JP3610817B2 - 半導体装置の評価方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
半導体装置の評価方法に関するもので特にMOSFET等の絶縁破壊までの寿命を評価する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、絶縁膜の寿命測定方法には、MOSFETのゲート電極に、通常使用する電圧よりも大きな電圧(たとえば−10V)を印加し、ゲート酸化膜を流れる電流を測定し、絶縁破壊までの時間を測定するという方法(加速試験)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では加速試験とはいえ、実際に破壊するまでの時間(寿命)を測らなければならず、寿命測定に時間がかかってしまうという問題があった。
【0004】
またその寿命も、加速電圧と実使用との電圧に大きな開きがあり外挿して算出するため、本来の寿命を精度よく測定できなかった。また精度を上げるためにはより多くの種類の電圧(電界)において、より低電圧(電界)で加速試験を行う必要があり、そのためには膨大な時間を必要としていた。
【0005】
そこで本発明は、加速によるゲート絶縁膜の寿命を短時間、かつ正確に推定する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、10nm以下のゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタの絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、前記絶縁膜のストレス電圧に対するAモードSILC電流の飽和点(TAsat)を求める工程と、前記TAsatとEOXとの関係を求める工程と、
前記絶縁膜の所定のストレス電界での絶縁破壊までの時間を求める工程と、前記絶縁破壊までの時間と、TAsatとEOXとの関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法とする。
【0007】
また、10nm以下のゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタの絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、前記トランジスタのストレス電圧に対するFN電流の飽和点(TFNsat)を求める工程と、前記TFNsatとEOXとの関係を求める工程と、前記トランジスタの所定のストレス電界での絶縁破壊までの時間を求める工程と、前記絶縁破壊までの時間と、TFNsatとEOXとの関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法とする。
【0008】
また10nm以下のゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタの絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、前記トランジスタのストレス電圧に対するAモードSILC電流の飽和点(TAsat)を求める工程と、前記トランジスタのストレス電圧に対するFN電流の飽和点(TFNsat)を求める工程と、前記TAsatとEOXとの関係を求める工程と、前記TFNsatとEOXとの関係を求める工程と、前記トランジスタの所定のストレス電界での絶縁破壊までの時間を求める工程と、前記絶縁破壊までの時間と、TAsatとEOXとの関係、およびTFNsatとEOXとの関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本実施形態のMOSFETのゲート絶縁膜の寿命測定方法について説明する。
【0010】
p型シリコン基板に、ゲート酸化膜(シリコン酸化膜)、ポリシリコンからなるゲート電極を備えたMOSFETを用意する。ゲート酸化膜の膜厚は6.0nmである。またゲート酸化膜の面積は0.01mm2である。
【0011】
このMOSFETのゲート電極に−6.0Vの定電圧を印加する。この電圧がストレス電圧である。ストレス電圧を印加しながら、所定の時間(たとえば、ログスケールで一定時間ごと、1秒おき、10秒おき、100秒おき、……)が経過するごとにストレス電圧の印加を一時中断し、各ゲートに電圧(たとえば−4.5V)を印加したときのゲート電流をプロットしている(電流電圧特性)。この特性の変化を示したものが図1である。
【0012】
この図1の横軸はゲート電圧であり、縦軸はゲート電流である。この図1から、所定のゲート電圧ではストレス電圧を印加する時間の経過とともに、ゲート電流が増加していくことがわかる。
【0013】
たとえばゲート電圧がストレス電圧と同じ電圧(−6.0V)において、ゲート電流を測定すると、ストレス印加の初期から絶縁破壊(ブレークダウン)までのゲート電流の大きさはさほど変化していないことがわかる。
【0014】
ところが、たとえばゲート電圧が−4.5Vでは、ストレス電圧を印加初期からストレス印加時間に応じてゲート電流が徐々に増加していくことがわかっている。初期からブレークダウンに至るまでの電流(ゲート電圧が−3ボルト〜−5.5ボルトの範囲)をAモードSILC電流(SILC:stress induced leakage current)と呼ぶ。
【0015】
図2にそれぞれAモードSILC電流の変化をストレス時間の変化でみて、その特性を示した。
【0016】
この図でストレス電圧は図1と同じで定電圧ストレス方式であり、ゲート電極に−6.0Vを印加している。IAは図1における−4.5VでのAモードSILC電流の時間変化を示している。横軸はストレス印加時間(Ts)である。
【0017】
さらにIFNはゲート電極に−6.0Vを印加したときのTsに対するAモードSILC電流の変化を示すものである。ここで、IA、IFNは次のような方法で測定した。
【0018】
<IAについて>
MOSFETのゲート酸化膜に−6.0Vの定電圧ストレスを印加する。そして所定時間(たとえば、ログスケールで一定時間ごと、1秒おき、10秒おき、100秒おき、……)の経過後、−4.5Vの電圧をゲート電極に印加してそのときのゲート電流(AモードSILC電流=IA)を測定する。つまり図1のゲート電流(AモードSILC電流)を時間に対してプロットしている。
【0019】
<IFNについて>
図1からゲート電圧が−6.0VのときFN(ファウラーノルドハイム)電流が支配的であるので、この電圧(−6.0V)でのゲート電流の変化をストレス印加時間でプロットした(図2)。
【0020】
測定方法については、IFNについてはIFNを測定する電圧(−6.0v)とストレス電圧(−6.0v)が同じであるため(ここでは同じにしているが、異なっていてもよい)、IAの測定のように、ストレス電圧を所定時間印加して、その後、所定の電圧を印加してAモードSILC電流を測るという方法ではなく、電流MOSFETのゲート電極に−6.0vの電圧を印加しつづけ、同時にゲート酸化膜を流れる電流(IFN)を測定する。したがってこの時には、IAのようにストレス印加をやめてIAを測り、そしてまたストレス印加するといった煩雑さはない。
【0021】
このような方法により図2のようにストレス時間TS(S)に対してのゲート電流IA、IFNの特性がわかる。
【0022】
この図2から、IAには飽和点(TAsat)が存在し、またIFNにも飽和点IFN(SAT)が存在することがわかる。
【0023】
図2の方法を用いて、酸化膜の電界(ストレス電界=ストレス電圧のうち酸化膜にかかる電圧/酸化膜の膜厚=EOXとする)に対するT(TAsat、TFNsat、TBD)をプロットしたものを図3に示している。この図3からMOSFETの寿命TBDが測定(推定)できることになる。
【0024】
図2よりIAについて着目すれば、所定のEOX(EOX=12.0)のときのストレス時間TAsatが求まる。同一のサンプル、つまり、EOX(1)=11,EOX(2)=11.5、EOX(3)=12.0についてT(TAsat、TFNsat、TBD)を求めると、それぞれ6.0×102、1.0×102、1.0×10になり、その点をプロットして直線を結び、図3のようなグラフが求まる。
【0025】
同じ方法により図3に示したようにIFN(SAT)のグラフが求まる。これらの関係はほぼ平行になる。
【0026】
このIA(SAT)またはIFN(SAT)のグラフを用いて、所定のストレス電界でのMOSFETの寿命が推定できる。その方法には3通りある。これらはいずれもTBDのグラフが、IA(SAT)、IFN(SAT)とほぼ平行になることを利用するものである。
【0027】
このグラフ(IA(SAT)、IFN(SAT))を用いることによりMOSFETの寿命を予測推定する方法について順次説明する。
(I)TAsatのグラフとTBDの少なくとも1点から寿命を測定する方法。
(II)TFNsatとTBDの少なくとも1点から寿命を測定する方法。
(III)TAsat、TFNsat、とTBDの少なくとも1点から寿命を測定する方法。
【0028】
(実施形態1)
(I)について(図4)
TAsatとストレス電界Eoxとの関係を求めることによりAモードSILCの電界依存性がわかる(図3)。任意のストレス電界Eoxを印加することにより、酸化膜が絶縁破壊(ブレークダウン)に至るまでの時間TBD(1)を測定する。ここで、このストレス電界として高いストレス電界Eox(たとえば12.5)を用いることにより、測定に要する時間を短縮することが可能となる。
【0029】
絶縁破壊までの時間TBD(1)を、AモードSILC電流の電界依存性(グラフTAsat)に平行に伸長したグラフ(グラフ1:寿命の電界依存性を示すグラフ)を作成する。このグラフ1から任意の電界における破壊までの時間(寿命)を推定することができる。たとえば、電界が10であれば、横軸の10の値(Eox=10)とグラフ1との交点を求め、この交点でのTを求めることにより、寿命を推定することができる。
【0030】
まとめると、10nm以下のゲート酸化膜を有するMOSFETのAモードSILC電流の変極点(TAsat)を求める工程と、そのTAsatとEOXとの関係式を求め、あるストレス電界での絶縁破壊までの時間を求め、その点を関係式にしたがって平行にし、任意のストレス電界での寿命を測定することができる。
【0031】
(実施形態2)
(II)について(図5)
(I)と同様にしてTAsatにかえてTFNsatを用いている。TFNsatはファウラーノルドハイム電流を求めたときの飽和電流とストレス時間との関係から求めるものである。(I)に比べてFN電流を評価する電圧とストレス電圧を同じにした場合には、ストレス電圧を印加したままゲート電流をみればよいのでストレス印加を中断することなく判定することが可能となるため、測定に要する時間を短縮することが可能となる。
【0032】
IFNを求めてそのときにTFNsatとEOXとの関係を求めておき、絶縁破壊までの時間TBD(2)からTFNsat−EOXのグラフに平行ラインを引いて任意のストレス電界での寿命を測定することができる。
【0033】
(実施形態3)
(III)について(図6)
(I)と(II)をあわせた方法であり、いちばん寿命測定の精度が高い方法である。(I)の方法により3点を求める。(II)の方法により3点求める。破壊のポイントを3点求める。その3点と他の3点+3点とをあわせて最小2乗法により線を引いて任意のストレス電界での寿命が求まることになる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明では、ストレス電界に対するAモード電流の飽和時間の変化を測定することにより、高電界での絶縁破壊までの時間を少なくともワンポイント求めておくだけで、任意の電界におけるMOSFETの寿命を測定できるというものである。この方法では、容易かつ正確に寿命を測定することができる。
【0035】
またストレス電界に対するFN電流の飽和時間の変化を測定することにより、高電界での絶縁破壊までの時間を少なくともワンポイント求めておくだけで、任意の電界におけるMOSFETの寿命を測定できるというものである。この方法では、容易かつ正確に寿命を測定することができる。
【0036】
さらに、ストレス電界に対するAモード電流の飽和時間の変化に加えて、FN電流の飽和時間の変化を測定することにより、より高精度に任意の電界におけるMOSFETの寿命を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定電圧ストレス印加時における電流−電圧特性の変化を示す図
【図2】定電圧ストレス印加時におけるAモードSILC電流およびFNトンネル電流の経時変化を示す図
【図3】TBD、TFNsat、TAsatのストレス電界依存性を示す図
【図4】本発明の第1の実施形態に用いるTBD、TAsatのストレス電界依存性を示す図
【図5】本発明の第2の実施形態に用いるTBD、TFNsatのストレス電界依存性を示す図
【図6】本発明の第3の実施形態に用いるTBD、TFNsat、TAsatのストレス電界依存性を示す図
【符号の説明】
TBD ゲート絶縁膜の絶縁破壊までの時間
TFNsat FN電流の飽和点
TAsat AモードSILC電流の飽和点
【発明の属する技術分野】
半導体装置の評価方法に関するもので特にMOSFET等の絶縁破壊までの寿命を評価する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、絶縁膜の寿命測定方法には、MOSFETのゲート電極に、通常使用する電圧よりも大きな電圧(たとえば−10V)を印加し、ゲート酸化膜を流れる電流を測定し、絶縁破壊までの時間を測定するという方法(加速試験)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では加速試験とはいえ、実際に破壊するまでの時間(寿命)を測らなければならず、寿命測定に時間がかかってしまうという問題があった。
【0004】
またその寿命も、加速電圧と実使用との電圧に大きな開きがあり外挿して算出するため、本来の寿命を精度よく測定できなかった。また精度を上げるためにはより多くの種類の電圧(電界)において、より低電圧(電界)で加速試験を行う必要があり、そのためには膨大な時間を必要としていた。
【0005】
そこで本発明は、加速によるゲート絶縁膜の寿命を短時間、かつ正確に推定する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、10nm以下のゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタの絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、前記絶縁膜のストレス電圧に対するAモードSILC電流の飽和点(TAsat)を求める工程と、前記TAsatとEOXとの関係を求める工程と、
前記絶縁膜の所定のストレス電界での絶縁破壊までの時間を求める工程と、前記絶縁破壊までの時間と、TAsatとEOXとの関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法とする。
【0007】
また、10nm以下のゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタの絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、前記トランジスタのストレス電圧に対するFN電流の飽和点(TFNsat)を求める工程と、前記TFNsatとEOXとの関係を求める工程と、前記トランジスタの所定のストレス電界での絶縁破壊までの時間を求める工程と、前記絶縁破壊までの時間と、TFNsatとEOXとの関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法とする。
【0008】
また10nm以下のゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタの絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、前記トランジスタのストレス電圧に対するAモードSILC電流の飽和点(TAsat)を求める工程と、前記トランジスタのストレス電圧に対するFN電流の飽和点(TFNsat)を求める工程と、前記TAsatとEOXとの関係を求める工程と、前記TFNsatとEOXとの関係を求める工程と、前記トランジスタの所定のストレス電界での絶縁破壊までの時間を求める工程と、前記絶縁破壊までの時間と、TAsatとEOXとの関係、およびTFNsatとEOXとの関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本実施形態のMOSFETのゲート絶縁膜の寿命測定方法について説明する。
【0010】
p型シリコン基板に、ゲート酸化膜(シリコン酸化膜)、ポリシリコンからなるゲート電極を備えたMOSFETを用意する。ゲート酸化膜の膜厚は6.0nmである。またゲート酸化膜の面積は0.01mm2である。
【0011】
このMOSFETのゲート電極に−6.0Vの定電圧を印加する。この電圧がストレス電圧である。ストレス電圧を印加しながら、所定の時間(たとえば、ログスケールで一定時間ごと、1秒おき、10秒おき、100秒おき、……)が経過するごとにストレス電圧の印加を一時中断し、各ゲートに電圧(たとえば−4.5V)を印加したときのゲート電流をプロットしている(電流電圧特性)。この特性の変化を示したものが図1である。
【0012】
この図1の横軸はゲート電圧であり、縦軸はゲート電流である。この図1から、所定のゲート電圧ではストレス電圧を印加する時間の経過とともに、ゲート電流が増加していくことがわかる。
【0013】
たとえばゲート電圧がストレス電圧と同じ電圧(−6.0V)において、ゲート電流を測定すると、ストレス印加の初期から絶縁破壊(ブレークダウン)までのゲート電流の大きさはさほど変化していないことがわかる。
【0014】
ところが、たとえばゲート電圧が−4.5Vでは、ストレス電圧を印加初期からストレス印加時間に応じてゲート電流が徐々に増加していくことがわかっている。初期からブレークダウンに至るまでの電流(ゲート電圧が−3ボルト〜−5.5ボルトの範囲)をAモードSILC電流(SILC:stress induced leakage current)と呼ぶ。
【0015】
図2にそれぞれAモードSILC電流の変化をストレス時間の変化でみて、その特性を示した。
【0016】
この図でストレス電圧は図1と同じで定電圧ストレス方式であり、ゲート電極に−6.0Vを印加している。IAは図1における−4.5VでのAモードSILC電流の時間変化を示している。横軸はストレス印加時間(Ts)である。
【0017】
さらにIFNはゲート電極に−6.0Vを印加したときのTsに対するAモードSILC電流の変化を示すものである。ここで、IA、IFNは次のような方法で測定した。
【0018】
<IAについて>
MOSFETのゲート酸化膜に−6.0Vの定電圧ストレスを印加する。そして所定時間(たとえば、ログスケールで一定時間ごと、1秒おき、10秒おき、100秒おき、……)の経過後、−4.5Vの電圧をゲート電極に印加してそのときのゲート電流(AモードSILC電流=IA)を測定する。つまり図1のゲート電流(AモードSILC電流)を時間に対してプロットしている。
【0019】
<IFNについて>
図1からゲート電圧が−6.0VのときFN(ファウラーノルドハイム)電流が支配的であるので、この電圧(−6.0V)でのゲート電流の変化をストレス印加時間でプロットした(図2)。
【0020】
測定方法については、IFNについてはIFNを測定する電圧(−6.0v)とストレス電圧(−6.0v)が同じであるため(ここでは同じにしているが、異なっていてもよい)、IAの測定のように、ストレス電圧を所定時間印加して、その後、所定の電圧を印加してAモードSILC電流を測るという方法ではなく、電流MOSFETのゲート電極に−6.0vの電圧を印加しつづけ、同時にゲート酸化膜を流れる電流(IFN)を測定する。したがってこの時には、IAのようにストレス印加をやめてIAを測り、そしてまたストレス印加するといった煩雑さはない。
【0021】
このような方法により図2のようにストレス時間TS(S)に対してのゲート電流IA、IFNの特性がわかる。
【0022】
この図2から、IAには飽和点(TAsat)が存在し、またIFNにも飽和点IFN(SAT)が存在することがわかる。
【0023】
図2の方法を用いて、酸化膜の電界(ストレス電界=ストレス電圧のうち酸化膜にかかる電圧/酸化膜の膜厚=EOXとする)に対するT(TAsat、TFNsat、TBD)をプロットしたものを図3に示している。この図3からMOSFETの寿命TBDが測定(推定)できることになる。
【0024】
図2よりIAについて着目すれば、所定のEOX(EOX=12.0)のときのストレス時間TAsatが求まる。同一のサンプル、つまり、EOX(1)=11,EOX(2)=11.5、EOX(3)=12.0についてT(TAsat、TFNsat、TBD)を求めると、それぞれ6.0×102、1.0×102、1.0×10になり、その点をプロットして直線を結び、図3のようなグラフが求まる。
【0025】
同じ方法により図3に示したようにIFN(SAT)のグラフが求まる。これらの関係はほぼ平行になる。
【0026】
このIA(SAT)またはIFN(SAT)のグラフを用いて、所定のストレス電界でのMOSFETの寿命が推定できる。その方法には3通りある。これらはいずれもTBDのグラフが、IA(SAT)、IFN(SAT)とほぼ平行になることを利用するものである。
【0027】
このグラフ(IA(SAT)、IFN(SAT))を用いることによりMOSFETの寿命を予測推定する方法について順次説明する。
(I)TAsatのグラフとTBDの少なくとも1点から寿命を測定する方法。
(II)TFNsatとTBDの少なくとも1点から寿命を測定する方法。
(III)TAsat、TFNsat、とTBDの少なくとも1点から寿命を測定する方法。
【0028】
(実施形態1)
(I)について(図4)
TAsatとストレス電界Eoxとの関係を求めることによりAモードSILCの電界依存性がわかる(図3)。任意のストレス電界Eoxを印加することにより、酸化膜が絶縁破壊(ブレークダウン)に至るまでの時間TBD(1)を測定する。ここで、このストレス電界として高いストレス電界Eox(たとえば12.5)を用いることにより、測定に要する時間を短縮することが可能となる。
【0029】
絶縁破壊までの時間TBD(1)を、AモードSILC電流の電界依存性(グラフTAsat)に平行に伸長したグラフ(グラフ1:寿命の電界依存性を示すグラフ)を作成する。このグラフ1から任意の電界における破壊までの時間(寿命)を推定することができる。たとえば、電界が10であれば、横軸の10の値(Eox=10)とグラフ1との交点を求め、この交点でのTを求めることにより、寿命を推定することができる。
【0030】
まとめると、10nm以下のゲート酸化膜を有するMOSFETのAモードSILC電流の変極点(TAsat)を求める工程と、そのTAsatとEOXとの関係式を求め、あるストレス電界での絶縁破壊までの時間を求め、その点を関係式にしたがって平行にし、任意のストレス電界での寿命を測定することができる。
【0031】
(実施形態2)
(II)について(図5)
(I)と同様にしてTAsatにかえてTFNsatを用いている。TFNsatはファウラーノルドハイム電流を求めたときの飽和電流とストレス時間との関係から求めるものである。(I)に比べてFN電流を評価する電圧とストレス電圧を同じにした場合には、ストレス電圧を印加したままゲート電流をみればよいのでストレス印加を中断することなく判定することが可能となるため、測定に要する時間を短縮することが可能となる。
【0032】
IFNを求めてそのときにTFNsatとEOXとの関係を求めておき、絶縁破壊までの時間TBD(2)からTFNsat−EOXのグラフに平行ラインを引いて任意のストレス電界での寿命を測定することができる。
【0033】
(実施形態3)
(III)について(図6)
(I)と(II)をあわせた方法であり、いちばん寿命測定の精度が高い方法である。(I)の方法により3点を求める。(II)の方法により3点求める。破壊のポイントを3点求める。その3点と他の3点+3点とをあわせて最小2乗法により線を引いて任意のストレス電界での寿命が求まることになる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明では、ストレス電界に対するAモード電流の飽和時間の変化を測定することにより、高電界での絶縁破壊までの時間を少なくともワンポイント求めておくだけで、任意の電界におけるMOSFETの寿命を測定できるというものである。この方法では、容易かつ正確に寿命を測定することができる。
【0035】
またストレス電界に対するFN電流の飽和時間の変化を測定することにより、高電界での絶縁破壊までの時間を少なくともワンポイント求めておくだけで、任意の電界におけるMOSFETの寿命を測定できるというものである。この方法では、容易かつ正確に寿命を測定することができる。
【0036】
さらに、ストレス電界に対するAモード電流の飽和時間の変化に加えて、FN電流の飽和時間の変化を測定することにより、より高精度に任意の電界におけるMOSFETの寿命を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定電圧ストレス印加時における電流−電圧特性の変化を示す図
【図2】定電圧ストレス印加時におけるAモードSILC電流およびFNトンネル電流の経時変化を示す図
【図3】TBD、TFNsat、TAsatのストレス電界依存性を示す図
【図4】本発明の第1の実施形態に用いるTBD、TAsatのストレス電界依存性を示す図
【図5】本発明の第2の実施形態に用いるTBD、TFNsatのストレス電界依存性を示す図
【図6】本発明の第3の実施形態に用いるTBD、TFNsat、TAsatのストレス電界依存性を示す図
【符号の説明】
TBD ゲート絶縁膜の絶縁破壊までの時間
TFNsat FN電流の飽和点
TAsat AモードSILC電流の飽和点
Claims (6)
- ゲート絶縁膜の絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、
前記絶縁膜のストレス条件に対するAモードSILC電流の飽和点(TAsat)を求める工程と、
前記TAsatとストレス条件との関係を求める工程と、
前記絶縁膜の所定のストレス条件での絶縁破壊までの時間を求める工程と、
前記絶縁破壊までの時間と、TAsatとストレス条件との関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法。 - ゲート絶縁膜の絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、
前記トランジスタのストレス条件に対するFN電流の飽和点(TFNsat)を求める工程と、
前記(TFNsat)とストレス条件との関係を求める工程と、
前記トランジスタの所定のストレス条件での絶縁破壊までの時間を求める工程と、
前記絶縁破壊までの時間と、(TFNsat)とストレス条件との関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法。 - ゲート絶縁膜の絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、
前記トランジスタのストレス条件に対するAモードSILC電流の変極点(TAsat)を求める工程と、
前記トランジスタのストレス条件に対するFN電流の飽和点(TFNsat)を求める工程と、
前記TAsatとストレス条件との関係を求める工程と、
前記(TFNsat)とストレス条件との関係を求める工程と、
前記トランジスタの所定のストレス条件での絶縁破壊までの時間を求める工程と、
前記絶縁破壊までの時間と、TAsatとストレス条件との関係、およびTFNsatとストレス条件との関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法。 - 10nm以下のゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタの絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、
前記絶縁膜のストレス電圧に対するAモードSILC電流の飽和点(TAsat)を求める工程と、
前記TAsatとEOXとの関係を求める工程と、
前記絶縁膜の所定のストレス電界での絶縁破壊までの時間を求める工程と、
前記絶縁破壊までの時間と、TAsatとEOXとの関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法。 - 10nm以下のゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタの緑絶破壊までの時間を測定する方法であって、
前記トランジスタのストレス電圧に対するFN電流の飽和点(TFNsat)を求める工程と、
前記TFNsatとEOXとの関係を求める工程と、
前記トランジスタの所定のストレス電界での絶縁破壊までの時間を求める工程と、
前記絶縁破壊までの時間と、TFNsatとEOXとの関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法。 - 10nm以下のゲート絶縁膜を有する電界効果トランジスタの絶縁破壊までの時間を測定する方法であって、
前記トランジスタのストレス電圧に対するAモードSILC電流の飽和点(TAsat)を求める工程と、
前記トランジスタのストレス電圧に対するFN電流の飽和点(TFNsat)を求める工程と、
前記TAsatとEOXとの関係を求める工程と、
前記TFNsatとEOXとの関係を求める工程と、
前記トランジスタの所定のストレス電界での絶縁破壊までの時間を求める工程と、
前記絶縁破壊までの時間と、TAsatとEOXとの関係、およびTFNsatとEOXとの関係から、任意の電界での絶縁破壊までの時間を推定する工程とを備えた、半導体装置の評価方法。
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