所定期間が経過したか否かを判定するように構成されている請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記第1の上流側触媒の酸素保持量を推定する推定手段を備え、前記燃料制御手段は、推定した酸素保持量に基づいて前記所定期間が経過したか否かを判定するように構成されている請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記推定手段は、前記第1の上流側触媒の瞬時反応形態による酸素保持量と遅反応形態による酸素保持量とをそれぞれ推定するよう構成され、前記燃料制御手段は、推定した瞬時反応形態による酸素保持量に基づいて前記所定期間が経過したか否かを判定するように構成されている請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記第1の上流側触媒に流入する排気ガスの空燃比を広範囲に検出可能なリニア空燃比センサを備え、前記推定手段は、検出した空燃比に基づいて酸素保持量の推定を行なうように構成されている請求項4または請求項5の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記第1の上流側触媒から流出する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比であるか否かを検出可能な空燃比センサを備え、前記燃料制御手段は、検出した空燃比がリッチ空燃比に変化したか否かに基づいて前記所定期間が経過したか否かを判定するように構成されている請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 前記判断手段は、機関の吸入空気量と主燃焼の空燃比とから算出したNOx量の積算値が、前記下流側触媒の特性に応じて定めた所定の基準値を越えたときに触媒再生制御を開始すると判断するように構成されている請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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