JP3609497B2 - 燃料電池発電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池発電装置に係り、特に、可変速型ブロワおよび定速型ブロワのうち、いずれか一方から燃料電池内の酸化剤極及び改質器内のバーナ室のそれぞれに供給する空気の流量を安定した状態で供給する燃料電池発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池発電装置(「燃料電池発電システム」、「燃料電池発電プラント」とも言う)は、一般に、燃料電池内の燃料極(「アノード極」とも言う)に水素発生用の改質器を介して改質反応後の水素を導入すると共に、燃料電池内の酸化剤極(「カソード極」とも言う)に空気ブロワからの酸素を含む空気(酸化剤)を供給することにより、燃料電池内の両極からの水素と酸素とによる電気化学反応に基づく電気エネルギーを取り出して発電運転を行っている。
【0003】
この燃料電池発電装置には、いわゆる固定回転数空気ブロワ(以下、「定速型ブロワ」と呼ぶ)を適用し、その定速型ブロワからの空気を調節弁の開度を調整することにより、電池電流または負荷などに応じた供給量に制御し、燃料電池内の酸化剤極または改質器内のバーナ室に供給するものが知られている。
【0004】
図7に示す定速型ブロワを用いた燃料電池発電装置では、燃料電池100内の燃料極100aに改質器101を介して水素を導入すると共に、その改質器101内のバーナ室101aおよび燃料電池100内の酸化剤極100aに定速型ブロワ102からの酸素を含む空気をカソード空気流量調節弁(以下。単に「カソード用調節弁」と呼ぶ)103および改質器バーナ空気流量調節弁(以下、単に「バーナ用調節弁」と呼ぶ)104を介して個別に供給する。
【0005】
この2つの調節弁103、104の開度は、制御部105により電池電流または負荷などの出力に基づいて制御される。具体的には、制御部105が予め設定された補正関数器105a、105bに基づく処理を実行して、電池電流または負荷などの値Aに応じた適切な空気供給量に相当する開度O1、O2を求め、その開度O1、O2に応じた指令を2つの調節弁103、104に個別に与える(図中のA−O1関係図、A−02関係図参照)。
【0006】
一方、空気ブロワの動力を削減しつつ、プラント運転範囲を拡大することを志向する燃料電池発電装置にあっては、いわゆる可変速空気ブロワ(以下、「可変速型ブロワ」と呼ぶ)を適用し、その可変速型ブロワからの空気を回転数を変えることにより、電池電流または負荷などに応じた供給量に制御し、上記2つの調節弁を介して酸化剤極及びバーナ室に供給するものが、一般に望ましいとされている。
【0007】
図8に示す可変速型ブロワを用いた燃料電池発電装置は、上記と同様の酸化剤極およびバーナ室(図示しない)にカソード用調節弁103およびバーナ用調節弁104を介して個別に空気を供給する可変速型ブロワ106と、この可変速型ブロワ106を制御する制御部107とを備える。可変速型ブロワ106の回転数は、制御部107により電池電流または負荷などの値に基づいて制御される。具体的には、制御部107が予め設定された補正関数器107aに基づく処理を実行することにより、電池電流または負荷などの値Aに応じた適切な空気供給量に相当する回転数Nを求め、その回転数Nに応じた指令を可変速型ブロワ106に与える(図中のA−N関係図参照)。
【0008】
いずれの空気ブロワであっても、燃料電池における水素と酸素との電気化学的反応に基づく発電原理により、空気を安定した状態で供給することが重要とされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した定速型ブロワおよび可変速型ブロワを用いた従来の燃料電池発電装置にあっては、制御部が供給空気温度(以下、「大気温度」と呼ぶ)の条件に無関係に空気供給量を制御する構成であったため、大気温度が変動してその空気密度が変化した場合、その空気の安定供給に関し、次に説明する不都合が生じていた。
【0010】
例えば、大気温度が上昇するとその空気密度が小さくなるため、その影響が発電装置内の空気系を中心としたプロセスにも及ぶ。それにもかかわらず、制御部は、そのような事態を認識していなから、空気ブロワ及び調節弁に対し電池電流または負荷などの値Aに応じた回転数及び開度をそのまま維持させようとする。その結果、空気供給量が低下し、最悪の場合、空気不足により燃料電池が損傷したり、バーナ室で不完全燃焼を起こしたりすることがあった。
【0011】
この発明は、このような従来の問題を改善するもので、供給空気の温度条件が変わった場合でも、燃料電池内の酸化剤極や改質器内のバーナ室に安定した状態で適量の空気を供給できる燃料電池発電装置を提供することを、目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る燃料電池発電装置は、燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出してプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれに空気を供給する可変速型ブロワと、この可変速型ブロワに供給する空気の温度を検出し、検出した温度に基づいて補正回転数を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に基づいて基準回転数を算出する関数器と、この関数器からの基準回転数に上記補正関数器からの補正回転数を加減算して上記 可変速型ブロワに修正回転数を与える加減算器とを備えたものである。
【0013】
請求項2記載の発明では、燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出してプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれにカソード調節弁およびバーナ用調節弁のそれぞれを介装させてそれぞれに空気を供給する可変速型ブロワと、上記カソード用調節弁の弁開度に基づいて補正回転数を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に基づいて基準回転数を算出する関数器と、この関数器からの基準回転数に上記補正関数器からの補正回転数を加減算して上記可変速型ブロワに修正回転数を与える加減算器とを備えたものである。
【0014】
請求項3記載の発明では、燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出してプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれにカソード用調節弁およびバーナ用調節弁のそれぞれを介装させてそれぞれに空気を供給する可変速型ブロワと、上記バーナ用調節弁の弁開度に基づいて補正回転数を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に基づいて基準回転数を算出する関数器と、この関数器からの基準回転数に上記補正関数器からの補正回転数を加減算して上記可変速型ブロワに修正回転数を与える加減算器とを備えたものである。
【0015】
請求項4記載の発明では、燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出し てプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれにカソード用調節弁およびバーナ用調節弁のそれぞれを介装させてそれぞれに空気を供給するブロワと、このブロワに供給する空気の温度を検出し、検出した温度に基づいて補正値を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に上記補正関数器からの補正値を乗算する乗算器と、この乗算器からの補正信号に基づいて弁開度信号を算出し、算出した弁開度信号を上記カソード用調節弁に与える関数器とを備えたものである。
【0016】
請求項5記載の発明では、燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出してプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれにカソード用調節弁およびバーナ用調節弁のそれぞれを介装させてそれぞれに空気を供給するブロワと、このブロワに供給する空気の温度を検出し、検出した温度に基づいて補正値を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に上記補正関数器からの補正値を乗算する乗算器と、この乗算器からの補正信号に基づいて弁開度信号を算出し、算出した弁開度信号を上記バーナ用調節弁に与える関数器とを備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、この発明の第1実施形態を図1に基づき説明する。
【0018】
図1に示す燃料電池発電装置は、燃料極1aおよび酸化剤極1bを配置して成る燃料電池1と、この燃料電池1のプラント運転に関するプラント・システムPSとを備える。燃料電池1は、例えば、リン酸、固体高分子膜などの電解質を挟む位置に燃料極1aおよび酸化剤極1bを配置して形成されている。
【0019】
プラント・システムPSは、燃料極1aに水素などの燃料ガスを供給すると共に、酸化剤極1bに空気(酸化剤ガス)を供給することで燃料電池1の両極1a、1b間から電気化学的反応に基づく電気エネルギー(電力)を取り出してプラント運転を実行させるもので、燃料極1aに水素を供給する改質器2と、酸化剤極1bなどに空気を供給する空気ブロワ3と、大気温度などを検出する検出部(本発明の検出手段を成す)4と、空気供給によるプラント運転状態を制御する制御部(本発明の制御手段を成す)5とを備えている。
【0020】
改質器2は、例えば水蒸気改質法により天然ガスや都市ガスなどの原燃料に水蒸気を加えて高温下で水蒸気改質反応させることにより、燃料用の水素を生成する通常の改質器を適用したもので、その内部には改質反応の熱源、即ち燃焼ガスを生成するバーナ室2aが装備されている。このバーナ室2aには、燃焼ガス用の空気が空気ブロワ3から供給される。
【0021】
空気ブロワ3は、ロータなどの回転運動により大気を圧送する、可変速型ブロワを適用したもので、圧送用の大気を2系統のライン内に配管したカソード用調節弁6およびバーナ用調節弁7を介してバーナ室2aおよび酸化剤極1bに個別に供給する。
【0022】
上記各部1〜3に関する空気流量は、制御部5からの指令(後述)Sに基づいて制御されるようになっている。
【0023】
検出部4は、大気温度又はその大気温度に起因して変化する弁開度などのプロセス状態値を検出するもので、例えば大気温度の場合には大気温度検出器を搭載してなり、プロセス状態値の場合にはその状態値を検出可能な検出器などを搭載して形成されている。この検出部4による検出信号は、制御部5にリアルタイムに供給される。
【0024】
制御部5は、例えばCPUなどを搭載した制御回路から成り、検出部4から検出値xを受けたときに補正関数器8に基づくアルゴリズムを実行してプラント状態補正量f(x)を算出し、このプラント状態補正量f(x)に相当する指令Sを上記各部1〜3の内の少なくとも1つ以上に与える。ここで、補正関数器8は、検出値xから適切な空気流量に相当するプラント状態補正量f(x)を演算する関数式を予め設定している。
【0025】
従って、燃料電池発電装置のプラント運転中に大気温度の条件が変わり、これに伴ってプラント運転状態が変化した場合でも、制御部5がその大気温度またはその大気温度に起因して変化するプロセス状態値に応じた適切な空気流量となるように現在のプラント運転状態を補正させるため、例えば、従来の如く空気供給量の低下に基づく不都合な事態が殆ど回避され、これにより、大気温度に関係なくプラント運転を安定かつ適切に行うことができる。
【0026】
なお、この実施形態に係る制御部は、CPUを搭載して上述の補正関数器8でアルゴリズムを実行するとしてあるが、この発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、上述の補正関数器8に相当するものであればどのような制御回路であってもよい。
【0027】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図2に基づき説明する。この第2実施形態は、可変速型ブロワの回転数を大気温度に基づいて制御するものである。ここで、第1実施形態と同等または同一の構成要素については同等または同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0028】
図2に示す燃料電池発電装置において、プラント・システムPS1は、上述と同様の燃料電池1内の酸化剤極1bおよび改質器2内のバーナ室(図示しない)にカソード用調節弁6aおよびバーナ用調節弁7aを介して空気を供給する可変速型ブロワ3aと、大気温度を検出する大気温度検出器4aと、この大気温度検出器4aが検出した大気温度に基づいて空気供給量を制御する制御部5aとを備えている。可変速型ブロワ3aは、制御部5aからの指令(後述)S1を受けたときにその回転数を切り換え可能となっている。
【0029】
制御部5aは、電池電流または負荷などの値Aを入力して予め設定された関数器9に基づく処理を実行して回転数の基準値Nを算出すると共に、大気温度検出器4aからの大気温度の検出値Tを入力して補正関数器10に基づく処理を実行して回転数の補正値ΔNを算出し、その補正値ΔTと基準値Tとを加減算器11で加減算し、その加減算値(N+ΔN)を回転数とする指令S1を可変型ブロワ3aに与える。ここで、補正関数器10は、基準値Nの大気温度に対する補正値ΔNを演算するもので、予め設定した検出値Tの上限値TRを越えたときにその検出値Tに比例して補正値ΔNを高めるように設定されている(図中のT−ΔN関係図参照)。
【0030】
従って、大気温度が上昇してその空気密度が小さくなったときに、制御部5aが可変速型ブロワ3aの現在の回転数を高めるように補正するため、空気供給量の減少が補償されて、大気温度に関係なく安定した状態で適切な量の空気を供給できる。
【0031】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を図3に基づき説明する。この第3実施形態は、可変速型ブロワ3bの回転数をカソード用調節弁6bの弁開度に基づいて制御するものである。ここで、第1実施形態と同等または同一の構成要素については同等または同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0032】
図3に示す燃料電池発電装置において、プラント・システムPS2は、上述と同様の燃料電池1内の酸化剤極1bおよび改質器2内のバーナ室(図示しない)にカソード用調節弁6bおよびバーナ用調節弁7bを介して空気を供給する可変速型ブロワ3bと、空気供給量を制御する制御部5bとを備えている。カソード用調節弁6bは、制御部5aからの指令(後述)S2を受けたときにその弁開度を変更可能となっている。
【0033】
制御部5bは、電池電流または負荷などの値Aを入力して予め設定された関数9aに基づく処理を実行して回転数の基準値Nを算出すると共に、カソード用調節弁6bの開度信号O1を入力して予め設定された補正関数器12に基づく処理を実行して回転数の補正値ΔNを算出し加減算11aで、その補正値ΔNと基準値Nとの加減算値(T+ΔT)を回転数とする指令S2を可変速型ブロワ3bに与える。ここで、補正関数12は、基準値Nのカソード用調節弁6bの開度信号O1に対する補正値ΔNを演算するもので、予め設定した開度信号O1の上限値ORを越えたときにその開度信号O1に比例して補正値ΔNを高めるように設定されている(図中のT−ΔN関係図参照)。
【0034】
従って、大気温度が上昇して空気密度が小さくなった場合でも、制御部5bが可変型ブロワ3bの回転数を高めるように補正するため、カソード用調節弁6bの開度が不安定に大きくなることもなく、空気供給量の減少が補償され、大気温度に関係なく安定して適切な量の空気を供給できる。
【0035】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を図4に基づき説明する。この第4実施形態は、可変速型ブロワ3cの回転数をバーナ用調節弁6cの弁開度に基づいて制御するものである。ここで、第1実施形態と同等または同一の構成要素については同等または同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0036】
図4に示す燃料電池発電装置において、プラント・システムPS3は、上述と同様の燃料電池1内の酸化剤極1bおよび改質器2内のバーナ室(図示しない)にカソード用調節弁6cおよびバーナ用調節弁7cを介して空気を供給する可変速型ブロワ3cと、空気供給量を制御する制御部5cとを備えている。
【0037】
制御部5cは、電池電流または負荷などの値Aを入力して予め設定された関数器9bに基づく処理を実行して回転数の基準値Nを算出すると共に、バーナ用調節弁7cの開度信号O2を入力して予め設定された補正関数器13に基づく処理を実行して回転数の補正値ΔNを算出し、加減算器11bでその補正値ΔNと基準値Nとの加減算値(N+ΔN)を回転数とする指令S3を可変速型ブロワ3cに与える。ここで、補正関数器13は、基準値Nのバーナ用調節弁7cの開度信号O2に対する補正値ΔNを演算するもので、予め設定した開度信号O2の上限値ORを越えたときにその開度に比例して補正値ΔNを高めるように設定されている(図中のT−ΔN関係図参照)。
【0038】
従って、大気温度が上昇して空気密度が小さくなった場合でも、制御部5cが可変型ブロワ3cの回転数を高めるように補正するため、バーナ用調節弁7cの開度が不安定に大きくなることもなく、空気供給量の減少が補償され、大気温度に関係なく安定して適切な量の空気を供給できる。
【0039】
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を図5に基づき説明する。この第5実施形態は、例えば、定速型ブロワ3dを適用し、大気温度に基づいてカソード用調節弁7dの弁開度を制御するものである。ここで、第1実施形態と同等または同一の構成要素については同等または同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0040】
図5に示す燃料電池発電装置において、プラント・システムPS4は、上述と同様の燃料電池1内の酸化剤極1bおよび改質器2内のバーナ室(図示しない)にカソード用調節弁6dおよびバーナ用調節弁7dを介して空気を供給する定速型ブロワ3dと、空気供給量を制御する制御部5dとを備えている。
【0041】
制御部5dは、大気温度を入力して予め設定された補正関数器14に基づく処理を実行して電池電流又は負荷などの値Aの補正値f(T)を算出し、その補正量f(T)と電池電流などの値Aとを乗算器15で乗じた電池電流補正値(A・f(T))を求める。ここで、補正関数器14は、定数をa、bとしたとき、大気温度Tに対する電池電流などの値Aの補正値f(T)を
【数1】
f(T)=(aT+b)1/2
の関数式で演算するものである。
【0042】
この制御部5dは、上記[数1]式による補正値f(T)と電池電流などの値Aとを乗算して求めた電池電流補正値(A・f(T))を入力して予め設定された関数器16に基づく処理を実行してカソード用調節弁6dの開度信号O1を算出し、この開度信号O1に相当する指令S4をカソード用調節弁6dに与える(図中のA・f(T)−O1関係図参照)。
【0043】
従って、大気温度が上昇して空気密度が小さくなったときに、制御部5dがカソード用調節弁6dの開度を高めるように補正するため、空気供給量の減少が補償され、大気温度に関係なく安定して適切な量の空気を供給できる。
【0044】
(第6実施形態)
次に、この発明の第6実施形態を図6に基づき説明する。この第6実施形態は、例えば、定速型ブロワ3eを適用し、大気温度に基づいてバーナ用調節弁7eの弁開度を制御するものである。ここで、第1実施形態と同等または同一の構成要素については同等または同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
【0045】
図6に示す燃料電池発電装置において、プラント・システムPS5は、上述と同様の燃料電池1内の酸化剤極1bおよび改質器2内のバーナ室(図示しない)にカソード用調節弁6eおよびバーナ用調節弁7eを介して空気を供給する例えば、定速型ブロワ3eと、空気供給量を制御する制御部5eとを備えている。
【0046】
制御部5eは、大気温度を入力して予め設定された補正関数器14aに基づく処理を実行して電池電流又は負荷などの値Aの補正値f(T)を算出し、その補正量f(T)と電池電流などの値Aとを乗算器15aで乗じた電池電流補正値(A・f(T))を求める。ここで、補正関数14aは、定数をa、bとしたとき、大気温度Tに対する電池電流などの値Aの補正値f(T)を
【数2】
f(T)=(aT+b)1/2
の関数式で演算するものである。
【0047】
この制御部5eは、上記[数2]式による補正値f(T)と電池電流などの値Aとを乗算して求めた電池電流補正値(A・f(T))を入力して予め設定された関数器16aに基づく処理を実行してバーナ用調節弁7eの開度信号O2を算出し、この開度信号O2に相当する指令S5をバーナ用調節弁7eに与える(図中のA・f(T)−O2関係図参照)。
【0048】
従って、大気温度が上昇してその空気密度が小さくなったときに、制御部5eがバーナ用調節弁7eの開度を高めるように補正するため、空気供給量の減少が補償され、大気温度に関係なく安定して適切な量の空気を供給できる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る燃料電池発電装置にあっては、供給空気の温度及びその温度可変のプロセス状態値のうち、少なくとも1つ以上を検出し、その検出値に基づいて回転数を算出し、算出した回転数を可変速型ブロワに与えるか、または空気を供給する調節弁の弁開度を空気温度に見合う適正に制御する構成にしたので、供給空気の温度に起因する空気密度の変動に関係なく、安定運転に見合う適正量の空気を確実に燃料電池内の酸化剤極や改質器内のバーナ室に供給でき、これにより、例えば空気不足による燃料電池の損傷や改質器内のバーナ室の不完全燃焼などの事態を殆ど回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る燃料電池発電装置の要部構成を示す概略ブロック図。
【図2】第2実施形態に係る燃料電池発電装置の要部構成を示す概略ブロック図。
【図3】第3実施形態に係る燃料電池発電装置の要部構成を示す概略ブロック図。
【図4】第4実施形態に係る燃料電池発電装置の要部構成を示す概略ブロック図。
【図5】第5実施形態に係る燃料電池発電装置の要部構成を示す概略ブロック図。
【図6】第6実施形態に係る燃料電池発電装置の要部構成を示す概略ブロック図。
【図7】定速型ブロワを適用した従来の燃料電池発電装置の要部構成を示す概略ブロック図。
【図8】可変速型ブロワを適用した従来の燃料電池発電装置の要部構成を示す概略ブロック図。
【符号の説明】
1 燃料電池
1a 燃料極
1b 酸化剤極
PS プラント・システム
2 改質器
2a バーナ
3 空気ブロワ
3a,3b,3c,3d 可変速型ブロワ
3d,3e 定速型ブロワ
4 検出部
4a 大気温度検出器
5,5a,5b,5c,5d,5e 制御部
6,6a,6b,6c,6d,6e カソード用調節弁
7,7a,7b,7c,7d,7e バーナ用調節弁
8 補正関数器
9,9a,9b 関数器
10,12,13,14,14a 補正関数器
11,11a,11b 加減算器
15,15a 乗算器
16,16a 関数器
Claims (5)
- 燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出してプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれに空気を供給する可変速型ブロワと、この可変速型ブロワに供給する空気の温度を検出し、検出した温度に基づいて補正回転数を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に基づいて基準回転数を算出する関数器と、この関数器からの基準回転数に上記補正関数器からの補正回転数を加減算して上記可変速型ブロワに修正回転数を与える加減算器とを備えたことを特徴とする燃料電池発電装置。
- 燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出してプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれにカソード調節弁およびバーナ用調節弁のそれぞれを介装させてそれぞれに空気を供給する可変速型ブロワと、上記カソード用調節弁の弁開度に基づいて補正回転数を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に基づいて基準回転数を算出する関数器と、この関数器からの基準回転数に上記補正関数器からの補正回転数を加減算して上記可変速型ブロワに修正回転数を与える加減算器とを備えたことを特徴とする燃料電池発電装置。
- 燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出してプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、 上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれにカソード用調節弁およびバーナ用調節弁のそれぞれを介装させてそれぞれに空気を供給する可変速型ブロワと、上記バーナ用調節弁の弁開度に基づいて補正回転数を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に基づいて基準回転数を算出する関数器と、この関数器からの基準回転数に上記補正関数器からの補正回転数を加減算して上記可変速型ブロワに修正回転数を与える加減算器とを備えたことを特徴とする燃料電池発電装置。
- 燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出してプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれにカソード用調節弁およびバーナ用調節弁のそれぞれを介装させてそれぞれに空気を供給するブロワと、このブロワに供給する空気の温度を検出し、検出した温度に基づいて補正値を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に上記補正関数器からの補正値を乗算する乗算器と、この乗算器からの補正信号に基づいて弁開度信号を算出し、算出した弁開度信号を上記カソード用調節弁に与える関数器とを備えたことを特徴とする燃料電池発電装置。
- 燃料極および酸化剤極を有する燃料電池と、少なくとも水素を上記燃料極に供給し且つ少なくとも空気を上記酸化剤極に供給することにより、上記燃料電池から電気化学的反応に基づく電気エネルギーを取り出してプラント運転を実行させるプラント・システムとを備えた燃料電池発電装置において、上記プラント・システムは、上記酸化剤極および改質器バーナ室のそれぞれにカソード用調節弁およびバーナ用調節弁のそれぞれを介装させてそれぞれに空気を供給するブロワと、このブロワに供給する空気の温度を検出し、検出した温度に基づいて補正値を算出する補正関数器と、上記燃料電池からの電流および負荷のうち、いずれか一方の信号に上記補正関数器からの補正値を乗算する乗算器と、この乗算器からの補正信号に基づいて弁開度信号を算出し、算出した弁開度信 号を上記バーナ用調節弁に与える関数器とを備えたことを特徴とする燃料電池発電装置。
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